山城「提督とお話し」 (73)
提督「よし、仕事も終わったな」
扶桑「はい」
提督「今日もお疲れ様、扶桑。明日は特に予定がないから、ゆっくり休んでくれ」
扶桑「ありがとうございます、提督」
提督「お前にはいつも頑張ってもらっているからな」
提督「本当に感謝しているよ」ニコ
扶桑「そ、そんな・・・私は当然のことをしているだけです」
提督「それでも、さ」
扶桑「は、はい・・・///」
扶桑「それでは提督、お先に失礼します」ペコ
提督「おやすみ、扶桑」
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提督「さて、あとはこの海域の編成を・・・」
コンコン
提督「(ん? 誰だ?)」
提督「どうぞ」
??「失礼します・・・」ガチャ
提督「あぁ・・・」
提督「山城じゃないか」
提督「どうしたんだ?」
山城「はい。少し、提督にお話が・・・」
提督「ん? おぉ、良いぞ?」
山城「・・・さて、では提督」
山城「少し、私の話を聞いてくれますか?」
山城「何を話そうかしら・・・って」
山城「うっかり、考えていませんでした」
山城「そうですね・・・では、私が扶桑姉様と」
山城「そして、提督と過ごした思い出話でもしましょうか」
― 『ようこそ、我が鎮守府へ』 ―
妖精「センカンデキタヨー」
提督「おぉ、そうか! どれどれ」
山城「ここは・・・? 私は一体どうして・・・」
提督「やぁ、こんにちは」
山城「ふぇっ!?」ビク
提督「これは驚かして申し訳ない」
提督「君は・・・扶桑型戦艦、山城だね?」
山城「え? は、はい、そうですけど・・・」
提督「ここはとある鎮守府。そして、私はここの提督だ」
提督「君は前世を戦艦として生きてきたが、今日から新しく」
提督「艦娘として生まれ変わったんだ」
山城「???」
提督「あれ・・・?」
扶桑「提督、そう一気に説明をしても、わからないと思いますよ?」
扶桑「山城は、まず何が起きているのか、わかっていないみたいですから」
山城「扶桑姉様!?」
扶桑「ふふ・・・山城、久しぶりね」ニコ
山城「扶桑姉様! 会いたかったです!」ブワワ
扶桑「私もよ、山城。まったく、貴女は相変わらず甘えん坊さんなんだから」
山城「うぅ・・・!」グス
提督「感動の再開ですな」
扶桑「提督、山城には私から事情を説明しておきますね?」
提督「あぁ、申し訳ないが頼む」
提督「山城が落ち着いたら、後で執務室に来てくれ」
扶桑「はい、わかりました」
山城「・・・今の日本が、そんなことになっていたなんて」
扶桑「えぇ・・・そんな中、深海棲艦に太刀打ちできる兵器として誕生したのが」
扶桑「私達、艦娘よ」
扶桑「私達はレイテ沖で沈み・・・そして、ここで新たな人生を歩み出すの」
山城「でも、悪く言えば人間側が勝手に私達をつくり・・・」
山城「戦争の道具にしているようにも思えます」
山城「今も昔も、私達の運命は変わらないのですね・・・」
山城「不幸だわ・・・」ズーン
扶桑「山城、そういう風に考えてはいけないわ」
扶桑「例え平気であっても、私達は人間と同じ姿をしている」
扶桑「戦艦として生を受けたあの頃ではできなかったことが」
扶桑「今は楽しむことができるわ」
扶桑「それに、ここは良いところよ? みんな優しいし」
扶桑「何より、提督が私達のことをとても大切にしてくれるの」
扶桑「兵器としてではなく、1人1人人間として見てくれたわ」
扶桑「だから、この戦争が終わるまで、また一緒に頑張りましょう?」
山城「扶桑姉様・・・」
山城「私は、扶桑姉様と一緒なら」
山城「どんな苦難が待ち構えていたとしても、頑張っていけます!」
扶桑「ふふ・・・ありがとう、山城。良い妹を持ったわ」
