遊星「だが遊矢にはまだ早いんじゃないか?」
遊矢「だって鬼柳さんが素質があるって」
ジャック「遊星の後輩ならば大丈夫だろ」
クロウ「しっかり鬼柳に満足魂を叩き込まれて来いよ!」
遊矢「ああ!」
ブルーノ「大丈夫だと思う遊星?」
遊星「遊矢はまだまだ成長途中だ・・・鬼柳の満足特訓に耐えられるかどうか」
ブルーノ「・・・」
遊星「鬼柳に賭けてみるか」
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遊矢「これを着て」
柚子「ちょっと遊矢!その格好」
遊矢「サティスファクションジャケット」
柚子「それって前に鬼柳さんが着てた」
遊矢「どうだ柚子も」
柚子「わ、私も!?」
遊矢「ほら」
柚子「・・・じゃあ」
遊矢「やるだろ?」
柚子「うん!」
遊矢「着替えようぜ」
鬼柳「来たな」
遊矢「鬼柳さん!」
鬼柳「柚子もか」
柚子「はい!」
鬼柳「よし・・・今から満足の六つの心得って奴を教えてやるよ。ついて来い!」
柚子「楽しみね」
遊矢「どんな特訓するの鬼柳さん?」
鬼柳「そりゃデュエリストに必要な事に決まってんだろ」
柚子「必要な事って?」
鬼柳「ああ!」
柚子「なるほど・・・リアルファイトか」
鬼柳「まあ見てりゃわかる」
鬼柳「こいつを殴れ」
遊矢「こ、これを!?」
鬼柳「ああ!満足して来い!」
柚子「ちょっと待って!こんな大木を」
鬼柳「別に折れって言ってねえだろ?」
鬼柳「いいか遊矢、柚子。デュエルの最中に殴り合いになる場合もあるだろ?」
遊矢「確かに」
鬼柳「遊矢なら殴りかかって来た相手をどう捌く」
遊矢「どうって避ける」
鬼柳「避けてどうすんだ」
柚子「な、殴る?」
鬼柳「そうだ!ただ殴るだけじゃねえぞ。腹だ腹をぶん殴りゃ相手はしばらく動けなくなるんだぜ」
遊矢「えいっ!」ポコッ
柚子「えいっ!」ポコッ
鬼柳「ちょっと満足してねえな・・・」
権現坂「けしからん!実にけしからんぞ遊矢!柚子!」
鬼柳「誰だ・・・このおっさん」
遊矢「俺の友達の権現坂」
権現坂「その程度の拳でデュエルを制すると思っておるのか!もっとこう腰を落とし」
遊矢「こ、こうか」
権現坂「そして腹に力を込めどっしりと踏ん張る」
柚子「この体制ね・・・」
権現坂「喝ッッ!!!」
バキッッッ
遊矢「す、凄い大木をへし折った!」
柚子「さすが権現坂ね」
鬼柳「凄えパンチだなおっさん」パチパチ
権現坂「遊矢」
遊矢「あ、ああ!鬼柳京介さんだ!」
権現坂「この男が噂の満足デュエリスト・・・さながらこの男の風格は」
権現坂「不動明王!」
鬼柳「一緒に満足しねえか?」
権現坂「うむ」
鬼柳「決まりだな!じゃあ次に進むぞ」
遊矢「ちょっと待って鬼柳さん!」
柚子「私達まだ」
鬼柳「いいんだよ。後はお前たち次第って事だぜ」
鬼柳「無理に満足したって意味はねえんだからよ」
鬼柳「今度は高い所から落ちる満足だ」
遊矢「ここから落ちるのか」
柚子「うわぁ・・・高い」
鬼柳「見てろよ!」バッ
柚子「と、飛んだ!」
遊矢「このままじゃ!」
権現坂「落ち着け!あれを見よ」
柚子「う、上手いこと着地したよ鬼柳さん!」
遊矢「どうやって!」
権現坂「あれは5点着地」
遊矢「5点着地?」
権現坂「うむ、高所から落ちた時に体を回転させ衝撃を分散する方法よ」
鬼柳「飛べ!」
遊矢「高いよ鬼柳さん!」
鬼柳「心配すんな!度胸だ!誰も上手く着地しろなんて言ってねえだろ?キャッチしてやるよ!」
