モバP「それじゃ武内君、森久保たちを頼むな!」武内「はい」 (55)

モバP「いや~最近ウルトラ忙しくてプロデュースままならんわ」

モバP「お、新人Pおるやんけ!よっしゃ、スカウトしてきたアイドルたちのプロデュース任せたろ!!」シゴトガサー



―――――  数十分後



武内P「………」

乃々「………」

武内P「………」

乃々「………」


武内P「(何か話さねば)」

乃々「(むーりぃ……むーりぃ……むー……りぃぃ……!!!!)」




武内P(中の人は17歳)
http://i.imgur.com/SS5rA2O.jpg

森久保乃々(14)
http://i.imgur.com/NfP7uHH.jpg

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420823373

武内P「森久保さん」

乃々「ヒィッ……!?」ビクビク

武内P「……(む、まずいな、怖がらせてしまったか)」

乃々「(森久保を食べる気ですか!?おいしくないですよ!?ていうかもう帰っていいですか!?)」

乃々「(ああもう一度だけなんていうんじゃなかった、もうおうちかえらせてください、森久保はこんなところで死にたくないです……!!)」

武内P「あの」

スッ

乃々「ヒィィッ……!?」ビクビクッ

武内P「どうぞ」

乃々「え、あ、えっと……?」

武内P「名刺です」

乃々「あ、え、あ、その……はい……」

武内P「武内です。先輩に言われ、貴方のプロデュースを任されることとなりました」

乃々「え、あの……ひとつだけ、いいですか……」

武内P「どうぞ」

乃々「アイドルやめたいんですけど……」

武内P「……」

乃々「……」

武内P「それは困りますね……」

乃々「で、ですよねー……」

武内P「何故でしょうか……」

乃々「ヒッ……え、えっと……もりく、いえ、私は、そ、そういうの、向いていないというか……
なんというか今すぐおうちに帰りたいっていうことなんですけど……」

武内P「家に帰りたいんですか。レッスンは受けないんですか……?」

乃々「ヒィッ!!ごめんなさい!!レッスン受けます!!受けるので殺さないでほしいんですけど……!!」

武内P「安心してください、貴方を殺すつもりはありません」

乃々「(助かった……!!森久保は生きて帰るんですけど……!!)」

武内P「お聞きしたいのですが、アイドルをやりたくないのですか?」

乃々「ヒィッ……!や、やりたくないというわけじゃないんですけど……、
な、なんというかその……えっと……あまりやる事に対する必要性や義務感を感じないと……、
あっいえ決してやりたくないわけではないんですけど……」オロオロ

