このSSは前作「叢雲「拒否…ですって?」 提督「拒否…だと?」 大和「はい、拒否です」」の続編になります。
叢雲「拒否…ですって?」 提督「拒否…だと?」 大和「はい、拒否です」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415878009/)
前作とかなり繋がりが濃いため、読んでいただけるとそれなりに楽しめると思います。
なお、前作同様独自の世界観・設定・解釈等が含まれています。
それについては御了承いただくか、直ちにスレを閉じてください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1419168700
拝啓、北海道の父上、母上、お元気でしょうか?
私は今の所大きな怪我や事故もなく、元気に仕事に勤めております。
先日、私の所属する那覇鎮守府が敵の攻撃で被害を受け、拠点としての機能を喪失、解散となった事は報道などで御存知かと思います。
幸い私含め、部下の艦娘、海自職員たちは大きな怪我も無く、海自職員は原隊である沖縄基地隊に、私と艦娘は次の所属が決まるまで一時的に横須賀に身を寄せる事になりました。
さて、私と艦娘達ですが、近々纏まった休みを取れる予定です。
次の所属部隊が決まったのですが、現在編成中の部隊であり現在結成準備中で、結成までの数日間、纏まった休みが取れそうです。
ここ数年一度も帰っていないため、休みの際に帰ろうかと思います。
PS.メールでなくて手紙にしたのは母さんの大量のメールと電話の質問を恐れた事と、次の部隊がまだ結成されていない部隊なので詳細が話せないこと(機密部隊ではないので帰るころには公表されていると思います)
それと、いきなり手紙を送って驚かせたかったからです、では。
この時代にわざわざ手紙?と思ったら差出人は息子だった。
汚い字、でも何年も前の息子と同じ字で懐かしい気はしたが…後半の文を見て私はすぐ電話を取った。
「もしもし、アンタ?帰って来るってどう言う事?いつ帰ってくるの?お友達とか連れてくるの?そもそも手紙見たけど…」
「あーもー、わかったよ、日付書かなかったのは確かに俺のミスだよ、ハイハイ…来週帰るから、父さんにも伝えといてよ、それじゃあ、あぁ大丈夫だって…じゃあ」
母からかかって来た電話を切りスマホをポケットにしまう。
まったく、母さんはいつもこうだ、何かあれば勤務時間中だろうがなんだろうが電話してくるんだ。まあ、今は休憩中だから良かったが…
そろそろ戻るか、まだ那覇の事後処理関係が終わっていないからな。
タバコを消して喫煙所を離れると一人の背の低い艦娘が話しかけてきた。
「提督、またタバコ?あまり体によくないよ?」
「しってるよ瑞鳳、だがストレスが溜まるんだよ、文句言うならストレスの溜まる勤務環境に言ってくれよ…で?わざわざここに来たって事は他に何かあるんだろ?」
まさかこんな事を言うためだけに俺を探しに来たわけでもあるまい?
「えーと、報告が一件、午前中の講義が先ほど終わりました、あと…提督、実家に帰るの?」
「あぁ、そういやまだ言ってなかったな、今度纏まった休みが取れるからな…後で話そうと思ってたんだ、叢雲と摩耶も連れて後で俺のデスクまで来てくれないか?」
「了解です、てーとく」
「わざわざ呼び出してすまないな、まずは横須賀艦隊への教導、ご苦労だった」
横須賀鎮守府内の事務室。そこの隅っこに俺のデスクがある。
那覇鎮守府が解散してから、俺はここで那覇の残務処理をしながら横須賀の事務仕事、那覇所属だった艦娘達はまだ俺の部下として新兵器の電波反射弾(仮)の講師として横須賀所属の艦娘達に使用法の講義を行っている。
深海凄艦との戦いは現代兵器には厳しいものだ。小型でステルス性の高い深海凄艦をレーダーで捕らえるには目視距離と殆ど変わらない距離まで近づかねばならず、その距離ではミサイルは有効活用しにくい、砲戦・雷撃戦となると深海凄艦が圧倒的に有利になってしまう。
アメリカなんかは火力と装甲で敵戦艦に対抗できるアイオワ級4隻を現役復帰しようとやっきになっており、一番状態の良かったミズーリは現在航行自体は可能な状態になっているとか…
しかし、現代兵器が無力になったわけではない。
対艦ミサイルなら照準さえ出来ればほぼ百発百中。軽巡クラスなら一撃で戦闘不能に出来るし、射程も艦娘の砲や魚雷より長い、弾数と発射母体の耐久性という問題はあるが現代兵器も立派に深海凄艦に対抗できるのだ。
前回起きた尖閣での戦闘では戦艦相手に苦戦する艦娘艦隊を台湾のフリゲート艦が援護、対艦ミサイルの集中攻撃で戦艦・空母を撃沈し、艦娘達の窮地を救った。
沖縄では厚い輪形陣をくむ深海凄艦に艦娘航空機がうかつに接近できないところをF-2が敵空母をピンポイントで攻撃、空母を撃破し、撤退させることに成功している。
だからいかに深海凄艦をレーダーで捕らえるか、は各国海軍の大きな課題になっていた。
初期にはAWACSを深海凄艦隊に接触させ、ミサイルをデータリンクで誘導する。という案もあったが、敵に戦艦がいれば対空砲火の範囲に入ってしまい、空母がいれば撃墜されかねない。超高価なAWACSをそんな任務に使用するのは危険過ぎるとされ、実戦で使われたのは数度しかない。
何しろアメリカですらE-3やE-8は100機もない、日本に居たってはE-767とE-2あわせて20機だ。
そんな中開発されたのが電波反射弾(仮)だ。
元々は電波欺瞞用のチャフ砲弾なのだが、尖閣では艦娘が敵艦に肉薄し命中、沖縄では艦娘の爆撃隊が空戦の最中敵空母に命中させて敵艦をレーダーに映るようにし、遠距離からのミサイル攻撃を可能にしたのだ。
この結果に興味を持った自衛隊がチャフとトリモチを混ぜた砲弾・爆弾を開発、実戦で運用した経験のある元那覇鎮守府が横須賀で使用法の講義を行っている。
あぁ、実際に開発したのは俺だ、すごいだろ?この功績と沖縄防衛の功績で二佐に昇進したんだぜ?
あ、あと完全に余談だが、三式弾より零式通常弾の方が対空効果は高いって言われてるんだ、ゲームとかじゃ三式弾だけもてはやされてるがな。
とはいっても問題は多い。
まずは直撃させる事が前提になる、通常の砲弾や爆弾なら至近弾や水中弾効果なんてのもあるが、直撃させなきゃ意味がない。
さらに砲弾の性質上装薬を強く出来ない、射程は非常に短い。
せっかく命中させたとしても、海が荒れてたりして敵が波を被ると短時間で取れてしまう可能性もある。
と、艦娘で対抗可能な状況なら必要ないのでは?という意見もあるのが現状だ。
「さて、しばらく所属がハッキリして居なかった俺達だが、次の配属先が決まった」
「どこになるんだ?どうせ他の鎮守府だと思うけど…」
「私はどこでもいいわ、どうせどの鎮守府でもやることは変わらないもの…でもアンタがどこに行くのかは気になるわね」
摩耶と叢雲が話しだす。これに瑞鳳を加えた三人が、かつて俺の元で那覇鎮守府として所属していた艦娘達だ。
叢雲は俺が提督になる事が決まったときから俺の講師兼パートナーとして俺に艦娘運用のイロハを教えてくれた存在だが…
「まぁ、鎮守府も新設されないからアンタが提督になる事はないでしょ?元気でやんなさいよ?」
ずっと二人三脚でやってた相手にそれはあんまりじゃないかな叢雲さん?
