提督「新米提督、オンボロ鎮守府に着任!」 (55)

提督「ようやく着任か……長かったな」

提督(しっかし、金属板と鉄骨は腐食、木に至っちゃあ腐敗まで進んでるじゃねえか。くっせえぞ、ここまで臭ってくるな……)

提督「しかも資材さえもらえないときてる。嫌われてるのか?」

提督「他の同期はみんな秘書艦もらっているというのに、待遇に差がありすぎだろ……」

妖精「我々をもらえただけでも感謝するです」

提督「そんなこと言ったって、こんな辺境に着任されちゃあ文句だって言いたくなるぜ」

妖精「しょうがないです。たまたまここに飛ばされちゃっただけです。ここで一緒に頑張るです」

提督「……そうだな、よろしく」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419832528

しばらくして……

提督「まずは艦娘を建造したいんだけど……」

妖精「ここの工廠は腐ってるです。腐食が進みすぎて、機能してないです」

妖精「私なら直せるです。でも資材ないです。よって艦娘建造できないです」

提督「ん~、どうしたもんか……」

提督「……しょうがない俺が直接資材調達に行くしかないか」

妖精「どこから調達してくるです?」

提督「まあ、海に出ればなんとかなるだろ。じゃあ俺はいってくるから、留守番は頼むぞ」

妖精「任せるです。居住スペースなら資材なくても改築できるです」

提督「頼もしい限りだ」

鎮守府海域

提督(さて、ここまでボートできたがどうするか……)

提督「……ん?」

海賊「ヒャッハー!!略奪するぜえ!!」

提督「ほう、丁度いい。あの海賊どもからいただくとしよう」

しばらくして……



海賊1「船長もう帰りましょうよ。深海棲艦に襲われたらひとたまりもないですよ……」

海賊2「そうだな……今日はちょっと無理してここにきたが、遠くまで来た甲斐があったな!」

海賊3「まったく、ここには鎮守府が近いってのにあんたもよく来ようとしたな」

海賊2「でもこんだけの資材があればしばらくは食いっぱぐれることもねえだろ。こいつらを馬鹿な提督どもに売りさばきゃあ、いい金になるぜ。」

海賊4「はは、ちがいねえ!」

提督「随分と景気がよさそうじゃないか」

海賊たち「!!!??????」

提督「おら!」バキッ

海賊「グハァ!」

提督「せい!」バキッ

海賊「あべしっ!」

提督「すまんな、馬鹿な提督どもにも金持ってねえ奴もいるんだ。資材はもらってくぞ」

提督「船は置いていってやるよ。まあ暗くならないうちに帰れ、じゃっ」

海賊達「」チーン



提督「海賊討伐か……いいね。まさに提督って感じがしてさ。これで総理やら英国王から騎士の称号でももらえたら最高なんだがな」

鎮守府

妖精「おかえりです」

提督「ただいま。今日の成果だ」

妖精「これぐらいなら工廠直せるです。でも艦娘建造には程遠いです」

提督「まあ、地道にためていけばいいさ。駆逐艦でも来ればだいぶ楽になるだろうからな。」

ぐぅ~

妖精「……」

提督「……」

妖精「お腹すいたです……」

提督「……悪かったな待たせて。飯にしようか。まあ、例によって食材全部腐ってたから今日は非常食で我慢してくれ。」

妖精「はいです」

翌朝

提督「おはよう、今日は漁をするがお前にも付いてきてもらおう」

妖精「はいです!」

提督「ボートに縄と銛を積んでおいたから、すぐに出発するぞ」

妖精「銛はいっぱい作っておいたです」

提督「気がきくな、今日も頼むぞ」





提督「いやー大漁大漁!!これでやっと肉が食えるな!」

妖精「刺身うまいです!!」

提督「今日は取れるだけ取って冷凍保存できるよう処理しておくか」

妖精「非常食はもういやだからです」

提督「……まさか艦娘も建造できずにこんなことをする羽目になるはな」

妖精「でも建造してばっかの時より楽しいです!もっと釣るです!」

提督「あんまりはしゃぐな、ボートが転覆するぞ……ん?」

妖精「どうしたです?」

提督「おい、あれを見ろ。あれはもしや……」




妖精・提督「「サメ!!」」

提督「どうする、いくか?」

妖精「サメ怖いです!食べられるです!」

提督「俺は正直魚だけじゃあ限界なんだ!サメ肉を食うぞ!」

妖精「サメ肉おいしいです?」

提督「ああ!うまいぞ!手伝ってくれたならあれも腹一杯食わせてやる!」

妖精「やるです!」

提督「よしきた!銛を用意しろ!あいつは拗ねるからな、全力でいくぞ!」

提督「おら!刺され!」

すかっ

提督「ダメだ早すぎる!」

すかっ

提督「いけえ!」

ざくっ

提督「よしここで仕留める!巻き上げろ!振り落とされんじゃねえぞ!」

妖精「はいです!」

提督「もう少しだ!」

ざくっ

サメ「ぐおおぉぉぉぉぉぉ!」

提督「くたばれクソ野郎が!」

ざくっ

サメ「ぐおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ……」

提督「やったー!サメだ!新鮮な肉だぞ!」

妖精「やったです!」

提督「今日はこれくらいでいいだろ。こいつのおかげで2週間は持ちそうだ」

提督「こいつは引き上げるには危ないからな。ボートの横にぐるぐる巻きにして固定させるぞ」

妖精「かしこまりです」

提督「はぁ……つっかれたぁ……」

妖精「大丈夫です?」

提督「なんとかな。あと少しの辛抱だ。もうこんなことせずに済む……」

鮫って時間たつとアンモニア臭くなって食えたものじゃない

>>19
そうなのか、食える描写があったから大丈夫だと思ってた。すまない。

>>1に質問だがここって建物はボロボロだけどライフラインは無事な鎮守府ってことだよな

とりあえずここまでで。
>>24
ライフライン・居住スペースは妖精さんが一日でやってくれました。建物自体はボロボロで風化腐食、木材腐敗による異臭と酷い状況となっています。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom