サンタ玲音「みんなにプレゼントを届けにいくよ!」トナカイ冬馬「はぁ…」 (86)

玲音「どうしたの? せっかくのクリスマスなのにテンション低いね」

冬馬「何で俺がトナカイやらなきゃいけないんだ!」キグルミ

玲音「しょうがないじゃないか、トナカイはプレゼントを配るのに必須だからね」

玲音「それに君がやらなかったら誰がやってくれるの? 他に誰か変わりにやってくれるのかい?」

冬馬「うっ…、翔太と北斗は家族と一緒にクリスマスを過ごしているしな…」

冬馬「結局必然的に俺がトナカイをやるということか」

玲音「そういうことだね」

冬馬「はぁ…、仕方ない、どうせ暇だったんだ…付き合ってやるよ」

玲音「クリスマスの日に暇ってちょっと切ないね」

冬馬「だな」

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クリスマスにはまだ時間があるって? 細かいことは気にするな!

冬馬「しかしよくこんなにプレゼントを手に入れたな」

玲音「サンタだからプレゼントを用意するのは当然だよ!」

冬馬「それもそうだが…、結構多くないか? 一体いくらしたんだ?」

玲音「みんなの笑顔を見るためだったらこんなたくさんのプレゼント、安いものさ!」

冬馬「流石トップオブトップだな、羨ましいぜ」

玲音「それじゃあ早速運ぼうか、そりを引っ張ってくれ」

冬馬「ふぇっ!?」

玲音「サンタといえばそりじゃないか、ほらほら走った走った!」

冬馬「え~っ…」

冬馬「いくぜ」

玲音「いつでもいいよ」

冬馬「せーの!」グィッ!