「安心しろ、俺とお前たちは配属先も一緒だ、アジア対深海凄艦条約は知って居るか?」
「最近合意に至った条約、だよね?深海凄艦に対しアジア合同で対処していく、っていう…」
「その通りだ瑞鳳、これまでは対深海凄艦協定は情報提供のみだったが、今度からは対深海凄艦作戦限定ではあるが、共同作戦が可能になったんだ」
そう、これまでは各国の軍・民問わず船・航空機は深海凄艦を発見したら周辺諸国に直ちに通報する。しかしその対処は一番近い国のみに任されていた状態だ。
日本は艦娘の開発に成功しているが、他の国ではそうは行かない。フィリピンやパラオ付近にも何度か深海凄艦が出現した事があるが、アメリカやフィリピン海軍が多大な犠牲を出しながら撃退している。
現状の日本の法制度では助ける事が出来ないのだ。
実際、上記で説明した尖閣諸島の戦闘では一時的に台湾と日本が共同作戦を採ったが、国内法違反ではないかと日本は国内外から批判されてしまっているの。
実は過去にロシア軍と共同で北方海域の深海凄艦と戦闘を行った事があり、ロシア軍と共同で単冠湾に鎮守府をうつす計画も進んでいる。しかしこれは数ヶ月単位で議会での議論があっての事だ。
今まさに深海凄艦が襲来して来た。なんて場合にそんな事をしているわけには行かない。迅速に動く必要がある。
「その対深海凄艦条約に基づき、アジア周辺で対深海凄艦戦闘のみを目的とした各国の合同部隊が沖縄米軍基地の一角に設立される、タスクフォース180、それが俺達が今度配属される部隊だ」
「各国の合同部隊って…日本以外の国の海軍と合同で部隊を作るって事?」
「そうだ、ソマリア沖での対海族任務を知っているか?あれと同じ部隊を作ると考えて欲しい、今まで日本の対深海凄艦戦闘は日本の経済水域内か、日本領土への侵攻が確実となった場合…に限られていたが、この部隊なら日本を中心にアジアまでいけると言うわけだ」
「へぇ…なかなか楽しそうな話しじゃんか?」
「そうね、これまでは外国で深海凄艦との戦闘があっても何も出来なかったもの」
「その部隊…編成はどうなるの?提督。外国との合同部隊と聞くと色々調整が大変そうなんだけど…」
瑞鳳の疑問ももっともだ。
ハッキリ言って俺もそこが引っ掛かってる。
「部隊の中心は海自と米海軍になる。今の所深海凄艦との戦闘経験がもっとも豊富なのがこの二カ国だからな」
「そこに韓国・フィリピン・タイ・ベトナム・シンガポール・マレーシア・インドネシア・オーストラリアなどが参加して一部隊を形成する」
「ねぇ…言っちゃ悪いんだけど、韓国以外は大した海軍力って持って居ないんじゃないの?」
「言うな叢雲、まぁ日米韓以外はオブサーバや各国海軍との連絡、調整係になるな…」
「でもなんか燃えてこないか?こう言う合同部隊、共同作戦ってさ!いよーし、やるぞ!」
摩耶は盛り上がっているが、正直俺は不安で押しつぶされそうだ。
なにしろ…
そのTF180の最高指揮官は俺だというのだから。
明らかにおかしい。普通この手の指揮官って将官、低くても大佐・一佐クラスがなるものだろう?なのに俺は二佐だ、下手すれば部隊構成艦の艦長の方が階級が上になりかねない。
これに対して艦娘艦隊の指令である海将に文句を言ったらこう返ってきた。
「何しろ君は日本で四番目に対深海凄艦戦を経験した男だからな、安心した前、書類上TF180の指揮官は君だが、実質的な指揮は私が取る予定だ」
そして参加する国も不安が残る。
叢雲も言った通り、参加国の中でマトモな海軍力を持つ国と言えば日米韓ぐらいだ、他の国は戦力がせいぜい駆逐艦が10隻、艦艇の派遣はほぼ不可能だろう。
他のアジア圏で海軍力を持つ国、中国や台湾、ロシアは参加しない。
どうもアメリカとの関係でロシアは不参加。中国・台湾は参加を表明したらしいが、双方が自分だけを参加させろと言ってきて不参加となったらしい。一つの中国問題って奴だ。
更に韓国には不穏な噂も立っている。沖縄を攻撃した深海凄艦が数日前に存在したと思われる想定海域を韓国の艦隊が通過しているのだ。
韓国は深海凄艦を発見したが、日本に通告しなかった、それが沖縄への攻撃を招いたのではないか?と言う疑問は今だ消えて居ない。
韓国では同時刻の大統領の行動が不明だと言う話しもあるが…
参加戦力もパッとしない。
日本からは艦娘三人。アメリカからは駆逐艦二隻。以上だ。
他の国は参加できる艦艇を調整中、日米は状況に応じて増強すると言って居るが…
正直、あまりものを集めただけなんじゃないか、と言いたくなるような状態だ。
「それで提督、いつ沖縄に行くんだ?」
摩耶が身を乗り出して聞いてくる。顔が近い、後歯に青海苔がついてる。
「落ち着け、部隊の結成は決まったが、まだ最終調整を行っている段階だ、少なくとも正式な結成は一週間後だ」
「なんだ、しばらくお預けかよ…くそが」
「そうぼやくな…俺とお前たちは4日間休暇になる。俺は明後日から実家に帰る予定だが、お前たちは自由に休暇を楽しんでくれ。以上だ」
提督の一言で私たちは解散…とはならず、廊下に出たところで三人そろって話しだす。
女三人寄れば…とも言うしね。
「ねぇ、叢雲と摩耶は休暇ってどうする?」
私は少し考えている事があって二人に相談を持ちかけて見た
「うーん…私は何も考えてないわ、部屋でごろごろしてるかしら?」
「アタシもなぁ…姉妹艦は別の鎮守府で休みもあわねぇみたいだし…でも旅行には行ってみたいと思うけどな」
「じゃあそれに私も着いて行っていいかしら?」
「あぁ、アタシはかまわねぇぞ?」
「ねぇ、一つ考えている事があるんだけど…提督の実家って、見てみたいと思わない?」
「提督の」「実家?」
「そう、実家、それに家族も」
提督の実家と家族、か。前も思ったけど、提督の事はそれなりにしってても提督の家や家族の事は全く知らない。
提督があまり話そうとしないのだ。
「たしかに…興味はあるわね…」「…あぁ」
提督の家族が、どういう人か興味がある。それに私は提督が今の仕事についてからずっと提督の面倒を見てきた。
仕事としての立場は提督の方がずっと上だが、私が居なければ提督は提督にもなれず、今頃何処かの基地で万年三尉。
つまり私は恩人って事じゃない?なら提督はその恩人達を家族に紹介する意味があるわ、うん、きっとそう。
本日はここまでになります。
だいぶ長くなるかと思いますが、よろしければお付き合いください。
おお続編来たか、期待
そういえば番外編では結局ケッコンカッコカリはしなかったんだっけか
「もしもし、母さん?明後日帰るよ。休み?明日から四日だから…そっちで一泊するよ、うん、いいよいいよ、わざわざ変な事しないでも…あぁ、じゃあね」
艦娘達が出て行った後、スマホを取り出し親に電話をかける。明日はのんびりして、実家に戻って、帰ってからも一日のんびりしたいな。
そんな事を考えていると艦娘達が戻ってきた。
「あの…提督?」
瑞鳳が上目遣いで俺の顔を覗きこんできた。
可愛い。
「ん?どうした三人そろって?」
「提督の実家何だけど…私たちもついて言っていい?」
「何?俺の実家だと?」
「アタシら、せっかくの休みだから旅行に…って思っても一緒に行く奴も行く先もないんだよ」
「それに私たちはアンタの部下でしょ?御両親に紹介ぐらいしてくれても良いと思うけど?」
