女勇者「安価でHな事に負けないよう頑張りながら魔王を倒す旅に出る」 (147)

◇お城 謁見の間

大臣「次の謁見希望者は城下町に住む女勇者どのです」

王様「ふむ、かの先代勇者の一人娘か」

大臣「はい。『王国の平和のため、そして父の敵である魔王を討ち果たすために旅立つことにした』と」

王様「成る程、それで謁見希望か。勇者の旅立ちの際には餞別を贈るのが我が国の慣わしだからな」

王様「……で、その女勇者とやらはどういう人物なのだ?」

大臣「街で聞いた評判によりますと、>>2な性格の娘であるとのことでした」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423043375

人間のクズ

王様「に、人間のクズだと?」

大臣「はい。ギャンブル狂の借金塗れで、口癖は『お願い、倍にして返すからお金貸して!』だそうです」

王様「……ま、まあ性格は百歩譲って置いておくとしよう。勇者としての務めは果たせる人間なのか」

王様「剣と魔法の腕が無い単なる小娘ではとても勇者とは呼べんぞ」

大臣「剣の腕は>>4、魔法の実力は>>5です」

大臣「私もこの目で確かめましたゆえ、間違いありません」

5歳児並

賢者クラス

王様「……剣が五歳児、魔法が賢者クラスだと……」

大臣「はい、剣どころか短剣すら扱えぬ腕前でありながら、一方で最上級魔法も蘇生魔法すらも使いこなす腕前でした」

王様「何故そのような偏ったことになったのだ?」

大臣「ギャンブル絡みでいろいろとイカサマしたり、荒事を解決したりで魔法にばかり頼っていたらそうなったのだとか……」

王様「そ、そうか……」

衛兵「魔法使いに転職したらどうですかね」

王様「ま、まあ良い。魔法の腕があるならまだ見込みもある」

王様「そやつを呼べ、餞別に何をやるかは会って決めるとしよう」

大臣「はっ……かしこまりました」

大臣「では衛兵、女勇者どのを呼んできなさい」

衛兵「は!」







大臣「こちらが女勇者どのです」

女勇者(ドキドキ)

王様(ふむ……これが女勇者か)

王様(……随分と【安価下】な少女だ)



※選択安価

1.小柄で十にも満たない幼子のよう

2.鍛え上げられた鋼のよう

3.豊満な胸が雌牛のよう

4.やせ細り枯れ木のよう

5.髪が短く少年のよう

王様(風が吹けば飛んでしまいそうな少女だ)

王様(これは駄目だな……旅立って三日も持たないだろう)

女勇者「……は、初めまして、王様……女勇者です……」

女勇者「その、わ、私、勇者として旅立とうと思って……」

女勇者「だから、その……えへへ」

王様「……賤しい人間だな」

女勇者「ふぇっ?」

王様「貴様の餞別など銅の剣と100Gで十分だ、とっとと受け取って去れ」

女勇者「ひゃ、100G?! そんな、それっぽっちじゃ借金がぁ……うう」

王様「衛兵、とっととその者をつまみ出せ」

衛兵「はっ」

女勇者「あ、やだ、待ってくださ、せめてもう50Gだけでもぉ……!」





◇城下町

女勇者「うう……つまみ出されちゃいました……」

女勇者「あてが外れました、これからどうしましょう……まさか銅の剣と100Gしか貰えないなんて」

女勇者「さっそく銅の剣は売り飛ばしましたけど、それでもたったの200Gしかないです……」

女勇者「こ、このままじゃ借金取りさんに怒られちゃいますよぉ……」

女勇者(私は先代勇者の血を引く女の子……女勇者です)

女勇者(それなりに恵まれた家庭で生まれて、結構幸せな生活を送っていたんですが……)

女勇者(でもでも、戦いなんて大嫌いで、修行もせずギャンブルばっかりしていたら借金塗れになっちゃったんです……!)

