幼馴染「サンタはいるよ?」(54)

男「は?」

幼馴染「サンタはいるよ」

男「お前いくつだよ」

幼馴染「17」

男「……」

幼馴染「いやほんとに。 私もペーペーだけどサンタだよ」

男「はぁ?」

幼馴染「あ、じゃあ明日一緒にプレゼント配る?」

男「……」

幼馴染「明日夜10時に迎えに行くねー!」

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━━━
━━━━

幼馴染「さ、行こう!」

男「お、サンタコス」

幼馴染「コスプレじゃないよ!」

男「ミニスカのサンタがいてたまるか」

幼馴染「仕方ないじゃん、制服なんだもん」

男「可愛いな、それ」

幼馴染「ありがとー。 男もこれ着てね」

男「いや俺はミニスカはちょっと」

幼馴染「いや男性用のもちゃんとあるから。 はい」

幼馴染「とりあえず近所の子から配ってこうかー」

男「……」

幼馴染「お邪魔しまーす!」ガチャ

男「おいおい!」

幼馴染「ここの子供部屋は二階か」

男「見つかったら通報モンだぞ!」

幼馴染「大丈夫大丈夫」

男「ほらみろ親父さん起きてんぞ!」

幼馴染「大丈夫だって。 ほら、私たちの声も届いてないでしょ?」

男「……あれ?」

男「……もしもーし」

父親「……」ズズズ…

男「……それインスタントですかー?」

男「……ほんとに聞こえてない」

幼馴染「いや聞こえてはいるし見えてはいるんだよ」

幼馴染「ただサンタの服着てると不法侵入しても気にされなくなるの」

男「マジで?」

幼馴染「この服にはそういう効果があるんだよ」

男「でもさっきうちに来たとき俺と普通に話せてたじゃん」

幼馴染「私帽子脱いでたでしょ?」

男「あぁ……確かに」

幼馴染「全部揃うと石ころ帽子状態」

男「すげー……」

幼馴染「この子のプレゼントは……これか」

男「何それ?」

幼馴染「えーと、妖怪ウォッチのゲーム?」

男「あー」

幼馴染「今年は妖怪ウォッチのプレゼントが多くって間違えそうで怖い」

男「大変だな」

幼馴染「じゃあ次はこの隣で」

男「あのさ」

幼馴染「なに?」

男「俺達は石ころ帽子状態でもプレゼントはそうじゃないだろ?」

男「親からしたら置いた覚えのないプレゼントが枕元に置かれてるわけで」

幼馴染「あぁそれは平気」

男「なんで?」

幼馴染「親は私達がプレゼント置きに来ること知ってるから」

男「へ?」

幼馴染「子供持ってる親はね、皆サンタがいることを知ってるんだよ」

男「は!?」

幼馴染「子供が生まれたら通知がいくの」

幼馴染「その上でサンタの派遣を希望するか選べるんだ」

幼馴染「まぁ自分たちでプレゼント用意する親が大半だけどね」

幼馴染「知らない奴を家に上げるわけだから」

幼馴染「で、サンタの派遣を希望した家にはクリスマスイブの夜にこうしてプレゼントを届けてるってわけさ」

幼馴染「この町は割りと希望する親が多くって大変」

幼馴染「ま、その分給料良いからいいんだけど!」

男「ちょ、ちょっと待ってくれ」

男「世の親たちにはサンタがいることは周知の事実なのか!?」

幼馴染「そうだよ」

男「なんで俺は知らなかったんだ!!」

幼馴染「男子供いるの?」

男「いないけど!」

幼馴染「そりゃまぁ一応口止めはしてるよ」

幼馴染「それに『サンタは実在する!』なんてことをいい大人が言うわけないじゃん。 信じてもらえるわけがないし馬鹿馬鹿しいし」

男「子供が生まれた親だって信じないだろう」

幼馴染「信じざるを得ないものを見せ付ければいいんだよ」

男「それはなんだ?」

幼馴染「それは私もよく知らない。 バイトだし」

男「バイト!?」

男「え、バイトって」