叢雲、こういう時だけ部下面しやがって…だが、父や母がたまに「お前がどんな人と仕事をして居るのか知りたい」みたいな話しをしていたのも事実な訳で。
まあ、親が拒否ったって言えばいいか、俺はもう一度スマホを取り出した。
「…親に聞いて見るよ、三人増えるってのは大事だしな…もしもし、母さん?何度もゴメン…」
「なぁ、提督って家族と電話するときだけ喋り方変わるよな」「普段の喋り方がかっこいいと思ってやってるのよ、しってた?」「んー、かっこよさに差はないかな?」
そこ、聞こえてるぞ。
「うん、俺の部下が一緒に行きたいって行ってるんだ、三人…やっぱ駄目だよないいよそう言うだろうって思って…え、いいの?マジで?」
俺の親は以外と心が広かったらしい…
「…あっさり通っちゃったんだけど」「どうしよう?」
お前らな…
沖縄に艦娘再配備か?。今度は米軍基地内
-最近締結された対深海凄艦条約に基づき、日米中心の多国籍部隊が沖縄を拠点とすることが、在日米軍、自衛隊への取材で明らかになった。
この部隊はアジア、東太平洋に置ける対深海凄艦を目的とした部隊で行動範囲は西はマラッカ海峡、東はミッドウェーまで及ぶとされている。
この多国籍部隊への日本の参加を各国が要望していたが、国内では野党が自衛隊海外派兵のきっかけになるとして反対、国外からも批判されていたが、与党が強行的に採決を行った形で決定された。
自衛隊からは艦娘の派遣が決定されているとの情報があるが、沖縄では最強の艦娘である戦艦大和を配備しながらも沖縄本島空襲を防げなかったことから艦娘への住民感情は良くなく、沖縄の更なる軍事基地化、負担の増加に抗議の声が上がっている。
これに対し総理大臣は「深海凄艦の脅威からアジア各国を守るのは日本の重大な責任」「対深海凄艦部隊にはどうしても艦娘の配備が必要」と、艦娘配備の必要性を訴えたほか、
沖縄への負担増加については「元々米軍基地の敷地である那覇港湾施設(旧・那覇軍港)に設備を増築するので、地元への負担は最小限に抑えられる」としているが、
同施設は日本への返還が決定していたものが深海凄艦の出現で返還が取りやめになったという事実があり、沖縄県民の反発は必至と見られている。
-市民のコメント
まったく国は何を考えているのかとあきれ果てて居ます。沖ノ鳥島を奪還したから日本は安全だと言っていたのに沖縄は攻撃されましたし、艦娘が居ながらも沖縄への空襲は防ぎきれませんでした。
艦娘も自衛隊も米軍も沖縄を守るのに役に立たないことは証明できたはずです。なのに更に沖縄に艦娘を配備するとは訳がわからないです。
多国籍部隊だっていろんな国の軍隊が同じ所に居れば参加国が多ければ多いほど攻撃される可能性は高まるし参加国の意向で海外派兵もありえてしまう。ほんとに日本を守ろうとしているのか、疑問に思います。
飛行機にのり、実家―旭川に向う。到着は夕方だ。
旭川空港。旭川と言いながら東神楽町にあると言う、某鼠の国みたいなところだ。
北海道の空港と言うと新千歳が有名だしでかいけど、こっちは除雪体制が進んでいて大雪でも運休する事がほぼないから東京―札幌便なんかが退避で着陸することも多いとか…
なんていう提督の地元自慢なのか謎の豆知識を聞いていると空港に到着した。
摩耶も瑞鳳も席が窓際で無い事をブーブー文句言ってたけど…アンタ達窓際行ったら離陸から着陸まではしゃぎっぱなしじゃない?
私?私はあの二人より頭は大人だから騒いだりはしないわ?
「まぁまぁ、急だったから窓際とか取れなかったんだよ…帰りは窓際とれるようにするよ」
「ホントか?頼むよ提督」「出来れば主翼の少し後ろがいいかな…フラップの動きとか見て見たいのよ」
「…努力するよ」
「…これはどう言う事だ、息子よ」
父の言うとうり車に乗ると、直後に怒られた。
怒鳴られたりはされないが、いかにも怒ってます的な低い声だった。
「部下を連れてくるというから海自の人を想像していたのに…なんで女の子が三人も居るんだ?それも小さい子が二人も…」
「まさかお前、三股しているのか?更に子供…援交もか?事と場合によってはこの車でお前を轢いて俺も刑務所に入る覚悟が」
「いや、電話で言った通り部下だよ、ほら、艦娘さ」
「艦娘…三人とも?」
「イエス」
「あの小さい子二人も?」
「イエス」
「装備無いよ?」
「イエス、艦娘は常に武装しているわけではありません」
「お前、悪い事してない?」
「イエス」
父は今度は自分から車を降りた。
「いやお嬢さん方すまないね、久しぶりに息子に会うと二人だけでしたい男の会話も多くて…ささ、荷物はトランクにいれて、乗ってくれ」
良かった、いつもの父の声に戻った。
艦娘達が自己紹介を始める。
「始めまして、艦娘、軽空母の瑞鳳です、こちらが摩耶に叢雲、提督にはお世話になって居ます」
「いやいや、御丁寧にどうも、こちらこそ愚息が世話になっているとかで…」
愚息が~って良くこう言う挨拶の場で言われるけど愚息と言われる奴の真正面でやられると少しグサッと来るな。
「ま、まぁ、那覇に行くまで世話したのは私な訳だし?私が居なけりゃあんたは提督になれなかったんだから、感謝しなさいよ!」
「うん、それ自体には感謝している」
「でも、尖閣の時には提督、何もしてない気が…」
「おい愚息提督、指揮官が何もしないとはどう言う事だ?」
「その低い声はやめてくれないか父さん…それにずっとここに車止めてちゃ他の人の迷惑に…」
「それもそうだな、では行こうか」
今回はここまでです。
次回は今日の夜になると思います。
ごめんなさい、>>19と>>20の間に以下の文章を書き忘れていました。
手荷物を受け取った後、スマホで父にメールを送る。今日は父が空港まで迎えに来てくれる手はずだ。
1分で返事が来る。『五分待て』よし、長ったらしく待つ必要はなさそうだ。
「うー…流石に涼しいな…」
「だから長袖は持ってきてて良かったろ?」
「そうね、横須賀と同じ感覚だったら風ひいちゃうかも…」
叢雲と摩耶が少し涼しそう…と言うより寒そうにしていた。
俺としてはこれが心地よいわけだが、少し前まで那覇、昨日まで横須賀に居た艦娘達には結構涼しく感じるかもしれない。
そんな事を考えていると、見た事のある車が近づいてきた。親父の車だ。
手を上げると車が目の前で止まる。窓が空いて父が声を掛けてきた。
「とりあえずお前だけ乗りなさい、君達、すまないが少し待っててくれ」
まったく、今まで女っ気のなかった息子が3人も女の子を連れているのをみた時は心臓が泊まるかと思ったが…そうか、部下というのは艦娘の事だったのか。それなら納得だ。
しかし…瑞鳳に摩耶に叢雲、私も本やゲームで知っている軍艦が今女の子として俺の運転する車に乗っているというのは…なんとも不思議な、不思議過ぎる気分だ。
「しかし、瑞鳳・摩耶・叢雲とはみな武勲艦じゃないか、艦が三隻しか居ない部隊の指揮官になった、と聞いた時は少し不安だったが、これなら心配要らなかったな?」
「いや、大変なんだよ父さん、三隻しか居ないから苦労した事がドンだけあったか…」
「えっと、あの…お父…さん?私の事、知ってるの?」
「あぁ、艦娘の君は今日あったばかりだが…駆逐艦叢雲は緒戦、各地で活躍した武勲艦と言ってもいい船だろ?」
「ふ、ふーん…ま、まぁ私、頑張ったし…」
