少女「お願いです!! この男を殺して下さい」バッ
暗殺者「[ピーーー]のは良い。理由を話せ」
少女「父さんと、母さんの、仇を……」
暗殺者「何があった?」
少女「この男が、私の父と母を……殺したんです。でも、証拠不十分とかで、警察の人が捕まえられないって」
暗殺者「はぁ……」
暗殺者「承った」
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>>1の[ピー]は殺すです
少女「ありがとうございます!」
少女「あの、私……今これだけしか持ってなくて……」ストッ
少女「10万円で、なんとかなりませんか」
暗殺者「ラーメン一杯替え玉一つと千円」
少女「えっ?」
暗殺者「あとは何かコスプレしてその写真を撮らせてくれ」
少女「そんなんで、良いんですか……?」
暗殺者「あぁ、それで良い」
暗殺者「結果の報告はどうすれば良い?」
少女「えっと、じゃあこの番号に……」スッ
暗殺者「了解した。今日はもう帰れ」
少女「あの、ありがとうございます」ペコッ
暗殺者「礼は、報告が来てからにしておけ」スタッ
カランコロ~ン
ー寂れたバーー
ガチャッ
マスター「いらっしゃ……って君か」
暗殺者「悪かったな」ムスッ
マスター「誰もそんなこと言ってないさ。今日の御用件は?」
暗殺者「どうせお前の紹介だろう。あの娘」
マスター「はて? なんのことかな」ニコニコ
暗殺者「お前のその態度には飽きた。どうせ、もう調べてあるんだろう。資料を寄越せ」
マスター「はいはい」ガサゴソ
マスター「これが、今回の対象の資料だ」スッ
暗殺者「毎度毎度、事前に調べてあるならお前が殺れば良いのにな」ガシャ
マスター「君ほど、上手く隠蔽できる訳じゃないからね、僕は」ニコニコ
暗殺者「警察上層部の子息、か。また面倒くさいのが来たな……」ペラッ
暗殺者「前科は四度。全て隠蔽済みって訳だな……」
マスター「今回の報酬もいつも通りなのかい?」
暗殺者「あぁ、そうだよ。誰かさんが余計な紹介をするから大赤字だ」イラッ
マスター「儲けてるんだろう?良いじゃないか」ハッハッハッ
暗殺者「じゃあな」スタッ
マスター「何も飲まないのかい?」
暗殺者「仕事前に飲むのはご法度だ」タッタッタッ
ガチャン
マスター「またの来店をお待ちしておりまーす」テーブルフキフキ
ーとある高級ホテルー
対象男「あーあ。暇だなァ」ゴロゴロ
対象男「女遊びも飽きたし、また人殺しでもすっかなァ……ゲヒヒヒ」ケラケラ
バチンッ
ピンポンパンポン
アナウンス「ただいまブレーカーの不具合により、停電してしまいました。申し訳ありません。直ぐに復旧しますのでお待ちください」
対象男「なんだ、停電かよォ……」
対象男「暗ェなー」
暗殺者「……」スッ、カチャッ
対象男「ヒィッ!? だ、誰だてめぇ」ビクッ
暗殺者「巷では『無表情(ノーフェイス)』なんて愛称で親しまれてるらしいな」
パチン
対象男「表情の無い、仮面……!?」
対象男「た、助けてくれっ金なら出すぞ!」
暗殺者「生憎と金は間に合ってるんだな」カチャッ
対象男「お、俺を殺したら、タダじゃ済まねえぞ……? お、おい……」
暗殺者「そうか」カチッ
対象男「引き金から指を離してくれェーーー!!」
暗殺者「防音設備が整った高級ホテルになんざ、泊まるんじゃなかったな」
対象男「あっ、あ、あぁ……」
暗殺者「地獄で泣いてろ」バーン
対象男「……!」ドンッ
ナンダナンダー
暗殺者「銃声までは消せない、か」ガラガラッ
バッ、ヒュウウウウウ
テレビ「本日、ホテル◇◎◇似て□□さんが殺害されました。犯人は……」
少女「ほ、本当に……やってくれたんだ……」
プルルルルル、ガチャ
少女「もしもし?」
暗殺者「こんばんは。明日、空いてるか?」
少女「は、はい」
暗殺者「●●駅前に来てくれ」
少女「わ、わかりました!」
ガチャ
ー駅前ー
少女「お待たせしました」