女勇者(お母さんにはとっくに縁を切られちゃって行く宛もないですし……ここは一つ、王様にお金を貰いましょう!)

女勇者(勇者の血を引く私なら王様に会えば何か貰える伝統があるらしいですし!)

女勇者(……なんて、考えていたんですけど……そう上手く行かないものですよね……)

金貸し「やあやあ女勇者さん、景気はどうだい?」

女勇者「ひゃっ! か、金貸しさん……」

金貸し「……その様子だと、王様には力になってもらえなかったみたいだねぇ?」

女勇者「い、いえ、その、そういうわけじゃないんですよ?」

金貸し「分かってるだろうけどもうすぐ返済期限だ……借金10万Gきっちり返せなかったら」

女勇者「か、返せなかったら?」

金貸し「……さぁて、どうなることやらね?」

女勇者「ひぃっ……!」

女勇者「でもぉ、そのぉ、10万Gだなんて大金、返せるかどうか……」

女勇者「あ、いえちゃんと返します、返す気はありますけど、ちょっと自信ないって言いますか……」

金貸し「お得意のアレで稼げば良いだろ? 博打でさ」

女勇者「ゆ、唯一の収入源の賭博場は出入り禁止を食らってしまったんです……」

金貸し「……あっそ」

金貸し「まあ真っ当な方法じゃあまず無理だろうけどね、それこそ身体を売りでもしないと」

女勇者「か、身体を……!? だ、だめですそんなの、初めては好きな人が出来たときのために」

金貸し「……いや。あんたのガリガリな身体じゃ無理か。男も寄り付かないね」

女勇者「あ、あはは……」

金貸し「となれば、本当に勇者らしく冒険でもして稼ぐとかだねえ」

金貸し「アンタの親父さんの仇の魔王でも倒せば報奨金もがっぽりだろ」

女勇者「…………!!」

金貸し「……ま、期日まで精々頑張りなよ。んじゃまたね」

女勇者「は、はい……さようなら……」

女勇者「…………」

女勇者(そ、そうでした、その手がありました……!)

女勇者(私も勇者なんですから魔王を倒すという選択肢もあるじゃないですか!)

女勇者(……まったく考えてなかったですけど!)

女勇者(体力ないし戦いは苦手だし剣も振れないですけど……)

女勇者(でも魔法には自信あるし、頑張れば何とかなるかもしれません!)

女勇者(正直分の悪い賭です。でも私
大穴に突っ込むのは大好きですし!)

女勇者(……よーし、心は決まりました!)

女勇者(魔王を倒して借金返済! これが私の目標です!)

女勇者(…………)

女勇者(……無理そうだったら、身体を売ることも考えたほうが良いんでしょうか……)

女勇者(……ってダメダメ! そんなのダメです!)

こうして人間のクズ、女勇者ちゃんは魔王を倒すべく旅立つことを決意したのでした。

果たして女勇者ちゃんは無事に魔王を討ち取り借金返済出来るのでしょうか。

そもそも生き残れるのでしょうか。魔王を倒すどころか、会う前に命を落とすかもしれません。

もしかしたら心が折れちゃってヤケになってあんなことやそんなことをしちゃうかもしれません。

悪い人や魔物にずっこんばっこんされるかもしれません。

物凄い奇跡的に大金を稼いで他の方法で借金返済をすることもあるかもしれません。

全ては安価の導きにかかっているのです……。

◇城下町 自宅

女勇者「よーし! じゃあ旅の準備をするとしましょう!」

女勇者「装備を整えて、食料を買って、後は……旅の仲間も居れば心強いですねぇ」

女勇者「仲間は冒険者の酒場で雇えるはずです」

女勇者「さてさて、まずはどうしましょうか」

女勇者ちゃんの行動【安価下】

◇冒険者の酒場

女勇者(仲間探しをすることにした私はとりあえず冒険者の酒場までやってきたのでした)