幼馴染「あ、次の家はちょっと遠いね。 早くしなきゃ夜が明けちゃう」

男「ちょ、ちょっと待てよ」

幼馴染「移動しながら話すよー」

男「……」

幼馴染「ほらほら早くー!」

男「お、おう」




男「そういや今度の家はちょっと遠いんだろ?」

幼馴染「うん」

男「自転車で行くわけじゃないだろ?」

幼馴染「うん」

男「じゃ、じゃあそのさ……」

幼馴染「男が期待してることはわかるよ」

男「ま、まさかトナカイ!?」

幼馴染「ふふふ、着いてきて」

男「おー、マジで!?」





幼馴染「これで移動します!」

男「……これは?」

幼馴染「スーパーカブ!」

男「がっかりだよ……」

幼馴染「あ、男の分は無いから自分のバイク取ってきて」

男「はいはい……」

幼馴染「あんまり荷物積めないからいつもは何回か往復しなきゃいけないんだけど、今回は男のバイクがあるからいけるね!」

男「空飛ぶトナカイは無いのか……」

幼馴染「いや、あるけどそれは私みたいなバイトには支給されない」

男「あるのか!!」

幼馴染「あるよー。 本社から担当の配達員までプレゼントを運ぶ人はトナカイ使ってる」

男「へぇー……」

幼馴染「ヤマトや佐川だって大型トラックで家には来ないでしょ?」

男「……」

幼馴染「じゃ、行こうか」

男「おう。 路面ちょっと凍ってるから気をつけろよ」

幼馴染「はーい!」

男「あ、帽子脱いだほうがいい?」

幼馴染「バイクには石ころ帽子効果無いからそのままで平気」

男「あ、暖気忘れてた。 ちょっと待ってくれ」

幼馴染「もう……」

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幼馴染「鍵かかってる……」ガチャガチャ

男「そりゃそうだろ」

幼馴染「いや、サンタを希望した家にはイブの日は鍵を開けておくよう言ってあるんだよ」

男「そうなのか」

幼馴染「困るなぁもう」

男「こういう場合どうするんだ」

幼馴染「ピッキング」

男「ピッキング!?」

幼馴染「研修で教わるんだ。 まぁ私には家の鍵なんて開けられたためしがないけど」

男「そりゃそうだ」

幼馴染「やっぱり開かない。 仕方ないから玄関に置いていこう。 ポストには入らないし」

男「ところでそれ、寒くないのか」

幼馴染「それ?」

男「ミニスカ」

幼馴染「寒いよ」

男「だよな」

幼馴染「まぁ厚手のタイツ履いてるし耐えられない程ではない」

男「女性にはスカートタイプしか支給されないのか」

幼馴染「いやパンツタイプもあるんだけどさ」

男「? ならそれ着ればいいのに」

幼馴染「いつもはそうしてるよ」

男「え? じゃあ今年はなんでスカート?」

幼馴染「あ、えっと……」

男「?」

幼馴染「その……」

男「なんでなんだよ」

幼馴染「……そういう気分だったの!」

男「なんだそれ」

幼馴染「人の格好にケチつけんな!」

男「いや別にケチつけてるわけじゃないけど」

幼馴染「ほら、次行くよ次!!」

男「おう」

男「ここの家はプレゼントが大きいな。 それ何?」

幼馴染「ぬいぐるみ」

男「あーここは女の子か」

幼馴染「そうそう」

男「やっぱ小さい女の子はぬいぐるみ好きなんだなー」

幼馴染「大きい女の子だって好きだよー」

男「え、お前も?」

幼馴染「まぁねー」

男「へぇー……」

幼馴染「……なんか文句あるの?」

男「意外だなーと思って」

幼馴染「どういう意味?」

男「らしくない」

幼馴染「うるさい」

幼馴染「男ってクリスマスには何もらってた?」

男「んーバスケットボールとかゲームとか腕時計とかいろいろだな」

幼馴染「やっぱり男の子だね」

男「お前は?」

幼馴染「えーと、テニスラケットとかゲームとか腕時計とかぬいぐるみとか」

男「ほぼ一緒じゃねぇか」

幼馴染「寒いいいい!!」

男「スカートでバイク乗ってりゃそりゃ寒いよ」

幼馴染「うううううう」

男「取りに戻るか?」

幼馴染「……いい。 でもちょっとコンビニ寄ろう!」

男「はいよ」



男「この辺停めるか」

幼馴染「あ、帽子取ってね」

男「はいよ」

幼馴染「缶コーヒーが染みる……」

男「おでんうめぇ……」

幼馴染「一口ちょうだい」

男「はいよ」

幼馴染「ありがとう」

幼馴染「……大根が染みるー」

男「一口でけぇよ」

幼馴染「あ、もち巾着もらい」

男「おい!」

男「……あのさー」

幼馴染「んー?」

男「お前これいつからやってんの?」

幼馴染「中一から」

男「マジで?」

幼馴染「うん。 その頃はバイクの免許無かったから自転車で回ってたねー」

男「毎年やってるの?」

幼馴染「うん」

男「クリスマスイブだぞ? 別の予定は入れたりしないのか?」

幼馴染「……うんまぁ」

男「彼氏とかいたりしなかったのか?」

幼馴染「……うん」

男「……ふーん」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「……男は?」

男「え?」

幼馴染「彼女とかいないの?」

男「いたらこんなことしてねーよ」

幼馴染「そ、そりゃそうか」

男「なんか意外だな」

幼馴染「え?」

男「お前に彼氏がいないの」

幼馴染「……そう?」

男「だってお前ルックスは良いからな」

幼馴染「『は』ってなんだ」

男「いやてっきり彼氏の一人や二人はいるものと」

幼馴染「二人もいてたまるか」

男「告白されたりとか無かったのか?」

幼馴染「……あるけどさ」

男「お、何回くらい?」

幼馴染「えーと…………にじゅう……」

幼馴染「いやなんで教えなきゃならないのさ!」

男「すげぇ……」

幼馴染「今のナシ!」

男「それだけいてなんで付き合った男がいないんだ?」

幼馴染「そ、それは……」

男「理想が高いのか」

幼馴染「あ、いやめっちゃ低い」

男「? それならなんで」

幼馴染「えーと……」

男「……」

幼馴染「あ、そろそろ休憩終わろうか! 仕事再開!」

男「なんだよまだ話途中だろ」

幼馴染「ほら早く!」

男「急かすなよ」

幼馴染「ここの家は二人兄妹だねー」

男「同じ部屋で寝てら……仲良しだな」

幼馴染「昔の私達みたいだねー」

男「あぁ、お前と寝たこともあったな」

幼馴染「やらしい言い方やめてよ」

男「お、靴下用意してる」

幼馴染「じゃあ入れて」

男「やらしい言い方やめろよ」

幼馴染「何がやらしいのさ!」

━━
━━━
━━━━

幼馴染「……ここの子のお願いさー」

男「?」

幼馴染「『死んだお母さん』なんだよね」

男「え」

幼馴染「もちろん用意は出来ないからこういう場合次に欲しいものをあげるんだけど」

男「……」

幼馴染「朝起きたとき落ち込むんだろうなー……」

男「……やめろよ悲しいこと言うの」

幼馴染「ごめん」

男「もっとビジネスライクにいこうぜ」

幼馴染「うん」

男「ちゃっちゃとプレゼント置いて次行こう」

幼馴染「そうだね……」

幼馴染「あ」

男「どうした?」

幼馴染「起きちゃった……」

男の子「……」

男「ありゃ。 でもこの格好してれば平気なんだろ」

男の子「サンタさん!」

男「!」

幼馴染「……子供には効かないんだよねー」

男「え、えーと」

男「メ、メリークリスマス。 プレゼントだよ」

男の子「ママだ!」

幼馴染「!?」

男「あー……」

男の子「ママが帰ってきた!」

幼馴染「え、えっと」

男「ごめんな、帰ってきたわけじゃないんだ」

男の子「え……」

