テイルレッド「黄金騎士?」牙狼(レオン)「ツインテール…?」 (142)


※“俺、ツインテールになります。”と“牙狼~炎の刻印~”のクロスSSです。

※両作共にアニメ2話終了時点。俺ツイはテイルブルー登場前、牙狼はザルバ登場前の頃の設定です。

※オリジナルエレメリアンの登場アリ。牙狼の方からホラーの要素もちょっと入ります。


以上の点を踏まえて、苦手な方はブラウザバックを、
大丈夫な方はツインテールの陰我に巻き込まれないよう気を付けながら御観覧下さい。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419701425



陰我あるところホラー現れ、人を喰らう…


だが、古よりホラーを狩る者達がいた!


鎧を纏うその男達を……



──“魔戒騎士”という!! ──



レオン「………」

レオン(……何処だ、ここは…?)

レオン(確か俺は、魔導輪を受け取りにガエル法師の所に向かっていて…
    その道中に…森の中で親父と野宿をしていた筈だ)

レオン(……ホラーの幻術か?にしては現実味が有りすぎる。それに…)

レオン「………」キョロキョロ

レオン(……街の中なのか?見た事のない物だらけだ…
    どう見てもヴァリアンテではないが……何故こんな所に…?)

レオン「…ったく!あのクソ親父、こんな時に一体何処ほっつき歩いて…」


キャーッ!!


レオン(─ッ!女の悲鳴ッ!?向こうからか!?)ダッ



~某スタジアム前~


キャー! キャー!

ポーラーベアギルディ「ハーッハッハッハッ!!いいぞ!その調子で次々に人間どもを引っ捕らえ、属性力を奪い取るのだッ!」

アルティロイド「モケーッ!」


幼女「え~ん!」タッタッタッ


ポーラーベアギルディ「むっ!?」ピョン

スタンッ

幼女「ひっ!?」ビクッ!

ポーラーベアギルディ「ハーッハッハッハッ!!これはまた見事なツインテールだッ!」ガシッ

ポーラーベアギルディ「貴様からは極上の属性力(エレメーラ)が採取できそうだなッ!ワーッハッハッハッ!!」

幼女「うぇ~ん!ママァーッ!」


母「か…カオルーッ!」


ポーラーベアギルディ「ハーッハッハッハッ!!いくら喚こうが無駄だッ!今から貴様のその美しいツインテールを」



ブワッ


ザンッ!





ポーラーベアギルディ「ツイン…テールを…」スッ…


ボトンッ


ポーラーベアギルディ「──ッ!!痛ェエエッ!!?俺のォーッ!!俺の腕がアァーッ!!」ジタバタ ジタバ

アルティロイド「モケッ!?」クルッ
アルティロイド「モケケッ!?」クルッ


ガシッ

幼女「ふぇ…」

レオン「大丈夫か?」ダッコ

幼女「う…うん」コクッ

母「カオルーッ!」タッタッタッ

幼女「ママッ!」スタッ タッタッタッ

レオン「………」

母「良かった…良かった…」

レオン「……ここは危険だ。早く逃げろ」

母「あ…ありがとう御座いました!」

幼女「お兄ちゃん!ありがとう!」

レオン「……例はいい。さっさと行け」

母「は…はい!」クルッ

タッタッタッ…

レオン「………」


ポーラーベアギルディ「貴様ァ……よくもこの俺様の右腕をォ…!
     何なんだァ?お前は一体何者なんだァーッ!?」

レオン「それはこっちのセリフだ。
    ……貴様ら、ホラーではないな?一体何が目的でこんな事を…」

ポーラーベアギルディ「貴様なんぞに答える義理などないわァーッ!!アルティロイドッ!!」

アルティロイド「モケッ!」ザッ
アルティロイド「モケモケ!」ザザッ

ザザザッ…

レオン「………」


ズラァァァァァ…


ポーラーベアギルディ「ハーッハッハッハッ!!あまりの大軍を前に恐れをなしたか小僧ォ!今更謝っても遅いぞォー!」

レオン「………」

ポーラーベアギルディ「行けッ!アルティロイドよ!あの小生意気な小僧を捻り潰してしまえッ!」

アルティロイド達『モケケーッ!』ドバドバーッ!

レオン(……ホラーでないにしろ、相手が人を襲うバケモノである以上…容赦はしない!)ダッ



───

トゥアール『総二様ッ!某スタジアムの周辺にエレメリアン反応がッ!』

総二「分かった!今行くッ!」スッ


総二「テイルオンッ!!」ガシィーンッ!


キュイーンッ!!

テイルレッド(総二)「よォーしッ!行くぜぇッ!!」ビューン



ツインテールあるところエレメリアン現れ、属性力を喰らう…


だが、近頃になってエレメリアンを狩る者達が現れた!


ツインテールを束ねるその女(?)達を……



──“ツインテイルズ”という!!(予定) ──



ヒューン…

スタッ

テイルレッド「そこまでだアルティメギルッ!この俺が来たからにはもう!……あれ?」


アルティロイド「モ…モケェ…」バタッ

レオン「………」

テイルレッド(……だ…誰?)


ポーラーベアギルディ「ば…馬鹿なッ!あれだけの数のアルティロイドを…
        生身の人間が……たった一人で倒しただとッ!?」

テイルレッド「え…えぇーッ!?」

テイルレッド(こ…この倒れてるアルティロイド……全部コイツがやったのかよッ!?)

レオン「……後はお前だけだな。バケモノの親玉」スッ

ポーラーベアギルディ「クッ!舐めるなァ!!小僧ォーッ!!」グッ

バチバチバチィ…

レオン「……何?」

ポーラーベアギルディ「フンッ!我が属性の力…“冬服属性”の能力を最大限に高めて放つ……秘技ッ!アブソリュート・ゼロッ!」グワッ!

バシューンッ!!

テイルレッド(なッ!冷凍ビームだとッ!?)

レオン「………」スッ…

テイルレッド「危ないッ!避け…」


ドグヮシャーンッ!!



ポーラーベアギルディ「ハァーッハッハッ!これで奴はカチンコチンだッ!」

テイルレッド「そ…そんな…!」

テイルレッド(アイツの居た場所に…デカい氷の柱がッ!
       アイツ…まさかさっきの冷凍ビームを食らって、氷漬けにされたのか!?)

ポーラーベアギルディ「さぁーて…邪魔者も居なくなった事だし、俺は任務の続きを…」


……ジュー…


ポーラーベアギルディ(……何だ?氷の柱が、どんどんと溶けて…)


ジュー…


テイルレッド(氷の内側が…真っ赤に光ってる…!?)


ジュッ ボワッ!


ポーラーベアギルディ「なッ!何ッ!?」


ボワァーッ!


テイルレッド「ほ…炎ッ!?」

テイルレッド(こ…氷の柱が、炎に包まれて…)


ボワァーッ!

──「…………」


テイルレッド(炎の中から…何かが!)


ブワンッ!



黄金騎士ガロ(レオン)「………」




テイルレッド「……き…金色の…」

ポーラーベアギルディ「騎士……だとッ!?」



ガロ(レオン)「………」


ポーラーベアギルディ「な……何なんだよォー…
        何なんだよォ!お前のその姿はァー!?」

ガロ(レオン)「……貴様に答える義理などない」カシャ

バチバチバチバチィ…

ガロ(レオン)「ハァーッ!!」ダッ

タッ タッ タッ タッ タッ


ポーラーベアギルディ「く…来るッ!」

ポーラーベアギルディ(クソッ!テイルレッドに殺られるなら未だしも…
        こんな得体の知れない奴の手に掛かって死ぬだなんて……俺は真っ平御免だッ!)

ポーラーベアギルディ「ここは一先ず…撤退するッ!」ブワッ!


ビュオォーッ!


ガロ(レオン)「何!?」

テイルレッド(あの白熊野郎の周りに…激しい吹雪の渦が!?)


ビュオォーッ!


ガロ(レオン)「クッ!目眩ましのつもりか!?」


ビュオー…


ガロ(レオン)(……吹雪が止んだ…)

ガロ(レオン)「………」キョロキョロ

ガロ(レオン)(……奴の姿がない。逃げられたか…)スッ

ガシュイン…


(レオン、鎧解除)


レオン「…ったく、何なんだよここは…」

レオン(辺り一面見たことない物だらけだわ…人の言葉を喋るバケモノは出てくるわ……全く訳が分かんねぇ!)


ザッ

テイルレッド「あ、あのー…」

レオン「……んっ?」

レオン(子供…?何だ、逃げ遅れたのか?)

レオン「………」ジッ

レオン(……コイツ、随分と妙な格好をしているな…)

テイルレッド「………」カシャ

キュイーン…


(総二、変身解除)


総二「………」

レオン「なッ!?」

レオン(小さい女の子が…一瞬のうちに男の姿に変わっただとッ!?
    何だコイツは!?魔戒法師かッ!?それとも…新種のホラーか何かかッ!?)

総二「あ…アンタ…」

レオン「お…お前…」


総二&レオン『一体何者なんだッ!?』



ピー!ピー!

総二「通信?トゥアールからか!」ピッ

トゥアール『あっ!総二様ッ!先程の戦闘の様子はこちらでもモニターしてました!』

総二「トゥアールッ!一体何がどうなって…」

トゥアール『と…とりあえず!現状を整理すべく、隣の彼を連れて一旦総二様の家に集まりましょう!』

総二「わ…分かった!」ピッ

レオン「……状況が分からないのは、どうやらお互い様みたいだな…」

総二「えっ?あ、あぁ…」

レオン「………」

レオン(……さっきのバケモノ達とは違い、コイツからは敵意の類いの感情は感じられない…
    妙な術を使って子供に化けていたようだが……正体はただの人間なのか?)

総二「………」

総二(……エレメリアンを退いた謎の力…。そしてあの金色の鎧…
   もしかして…コイツもトゥアールと同じ、異世界からやって来た人間なのか…?)

レオン「………」

総二(…って、こんな所で無い頭捻っても、埒が明かないか…)ポリポリ

レオン「………」

総二「“お互い様”って事は、アンタも今何が起こっているのか分かっていないって事だよな?」

レオン「……あぁ…」

総二「そっか。なら俺の家に来いよ!
   俺の仲間が色々と調べてくれるみたいだからさ!」

レオン「………」

レオン(……今のままでは、一向に事態の進展は見込めない…
    一応警戒はしておくが、コイツの言うことを聞いておくに超したことはないか…
    ……あのクソ親父の居場所もまだ分かってないしな)

レオン「……分かった。世話になる」

総二「おうッ!俺は観束総ニ!よろしくな!」

レオン「……レオン・ルイスだ。よろしく頼む」


─観束宅─

~総二の部屋~


総二「トゥアール!連れて来たぞッ!」ガチャ


愛香「総二ッ!」

トゥアール「あっ!お帰りなさい総二様!」

ヘルマン「あっ、お邪魔してま~す」

総二(えっ…誰?)

レオン「なッ!親父ッ!?」

総二「えッ!?レオンの親父さん!?」

へルマン「よぉレオン。また派手にやらかしたな~お前」

レオン「何で親父かこんな所に…?」

へルマン「まぁ…話せば長くなるんだけどなぁ…」


~数時間前~


へルマン「ふぁ~……よく寝たよく寝た…」ポキポキ

へルマン「……んっ?」

へルマン(あれ?レオンの奴が居ない?全くアイツ何処ほっつき歩いて…)

へルマン「………」

へルマン(…って言うか、ここどこ?)キョロキョロ

へルマン「………」

へルマン「どえ~ッ!!?」

───

──




へルマン「いや~ビックリしたビックリした。目が覚めたらそこは桃源郷!……いや、どっちかと言うと魔境だな…
     この世界は、俺が元居た世界に比べて軽く1000年は文明が進んでいるからな~。驚いたの何のって…」

レオン「………」

へルマン「で、その後俺は訳も分からずひたすら街の中を彷徨っていたんだが…
     そんな俺の下に、一人の天使が舞い降りたんだ!」

レオン「……天使?」

へルマン「そう!何を隠そうここに居るトゥアールちゃんがそうだッ!」

総二「トゥアールが…?」

トゥアール「えぇ。たまたま道を歩いていたらこの方を見掛けたのですが…
      一目見た瞬間、私はピンと来たんです!
      この人からは…私と同じ匂いを感じると!」

総二「同じ匂い……それってまさかッ!?」

トゥアール「そうです!この人は私と同様、異世界からやって来た放浪者なんですッ!」

総二「や…やっぱりそうだったのか!?」

レオン「………」


トゥアール「と言っても、彼らは自分達の意思でこちらの世界に来た訳ではないようなのですが…」

総二「それって…つまりはどういう…?」

トゥアール「えぇっと……正直な話、詳しい事は私もまだよく分かっていないんです…
      ただ、先程の戦闘の様子を見る限りアルティメギルの関与は否定出来ますが…」

レオン「………」

へルマン「いや~!それにしても君みたいな美人で胸の大きな女の子に拾ってもらえるだなんて…おじさん感激だよー!
     こんなにオッパイが大きいと肩こりとか酷いんじゃないの~?」肩モミモミ

トゥアール「いやだおじ様ったら~!困ります~!私の身体は総二様だけのモノなんですから~!」バシバシ

へルマン「そっか、そりゃ残念!あはははッ!」

愛香(……異世界人同士の繋がりじゃなくて…変態同士のシンパシーでも感じたんじゃないのコイツら…?)

レオン「……アルティメギルとは何だ?さっきのバケモノの集団と、何か関係があるのか?」

総二「あぁ、それはだな…」



~総二 説明後~


レオン「属性力を奪う侵略者…アルティメギル…」

トゥアール「そうです!総二様は奴らの侵略を阻止する為、ツインテールの化身たる戦士…“テイルレッド”に変身し!日夜ッ!奴らアルティメギルと戦う日々を送っているのです!」

レオン「……成る程…」

レオン(それが、この世界が今置かれている現状って訳か…)

愛香「今の話を聞いて、何か分からないところとかあった?
   ……まぁそもそも、こんな話一発で理解しろっていう方が無理な話だと思うけどさ…」

レオン「……一つ、質問してもいいか?」

総二「んっ?何だ?」

レオン「……ツインテールって、何だ?」

総二「……え…えェーッ!!?」ガターン!

レオン「!?」

総二「お…おまッ!ツインテールを知らないのかッ!?」

レオン「……あぁ…全く…」

総二「そ…そんな……そんな事がッ!?」

愛香「落ち着きなさいよ総二!
   きっとレオン達の居た世界は…ツインテールが存在しない世界なのよ」

総二「ツ…ツインテールが存在しない世界なんて……そんなッ!?」

愛香「あり得ない話ではないわよ。トゥアールの話によれば異世界はまだ沢山あるみたいなんだし
   ツインテールの存在しない世界の一つや二つ、あったって可笑しくはないでしょ?」

総二「……あ、あぁ…そうだよな…。悪い、取り乱したりして…」

レオン「あ…あぁ…」

総二(そうか…レオン達は、ツインテールについて何も知らないのか…)

レオン「………」

レオン(ツインテール……総二の反応から察するに、この世界の人間にとっては、よほど重要なモノのようだな…
    ……この世界では一般常識なのか?ツインテールとやらは…)

総二「じゃ…じゃあ改めて、俺の口から説明させてもらうぜ」

レオン「あぁ」

総二「いいかレオン?ツインテールってのはな…」


───


総二「ん?どうしたレオン?ガックリ肩なんか落として」

レオン「……悪い……何というか…拍子抜けしたというか…」

レオン(何だよ…何かと思ったらツインテールって……髪型の事だったのかよ…)ガクッ

ヘルマン(フッ、流石のレオンも面食らっちまったみたいだな…
     大方、ツインテールの事を魔道具か何かと勘違いしてたんだろうな)プフッ

総二「……にしても、今回の件にアルティメギルが関与してないとなると…一体何が原因でレオン達はこの世界に飛ばされたんだ?」

トゥアール「そうですねぇ…。おじさまとレオンさんの世界では、何か変わったような事は無かったんですか?」

へルマン「俺達の居た世界かぁ…。正直な話、思い当たる節なんてないなぁ…」ポリポリ

レオン「……メンドーサの仕業という線は考えられないか?
    奴は特殊な魔道具を使って、奇妙な術を操ると聞いたが…」

へルマン「……いや、おそらく奴の仕業では無いだろう。
     メンドーサの奴が予め俺達の動向を察知していたとは考えにくいし…
     第一、俺達を消したいのならば、わざわざ異世界に飛ばすなんていう回りくどい方法を取る必要がないしな」


総二「……め…面倒さ?」

愛香「あの~…それって一体?」

へルマン「……んっ?あぁ、こっちの世界の話。
     あっ、そういえば君達にはまだ何も話してなかったな。トゥアールちゃんにはさっき軽く説明しといたんだが」

ヘルマン「丁度いい。お嬢ちゃん達にも、俺達の世界の事について詳しく説明しておくか」

レオン「………」



~ヘルマン 説明後~


愛香「……人の心の闇に付け込む魔物ホラー…そしてそれを狩る魔戒騎士…」

総二「へー!レオンとヘルマンさんって、そんなに凄い仕事を生業にしてたんだ!」

ヘルマン「ハハハッ、まぁな」

レオン「………」

ヘルマン(……ヴァリアンテの魔女狩りについては、野暮ったらしい話だし…
     今は特に話す必要もないよな…)

レオン「………」

トゥアール「……でも、御二人がこちらの世界に飛ばされた原因が、そちらの世界の影響でもないとなると……本当にお手上げですね…」

総二「原因も何も分からないんじゃあ、流石のトゥアールも打つ手なしか…」

ヘルマン「成る程…状況に進展があるまで俺達はこのままか…
     暫くこっちの世界にお邪魔させてもらう事になるが、さて…
     そうと決まれば、先ずは寝床を探さなきゃな…」

レオン「……今から寝床の心配かよ…。別に野宿でも良いだろ」

ヘルマン「甘い…甘いぞレオン…
     この世界はホラーこそ存在しないが、俺達の世界とは随分と常識も勝手も違う…
     下手な行動に出れば命を落としかねんぞ…」

レオン「そんな…大袈裟な…」

総二「いや、大袈裟でもないぞレオン!
   ヘルマンさんの言う通り、こっちの世界はこっちの世界で危険な事が沢山あるんだ!」

愛香「確かに…ヘルマンさん達の居た世界と私達のこの世界とじゃ、文明の進み具合も全然違うみたいだし…
   この世界の一般常識が身に付くまで、ヘルマンさん達は迂闊に外へは出歩かない方が良いわよね」

ヘルマン「そうそう、凄いんだよな~この世界の科学技術は!
     見ろよレオン!これなんかスマホって言ってな、ほれこうやってスイスイっと…」ポチポチ

レオン「……別に、魔道具でも似たようなのあっただろ…」


愛香「…って!ヘルマンさんそれ私のッ!」パシッ

ヘルマン「ハハッ、ごめんごめん!物珍しさについつい手が伸びちゃって」

愛香「もう!勝手に弄らないで下さいよ!」

トゥアール「あら~愛香さん…もしかして中に何か見られたくないデータでも入ってたんですか~?」

愛香「べ…別にそんなんじゃないわよ!」

トゥアール「まぁ愛香さんの事ですし…大方いかがわしいサイトの閲覧履歴とかそんな感じの…」


バゴーンッ!!


トゥアール「ぶべらッ!!」ドサッー

ヘルマン「ちょッ!!トゥアールちゃん!大丈夫ッ!?」

愛香「あっ、あまり気にしないで下さい。いつもの事ですから…」シュー…

ヘルマン「……アッ、ハイ…」


総二「……まぁ、何はともあれ野宿は危険って事なんだが…
   異世界人の二人が暮らせる所なんてそうそう無いよなぁ…」

レオン「………」

総二「……そうだ!ヘルマンさん!
   もし良かったら、二人してこの家に住んでみませんか?」

レオン「何…?」

ヘルマン「えっ?この家に?」

愛香「ちょ…ちょっと!良いの総二!?そんなこと言って!」

総二「良いも悪いも、二人とも行く宛がなくて困ってるんだし…
   二人の事にここまで首突っ込んどいて、今更放っておくなんて俺には出来ねぇよ…」

愛香「……総二の気持ちは分かるけど…おばさんが何て言うかまだ分かんないでしょ?
   只でさえ邪魔な居候が一人居るってのに…」

総二「あぁ、母さんならきっと大丈夫だと思う。異世界から来たヒーローが、行く宛てがなくて困ってるって言っとけば。
   むしろ母さんの方から“二人をこの家に泊めるように”って誘って来ると思うぞ!」

愛香「あ……アンタねぇ…」


ヘルマン「いや~助かるよ総二くん!これで俺達も安心して夜を過ごせるよ!」

総二「いえ、困った時はお互い様ですよ!」

総二(それに…ツインテールの魅力についてレオンにたっぷりと語る事の出来る…良い機会でもあるしな!)


レオン「おい親父ッ!本当にこの家の厄介になるつもりかよ!?」

ヘルマン「……実を言うとな、レオン…」ボソボソ

レオン「あっ…?」

ヘルマン「ここの家の家主…つまりは総二くんのお母さんなんだが…」ボソボソ

レオン「………」

ヘルマン「これがまたエラい美人でなー!もう熟れる一歩手前の女の魅力満々って感じなんだよー!」ボソボソ

レオン「………」

ヘルマン「しかも彼女…未亡人らしいんだよコレがまたー!」ボソボソ

レオン「………」

ヘルマン「恋する乙女なトゥアールちゃんに手を出すのは些か気が引けるが…彼女は別だ!
     レオン!今回の居候の件が上手く行けば、お前と総二くんが義理の兄弟の関係になったりなんて事が…」


バゴーンッ!


ヘルマン「う゛ばらッ!?」ドサッー

総二「えっ!?」ビクッ

レオン「こんな所に飛ばされても懲りずにまたそれかよッ!クソ親父ッ!!」

ヘルマン「……お…お前なぁ…」グッタリ

総二「ちょ…ちょっと!大丈夫ですかヘルマンさん!?
   レオン!お前どうしてこんな事を!?」

レオン「……気にするな。いつもの事だ…」

総二「えっ?……そ…そうなのか…」

レオン「………」


トゥアール「あぁー…何か既視感ありますね、この光景…」チラッ

愛香「な…何よ!」

身の回りのゴタゴタが終わったんで近日投下予定


レオン「………」クルッ


スタスタスタ…


総二「お…おい、レオン?」

ヘルマン「あー……どこ行く気だぁ?お前……」フラフラ

レオン「……話はもう終わったんだろ?
    だったら、何時までもこんな所で無駄な時間を費やしている必要もない。
   今から外に出て、俺達が元居た世界に戻る為の手掛かりが何か無いか、調べてくる…」

愛香「ちょっとアンタ!さっきの話ちゃんと聞いてたの!?
   馴れないうちに外に出るのは危ないんだって!」

レオン「……そんな悠長な事を言ってられる時間は、今の俺達にはないんだ…
    一刻も速く元の世界へと戻り、メンドーサを倒滅しなければならない…
    それが、魔戒騎士である俺に与えられた使命なんだ…」

総二「……レオン…」

ヘルマン「………」

レオン「……総二、」

総二「えっ?」ピクッ

レオン「……世話になったな」クルッ

タッ タッ タッ タッ …


バタンッ



愛香「……何よアイツ、感じ悪…」

トゥアール「確かに…レオンさんって、ちょっとつっけんどんなところがありますよね…」

総二「………」

ヘルマン「まぁ…そう悪く思わんでくれよ、お嬢ちゃん達。
     アイツは確かにぶっきらぼうで、ツンツンしているところがあるけどさ…根はそんなに悪い奴じゃあないんだよ!」