暗殺者「では、報酬を頂くとしよう。ついてきてくれ」
少女「あの」
暗殺者「なんだ?」
少女「普通の服なんですね」
暗殺者「全身シ#ムラで悪いか?」
少女「ぜ、全然悪くありません!!」
少女(むしろかっこいい……)
ーラーメン屋ー
暗殺者「大将、いつもの」
大将「はいはい」
少女「わ、私チャーハンで……」
大将「はいはい」
カチャカチャ、ジュージュー
大将「へいお待ち」トンッ
暗殺者「いただきます」パンッ
少女「いただきます……」
ー外ー
暗殺者「ふぅ。食べた食べた」
少女「えっと、コスプレは……」
暗殺者「ついてこい」タッタッタッ
少女「は、はい」
暗殺者「ところで」
少女「なんですか?」
暗殺者「この後どうするんだ、君は」
少女「えっ?」
暗殺者「調べさせて貰った。身寄り、居ないんだろう」
少女「はい……」
少女「あの!」
暗殺者「なんだ」
少女「暗殺者さんのところで、働かせていただけませんか?」
暗殺者「それは……」
少女「お、お願いします!」
暗殺者「そうだな……危険な目にあっても知らんぞ」
少女「良いんですか?」
暗殺者「年下は趣味じゃないが、悪くはない」
少女「あ、はい……」
ー暗殺者の自宅ー
暗殺者「これを着ていろ」
少女「メイド服ですね」
暗殺者「黒髪によく似合う」
黒髪少女「そうですかね……?」
暗殺者「家事はできるな?」
少女「一通りは」
暗殺者「なら、家のことは頼んだぞ」
少女「は、はい! よろしくお願い致します」
出掛けるので一旦中断
何故か一週間の内日曜日が一番疲れてる不思議。再開
暗殺者「さて、お前の日用品はどうしようか」
黒髪メイド「あっ……」
暗殺者「外に出るのは気が進まない。家にあるのは軽いシマムラ服のみ。仕方ない、通販で買うか」
黒髪メイド「通販ですか」
暗殺者「立ち上がれウィンドウズ」
暗殺者「…………」カチカチ
暗殺者「ここから好きなのを選ぶと良い」
黒髪メイド「一着10万……? 高すぎますよ!!」
暗殺者「年頃の娘はこれくらいのを買うんじゃないのか?」
黒髪メイド「何の知識ですかそれ」
暗殺者「知り合い」
黒髪メイド「もっと安いところ探しましょう。それに日用品を扱ってるサイトにしましょう」
暗殺者「まあこんなところか」カチカチ
黒髪メイド「申し訳ありません」
暗殺者「家族が増えたんだから、これくらい使っても良いだろう」
黒髪メイド「家族……?」
暗殺者「同じ家で暮らすなら家族ではないか」
黒髪メイド「ふぇぇ……」グスッ
暗殺者「な、何故泣くんだ!?」アワアワ
黒髪メイド「嬉し泣きです。気にしないでくだざい」ヒックヒック
暗殺者「女はよくわからん……」ボソッ
暗殺者「あー、軽く家の掃除を頼んでも良いか?」
黒髪メイド「お安い御用です!!」タッタッタッ
バタン
暗殺者「今のうちだな」
プルルルル、プルルルル、ガチャ
暗殺者「もしもし、俺だ」
男「おう、どうした」
暗殺者「警察上層部の息子殺したから隠蔽を頼む」
男「あのなぁ……」
暗殺者「いつも厄介な案件を破格の値段で受けてやってるんだから良いだろう」
男「うっ……まあそうだな。了解した」
暗殺者「あと、家政婦の所得税とかどうすれば良いんだ?」
男「雇ったのか?」
暗殺者「あぁ、仕方なく」
男「お前の事だから捨てられた猫拾う要領で拾ったんだろうな……わかったわかった。私が何とかしておくよ」
暗殺者「助かる」
ガチャ
……夜になって……
黒髪メイド「晩御飯ですよ」
暗殺者「おぉ、旨そうだな」ジュルリ
黒髪メイド「肉じゃがなんですけど、どうですかね」
暗殺者「ふむ」パクッ
暗殺者「絶品だ。これからも張り切って作ってくれ」
黒髪メイド「はい!」
暗殺者「さて、風呂に入って寝よう」
暗殺者「…………………ハッ」
黒髪メイド「どうかしましたか」
暗殺者「この家には寝室とベッドが一つしかない……」
黒髪メイド「あ、私床でも何処でも寝れますよ!!」
暗殺者「ダメだっ! そんなことさせたらお前の美の健康に悪いし俺の男が廃る」