ズズズズズズズ…

冬馬「ぬおおおおおおおおお!!!!!」

ズズズズズズズ…

玲音「そりがボロボロになる走り方だね」

冬馬「はぁ…はぁ…やっぱ無理があるぜこれ…」

冬馬「だいたいそんな大量のプレゼントを持っている貴女を小さいそりで運ぶなんて無茶だ!」

玲音「だらしないね…、本物のトナカイはもっと早く走れるよ」

冬馬「俺はトナカイじゃねぇ!」

玲音「仕方ない、リアカーを使おう ムード欠けるけど」

冬馬「最初からそれ使わせてくれよ…」

玲音「それじゃあいくよ、トナカイさん♪」

冬馬「はいはい、行きますか、サンタさん」

ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

玲音「もっと速く疾走れー!」

冬馬「ぬおりゃあああああああ!!!」ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ

玲音「最高に高めたアタシのトナカイで、最狂のプレゼントを配ってやるぜ!!!」

冬馬「それで、最初は誰に届けるんだ」ゴロゴロゴロゴロ

玲音「えーと、最初は高槻長介くんだね」

玲音「高槻…高槻………高槻!」キラーン

冬馬「おい、目つきが一瞬獲物を狙うライオンになったぞ」ゴロゴロゴロゴロ

玲音「気のせいだよ」

冬馬「じゃあ気のせいにしておくが…、それで届けるプレゼントは何だ?」ゴロゴロゴロゴロ

玲音「>>8だね」

松坂牛5000g

玲音「松坂牛5000gだ」

冬馬「随分豪勢だな…てか子供が頼むものなのか?」

玲音「とりあえず配りに行こう」

玲音「ちなみにアタシがこれから届けるのはただの松坂牛じゃない」

冬馬「何?」

玲音「松坂牛は高級というイメージが定着しているけど最近は松坂牛の定義が下がって」

玲音「格付けが最低のC-1でも松坂牛扱いされることがあるんだ」

冬馬「なるほど」

玲音「だけどアタシが配るのは、松坂牛のトップオブトップ、A-5の肉だ!」

玲音「これを食べたら他の肉が二度と食べられなくなるほど病み付きになるだろう!」

玲音「というわけで出発!」

冬馬「へ~い」ゴロゴロゴロゴロ

高槻家

かすみ「飾りつけ終わった?」

長介「ああ、こっちはできたよ」

かすみ「………お姉ちゃんたち、まだ来ないのかな…」

浩太郎「こないの…?」

長介「仕方ないよ、やよい姉ちゃんたちは今とても忙しいんだ」

長介「もう少し我慢しよう」

かすみ「でも…」

ピンポーン

長介「姉ちゃんかな? ちょっとでてくる!」

ガラガラガラ

玲音「こんにちは!」

長介「あ、どうも…(姉ちゃんじゃなかった、サンタだ)」

玲音「君が高槻長介君だね?」

長介「そうですけど…?」

玲音「ようやく巡り合えた! 君と会えてよかった!」

長介「え!?」

玲音「これ、君が欲しかったプレゼント、松坂牛5000gだ!」

玲音「しかも最高級品だ、どうぞ、メリークリスマス!」

長介「う、うん…ありがとう…」

玲音「どうしたの、元気がないけど?」

長介「うん…その…」

玲音「?」

冬馬「なあ、もしかして高槻は今いないのか?」

長介「うん、やよい姉ちゃん…、今留守で…」

長介「もうすぐ帰ってくるといってたけど…、まだ来なくて…」

長介「この肉も、姉ちゃんのために用意したんだけど…」

冬馬「トップは忙しいからな…遅れるのは仕方ないか…」

玲音「大丈夫だ、彼女はきっと来る!」

長介「え?」

冬馬「おい、何を言って…!?」

玲音「彼女は約束を破るようなアイドルじゃないことは、ここにいるみんなわかっているはずだ!」

玲音「特に家族との絆が固く結ばれている彼女ならなおさらだ」

玲音「ここは待とう、彼女が来るまでね、アタシたちも一緒に待ってあげるよ」

玲音「とりあえずできることがあるなら何でも言ってほしい、手伝ってあげるよ」

冬馬「おい…、そんな勝手に!」

長介「マジ!? ありがとう! それじゃあ中に入って!」

玲音「お邪魔しまーす」

冬馬「お、お邪魔します…」

かすみ「サンタさんにトナカイ!? …ってあのトナカイどこかで?」

浩司「トナカイトナカイ!」

長介「サンタさんがパーティーの準備を手伝ってくれるんだって!」

かすみ「本当!?」

玲音「ああ、あたし達に任せてよ」

冬馬「もうとことん付き合ってやるぜ!」

かすみ「ありがとうございます! それじゃあ…」

――
―――――
――――――――
―――――――――――

―――――――――――
――――――――
―――――
――

冬馬「用意しておいた度数が高いブランデーをこの松坂牛の入ったフライパンに入れて…」ドボドボ

冬馬「どうだ! これがフランベだ!」ゴオオオオオオオ!!!

