男「今日は煮物とアジの干物だ」
猫娘「……にゃにゃ、香ばしい焼き魚の匂いがしたから秋刀魚かと思ってたにゃ」
男「秋の季節といえば秋刀魚、秋刀魚といえば焼き秋刀魚……にしたかったんだけど、今年の夏は暑くて秋刀魚が中々獲れんかったらしく値段は高騰。買いたかったんだけど高くてね、買ってないんだ」
狐娘「にゅーす、とやらで言うておったの……何やら海の水が暑うて、秋刀魚が戻ってこないだとか」
男「そーそー、この季節になると脂がのった秋刀魚が帰ってくる筈なんだけどね……ま、今日のとこは干物で我慢してよ」
猫娘「干物も干物で美味しいから、ボクは別に気にしないにゃ」
狐娘「儂も気にはせん。じゃが……」
男「はいはいお酒ね。熱燗でいいのかな?」
狐娘「んむ。流石、男じゃ。儂の事をよう分かっておるの」
男「そりゃあ、ね……あっためて来るから待ってて」
狐娘「んむんむ」
猫娘「……にゃー」グゥウ
―――――――
男「おまっとさん、ほい熱燗」
狐娘「んむ、感謝するぞ」
男「ほんじゃま準備ができたとこで、そろそろ食いましょう……いただきます」
猫娘・狐娘「いただきます!」
狐娘「んふふ……この一杯だけのために生きてると言っても過言ではないの……」トクトク
男「それは大袈裟なんじゃない?」モグモグ
狐娘「んくんく……っんー!この熱さに酒の程よい苦味と風味はたまらんのじゃ!……これをわからん男はまだ青二才じゃの」ケタケタ
男「酒は苦手だから分からなくてもいいや」モグモグ
猫娘「はふはふ……ひ、干物が熱いにゃっ!」
男「あーあー……急いで食おうとするから……」
猫娘「お腹減ってたから仕方ないにゃ!はふはふ……」
男「あー……そうだ、身を解した干物をご飯の上にのせて、冷たいお茶かけてお茶漬けにするのは?冷たいお茶漬けなら猫娘も食えると思うけど」
猫娘「おぉ、美味しそうにゃ!ご主人お願いするにゃ!」
男「へいへい……冷たいお茶とってくるよ」
狐娘「んー……干物と一杯呑むのも、中々いけるのぅ……あ、男ー酢橘もとってきておくれー」
男「うーい」
猫娘「ご主人は優しいにゃあ……」
狐娘「男は気が回るからのぉ……居心地がいいことこの上ない」ケタケタ
猫娘「にゃー……それにしてもお腹空いたにゃ……」グゥウウ
狐娘「……ほれ、口を空けい。少しじゃが身をやろう」
猫娘「にゃー……狐娘は優しいにゃね……あむ」
狐娘「……あ、すまん、ふーふーしておらんかったわ」ケタケタ
猫娘「――――っ!!