暗殺者「俺はソファーで寝るから、寝室はお前が使え」
黒髪メイド「えぇっ。ダメですよ私メイドなんですから!!」
暗殺者「なら雇い主命令だ」
黒髪メイド「うっ……」
黒髪メイド「な、なら!」
暗殺者「ん?」
黒髪メイド「い、いいい、一緒に寝ましょう……///」ポッ
暗殺者「………………………」シーン
黒髪メイド「……」チラッ
暗殺者「いや、ダメだ。下手なハニートラップより俺の精神が害される」
黒髪メイド(し、仕方ない……)
黒髪メイド「わ、私じゃダメですか……?」ウワメヅカイ
暗殺者「むっ……うーん」
暗殺者「わかった。仕方ないからそうしよう」
黒髪メイド「やった(のかな?)!」
暗殺者「とりあえず風呂に入ってこい」
黒髪メイド「え、悪いですよ」
暗殺者「俺はベッドの下にある男の宝物庫を移動しなければならない」
黒髪メイド「し、失礼しましたぁ!!///」タッタッタッ
暗殺者「ふぅ……」
チャポーン……
黒髪メイド「あの人、最初は怖かったけど凄くいい人だなー」ブクブク
黒髪メイド「あと、優しいけどちょっと変態……」
黒髪メイド「なんであんな人が暗殺者なんてやってるのかな……?」
黒髪メイド「うーん、気になる」
黒髪メイド「でも聞けないなー」
カポーン
黒髪メイド「あんまりゆっくりもしてられないし、さっさと出ようっと」
暗殺者「さて、これからどうなるんだろうか俺の人生は」
暗殺者「思えば、師匠たちと別れてからはや十年……」
暗殺者「25になっても、あの頃からなにも変わらない」
暗殺者「師匠に、それからあいつらは何処で何をしているのだろうなぁ」
スチャ
暗殺者「仇は討つからな、皆」
暗殺者「さて、五十二冊すべて移動完了。金庫の数字の暗記も完遂」
暗殺者「開ける機会はあるのだろうか、この金庫……」
黒髪メイド「暗殺者さーん、上がりましたー」
暗殺者「あぁ、わかった」
タッタッタッ
ー寝室ー
暗殺者「電気を消してもいいか?」
黒髪メイド「はい」
パチッ
暗殺者「おやすみ」
黒髪メイド「おやすみなさい」
メイド・暗殺者(とても落ち着かない……)ソワソワ
今日はここまで。また明日
再開
チュンチュン
暗殺者「ふぅ、朝だな」ゴソッ
暗殺者「…………」チラッ
黒髪メイド「…………」スヤスヤ
暗殺者「走ってくるか」
ガチャ、バタン
ゴソゴソ、ゴソゴソ
黒髪メイド「うーん……」ゴソゴソ
黒髪メイド「あ、朝だ……」
暗殺者「おはよう」ゴソゴソ
黒髪メイド「あ、おはようございま……えぇっ」ビクッ
黒髪メイド「なんで裸なんですかぁぁーーー!?」
暗殺者「ん? あぁ、悪い。着替えを風呂場に持っていくのを忘れてな」
黒髪メイド「えっと、えっと」アワアワ
暗殺者「後ろを向いてくれると、俺たちはそれぞれ事なきを得ると思うが」
黒髪メイド「ひゃい、申し訳ありません!」バッ
暗殺者「悪いな」ゴソゴソ
暗殺者「終わったぞ」
黒髪メイド「はい……」
黒髪メイド「朝風呂派なんですか?」
暗殺者「いや、ランニングで汗を掻いたからな」
黒髪メイド「らんにんぐ?」クビカシゲ
暗殺者「体力は体を鍛える上での基本だ」
黒髪メイド「どれくらい走ってきたんですか?」
暗殺者「4.2195kmだ」
黒髪メイド「ペースは?」
暗殺者「10分」
黒髪メイド「えっ!?」
暗殺者「10分」
黒髪メイド(ば、バケモノだこの人)
暗殺者「そういえば、メイドよ」
黒髪メイド「はい」
暗殺者「お前いくつなんだ?」
黒髪メイド「16ですが」
暗殺者「学校はどうした」
黒髪メイド「その、お金払えなくなっちゃったんで……」
暗殺者「辞めたのか」
黒髪メイド「いえ、まだ一応高校生ですよ」
暗殺者「ふむ」
暗殺者「お前は高校に行きたいか?」
黒髪メイド「いえ、でもお仕事が……」
暗殺者「なら、大検を受けるしかないな」
黒髪メイド「なんですかそれ?」
暗殺者「科目ごとの試験を受けて合格すれば大学受験資格を得られる」