ヘルマン「……ただ、なぁ…」

総二「ただ…?」


───

レオン「………」タッ タッ タッ タッ …

──1F──


レオン(最初に俺が目覚めたあの場所…
    あそこに行けば、何か手掛かりが掴めるかもしれない…)タッ タッ タッ タッ


未春「んっ?」ヒョコ


レオン「………」スタスタ

未春「あら、アナタは…」

レオン「……?」クルッ

未春「えーっと…確か、総ちゃんのお友達だったかしら?
   私とは初めましてよね?こんにちは!観束総二の母です!」

レオン「……どうも…」

レオン(……この人が、親父がさっき話していた総二の母親か…)

未春「へぇー、あの子が家に男友達を連れて来るだなんて、珍しい事もあるものねぇ…
   高校生になってからは始めてじゃないかしら?」

レオン「……別に、俺とアイツはそんな関係じゃ…」

未春「あら?違うの?」

レオン「………」

未春「まぁ、何だって良いわよ!
   丁度良かったわ!今から総ちゃん達に試食してもらおうと、お店で出す予定の新メニューを持って行こうとしてたとこだったの!
   もし良かったらアナタも食べてかない?」

レオン「……いや、俺は別に…」

未春「遠慮しないの!ちょっと待っててね、すぐに持ってくるから!」タッ タッ タッ


レオン「あっ…いや…」

レオン「………」

レオン(……母さん…)


へルマン「……アイツは母親を早くに亡くしちまってな…
     今日まで俺がアイツの事を男手一つで育ててきたんだが、誰に似たんだかあんなぶっきらぼうな性格に育っちまって…」

へルマン「その上アイツはガキの頃から魔戒騎士になる為の修行修行で…父親である俺以外の人間とはロクに関わりを持つ事も無くてな…
     ……アイツには、同年代の友達って奴が出来た試しがないんだよ…」

総二「えっ…?」

ヘルマン「あぁ、別にそれでアイツ自身が困ってるって訳じゃあないんだ。レオンの奴がそれを気にしているって話でもない。
     ……だがな…俺も一人の父親として、時折不憫に感じる時があるんだよ…
     アイツにも、友人の一人くらい出来たって良いんじゃないかってな…」

総二「………」

ヘルマン「勿論、俺達にとってそれは簡単な話じゃない。
     俺とアイツは流浪の身だ…。決して一つ所には留まれない。
     一度築いた人との関係も、決して長くは続かないのがお約束だ…」

へルマン「……けどな、それでもレオンには、俺以外の誰かとの“繋がり”ってのを作って欲しいんだよ。
     アイツの…レオン自身の為にもな…」

愛香「へルマンさん…」

総二「………」


へルマン「ヘヘッ……こんな話、レオンの奴の前では絶対に喋れない事だけどな!
     恥ずかし過ぎて俺の至る所がこそばゆくなっちまう!」ポリポリ

総二「……へルマンさん…」

へルマン「……俺達と君らとの関係は、それこそ俺とレオンが元の世界へ帰るまでの関係だ…。どの程度の付き合いになるかは分からない。
     もしかしたらこのまま一生この世界で君らの厄介になるかもしれないし、逆に明日には元の世界へ帰っているかもしれない…
     それでも…例え短い間でも良い。アイツと…レオンの奴と、仲良くしてやってくんないか?」


総二「………」スタッ

スタスタ…

愛香「そ…総二?」

トゥアール「どちらへ行かれるのですか…?」

総二「……決まってるだろ?
   アイツの…レオンのところだよ!」

トゥアール「えっ…?」

総二「俺、今からアイツの手伝いに行ってくる!」

愛香「そ…総二!へルマンさんには悪いけど…別にアンタがそこまで律儀にレオンの友達になってやる必要なんて…」

総二「……俺もさ、アイツとは逆だけど…父さんを早くに亡くしてるんだよな…」

愛香「えっ…?」

総二「だからさ…何となく分かる気がするんだよ。レオンの気持ちが…」

トゥアール「……総二様…」

総二「そりゃあ…俺とアイツとじゃ、今まで経験してきた境遇も、過ごしてきた環境もまるで違うけどさ…
   ……それでも…アイツからは何となく、似たようなものを感じるんだよ。
   へルマンさんの話を聞いて、それは尚更強く思えてきてさ…」

愛香「……総二…」

総二「だからさ…俺、アイツの力になってやりたいんだ!
   今、アイツの一番やりたい事が、元の世界へ帰る方法を探す事なら…俺はそれを手助けしてやりたい!
   それが、今の俺の中にあるレオンに対する率直な気持ちなんだ!」

ヘルマン「………」


愛香「全く…ツインテール馬鹿に加えて、とんでもないお人好し属性もプラスされたわねぇ…アンタ」

トゥアール「でも、そんな総二様も又素敵です!」

総二「……愛香…トゥアール…」

愛香「フフッ…出来る事はそんなに無いと思うけど…私も力を貸すわよ!総二!」

トゥアール「私も当然!手伝わさせてもらいますね!」

総二「ありがとう二人ともッ!
   じゃあ、早速レオンを探しに行こう!」ダッ

愛香「えぇ!行きましょう!」ダッ

トゥアール「はい!」ダッ


タッ タッ タッ タッ …


へルマン「………」

へルマン(……ありがとな、皆…)



──1F──


タッ タッ タッ タッ

総二「母さん!俺ちょっと今から人を探しに行って…」クルッ



レオン「………」モグモグモグ…



総二「だぁーッ!!」ドンガラガッシャーン!


愛香「れ…レオンッ!? アンタ外に出てったんじゃなかったの!?」

レオン「あっ、あぁ…色々あってな…」ゴクッ


未春「あら総ちゃん!それに愛香ちゃんまで!どうしたのそんなに慌てて?
   総ちゃんなんかコントみたいな転び方しちゃって…」

総二「か…母さん!な…何でレオンがここに!?」

未春「えぇ、この子にはお店の新メニューの試食をしてもらってたのよ」

レオン「………」ゴクッ

未春「どうレオンくん?お味の程は?」

レオン「……悪くはない…普通に旨い…」

未春「そう!良かったわー!」


愛香「な…何なのよ……人がせっかく心配して…探しに行ってやろうと思ってたのに…」ヘナヘナ

総二「ハハッ…でも良かったよ」スタスタ

スチャ

レオン「……?」

総二「母さん!俺にもレオンに出したのと同じヤツお願い!」

未春「了解!愛香ちゃんも一緒に食べる?」

愛香「あっ!いえ!お構い無く!」

レオン「………」

総二「レオン、俺にも手伝わせてくれよ。
   お前とへルマンさんが、元居た世界に戻る為の手伝いをさ!」

レオン「……総二…」

総二「おせっかいかもしんないけど…これも何かの縁だからさ!きっと!」

レオン「縁…?」

総二「あぁ!異世界から来た矢先にバッタリと会った、俺とお前との縁ってヤツだ!」

レオン「……縁、か…」

総二「……やっぱり迷惑か?レオン…」

レオン「……いや、そんな事はない。正直言って助かる。
    この世界には、俺の知らないような事が山ほどあるからな…」

総二「そっか!良かったぜ!それじゃあ改めて…」スッ

レオン「………」

総二「よろしくな!レオン!」

レオン「……俺の方こそ、よろしく頼む。総二」スッ

パシッ



未春(フフッ…やっぱり総ちゃんのお友達だったんじゃない)カタカタ


───


トゥアール「グフフッ……いい…実にいいですわねぇ……こういう殿方同士の絡み合いというのも…」ジュル…

へルマン「へぇ~…トゥアールちゃんってばそっち系の趣味もあるんだ?」

トゥアール「私は別にその様な事は…
      ……ただ、目の前でこうもまざまざと見せ付けられると…
      何というか…こうムラッと来るモノはありますね!」

へルマン「へぇ~…ムラッと来るモノねぇ…
     まぁ、おじさんはトゥアールちゃんのその豊満な2つのオッパイにムラムラ来ちゃうんだけどねー!」

トゥアール「やだもうおじ様ったら~!
      さっきも言いましたけど私の身体は総二様だけのモノなんですから~!ハハッ!」バシバシバシ

へルマン「あっはっはっ!そうだったそうだった!
     俺ってば自分の下心を隠しきれないタイプの人間だかついついー!」



愛香(……物陰に隠れて何やってんのよアイツら…)





── 同時刻  アルティメギルの移動母艦にて ──


ドラグギルディ「……酷い有り様だな、ポーラーベアギルディ…
        お前程の猛者が、それ程までの深手を負うとは…」

ポーラーベアギルディ「面目御座いませんドラグギルディ様…不覚を取りました…!
        それもこれも…全てはあの黄金の騎士のせいで御座いましてッ!」

ドラグギルディ「……黄金の騎士か…話は聞いている。
        我々アルティメギルの前に突如として現れた、金色に輝く甲冑を見に纏う、狼を模した顔を持つ騎士であると…」

ポーラーベアギルディ「……奴は一体何者なのでしょうか…?
        少なくとも、テイルレッドとは何の関係もないようですが…」

ドラグギルディ「うむ…。我々の知らない異世界からの来訪者だという事は確かなようだが…
        何が目的でこちらの世界に来たのかは、皆目見当も付かん…」

ポーラーベアギルディ「クッ!このポーラーベアギルディ…奴には苦渋を味わわされました…!
        ドラグギルディ様ッ!どうか…どうかこの私めにお力添えを!」

ドラグギルディ「うむ…。お前がそこまで言うのなら…」スッ

キュイーン…


ドラグギルディ「ポーラーベアギルディよ…お前の失われた右腕の代わりとなる、新たな力をくれてやろう」パッ


ドサッ


ポーラーベアギルディ「……あのー…このグロテスクな肉の塊は一体…?」

ドラグギルディ「あぁ、私も詳しいことまではよく知らないのだが…
        話によれば異世界の数々を巡りに巡って渡ってきた珍品との事だ」

ドラグギルディ「確か…“メシアの牙の肉片”と言ったか…」

ポーラーベアギルディ「……それで、この何とかの牙の肉片とやらは…一体どう扱えばよいのですか…?」

ドラグギルディ「うむ、ポーラーベアギルディよ。
        斬り捨てられたお前のその右腕の傷口に、メシアの牙の肉片を取り付けるのだ。
        さすればその肉片は、お前の失われた右腕の代わりとして形を成すだろう」

ポーラーベアギルディ「……えー…これを俺の傷口に…」

ドラグギルディ「………」

ポーラーベアギルディ「……うわぁ…マジで?……いやいや…いくら何でも、なぁ…」ブツブツ

ドラグギルディ「……これは命令ではない。お前の望むようにしろ。
        しかし…このままではあの憎き黄金の騎士に勝つことなど…夢の又夢であるがな」

ポーラーベアギルディ「─ッ!あの黄金の騎士…!」ギリッ

ドラグギルディ「………」

ポーラーベアギルディ(そうだッ!俺の腕をこんな有り様にしたあの黄金の騎士…絶対に許す訳にはいかんッ!)