「摩耶も瑞鳳も、いろんな戦闘に参加してるじゃないか、まぁ、本屋ゲームで知った事ばかりだけどね、でもレイテ沖…」
ここまで言ってハッとする。息子だけと話しているわけではないのだ、話している相手は艦娘。その艦娘には艦の時の記憶が残っている。というのは私も知っている。
「おい父さん…」
「いやすまない、あまりしていい話じゃなかったな…」
「ううん、良いんです」
「まぁ、事実だしなぁ…」
いかん、せっかく息子+客人が来るというのに、何か話題を変えよう。
まったく…父さんは自分の好きな話しになるとどんどん話を進めてしまうから困る。
もっとも、それに父さん自身が気づけているだけマシ、なのだろうか。
話題を史実から艦娘としての生活や那覇鎮守府であった出来事の話しに移していると見覚えのある道に入る。
あ、あそこの蕎麦屋さん潰れてら…
そして、数年ぶりの我が家についた。
「あぁ、鍵渡すからお前がドア開けなさい、母さん、お前が帰ってくるの首を長くして待ってたぞ」
「まったく、そんな事する必要があんのかよ…」
めんどくせぇ、と思いながらも家の鍵を開けて玄関に入る
「ただいまー」
すぐドタドタと音がして母さんが顔を出した。
「あぁアンタ久しぶりだね、おかえり、部下の人ってのも一緒なのか…い…」
「あ、あの、こんにちは…」
「…アンタ、まずそこで正座なさい」
「まて母さん、話を聞け」
まったく、なぜ両親そろって似たような発想に行きつくのか。
「なんだぁ~、部下って艦娘の事だったの?私はてっきりあんたが女の子を泣かせたのかと」
「まったく、母さんは早とちりだなぁ」
「おい父さんアンタもさっき」「それはそうと、こいつの仕事ぶりはどんなもんだい、もっと聞かせてくれよ」
母をなだめるのに30分位使ってなんとか居間に入る。母は既に夕食の用意を終えていた。
あぁ、家に帰ると飯の用意があるって、いいなぁ…
「提督の仕事ぶり…か…」
「正直、他の提督の元で働いた事って無いから良く判らないのよね…」
「君たちの率直な感想で良いよ」
「そうそう、この子仕事の話し全くしてくれないし…」
「母さんに俺の仕事の話してもわかんないだろう?」
「まぁそうだけど、ねぇ?」
食卓を囲んで俺の話しがはじまる。全く、いつまで立っても俺は子供扱いだ。まあ、この二人の子供なわけだが。
「まあ、今の所提督の指揮に疑問を持った事は無いかな?」
「そうね…実際に沖縄では一人も欠けないで戦いぬけたから、優秀な指揮官とだと思います」
「まあ…最初よりは成長した、と褒めてあげるわ」
叢雲、そこは俺を立てて欲しいな。いや、これでも立ててくれている。のか?
「そうか…お前はいい部下を持って幸せだな、息子よ」
「でもねぇ…みんなを戦わせて自分は後ろで、っていうのは母さん、いい気持ちはしないわ…」
「いやいや、誰かが後ろに居ないといけないんだよ、自衛隊ってのはそういうもんさ」
それに、待っている方だって辛いんだ、自分のミス一つで全滅しかねないんだからな。
いかん、せっかく実家に帰って、艦娘達も連れて来たというのに俺の評価の話だけされても困る。
「そうだ母さん、テレビのリモコンくれないか」
「はいはい、せっかくお客さんが来てるのに…ゴメンねこう言う子で」
「いやいいんです、あたしらニュースとか重要だから」
そう、俺らの仕事は社会情勢に直結してるからな。
休みでもニュースを見るのは大事なのよ。
「仕事熱心で良いことじゃないか、ほら」
父がリモコンでテレビをつけてくれた、丁度夜のニュース番組が始まるところだった。
『艦娘に人間と同等の権利を与える「艦娘の有する権利とその扱いに関する法律」いわゆる艦娘人権法が参議院を通過し、成立が決定しました。これにより艦娘は法律上の人、としての権利を有する事になりますが…先生、これにより何が変わるのでしょうか?』
「ごふっ!?」
「ちょっと提督!大丈夫!?」
「あら?喉に詰まらせた?」
最初のニュースは予想外だった。艦娘人権法、成立が近いとは聞いていたが予想外だった。
『私たち一般人の生活には大きな影響は与えないと考えています。あくまで艦娘が人権を得るのみですから…これまで艦娘は法律上の人として扱われていなかったので、刑法・民法の縛りや参政権を有していなかったんですね』
『ですがこの法律により、艦娘が犯罪を犯せば私達と同じように罰せられ、また艦娘に危害を加えれば罰せられます。』
『他にも参政権を得たり、国籍・戸籍を得る、婚姻が可能になる。等でしょうか?』
『これまで、艦娘への障害や私物の窃盗といった被害が発生していましたし、相手が艦娘だと思って犯罪行為をしたら一般人だった、というトラブルも少数ながらありました。この法律により抑制できるのではないか、という考えが政府にはあるみたいです。』
『艦娘が人権を得る事は憲法違反であるという主張も残っており、国会議事堂前には抗議の声をあげる市民が押しかけました。また野党では一部の議員が直ちに廃止する条文を加えた改正案の提出を検討している。とのことです』
『艦娘が人権を得る事は憲法違反であるという主張も残っており、国会議事堂前には抗議の声をあげる市民が押しかけました。また野党では一部の議員が直ちに廃止する条文を加えた改正案の提出を検討している。とのことです』
「あたしたちにも人権…ねぇ、正直実感がわかないぜ」
「なに言ってるの摩耶、一番の渦中にいたのあなたじゃない?」
「そういえば摩耶ちゃんは…」
「そうか、あのニュース、沖縄だったな…この話題はよくないか?」
「え?大丈夫ですって、もう済んだ事だし」
敬語を使う摩耶というのは新鮮だ。
「しかし…帰ったら何より先に書類仕事が増えるなぁ…お前たちにも大量に書類回ってくると思うけどカクゴしとけよ」
「げっ…アタシ書類関係苦手何だよな…」
「ぼやかないの、仕事なんだから」
「まぁなんにしろ人権を得たというのはめでたい事じゃないか、俺は成人してからそろそろ40年経つが、選挙だけは欠かさず行ってる、みんなも選挙だけは欠かさず行くんだぞ」
「父さんの自慢はそれぐらいしかねぇだろ?」
「ばっか!重要な事だぞ!?」
まったくこの親父は…俺の20歳の誕生日も真っ先に言ってきたのが選挙の事だった、何で議員とか目指さなかったんだよ。
「でも、選挙とか言っても良く判らないのよね」
「そうね…あんまりイメージは沸かないかな?」
「叢雲と瑞鳳が投票に行ったら門前払いされたりしてな?」
「摩耶アンタそれ全ての駆逐艦の前で言う?」
「でも、選挙は大事よ、生活だけじゃなくてあなたたち艦娘だったら艦娘の扱いに直接影響するんだから」
「まぁ、提督のお母様がそういうなら…」
「大丈夫だよ母さん、そこら変は俺か誰かが教えるから」
「だが言っとくが息子よ」
「わかってる特定の思想に誘導しない、だろ?心得てるつもりだ」
両親はこういう所だけ特に煩い。
「ところで…結婚できるようになると言ってたが、どうだい、うちの息子は?」
「おい父さん…まだ俺は…」
「て、提督と!?いやぁー…///」
「まぁ…駄目とは言わないけど…///」
「ま、まぁ提督と結婚なんて人がいないなら…考えなくもないけど…///」
「本気にしちゃ駄目よ、この人、所詮頭の中では女の子にお酌してもらいたいって事しか考えてないから」
「あぁ、そう、そうだ、もし結婚するにしてもそう言う事は良く良く考えてからするんだ、な?」