山城「はへぇ!?///」ビク
扶桑「提督は、戦争しか知らなかった私達に」
扶桑「様々な、生きる喜びを教えてくれた人・・・」
扶桑「提督のおかげで、こうして私達も会えることができたの」
扶桑「感謝、しなくちゃね?」
山城「は、はい・・・」
山城「(あの人・・・どんな人なんだろう?)」
― 執務室 ―
提督「扶桑、説明ありがとう」
提督「ということで、よろしくな? 山城」
山城「は、はい・・・よろしくお願いします」
提督「急なスケジュールで悪いが、近日君のステータスを見るために」
提督「演習をしようと思う」
提督「俺も資料とかを見てみるから」
提督「それまでは、ゆっくりしてくれ」
提督「扶桑もいることだし、久しぶりに姉妹での会話を楽しんでくれ」
山城「はい! それはもちろん!」クワッ
提督「」ビク
提督「えーと・・・早くここの生活に慣れると良いな?」
山城「扶桑姉様がいれば、それだけで満足です!」
提督「(この子、よっぽどお姉ちゃん子なんだな)」
山城「それと、扶桑姉様は提督とどういった関係で・・・?」
扶桑「え?」
提督「ん?」
山城「何か他の艦娘よりも、上の立場にあるような・・・」
山城「それに、随分と提督と親しい感じがして・・・」ギロ
提督「(ぬぉっ!?)」ビク
扶桑「えっと・・・私、提督の秘書艦なの」
山城「秘書艦?」
扶桑「えぇ。といっても、事務仕事をするのがほとんどで」
扶桑「出撃時には旗艦として海に・・・」
山城「はい!?」
山城「提督! 一体どういうことですか!」バン ベキベキ
提督「ひぃっ!?」ビクビク
扶桑「や、山城!?」ビク
山城「扶桑姉様に雑務をさせて・・・」
山城「おまけに旗艦だなんて、危険な目に遭わせているだなんて・・・!」プルプル
山城「言語道断です!」ダン ベキン
提督「ふぁいっ!」ビクビク
扶桑「山城! 落ち着きなさい!」
扶桑「秘書艦はそんな酷いものではないわ」
扶桑「それに、旗艦であるかないかはそれほど関係ないわ」
扶桑「だから、ね?」
山城「・・・そうですか」
提督「」ビクビク
山城「わかりました。そういうことであれば・・・」
扶桑「はぁ・・・」
山城「あ、提督。1つお話が」スッ
提督「ん?」
山城「扶桑姉様に手を出したら、呪いますからね?」ニタァ
提督「」
山城「ふふ・・・」
扶桑「?」
山城「扶桑姉様、私まだ鎮守府の構造とかわからないので・・・」
扶桑「あぁ、そうだったわね」
扶桑「提督、少し山城を案内してきますね?」
提督「」
― 夜 ―
提督「扶桑、山城の様子はどうだ?」
扶桑「はい、とてもここを気に入っていましたよ」
扶桑「それに、時雨ちゃんや満潮ちゃん、最上ちゃんにも会えて」
扶桑「とても喜んでいました」ニコ
提督「そうか、それは良かった」
提督「・・・なぁ、扶桑」
扶桑「はい、なんですか?」
提督「あの・・・山城ってさ」
提督「結構なお姉ちゃん子だよな?」
扶桑「はい。私達、とても仲が良いんです」
提督「そ、そうか・・・はは」
提督「(あれは仲が良いというレベルなのだろうか・・・)」
扶桑「仲が良過ぎて困るときもありますが・・・」
提督「やっぱり・・・」
扶桑「えぇ・・・たまに暴走するんです、あの子」
提督「はぁ・・・」
扶桑「はぁ・・・」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
山城「確か、私が初めてこの鎮守府に来たときは」
山城「こんな感じでしたね」
山城「あのときは、机と床を壊してしまって、ゴメンなさい・・・」
山城「ふふ・・・」
山城「・・・・・・」
山城「・・・それから少し経って」
ハイライト吸ってくる
ハイライトって、どの銘柄にもない味だよな
ゴールデンバットに近いかな?