ポーラーベアギルディ「やります!ドラグギルディ様ッ!このメシアの牙の肉片の力を借りて…
        このポーラーベアギルディ、必ずやテイルレッドを…そしてあの憎き黄金の騎士めを倒してご覧にいれましょうぞッ!」ガシッ

ポーラーベアギルディ「さぁ!メシアの牙の肉片よッ!今こそこのポーラーベアギルディの新たな右腕となりて、その力を示してみせろーッ!」グチャ

ベキベキベキベキ…


ポーラーベアギルディ「─ッ!?グワアアァァァァァァァァアアァァアアッ!!?」ベキベキベキベキ…


ドラグギルディ「お…おオォ…!?」




── その日の晩 観束家にて ──


総二「なぁレオン!こっちのツインテールとこっちのツインテール…お前ならどっちが好みだ?」バサッ

レオン「……別に、俺は女の髪型になんか興味な…」

総二「だぁーもう!分かってないなぁー!レオン! ツインテールは只の髪型とは違うんだよぉー!」

レオン「何…?」

総二「この麗しの流線美…そこに両尾りの束ねた髪が織り成す相乗作用…
   そうッ!ツインテールは只の髪型の域を超えて…もはや芸術の域に達している髪型なんだッ!」

レオン「げ…芸術って……そんな大袈裟な…」

総二「改めて聞くぞレオンッ!こっちの娘のツインテールとこっちの娘のツインテール…お前ならどっちを選ぶ!?」バサッ

レオン「ど…どっちって言われても…なぁ…」チラッ

レオン「………」


総二「んっ?」

レオン「……お…俺は…だなぁ…
    だ…誰かを好きになるってのは……見た目だけの問題じゃ…ないと思うんだが…」

総二「……えっ?」

レオン「………」カァー…

総二「……あっ…いや別に俺…
   お前の恋愛観とか、そういうのを聞きたかった訳じゃ…」

レオン「……えっ?」


ズイッ

トゥアール「あ~ら…レオンさんってば意外とピュアなんですねぇ…」ニヤニヤ


レオン「うわッ!」ガタッ

総二「あっ、トゥアール。どうしたんだこんな夜中に?」

トゥアール「別に深い意味は無いんですけどねぇ…
      思春期の殿方二人が夜中に集まって…一体どんな話をするのかと気になりましてねぇ…」

レオン「お…お前ッ!何時からここに居たんだ!?」アタフタ

トゥアール「さっきからずぅ~っと居ましたよ~
      レオンさんったら普段はクールぶってますけど、女の子の事に関しては意外と……プフフッ!」プルプル

レオン「だ…黙れッ!今の発言はナシだ!忘れろッ!」カァー…

総二「まぁまぁ、そう熱くなるなってばレオン…
   トゥアールも、いちいちレオンを煽るようなこと言うの止めろよ」

トゥアール「はーい」

レオン(…ッたく!親父の女版みたいな奴だな…!)


トゥアール「あっ、そういえばレオンさん」

レオン「……あっ?」

トゥアール「今、下の階でレオンさんのおじ様と総二様のお母様が…」

───


─ 1F ─


ヘルマン「そこにゾロの鎧を身に纏ったこのヘルマン・ルイスが早速と現れ!群がるホラーの大群を次々と蹴散らした訳です!」

未春「凄ーい! ヘルマンさんの英雄自伝!胸が熱くなりますよ!」

ヘルマン「いやー!別に大したことじゃないッスよー!ハッハッハッ!」

未春「ウフフ…」

へルマン「……うぅ…」ウルッ

未春「……あのー…どうかしましたかヘルマンさん?お酒飲み過ぎたんじゃ…?」

ヘルマン「……いや…そうじゃないんです。
     貴女と話をしていたら…そう…先立たれた女房の事を思い出しましてね…」ホロリ

未春「まぁ…。奥さん、御亡くなりになられてたんですね…」

ヘルマン「……妻は…アンナは逞しい魔戒法師で、その上ナイスバディの持ち主の美しい女でした…」スッ…

へルマン(よし…!ここですかさず手を握って…)


ギュッ


ヘルマン「……丁度、貴女のように…」

未春「……ヘルマンさん…」

ヘルマン「……フフッ…貴女とこうして話をしていると、何でか懐かしい気分になりますよ…。本当に、心が安らぐ…」

未春「………」

ヘルマン(よし!このいい感じのムードが崩れない内に…透かさずベッドインへ…!)



レオン「何やってんだこのクソ親父ィーッ!」バチーンッ!


ヘルマン「か゛あ゛ぁーッ!?」ドサッー

未春「わっ!」ビクッ

トゥアール「ちょ…ちょっとレオンさん!駄目じゃないですか出てきちゃあ!せっかく今いいところだったのにー!」


総二「大丈夫母さんッ!?」 ザザッ

未春「あら、総ちゃん」

総二「母さん!へルマンさんに何か変なことされなかった!?」

未春「何?わざわざ心配しに来たの?
   別に総ちゃんの思っているようなやましい事は何一つしてないから、安心しなさい」

総二「そ…そう? それなら良いんだけどさ…」


レオン「全く…無理言ってこの家に泊めてもらってる分際で、何総二の母親に手ェ出そうとしてんだよ!このクソ親父ッ!」

ヘルマン「な…何だよレオン!お前誤解しているぞッ!
     俺は単に彼女との酒盛りを楽しんでいただけだッ!」

レオン「どうだかなぁ…!手を握った時点で怪しかったぞ!」

ヘルマン「あーもう!父親の言うことをいちいち信用しない奴だなぁ…!全く酷い息子だよ!」

へルマン「なぁ総二、君もそう思うだろ?」チラッ

総二「………」

ヘルマン「……おーい、総二くーん?」トントン

総二「─ッ!? あっ、あぁ…そうですよね、確かにそうです…」

レオン「おい総二ッ!お前親父の肩を持つ気かよ!」

総二「あっ…いや、別に俺はそういう訳じゃ…」

ヘルマン「あのなレオン。総二はお前と違って話の分かる奴なの。
     だから、俺とお前のはたしてどっちが正しいことを言ってるのかってのが、ちゃんと分かってんだよ」

レオン「何をいけしゃあしゃあとッ! だいたい親父はいつもいつも女オンナで!」

ヘルマン「ンだとォー!? 文句あるのかよこのドラ息子~!」

レオン「ここに来て開き直りかよ!本当に最低な親父だなッ!」


ガヤガヤ… ガヤガヤ…


総二「………」

未春(……総ちゃん…)


── 翌日 ──



総二「じゃあ…早速、レオンがこの世界で始めて目覚めたって場所から調べてみるか」

愛香「そうね。今のままじゃ、手掛かりもロクに無い状況だし…」

レオン「………」

トゥアール「では、私とおじ様は地下の秘密基地で待機していますね!」

ヘルマン「レオン、あんまり二人に迷惑掛けるんじゃないぞー」

レオン「……親父の方こそ、家に居る人達に手ェ出すんじゃないぞ…」

へルマン「なッ!まだそんなこと言ってんのかよお前ッ!
     俺がそこまで節操無しに見えるってのか!?」

レオン「見える。全くどの口が言えたことだよ…」

へルマン「あーもう!いちいち父親を信用しない息子だなぁー!」

総二「はは…相変わらず仲が良いな、二人とも」

レオン「……何処がだよ…」プイッ スタスタ…

愛香「あっ!ちょっとアンタ!待ちなさいよー!」ダッ

総二「あっ、ちゃんと道分かるのかよレオン!?」ダッ


────


ヘルマン「……節操無しな男に見える、だってよ…
     ねぇー…どう思うよトゥアールちゃん? レオンのヤツったらいつもあんな調子で…」

トゥアール「そうですねぇ…
      ……レオンさんは一つ、大きな誤解をされていますね…」

ヘルマン「へっ?」

トゥアール「おじ様は決して“節操無しな男性”ではなく……“分別を弁えた立派な変態”なんですよッ!」



ヘルマン「……プッ…ハハハーッ!こりゃー一本取られたよトゥアールちゃん!
     やっぱり似た者同士通じ合うところがあるのかなぁー俺達ッ!」

トゥアール「まぁーおじ様ったら!アハハハハハハ!」

ヘルマン「アーッハッハッハッ!」


── レオンが最初に目覚めた路地裏 ─



総二「どうだ愛香?そっちは何か見つかったか?」ガサゴソ

愛香「全然…。特に変わった物は…」ガサゴソ

レオン「………」ガサゴソ

総二「うーん…。ここを探せば、異世界に繋がる手掛かりか何かが出てくると思ったんだけどなぁ…」

愛香「ねぇレオン、本当にここで間違いないの? アンタが目覚めた場所って」

レオン「……あぁ、間違いない。この場所だ」

総二「そっか…。じゃあもう少しだけ粘ってみて、何も出ないようだったら一旦トゥアール達と合流しよう」

愛香「えぇ」

レオン「分かった」


────


ガサゴソ… ガサゴソ…

総二「……なぁ、レオン?」

レオン「……何だ?」

総二「……父親が身近に居るって、どんな感じだ?」

レオン「………」ピタッ

総二「あっ、ごめんな!急に変なこと言い出して!」

レオン「………」

総二「……ただ…お前とヘルマンさんの親子喧嘩を見ていたら、それって一体どんな感じなのかなって…俺、気になってさ…」

レオン「……総二…」

総二「………」


レオン「……別に、一緒に居たって鬱陶しく感じるだけだ…
    特に俺の親父なんか……ガサツで、女癖が悪くて…良いとこなんて何もないダメ親父だぜ?」

総二「んっ、そうか?
   俺は良い親父さんだと思うけどなぁ…ヘルマンさん
   何て言うか……面白い人だし!」

レオン「はぁー…お前なぁ……
    あのクソ親父と一緒に暮らした事がないからそんなことが言えるんだよ…
    毎日顔を合わせてたら、本当に嫌になるぞ?」

総二「ははっ…かもな!」

レオン「……はぁー…」ガサゴソ

総二「……でもさ、俺、やっぱりお前が羨ましいよ…
   何の気兼ねなく話すことの出来る、父親ってのが居てさ…」

レオン「………」ガサゴソ…

総二「へへっ!ごめんなレオン!こんな湿ったれた話なんかして!
   さっ、早いとこ作業進めようぜ!」ガサゴソ

レオン「………」


未春『私とは初めましてよね?こんにちは!観束総二の母です!』


レオン「……俺は、逆にお前の方が…」ボソッ

総二「……えっ?」

レオン「……な…何でもないッ!とっと作業を進めるぞ!」

総二「あっ…あぁ!」

レオン「…ったく」ガサゴソ

総二「………」

総二(……そっか。レオンのヤツは、レオンのヤツで…)

総二「……フッ…」ガサゴソ

レオン「な…何が可笑しいんだ!?」

総二「……いや、俺とお前って…案外似た者同士なのかもなって思ってさ!」ガサゴソ

レオン「……な…何だよそれ…」



ピー! ピー!


総二「んっ?……トゥアールから通信…?」ピッ

トゥアール『総二様ッ!大変です!』

レオン「………」


総二「何だってッ!? 前取り逃がしたエレメリアンがッ!?」

レオン「何…?」



── 某スーパーアリーナ前 ──



アルティロイド「モケーッ!」バキューン!

アルティロイド「モケケーッ!」バキューン!バキューン!


キャー! キャー!


ポーラーベアギルディ「ハハハッ!そうだ!暴れろお前らッ!
        騒ぎをもっと大きくして……テイルレッドとあの黄金の騎士をこの場へ誘き出すのだーッ!」




タッ タッ タッ タッ タッ


総二「いた!昨日の白熊野郎だッ!」

愛香「全くアイツら性懲りもなく…!」

レオン「………」

レオン(あの怪物の右腕、何かが妙だ…)

レオン(……あれは、まるで…)



総二「行くぜ!テイルオンッ!」ガシィーンッ!

キュイーンッ!!


テイルレッド(総二)「待てぇー!」ダッ




ポーラーベアギルディ「んっ?」クルッ


テイルレッド「そこまでだ!この白熊野郎ッ!」

ポーラーベアギルディ「来たかテイルレッドッ!……そして…!」ギロッ

レオン「………」

ポーラーベアギルディ「黄金の…騎士ッ!」カッ!


テイルレッド「フン!わざわざレオンの力を借りるまでもないぜッ!
       お前の相手はこの俺一人で十分だ!白熊野郎ッ!」ダッ

ポーラーベアギルディ「ほざけッ!異界より与えられし魔物の力を手に入れた今…
        テイルレッド!貴様など物の数ではないわッ!」タンッ


グワッ!