武内P「大丈夫です、正直に答えてください」

乃々「恥ずかしい思いをしたくないのでできればアイドルはやりたくないんですけど……、
ただ、一度やると言ってしまった手前、もう断りづらくて困ってるんですけど……」

武内P「なるほど……」

武内P「なら、断りにいきましょう」

乃々「!?」

武内P「私は貴方が望まないなら……プロデュースする必要もないと思います。
アイドルをしたくないのならば、行きましょう……ただ」

乃々「(こ、この顔の人が来てくれればきっと親戚も白目向いてOKしてくれると思うんですけど……!)」

乃々「………ただ?」

武内P「……私は、貴方がアイドルをやってくれるなら、それに越したことはないと思っています」

乃々「お仕事、だから、ですか……?」

武内P「……いえ」

乃々「じゃあ、なんで……」

武内P「笑顔です」

乃々「えっ」

武内P「……え」

乃々「……笑ったことないと思うんですけど」

武内P「……そうでしたか」

乃々「そもそも、何で私なんでしょうか、他にも可愛い子はいっぱいいると思うんですけど……」

武内P「……」

乃々「……え、あの」

武内P「……魅力」

乃々「はい……?」

武内P「……すみません、口下手なもので、うまく言葉にできませんか」

乃々「は、はい」

武内P「魅力……そう、人を引き付ける、魅力ではないでしょうか。
貴方から、人々を魅了する、何か、特別なものを……」

乃々「ミリョー……。ミリョク……な、なんか森久保に一番遠いものだと感じるんですけど……」

武内P「もっと自身を持ってください。貴方は……可愛い」

乃々「へっ!?」

武内P「小動物のような……手のひらで寝るハムスターのような……そんな愛くるしさがあります」

乃々「…………あ、あうあう……え……ええと……その……」オロオロ

武内P「……すみません、何か気に障ることがありましたか」

乃々「いえ、あいえ、そ、そういわけじゃないんですけど……その」

武内P「はい」

乃々「……アイドル、ちょ、ちょっとだけなら、やってみてもいいかもって思うんですけど……」

武内P「……それは、ありがたい」

ニコッ(真顔)

乃々「ひっ……やっぱり、むーりぃ………!!!」


乃々編  おわり

――――――――別の日


早苗「あのねキミ、わかってる?これで3回目だよ?ん?」

武内P「誠に申し訳ありません……」

早苗「あーもうホントめんどくさいなー……ああいう勧誘活動は駄目だから、ね?わかった?」

武内P「はい……あの、ひとつだけ」

スッ

早苗「は?」

武内P「アイドルに興味はありませんか」


早苗「……は?」



早苗「は?」


片桐早苗(28)
http://i.imgur.com/HQl71e2.jpg

早苗「冗談言ってごまかせばいいとでも思ってる、ん?」

武内P「本気です」

早苗「……………本気?」

武内P「はい、アイドル……やってみませんか」

早苗「……あのね、私警察だから。副業とか駄目だし、そもそもやる気ないから。
はい帰った帰った」

武内P「せめて名刺だけでも」

早苗「うるさい!さっさと帰る!!」

武内P「……はい」


――――


武内P「あの」

早苗「うえっ!?昨日の!?」

武内P「お話を聞いてもらうことはできませんか」

早苗「何度も言うけどアイドルに興味はないから。ていうかあんまりしつこいとタイホするよ?」

武内P「……すみません」


――――


武内P「あの」

早苗「だーーーかーーーらーーー!!もう!!なんなの!?」

武内P「せめて名刺だけでも」

早苗「わかった!わかったもう名刺はもらうから!」

パシッ

武内P「ありがとうございます」

早苗「さっさと帰れ!」

武内P「……興味があったら、ご連絡ください」

早苗「しないからね!?」

――――――――

早苗「……んーーー」

早苗「アイドル」

早苗「……いやいや、年齢制限とかで無理っしょ」

早苗「……うん」

早苗「……話くらい聞いてあげてもいいかなぁ」


――――


ザァァァァ

早苗「(雨……)」

早苗「(流石にこの雨なら来ないか)」

早苗「(って、何ちょっとがっかり……)」


武内P「あの」


早苗「え」

武内P「今日こそは、お話を聞いてもらえるかと思いまして」

早苗「アホか!!何でこの雨の中突っ立ってんのよ!!もう交番入っていいから!」

武内P「ご厚意痛み入ります」

早苗「そこは普通に「ありがとう」でいいから!」

武内P「……ありがとう、ございます」

早苗「……はいはい」


――――


早苗「で、本気なの?」

武内P「はい」

早苗「私28歳だけど」

武内P「構いません」

早苗「公務員という職を失うんだけど」

武内P「後悔はさせません」

早苗「いざアイドルで成功しなかったら?」

武内P「……必ず、成功させてみせます」

早苗「……ほう、言ったね?」

武内P「はい」

早苗「よしわかった!そこまで言うならアイドルやるよ!
ただし成功しなかった時は……責任とってね?」

武内P「もちろんです」



早苗編  おわり

―――――――― これまた別の日


武内P「……初めまして、武内です」

スッ

ほたる「あ、これはどうも……白菊ほたるです。都合により、前事務所から移転してきました」

武内P「はい、よろしくお願いします」

ほたる「(ちょっと恐いけど、いい人そうだな……)」

グラッ

ほたる「きゃっ、地震……?」


ガッシャーーン!!