長介「すげぇ! フライパンから火が吹いてるぜ!」

かすみ「凄いです! はじめてみました!」

冬馬「よし、一丁上がり、松坂牛のステーキだ!」



玲音「ベロベロバー!」

浩太郎「面白い!面白い!」

浩司「あはははは!」

浩三「キャッキャッ!」

玲音「よし、次は鼻から…」

ピンポーン

玲音「おや?」

ガラガラ

やよい「遅くなってゴメンね、みんな!」

響「ほら、みんな急いで帰ってきたから…って!?」

玲音「やあ、君たち」

伊織「玲音!? 何であなたがいるのよ、ていうか何その格好?」

玲音「今のアタシは子供たちに夢を運ぶサンタクロースだ!」

千早「サンタ?」

玲音「そんなことよりほら、早く入って! みんなが待ってる」

やよい「は、はい!」

やよい「みんな、ただいま!」

長介「姉ちゃん遅いよ~」

浩太郎「もっと速く疾走れェ!」

冬馬「ハヒィ~…」パカラパカラ

響「うわっ!? 何でやよいの家にトナカイが!?」

冬馬「俺だ俺、冬馬だ!」

響「なんだ、本物かと思った…」

冬馬「え、そんなにそっくりなの…?」

やよい「みんな、遅くなってごめんね、待ってたでしょ」

かすみ「うん、でもサンタさんとトナカイが一緒に手伝ったり遊んだりしてくれたから退屈しなかったよ」

長介「本当に帰ってきてくれた!」

やよい「当然だよ、家族なんだから!」

玲音「家族っていいものだね、そう思わないかい?」

冬馬「ああ、正直高槻が羨ましい…けど俺にはもう味わえないな…」

響「…」

千早「…」

玲音「…ゴメン」

伊織「ちょっと、クリスマスにそんな悲しい顔しないでよ!」

やよい「みなさん、悲しい顔をしないでください!!」

やよい「笑顔ですよ、笑顔が一番です!」ニコッ

響「…!」ドキッ!

響「…!」ドキッ!

冬馬「…それもそうだな、悪い、ちょっとネガティブになっちまった…」

冬馬「ありがとな」

やよい「どういたしまして!」

長介「ねえ、早くパーティーやろうよ! ほら、さっきの兄ちゃんが焼いてくれた高級の肉だよ!」

やよい「え…肉?」

伊織「これは…松坂牛? でもどうして?」

玲音「アタシからの贈り物さ」

やよい「玲音さんの?」

玲音「そう、この少年が君のためにアタシにプレゼントを頼んだんだ」

玲音「クリスマスの日に壮大なご馳走を君に振舞うためだってさ、礼を言うなら彼に言ってね」

やよい「長介…ありがとう!」

長介「やよい姉ちゃん…」

玲音「それじゃあいくよ、トナカイさん」

冬馬「オーケー!」

やよい「え、一緒に食べないのですか?」

玲音「あたしのことを待っててくれる人たちのためにも行かないとね!」

玲音「また会おう!メリークリスマス!」

ガラガラ

やよい「行っちゃいましたね」

千早「嵐みたいなサンタね」

伊織「ま、まあそれはおいといて、早速パーティー始めましょうか!」

やよい「はい、そうしましょう! せっかくのお肉が冷めちゃいます!」

響「トナカイと冬馬を間違えるなんて…、不覚…」




玲音「喜んでもらえてよかったよ!」

冬馬「サンタってこんな良い気分でプレゼントを届けていたんだな」ゴロゴロ

玲音「わかってくれた、サンタの気持ち?」

冬馬「まあな」ゴロゴロ

冬馬「それで、次は誰だ?」

玲音「次は秋月涼だね」

冬馬「で、プレゼントは?」

玲音「>>25だ」

玲音「女性ものの下着だ」

冬馬「!?!?!?!?!?」キィー!

玲音「急に止まらないでよ」

冬馬「なんで女性ものの下着なんか!? クリスマスに頼むものかそれ!?」

玲音「彼はもともと女性アイドルだったからね、男に戻っても女装しすぎたせいで女装癖が染み付いたのかな?」

冬馬「なにそれ怖い、新しい自分に目覚めたって奴か?」

玲音「それじゃあ新しく目覚めた彼のためにプレゼントを届けようか!」

冬馬「あんまり届ける気がしねぇ…」ゴロゴロ

玲音「せっかくだからオーバーランクに黒の紐パンにしよう」

涼の家

涼「まだかな…サンタさん…」

ピンポーン

涼「あ、来たかな? 今行きます!」

ガチャ

玲音「メリークリスマス!」

涼「メリークリスマス!」

玲音「しかし君、本当に可愛いね!」

涼「えっ!?」

玲音「君の事は前から調べていたけど、写真より実物のほうが可愛さがよくわかるよ!」

玲音「アタシが男だったら、プロポーズをしていたかもね♪」

涼「え、ええ…?」

涼(男なのに可愛いって…、プロポーズって…)

涼(そんな…、せっかく男アイドルになれたというのに…まだ女として見られてるなんて…)シクシク

玲音「そんな可愛い君にはこれをプレゼントするよ!」つ黒の紐パン

玲音「女性用下着が欲しかったんだよね、アタシが愛用しているパンツだ、受け取ってくれ!」

涼「あ、ありがとう…ございます…」

玲音「これを履いてさらに可愛さを磨きあげてくれ!」

涼(完全に誤解されている…、僕別にパンツもらう為にサンタに手紙出したつもりないのに…)