無駄知識だけど、戦時中はゴールデンバットって金鵄って名前だったのね
― 『扶桑姉妹、大活躍』 ―
提督「お疲れ様。2人とも、今回は大活躍だったな!」
提督「これでこの海域は制圧完了だ。お手柄だぞ!」
扶桑「ありがとうございます、提督」
山城「私は扶桑姉様が一緒なら、どんな敵にも負けません」
山城「レイテ沖のときのように、なりたくないですから・・・」
提督「・・・・・・」
扶桑「・・・・・・」
提督「・・・そうだな」
提督「俺もなるべく被害を最小限に留められるように、努力するよ」
提督「艦娘の命は、人の命と同じくらい重いものだ」
提督「提督として、君達を沈ませるわけにはいかない」
山城「提督・・・」
扶桑「提督・・・そんなに私達のことを・・・」ウル
山城「(扶桑姉様!? 涙を・・・)」
山城「」ギロ
提督「ひっ!?」ビクビク
山城「扶桑姉様を泣かせるとは・・・どういうことですか!?」バン バキィ
提督「また机がぁぁっ!?」
扶桑「山城、落ち着いて! この机、結構高いのよ!」
山城「扶桑姉様の涙に比べれば、こんなもの塵と一緒です!」
提督「落ち着け、山城!」
山城「 は い ? 」ニタァ
提督「」
扶桑「山城! 提督は何も悪いことをしていないわ!」
山城「それもそうですね・・・」
山城「すいません、少し取り乱しました・・・」
提督「・・・まったく、比叡に続いて、どうしてこうなるんだ」ボソ
ヒエーーーーー!!
ノーーー!! ワタシノアンダーウェアガァァァ!!
提督「・・・・・・」
扶桑「・・・・・・」
山城「?」
提督「はぁ・・・」
扶桑「はぁ・・・」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
山城「あれから、遠征、演習、出撃も」
山城「どれも上手くいって、高戦績になりましたね」
山城「扶桑姉様と一緒だったから、ということもありますが」
山城「提督の指揮にも、感謝しています」
山城「でも、すっかり机関係で提督に怒られることが多くなりましたね」
山城「ふふふ・・・」
山城「・・・・・・」
山城「あとは、私が大破してしまった日・・・」
― 『山城の坐骨結節は見えなかった』 ―
提督「山城! 大丈夫か!?」
山城「なんとか大丈夫です」
山城「扶桑姉様が無事ならば、それで良いんです」
扶桑「私が無茶なことをしなければ・・・」
扶桑「山城、本当にゴメンなさい・・・!」ポロポロ
山城「ふ、扶桑姉様!? 謝らないで下さい!」
提督「俺からもすまなかった。戦場では、いくら不測の事態が起きかねないとはいえ」
提督「艦娘を沈ませるのは、俺の責任だ」
提督「山城、すまなかった・・・」
山城「そ、そんな・・・提督も謝らないで下さい」
山城「沈まずに帰ってきたんですから、良かったじゃないですか」
山城「それに、私もそう簡単に沈みませんよ?」
山城「だって、沈んでしまったら、扶桑姉様と一緒に過ごすことができなくなりますから」
扶桑「山城・・・」
提督「山城、高速修復剤をあげるから、入渠後はゆっくりしてくれ」
山城「ありがとうございます」
扶桑「では提督、私も・・・」
提督「あぁ」
提督「(・・・!?)」
提督「(山城! おしりが丸見えではないか!)」
提督「(いかん! 山城は命がけで戦っているんだぞ!?)」
提督「(今回は扶桑を庇って大破したというのに!)」
提督「(いくらおしりが丸見えとはいえ、邪淫の念はダメだ!)」
提督「(・・・・・・)」
提督「(それにしてもけしからん!)」
提督「(なんて良いおしりなんだ・・・)」
山城「提督?」
提督「な、なんだ?」
山城「私の臀部を凝視するのは良いですが・・・」
山城「もし、扶桑姉様にそのような視線を向けたら・・・」
山城「わかっていますよね?」
提督「」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