ほたる「武内さん!?」


ガタン

武内P「大丈夫ですか」

ほたる「そ、それより武内さんは……」

武内P「かすり傷です。白菊さんにけががないようでよかった。
しかし……備品が壊れてしまいました」 シュン


ほたる「(濡れた子犬みたいで可愛い……)」


白菊ほたる(13)
http://i.imgur.com/CVJgyJy.jpg

――――――――


武内P「……白菊さん」

ほたる「はい?」

武内P「今日の天気予報によると、午後は雨が降るかもしれません。折り畳み傘をどうぞ」

スッ

ほたる「……あ、はい!ありがとうございます!」


―――


ほたる「(無愛想なだけで、すごくいい人だ)」

ほたる「(新しい事務所は心配だったけど、あの人となら仲良くなれそう……)」


―――

コポポ……

ほたる「武内さん、何やってるんですか?」 ヒョコッ

武内P「お茶を淹れようと思って、お湯を沸かしています」

ほたる「なるほど、私も手伝いま―――」

ズルッ

武内P「あぶない!」

バッ

ガシャーン  ドバシャーー

武内P「グウッ!!」

ほたる「た、武内さん!?大丈夫ですか!?」

武内P「少し熱いだけです」

ほたる「熱湯ですよ!?」

ほたる「やっぱり武内さんの言う通りだった……折り畳み傘持ってて良かった」

武内P「おかえりなさい。白菊さん」

ほたる「あ、武内さん!」

武内P「濡れているので足元に気を付けてください」

ほたる「はい!――――えっ?」ズルッ

武内P「あぶない!!!」

バッ

ドンガラガッシャーン!!

ほたる「武内さーーーーん!!!!!」

武内P「……………大丈夫です。打ち身と打撲です」

ほたる「びょ、病院!!」


――――

テクテク


ほたる「すみません、私のせいで」

武内P「いえいえ」


ブォォォォン!!

バシャア!!!

ほたる「……………水たまりがある時は、減速すべきだと、私思うんです」

武内P「スーツは洗えば汚れが落ちます」

ほたる「空からレンガが!?」

武内P「危ない!!」


グシャアアー



ほたる「きゃっ!急にカラスが!!」

武内P「危ない!!」


カァー!!!カァーー!!



一般人「気をつけろ!!動物園のライオンとトラが逃げ出したぞ!!」

武内P「あぶない!!」


ガオオオォォ!! ガオ……

…… キャイーン



通行人「きゃああ!!飲酒運転のトラックが人につっこんだわ!」

武内P「危ない!!」


ドガシャァァァァァ!!!!

――――――――別の日


ほたる「………………」

武内P「どうしました、浮かない顔をして」

ほたる「私、アイドルやめようと思います」

武内P「………何故でしょうか」

ほたる「私がいると、武内さんに迷惑をかけてしまうからです」

武内P「そんなことはありません」

ほたる「……あります!私の不幸体質のせいで、次から、次へと……武内さんに!」

武内P「そんなことはありません……いえ、もしそうだとしても」

ほたる「……?」

武内P「白菊さん、貴方は……ファンの皆さんに、幸せを届けたいのでは?」

ほたる「……っ、で、でも!」

武内P「貴方がやりたくないと言うのであれば強制はしません……ただ、
貴方は心の底からアイドルが好き……そうだと思っていました」

ほたる「……う」

武内P「確かに最近私はよく怪我をします、ですが……こうして元気に生きています。
何故だと思いますか?」

ほたる「……えっと、体が丈夫だから、ですか?」

武内P「いいえ、まだ貴方をトップアイドルにしていないからです」

ほたる「……えっ」

武内P「貴方がやりたいと望むのなら……私は協力を惜しみません
ただ……やりたくないことを、やる必要はありません」


ほたる「………たいです」

武内P「……?」

ほたる「やりたいです……やらせてください!アイドル!
貴方にまた、迷惑をかけてしまうかもしれない……でも、精一杯頑張りますから!お願いします!!」


武内P「……もちろんですよ」 ニコッ(真顔)




ドゴーン キャー ジムショガバクハツシタワー


ほたる編  おわり

以上です。武内Pのキャラがめっちゃ好きなんで思わず書いてしまいました。
アニメの2話以降が楽しみでなりません。

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