テイルレッド「なッ!」

テイルレッド(は…速ッ!)

ポーラーベアギルディ「うおぉぉりゃああぁぁぁああッ!!」ブンッ!


ドグワシャーッ!!


テイルレッド「わアアァァァアッ!」ドゴーンッ!


レオン「何ッ!?」

愛香「総二ッ!」


テイルレッド「うっ…」ボロッ

テイルレッド(クソ…何てパンチ力だッ!)クラッ


ポーラーベアギルディ「フンッ!早速トドメを刺すとしよう! 食らえッ!アブソリュート…」キュイー…


レオン(─ッ!! マズいッ!)ダッ


ポーラーベアギルディ「ゼロォーッ!!」カッ


バシューンッ!!


テイルレッド(やばッ!)


レオン「─ッ!」ダッ




ドグヮシャーンッ!!



ポーラーベアギルディ「………」

ポーラーベアギルディ(チッ……手応えなし、か…)チラッ



レオン「大丈夫か? 総二」ダッコ

テイルレッド「あっ…ありがとうレオン。助かったよ…」スタッ

レオン「気を付けろ。奴は以前戦った時よりも強くなっている。それに…」

テイルレッド「……それに…?」

レオン「……奴の右腕、何かが妙だ…」

テイルレッド「えっ?……あぁ、確かに前見た時よりもずっとグロい事になってるけど…
       あの右腕が、アイツが突然パワーアップした事と何か関係があるのか?」

レオン「今のところは何とも言えん。だが…」

レオン(……だが…あの気配はまるで…)


ポーラーベアギルディ「フンッ! 1発目は外したが次はこうはいかんぞッ!
        テイルレッド…そして黄金の騎士よ!
        どの道貴様らは…このポーラーベアギルディ様の餌食となる運命にあるのだァーッ!!」グワッ


レオン「総二、力を貸すぞ。
    あの右腕が俺の想像通りの代物なら……この戦い、お前一人の力だけでは手に負えない筈だ」

テイルレッド「分かった!一緒に戦おうぜ!レオンッ!」

レオン「……あぁ…」


ポーラーベアギルディ「フン!貴様らが共闘戦線を張るというのならば…アルティロイドッ!」




アルティロイド「モケッ!」ズラッ
アルティロイド「モケーッ!」ズラァ…
アルティロイド「モケモケーッ!」ズララァ…



テイルレッド「なッ!」

レオン「……コイツら…」




ズラァー…


アルティロイドs『モケーッ!!』






ポーラーベアギルディ「フフンッ!どぉーだぁー!?
        その総数、およそ千人を数える戦闘員の軍勢だぞォーッ!」

テイルレッド「て……テメェ!
       たった2人相手にそんな大軍率いて戦おうだなんて…汚ねぇぞッ!この卑怯者ッ!」

ポーラーベアギルディ「フン!2対1で勝負を始めようとしたお前らに言われたくはないわッ!」

テイルレッド「うっ…」

愛香「ド正論だけど気にしたら負けよ!総二ッ!」

レオン「愛香の言う通りだ。何人かかってこようが、俺達のやる事に何ら変わりはない…」

テイルレッド「そ…そうだな!ここはいつも通り、正面突破で行くかッ!」ジャキン!


レオン(……だが、これだけの数の敵だ…
    雑魚ばかりだとはいえ、俺達2人だけで相手をするとなると…流石に骨が折れるな…)


キュイーン!


レオン「……んっ?」クルッ


ヘルマン「おー!本当に一瞬で着いちゃったよー!
     やっぱ凄いねぇ…トゥアールちゃんのその道具!」

トゥアール「フフッ…私の自信作の一つですよ!」


レオン「お…親父!? 一体いつの間に…?」

へルマン「おーレオン!来てやったぞー」

テイルレッド「えっ!? 何でへルマンさんがここに!?」

トゥアール「えぇ、おじ様がどうしても現場に行きたいと仰ったので…それで」


ヘルマン「……あれ? もしかして…キミ、総二なのか?」

テイルレッド「えっ?……あっ、まぁ…」

へルマン「ほぉー……まぁーた随分と可愛らしい姿になっちゃって…」ポンポン

テイルレッド「ど…どうも…」

レオン「……で、親父は一体何しにここへ来たんだよ…?」

ヘルマン「何しにって…そりゃ決まってんだろ。助っ人だよ助っ人」

テイルレッド「……助っ人…ですか?」

へルマン「そう、助っ人」

愛香「そんな…危ないですってヘルマンさん!
   アイツら見てくれはああですけど…それでも危険なヤツらである事に変わりはないんですから!」

ヘルマン「大丈夫だって。俺だって一応、魔戒騎士の端くれなんだからさ!」

愛香「は…はぁ…?」



レオン「……親父、あの怪物の右腕だが…」

ヘルマン「あぁ…奴の様子はトゥアールちゃんの道具を使って、俺もさっきまで見ていたんだが…」

へルマン「……アレは恐らく、ホラーの肉片の一部だ」

テイルレッド「ホラーって……確か、へルマンさん達の世界に居るっていう…あの!?」

へルマン「多分な。まぁアレはホラーに憑依されたと言うより、ホラーと肉体を一体化させてる…と言った方が適切かもしれんが」

テイルレッド「肉体を一体化…? それって…」


ポーラーベアギルディ「あーもーごちゃごちゃと長話をしよってッ!
        構うことはないぞアルティロイド達よッ!今すぐ奴らを蹴散らしてしまえーッ!」

アルティロイドs『モケーッ!』ダダダッ!


愛香「アイツら…痺れを切らしてこっちに向かって来たわね」

テイルレッド「何だよ!少しくらい待っててくれよッ!
       今へルマンさんと話しをしてる最中だってのにーッ!」

ヘルマン「ハハッ…連中もそこまで甘くはないって事だな」カシャ

レオン「………」

ヘルマン「……レオン、総二。雑魚共は俺が引き受ける。お前達はあの親玉の方をやれ」

レオン「……親父…」

テイルレッド「へ…ヘルマンさん…?」



アルティロイドs『モケケーッ!』ダダダッ!



へルマン「さーてと…そんじゃおじさんもここいらで、
     愛香ちゃんとトゥアールちゃんに…カッコいいとこ見せるとしますか!」カシャ

ギュルンッ!


ガシュイーンッ!



愛香「……あ…あれが…」

トゥアール「おじ様の…鎧…」




──「そう……その名も…」──

絶影騎士ゾロ(ヘルマン)「絶影騎士……ゾロッ!」ジャキ!



テイルレッド「か…カッコいい…!」

レオン「………」


ゾロ(ヘルマン)「さぁ…お前達の相手は、この俺が引き受けるとしよう」ザッ…


アルティロイド「モ…」ピタッ
アルティロイド「モケ…」ジリッ…


レオン「……親父…」

ゾロ(ヘルマン)「……レオン…押し付けといて何だが、お前…本当に魔導輪無しでも大丈夫なんだろうな?」

レオン「……心配するな。魔導輪が無くたって…自力で抑えてみせる」

ゾロ(ヘルマン)「そうか……油断するなよ、レオン」

レオン「……分かってる。親父の方こそな」ダッ

ゾロ(ヘルマン)「へいへい…」

テイルレッド「あの白熊野郎の事は俺達に任せて、今はおもいっきり暴れちゃって下さい! へルマンさん!」ダッ


ゾロ(ヘルマン)「おう、任せとけ!」ジャキン!



───


ダッ!

ポーラーベアギルディ「ムッ…!」


テイルレッド「お前の相手は俺達だぜッ!白熊野郎ッ!」

レオン「観念するんだな。お前は、ここで俺達が倒滅する」

ポーラーベアギルディ「フンッ…生意気な奴らめッ! 貴様らの相手など元より俺一人で十分だわッ!」

レオン「……減らず口もそこまでにしておけ…」カシャ

ギュルンッ!


ガシュイーンッ!


黄金騎士ガロ(レオン)「………」



ポーラーベアギルディ「─ッ!! 遂にその鎧を纏ったなッ!黄金の騎士ッ!」


黄金騎士ガロ(レオン)「………」


テイルレッド「俺も忘れてもらっちゃ困るぜッ! ブレイザーブレイドッ!」ジャキン!


ガロ(レオン)「……行くぞ、総二」ダッ

テイルレッド「おうッ!」ダッ


ポーラーベアギルディ「フンッ!まとめて片付けてくれるわッ!」キュイー…


テイルレッド(─ッ! 来るッ!奴の攻撃が!)バッ

ガロ(レオン)「………」バッ


ポーラーベアギルディ「秘技ッ!アブソリュート・ゼロッ!」グワッ!


バシューンッ!!



テイルレッド「何のッ!」タンッ

ガロ(レオン)「はぁッ!」タンッ


ブワッ!


ポーラーベアギルディ「何ィーッ!? パワーアップしたこの俺の秘技を…かわしてみせただとーッ!?」


ガロ(レオン)「貴様のその技、既に見切った」ダッ

テイルレッド「俺達にはもう通用しないぞッ!」ダッ



バッ!


ポーラーベアギルディ「なッ!?」ビクッ!

ポーラーベアギルディ(い…一瞬で俺の懐にッ!?)


ガロ(レオン)「はあッ!」ブンッ

テイルレッド「だぁッ!」ブンッ


ズバッ!


ポーラーベアギルディ「ガッ…!」グラッ…

ドサッ



愛香「や…やったの…?」

トゥアール「……いえ…あれは…!」



シュルシュルシュル…


ガロ(レオン)「……奴は…まだ生きているッ!」

テイルレッド「えッ!?」ビクッ!


ポーラーベアギルディ「………」ベキベキベキ…


ガロ(レオン)(奴の傷口が再生していく…
        これも…右腕に宿ったホラーの力なのか…?)

テイルレッド「うわ…気持ち悪ッ!」


ベキ…ベキ…


ポーラーベアギルディ『……おのれ……オノレ…貴様ラ…』


ガロ(レオン)「……何?」ピクッ

ガロ(レオン)(奴の声色が変わった…? ……まさかッ!)


ポーラーベアギルディ『オノレ……オノレ魔戒騎士ィィィーッ!』ベキベキベキィーッ!


テイルレッド「うわッ!?」

ガロ(レオン)(やはりッ! コイツの精神は今…右腕のホラーに完全に乗っ取られているッ!)


テイルレッド(な…何なんだこの禍々しいオーラはッ!?)


ポーラーベアギルディ『ガァッ!!』タンッ

ブワァーンッ!


ガロ(レオン)「なッ!? 速いッ!」


ブワンッ!


ポーラーベアギルディ『グラァァァッ!』ガシィーッ!

ガロ(レオン)「─ッ!? がッ!」ググッ…


テイルレッド「えッ!?」ビクッ!

テイルレッド(な…何てスピードだッ!目で追えなかったぞッ!)

ミシミシミシ…

ガロ(レオン)(く…首が…!)

ポーラーベアギルディ『グルルゥ…!』ミシミシ…

ガロ(レオン)「がッ…!」ググッ…

テイルレッド「てめぇ!レオンを放しやがれッ!」ダッ

ポーラーベアギルディ『邪魔ヲスルナッ!』ブンッ


ドゴォッ!


テイルレッド「─ッ!? がはぁッ!」ビューン!


ドゴーンッ!


テイルレッド(……な…何て馬鹿力だ…!
       さっきよりも…格段にパワーが上がってやがるッ!)


ガロ(レオン)「ぐッ…!」

ポーラーベアギルディ『コノ…忌々シイ魔戒騎士メガ……!』グググッ…

ガロ(レオン)「……お…お前は…一体何者だ…!?」

ポーラーベアギルディ『………』ググッ…

ガロ(レオン)「今喋っているのはあの熊の化け物の意思ではなく……ソイツの右腕のホラーの方だろうッ!?
        答えろッ!何故ホラーが存在しない筈のこの世界で…貴様のような奴が居るッ!?」

ポーラーベアギルディ『カァッ!』ググッ!