父は何を言っているんだ、そして俺も何を言っているんだ、これじゃ親戚のおじさんじゃないか。
本日はここまでです。
>>14
アレはあくまで提督の妄想でしかないので。
おつですよー
面倒な質問ですまんけど、艦娘に人権が事実上与えられて、参政権も得られる(?)ってことは、被参政権(選挙に出馬するとか)も同じく……ってことかな?そうなると年齢制限とかどーなるんだろ
霧島が議会で喋ってる図とか割と絵になりそう
>>37
被参政権も得られますが、艦娘が人権を得る=法的にも公務員になる。と言う事なので、公職選挙法にのっとり選挙に出馬するには自衛隊を辞めなくてはなりません(公務員は出馬できないという規定があります)。
ここら変説明しようとすると長くなる+こんがらがってしまいますが、艦娘が自衛隊をやめる事は出来ない(精神的・肉体的事情で戦闘不能になっても事務などで働く事になる。艦娘である以上自衛隊所属+自衛隊の装備品である)ため、被選挙権については最近までの集団的自衛権みたいな「権利は有するが、事実上行使不能」という状態になると思います。
年齢制限については艦娘は年齢不詳で成人扱い。となるため、その点のみでは法的な問題はない。と考えています。
(陽炎の小説でも、艦娘は酒やタバコを飲める。という描写があった記憶があるのでその設定を借りました。)
夜、時計は10時を回って、艦娘達が欠伸をかき始める。正直俺も眠い。
防大に入る前は夜更かしなんて当たり前だったが…数年の自衛隊生活でだいぶ規則正しい生活が見についてしまったようだ。
それでも一旦戦闘となれば2~3日普通に平気で徹夜したりすることもあるから…いやはや、習慣とかそういうのは恐ろしいものだ。
艦娘達は客間に敷いた布団で眠りについた。三人とも食事の片付けを手伝うと母にいったのだが、母は客だからとやんわり拒否していた。
「なぁ、冷蔵庫に酒がある。呑まないか?」
「…あぁ、いいよ」
冷蔵庫に日本酒とちょっとしたつまみがあったのでそれを持って父のお猪口に継ぐ、父も俺に注いでくれた。
「珍しいじゃないか、父さんが食事中に酒を飲まないなんて」
「いやぁ、お客さんの前だからな、酔っ払うのも恥ずかしいだろ?」
「艦娘、酒飲むよ」
「…そうか、今度でも誘って見るかな?」
まったく、酒好きめ。
この人のせいで俺は日本酒は飲むけど洋酒の類はビール以外は殆ど飲まなくなってしまったといってもいい。
「ねぇ、さっきの冗談の話しだけど…あんたもそろそろ30台になるのよ、結婚とか考えているの?」
提督のお母さんが敷いてくれた布団に入る。鎮守府や前に行った事のあるホテルとはまた違った、変わった温かさを感じた。
提督のお父さんの言った言葉が頭の中をグルグルしている。提督と結婚、可能なのだろうか?
いや、法的には可能になるのだ。今まで噂程度だが、鎮守府内の男性や、鎮守府の近くに住む一般人の男性と、そういう恋愛関係になったと言う艦娘の話しも聞いた事がある。
私は建造されてからずっと提督と一緒だった。
提督に指導して、那覇に移動してからは提督の元で働いて…他の人間の男性とも接してはいたが、やはり一番親しい男性と言えば提督だ。
もし、もし提督が私を受け入れてくれるなら…
その時、部屋の外から僅かに声が聞こえた。
「…まだ…考えて…ないよ…」
艦娘は平均的な人間より遥かに耳がいい、家族の話を盗み聞きするみたいで気分は悪かったが…部屋から出て居間の傍で聞き耳を立ててしまう。
「結婚なんて…まだ考えてないよ」
「そう?でもアンタもそろそろいい年なんだから、いい娘を見つけてくれると安心なんだけどねぇ?」
まったく、ここ最近母はうっとおしい。
俺としては恋愛したい相手なんて居ないし、そもそも出会いもない職場だし、結婚なんて面倒くさいだけ、という感じなのだが…
やはり親としては子供に結婚して欲しくて、孫も見たい物なのだろうか。
「まぁ母さん、それを決めるのは本人だよ」
「そうは言っても、ねぇ…?」
「なんだ、さっきも行ったが、最悪艦娘と結婚しても良いんじゃないか?」
「おい父さん、冗談はよせよ」
「俺は本気だぞ?自分の仕事を理解してくれている相手ってのは結婚相手に良い条件だからな?たまに旦那の仕事の忙しさが理解できずに不和になる、なんて話しもあるしな」
まぁ、確かにそうではある。俺は自衛隊員で艦娘の提督、作戦によっては数日単位で家に帰らないなんて起こり得るし、ぶっちゃければ女に囲まれる仕事だ。
奥さんの理解が無ければ不可能と言ってもいいだろう。
「でも私は反対よ、艦娘と結婚するなんて…確かに今日会って悪い子じゃない、というのはわかったけど、人間じゃないし、兵器なんでしょう?やっぱり…気味が悪いわ」
「母さん…」
「あんたはあの子たちと仕事をしているし、きっといろんな事を知っているんだと思うわ。でも…母さんは艦娘との結婚なんて絶対反対よ」
「母さんの言う事は分かったよ、でも、最終的にどうするかを決めるのは俺だ、そこに口出しはさせない、たとえ両親でも、だ」
「…そこまで言うなら私はもう何も言わない、でも母さんの考えだけは覚えておいてね」
『やっぱり…気味が悪いわ』『絶対反対』
提督のお母さんの言葉が胸に突き刺さる。
それは普通の人からしたら当然の感覚かもしれない。むしろ、似たような事を私は何度も言われてきたはずだ。
でも、提督の、一番信頼できる相手の肉親にまでそう思われている。その事実が私の上に重くのしかかるような感じがした。
そのまま崩れ落ちそうになった私の体を誰かが後ろから支えてくれた。驚きで声が出そうになるが、その人物が耳元で「しー…」と声を出さないよう注意を促してきた。摩耶だった。
「(…部屋に戻って寝るぞ)」
摩耶に引きずられるように客間に戻る。
全く、ついさっきまでウキウキしていた私が、本当に馬鹿みたいだ。
法的に結婚できる用になっても、周りがそれを受け入れてくれるとも限らない。
それに、もし私が提督に結婚を求めたって、母親に反対されればそんな事出来ないだろう。
そもそも、提督だって艦娘と結婚したがるだろうか?彼だって普通に人間の女性と付き合いたがるのではないか?
「…そこまで言うなら私はもう何も言わない、でも母さんの考えだけは覚えておいてね」
「…わかった、覚えておく。それと、艦娘達は誰がなんと言っても俺の仲間で部下で、今はお客さんだ。そういう事は絶対に口にしないでくれよ?」
艦娘を連れてきたのは良くなかったかもしれない。
母さんは前も電話で「艦娘なんかの上司とかだいじょうぶなのか?」見たいな事を聞いてきた事がある。
母さんは良く流されやすい人だ。
好きなドラマや芸能人なんかは毎月のように変わる。
北海道に野球チームができたときはそれまで全く野球を知らなかったのにそのチームのファンになり、ある選手の熱狂的ファンになったが、その選手が別チームに移籍してしまった瞬間他の選手のファンになって居た。何て事もある。
艦娘への不信感も、一時的に流されただけですぐ無くなると、無意識に思っていたのかもしれない。
こう言う問題は小さくは無いようだ。
俺は結婚なんて考えて無かったが、もし艦娘が俺を好いてくれて、結婚したいと言ってきたならそれは受けるべきだと考えている。
もし、何年後かにその時が来た時、家族は素直に俺を祝福してくれるだろうか?