店主「いらっしゃい。おや、あんたは」

女勇者「?」

店主「人間のクズで有名な女勇者さんじゃないか」

女勇者「あ、どうも……人間のクズです……」

店主「ここは冒険者の酒場だ、賭博行為はお断りだよ」

女勇者「い、いえ違います、そういう目的じゃなくて……」

女勇者「一緒に冒険してくれる仲間を探しに来たんです」

店主「冒険……? あんたがか? いったい何のために?」

女勇者「それは……え、えと、勇者として、魔王を倒すためです!」

店主「……はあ?」

店主「あー、成る程成る程、そういうことかい」

女勇者「はい、そ、そういうことですっ」

店主「とうとう詐欺にまで手を出したってわけかい?」

女勇者「へ?」

店主「あれだろ? 寄付金とか募るんだろ?」

女勇者「ち、違います! 倒す倒す詐欺とかそういうんじゃありません!」

女勇者「純粋に、本気で、魔王を倒しに行くんです!」

店主「……まあ、あんたがその気なら止めやしないけどね」

店主「あんたの金遣いの荒さは有名だ。この店であんたに着いていこうなんて奴はいないと思うよ?」

女勇者「う……」

モブA「……おいおい聞いたかよ、あのクズが魔王退治だってさ」

モブB「ありえねえだろ……くくっ」

女勇者「うう……」

女勇者「で、でもダメ元で良いからお願いします」

女勇者「店主さんはこの手の仲介役もしてくれるんですよね?」

店主「仕方ないね……あんたの親父さんには世話になったこともあるし」

店主「一回だけ冒険者連中に声をかけてみるよ」

女勇者「あ、ありがとうございます……!」

店主「おっと、その前に……条件はどうなってる?」

女勇者「へ?」

店主「ド素人のあんたと旅に出るってことは、チームを組むと言うよりは護衛を雇う形になる」

店主「そうなれば必要なのは雇用条件を示すことだ。あんた、幾らまでなら出せるんだ?」

女勇者「ええと……じゃあ」

女勇者「【安価下】!」

女勇者「出世払いでお願いします!!!!」

店主「アホか!! そんな条件飲む奴がいるか!!」

女勇者「ええっ、で、でもでも、私一応勇者ですし、魔王を倒したら大出世でお金だって……」

店主「一つ聞くが、勇者とはなんぞや?」

女勇者「えっ、勇者? そ、それはもちろん勇敢で心優しくて正義の味方で……ええ、その、ごめんなさい……」

店主「……まあ約束は約束だ、一応声をかけてやるよ」

女勇者「お、おねがいします……」







店主「……おい、驚け。一人だけその条件で請ける、って奴がいたぞ」

女勇者「ええええ!? なんでですか!?」

店主「こっちが聞きたいよ。まあとにかく紹介してやる」

女勇者「だ、大丈夫ですかっ? その人って詐欺師とかに騙されてるんじゃないですか?!」

店主「ええい五月蠅いぞ現行犯」

店主「ええと、こいつがあんたの護衛を引き受ける物好きの……」

現れたのは……

職業:【安価下】

聖騎士「は、はじめまして! ボクは、その、えと、聖騎士です! って、あわわ、この鎧を見れば分かりますよね……」

女勇者「こ、子供? なんでこんな子が冒険者の酒場にいるんですか?」

聖騎士「子供じゃないですっ、こう見えてもう15なんですよ!」

女勇者「あ、そ、そうなんですか……ごめんなさい」

聖騎士「あっ! え、えと、ごめんなさい、ボクの方こそ大きな声だしちゃって……」

店主「何青臭いやり取りしてんだおまえ等」

店主「……しっかし本当に良いのか? まだ新米とはいえ聖騎士のお前ならもっと割の良い仕事だってあるだろうに」

聖騎士「い、良いんです! これはボクの使命なんですから!」

女勇者「使命?」

聖騎士「はい! 実は、えと、ボクの両親は先代勇者様に命を救われてて……」

聖騎士「だからボクはいつかその恩返しをしたいと思ってたんです」

聖騎士「そうしたら勇者さまの娘さんである女勇者さまが困ってるって、たまたま今聞いて」

聖騎士「もうこれは運命だと思って、だから、えと……」

女勇者(う、運命っ!?)