冬馬「おーい、まだかー…」

玲音「おっと、トナカイが呼んでいる」

玲音「それじゃあまた会いましょうか、次はライブでね♪」

涼「はい、それじゃあまた」

玲音「またね♪」

冬馬「いくぜー」ゴロゴロゴロ

涼「…」

涼「…」ポパピプペ

涼「あ、夢子ちゃん、ちょっと…」

公園

夢子「な、何よ…こんな寒いのに…しかもクリスマスの夜に呼び出して…」

涼「め、迷惑だったかな?」

夢子「別に! 迷惑じゃない…わよ///」

夢子「それで、私をこんなところに呼び出したってことはそれなりの大事な用があるのよね?」

涼「うん、今日はクリスマスでしょ?」

涼「年に一度しかない大切な日だから、夢子ちゃんにどうしてもプレゼントを渡したくて…」

夢子「えっ!? 私のために…!?」

涼「あれ、嬉しくなかった?」

夢子「ううん、そんなことない! とっても嬉しいわ!」

涼「ありがとう夢子ちゃん、喜んでもらえて僕も嬉しいよ!」

夢子「ちょっと! まだプレゼントを貰ってないわよ!」

夢子「感想を貰ってから嬉しがってよね///」

涼「あ、ごめん それじゃあ目をつぶって」

夢子「こ、こう…?」

涼「そして手を前に出して」

夢子「うん…」

スッ…

涼「いいよ、目を開けて…」

夢子「うん」パチッ

黒の紐パン「やあ」

夢子「」

涼「夢子ちゃん、前下着欲しがっていたこと、偶然聞いちゃったんだ」

涼「それでサンタさんに届けてもらうようにお願いしたんだ」

夢子「」

涼「夢子ちゃんに似合えばいいんだけど…どうかな?」

夢子「」

涼「夢子ちゃん…どうかしたの?」

涼「感想を聞かせて欲しいんだけど…」

夢子「…!」プチッ

バカァ!

バシイイイイイイイイイン!!!

ギャオオオオオオオン!!!