今回はここまで。
次は今日の夜になると思います。
朝
艦娘も、自衛隊員も任務などの理由が無ければ6時に起きる。
私たちは殆どその習慣が染み付いていて5時55分には皆目が覚めていた。
提督の家は静かだった。まだ提督自身も起きて居ないのだろう。
家人が起きて居ないのに家の中を歩き回るのはどうか?と言う思いもあるけど、仮にも上司の家族、その家族が起きて来たときに眠りこけている、というのもよくない気がする。
「…どうしようか?」
そんな話を叢雲・摩耶としていると誰かの足音が聞こえた。良いタイミングだ、同時に起きた。と言う事にすればいいだろう。
「叢雲?目が少し赤いけど…どうかした?」
「ん…なんでもないわ」
布団をたたみ、客間に出ると提督のお父さんが既に着替えて居間に居た。
「あっ…おはようございます」
「やぁ、三人ともおはよう。せっかくの休みなんだ、息子みたいにもっと寝ててもいいんだよ?」
「いや~早寝早起きが習慣になっちまってて…」
「ほら、早起きは三文の得とも言うし…」
「そうか…しってるかい?早起きは三文の得。っていうのは、早起きしても所詮三文程度しか得しないぞって意味なんだよ」
「えっ…本当なんですか?」
それは初耳、と言う事はなんだろう?このことわざは「早起きなんか無駄だぜ」という教えなのだろうか?
「まあ、言葉の意味ってのは時代によって変わってくるものだからね、早起き自体は良いことだと思うぞ」
「まぁ、そうだけど…それでお父…さん、もしかしてこれからお出かけですか?」
叢雲が疑問を投げる。確かに提督のお父さんの服装は部屋で着る物にしては少し厚着に見えた。
これから出掛ける?まだ6時、早朝だけど…
「いや、ちょっとやる事があってね、手伝ってくれるかい?」
提督のお父さんの用事、それはバイクの整備だった。
でも、これからバイクで出掛けるわけでもないらしい、ただ単に、早起きしてしまったから整備と洗車をしたくなっただけだそうだ。
提督の話しを信じるならそろそろ定年のはずだけど…パワフルな人だ。
「君たちはバイクは好きかい?」
「興味はあるけどなぁ…あたしらバイクや自動車、運転できないし…」
「私はどうせ乗るなら飛行機が良いかなぁ…」
「艤装を使ってる私達がいうのもあれだけど、こう言う乗り物って動かすのすごい複雑そうなのよ…」
「法的には人になるんだ、いずれ免許も取得できるようになるさ…そして、君達があの馬鹿息子にバイクのすばらしさを語ってやってくれ」
「息子とツーリングするのが夢だったんだが…高校がバイク免許を取得する事すら禁止していてな?それからすっかりバイクへの情熱をなくしやがった…陸だったらバイク免許も取れたかもしれないのに、なぁ?」
バイクの蓋?を開けて棒を抜き差ししながらぼやいてる。そういえば提督、普通社免許は持ってるはずだけど、運転しているところを殆ど見て居ない。
しかし、ごついバイクだ。バイクと言えば陸自の偵察用バイクが一番見慣れている私達から見ればかなりのモンスターに見える。
バイクと言えば…早さを求める某艦娘がガスタービンエンジン搭載バイクを購入・乗り回して事故を起こし大破した…なんて噂が出た事もある。まあ、免許を取れるはずがないのだけど。
「さて…オイルはOKだな…そうだ、摩耶ちゃん、瑞鳳ちゃん。車庫の奥にホースとバケツ、ブラシがあるから取って来てくれるかい?」
摩耶と瑞鳳だけ?私は?
と思っているとボロ切れでバイクを拭きながら話し掛けてきた。
「昨日は妻がすまなかった、悪く思わないでくれ…というのは無理かもしれないが、妻も妻で真剣に息子の事を考えた上での発言なんだ」
「…気づいて、居たの?」
「目が赤かったからね、泣いていたのだとは思うが、思いつくのが昨日の妻の発言ぐらいしか思いつかなかった」
やはりこの人、あの提督の父親だ。提督は悪い意味でただ者じゃないしこの人は良い意味でただ者じゃない。
「…正直な話を、聞かせてください。もし艦娘が提督…息子さんと結婚する。となったら、どうしますか?」
提督のお父さんが手を止めて、私に背を向けたまま喋りだす。
なぜだろう、哀愁を感じる背中だった。
「正直に言うと、息子の結婚相手が人間じゃない、というのは不安に思うだろう、孫の顔も見れない事がほぼ確定するわけだしね」
「でも、それを決めるのは俺や妻の意見じゃない、息子本人だと思うんだ。それにゲームや漫画のキャラクターを俺の嫁!と言うよりはずっと正しい方向じゃないのかな?」
こっちを振り向いて笑顔を見せてくれる。
さっき、私に背を向けているときはどんな顔をしていたのだろうか?
「お父さん!さっき言ってたのって、これで良いのか?」
「あぁ、ありがとう!じゃあちゃちゃっと洗車するか!」
いかん、寝過ごした。
いつもなら6時には起きているのだが…久々に酒を飲んだからか、実家の自室のベッドがそれほどまでに恋しかったのか…
目が覚めれば11時、もう昼飯の時間じゃないか。まったく、夕方には横須賀に帰るというのに…
「で、摩耶、お前は俺の部屋で何をしているんだ?」
「え?いやー…提督の言う俺の嫁って誰かなーて思って…」
かってに人の部屋で本を読むのは止めて欲しい。
その漫画はヒロインが31人居る俺の学生時代のバイブルなんだ。
摩耶を連れて居間に降りると異様な光景を見た。
両親と艦娘二人が、並んでテレビで映画を見ていた。
敵空母を攻撃する最中、敵戦闘機との空戦、艦攻を守りきったものの機体も、俺自身も被弾してしまった…
朦朧とする意識を無理やり繋ぎとめ、母艦に向う、あぁ、さっき守った艦攻が一機、俺の隣についていてくれている。
真ん中に乗っている航法員が黒板にチョークで書いた物を見せてくれた。
『母艦マデアト150マイル』
「…母艦まで、あと150マイル…あと一時間か…持ちそうにないよ…」
更に艦攻の航法員が黒板に何かを書いて見せてくる。操縦士も、機銃員も見ろと言わんばかりに手を振っている。
『レバンガ』
「うぅ…感動しました…日本にこんなすばらしい映画があったんですね…」
「わかってくれるか、瑞鳳ちゃん!わかってくれるか!!」
お前ら、馴染み過ぎじゃねぇのか?
