まゆ「本当ですかぁ?嬉しい…さすがはPさんですねぇ」
P「なに言ってるんだ、まゆ。おまえの魅力のおかげだよ!」
まゆ「フフフ…そんなことありませんよぉ。Pさんの努力の成果です」
P「ははっ!そう言ってくれると仕事を取ってきた甲斐があるよ」
P「でも、先方もまゆなら是非にって強く薦めてくれてな!」
P「これはまゆにぴったりの仕事だってな!」
まゆ「そこまで仰って頂けるなんて光栄ですねぇ」
まゆ「ところでPさぁん、そのお仕事ってどんな内容なんですか?」
P「ん…?ああ、聞いて驚くなよ!なんとゴールデン帯の特番へのゲスト出演が決まったんだ!」
まゆ「…!?すごい…さすがはPさんですねぇ…」
P「まゆの実力だって。もっと誇っていいんだぞ?」
まゆ「フフフ…私はPさんが喜んでくれるならそれだけで誇らしいんですよ?」
まゆ「あ、それで…番組のタイトルは…?」
P「おっと、うっかりしてた…ええと、タイトルはだなぁ…」
P「【真夏の恐怖!本当にあった怖い話百選!】だ!」
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まゆ「………………」
P「ん?まゆ?おーい…どうしたんだ?」
まゆ「ふゅえっ!?にゃ、にゃ、にゃんでもありませんにょ!?」
P「ど、どうしたんだまゆ!?変な人みたいな喋り方になってるぞ!?」
みく「にゃ!?!?」
P「あ、みくにゃんはそのままでいいです」
P「いや、そんな事よりどうしたんだ、まゆ!?なにか不都合な事でも…?」
まゆ「ふぇ!?…い、いいい、いえ。そんな不都合な事なんてあるわけないですよーん♪」
まゆ「ほぅら、まゆは今日もこんなに元気いっぱい!まっゆまゆりーん!」
P「誰か!?誰か医者を早くっ!?もしくは病院をここに持ってこいィィ!!」
まゆ「だ、大丈夫です!本当になんでもないですから!」
P「ほ、本当か?病院を誘致しなくても大丈夫か?」
まゆ「はい。ほぅらいつも通り貴方のまゆですよぉ…フフフ…」
P「………………」
まゆ「………………」
P「なぁまゆ。ところでさっきから気になっていたんだが」
まゆ「な、なんですかぁ?」
P「おまえの肩に半透明の手が乗っていーー」
まゆ「きゅびぃ!?」ダキッ
まゆ「ま、まゆは何も見えてないですよぉ。肩に手だなんてそんな事あるわけないですよぉ?」
P「(俺の胸に顔を埋めたまま震えるままゆカワイイ)」
まゆ「い、いませんよね?なんにもいませんよね?Pさん?」
P「(お持ち帰りしたい)」
まゆ「な、何か言ってくださいPさぁん!」
P「あ、ああ、ごめんごめん。今のは嘘だよまゆ。半透明の手なんかどこにも乗ってないよ」
まゆ「う……うそ?」
P「いや、うん…まさかここまでリアクションがあるとは思ってなくて、ゴメンな?」
まゆ「…………むー。Pさん、ちょっとイジワルです…」
P「いや、本当にすまない。けど意外だったなぁ。まゆはこういうオカルト関係は苦手だったのか」
まゆ「う……に、苦手というわけではないんですよぉ…ただちょぉーっとだけ好きじゃないというかぁ…」
まゆ「と言いますかぁ。意外って言うのはどういう意味なんですかぁ、Pさぁん?」
P「ああ、いやほら。まゆってなんかこうそんじょそこらの幽霊より偶に怖い時があるじゃないか?」
まゆ「………………」
P「番組の制作側も、そういうまゆの資質を見抜いて抜擢したというか……ん?まゆ……まゆ?」
まゆ「Pさぁん……私が幽霊より怖いってどういう事なんですかぁ……?」ゴゴゴゴゴゴ
P「!? ……い、いや待てまゆ!? 怖いというのは言葉のアヤだ!?」
P「怖いというか、迫力があるっていうか……ほ、ほら幽霊って大体綺麗な女の人が定番じゃないか!?」
P「柳の下の幽霊とか!幽霊画とかさ!なんかこう、ミステリアスな雰囲気っていうの!?」
P「まゆみたいな美人だと、そういうイメージもあるっていうかなんていうか!?」
まゆ「…………むぅ。なんだか無理やり誤魔化されている気がしなくもないですけどぉ」
まゆ「Pさんに美人だって褒められちゃいましたし、今日のところは許してあげます」
P「そ、それは何よりデス……」
P「それにしても……知らなかったとは言えまゆには悪い事をしたなぁ……」