玲音「しかし彼、可愛かったなぁ…///」ポッ

冬馬「服だけじゃなくて顔まで赤くなってるぞ」ゴロゴロ

冬馬「気を取り直して行くぞ、次は誰だ?」ゴロゴロゴロ

玲音「えーと、何々………黒井崇男?」

冬馬「はぁ!? おっさんが何でサンタにお手紙を!?」ゴロゴロゴロ

玲音「彼が何でそんなことを…、絶対縁がなさそうなのに…」

冬馬「いい年して何をやっているんだ…、全く…」ゴロゴロゴロ

玲音「ちょっと読んでみるね」

玲音「えーと、『サンタとやら、本当に存在するのならセレブな私のために>>37を持って来い』」

玲音「『できるものならな…フハハハハハハッ!』だって」

冬馬「餓鬼か…、それでどうするんだ?」ゴロゴロゴロ

玲音「サンタクロースは差別しない! 相手がおっさんでもプレゼントを届ける」

玲音「それが孤高なるサンタの流儀だ!」

冬馬「ふ~ん、で、本当に>>37を届けるのか?」ゴロゴロゴロ

玲音「彼が欲しがっているなら届けるだけだよ」

961プロ

黒井「ふん、何がクリスマスだ…くだらん…」

コンコン

黒井「入れ」

ガチャ

玲音「メリークリスマス、黒井社長!」

黒井「何!? き、貴様は神泉! いまさら何しに来た!?」

冬馬「俺もいるぞ」

黒井「冬馬まで!? 何故貴様らがここに…、私を笑いにきたのか?」

玲音「いや、本当は一人ぼっちの君にプレゼントを配りに来たんだ」

黒井「プレゼントォ? そんなもの、私が欲しがるとでも思っているのか?」

黒井「悪いがそんなものいらん、今すぐ帰れ!」

黒井「裏切り者共の顔など二度と見たくない!」

玲音「せっかく持ってきたというのに…冷たいねぇ」

黒井「持ってきただと? そもそも私のプレゼントは…」

高木「私だろう、黒井」

黒井「そう、高木…って何!?」

高木「玲音くんに頼まれてきたんだ、黒井…君のためにな…」

黒井「私のため…だと?」

玲音「それじゃああたしたちはこれで、後はごゆっくり」

冬馬「え、もういくのか? もうちょっと見てみたいが…」

玲音「18にもなってない君にはまだ早い、早くいくよ」

玲音「それに恋人同士は二人一緒にいたほうがいい」

冬馬「お、おう」

バタン

黒井「…」

高木「黒井…」

黒井「ふん、いまさら何しに…」

黒井「私は貴様の顔など二度と見たくないんだぞ!」

高木「ならなんで私をプレゼントにした?」

黒井「それは…貴様に地獄を見せに…」

高木「本当にそうなのか?」

黒井「何!?」

高木「私は、今までお前の気持ちに気付いてあげられなかった」

高木「あれほど長い間一緒にいたのに…何もわかってあげられなかった」

高木「だが、今ならわかる…お前の本当の気持ち…」

黒井「…何が言いたい…?」

ギュッ

黒井「!?」

黒井「き、貴様…何の真似だ!?」

高木「周りから批難を受けながらも、罵倒されながらも…お前はずっと独りで耐えてきたんだ」

高木「辛かっただろう…、苦しかったろう…、寂しかっただろう…」

高木「私にはよくわかる、お前の本当の気持ちが…」

黒井「…」

高木「もう独りでその錘を背負わなくていい…、独りで悩まなくてもいい」

高木「これからは私たち二人で逆境を乗り越えようではないか」

黒井「貴様の手など…死んでも…借りぬ…」

高木「それは本心か?」

黒井「…」

ギュッ

黒井「!?」

黒井「き、貴様…何の真似だ!?」

高木「周りから批難を受けながらも、罵倒されながらも…お前はずっと独りで耐えてきたんだ」

高木「辛かっただろう…、苦しかったろう…、寂しかっただろう…」

高木「私にはよくわかる、お前の本当の気持ちが…」

黒井「…」

高木「もう独りでその錘を背負わなくていい…、独りで悩まなくてもいい」

高木「これからは私たち二人で逆境を乗り越えようではないか」

黒井「貴様の手など…死んでも…借りぬ…」

高木「それは本心か?」

黒井「…」

高木「もちろんそう簡単に私たちの仲を修復できるとは思っていない」

高木「だからゆっくり時間をかけて…」カチャカチャ

高木「このクリスマスの夜を機会に、再び親交を深めようではないか」ポロン

黒井「!?///」

高木「いいかね?」

黒井「…/////」コクン

高木「よし」



パンパンパンパンパン

ナカニダスゾ!

アッーーーーー!