あ、あひゅいにゃ!にゃにするにゃか!」バタバタ
狐娘「ふふふ、いや悪気はないぞ?つい、な」ケタケタ
猫娘「はふはふ……ごくん……その悪意に満ちた顔は絶対故意にやったに決まってるにゃ!あふ……し、舌がまだ熱いにゃ……お、お茶、お茶……」
狐娘「ほれ、緑茶じゃ」ヒョイ
猫娘「あ、ありがとにゃ……」ゴクゴク
狐娘「……ありゃ、また間違うてしもうた。それは熱い緑茶じゃ」ケタケタ
猫娘「ブ―――――っ!!」
狐娘「んふふ……またひっかかりおったの」
猫娘「ケホッケホッ……ひ、酷いにゃ!狐娘はいたずらばっかするにゃね!そんな狐娘、ボクは嫌いにゃ!」ツーン
狐娘「いや、つい主を見ると……こう、やってしまうのじゃ。すまんのぅ……」
猫娘「ふーん」ツーン
狐娘「……儂の尻尾でもふもふしてやってもよいぞ?」
猫娘「……」ピク
狐娘「……ふむ無反応か、残念じゃのう……折角もふもふしてやろうかと思うたのに……どれ、男にやってやるとするかの」
猫娘「に、にゃー!だめにゃ!ご、ご主人はボクのもので、狐娘の尻尾もボクのにゃ!」
狐娘「欲張りじゃの……どちらかにせい」
猫娘「そ、そんなこと言っても両方ともボクのだから決められないにゃ!」
狐娘「では、男は儂のということで、いいんじゃな?」
猫娘「よ、よくないにゃっ!」
ギャーギャー
男「……大変、賑やかなことで」ゴソゴソ
猫娘「ご主人の懐も、お膝の上も、お布団の隣も、いてもいいのはボクだけにゃ!」
狐娘「むぅ……強情じゃのう。簡単な話だというのに……」
猫娘「だ、だって両方ともボクの場所……」
ガララ
男「ほれーお前ら持ってきたぞ」
狐娘「ほう、ご帰還か」
猫娘「……ご主人」
男「狐娘、酢橘はきらしてたから、レモンで我慢してくれ」ヒョイ
狐娘「ふむ……ま、レモンの風味も嫌いではない。感謝する男」
男「おう……で、猫娘は冷たいお茶だったよな、はい」コト
猫娘「……むぅ」パタパタ
男「……おい、狐娘」
狐娘「干物にレモンも中々……なんじゃ?」
男「猫娘が尻尾揺らして不機嫌オーラ全開なんだが……何かしたか?」
狐娘「んー……男の所有権争い、かの?」ケタケタ
男「……ま、程々にな」ハァ
狐娘「ん、分かっておるわ……許してたも猫娘」ナデナデ
猫娘「ん……そ、そんなんでごまかされると思わないことだにゃ!……でも今は許してやる、にゃ……」
狐娘「……猫娘」
猫娘「にゃ……?」
狐娘「愛い奴じゃて、このっ!」ギュー
猫娘「に、にゃっ!?」
狐娘「もう、これだからいじめたくなったりするんじゃて……それなのに……誘っておるのかこのっ!」
猫娘「にゃ、や、やめっ……」
狐娘「もふもふさせてやろう、男の隣もお主のもんじゃ……じゃが、お主のぬくもりは儂のもんじゃて……」
猫娘「に、にゃー……」ゴロゴロ
男「蚊帳の外ってこういうこと言うんだね。良いんだけどさ」モグモグ
―――――――
男「ごちそうさん」
狐娘・猫娘「ごちそうさま」
男「さて……風呂沸かしてくるよ。てきとーにくつろいでて」
狐娘「うむ」
猫娘「にゃー」
狐娘「……今宵も心地良い月夜じゃの」
猫娘「……にゃー」
狐娘「……」
猫娘「……」
狐娘「……時に猫娘」
猫娘「にゃ?」
狐娘「別に儂は主のことを嫌うて、悪戯をしてるわけじゃない」
狐娘「……それは、分かっておるな?」
猫娘「……にゃ」
狐娘「……そうか、ならいい」
猫娘「……ボクも、狐娘のことは嫌いじゃないにゃ」
猫娘「……でも、悪戯はちょっと……控えて欲しいかな、って」
狐娘「……まぁ、善処はする。猫娘が誘う素ぶりを見せなければ、じゃが」
猫娘「に、にゃっ!?ボクは誘ってなんかいないにゃ!」