黒髪メイド「でも大学なんて……」
ちょっと中断
暗殺者「どちらにせよ、大学は出ておいた方がいい」
黒髪メイド「でも」
暗殺者「俺は職業柄いつ死んでもおかしくはない」
黒髪メイド「えっ」
暗殺者「そうなった時、お前はまた行く宛が無くなるだろう」
黒髪メイド「そう、ですね……」
暗殺者「大倹を受けるなら合間を縫って俺が勉強を教えてもいい。俺としては、高校に行くことを進めておく」
黒髪メイド「はい」
暗殺者「まあ、とりあえず明日までに決めろ。俺は少し用事が出来たから出掛けてくる」
黒髪メイド「あの、朝御飯は?」
暗殺者「30分もかからん」
ガチャ、バタン
暗殺者「さてと、少し走るか」ダッ
タッタッタッタッ
???「……」コソコソ
タッタッタッタッ
暗殺者「…………」タッタッタッタッ
???(早いな……)タッタッタッタッ
暗殺者「…………」サッ
???(角を曲がったか……それにしても、狭い道だな……)サッ
???「あれ、居ない………?」
暗殺者「名を名乗れ」カチャ
???「い、いつの間に……!?」
暗殺者「名を名乗れ」
???「た、立花・リチャードだ」
暗殺者「何故俺を尾行している」
立花「い、依頼だ」
暗殺者「ふむ、アマの探偵といったところか? 誰からの依頼だ」
立花「あ、アマ……。依頼人の名前なんて言えるわけねぇだろ……」
暗殺者「言え」グッ
立花「警察のお偉いさんだ! 名前は知らねぇ!!」
暗殺者「そうか。まあ、検討はついたな」
立花「じゃ、じゃあ……」
暗殺者「そうだな」スパッ
立花「うげぇっ。腕が、腕があああ……」
暗殺者「お前の身分証を出せ」
立花「い、い、い」
暗殺者「拒否権は無いぞ」
立花「は、はいィ……」スッ
暗殺者「名前と住所は覚えた。この事を他人に漏らせば殺す。良いな」
立花「へ、へぃ!!」
暗殺者「こいつは口止め料と治療費だ」ポン
暗殺者「ではな」スタッ
あ、今更だけど立花にしなくても探偵で良かったな……
アマ探偵「し、死ぬかと思ったぜ……」ヒィヒィ
アマ探偵「俺、なんて報告すれば良いんだろう……」
スタッスタッスタッ
暗殺者「尾行されていてはおちおちランニングも出来ないな」
暗殺者「さて、この一件どうするべきか……」
ガチャ
暗殺者「ただいま」
黒髪メイド「おかえりなさい!」
暗殺者「では、朝飯を食べるとしよう」
黒髪メイド「はい!」
ー夜ー
テレビ『本日昼頃、警視庁局長の○○氏が汚職に関わったとの事で逮捕されました……』
黒髪メイド「あ、この人って……」シュン
暗殺者「…………」ポチッ
暗殺者「間が悪かったな」
黒髪メイド「昨日の今日でこんな偶然もあるんですね」
暗殺者「そうだな、こんな偶然もあるのだろう」
暗殺者「やはり料理上手だな」
黒髪メイド「ありがとうございます」
今日はここまで。また明日
ー午前5時ー
暗殺者「…………」ピクッ
バサッ
暗殺者「昨日は邪魔が入った。故にその分走ろう」
暗殺者「行ってくるか」
ガチャ、バタン
黒髪メイド「…………んー」ノビー
黒髪メイド「7時かー」
黒髪メイド「あの人が居ないということは、まだ走ってるのかな」
ガチャン、タッタッタッ
暗殺者「…………」ビューン
黒髪メイド「ろ、廊下にあった謎の水溜まりを物凄い速さで雑巾がけする暗殺者さん……」
黒髪メイド「シュールだ……」
黒髪メイド「朝ごはん出来ましたよー」
暗殺者「今日のメニューは何だ?」
黒髪メイド「スクランブルエッグに、味噌汁とウィンナーとご飯です」
暗殺者「ふむ。ではさっそく食べるとしよう」
二人「いただきます」
黒髪メイド「今日はどれくらい走ったんですか」
暗殺者「42.195km」
黒髪メイド「フルマラソンじゃないですか!?」
暗殺者「そうだな」
黒髪メイド「ついでに、タイムは?」
暗殺者「5時に出て7時ごろに帰ってきたからだいたい2時間か」
黒髪メイド(確か、一般男性の平均タイムが4時間30分。その半分以下……!?)