玲音「黒井社長、喜んでくれたかな?」

冬馬「おっさんがおっさんを貰って嬉しいのか?」ゴロゴロゴロゴロ

冬馬「俺ならクーリングオフするが…?」ゴロゴロゴロゴロ

冬馬「それで次は誰だ?」

玲音「千川ちひろお姉さまだ」

冬馬「え、お姉さま? 貴女に姉なんていたっけ?」

玲音「親しみと尊敬の意をこめて姉呼ばわりしているだけだよ、血は繋がってないよ」

冬馬「そ、そうか…、ちなみにプレゼントは…?」

玲音「>>48だよ」

おまえ

玲音「お前でしょ、わかってる」

冬馬「何!? お前!?」

玲音「うん、ここに書いてある、でかでかとお前って…」

冬馬「待て…! それって俺たちどっちのことだ?」

玲音「文脈から判断して君じゃないのか?」

冬馬「違う! 手紙で読み手に対してお前と伝えている…つまり貴女が欲しいということだ!」

玲音「いや、違う! 君だ!」

冬馬「いや、貴女だ!」

玲音・冬馬「ぐぬぬ~!」

いや…やっぱ>>49はなしで

いや…やっぱ>>49はなしで

玲音「お前だよ」

冬馬「何!?」

玲音「お姉さまはお前を欲しがっているんだ」

玲音「ちひろお姉さまの言うことは絶対だ、悪いけど君をお姉さまのところに引き渡すことにするよ」

冬馬「ふざけるな! なんで俺がそんな目にあわなければならないんだ!」

玲音「年に一度のクリスマスだ! 誰かが悲しむ顔を見るのはいやだ!」

玲音「お姉さまだったらなおさらいやだ!」

冬馬「俺は悲しんだままでもいいっていうのか!?」

玲音「いつも悲しそうな顔してるじゃないか」

冬馬「好きでそんな顔しているわけじゃない!」

玲音「とりあえずこれもすべてお姉さまのためだ、君には尊い犠牲となってもらう」

冬馬「はぁ!? 何を勝手に!?」

ドスッ!

冬馬「ウウッ…! クッ…カハッ!」ガクッ

玲音「悪く思わないで欲しい…」

ゴロゴロゴロゴロ

玲音「しかし何でお姉さまは冬馬を欲しがっているんだろう?」

夕飯食ってくる

後、これプレゼント

サンタ玲音

アホ毛がないと美希に見える

http://i.imgur.com/L59vmke.jpg

余裕がなくなった美希

http://i.imgur.com/LNYJWwV.jpg

CG(346)プロ

玲音「メリークリスマス!」

ちひろ「あら? 玲音ちゃんじゃない!?」

玲音「お久しぶりです、お姉さま」

ちひろ「久しぶりね! サンタの格好も似合うわ!」

玲音「ありがとうございます」

ちひろ「玲音ちゃんが来ていると知ったら、みんなきっとびっくりするわね!」

玲音「ええ、きっとそうですね…、でもせっかく会えましたけど長くいる時間はありません」

ちひろ「そうなの、大変なのね」

玲音「後、プレゼントを持ってきました、喜んでもらえれば嬉しいのですが…」

冬馬「」チーン

ちひろ「本物の天ヶ瀬冬馬!? 本当に持ってきてくれるなんて…」

ちひろ「ありがとう玲音ちゃん!」

玲音「ちなみに冬馬をどうするおつもりですか、お姉さま?」

ちひろ「>>62

馬にする

ちひろ「馬にするのよ」

玲音「馬?」

ちひろ「ええ! なんかとっても乗り心地がよさそうじゃない」

玲音「冬馬から冬が消えて馬に退化…、いや、進化するのか…」

玲音「しかしいきなり馬にするといってもそう簡単にいかないのでは?」

玲音「絶対抵抗されますよ?」

ちひろ「甘いわ玲音ちゃん、ここがどこだかわかっているの?」

ちひろ「私たちの力ならその気にならなくても男を馬にすることなんて造作もないのよ!」

玲音「ははっ、御見それしました! 流石お姉さまです!」

冬馬「」チーン

玲音「それでは冬馬をよろしくお願いします」

ちひろ「任せて、玲音ちゃん!」

玲音「それじゃあ…メリークリスマス!」

ちひろ「メリークリスマス!」




冬馬「…う、う~ん…ひどい夢を見たぜ…」

ちひろ「あら、おはようございます」

冬馬「…あんたは?」

ちひろ「あなたの飼い主です」

冬馬「…え?」

ちひろ「さて、目覚めたので早速取り掛かりましょうか…」キラーン

冬馬「おい…ちょっと…待て! やめろおおおお!」

ゴキッ!