狐娘「何を言うておる?そのあどけない顔をして……垂れた耳、揺れる尾……儂にとっては、襲ってくれとしか受け取れんぞ?」
猫娘「そ、そんにゃ……んっ!」
狐娘「ほれ、この尾の付け根……弱いんじゃろう?」ナデナデ
猫娘「ひ、ひゃめ……にゃっ……」ビク
狐娘「本当に愛おしい奴じゃ……そんな涙で濡れた瞳も、愛い……」ナデナデ
猫娘「に、にゃんで、こんにゃ……こんにゃぁ……」ビクッ
狐娘「……言ったじゃろう?愛おしい、と。愛い、と。猫娘……主の全てを、愛欲で染めたくなる……」
猫娘「に、にゃぁ……き、狐娘……」
狐娘「んふふ……どうじゃ?少し、身体が火照り始めてきたじゃろう?」
猫娘「う、にゃ……」
狐娘「ふふ……妖術はこういうときに便利じゃのう……」ナデナデ
猫娘「ふ、にゃ……こ、腰に……力が……」ヘナ
狐娘「床に伏した……ということは、好きにしていいということじゃな?」ガバ
猫娘「そ、そういうことじゃ……んっ!」
狐娘「おやおや……その割には、拒む様子はまるでないが?それどころか、気持ち良さそうに頬を赤らめておるではないか」ナデナデ
猫娘「そ、それは狐娘が、っにゃ……お尻を、撫でてる……からで……きもちよくなんか、ない……にゃっ……」
狐娘「どれ……その言い分が本当なら、下着を濡らしてるなんて売女じみたことは起きてる訳がないが……」サワサワ
クチュ
猫娘「んぁ!」
狐娘「……こりゃ、驚いたの……まさか、本当に濡れておったとは……」
猫娘「っ……」
狐娘「……別に悪いとは言うておらんぞ?ただ、もう少し……自分に素直になってはどうじゃ?」クチュ
猫娘「す、なおに……?」
狐娘「そうじゃ。拒むのではなく、受け入れる……快楽も、愛情も、愛欲も……全ては主のため」
狐娘「……猫娘、愛しておるぞ」
猫娘「ん、に……」
ガラ
男「ほれ、風呂沸いたぞ。狐娘入れ」
狐娘「ん……了解じゃ」
猫娘「……ぁ」
狐娘「ふふ、また後で……じゃ」
男「悪いとは言わん、しかし、見せられてる俺の身にもなってくれ」
狐娘「んふふ、嫉妬かえ?」サワサワ
男「それ半分、呆れ半分。後、触んな。今フルパワーになってる」
狐娘「相変わらず、大きいの……安心せい、主も愛しておるからの。後で……猫娘共に相手しよう」
男「……お手柔らかに、な」
寝る お休み
男「……」
猫娘「……」ハァハァ
男「その……なんだ、うん……邪魔したようで悪かった」
猫娘「っ……べ、別に邪魔してくれて良かったにゃ……あのままだと……狐娘に」
男「あー分かってる分かってるから……ま、お前のこと嫌ってあぁいう事してる訳じゃないからさ……分かってやってくれ、な?」ナデナデ
猫娘「ん……そ、それは百も承知にゃ。ただ……」
男「ただ?」
猫娘「……その、狐娘、積極的と言うか……旺盛と言うか……にゃ」
男「うん……好色だよな。よくキスやら抱擁やらされてるもんなお前」
猫娘「……そ、それぐらいはまだいいにゃ……たまにそれが激化して……」カァァ
猫娘「……ご、ご主人と狐娘がやってるような、ところまで進むことが……あったりして」
男「……うん」
猫娘「……い、嫌じゃないけど……た、たまに自我が保てなくなるにゃ……」
男「……うん」
猫娘「そ、それで……」
男「……それで?」
猫娘「…………す、少し抑えて欲しい……にゃ」カァァ
男「うん……そいつは無理かもな」
猫娘「にゃ!?」
男「……ただでさえ、性欲旺盛、好色だからな……まだ、俺に相談する分にはいいが、その事をあいつの前で言った日には……」
男「朝まであいつに弄られることになるだろうな……」
猫娘「ふにゃ!?」
男「……ま、その時は恐らく俺も一緒になるだろうがな」
猫娘「……え、なんでにゃ?」