山城「あのとき、私が気づいていないとでも思っていたんですか?」
山城「提督はわかりやすいですからね」
山城「視線というのは、意外と気がつくものなんです」
山城「あ、提督。こんな話を知っていますか?」
山城「目の呪い」
山城「霊的存在や、人の逆鱗に触れると」
山城「いつも、誰かに見られている感じがして」
山城「遂には発狂して、死んでしまうんです」
山城「私ですか? ふふ・・・」
山城「さぁ・・・どうでしょうかね?」
― 『扶桑姉妹とこたつ』 ―
扶桑「はぁー・・・」ヌクヌク
山城「ふぅー・・・」ヌクヌク
提督「あぁ~」ヌクヌク
山城「提督、いつの間に私達の部屋にいたんですか?」
提督「いや、実は既にこの中に入っt」
山城「ふふ・・・」ニタァ
提督「」
扶桑「ふふふ・・・山城は提督と仲が良いのね」
山城「そんなことはないと思います・・・」
提督「」チーン
扶桑「山城。はい、みかん」スッ
山城「ありがとうございます」
山城「やはり、こたつにはみかんですよね」
扶桑「日本の冬のスタイルと言えば、これよね」
ペーニャ「Yes!」
山城「誰!?」ビク
山城「はぁ・・・あの人には試合に戻っていただきました」
扶桑「あらそう」
山城「提督、いつまで寝ているんですか? よくわからない人が紛れ込んでいましたよ?」ユサユサ
提督「うぬ」
山城「まったくもぅ・・・」
モゾモゾ・・・
山城「提督、足をこちらにやらないで下さい」
提督「ん? そんなことしていないぞ?」
山城「え? じゃあ、扶桑姉様・・・///」
扶桑「?」ニコ
― こたつの中 ―
春雨「ん・・・///」モゾモゾ
― 『扶桑姉妹とお昼寝』 ―
提督「んー・・・ちょっと眠いな」
扶桑「すいません、私も少し・・・」
提督「丁度区切りもついたし、少し仮眠を取るか」
扶桑「良いんですか?」
提督「仕事の能率を上げるために必要なことだよ」
提督「扶桑、なんなら俺と一緒に寝るか?」
扶桑「ふぇ!?///」
提督「はは、なーんt」
山城「・・・・・・」
提督「」
提督「なんでいつも現れるんだよ!?」
山城「扶桑姉様のいないところに山城は現れない・・・」
提督「納得したよ!」
山城「ところで提督。先ほどの扶桑姉様に対してのセクハラ発言は、いかがなものかと」ギロ
提督「」ビクビク
扶桑「私は大丈夫よ。そうね・・・」
扶桑「山城も、一緒にお昼寝をしない?」
山城「わ、私もですか?」
扶桑「提督も入れて、仲良く3人で・・・ね?」
山城「扶桑姉様と一緒・・・///」
提督「ありがたき幸せ・・・!」
山城「提督は・・・まぁ、良いですけど・・・」
提督「どうも」
提督「ところで、どこで寝る?」
扶桑「では、折角ですので提督の寝室で・・・///」
山城「」ムッ
提督「(こういう発言を聞くと、少し期待をしてしまう)」
提督「じゃあ、ちょっと部屋整理してくるよ」
提督「そういえば布団の中にパジャマが」
提督「着替えるか」バホ
春雨「あ・・・司令官・・・!///」モゾモゾ
提督「・・・・・・」
春雨「ん・・・!/// って! 司令官!?///」ビク
提督「・・・・・・」
提督「・・・さて、パジャマは執務室で着替えて」
提督「扶桑達の部屋にお邪魔するかな」
春雨「あ! 待って下さい! こ、これは・・・///」
提督「(これはあとで・・・夕立に説教してもらおう)」
提督「いやぁ、すまんな」
提督「俺の部屋、思っていたよりも散らかっていてな」
扶桑「いえ、構いませんよ?」
山城「扶桑姉様・・・ℤℤℤ」
提督「(おぉ・・・2人とも、良い匂いがする)」
提督「(落ち着くなぁ・・・こんな美人2人と一緒にお昼寝なんて)」
提督「(幸せ者だなぁ・・・)」
― 提督私室 ―
春雨「司令官・・・春雨を放置して・・・!///」モゾモゾ
春雨「こ、これもこれで・・・良い・・・ですよぉ!///」モゾモゾ
春雨「あ・・・!///」ビクビク
夕立「・・・・・・」
