少女「夢見る枕添い寝付き」(4)

男「…」カタカタ

男「ふぅ…」タンッ

やっと終わった…

糞上司が…本当ならもっと早く帰れたはずなのに…

なにが
『あっれー?www男くんはもう仕事片付けちゃったのかなぁ?www』

『そんな男くんに朗報でぇっす♡』

『同僚君、今日風邪で休んじゃってるでしょ?』

『はい、プレゼント♡』
だよ

仕事押しつけてきやがって…

どうせ同僚の奴はサボりだろ…

しかも残業代でないとか死ねよ

っとこんな事考えてる暇ねえな

この時間じゃ終電に間に合うかどうか…

急ぐか

駅へと向かって急いでいると、突然少女が現れて道を立ち塞いできた

なんなんだと思っていると少女は
「ねぇ、お兄さん…」

「夢見る枕、買いませんか?」
というわけのわからないことを切りだしてきた

そもそもこんな時間に少女がうろついてるだなんて世も末だな…

「悪いが、特殊な性癖は持ってないんでな」

「ガキじゃ勃たねぇよ」

「えぇ~ 何考えてるんですかぁ?」クスクス

「や~らしぃ」クスクス

「別に体を売ろうとしてるわけじゃありませんよ?」クスクス

うぜえ…

なんだこのクソガキは…

「とにかく俺はいま急いでるんだ」

「さっさとそこをどけ」

「いやです」ニコリ

満面の笑みでそう答えられた

「話を聞いてもらうまではここは通しませんよ?」

「そうか」

少女を押しのけ駅へと向かう

「あー!待ってくださいよぉ!」

少女が追い掛けてくる

「うるせぇ!クソガキ!」ゼァハァ

「このまま…っだと…っ!終電…っ!乗り過ごすんだよ!」ゼェハァ

「終電と…っ可愛い少女の…っおねがい…っ!どっちが…っ!大事なんです…っか…っ!」ゼェハァ

「終電に…っ決まってんだろうが…っっ!!」ゼェハァ

なんなんだよこのガキは…

「まって…っくださいっ…よ…っ」ゼェハァ

少女の声が遠くなっていく

ここまで引き離せばもう引きとめられることもないだろ…

…トン…ン
ガタ…ト…

まさか…この音は…

そう思うやいなや仄暗い灯りが俺の真横を通り過ぎていった

最悪だ…

終電のがしちまった…

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