男「そりゃ……たまに朝までぶっ通しで付き合ってるからな……あいつと」
猫娘「にゃ!?」
男「辛い、辛いけど……慣れればどうてことはない……それでも辛いがな」
猫娘「……ご、ご主人」
男「……話が逸れたけど、あいつなりのコミュニケーションだからな。分かってやってくれ」ナデナデ
猫娘「にゃ……」
男「ま、大したアドバイスじゃなくてごめんな……また、相談ありゃ聞くぞ」
猫娘「……にゃ、ありがとにゃご主人」
男「……話が終わったが、まだあいつも風呂に入ってる」
猫娘「にゃ?」
男「……あいつが出るまでまだ時間があるけど……何をしようか」
猫娘「にゃー……ボク、ご主人のお膝に乗りたいにゃ!」
男「ん、いいぞ」
猫娘「では、失礼して……んふー……」ゴロゴロ
男「……お前、膝好きだよな」
猫娘「落ち着くにゃ……はふ……」ゴロゴロ
男「……そっか」ナデナデ
猫娘「……んんぅ、ご主人の匂い……にゃふ……」ゴロゴロ
男「……」ナデナデ
猫娘「……ふにゅ」ゴロゴロ
男「……」ナデナデ
猫娘「……」ゴロゴロ
ガララ
狐娘「ふぃー……良い湯じゃった……ん?」
男「おう、おかえり」
猫娘「おかえりにゃ……」ゴロゴロ
狐娘「……儂がいない間に、随分と仲良うなってるの」
男「ヤキモチか?」
狐娘「ふ、儂が嫉妬などと……しないわけでもない」
男「どっちだよ」
猫娘「にゃー……ご主人のお膝はぬくぬくで落ち着くんだにゃー」
男「そりゃ良かった」
狐娘「……ふむ」
狐娘「どれ、猫娘が男の前を陣取るならば……儂は背後を頂こう」
男「は……?」
ムニュ
狐娘「んん……大きい肩幅じゃのぅ……」グニグニ
男「おい、当たってるぞ」
狐娘「ふふ……人間界でこういう時はお決まりの台詞を申すらしいの……当たってるんじゃなくて当ててるのよ、と」ケタケタ
男「要らん知識ばかり覚えるのはどうなの……というか、やめてください」
猫娘「にゃー!狐娘ばっかりずるいにゃ!」ムギュ
男「おふっ……ちょ、猫娘も抱き締めるな、板挟みなって、る!」
狐娘「んふふ……猫娘、男はもっとして欲しいようじゃ」ムニムニ
猫娘「にゃ、ご主人が求めるなら……」ギュー
男「い、いやいや、も、求めてなんか……」
狐娘「んふ、そうかの?ならば解けば良かろう?拒否権もちゃんとあるぞえ?」
猫娘「ご主人……」ギュー
男「……ほ、ほどけるわけない、だろ……お前らも一応、女の子なんだからよ」
狐娘「……ふふ、優しいやつじゃの男」ムニュムニュ
狐娘「しかし……このままだと、してしまうぞ?よいのか?」
男「す、好きにすればいい」
狐娘「……くく、男も愛い奴じゃて……そんな強気な反応をされては……」
ムニュウウウ
狐娘「……悦楽に屈させたくなるのぅ」
男「……っ」
狐娘「ほれほれ……柔いじゃろう?揉みしだきたいじゃろう?……主の好きにしてもいいんじゃぞ?」グニグニ
猫娘「き、狐娘ばっかりずるいにゃ!」ムギュ
狐娘「ふふ、嫉妬かえ?それもその筈か、猫娘は……随分控えめな乳だからのぅ……」ニタァ
猫娘「む、むぅぅうう……そ、それでも柔らかい筈にゃ!ね、ご主人?」
男「……いや、俺に同意を求められても」
猫娘「ぬぬぬ……」
狐娘「ふふ……」
猫娘「……えいっ!」モフ
男「っ!?」
狐娘「ほぅ……男の頭を乳に押し付けるか……積極的じゃの、猫娘?」
猫娘「ふん、誰かのありがたーいご助言のお陰にゃ……ボクは自分に素直になっただけにゃ」
狐娘「ほほ、面白い奴じゃ……なら、どちらが男をよがらせられるか勝負するかえ?」
猫娘「……の、のぞむところにゃ!」
お休み
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