男「君が元気にしてるかどうか、ママはずっと気にしてた。 だから特別に今日だけ天国から連れてきたんだ」

男の子「……今日だけ?」

男「そう、今日だけ」

男の子「……やだ」

男「ごめんな、ずっとここにいることは出来ない」

男「でも君がそうやってずっと悲しんでたらママも安心できないよ」

男の子「……」

男「ママを安心させたいだろ?」

男の子「……うん」

男「じゃあシャキッとしなきゃ」

男「ほい、バトンタッチ」

幼馴染「え、え!?」

男の子「あのね、僕ね、九九ができるようになった」

幼馴染「す、すごいじゃない!」

男の子「逆上がりもできるようになった。 あとおねしょも治った」

幼馴染「すごい!」

男「おねしょ治るの遅い子か」

男の子「お洗濯やお掃除もしてる」

幼馴染「えらい!えらいよ!!」

男「それはマジでえらい」

男の子「ぼく、なんでも出来るようになる。 強くなるから」

男の子「だから安心してね」

幼馴染「……うん」ウルッ

男「……泣くなよ」

幼馴染「それだけ強かったらママも安心出来るよ」

男の子「ほんと?」

幼馴染「うん」

男の子「……天国っていいところ?」

幼馴染「そりゃもう」

男の子「……」ウルッ

幼馴染「泣いちゃ駄目。 ママも天国から男の子のことずっと見てるから」

男の子「……うん」

幼馴染「大きくなって、結婚して、おじいさんになって、そしたらその後また会おうね」

男の子「……うん!」

幼馴染「……頑張ってね」ギュッ

幼馴染「じゃあもう行くね」

男「あ、これママからのプレゼントな」

男の子「ママから?」

男「俺からのプレゼントはママだから。 これはママからのプレゼント」

男の子「ありがとう!」

幼馴染「喜んでくれるといいな」

男の子「これなに?」

幼馴染「明日の朝開けてね」

男の子「わかった!」

男「じゃあな」

幼馴染「またね」

男の子「バイバイ!」







幼馴染「いやー……疲れた」

男「お前なかなかやるな」

幼馴染「なんでこんな小芝居始めちゃったのさ」

男「なんとなく」

幼馴染「よくもまぁあんな適当なことペラペラと……」

男「得意だから」

幼馴染「ちょっとはサンタっぽい喋り方しなよ」

男「お前あれくらいの子供がいるママに見えるんだな」

幼馴染「く、暗かったからだよ!」

男「心配で見に来たのに天国から見守ってるってなんか矛盾してるよな」

幼馴染「そ、そんなの子供は気づかないよ」

男「まぁな」

幼馴染「……こんなことしてよかったのかな」

男「さぁ」

幼馴染「さぁって……」

男「まぁよかったんじゃない。 最後やたら凛々しい顔してたしな」

幼馴染「そうだね。 かっこよかった」

男「おー、ここイルミネーション頑張ってるなぁ」

幼馴染「綺麗……」

男「中からは見えないのになぁ……」

幼馴染「結構電気代かかるらしいね」

男「酔狂だな」

幼馴染「ね、ちょっと座って見ようよ」

男「は? まだプレゼント残ってるだろ」

幼馴染「今年は男がいるから時間に余裕はあるの。 見ていこうよ」

男「まぁいいけど……」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「……」

男「……」

幼馴染「……なんか今すごくクリスマスっぽい」

男「お前にとってのクリスマスはイルミネーションか」

幼馴染「いやそうじゃなくて」

男「そうじゃないならなんなんだ」

幼馴染「さぁね」

男「なんだそれ」

幼馴染「……そういや男になんで彼女がいないか聞いてなかった」

男「さぁー? 魅力的すぎて近寄りがたいのかもね」

幼馴染「うぜぇ」

男「いや冗談。 地球の命運を担ってるから今は彼女とかうつつを抜かしてる場合じゃないんだ」