玲音「…さて、これで全員にプレゼントを配ったかな?」

玲音「…あれ? 全員には渡したけどプレゼントはまだこれが余っていたか…」

玲音「困ったな…、これどうしよう?」

玲音「…ん? あそこにいるのは…そうだ!」



玲音「ねぇ、そこの君?」

>>67「はい?」

優『なんですか…?』

玲音「こんな寒いのにどうして薄着なの?」

優『………僕のことが見えるの?』

玲音「…え、どういうこと?」

優『僕に触れてみて…』

玲音「こう?」

スッ…

玲音「………そんな…まさか…」

優『………』

玲音「…つまり君は如月千早の弟なんだね」

優『はい…』

玲音「彼女にまさか弟がいたなんて…」

玲音「でもこれで納得がいった…、何であの時アタシとの戦いで彼女が取り乱してしまったのか…」

優『…』

玲音「君はどうしたいんだい?」

優『僕はおねえちゃんに会いたい…でも…』

玲音「会ったらきっと如月は感情が爆発して抑えられなくなる…」

優『そう、僕と会うことで…、これまで溜めていた感情が溢れでもしたら…』

玲音「思い出すだけであの取り乱しようだ、会ったらもっと大変なことになる」

優『どうしよう…』

玲音「…」

玲音「…せっかくのクリスマスなんだ…、奇跡くらい起こさせてあげてもいいかな」

玲音「ねぇ、アタシの体、貸してあげるよ」

優『え、今なんて?』

玲音「アタシに乗り移って会うんだ、如月に」

優『ええ!?』

玲音「何その反応、会いたいんじゃないのか?」

優『いや、会いたいんですけど…』

玲音「ならつべこべ言わずに乗り移って、ほら!」

優『………』

玲音(優)「本当にいいんですか?」

玲音『別にいいよ、体の一つや二つ、対したことないさ』

優「それじゃあ遠慮なく…」

玲音『如月の居場所はわかるのかい?』

優「幽霊になってからは自由に行動できるので部屋の位置だけでなく町全体の地理もわかります」

玲音『なら心配ないね、それじゃあ行こうか』

玲音『後、自分が如月優だと言わない事…、辛いかもしれないけど彼女のことを思うのなら秘密にしておいて』

優「わかりました」

千早宅

ピンポーン

玲音『まだ帰ってないようだね、高槻のところにいるのかな?』

優「それじゃあ今すぐ戻りましょう」

玲音『いや、すれ違いになったらまずい…ここは待つべきだ』

優「でも…」

「あら?」

優・玲音「!?」

千早「どうして玲音が…ここに?」

優「あ、ああ…」

玲音『待て! 君が取り乱してどうする!』

優(ご、ごめんなさい…)

千早「…私に何か用ですか?」

優「う、うん…、お姉…君と話したいことがあってね」

千早「そうですか…実は私も話したいことがあります」

優「え?」

千早「ちょうどよかった、せっかくなので上がってください」

優「あ、ありがとう…」

千早「どうぞ」コトッ

優「どうも、ご丁寧に…」

千早「玲音…さん? なんか口調が…」

優「え? 大丈夫だよ! なんでもないから…」

優「それより話ってなんだい? 聞かせて欲しいんだけど」

千早「ええ、この前のフェスの後、情けないところを見せてしまって申し訳ございません…」

千早「なんで突然あんなことになったのか…、ちゃんと説明したほうが良いですよね…」

優「…?」

千早「前に聞かせた『細氷』、覚えてますか?」

優「えっ!?」

玲音『覚えているよ』

優「お、覚えているよ…」

千早「それで、あの時どう感じましたか?」

優「え?」

千早「あなたから見て、私の歌の感想を教えてください、嘘偽りなく!」

優「それは…」

玲音「自分自身を追い込んでいたような歌だった…葛藤と苦しみを感じたよ」

優(玲音さん!?)

