勇者「えっ、なにこれ」
勇者「いや、いいよ。魔王倒すのは別にいいよ。俺、勇者だし。俺、希望だし」
勇者「けどさー、だけどさー、おかしくない?」
勇者「なんで既に魔王が世界征服完了してんの?」
勇者「さらに言うなら何で前代勇者が魔王と結託して世界を半分にわけあっているの?」
勇者「つんだわー。つんだわー、これ。クソゲーですわー」
魔法使い「いや……その……」
勇者「マジつんだわー。おかしいっしょ。何でもうちょっと何とか出来る前にどうにかしなかったの?」
魔法使い「……」
勇者「つんだわー」
魔法使い「魔王がですね……その……強すぎて……」
魔法使い「前任の勇者が裏切りまして……その……」
魔法使い「誠に申し訳ないんですけど、世界を救っていただければぁって」
勇者「いやあ、これ程までにクソ条件で戦わせさせるとか勘弁して欲しいなって……。いや、戦うけどさ……」
勇者「せめて、ひのきの棒くらい装備させて欲しかったなっていうかさ……」
魔法使い「ないない尽くしですから、後は登り調子ですね!」
勇者「開き直られても……」
魔法使い「とりあえず方針を考えましょう」
勇者「方針も何も起きて間もないからなあ。いや、この世界の基礎知識はあるけど。摺り合わせしたいからちょっと説明してくれない?」
魔法使い「かしこまりました」
魔法使い「現在、世界は前代勇者世界と魔王世界で二分されております」
勇者「ふむふむ」
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