ガロ(レオン)「がッ…!」ミシッ…

ポーラーベアギルディ『……我ハ…カツテ貴様ラ魔戒騎士ト魔戒法師ニヨッテ葬ラレタトアル存在ノ…ソノ一片ダ。
        幾ツモノ世界ヲ廻リコノ世界へト流レ着キ、今デハコノ異形ノ者ノ肉体二寄生シ、辛クモ生キ永ラエテイル…』

ガロ(レオン)「お…お前の目的は何だ…!? このホラーの存在しない世界で…一体何をするつもりだッ!?」

ポーラーベアギルディ『……先ズハ我ノ能力ヲ使イ、コノ世界ト魔界トヲ繋グゲートヲ開ク…
        ソシテ…我ガ魔界ヨリ呼ビ寄セテキタ無数ノホラーノ群レデ、コノ世界ヲ満タス…
        魔戒騎士ノ存在シナイコノ世界ハ、忽チ陰我ト絶望ノ渦二呑マレ、地獄へト化スダロウ…!』

ガロ(レオン)「な…何だとッ!?」

ポーラーベアギルディ『ソシテ…ソレガ済ンダラ次ノ目標ハ、我ガ元居タ世界二存在スル魔戒騎士ト魔戒法師共ダ…!
        我ガコンナ惨メナ姿二ナッテマデ存在シ続ケテイルノハ…全テハ奴ラヲ葬リ去ル為!
        コノ世界デ陰我ヲ肥ヤシタ無数ノホラーノ群レヲ率イ、我ハ元ノ世界へト馳セ参ジ…奴ラ二復讐ヲ成スッ! ソレガ我ノ目的ダッ!』


ガロ(レオン)「そんな事…この俺がさせるものかッ!」

ポーラーベアギルディ『今ノ貴様二何ガ出来ル?
        貴様ハ気付イテイナイダロウガ…モハヤ貴様ノ精神ハ、我ノ手ノ内二有ル…』ググッ

ガロ(レオン)「ぐッ!?」ミシッ…

ポーラーベアギルディ『貴様ノ心ノ奥底二潜ミシ禍……今コノ場デ、ソノ全テヲ晒ケ出シテクレヨウ…』スッ


ブワッ!


ガロ(レオン)「─ッ!? ガァーッ!!」ビキビキビキ…


ポーラーベアギルディ『フンッ』ググッ


バチバチバチィーッ!


ガロ(レオン)「あ…あぁッ!!あアアァァァァアアッ!!!」バキバキバキバキッ!



テイルレッド「なッ!? レオンッ!」



ポーラーベアギルディ『………』パッ


ドサッ



ガロ(レオン)「……うッ…うウゥッ…!」メラメラメラ…



テイルレッド「れ…レオン…?」

テイルレッド(レオンの鎧の割れ目から…炎が吹き出して…)




ガロ(レオン)「ウッ! ウウッ!! ウワアァァァァアァァアァァッ!!」ボワァーッ!





テイルレッド「なッ!?」ビクッ!


ポーラーベアギルディ『………』


ガロ(レオン)「ガア゛アァーッ!!」ダッ ダッ ダッ ダッ


バッ!


ポーラーベアギルディ『フン…モハヤ我ヲ忘レテ飛ビ込ム事シカ出来ナイカ…』

ポーラーベアギルディ『………』ブンッ!

バゴォッ!

ガロ(レオン)「グゥッ!」ビューン!


ドゴーンッ!


テイルレッド「れ…レオンッ!大丈夫かッ!?」


ガロ(レオン)「グルウゥ…! ガアァァアァァッ!!」ダッ!


テイルレッド「……な…何なんだよあれ…」

テイルレッド(あれじゃあ…あれじゃあまるで……獣じゃないか…!)



愛香「何!? レオンの身に一体何が起こったっていうの!?」


ゾロ(ヘルマン)「チッ!ちょっとマズイことになったな!」ザンッ

モケェー!


トゥアール「おじ様!あの炎は一体!?」

ゾロ(ヘルマン)「……あれは、レオンの心の内側から溢れ出た…“炎”だ」

愛香「ほ…炎…?」

ゾロ(ヘルマン)「……レオンは…アイツはまだ騎士として未熟な点が多い。 特に、精神的な面がな…」

ゾロ(ヘルマン)「今のレオンは…どうやらレオン自身の記憶の奥底で眠っている、とあるトラウマをあのホラーに刺激されたらしい…
         それがレオンの鎧に過剰なまでの感応として現れ…今、レオンはある種の暴走状態に陥っている!」

愛香「暴走って…そんなッ!」


アルティロイド「モケーッ!」


ゾロ(ヘルマン)「けっ!邪魔だコラッ!」ザンッ


アルティロイド「モケェー!!」バタッ


ゾロ(ヘルマン)(…たくッ! 今すぐレオンの下に行って、鎧を強制解除させたいところだが…)

ゾロ(ヘルマン)「コイツらが…こうも邪魔をしてくるとなるとッ!」ザンザンッ


モケェー! バタッ
モケケェー! バタッ


ゾロ(ヘルマン)「クソッ!早くしないと手遅れになるってのにッ!」




ガロ(レオン)「ウア゛ァァア゛ァァッ!!」ダッ ダッ ダッ ダッ


ポーラーベアギルディ『マダ懲リズ二向カッテ来ルカ……ン?』



テイルレッド「レオーンッ!」バッ!


ガシィッ!


ガロ(レオン)「グッ!?」ゴロゴロゴロゴロ


ポーラーベアギルディ『……フン、見カネタ仲間二押サエ付ケラレルトハ…惨メダナ、魔戒騎士…』



テイルレッド「うわッ!アッチぃッ!」ジュッ

テイルレッド(くぅ…ッ! 何のこれしき…!)ガシッ


ジュー…


テイルレッド「うッ! ツゥー…!」グッ


ガロ(レオン)「ウゥ…! グア゛ァァアァァッ!!」ジタバタジタバタ


テイルレッド「レオンッ!分かるか!? 俺だよ!総二だよッ!」

ガロ(レオン)「ガアァァッ! ガア゛ァァァァーッ!!」ジタバタジタバタ

テイルレッド「お…落ち着けよレオンッ! どうしちまったんだよお前ッ!?」




ポーラーベアギルディ『フン…』


テイルレッド「て…テメェ!レオンに何しやがったッ!」

ポーラーベアギルディ『私ハキッカケヲ与エタニ過ギナイ…
        コヤツノ心ノ奥底二眠ル、悪シキ記憶ヲ呼ビ覚マシ…燻ル魂ニ火ヲ焼ベヤッタダケダ』


テイルレッド「悪しき記憶…? 燻る…魂…? ……グッ!」グッ

ガロ(レオン)「グアァァッ! ア゛ァァーッ!!」ジタバタジタバタ

テイルレッド「レオンッ!しっかりしろって!レオンッ!」ギュッ ググッ…

ガロ(レオン)「ガア゛ァァアァァーッ!!」ボワァー!

テイルレッド(うぐッ! アッチィーッ!)ジュー…


ポーラーベアギルディ『フン、丁度良イ…
        同時ニ貴様モ…黄金騎士諸共消シ去ッテクレヨウ!』スッ


テイルレッド「─ッ!させるかッ! オーラピラー!」バシューン!


バシュイーン!


ポーラーベアギルディ『……ンッ? コレハ…?』グググ…


テイルレッド「お前の動きを封じてやったッ! 少しはそこで大人しくしていろッ!」


ポーラーベアギルディ『………』グググ…



テイルレッド「レオン!しっかりしろよ! レオンッ!」

ガロ(レオン)「ア゛ァッ!!アアァァーッ!!」ガタガタ ガタガタ

テイルレッド「くッ!」ギュッ


テイルレッド(な…何て熱さだッ! それに鎧に触れてると…皮膚が裂けるみたいに痛い…!
       これ…直に触るのはマズいのかな…? 生身だったら間違いなく耐えられなかっただろうけど…)ググッ…


ガロ(レオン)「グウゥーッ!グウゥゥウッ!!」ボワァー!


テイルレッド(でも…変身した今の状態でも、こうしてレオンのことを押さえているだけでやっとだ…!)


ガロ(レオン)「グルウゥゥッ! ア゛ウゥゥァァアッ!!」ジタバタ ジタバタ


テイルレッド(……レオン…)


ガロ(レオン)「ガアァァアァァーッ!!」ガタガタガタガタ


テイルレッド「………」



総二『だからさ…何となく分かる気がするんだよ。レオンの気持ちが…』


テイルレッド(……違う。俺は結局、何も分かっちゃいなかったんだ…
       レオンの本当の苦しみも…コイツの抱える心の痛みも……何も…)

テイルレッド(勝手に分かった気になって…勝手に共感して…
       レオンの本当の苦しみも知らずに……俺は…)


ガロ(レオン)「ウア゛ァァアァァーッ!!」ボワァー!


テイルレッド(……でもッ!)ギュッ


────


レオン(……ここは…何処だ…?)


──『ここは精神と時の狭間…お前の深層意識の中と言っても良い』


レオン「……お前は…?」


──『……お前の住まう世界とは別の次元に存在する、異世界の魔戒騎士の一人だ』


レオン「異世界の騎士だと…?
    ……まさか、俺と親父をこの世界に飛ばしたのは…」


──『……あぁ、この俺だ…』


レオン「何故…?」


──『……全ては、この世界に蒔かれた“ギャノンの芽”を摘む為だ』


レオン「ギャノン…? あの化け物に寄生していたホラーの事か?」


──『そうだ。 あれは元々、こちらの世界で猛威を奮っていたホラーの一種だ。
   この世界には存在しない筈の、ホラーの肉片の一部…それが、様々な世界を渡る侵略者アルティメギルの手によって、この世界へと持ち運ばれた」


レオン「………」


──『オリジナルのギャノンと比べて大幅に力が弱まっているとはいえ、この魔戒騎士の存在しない世界に奴が一度放たれてしまったら最後…
   奴の力によって開かれたゲートは異世界の壁を飛び越え魔界へと繋がり、この世界はたちまち奴の同胞で埋め尽くされる事になるだろう…』


レオン「……それを未然に阻止する為に、アンタは同じ魔戒騎士である俺と親父を頼ったって事か…」


──『……巻き込んでしまって、申し訳ないと思っている…
   だが、この世界に散らばったギャノンの芽を摘むためには…どうしてもお前達の力を頼るしかなかった…
   この世界から最も近い場所に位置するお前達の世界の人間でなければ、こちらの世界へと飛ばす事が出来なかったのだ…』



レオン「……事情は全て理解した。
    だが…今の俺はアンタの期待に応えられそうにない…」


──『………』


レオン「己の存在を見失い、俺は今…一匹の獣と化している…
    ホラーの力に踊らされ、良いように心を掌握されたんだ…」


──『………』


レオン「……だから俺は…もう…」


──『……いや、お前はまだ戦える筈だ』


レオン「……何…?」


──『お前は何でも一人で抱え込み過ぎている。時には誰かの肩を借りる事も考えろ。
   そうすれば、お前の心はもう二度と折れる事はない。
   再びその手に剣を握り、立ち上がる事も出来る筈だ』


レオン「……誰かって…一体…」


──『今のお前なら感じる筈だ。
   お前の為を思い、お前の力になろうとしている…仲間の存在が』


レオン「……仲間…」


──『自らの心で感じ取れ。お前の事を想う、仲間の気持ちを…』


レオン(……俺の事を思う仲間の気持ちを…俺の、心で…)

レオン「………」

レオン(……総二…)


────

───

──



──

───

────


テイルレッド「ぐッ…!」キュイー

ガロ(レオン)「ヴッ…ウゥ…ッ!」シュー…

テイルレッド(れ…レオン…!)キュイー



ゾロ(ヘルマン)「─ッ!あれは…!」

ゾロ(ヘルマン)(レオンの炎の勢いが弱まっている! まさか…総二がッ!?)