黒髪メイド「ば、バケモノか……」
暗殺者「何か言ったか?」
黒髪メイド「い、いえいえ何も言ってません」ブンブン
暗殺者「で、高校はどうするか決めたか?」
黒髪メイド「やっぱり大検を取ることにします」
暗殺者「そうか。では退学届けを出して、毎日勉強しなくてはな」
黒髪メイド「はい」
プルルルルルルル、ガチャ
暗殺者「もしもし」
カクカクシカジカ
暗殺者「依頼だ。出掛けてくる」
黒髪メイド「了解です」
暗殺者「ごちそうさまでした」
ーとある一室ー
暗殺者「で、依頼の内容は?」
企業の社長「娘の護衛を頼みたい」
暗殺者「俺はヒットマンでもSPでもなく暗殺者なんだが……」
企業の社長「ある筋から護衛もしてくれると聞いたんだが……」
暗殺者「日数によるが高く付くぞ」
企業の社長「一日で良い」
暗殺者「なら、1000万だな」
企業の社長「わかった。前金は?」
暗殺者「必要無い。詳細を教えろ」
暗殺者「と、言うわけで今日一日は帰れない」
黒髪メイド「はーい。わかりました」
暗殺者「帰るのは明日の昼頃になると思う。ではな」
ガチャ
暗殺者「さて、仕事だ」
ーホテルー
企業の社長「これが私の娘だ」
金髪少女「よろしくお願いします」
暗殺者「承った」
企業の社長「では任せたぞ」
ブゥゥゥン
金髪少女「では、ついてきてください」
暗殺者「…………」コクリ
側近「こちらです」
金髪少女「遊園地、楽しみね」
側近「そうでございますね」
金髪少女「ジェットコースターとか観覧車、初めて乗るわ」
側近「お父上から許していただけませんでしたからね」
金髪少女「早く着かないかな~♪」
暗殺者「…………」
ー遊園地ー
金髪少女「あれ! あれ乗るわよ!」タッタッタッ
側近「お待ちくださいお嬢様!」タッタッタッ
暗殺者「…………」タッタッタッ
金髪少女「はい、これ特別入場パスね」
スタッフ「ではこちらへどうぞ!」
ビュウウウウウウウウン
金髪少女「たーのしいいいぃぃぃぃ!!」
側近「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」ジタバタ
暗殺者「……………」
暗殺者(風が気持ちいいな……)
ビュウウウウウウウウン
金髪少女「ジェットコースター最高ね!」ルンルン
側近「そ、そうですね……」ガクガク
金髪少女「貴方も、どうでした?」
暗殺者「………楽しかったぞ」コクリ
金髪少女「そうねー。次はあれ!」
タッタッタッタッ
……時は過ぎ……
金髪少女「あー楽しかった!」
側近「そ、そうですねぇ……」ヘトヘト
暗殺者「………」
金髪少女「お土産買いに行きましょ!」
側近「は、はい……」
ー土産屋ー
暗殺者「…………」チラッ
暗殺者「…………」サッ
店員「459円になりまーす」
暗殺者「…………」スッ
店員「毎度ありー」
暗殺者「…………」テクテク
金髪少女「何あげたらパパは喜ぶかしら?」
側近「お嬢様からの贈り物でしたら何であれ喜ぶと思いますよ」
金髪少女「そうかしらね」
金髪少女「最後は観覧車よ!」
側近「申し訳ありませんお嬢様、私、高所は苦手でして……」
暗殺者「…………」
金髪少女「もう、だらしないわねー」
金髪少女「行きましょう?」チラッ
暗殺者「…………」コクッ
ー観覧車内ー
キラキラ
金髪少女「綺麗ねー」
金髪少女「そう思いません?」
暗殺者「……そうだな」
金髪少女「今日は楽しんでいただけましたか……?」
暗殺者「仕事だ」
金髪少女「遊びに来た訳じゃない、と」
暗殺者「あぁ」
金髪少女「それもそうですよね。襲われたりしませんでしたし、時間の無駄でしたね」
暗殺者「ただ」
金髪少女「?」
暗殺者「俺も、遊園地は初めてだ」
