男「女の子になってる……」(69)
ジリリリリッ
男「ん……朝、ふぁぁ」ムクリ
男「顔、洗おう……」
男(ん? こんなに部屋広かったかな……)
男(まぁ、いいかな)テクテク
男「ん……ぷぁ」ザブザブ
男「すっきりした……」
男「……あれ? なんか声、変」
男「風邪でもひいたかな」
男「歯磨こ……って、歯ブラシ届かない」
男「ちょ、何で?」
男「何かおかしいって……」チラッ
男「……え」
男「鏡……え?」
男「誰なの……どうなってるのっ」
男「何で、鏡に違う人が映ってるの……」ゾクッ
男「ていうか……」ペタペタ
男「体が……女の子の……」
男「何で、いやだ……待ってよ……」ガタガタ
男「やだやだやだ……」フラフラ
ガチャ バタン
男「何で……こんなに部屋が広いの……」
男「うぁぁ……」
男「そうだ……!」
男「これは夢だ……夢なら覚める……」
男「覚める……覚める、覚めろ、覚めろっ」ビクビク
男「早く……覚めてよぉ」ガタガタ
男「う、ぁ……」ギュゥ
男「痛い……」
男「痛いってことは……あぁぁ」
ピリリリ、ピリリリ
男「……っ!?」ビクン
男「電話……誰から」
男「……友……っ」
男「…………」ピッ
男「もし、もし……」
友「おーす、男おはよー」
男「友っ……」
友「今日暇か? 映画でも見に行こ――」
男「う、ぇぇ……うぁぁああぁぁあん」ポロポロ
友「って、ちょえ?! 男、てか誰!? 何で泣いてんの」
男「ひぐっ……うぐぅ、あぁぁああぁぁ」ポロポロ
友「お、落ち着いて! なんで女の子が電話に出てるんだよ……」
男「うわぁぁぁあああ、っふぁぁ……」
男「すんっ……すん……」
友「あのー、落ち着きましたか?」
男「ねぇ、友……」
友「は、はい?」
男「説明しても分からないと……思うから、家に来て?」
友「えっと……あなたのお家知らないんですけど……」
男「う、ぁああ……ごめん、『男』の家に来て……」ボロボロ
友「ちょ、何でまた泣くの!?」
男「とにかく……ひっく……来てぇ」
ピンポーン
男「友……来た……」
男「…………」
ガチャ
友「入るぞー……」
友「って、あれ? 男、なのか女の子か分かんないけど、いない?」
友「ん? もしかして……布団にくるまってるの?」
男「と、もぉ……」ビクビク
友「えー、どなたでしょうか……さっきの女の子、だよね」
男「うぇぇ、私……男だよぉ」ポロポロ
友「……はい?」
かくかくしかじか
――――――――――
男「どうしよぉ……」ジワァ
友「」
男「友ぉ……」ポロポロ
友「え、と……ドッキリとかじゃないよ、ね」
男「むしろそうであってほしいよ……」
友「まじ?」
男「まじぃ……」
男「私、わたし……」
友「なぁ……男?……」
男「ん?」
友「何で私、なんだ?」
男「え、あれホントだ……」
友「お前の一人称、俺だったはずだし……口調も違うし」
男「もぉやだぁ……」シクシク
友「泣き虫だし……」
友「お前、もっと冷めてたよな……感情出さなくて」
友「もし世界が滅んでも『あぁ、そうなんだ』くらいの冷めっぷりだったよね」
男「わた、俺そんな風に思われてたんだ……」ズゥン
友「口調変えなくてもいいぞ」
男「うん、そうする……男口調だとなんか違和感あるし」
友「心が女子になったのかね?」
男「かも……ぐすっ」ジワァ
友「泣くなよ! 感情豊か過ぎだ!」
男「ひっく……えへへ……」
友「泣き笑い……」
男「……けっこ、落ち着いた」
友「そうか……」
男「友の、おかげだよ……」ニコ
友「男」
男「ん?」
友「はっきり言おう」
友「お前、めちゃくちゃかわいい」
男「…………」
男「…………ぁ」カァァ
男「……っっーーっ!!」バフン
友「ごめんごめん、そんな照れるなよ」
男「っ! っ!」バフンバフン
友「痛っ! 叩くな!」
男「…………友のバカ」
友「顔真っ赤だぞ」
男「っ!」バフバフ
友「いたいいたい!」
友「そう言えばさ……」
男「あによ……」プイ
友「お前、おばさんには話したのか?」
男「あ、忘れてた」
男「ずっと部屋で怯えてたから」
友「言ってきたら?」