聖騎士「と、とにかく! これからよろしくおねがいします!」

女勇者「え、あ、は、はいっ! こちらこそ不束ものですが……」

店主「なんだそりゃ……やれやれ。とりあえず話はまとまったみたいだな」

店主「確かおまえは魔法だけは得意なんだったか? 聖騎士の守りが加われば思いのほか良いコンビになるかもしれないな」

女勇者「な、なるほど……この巡り合わせに感謝ですね」

聖騎士「わあ! 勇者さまは魔法がお得意なんですか!」

女勇者「あ、はいそうですよ。得意技はメガンテとザオリクを同時にかけることです!」

女勇者「ちょっとした自慢です!」

聖騎士「すごいです……流石は勇者さま!」

聖騎士「きっと小さな頃から勇者として修行されてたんですよね……ボクも見習わなきゃ!」

女勇者「……え?」

店主「ああー……おまえ、こいつのこと知らないのか」

聖騎士「はい?」

店主「いや有名な話なんだがな、こいつがなんで魔法が上達したのかっていうとイカサマを……」

女勇者「あ、ありがとうごさいました店主さん! 私たちもう行きますね!」

店主「お? おう」

女勇者「それじゃあさようなら、行きましょう聖騎士さん!」

聖騎士「え? え? わああ、ひ、引っ張らないでくださいー!」

◇商店街

女勇者「ふう……危ないところでしたぁ……ぜえぜえ」

聖騎士「だ、大丈夫ですか? ずいぶんと苦しそうです……」

女勇者「だ、大丈夫です……ただちょっと、私、体力がなくて……」

聖騎士「そ、そうなんですか……勇者さまにも苦手なことがあるんですね」

女勇者「……がっかりしました?」

聖騎士「いえ、そんなことはないです! むしろ、その、なんだか身近に感じられて嬉しいっていうか……」

聖騎士「あっ、ご、ごめんなさい、そんな、馴れ馴れしいですよね!」

女勇者「い、いえ、気にしてないですよ! 私もそう言ってもらえると、幾らか気が楽って言いますか、その」

女勇者(聖騎士さんは随分と真面目な男の子みたいです)

女勇者(良かったです、ちゃんとした人が仲間になってくれて)

女勇者(彼じゃなくて怪しい盗賊男とか荒くれが仲間だったら大変なことになっていたかもしれませんね……)

女勇者(まあ起こらなかった未来のことを妄想しても始まりません、次の行動に移りましょう!)

女勇者(仲間とは出会えましたしもう出発しましょうか……それとも装備を整えてましょうか……)

女勇者(ここは【安価下】です!)