夕立「提督さん! 助けてっぽい!」ウワーン
― 『扶桑に相談』 ―
扶桑「それで、夕立ちゃん」
扶桑「相談って何かしら?」
夕立「最近、春雨が提督のことしか頭になくて」
夕立「昨日の夜も、提督のシーツに関してずっと話していて」
夕立「中でも、五月雨は優し過ぎるから、ずっと聞いていた結果が・・・」チラ
扶桑「?」チラ
五月雨「」ブツブツ
扶桑「」
夕立「というわけっぽい」
夕立「どうしたら良いと思う?」
扶桑「そ、そうね・・・」
扶桑「そういうことに興味がでてくる年頃だし」
扶桑「かつて自分が、春雨ちゃんと同じくらいのときはどうだったか」
扶桑「考えてみてはどうかしら?」
夕立「理解してあげるってことっぽい?」
扶桑「そうね、まずはそこから」
扶桑「姉というのは、いつでも妹が心配でもあり」
扶桑「いつでも世話をするものだわ」
扶桑「頑張ってね?」ニコ
扶桑「(あまり事情はわからないけど・・・)」
夕立「わかったっぽい! どうもありがとう!」
― 数日後 ―
白露「...ℤℤℤ」
時雨「...ℤℤℤ」
村雨「...ℤℤℤ」
夕立「...ℤℤℤ」
五月雨「...ℤℤℤ」
涼風「...ℤℤℤ」
春雨「みんなして寝ないで! 司令官のニオイが薄まっちゃう!」ウワーン
提督「どうしてこうなった」
提督「とりあえず春雨はお仕置きだ」
春雨「はい///」
提督「」
― 『節分』 ―
山城「鬼は外ー!!」ズガガガ
山城「福は内ー!!」ズガガガ
提督「痛い痛い痛い!」ビシビシ
山城「今日は節分ですよ? 豆を撒くのは当然です」
提督「俺に当てるな!」
扶桑「そうよ、扶桑。ほら、恵方巻きを作ったから食べて?」
山城「ありがとうございます!」
提督「おぉ!美味そう!」
扶桑「ふふ・・・ありがとうございます」
提督「扶桑は俺の秘書艦になってくれてから、凄く料理を頑張っていたからな」
提督「ありがとうな、毎日楽しみにしているよ」
扶桑「え、えと・・・///」
山城「提督、豆をどうぞ」ズボ
提督「ふがっ!? そこ鼻・・・目えぇぇぇ!!」ジタバタ
扶桑「ふふふ・・・」クスクス
山城「ふふ・・・」ズボ
提督「蝸牛がぁぁぁ!?」グルグル
自分を呼ぶのか…
山城「提督、頭の穴という穴から大量の豆を落とさないで下さい」
提督「誰がやったんだよ!?」ザー
菊月「隙あり!」バッ
提督「うわっ!」
菊月「ふっ、軍人たる者、いかなるときにも油断をしてはいけないんだぞ?」
提督「やったな!」ジャラジャラ
提督「食らえ! 9mmバタピー弾クルツ!」ズガガガ
菊月「うわっ!?」ドテ
菊月「・・・・・・」
菊月「」グス
提督「あ」
菊月「うぅ・・・酷いや・・・」グスグス
弥生「司令官?」ニコ
提督「」
扶桑「ふふ・・・みんな仲良しね」
山城「楽しいですね」
山城のハイライト吸ってくる
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
山城「こう思い返してみると、とても楽しかったですね」
山城「扶桑姉様に会えたのも、提督のおかげです」
山城「そして」
山城「つい先程・・・」
― 執務室 ―
山城「やっぱりそうですか・・・!」
山城「なんで・・・なんでいきなり決めたんですか!」
提督「だからこうして説明したじゃないか」
提督「俺は真剣に考えていたんだ」
提督「扶桑とケッコンするって」
山城「そんなの・・・私が認めません!」
提督「それはあんまりだ!」
提督「姉妹の仲が良いのはわかるが」
提督「認めてくれよ!」
提督「良いか? 俺は扶桑のことを真剣に・・・!」
山城「・・・私のおしり凝視したくせに」
提督「あ、あれは・・・」
山城「どうせ、体目的なんじゃないですか?」
提督「な、なんだと・・・!?」ガシ
山城「きゃっ!?」
提督「ふざけるな! 俺は扶桑のことをそんな目で見ていない!」ググ
山城「は、放して下さい!」ドン
提督「うわっ!」グラ
ガン!! ゴキ!