遊矢「うわあああああ」
柚子「きゃあああああ」
権現坂「フン!」
鬼柳「いい度胸だ!って言っても三人同時に飛ばれちゃな」
権現坂「心配無用!俺は己が足で着地を行う!」
鬼柳「最高に満足してやがるぜ・・・よっよっと」
遊矢「し、死ぬかと思った」
鬼柳「満足できたか?」
柚子「怖かった・・・」
鬼柳「最初は誰でも怖いもんだ!でも飛んだろ?何でだと思う?」
遊矢「度胸?」
鬼柳「そう!度胸だ!」
柚子「度胸か・・・」
鬼柳「三つ目は一般的な教えだけどよデュエル中以外は喧嘩すんなって事だな」
遊矢「そんなの当たり前じゃないか」
鬼柳「この拳はデュエルだけ!そうだろ?」
権現坂「漢とは己の為に拳を振るわん者」
遊矢「他人のために?」
鬼柳「護りたい者のため仲間のために振るうんだよ!」
権現坂「それが真の漢!」
柚子「女は?」
鬼柳「心が男なら問題ねえさ」
柚子「嬉しいような悲しいような」
遊矢「四つ目は?」
鬼柳「四つ目はスピードだ」
遊矢「なら俺たちアクションデュエルで鍛えてるから!」
柚子「スピードには自信ある!」
鬼柳「おっさんはどうだ?」
権現坂「我が道は不動!素早さとは縁遠い存在!」
鬼柳「それが信念なら仕方ねえな」
遊矢「何か満足するって意味がわかった気がする」
柚子「サティスファクションに近づけたかな?」
鬼柳「五つ目は・・・こいつは大丈夫か」
遊矢「何?」
鬼柳「デュエリストである事だ」
遊矢「そんなの当たり前じゃないか!なあ柚子!」
柚子「そうだよ鬼柳さん!」
鬼柳「へっ・・・それもそうか」
権現坂「そして六つ目の心得とは」
鬼柳「自分自身の満足を探す事」
遊矢「俺たち自身の」
柚子「満足?」
鬼柳「簡単な道じゃねえさ・・・見つけんのに時間がかかると思うぜ」
権現坂「御主の満足は」
鬼柳「俺?死ぬまで満足する事だぜ!これで終わりだ!」
遊矢「俺達もこれでサティスファクションに」
鬼柳「ちゃんと俺の教えを守りゃ立派なサティスファクションだ!」
遊矢「ああ!わかったよ鬼柳さん!」
柚子「私たち立派なサティスファクションになる!」
鬼柳「そうなんだよ!お前達の満足はまだ始まっちゃいねえ!」
遊矢「俺達の満足は!」
柚子「これからよ!」
鬼柳「よし・・・これで俺は行くからよ」
遊矢「行くってどこに」
鬼柳「満足が俺を待ってる」
柚子「それって十代さん達の?」
鬼柳「あらゆる次元で俺は満足を教えねえとな」
権現坂「応援するぞ!御主の満足魂を!」
鬼柳「遊矢と柚子のこと頼むぜおっさん!」
権現坂「うむ!」
鬼柳「じゃあな!いっぱい満足すんだぞ!」
遊矢「鬼柳さーん!」
柚子「また何処かで!」
鬼柳「いっぱい満足しろよ!」
鬼柳「さてと・・・満足が俺を呼んでるぜ!」
数日後
クロウ「鬼柳どうしてるだろうな」
ジャック「何か連絡は」
遊星「いや」
ブルーノ「どこ行っちゃったんだろうね」
遊星「もし・・・」
クロウ「もし?」
遊星「もしも突然満足を連呼する者が現れたらどうする」
ジャック「それは鬼柳に満足魂を叩き込まれたデュエリストだろうな」
遊星「そう・・・ある日突然知り合いの口癖が満足になった時は鬼柳に遭遇したと思った方がいい」
遊星「鬼柳は意外と・・・君達の近くに居るかもしれない」
終
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