女勇者「ここはペットを探しましょう!」

聖騎士「え……ぺ、ペットですか?」

女勇者「はい。勇者にお供の動物は付き物ですから」

聖騎士「あ、そういえばそうでしたね……勇者さまのお父様は」

女勇者「ご存じでしたか。まあ私の父が犬と猿と雉をお供にして亀の背に乗り熊と組み手を取り勝利を収めた逸話はあまりにも有名ですものねぇ」

聖騎士「はい、ちっちゃい頃からボクもそんな強い男になりたいって思ってました!」

女勇者「まあ父にあやかる訳じゃないですけど、こういうのは様式美ってものですよね」

女勇者「私たちも心強いお供のペットを仲間にしましょう!」

聖騎士「はいっ!」

聖騎士「ええと……そ、それじゃあどうしますか? たしかこの街には護衛用の獣を扱ってるお店もあったような……」

聖騎士「街の外で戦って従わせる手もありますけど……ちょっと難しいかもしれません……えと、ボクたちは素人ですし……」

女勇者「ううーん、そうですねぇ」

女勇者「じゃあ、【安価下】でペットを探しましょう!」

女勇者「城下町の森林公園で探しましょう!」

聖騎士「えっ……こ、公園ですか?」

女勇者「リスさんくらいなら見かけたと思うんです」

聖騎士「ええと……まあ、いるかも知れないですけど……」

聖騎士「旅の役に立つんでしょうか……」

女勇者「……り、リスさんがいればナッツを探してきてくれますよ!」

女勇者「長旅では重要なことなんです!」

聖騎士「成る程……! さすがです勇者さま! そんな視点でペットを選ぶなんてなかなか出来ることじゃないです!」

女勇者「あ、あはは……と、とにかく行きましょうか」

◇森林公園

女勇者(そんなわけでペットを探しに公園までやってきたのでした)

女勇者「うーん。改めて捜すとなると見つからないものですねえ、リスさん」

聖騎士「はい……」

女勇者「……ちょっと日も傾いてきましたし、諦めたほうが良いかもしれませ……」

聖騎士「……あれ? ちょっと待ってください」

女勇者「?」

聖騎士「今なんだか動物の呻き声が聞こえたような……気が、します」

女勇者「ホントですか! 野犬か何かかもしれませんね」

女勇者「探してみましょう!」

聖騎士「はいっ」

聖騎士「えっと、こっちの茂みの方から────」

女勇者「……っ!?」

腐った屍体(女賢者「オオオオオオオ……」

女勇者「……ひゃああ!?」

聖騎士「わわわ!? アンデットモンスター……!? そんな、どうして街中に!?」

女勇者「こんなところにアンデットなんているはずないのに……いったいどうして……」

女勇者「それに、あの装束……高位の賢者だけが身に纏える聖衣です……!」

聖騎士「え! じゃ、じゃああのアンデットは賢者さまなんですか!?」

女勇者「間違いないです……父の知人があれと同じ種類のモノを着ていましたから」

聖騎士「……!」

聖騎士「ど、どうしましょう、アンデットを放っておくことなんて出来ないですけど……でも戦ったて勝ち目はあるんでしょうか……?」

女勇者「わ、分かりません、とりあえず……」

女勇者「とりあえず彼女のことは腐賢者さんと呼ぶことにしましょう……!」

聖騎士「え、あ、はい……!」

腐賢者「オオオオオオオ……!!」

女勇者(ど、どうしましょう、私、魔法は得意ですけど……)

女勇者(モンスターさんとの戦闘経験は皆無なんですよね)

女勇者(聖騎士さんもあまり経験はなさそうですし……)

女勇者(に、逃げちゃいますか?)

女勇者(あ、でも倒したら報奨金とか出るかも……)

女勇者(……うう、よーしここは……!)

女勇者(【安価下】です!!)

大男の首の上から小男の上半身が生えている魔物

人懐っこい性格だが知能は犬並みで言葉を話せない

名前はまだない

こいつに頼ろう

ちょっと>>90が理解できなかったので大変申し訳ないのですが頻尿を採用します。

といったところで今日はここまで。
おやすみなさい。

女勇者「せ、聖騎士さん! 勇者としてあの方を捨て置くわけにはいきません!」

女勇者「なんとかして浄化してあげましょう!」

聖騎士「……! わ、わかりました! そうですよね、街の人に被害が出る前に止めなきゃですよね!」

腐賢者「オオオオオオオ……」

女勇者「っ、来ますよ! 足止めをお願いします!」

聖騎士「はいっ!」

腐賢者「……オオオン!!」

女勇者(うん、やっぱりここはやっつけて報奨金ゲットですよ!)

女勇者(ついでに服も剥いで売り飛ばしましょう!)

女勇者(金目の物も頂きです、賢者さまならきっと良いもの持ってます!)

女勇者(下着も『女賢者さま愛用!使用済み下着』とか言ってどこかの好事家に高値で売り飛ばしましょう!)