山城「・・・・・・え?」
山城「あ・・・あぁ・・・!」
提督「」ドクドク
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
山城「事故とはいえ、頭の打ち所が悪かった提督は」
山城「そのまま目が覚めることはありませんでしたね」
山城「・・・いえ、もしかしたら、まだ生きていて」
山城「気絶をしていただけだったかもしれません」
山城「どうなんですか? 提督」
提督「」
山城「まぁ、こんなに時間が経っていては」
山城「もう死んでいるでしょうけど」
山城「・・・・・・」
山城「あの時、助けなきゃって、思ったんですよ?」
山城「後の私の処分に関しては、何も怖いものはありませんでした」
山城「でも」
山城「私は提督を放置しました」
山城「見殺しにしました」
山城「なぜか?」
山城「扶桑姉様と過ごすためです」
山城「提督が死ねば、扶桑姉様を独り占めできる」
山城「そう考えたからです」
山城「幸いにも、事故の現場は誰にも見られていない」
山城「それに、今は深夜です」
山城「この部屋の電気も消しました」
山城「提督の耳に届いているかはわかりませんが」
山城「最期に、思い出話でもと」
山城「あれからずっと、傍にいました」
山城「・・・提督、冷たくなっていますね」
山城「でも、私には提督を温めてあげることができません」
山城「この後、私のしたことが発覚するかはわかりませんが」
山城「気づかれないように、精一杯頑張ります」
山城「提督は言っていましたよね?」
山城「頑張るお前は好きだって」
山城「私も、提督のことは嫌いではなかったんですよ?」
山城「今となっては死人に口なし・・・」
山城「あ、縁起が悪いですね。ふふ・・・」
山城「弁解の余地なしですが、あのときも」
山城「私は扶桑姉様とのごケッコン、認めるつもりでした」
山城「提督は誰よりも私達艦娘のことを大切にし」
山城「そしてみんなから愛された人です」
山城「素敵な方でした」
山城「でも、私と提督は、いつの間にかふざけ合うような関係になり」
山城「本当に勝手な理由ながら、私も少しふざけて」
山城「過剰な演技をしていたんです」
山城「そうしたら、思ったよりも提督が真剣だったようで」
山城「私もつい、ムキになってしまって」
山城「こうなってしまいました」
山城「提督は死んでしまいましたから」
山城「扶桑姉様は悲しむでしょう」
山城「でも、それは一時的なものです」
山城「私が、扶桑姉様が提督のことを忘れるくらい」
山城「慰めて、共感して・・・そして、愛します」
山城「大丈夫です、安心してください」
山城「絶対にそうしてみせますから」
山城「・・・・・・」
山城「・・・さて、では私はそろそろ」
山城「・・・・・・」
山城「扶桑姉様から・・・みんなから愛された」
山城「優しい提督」
山城「ゴメンなさい・・・そして、ありがとうございました」
山城「扶桑姉様と会わせてくれて・・・色々な楽しいことを教えてくれて」
山城「そして」
山城「扶桑姉様を、私に独り占めさせてくれた提督」
山城「心から、感謝します」
山城「では、提督」
山城「さようなら」
提督「」
山城「・・・・・・という話を」
山城「昨日、扶桑姉様を見つめながら」
山城「夜寝る前の妄想で興奮していました」
提督「」
扶桑「」
山城「どうでしょうか?」
提督「・・・山城、お前今日から2週間、扶桑との編成なしだ」
山城「そんな殺生な!?」ガーン
― 机の下 ―
五月雨「(もう・・・ダメぇ・・・!///)」プルプル
五月雨「(あ・・・!///)」チョロチョロ
提督「ん?」
扶桑「・・・山城」
山城「扶桑姉様はわかってくれますよね? 私の愛が!」
扶桑「山城さん、私に近寄らないでいただけますか?」
山城「扶桑姉様・・・?」
扶桑「さすがにちょっと・・・」
扶桑「引いたわ」
山城「」ガーン
山城「・・・・・・」
山城「不幸だわ・・・」
提督扶桑「「それはこっちのセリフ!!」」
― 提督私室 ―
春雨「あぅ・・・はぁはぁ・・・司令官・・・んぅ!///」ガタガタ
――― 終 ―――
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春雨wブレないなぁ