P「うーん、残念だけど今回のオファーはお断りする事にするか……」
まゆ「え…!? だ、だめですよぅそんなの! 折角Pさんが取ってきてくれた仕事なのに…」
P「そうは言ってもなぁ……なぁまゆ、あそこの壁の染みなんだけど、なんかこう人の顔に見えないか?」
まゆ「見えません見えませんまゆにはなんにも見えてませんんんん」しゃがみガード
P「これじゃあ流石になぁ……」
まゆ「で、でもPさんの仕事を無駄にするなんて私にはできません!」しゃがみ
まゆ「……Pさん、収録まではどのくらいありますか?」
P「え?収録は一週間後だけど……?」
まゆ「わかりました……なら私はそれまでにこのお化け恐怖症を、克服してみます!」
一週間後・収録スタジオ
P「あれから一週間。その間まゆは秘密の特訓をするって言って全然顔を見せなかったが…」
P「本当に克服できたんだろうか……というかまゆの希望で現地集合なんだけど、本当に来てくれるんだろうか…」
まゆ「フフフ…Pさぁん。私が貴方の居る場所に、現れないワケがないじゃないですかぁ?」
P「ま、まゆっ!? どうしたんだそのボロボロのジャージ姿は!?」
まゆ「はしたない姿を見せてしまってすみませんPさぁん。ギリギリまで山に篭って精神を鍛えていたので」
P「や、山篭りぃ!?」
まゆ「はい、まゆはこの一週間、山に篭って師匠達と共に一から精神を鍛えなおしていました」
P「師匠達って……だれ?」
珠美「ふふふ……プロデューサー。それは珠美達の事ですよ」(フフン
ありす「幽霊? そんな非科学的なもの…この世に存在する筈がありません」(フフン
幸子「フフーン! ボクの可愛さの前では幽霊すら霞んで消えちゃいますよね!」(フフン
P「(あ、ダメだコレ…)」
まゆ「まゆは師匠達と一緒に、お化けなんてないさ、お化けなんて嘘さと輪唱しながら強くなる事ができました…」
P「いや、あのそれただの現実逃避じゃ……」
まゆ「見ててくださいねPさぁん。生まれ変わったまゆの姿をその目でしかと!」タタター
P「ああっ!? ものすごい勢いでまゆが控え室に!? ま、まゆーっ!? まゆーっ!!??」
スタジオ・開始五分前
P「ううむ…結局あの後まゆは着替え始めちゃって会うことができなかった……」
P「本当に大丈夫なんだろうか……心配だ……」
765P「ああ……心配だ。なんとか無事に終わってくれよ……」
P(モバP)「ん?」
765P「あれ?」
モバP「これは765Pさん。一緒の現場は久しぶりですね。そういえば765プロもゲスト枠で出演予定だったんですね」
765P「お久しぶりですモバPさん。いやぁ、最近は随分ご活躍されているみたいでお噂はかねがね」
モバP「えっと、その……今日はウチの佐久間まゆ共々よろしくお願い致しますね」
765P「あ、いえ……わ、私共の方こそ四条貴音をお願いします……本当にお願いします!!」
モバP「…………(ソワソワ)」
765P「…………(キョロキョロ)」
モバP「あ、あれぇ。どうしたんですか765Pさん。なんだか落ち着かない様子ですけどぉ?」
765P「い、いやいや、そういうモバPさんこそ、先刻からどうも慌てているみたいですけどぉ?」
モバP「いやぁ…はっはっはっは……」
765P「そんなぁ…ふっふっふっふ……」
P's「……………………」
モバP「な、なぁここだけの話なんだか、ちょっとウチのまゆはオカルト関係が苦手みたいでな(コソコソ」
765P「なっ!?まゆちゃんが!?いや…そうか…じ、実はだなウチの貴音も、同様なんだ(コソコソ」
モバP「え、ええっ!? 貴音さんが!? あんなミステリアスな雰囲気なのに!?」
765P「それを言うならまゆちゃんもだろ!?…けど俺もまさか貴音がそこまでオカルト苦手だなんて思わなくてな…」
765P「番組のお偉いさんが、貴音の見た目が番組の雰囲気とマッチしてるって押してなぁ…」
モバP「ああ、うん。そこから先は言わなくても解るから。うん。ウチも同じだから」
モバP「しかし…最悪の場合は765プロさんにフォローしてもらおうと思っていたのに…」
765P「それはこっちのセリフだよ…しかし頼みの綱はお互いに切れちまったようだな…」
P's「……………………」
P's「「し、心配だ……」」
ハァイ本番五分マエデェス!