女勇者(…………)

女勇者(だなんて、私は企んでいたのですが……)

女勇者(それが甘い考えだったと知るのは、本当にすぐのことでした)





聖騎士「はぅう……」

女勇者「うう……そ、そんな、まさか、私の魔法が全部跳ね返されるなんて……」

腐賢者「オオオオオオオ……」

女勇者「さ、さすがは賢者さんです、腐っても魔法対策はバッチリなんですね……」

女勇者「跳ね返った魔法のおかげで私も聖騎士さんも瀕死の重傷、逃げることも叶いません……」

腐賢者「オオオオオオオ……!」

女勇者「あは、は……これはもう駄目かも知れないですよぉ……」

────アンデットは魔物の中でも特にHなことへの欲求が強い存在です。

失われた命への未練なのか、生者への嫉妬なのか、その理由は定かではありませんが……

彼ら、彼女らは敗者に例外なくHなことをすると知られています。

アンデットはエロい。この国では常識です。いえきっと世界共通認識です。

私を破った腐賢者さんも御多分に漏れず性欲旺盛なようです。

その欲望を満たすため、私たちの方へとにじりよって来ました。

腐賢者「オ……ゥオ……ゥオオオオ……!!」

女勇者(で、でもこの腐賢者さんは女の人みたいですし、どっちかと言えば聖騎士さんのほうが狙われますよね……)

女勇者(いっそ聖騎士さんを囮にして襲われている間に……)

腐賢者「オ……オオオオ……」

女勇者「うん?」

腐賢者「オンナのコ……ダイスキいいいい……!!」

女勇者(あ、これダメなパターンです)

腐賢者「オオオオオ!!」

女勇者「きゃああああ!!」

腐賢者さんは人間の限界を超えた腕力で私を押し倒します。

更には器用に風魔法を操り、私のスカートだけを切り裂いて下着を露出させました。

うう、お気に入りだったのに。

瞬く間に下着を晒されてしまった私は羞恥と恐怖に絡め捕られて身動きが出来ません。

聖騎士さんの助けを期待してそちらを見ましたが、彼は完全に気を失っているようです。期待は出来ません。

私は逃げることも抵抗することも出来ずただ声を押し殺すのでした。

腐賢者「ウオオ……パンツ……カワイコのパンツ……」

女勇者「や……やめて、くださっ……見ないで……」

腐賢者「シロ……シロダ……ジュンパク……」

女勇者「っ……! へ、へんなことい、言わないでくださいっ……!」

女勇者(ああ、もう、なんなんですかこの人……!?)

女勇者(聖騎士さんは起きそうにないし……うう、起きられたら下着を見られちゃうから起きないで欲しい気もしますけど……)

腐賢者「…………オ、モ ラシ」

女勇者「……え?」

腐賢者「オモラシ……サセル……!」

女勇者「え、えっ……ちょ、なにを……」

腐賢者「オオオオオオオ……!!」

女勇者「あっ……んぁっ、や、嗚呼ああ……!?」

腐賢者さんが一際大きな唸り声をあげたかと思うと、とたんに私の下腹部が熱くなります。

焼けるように私の身体を苛む不可思議な熱、その熱の正体は何なのか、すぐに思い当たりました。

これは呪いです。

アンデットが使える特殊な力で、怨念や執着心が他者の身体に異常を来す、恐ろしい力です。

大抵の場合、身体の自由を奪ったり身体能力を制限させたりするのですが……

私にかけらたこの呪いは、その、今の腐賢者さんの台詞から言って間違いなく……。

女勇者「あ、あう……」

女勇者(なんですか、これ……! お、おトイレに行きたくなってきました……!)