トゥアール「そんな…!いけません!総二様ッ!」

愛香「ちょっとトゥアールッ!どうしたっていうの一体!?」

トゥアール「……総二様は…レオンさんの鎧から発せられた炎を自らの体内に吸収し、その力を押さえ込もうとしているんです!
      炎を司る戦士であるテイルレッドだからこそ成し得る荒業…
      しかし、いくらテイルギアの力により強化された総二様の肉体といえど…何時までも耐えられるものでは…」

愛香「そ…そんなッ!」


ゴオォォォ…


テイルレッド(レオン…!レオン…!)キュイー…

ガロ(レオン)「アッ…アァッ…!」メラ… メラ…


ポーラーベアギルディ『……全ク、貴様ノ行動ハ理解ニ苦シム…』グググ…

テイルレッド「あっ…?」キュイー

ポーラーベアギルディ『先程、其奴ノ記憶ヲ覗イタ時ニ知ッタガ…
        貴様ト其奴トノ関係ハ、僅カナ時間ヲ共ニ共有シタトイウ程度ノ、浅ハカナモノダト言ウデハナイカ』グググ…

テイルレッド「………」キュイー

ポーラーベアギルディ『……ナノニ…貴様ハ何故ソコマデシテ、其奴ヲ事ヲ助ケヨウトスル?
        一体オ前ニナンノ義理ガアルト』

テイルレッド「お前には分からないだろうな、ゾンビ野郎…
       俺達人間の…誰かを想う心ってヤツが…!」

ポーラーベアギルディ『……何…?』グググ…

テイルレッド「いいかよく聞けッ!!」





テイルレッド「ツインテールってのはなぁ…!
       束ね上げられた2つの髪の束が、絶妙なバランスで左右の形を保つことにより…始めて形を成す髪型なんだッ!」




ポーラーベアギルディ『……ハッ?』グググ…



テイルレッド「どちらか一方でも形が崩れてしまえば、それはもはやツインテールとは呼べない…
       右側の髪が左側の髪を…左側の髪が右側の髪を…
       両サイドの髪の毛同士が、互いに影響を及ぼし合って存在している、二つで一つの髪型……それがツインテールだッ!」

ポーラーベアギルディ『………』グググ…

テイルレッド「……時には…片方のヤツがもう片方のヤツの足を引っ張る時だってある…
       片方のテールの失敗が、結果としてツインテールそのものを駄目にする事だってある…
       けどッ!それでもツインテールがツインテールとして存在していられるのは!
       互いの髪の毛が互いの髪の毛の美しさを助長し、補い合っているからなんだッ!」

ポーラーベアギルディ『………ツマリ……オ前ハ一体何ガ言イタイノダ…?』グググ…

テイルレッド「……人間も、ツインテールと同じだって事だッ!
       誰かが誰かの為を想い…手を差し伸べようとする、心!
       苦しみの直中に居るソイツの事を救ってやりたいと…強く願う、気持ち!
       そうだッ! 人が持つ誰かの為を想う心…その心そのものがツインテールなんだッ!!」キュイー!


ポーラーベアギルディ『フンッ、ソンナモノハ人間ノ持ツ単ナル偽善心ニシカ過ギン。
        知リヨウノナイ他人ノ想イトヤラヲ妄想シ、理解シタツモリニナッテイル…身勝手ナ思イ込ミダ』グググ…

テイルレッド「……俺は…そうは思わないッ!」キュイー!

ガロ(レオン)「アァッ…! ガアァッ!」ジュー…

テイルレッド「レオン!今助けてやるからな! もう少しの辛抱だぞ!」キュイー!

ガロ(レオン)「アァッ!ヴォァァァアアッ!!」ジュー…

テイルレッド(……レオン…俺はお前の抱えている心の中の苦しみってヤツを、本当の意味では理解してやれない…
       でも!お前が今、凄く辛い思いをしているんだって事は…俺にも分かる! だからッ!)

テイルレッド「絶対に…絶対に助けてやるからな!レオンッ!」ギュイー!


トゥアール(炎を吸収する勢いを強めた!? 総二様…!)


ガロ(レオン)「グッ…!グウゥ…ッ!」ジュー…


愛香(レオン…総二…!)


ガロ(レオン)「ヴッ!!ガァッ!!」ジュワッ

テイルレッド「─ッ! レオォーンッ!!」ギュイー!


ゴオォォォ!




ポーラーベアギルディ『フンッ! 茶番ハ終ワリダ!』ググッ…バチッ!

バリーン!


愛香「そんなッ! 力ずくで拘束を解いた!?」

トゥアール「総二様ッ!」


テイルレッド「なッ…!?」

ポーラーベアギルディ『消エロ!貴様ラァ!』キュイーン


バシューンッ!!




ガロ(レオン)「──ッ!」カッ!


ドグワシャーッ!






ゴオォォォ…


愛香「な…何ッ!? あの火柱は!?
炎が…あのエレメリアンのビームを弾き飛ばしたわよッ!」

トゥアール「あ…あれは…!」


ゾロ(ヘルマン)「たぁーッ!」ザンッ!

モケェー!

ゾロ(ヘルマン)(……やれやれ、面倒掛けさせやがって…)


ゴオォォォ!


ポーラーベアギルディ『……何ダト…!?』



ブワンッ!



黄金騎士ガロ(レオン)「………」





テイルレッド「れ…レオンッ! 元に戻れたんだな!?」

ガロ(レオン)「あぁ…もう大丈夫だ。
        済まなかったな総二、面倒を掛けた…」

テイルレッド「ヘッ…気にするなよレオン! 困った時はお互い様だろ?」

ガロ(レオン)「……あぁ、そうだな…」

ガロ(レオン)「………」

ガロ(レオン)(……総二。お前の想い…確かに届いたぞ)


テイルレッド「よし!じゃあ気を取り直してッ!」ジャキン!

ガロ(レオン)「あぁ…二人であのホラーを倒すぞ!」ジャキン!

テイルレッド「おうッ!」


ポーラーベアギルディ『……フン、生意気ナ小僧共ダ…
        今更正気二戻ッタトコロデ…貴様ラニハ、万ニ一ツノ勝チ目モナイワッ!』

テイルレッド「フフン…それはどうかな?」

ポーラーベアギルディ『……何…?』

テイルレッド「俺がただ、闇雲にレオンの炎を吸っていただけだと思っていたら…大間違いだぜッ!」グッ!


ガロ(レオン)「総二…何を…?」


テイルレッド「はあぁぁぁーッ!」ブワッ!

ボワァー!


愛香「なッ! 総二の身体から炎が吹き出てるわよッ!?」

トゥアール「ま…まさかッ! レオンさんから取り込んだ炎を…新たなエネルギーとしてテイルギアに還元して…!?」


テイルレッド「ウオォォォーッ!!」ゴオォォォ!


ゾロ(ヘルマン)(……あれは…まさかッ!)


ゴォアッ!


テイルレッド「はぁーッ!!」ブワンッ!



── テイルレッド・烈火炎装 ──






ガロ(レオン)「……総二…お前…!?」

テイルレッド(烈火炎装)「ヘヘッ…レオン! お前の力、使わせてもらうぜッ!」メラメラメラ…

ガロ(レオン)「……あぁ、分かった。行くぞ総二ッ!」ダッ

テイルレッド(烈火炎装)「おうッ!」ダッ


ポーラーベアギルディ『フン、ハッタリヲ……所詮ハ無駄ナ足掻キ二過ギンッ!』グワッ!

バシューンッ!!


ガロ(レオン)(─ッ! またあの怪光線か!?)

テイルレッド(烈火炎装)「レオン! ここは俺に任せろッ!」バッ!

ガロ(レオン)「総二!?」

テイルレッド(烈火炎装)(この身に纏った炎を使って…奴のビームを掻き消すッ!)

テイルレッド(烈火炎装)「ハァーッ!」ボワッ!


バチィィィーッ!


テイルレッド(烈火炎装)「ハァー…! ラァッ!」ブワンッ!


バシュィィィーンッ!


ポーラーベアギルディ『ナ…何ダトッ!? 我ノ放ッタ光線ガッ!?』



愛香「す…凄いッ! あの強力な冷凍ビームを真正面から受けきったわ!」

トゥアール「レオンさんの持つ魔戒の力と、総二様の持つツインテール属性の力…
      交わる事がない筈の2つの力が融合を果たした事により…全く新しい境地の力が発現しているのです!」



ポーラーベアギルディ『チッ! 猪口才ナ真似ヲ…─ッ!?』

ガロ(レオン)「………」グワッ!

ポーラーベアギルディ『(コ…コイツッ! イツノ間ニ私ノ懐ニ!?)』

ガロ(レオン)(総二に気を取られ過ぎたな…。お陰で容易に接近する事が出来た)

ガロ(レオン)「ハァッ!」ブンッ

ポーラーベアギルディ『─ッ! オノレッ!』バッ!


ガシィッ!


ガロ(レオン)「……クッ…!」ググッ…

ポーラーベアギルディ『フフッ!剣ヲ掴ンデヤッタゾ! コレデ貴様ハ攻撃ガ』

ガロ(レオン)「いや、これで良い…!」ガシッ!

ポーラーベアギルディ『─ッ!? 貴様何ヲ!?』

ガロ(レオン)「これで、動けないのはお互い様だな…」ググッ…

ポーラーベアギルディ『貴様…!』




ガロ(レオン)(今だ、総二ッ!)

テイルレッド(烈火炎装)「もらったぁーッ!」ダッ!

ポーラーベアギルディ『─ッ! オノレッ!』


テイルレッド(烈火炎装)「らぁッ!」ブンッ

ザンッ!





ポーラーベアギルディ『……ガ…ガァ…!』ズルッ…


ドサッ



テイルレッド(烈火炎装)「や…やったか!?」スタッ


ポーラーベアギルディ『…………』


ガロ(レオン)「……いや…」


ポーラーベアギルディ『………グルゥ……』ベキベキベキ


テイルレッド(烈火炎装)「なッ!? 真っ二つにブッタ斬った筈なのに!」


ポーラーベアギルディ『グッ…ガァッ!』ムクリッ


ガロ(レオン)(……傷口が、もう完治している!?)



ポーラーベアギルディ『グルゥ……グルルウゥゥゥァァァァァァアアッ!!』ダッ!



ガロ(レオン)「しまったッ!総二!ソイツから離れ」



ポーラーベアギルディ『ウラァッ!』ブンッ

テイルレッド(烈火炎装)「わッ!?」


ドゴォッ!


テイルレッド(烈火炎装)「がぁーッ!」ドサーッ!


ガロ(レオン)「総二ッ!」


ポーラーベアギルディ『キエェェェェェエッ!』ダッ


ガロ(レオン)「─ッ! しまッ!」

ポーラーベアギルディ『ケャァーッ!』ブンッ


ドゴォッ!


ガロ(レオン)「─ッ! がはぁーッ!」ドサーッ!



ポーラーベアギルディ『フンッ!バカメガッ!
        貴様ラノ脆弱ナ攻撃ナドデハ…我ヲ完全二葬リ去ル事ナド出来ハシナイッ!』


テイルレッド(烈火炎装)「ちぃ…!」ヨロッ…

ガロ(レオン)「くっ…!」ヨロッ…

ガロ(レオン)(クソッ! いくら奴の身体を斬り刻んでも…その肉体は即座に再生を始める!
        このまま闇雲に攻撃を仕掛けたところで結果は同じだ…。斬撃が奴に通用しない以上、何か…他の手を打たなければ…!)