スタジオゲスト席
まゆ「(フフフ…一週間の修行に耐えた私に怖いものなんてもうありません)」
貴音「おや…確か貴女はモバプロの佐久間まゆ、でしたね」
まゆ「765プロの四条貴音さん……フフフ、今日はよろしくお願いしますねぇ」
貴音「よしなに…私もこのような場は初めて故、不作法あれば遠慮なく仰って頂けると助かります」
貴音「ふふ……それにしても、まさか私がこのような場に赴く事になろうとは…」
まゆ「…? それはいったい……?」
貴音「いえ。実は恥ずかしながら私は……その、いわゆる怪談などの類に滅法弱くて…」
まゆ「……!?」
貴音「けれど、この仕事はあの方が私の為にとってきてくださった仕事。それをふいにするような真似できる筈がありません」
まゆ「……私も、です」
貴音「……佐久間まゆ?」
まゆ「私も、同じなんです。こういうのがどうしても苦手で、でもPさんの頑張りを無駄にはしたくなくて…」
貴音「……友の力を借りたのですね」
まゆ「……!?そう、そうです。こんな私の為に皆が力を貸してくれたんです!」
貴音「私も同様です。友の力を借りて、克服する事ができました…」
まゆ「四条さん……なら、もう大丈夫ですね。私達なら、きっと…」
貴音「ええ、友の力を信じましょう」
本番一分マエデェス!
まゆ「(そう、瞼を閉じれば思い返されるのはこの一週間の辛かったけど、とても充実した日々)」
まゆ「(それを思い出せば、怖いものなんてまゆにはありません!)」
珠美『強い精神は強い肉体に宿るのです!さぁ、まゆ殿も珠美と共に素振り百回!』
まゆ『えぇい(へろへろ~)!やぁあ(へろへろ~)!」
珠美『(遅い……)そ、その調子でありますよ、まゆ殿!』
まゆ「(……あら?)」
ありす『いいですか、まゆさん。この世の不可思議な現象はだいたいがプラズマで解明できます』
まゆ『ぷらずま、ですかぁ?』
ありす『そうです、プラズマです。なにか怖い事があればとりあえずプラズマの所為にすればいいんです!』
まゆ「(……えーと、よくよく思い返すと)」
幸子『フフーン。いいですかカワイイボクにかかれば幽霊なんてちょちょいのちょいです!さぁ、まゆさんも可愛さアピールを!』
まゆ『ま、まっゆまゆりーん!』
幸子『む、なかなかカワイイですね…まぁ、一番カワイイのはボクですけどね!』エヘーン
まゆ「(私たち、大した事してないんじゃ…)」
珠美『お、お化けなんていないのでありますっ!』
ありす『お化けなんて嘘に決まってます!プラズマですっ!ひぃっ!?いま外に白い影が!?』
幸子『ひ、ひやぁぁっ!? み、みみみみ、見間違いです! カワイイボクが言うんだから間違いないです!』
まゆ『(がたがたぶるぶるがたがたぶるぶる)』
まゆ「というか、冷静に考えるとまゆ全然克服していません……!?」
本番五秒マエェ…サァン…ニィィ…
まゆ「ひうっ!? し、四条さん…助け――」
貴音「落ち着くのです真物の怪の類に物理攻撃は効きませんいくら身体を鍛えても無駄なのですいえ美希もおにぎりはそこまで万能ではありません塩が入っているからとかそういう問題ではなくて響!?響っ!どこに行くのですか私の事を見捨てるのですか」ブツブツブツブツ
まゆ「ひぃぃっっ!? 白目を剥いたまま何かブツブツ言ってます…!」
MC「さぁ、始まりました夏の夜の定番!【真夏の恐怖!本当にあった怖い話百選!】」
MC「まずは小手調べ、こちらの心霊写真をご覧頂きましょう!」
まゆ・四条「「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」」
P's「「うん、まぁこうなるよな……」」
P「――というわけで、まゆ達が怖がる姿が反響に反響を呼んで、件の特番の視聴率は史上稀に見る値をマークしたらしくてな」
P「その所為か心霊番組関連のオファーが大量にまゆ宛に届いているんだが。あ、もちろん765の四条さんの方も凄いらしいぞ?」
P「それで、なんだけど……まゆ?まゆちゃーん?」
まゆ「フフフ…おばけなんてなーいさ、おばけなんてうーそさ、ねーぼけーたひーとが、みまちがーえたーのさー」
P「だけどちょっとだけどちょっと?」
まゆ「本当は怖いんですぅ!!」
完
劇場のお化けネタで涙目になるまゆが可愛かったのでつい苛めたくなった
後悔はしていない。過剰演出は致し方なかった。
衝動的に書いてしまったので、クオリティに関しては正直目を瞑ってほしい
――などと容疑者は意味不明な言動を繰り返しており、事件の全容は未だに掴めない模様です。
あと、ままゆの可愛さは永久に不滅だと思います。
HTML化依頼出しておきます。
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