幼馴染「ほんとは?」

男「……好きな娘がいるからだよ」

幼馴染「えっ……」

幼馴染「そ、それは私が知ってる娘?」

男「よーく知ってる」

幼馴染「……そう」

男「お前のことだ」

幼馴染「えっ」

男「中学生くらいのときに思春期になるじゃん? で、そのときからずっと好きだった」

幼馴染「う、嘘……」

男「でもさ、友達期間が誰よりも長かったからさ、『好きでしたー』とか改まって言えなかったんだよ」

幼馴染「……」

男「ありがちだね」

幼馴染「……うん」

幼馴染「どうして今日言う気になったの?」

男「クリスマスイブだから」

幼馴染「なんだそれ……」

男「あ、プレゼント家に忘れた」

幼馴染「グダグダだね……」

男「でさ、俺と付き合ってよ」

幼馴染「……よ」

男「よ?」

幼馴染「よ、喜んで……」

男「うおー! マジで!?」

幼馴染「う、うん。 私も、ずっと男が好きだった」

男「え、そんな素振り全然見せなかったじゃん!」

幼馴染「私としては結構見せてきたつもりなんだけど……」

男「いやー……夢みたいだ……」

幼馴染「私も……」

男「……」

幼馴染「……」

男「……今年でサンタのバイトは最後だな」

幼馴染「だね」

男「……」

幼馴染「……」





幼馴染「あ、もうこんな時間!」

男「げ」

幼馴染「急がなきゃ!」

━━
━━━
━━━━

幼馴染「なんとか間に合った……」

男「お疲れ様でしたー」

幼馴染「まだ仕事残ってるよ」

男「え?」

幼馴染「私のうちにプレゼント届けに来てよ」

男「は!?」

幼馴染「さっき用意してるって言ったじゃん」

男「明日でいいだろ!」

幼馴染「やっぱイブの夜じゃなきゃ! じゃ、待ってるよー!」

男「お、おい!」

━━
━━━
━━━━

男「お、おじゃましまーす……」

幼馴染「なんかうちに男が来るの久しぶりだね」

男「夜中に来るなんて初めてだよ……見つかったらヤバイ……」

幼馴染「サンタ服着てれば見つかんないよ」

男「あ、そうか」

幼馴染「というか男なら見つかってもまず平気」

男「え、なんで」

幼馴染「だって男だもん」

男「なんだそりゃ」

幼馴染「他の男ならマズイと思うけど男なら全然平気」

男「そうかな」

男「久しぶりだなーこの部屋」

幼馴染「まぁくつろいで!」

男「お、おう」

幼馴染「なに緊張してるの」

男「お前は緊張してないのか」

幼馴染「……まぁ少しは」

男「……」

幼馴染「……」

男「あ、そうだ。 はい、プレゼント」

幼馴染「わ、ありがとう! 開けていい?」

男「明日にしてくれ。 なんか恥ずかしい」

幼馴染「えーなにそれ」

幼馴染「あ、私からもプレゼント!」

男「お、マジで? ありがとう!」

男「開けていい?」

幼馴染「明日にして。 なんか恥ずかしい」

男「なんだそれ」

幼馴染「……サンタ服の返却は明日なんだよね」

男「? おう」

幼馴染「これ着てる限りどんなにイチャイチャしてもお父さんたちは起きない」

男「お、おう……」

幼馴染「今日は朝までイチャイチャしよう!」

男「の、望むところだ!」

幼馴染「あ、でもこれ脱いだり脱がせたりしたら起きるかもよ」

男「そ、そんなこと考えてねーよ!」

幼馴染「ほんとに?」

男「……ちょっとだけ」

幼馴染「あはは! また今度ね!」

男「お、おう」

男「メリークリスマス」

幼馴染「メリークリスマス」

男「目、閉じて」

幼馴染「……ん」




チュッ




男「大好きだ、幼馴染」

幼馴染「大好きだよ、男」



fin

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