今回はここまでです。
次回は明日の夜辺りを予定しています。
コナン「毛利蘭と毛利蘭のファンは死ね!」
阿笠「新蘭キモイ 」
世良「新一×蘭キモい 蘭死ね 新蘭キモい」
コナン「蘭ファンキモい」
光彦「蘭が好きなやつは韓流ドラマが好きなクソババア」
コナン「毛利蘭キモスギワロタwwwwwwwwwwwwww」
小五郎「毛利蘭死ね!キモい蘭」
園子「毛利蘭 コンクリート女子高生」
青子「毛利蘭 ブサイク 不人気 需要なし 早く死ね 消えろ」
快斗「毛利蘭のファンであるクソババアどもは早く消えろ 新蘭キモスギ うんこカップリング 菅野智之」
コナン「蘭キモい 蘭ブス」
光彦「不正投票でたった一週間で4位から1位になった毛利蘭と毛利蘭のファンキモスギワロタwwwwww」
元太「蘭ファンは首吊れよwww塩酸かけられろwwww蘭ゴリラww不正投票蘭死ね」
「これより艦隊運動を行う!各艦は旗艦に追従し陣形を維持しろ」
訓練初日、艦娘と艦艇で組んでの艦隊運動。
TF180の運用思想としてはフィッツジェラルドに艦娘を搭載、現地で下ろして艦艇は後衛、艦娘は前衛というものだが常にそうとも言えない。
敵の襲撃が想定される場合などは艦娘と同部隊として行動しなければならない。
単縦陣や対潜警戒なら艦娘・艦艇が一まとめになっておりあまり問題はないが、輪形陣などだと問題だ。
艦艇、艦娘が入り混じる陣形だと艦艇側が艦娘に近づき過ぎてしまう。
無論至近距離ならレーダーで確認できるわけだが、どうしても目視に頼ってしまう。艦娘のサイズに慣れないと陣形を狭め過ぎてしまうのだ。
「李舜臣、貴艦は瑞鳳に接近し過ぎている、JPJは叢雲に接近している、レーダーを確認し適切な距離を保て」
ジェラルド艦長の檄が飛ぶ。第七艦隊で共同作戦をしていたフィッツジェラルド以外はかなり苦労しているようだ。
訓練用にレーダー反射板をつけていてもこれだ、これは実戦投入までに苦労するだろうな。
「クレーン下ろせ!」「接続を確認、巻き上げます!」
「まずは叢雲からね、大丈夫?」
ヘリ甲板に設置されたクレーンからフックが降りてきた。
それを叢雲の艤装に取り付け、甲板から顔を覗かせている乗員に向かって親指を立てる
「あー…UFOキャッチャーの景品ってこんな気分なのね…」
ぽけーっとした顔の叢雲がするすると上に登っていく、確かにシュールな光景だ。
それにこれ、下から見たらスカートの中が丸見えだ、指摘するのも可哀想だし、黙っていよう。
「叢雲!パンツ見えてるぞ!今日はクマさんか?」
「なっ!?摩耶アンタ何言ってるの!見るなぁ!!」
「ムラクモさん!動かないで!」「クレーンが外れたら大変です!」
「もう、摩耶!」
「悪い悪い、あまりに可愛いもの履いてるからついからかいたくなって」
全く、摩耶を見ていると加古を思い出す。
あの子は良く寝る子だけど、起きているときは今の摩耶みたいに私をからかってきたりする。
「ムラクモの収容を確認」「次、クレーン下ろします!」
「じゃあ次は摩耶の番ね」
「え?予定ではアタシが最後…」
「いいからいいから、暴れると変なところにフックが引っ掛かっちゃうよ?」
瑞鳳が摩耶の艤装にフックを取り付け笑顔でGOサインを出す。
「瑞鳳!おまえなぁぁぁぁ…」
叫ぶ摩耶がゆっくりと空に登って行った。
「へぇ…摩耶あなた、結構大人な下着つけてるのね?」
「馬鹿!見るなぁ!!」
「マヤの収容を確認」
「どうしたんです摩耶さん、好きな男でも出来たんですか?」
「お前らには関係ないだろ!?クソが!!」
「オウ、マヤ、レディーがそんな汚い言葉を使うのはイタダケナイ、ここはこの艦に習ってfecesと言うべきデス」
「ふぃーしーず?って…それあれじゃねぇか!クソ野郎が!!」
ここからは見えないが甲板から楽しそうな声が聞こえてきた、フィッツジェラルド乗員と沖縄基地隊、私たちの仲は良好、と言った感じ。
「次は古鷹ね、はい」
「え?私?」
「古鷹は今の艤装に慣れてないでしょ?何かあったら困るから私が待機してるね?」
そんな事を言いながら瑞鳳にフックを取り付けられた、ミシっ、という音がして腕が持ち上げられる。
私の艤装は右半身に集中している、おかげでバランスが悪く、失敗作呼ばわりされた事もある、でもこの艤装のお陰で私は生き延びられた。
だから新艤装も前の艤装の拡大版をお願いしていたのだけれどっ…
「んっ…く…っ!」
正直、右腕だけを持たれて釣り下げられるというのはかなり辛い、左手でフックを掴んで少しでも楽になろうとする。
「ふーん、古鷹は白…」
下からそんな瑞鳳の呟きが…まって!スカートの中見ないでよ!
顔を赤くする古鷹が見えなくなって次のクレーンが降りてくる、私も自分の艤装にフックを取り付け、OKを出す。
すこし間があった後、私の体も中に浮き上がった。
こうして文にするとほのぼのしているように見えるけど、実はこれ、全艦20ノットの速力で行っている。
ウェーキの影響を受け難い斜め後方で、艦娘も並走しながらこの作業を行っている。
もしフィッツジェラルドが加速・減速すれば私たちは高波を被ってしまうし、舵を切ろうものなら良くて衝突、下手すればそのまま転覆だ。
まったく、提督もきつい事、させるよね?
今年はここまでです
というわけで、よいお年を
港湾施設のゲートから出て街に向う。提督とJPJ艦長から課せられた重要任務、それは各艦のコックたちに日本料理を教える。というものだった。
那覇港湾施設の職員や、日本勤務の長いフィッツジェラルドのコックさんなら日本料理、作れると思うんだけど…
「じつは、テートクがうちの乗員にズイホウさんが料理好きだと言う事を漏らしてしまいまして…それで乗員たちがぜひズイホウさんの料理を食べたいと」
「とはいえ瑞鳳ひとりに数百人分の料理を作らせるわけにはいかない、そこで瑞鳳のレシピをコックに教える、と言う事で納得してもらった」
「提督…艦長…仕事、しようよ」
「「申し訳ない」」
そんなわけで、レシピと試食会のために買出しを行う事になった。
最初は今ある物で十分…と思ったが、一部の食材や調味料に不足していたのだ。
いっそ納豆にとろろでヌルヌルパーティーにしてしまおうか?
いや、止めよう、せっかく料理を作るのだから美味しく食べてもらいたい。
作る予定の料理と、見せてもらった食材の在庫リストを思い浮かべながら買い物を終えて施設に戻る
ゲートに近づくと外に出るときは気づかなかったが、やはりというか、なんというか、那覇の時に見知った光景が見えてきた。
フェンスに括り付けられたビニールテープに複数の横断幕。
「アメリカは港を帰せ」「米軍基地への配備反対」
これらは私も、少しは理解できる。
ここは沖縄、ここは日本。いくら同盟国と言っても、外国の軍隊が我が物顔でいるのはちょっと…と私も思わないわけじゃない。
それにここ、那覇港湾施設は日本への返還が決定していたのにその返還が無期限延期になったと聞く。
いらなくなったから返すよ。と言って置いてやっぱだめ。ってなったらそれは怒りたくもなるだろう。
「沖縄が攻撃目標になる!」「政府は艦娘・合同部隊を即時撤退させよ!」
ここらへんは私には良く理解できない。
複数国歌からなる軍隊が居ると、何処かの国が戦争になった場合、その国の軍隊も居るTF180も攻撃対象になる。
と主張しているのをテレビで見た事があるが…それはつまり、TF180参加国全てを敵に回すと言う事だ。
今の地球上に深海凄艦以外に日米韓、更にタイやベトナム、オーストラリアなんかとまとめて戦争をしようと言う国が存在するのだろうか?