男「……うん」トテトテ
男「ともぉ……」シクシク
友「うお、なんでまた泣いてんだよっ」
男「お母さん倒れたぁ……」
友「まじかよ」
男「たすけて」
友「当たり前だ」
友「寝かせておいてっと」
男「ありがと」
友「どういたしまして」
男「…………」ジー
友「なんだよ……」
男「友……おっきぃ……」
友「聞きようによっちゃあ、エロいセリフだな」
男「ぁ……」カァ
友「冗談です……ったく、雰囲気くるうな……」
男「と、友の背が大きいっていったの!」
友「わかってるよ……」
友「んー俺が170ちょいだから……150ってとこか?」
男「20センチも縮んだ……」ガーン
友「手が置きやすい!」ポム
男「や、やめっ」
友「よーしよし」ナデナデ
男「あ、ふっ……やめてぇ……ふぁ」
男「……ぁう」トローン
友「予想外の反応」
男「気持ち……よかった」
友「頭なでるだけで?」
男「なんかぽわぽわして……女の子の心だからかな」
友「すげぇ」ナデナデ
男「あふぅ……」
男「いまさらだけど、何でこんなことに……」
友「病院は……」
男「行っても精神科に回される気がする」
友「だな」
男「どうしよっか」
友「うむむ」
友「ダメだ」ドサ
男「なにも思いつかないね」トサ
友「まぁ、何とかなるだろ……」
男「ふふっ、友は適当だね」
友「やっぱ笑うとかわいいなお前」
男「もう……」
友「サラサラで綺麗な黒髪!」
友「華奢で小柄な体格!」
友「ぺったんこ!」
男「最後の必要?」
友「これを可愛いと言わずして何という!」
男「暑苦しいなぁ」
友「美少女だよな」
今日はおしまい
女体化ssってなんかいきなり納得してるのが多い気がしたから
めちゃくちゃ怯えさせてみた
てか自分だったらガクブルしてると思うし
友「ひとつ疑問」
男「むぃ?」
友「何で電話の時いきなり泣き出したの?」
男「あ……あれは……」
友「相当パニクってたけど、あれのおかげで俺も混乱してたんだよ?」
男「ご、ごめん……」
友「んで?」
男「……その、ね」
男「こんな姿になっちゃって……友に嫌われちゃわないかって……思って」ジワァ
友「アホ」
男「うぇっ?」
友「バカ、アホ、ナスビ」
男「な、なすび!?」
友「んなことで嫌うわけないだろ」
友「お前が女になろうが、ネコになろうが友達だよ! バカ」
男「……っ!」
友「ったく、何のために親友やってんだよ」
男「うぇぇ……友ぉ」ギュッ
男「……友……ありがとぉ」ギュ
友「よしよし」ナデナデ
男「えへへ……」
友「よしよし」モミモミ
男「えへへ……って、え?」
友「ないすちっぱい」
男「きゃあっ!」バチン
友「いたいっ」
男「な、なななな、なにするのっ!」
男「せっかくいい雰囲気だったのに……友のバカぁ」
友「いいじゃないか、男同士なんだし」
男「そうだけどそうじゃないの! それに今わたし女の子!」
友「女になってショックだったんじゃないの?」
男「それとこれはべつなのっ!」
友「わかったわかった……悪かったって」
男「むぅぅ……」
友「にしても、良かったな……元気になったみたいじゃん」
男「え? もしかして友私を元気づけるために……」
友「いや? 貧乳揉みたかっただけ」
男「うわぁぁん……友ぉ」
友「そうか、もしかしてもう男とエロトーク出来ないのか!」ガックリ
男「そこ……重要じゃないぃ……うぇぇん」シクシク
友「あーもー泣くな! 調子狂うから!」
友「感情が不安定になってるのか……喜怒哀楽が激しい」
男「うん……自分でも疲れる」
友「ちょっと深呼吸してみよう」
友「すってー」
男「すー」
友「はいてー」
男「はー」
友「すってー」
男「すー」
友「すってー」
男「すーっ」
友「すってー」
男「す、ぅーっ……」
男「ぷはっ、まって! 苦しい!」
友「さらにからかい甲斐がある」
男「からかうなっ!」
友「まぁまぁ、落ち着いて」ナデナデ
男「そ、そんなことで私がリラックスするとでも……はふぅ」
友「してるじゃん」
男「こ、これはっ……ふぅ……」
友「男は可愛いなー」
友(いや、まじで可愛過ぎる……これ、本当に男か?)