金髪少女「そうなんですか?」
暗殺者「そうだ」
金髪少女「私と同じですね」クスクス
暗殺者「綺麗なご令嬢とも時間を共にできた。無駄な時間ではなかった」
金髪少女「お上手ですね」ニコニコ
暗殺者「…………む」チラッ
スッ
金髪少女「え?」
暗殺者「すまない」ダキッ
パリーン、シューン
金髪少女「ひっ」ビクッ
金髪少女「あ、ありがとうございます」
暗殺者「まさか遊園地内で狙撃してくるとはな」
金髪少女「…………」ギュッ
暗殺者「怖いか」
金髪少女「……はい」
暗殺者「俺は、護衛は本職じゃない」
金髪少女「伺っています」
暗殺者「だが、仕事は完遂する」
暗殺者「安心しろ」ギュッ
金髪少女「……///」キュンッ
側近「お嬢様、大丈夫でしたか!?」
金髪少女「この人が守ってくれたわ」
側近「ありがとうございます」ペコペコ
暗殺者「仕事だ」
金髪少女「ホテルに、帰るわよ」
側近「はい」
タッタッタッ
ーホテルー
金髪少女「ホテルの部屋は、安全なのよね?」
側近「はい。狙撃可能な場所はすべて監視させてあります」
金髪少女「そ、そう……」
金髪少女「お風呂入ってくるわね」
側近「わかりました。側近2」
側近2「はい」
側近「ついて行きなさい」
側近2「かしこまりました」
暗殺者「…………近くまでついて行こう」
金髪少女「お願いします」
ガチャ、バタン
側近「…………」
ー外の路地ー
側近「ふぅ。一服一服」スパー
金髪の女性「スミマセーン」
側近「なんでしょうか?」
金髪の女性「xxトイウホテルシリマセンカ?」
側近「あちらに見えるのがそうではないでしょうか」
金髪の女性「ナルホド、アリガトウゴザイマース」
側近「いえいえ」
金髪の女性「ア、コンナトコロニホコリガ!!」ズルッ
側近「えっ!?」
ズルルルルルルッ
金髪の女性「あらら、化けの皮が剥がれちゃいましたね」
元側近「何者だ、貴様!?」
金髪の女性?「とんだブ男だな」ペラッ
ズルルルルルルッ
ブ男「な、なんだと!?」
暗殺者「変装技術は、俺の方が上手の様だな?」
ブ男「チッ、死n」
暗殺者「……」スパーン
バチーン。カチッカチッ
ブ男「ぐっ、銃が……」
暗殺者「サイレンサーは静かだな」
暗殺者「側近は何処にいる」スッ
ブ男「言うわけねーだろ」プイッ
暗殺者「言え」ドス
ブ男「ゴホッ」ガクッ
ブ男「ま、待t」
暗殺者「言え」ドス
ブ男「ヒデブ」バタン
ブ男「わかった、言う、言うから……」
ブ男「◆◆のロッカールームに監禁してある……」
暗殺者「他に仲間は?」スチャ
ブ男「ご、五人だ! 全員ホテルに居て後からあの娘を襲う!」
暗殺者「そうか。ありがとう」ゴスッ
ブ男「ゲフッ」バタッ
プルルルルルルルル
暗殺者(作り声)「あーもしもし警察の方ですか? 今○○の路地のとこで拳銃持った男が倒れてるんですけどー」
暗殺者「はい、はい、そうっすそうっす。よろしくでーす」
ガチャ、プルルルルルルルル
暗殺者「もしもし」
企業の社長「その声は」
暗殺者「公衆電話からですまないが俺だ。側近さんが◆◆のロッカールームに監禁されているらしい。助けてやってくれ」
企業の社長「あ、あぁ、わかった。ありがとう」
ガチャ、ツーツー
暗殺者「さて、今夜は忙しくなりそうだ」
ー一方その頃ー
黒髪メイド「鬼はー外! 福はーうち!」
黒髪メイド「虚しい……」
黒髪メイド「暗殺者さんとやりたかったなぁ……」
黒髪メイド「ハッ、何言ってるの私!キャー///」
黒髪メイド「寂しいなー……」
本日はここまで。次は少し遅れるかもしれません。ではでは
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