テイルレッド(烈火炎装)「……レオン、聞いてくれ。俺に考えがある…!」

ガロ(レオン)「総二…? 何か策があるのか!?」

テイルレッド(烈火炎装)「あぁ! 要するにアイツの肉体が二度と再生出来なくなる程の、強力な攻撃をお見舞いしてやれば良いんだろ?
             なら…一か八かだ! お前の炎と俺の炎…極限までに高めた二人の炎を奴にぶつけて、肉体もろとも消し灰にしてやるんだッ!」


ガロ(レオン)「……成る程。単純な発想だが、良い作戦だ」

テイルレッド(烈火炎装)「よし!そうと決まれば早速実行だ!」ボワッ!


テイルレッド(烈火炎装)「はあぁぁぁァァァアッ!!」ボワァーッ!

ガロ(レオン)「………」カシャ

ガロ(レオン)(……大丈夫だ。今の俺なら…必ず出来るッ!)

ガロ(レオン)「はあぁぁぁぁぁああッ!」ボワァーッ!


ガロ(レオン)「はぁッ!」ブワンッ!



── ガロ・烈火炎装 ──





ポーラーベアギルディ『(フッ……貴様ラ矮小ナ者共ガ、幾ラ“力”ヲ合ワセタトコロデ…所詮ハ烏合ノ衆ッ!
        我ノ完璧ナ肉体二ハ傷ノ一ツ付ケル事モ叶ワヌッ!)』


ポーラーベアギルディ『ムンッ!』キュイーン!

バチバチバチィー!



愛香「な…何かとてつもなく邪悪な力が…あのエレメリアンの肉体から溢れ出てきて…!?」

トゥアール「まさか!寄生元であるエレメリアンの持つ力に…更にホラーの持つ邪悪な力を上乗せして…最大出力であの冷凍光線を射つつもりでは!?」

愛香「そんなッ! そんな強烈な攻撃…当たったらいくらあの二人でもひとたまりもないわよ!トゥアールッ!」

トゥアール「……信じましょう、今は…
      総二様とレオンさん……あの御二人の力を!」




バチバチバチィー!



テイルレッド(烈火炎装)「うわッ!すげぇエネルギーの塊だ!
             あんな強烈なの、ガロの炎を纏っている今の俺でも…流石に受けきれないぞッ!」メラメラメラ…

ガロ(烈火炎装)「……どうやら…奴も次の一撃で勝負を決めるつもりらしいな」メラメラメラ…

テイルレッド(烈火炎装)「ヘッ…望むところだぜッ! はあぁぁぁーッ!」ボワァーッ!


ガロ(烈火炎装)「はあぁぁぁーッ!」ボワァーッ!



ゴオォォォォォオオッ!!




ポーラーベアギルディ『ケエェェェーッ!!』



バチバチバチィー!





愛香(……レオン…総二…ッ!)グッ…

トゥアール(総二様…! レオンさん…!)



ゾロ(ヘルマン)「うおりゃー!」ザンッ

モケー!



ゾロ(ヘルマン)「ぶちかませ! お前らッ!」





ポーラーベアギルディ『ケエェェーッ!』バチバチバチィ!


テイルレッド(烈火炎装)「今だレオンッ!放出した炎を全て剣に纏わせろッ!」ゴアァァーッ!

ガロ(烈火炎装)「あぁッ!」ゴアァァーッ!



ポーラーベアギルディ『消エテナクナレ黄金騎士ッ!ソシテ…ツインテールノ戦士ヨォーッ!』ブワッ!


バシュゥゥゥウワンッ!!




テイルレッド(烈火炎装)(剣に集めた炎を、奴に目掛けて…!)

ガロ(烈火炎装)(一気に放出するッ!)


テイルレッド(烈火炎装)「たあぁぁぁあッ!!」ブンッ!

ブワンッ!

ガロ(烈火炎装)「はあぁぁぁあッ!!」ブンッ!

ブワンッ!


ブワァァァァァアンッ!!





バシュゥゥゥウワンッ!!

ブワァァァァアンッ!!


バチィィィイッ!!




愛香「きゃッ!」

トゥアール(御二人の炎と…ホラーの光線とが……
      ぶつかり合って…競り合って…!)



バチイィィィイイッ!!



テイルレッド(烈火炎装)「いっけえぇぇぇえッ!!」グワッ!

ガロ(烈火炎装)「ハアァァァァアッ!!」グワッ!


ブワアァァァァアンッ!!



ゾロ(ヘルマン)(……決まったな)




ブワアァァァァアンッ!!


ポーラーベアギルディ『ナッ!?何ダトッ!!? 我ガ圧サレテ…!?』



ドゴオォォォァァァンッ!!


ポーラーベアギルディ『―ッ!!? ギェアアァァァァァアアッ!!!』ゴオォォォッ!



テイルレッド(烈火炎装)「はぁ…!はぁ…!はぁ…!」

ガロ(烈火炎装)「………」




ポーラーベアギルディ『オ……オノレ…貴様ラノヨウナ矮小ナ人間ゴトキ二……コノ…我ガ…ッ!』メラメラメラ…

ポーラーベアギルディ『オノレェ……オノレエェェェェェエッ!!!』カッ



ドガアァァァァァァアンッ!!



愛香「……か…勝った…の…?」

トゥアール「………」



モケー!モケケー! タッタッタッ…

ゾロ(ヘルマン)「ふぅー…やれやれ…
         ボスがやられたのを見て、雑魚共も退散したか…」ガシュイン

(ヘルマン、鎧解除)



テイルレッド(烈火炎装)「や…やった…のか? 俺達…」スゥ…

ガロ(レオン)「……そうだ。俺達は、勝ったんだ…」ガシュイン

(レオン、鎧解除)


テイルレッド「か…勝った……勝ったんだ俺達!
       やったぁー!やったぞレオーンッ!」ダキッ

レオン「わッ!バカッ! その姿のままで俺にくっ付くなよ!」アセアセ

テイルレッド「あはは!あはははは!」


ヘルマン「……レオン…まさかお前、そんなに小さな子供が趣味なのか…?」スタスタ…

レオン「ばッ!バカ違うッ!
    誤解を招くようなこと言うなよこのクソ親父ッ!」

トゥアール「あらぁ~…? その不自然な慌てよう…
      レオンさん、本当にソッチ系の趣味があるんじゃあ~?」

レオン「だからッ!違うって言ってるだろうがッ!!」


テイルレッド「やったなレオン!これで一件落着……てッ!?」

レオン「………」スウゥ…

テイルレッド「えッ!? れ…レオンッ!?」ビクッ!

レオン「……これは…」スウゥ…

レオン(俺の体が、透けていく…)


愛香「へ…ヘルマンさんまで!?」

ヘルマン「ありゃ、本当だ」スウゥ…


レオン「……親父」スウゥ…

ヘルマン「あぁ…みたいだな」スウゥ…

テイルレッド「ど…どういうことだよ!?
       何でレオンとヘルマンさんの体が…透けて…!?」カシュイン

キュイーン


(総二、変身解除)



レオン「……もう、俺達の役目は終わったって事だ…」スウゥ…

総二「や…役目って…あのホラーを倒す事か!?
   ……ってことは…まさか…」

レオン「……あぁ…どうやら帰る時が来たようだ。元の世界へ…」スウゥ…

総二「……そ…そっか…
   よ…良かったじゃんかよレオン!無事に元の世界へ帰れるなんてさ!」

レオン「……あぁ…」スウゥ…

総二「………」

レオン「……世話になったな、総二…」


ヘルマン「色々とありがとうな、トゥアールちゃん。
     短い間だったけど、楽しかったよ」スウゥ…

トゥアール「おじ様…」

ヘルマン「愛香ちゃんも、色々と面倒掛けて悪かったね。ありがとう」スウゥ…

愛香「……ヘルマンさん…」


総二「……また会えるか?レオン…」

レオン「……それは、俺にも分からない…」スウゥ…

総二「そ…そっか…」

レオン「……だが、これだけは約束出来る」スウゥ…

総二「えっ…?」

レオン「俺は…お前達の事を決して忘れたりはしない。
    この世界で過ごしてきたお前達との記憶も、全て…決して忘れない…」スウゥ…

総二「……あぁ…!俺も絶対に忘れないぞ!
   ヘルマンさんの事も…レオンの事も!」

レオン「……あぁ…」スウゥ…

愛香「………」

レオン「……愛香、トゥアール…お前達にも世話になったな。礼を言う」スウゥ…

トゥアール「レオンさん…」

愛香「……本当、最後の最後でちょっとだけ角が取れたわね、アンタ…」

レオン「……フッ…」スウゥ…



ヘルマン「総二、未春さんにも後で宜しく伝えといてくれよ」スウゥ…


総二「ヘルマンさん…レオン…!」


ヘルマン「じゃあなお前らッ!達者で暮らせよ!」スゥッ


サアァァ…



レオン「……ありがとう、総二…皆…」スゥッ



サアァァ…






トゥアール「……行ってしまわれましたね。御二人とも…」

愛香「えぇ…」

総二「……レオン…例え別の世界に居ても、俺とお前は……ずっと友達だからな!」

総二(だから…さよならなんて言わないぜ!)



総二「またな!レオンッ!」




~牙狼の世界~


キュイィィィン…

レオン「………」ザッ

ヘルマン「おっと!」ザッ

レオン「……ここは…前に俺達が野宿をしていた森の中か…?」

ヘルマン「どうやら…無事、元の世界に帰って来ることが出来たみたいだな」

レオン「………」

ヘルマン「へっ…そう暗い顔すんなってレオン!
     縁があれば、アイツらにだってまたいつか会えるさ…」

レオン「………」クルッ

スタスタスタスタ…


ヘルマン「……あれ? レオン…?」

レオン「ボサッとしてないで早く行くぞ親父。
    ガエル法師の所に行って…魔導輪を貰わなきゃならないんだろ?」

ヘルマン「……いや、確かにそうだけどさぁ…
     向こうの世界であんな事があったばかりだってのに…本当お前ってば切り替え早いなぁ…」スタスタ


スタスタ… スタスタ…

ヘルマン「なぁレオン、知ってるか?
     今から俺達が貰いに行く魔導輪…名をザルバって言うんだけどな」

レオン「………」スタスタ

ヘルマン「ザルバってのは旧魔戒語で、“友”を意味する言葉なんだってよ」

レオン「……友…?」

ヘルマン「ヘヘッ…良かったじゃないかお前!総二や愛香ちゃんみたいな友達が予め居てよ!
     友人の一人も居ないのに“友”と呼ばれる魔導輪を付けてる魔戒騎士だなんて…とんだお笑い草だからなぁ~!」

レオン「─ッ!俺をからかってるのかよッ!? このクソ親父ッ!」

ヘルマン「いやぁ~すまんすまん!
     ……でも良かったよな、本当に…
     あの世界で…アイツらに出会う事が出来て」

レオン「………」


総二『俺も絶対に忘れないぞ!ヘルマンさんの事も…レオンの事も!』


レオン「……あぁ、そうだな…」クルッ

スタスタスタ…


ヘルマン「……ヘッ、全く素直じゃないんだから…」スタスタ





レオン「………」ザッ


レオン(愛香…トゥアール…そして総二…
    お前達は…確かに俺の“ザルバ”だ)


レオン(……だから、必ずまた会おう!
    世界の壁を越えて…もう一度、必ず!)



レオン「………」スタスタスタ…

レオン(……だが…)



総二『この麗しの流線美…そこに両尾りの束ねた髪が織り成す相乗作用…
   そうッ!ツインテールは只の髪型の域を超えて…もはや芸術の域に達している髪型なんだッ!』



レオン(……ツインテールの魅力ってのは、最後まで分からなかったけどな…)



── 完 ──



以上で本作は終わりです。最後までありがとうございました。

以下、作者の過去作&超愚作


グドン「おらッ!しゃぶれよッ!」テイルレッド「や…やだぁ…!」



グドン「ホモプレイも悪かないよなァ…」総二「あっ…アッー!」

も、よろしかったらどうぞ

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