しかし、これだけはいいわけ出来ないんだろうな。
「守るべき国民を盾にする艦娘―あなたはこれでも艦娘の配備に賛成しますか?」
遠くてハッキリとは見えないが…たぶん、タンカーを盾に砲撃を行う叢雲と浜風の写真がラミネート加工されて電柱に貼られていた。
「あれ?づほ…ちゃん?」
そんな事を考えながら歩いていると懐かしい声が聞こえた。
振り返ると女の子、那覇鎮守府の近くの中学校に通っていた女の子だった。
事あるごとに私を妹として家に引き込もうとする子だ。
「あ、ひさしぶ…」「づほちゃん!どうして沖縄に居るの!?鎮守府は引き上げたって…!」
挨拶する前に詰め寄られる。
…悪い子じゃないんだけど、やっぱりすこし怖い。
「あの…えっと…また沖縄に転属になって…」
「え…づほちゃん、どうして…」
なんだろう、嫌な予感がする。
相手は口元に手を当てて信じられないものを見るような顔でこちらを見ていた。
お願い、そんな目で私を見ないで欲しい。
「だ、大丈夫だよづほちゃん、もうづほちゃんが戦わなくても良い用になるから」
「え?」
「づほちゃんみたいな可愛い子を戦わせるなんておかしいと思うんだ、だから今づほちゃんたちが戦わなくて良いようにってみんなで運動してるの」
「ほら!」と言いながら小脇に抱えていた物…横断幕を広げる。
「艦娘の沖縄配備反対」「艦娘の実戦投入反対」
「待って!私は自分の意思で…」
「大丈夫だよづほちゃん、私が守ったげるから、もう戦わないでも、前の時みたいに怪我とかしないでいいから」
「…ごめんなさい、わたし、もう戻らないと…」
「待っててね!づほちやん!!」
今まで何度も悪口を言われてきたし妨害もされてきた。
それらは全て悪意の上でのものだった。
でも今度は純粋に善意で存在価値を否定されている。それはいままでの何倍も辛い。
づほちゃんが私を避けるように基地に戻っていく、少し悲しいけど、気持ちは分かる。
づほちゃんは、いや、艦娘は戦うためだけに作られた、戦う事しか知らない、それが戦わなくて良い、と言われても多分混乱するよね?
艦娘は沖縄を守ってくれる、というクラスメートも居るけど、私はそうは思わない。
艦娘自身はそうだったとしてもその上の自衛隊や政府は?艦娘の主力は沖縄からはなれた関東だし、結局艦娘が居ても沖縄は攻撃された。
先生から聞いた沖縄の様子は悲惨なものだった。艦娘は沖縄を守れない、それでも自衛隊は艦娘を沖縄に縛りつけて無理な仕事を強制している。それしか知らない事を良い事に。
私はそれが、許せない。
だから嫌われたって構わない。それが艦娘達の幸せになるんだから、そのためならいくらでも嫌われ役になろう。
「ふー…」
湯船に浸かると体の疲れが一気に抜け落ちる気がした。
まったく、那覇鎮守府のときより湯船が大きくてありがたい。
今は小規模な部隊ではあるが、後々の増強も考えているのか遥かに大規模な設備が使える。こうしてみると私たちだけで独占しているみたいだ。
湯船に使っていると浴場のドアが開いて誰かが入ってきた。
「ふぅ…疲れたなぁ…あ、叢雲入ってたの?」
瑞鳳だった、放送で呼び出しが会った後重要任務を受けるとか行って一日中見なかったけど
「ねぇ瑞鳳、アンタが受けた重要任務ってなんだったの?終わったなら教えて欲しいんだけど?」
「うん、あの…JPJの艦長が日本料理を教えて欲しいって言うから、お味噌汁とかてんぷらとか…あとだし巻き卵とか」
「あ、そう…」
空いた口が塞がらない。重要任務と言いながら、何をさせているんだ…
JPJの艦長も変人…いや、たぶん事を無駄に大げさに言ったのは提督だろう。
「それで、どうだったの?」
「おおむね好評だったかな?でも玉子焼きは艦内で実際に出すのは難しいって言われちゃった」
「アーレイ・バーク級って300人は乗って居るじゃない、流石に300人分の玉子焼きは、ね」
頭の中で生卵を300個、デカイ鍋に投入するシーンを想像してしまった。
うん、溶くだけで大変そうだ。
本日はここまで、です。
お疲れ様でした。
残念と言う気持ちはありますが、仕方ないのでしょうね。
もしあれば…で結構なのですが、今後の予定していた流れとか、プロットみたいなのはあるのでしょうか?
このまま未完なのはあまりにも惜しいし、簡単な続き、結末だけでも知りたいと思います。
>>302
重ね重ね申し訳ないです。
一応最後の最後どうするか?と言うプロットだけはあって
謎の艦娘「寧海」が暴走
↓
寧海の為に新潟・舞鶴の艦娘・護衛艦群が壊滅
↓
同時に太平洋中の深海凄艦が一斉に西進
↓
寧海「<(゜∀。)」
↓
アジア中の全海軍力で寧海および深海凄艦を迎撃。TF180は対寧海
↓
叢雲が最後に突撃。「幸運を、死に行くあなたに敬礼を」なんて茶番
↓
寧海撃沈、深海凄艦撃退に成功するもほぼすべての海上戦力を失いマラッカ海峡・日本海なども敵勢力下に
↓
艦娘再生産計画、吹雪・叢雲・漣・五月雨・電が第一ロットで生産されるが、全員記憶を失ってて退職願を出す提督とすれ違ってEND
という感じでしたが、そこまでどうつなげるか、がまったく思い浮かべなくなった。と言う感じです。
つまり左翼に艦娘をいじめさせれば神SSがかけるわけか、ひらめいた。
瑞鳳と摩耶のセリフがタイトルな時点でなんとなく続きかなって分かったけどな
もし作者が違っても入れ込んでるキャラだろうし絶対に分かるよ
トリップつけないから荒らしたなんてのも理由にならん
面白い面白くないは主観、一々合わせられる訳ないし、同じような流れだと今度はマンネリだと言って叩くんだろ?
きりがない、面白くないならスルーが基本
なんとなく見当は付いたが
摩耶「…くそがっ!」提督「…恨んでくれても構わんよ」
叢雲「私たち、何のために・・・」 提督「・・・それが俺たちさ」
叢雲「拒否…ですって?」 提督「拒否…だと?」 大和「はい、拒否です」
瑞鳳「正規空母のいない機動部隊」摩耶「タスクフォース、だからな」
提督こそ抜けたが、タイトルがメインキャラのセリフだし、ギャグっぽくないし、しかも瑞鳳と摩耶だし。
なんとなく分かるし、少なくとも気になって開いてみるんじゃねえの?
それに、SS読むときも好きなキャラがタイトルにあれば、まあふつう開くんじゃね?
もし作者が違っても二人もメインヒロイン冠したタイトル開かないわけないよな
>>342
外伝ってのは
ケッコンカッコカリノカリ・他
だと思うぞ?
>>343
すまん、そっちはわからん。
てか今知った。
だがこのスレは分かるだろ、普通にさ
約一名の偽者連呼厨は”本当の作者”とやらが見つけにくいって言い訳してるんだから
このスレが分かるかどうかを示せば十分だろ
ちなみに外伝読んでみたが
完全にギャグパートだろ?DVDアニメに付いてるオマケ編みたいな
作風違うのも当たり前だし、ギャグだと思えば面白かったよ
外伝がなぜ論点に加わってきたのか説明ヨロww
ちなみは君は334なのか?
自分の論点の基準は334(=332?)なのだが、そこに外伝の言及はあったか?
「(仮に偽者だったとして)
・・・っていういいわけしてるわけで。
スマン、ちっとも分からん笑
どのスレか、主語くらい付けてくれんか?
>>348
俺…というか>>345って事で良いんだよな?
まず、俺は>>334、>>332ではない、証明する方法は無い。
外伝を論点に加えた理由は>>332が最初に「外伝から~」と外伝を引き合いに出してるから。
>>349
なるほど、外伝自体認識してなかったから読み飛ばしていたな
しかし、外伝の存在は論点に重要か?
このスレ(外伝もか?)が偽者が書いたと言う事が論点ではないのか?
その為には本当の作者がこのスレと自分は関係ないと証言できればいい
その為にはこのスレ(あるいは外伝でも)を本当の作者が見ている可能性が重要
(もちろん偽でないなら抗議は来ない!)
という流れだと認識しているが違うのか?
それを踏まえて
このスレの方がタイトルが似ている分見つけやいだろうと述べたまでだが
ズレているか?
このSSまとめへのコメント
変なの湧いとるやんけ
面白いんだけどなぁ
変なの湧いて、うざい