玲音『すまない、でもこれはアタシが直接言ったほうがいいと思ってね…』

とりあえずここまで

千早「…そうでしたか、やはりそう感じておられたのですね…」

優「一体何があったの?」

千早「…この件に関してはプロデューサーにしか話していませんけど」

千早「何故か玲音さんになら話してもいい…そんな感じがします」

千早「それでは最初からお話します」

千早「事の発端は9年前…」

―――
――――――
―――――――――

―――――――――
――――――
―――

千早「これが私が経験した出来事です」

優「…それじゃあ、今までずっと悩みを抱え続けて生きてきたの?」

千早「ええ、」

優「…」ジワッ

千早「…玲音…さん?」

優「ごめん…、情けないところを見せちゃった…」グスン

優「それで…もう大丈夫なんだね」

千早「ええ…、今まではずっと過去から逃げてきました」

千早「もうあんな辛い思いをするくらいならいっそのこと…そう考えかけたこともありました」

優「そん…!玲音「だけど、今の君には前見た気迫と葛藤が見えない」」

優『ちょっと!?』

玲音「完全とはいえないけど、乗り越えたんだね…」

千早「ええ…、プロデューサーのおかげで、過去の呪縛から…ある程度逃れることができました」

千早「プロデューサーともっと早く会っていたら、今より早く勇気をもらえたかもしれません」

玲音「もう自分自身から逃げず、前に進むんだね」

千早「ええ、信じるものが…プロデューサーがいるから…」

千早「もう私は恐れません、弱い自分を…、あの過去を…」

千早「私は以前の私と違う…そのことを、あなたに伝えたかったんです…」

玲音「うん、限界を乗り越えて心を強くする意思と辛い過去に立ち向かう勇気を君の瞳から伝わってくるよ」

玲音「今の君なら、アタシを楽しませてくれそうだ」

千早「はい、なので、次に会うときはしっかりと戦います」

千早「弱い自分に打ち勝ったことを証明させて見せます!」

玲音「いい心がけだ、楽しみにしているよ」

玲音「それと、これは私からの最後のプレゼントだ」スッ…

千早「スイス製の高級オルゴール…いいんですか?」

玲音「クリスマスだからね、受け取りなよ」

千早「ありがとうございます」

玲音「どういたしまして…あっ!」

千早「どうかしましたか?」

玲音「ほら、見て! 窓のほう、雪が降ってるよ」

玲音「ホワイトクリスマスって奴だね、綺麗だよ」

千早「…本当、綺麗です……」

千早「…!?(窓に玲音が映っていない!? あれは…!)」

玲音「それじゃあアタシはこれで…」

千早「待って!」

玲音「…」

千早「……どうして、優が…あなたに?」

優・玲音「『………』」ニコッ

千早「!?」

優「メリークリスマス」

バタン

千早「…」

千早「…弱い自分に打ち勝ったといったのに…このサプライズは卑怯よ…」

千早「…まだまだ弱いね…私…」グスン

玲音「ウウッ…」グスン

優「…」グスン

玲音「…まさかあんな辛いことを絶え続けていたなんて……」

優「僕のことでずっと悩んでいてくれたんだね…」

玲音「あとゴメン、つい…、でしゃばっちゃった…」

優「いえ、いいんです…、あのまま話していたらお姉ちゃんは耐えられなくなると思います」

玲音「これからどうするの?」

優「もう少しお姉ちゃんのことを見守ろうかと思います」

優「それが僕にできる唯一のことなので」

玲音「そうか、それじゃあもし困ったことがあったらぜひアタシに頼ってくれ」

玲音「できることがあるなら何でもするよ」

優「ありがとうございます」

玲音「それじゃあまた会おうか」

優『はい、いつかまた』スウッ…

玲音「…」

翌日

千早「~♪」

P「おはよう、千早」

千早「おはようございます、プロデューサー」

P「どうしたんだそのオルゴール、とってもいい音色だな」

千早「貰ったんです、サンタクロースから」

P「サンタ?」

千早「はい」

P(千早の口からサンタとは驚いた…)

千早(優に笑われないようにもっと強くならないとね)

ちひろ「もっと早く疾走れェ!」

冬馬「ヒ、ヒヒーン…」ズル…ズズズ…

卯月「かっこよくて可愛いお馬さんですね!」

凛「にんじん食べるのかな?」つにんじん

冬馬「…」ボリボリボリ

奈緒「うわっ! 生でにんじん食ってるよ!」

ちひろ「流石私のポニーですね♪」

ちひろ「はい、いい子いい子♪」ナデナデ

冬馬「…ヒヒーン」

未央(…なにこれ)

玲音「というわけで年に一度のサンタ玲音のクリスマス活動はおしまい」

玲音「それじゃあまたいつか会おう」

玲音「何かほしいものがあったらサンタ玲音によろしく!」

玲音「メリークリスマス!」

終わり

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