智絵里「え……？」

泰葉「はい？」

まゆ「やりましょう」

泰葉「ちょっとごめんね？　えっと、何て？」

まゆ「まゆ、姉妹ごっこをしたいんです」

泰葉「えっと……」

智絵里「どういうこと、かな……？」

まゆ「最近事務所で家族や姉妹になりきるのがトレンドだと聞いたんです」

智絵里「う、うん」

まゆ「元モデルはとっても流行に敏感なんです」

泰葉「それで？」

まゆ「姉妹ごっこをしたいということです」

泰葉「本当は？」

まゆ「Ｐさんにまゆの妹属性をアピールします」

泰葉「ありがとう、事情は大体分かったかな」

智絵里「えっと、でも私達……歳、一緒だよ？」

まゆ「そう思いますよね？」

泰葉「？」

まゆ「でも智絵里ちゃんは妹なので大丈夫です」

泰葉「ああー……」

智絵里「な、何が？」

泰葉「智絵里さんはすごく妹って感じだもんね」

智絵里「そ、そうなのかな……？」

まゆ「芸暦もまゆ達に比べるとずっと短いですからねぇ」

智絵里「あっ、そういうことかぁ……よかった」ﾎｯ

まゆ「…………あっ」

智絵里「えっ何……？」

まゆ「たった今致命的なミスに気付いてしまいました」

泰葉「今度はどうしたの？」

まゆ「智絵里ちゃんが妹だと……まゆの妹属性アピールが難しくなってしまいます」

まゆ「どうしましょう……」

泰葉「私がお姉ちゃんやろうか？」

智絵里「そ、そうだよ……。泰葉ちゃんは一番先輩だし」

まゆ「ダメです……次女じゃダメ……」

泰葉「うーん……」

智絵里「えっと……私、譲るよ？」

まゆ「智絵里ちゃんは絶対に妹なんです」

智絵里「うーん……」

まゆ「…………こうなったら」

泰葉「え？」

智絵里「こうなったら……？」

まゆ「妹属性は諦めてしまいましょう」

泰葉「え？　ってことは……」

まゆ「Ｐさんにお姉ちゃんまゆをアピールすることにします」ﾌﾝｽ

まゆ「まゆが長女です」

泰葉「次女が私？」

智絵里「え……私が末っ子……？」

まゆ「うふ、ご名答♪」

まゆ「それに泰葉ちゃんはいつもお姉さん役ですから……たまには、ね？」

泰葉「まゆさん……」

智絵里「まゆちゃんがお姉ちゃんかあ……」

まゆ「そう！　それです！」

智絵里「ひぅっ！」

まゆ「ほら、もう一度お姉ちゃんって呼んで？」

智絵里「えっと、まゆ、お姉ちゃん？」

まゆ「はあああ……♪」

泰葉(ものすごく楽しんでる……)

まゆ「もう一度」

智絵里「え、えっと……まゆお姉ちゃん？」

まゆ「うふふ……うふふ♪」

まゆ「ほーら、泰葉ちゃんも」

泰葉「えっと、え……！？」

まゆ「ほーら、早く」

泰葉「え、えっと……」

まゆ「恥ずかしいのかな？」

泰葉(完全になりきってる……)

泰葉「その……うぅ……」

泰葉(まゆちゃんは完全に入り込んでるし……)

泰葉(ここで私が怖気づくワケには……！)ｸﾞｸﾞ

泰葉「……はい。分かった……！」

まゆ「……！」ﾜｸﾜｸ

泰葉「…………ま、まゆお姉ちゃんっ♪」

まゆ「はああああああああ……♪」ｿﾞｸｿﾞｸ

泰葉「…………」

泰葉(なんかアブない……！)

泰葉「も、もう恥ずかしいしやめに……」

まゆ「Ｐさんにアピールしなきゃだから、もう一回」

泰葉「あ、そういえばＰさんの前で……！？」

まゆ「そう♪」

泰葉「…………あぅ」

まゆ「こんなに幸せになりつつまゆのお姉ちゃんぷりをアピールできるなんて、完璧……♪」ﾊｲﾗｲﾄOFF

まゆ「さ、早速行きましょう♪」ﾙﾝﾙﾝ







智絵里「これ、どうしよう……？」ﾋｿﾋｿ

泰葉「目がイケない時の状態になってるものね……」ﾋｿﾋｿ



まゆ「うふふ♪　うふ、うふふ♪」


完