友「落ち着いたところでまたまた質問!」
男「なに」
友「女物の服あるの?」
男「…………」
男「……どうしよぉ」グスッ
友「だろうと思ったよ」
男「制服も学ランしか……ていうか学校どうしよぅ」シクシク
友「はい泣かない泣かない……」
男「でも……」
友「セーラーは……姉貴の借りてくるか」
男「お姉さんって……大学生の?」
友「そ、たしか取っておいてあるから」
友「てことで、服は姉貴のかっぱらってくればいいとして……」
男「学校……」
友「て言うか、生活すべてにおいて……めっちゃめちゃだな」
男「」
友「あ、ごめんごめん……そんなにショック受けるなよ」
男「ワタシ……モウ……イキテイケナイ……」
友「目が虚ろっ! 戻ってこい!」
男「でもぉ……」
友「まず、家族になんとかして信じてもらう」
友「それでどうにかして学校にも信じてもらう」
友「くらいしか無いよなぁ」
男「信じてもらえるかな……」
友「非科学、超常現象、オカルト……まぁごり押しすれば何とかなる」
男「ならないと思う……」
友「何があっても俺が隣に居るから……」
男「とか言ってまたセクハラする気だ」
友「バレた」
男「セクハラだめだからね」
友「ちぇ」
男「うん! 何とかなる」ニコ
友「いきなりどうした……」
男「いや……こうしてないと悲しくなって」ジワァ
友「わかった! 何とかなるから泣くな」
男「何とかなる……何とかなる……」ブツブツ
友「自己暗示かけてる」
男「…………っ」プルプル
友「どうした」
男「いや、あの、そのぉ」
友「なんだよ」
男「…………トイレ」
友「行ってくれば?」
男「い、いや! でも! 女の子の体なんだし……」
友「もしかして、確認してない?」
男「『無くなった』ってことしか……」
友「……いや、これに関しては俺は何もできない」
男「うぅぅ……」
友「とにかく行って来い……」
男「うぇぇん……」トボトボ
男「…………」カァァ
友「ノーコメント」
男「う、ぇ……」ジワァ
友「ノーコメント」
友「いや、でもこれじゃ風呂なんてとても……」
男「っ?!」ボンッ
友「ごめん、忘れろ、今の無かったことに」
男「うぅぅううぅぅ……」
友「失言ったー」
男「…………」カァ
友「まぁ、なんだ」
友「俺が一緒にいるから、いろんなこと少しずつやっていこう」
男「…………」
友「あ、別にセクハラとかそういうことじゃないぞ?」
男「…………」グイッ
友「おうっ?」
男「…………」ギュゥ
友「えっと、セクハラはダメなんじゃなかったっけ」
男「これは私からのサービスだからいいの」ギュ
男「だから友もぎゅってして」
友「まじっすか」
男「まじっす」
友「分かったよ……」ギュ
男(いろいろ心配だし、わけがわからないけど)
男(友と一緒に居られるならいいかなぁ)
男(って思った)
男「えへへ……」
友「よしよし」
男(あれ? これって……恋?)カァア
おしまい
今後の展開が思いつかな(ry
おしまいって言ったけどちょっと続き?ます
男「ん、くぁー……」
男「朝か……」
ぴりりり ぴりりり
男「あさから電話?」ピッ
男「もしもし?」
?「お! 男?」
男「あぁ……」
?「いやぁ、あははははっ!」
男「?! 誰だ?」
友「あはは、オレオレ! 友、くくくっ」
男(女の声?)
友「すんげー面白い事になったから今から男ん家行くわっ」
友「じゃーのん」ピッ
男「…………」
男「どゆこと?」
友「たのもー!」
男「」
友「おっ! いたいたっ」
男「…………」
男「こんにちは、どちらさまでしょうか」ニコッ
友「おぉう、さすが男冷静さを取り戻した」
友「俺だよ友、とも! お前の親友だよ!」
男「記憶が正しければ俺の親友は男性だったきがするんだけど」
友「そうなんだけどそうじゃないんさー」
男「? ……ごめん、意味分かんない」
友「あはははっ、とにかく説明すっからさ聞いて聞いて」
かくかくしかじか
友「てな感じ」
男「へぇ」
友「うっわ、冷めてるー……もっとリアクションないの?」
男「うん」
友「ったく男はぁ……ってか信じてくれるの?」
男「話した感じが友だったから、まぁそうなんだろ」
友「あはははっ、適っ当ー!」
友「ってか、俺どうなっちゃったの?」
男「俺が聞きたい」
友「あははっ」
男「というか何でそんなテンション高いんだ」
友「わっかんね、くくっ」
男「はぁ……まぁいいけど」
友「てかどうよ俺?」
男「どうって?」
友「たゆんたゆんだぜ? どことは言わないけどたゆんたゆん」
男「でも、友だろ?」
友「なんだよー、こんな巨乳前にして落ち着き過ぎだろ」グイグイ
男「当てるな」
友「美少女だぞ? 鏡見たけどかなりの美少女だよ俺、なんかないの?」
男「でも友だろ?」
友「まあな」
今日はここまで
友はこんなかんじ
友「あー、あー? あー、あー」
男「何やってんの」
友『あー、あー、てすてす、おっけー』
友『男、大好きっ』
男「キモいからやめろ! 変な声出すな!」
友『男は、私のこと嫌い?』
男「やめろっ」
友「あはははっ、やめ、マジで怒るなっ」
友「あー、面白いっ」
男「お前そんなに笑い上戸だっけ……」
友「いやー、なんか無性に楽しくってね」
男「感情が不安定になってんのかな」
友「いいじゃん、いーじゃん! 面白ければなんでもさ」
男「そんなもんか」
友「そんなもんだ」
男「でもさ」
友「んむ?」
男「その姿でその口調ってのもな」
友「いやいや、口調まで女の子ってわけにはいかん」
男「一人称だけでも変えてみたら?」
友「私、アタシ、ウチ、あたい、僕、友ちゃん……うーん?」
男「何で僕が選択肢に入るんだよ」
友「じゃぁ、ボクで」
男「しかも何で選ぶんだよっ」
友「いやぁ、ボクとしても私とかは違和感があるし」
友「ほどほどなとこでボクかなって……」
男「まぁ、何でもいいや」
友「自分から振った癖に飽きんの早ぇな」
男「めんどい」
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