腐賢者「ウオオン……オオン!」

女勇者「ひゃっ?! あっ、やっ、ソコっ、舐めないで……!」

腐賢者「オオっ、オオオオっ!!」

女勇者「あうっ、あ、だめっ、今お腹グリグリされたらっ……で、出ちゃっ……!」

腐賢者さんは下着越しに私の……その、えと、お股を舐め始めました。

更に、意外と腐ってない指先で下腹部を撫で回します。

優しく撫でたり、指先でお腹を押したりと、緩急のリズムをつけたその巧み手付きは嫌に慣れた様子でした。

生前は余程経験豊富だったのでしょうか……どんなことをしていたのでしょうか、想像するだけで恐ろしくなります。

と、とにかくこのままじゃ不味いです。

不意打ち気味な尿意と、このやらしい責めを受けて、私の我慢はあっという間に限界を迎えそうです!

女勇者「ふあっ、ぅぐ、ううう……!」

腐賢者「んっ……はむっ、んちゅっ……」

女勇者「や、やらぁ、も、やめてくださぃい……!」

腐賢者「プルプル、シテキタ……モウスグ……ウオオン」

女勇者「あっ、はっ、ううう……!!」

防壁が決壊寸前の状態の私。

嗚呼……何だか下半身の感覚が薄れてきました……。

で、でも私だって一応勇者なんです、こんな、公共の場所で粗相なんて出来ませんっ。

こ、こんなとこでお漏らしするなんてイヤです……絶対に、絶対にお漏らしなんて……しま、せんっ……!

────そう心の中で叫んだ次の瞬間────

【安価下】コンマ以下で判定

00ー29 漏らさない
30ー59 ちびる
60ー89 漏らす
90ー99 漏らさない上に奇跡が起こる

女勇者「んぅっ!」

耐えきれず、ぶるっ、と小さく身体が震えてしまいました。

ジワリと液体が染み込む感覚が嫌でも伝わってきます。

うう……ちょっと湿っちゃいました……生暖かくて気持ち悪いです……。

腐賢者「……マダマダ、デル……」

女勇者「あうっ……くぅぅ……!!」

腐賢者さんの責めが続きます……。

女勇者「あ、はぁっ、や、やだ、もうダメですぅ……!」

辛うじて大惨事になる直前で止めることが出来ました。

しかし一度出てしまうともうその勢いは止められそうにありません。

きっと、いえ間違いなくすぐに残りのものが漏れ出てしまいます。

人気はないとはいえ公共の場で、だらしなくお漏らしして、パンツを台無しにしてしまう……

そんな自分の姿がもう目の前に居るのが見えるかのようです。

女勇者「そ、そんなのだめ、お漏らしなんて嫌ですっ……!! はううう……!」

嗚呼、喚いても何も変わるわけでもないのは分かっているのですがでも、せめて、せめてお漏らしじゃなくて────

……せめてお漏らしじゃなくて?

女勇者「……!?」

突如私の中に天啓が降りてきました。

そ、そうです! このまま出しちゃったらパンツがビチョビチョのお漏らしになっちゃうのは間違いありません。

ですから────ここは思い切って、パンツを脱いじゃえばお漏らしじゃなくなるんじゃないでしょうか!!

女勇者(そうと決まれば早くパンツを脱がないといけません……!)

女勇者「んっ、くっ!」

腐賢者「オ?」

女勇者(うう、腐賢者さんが馬乗りになっているせいで身動きが取れないです!)

女勇者(この状態じゃあパンツが脱げないです……!)

女勇者(こ、ここは何としてもパンツを脱ぐために……)

女勇者(【安価下】です! それしかありません!)

女勇者「んっ、くっ……お、お願い、します……」

腐賢者「オ?」

女勇者「お願いです、ど、どいてくださいっ……!」

腐賢者「…………」

女勇者「くっ、んっ……! はあ、はあっ……な、何でもします、からっ、何でも言うこと聞きますからぁ……!」

女勇者「だ、だからどいてください、お願いしますぅ……!」

腐賢者「…………」

女勇者「んっ! ひっ、あっ、あっ、もう、だめ、我慢できないんですっ!」

女勇者「お願いですから、パンツ、パンツを脱がさせてくださいぃい……!」

腐賢者「…………オオオオオオオ!!!!」

女勇者「きゃあああっ!?」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom