海未「はっはっ!」 (40)
このレストランは完全予約制である。食材が手に入らなければ開かれないこのレストランの名は
レストラン(・8・)
肌寒くなってきたこの季節、朝の稽古がいつもより捗ります。この身が引き締まるような寒さが私は少しだけ好きです。稽古を終えて身なりを整えている私に母が声をかけてきます。
母「海未さん宛に便りが届いていましたよ」スッ
母が差し出したもの、それは『レストラン(・8・)』からの便り
この度は当レストランをご利用頂きまして、誠にありがとうございます。指名致しました究極の食材が手に入りました。本日12時にお待ちしております。
レストラン(・8・)
海未「ついにきましたか」ゴクリッ
母「楽しみにしていましたものね」オホホ
海「はい、いって参ります!」ダダダダダダダダダダダダダ
母「まだ時間はやいですよーーーーーー!」
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それから数時間後、ようやく時間になりました。
私は便りにあった通りに南家...もとい『レストラン(・8・)』の前にいます。
海未「...」ゴクリッ
ガチャン
ドアが勝手に開きました。私は標に沿って進んで行きます。そしてテーブルのある部屋に、テーブルには美しい白のクロスが敷いてあり光輝く食器が並んでいて、それだけで私のお腹を 刺激します。そして私は席に着き手を叩いてこう言う。
海未「シェフ!シェフ」パンパン
8・)「当レストランへようこそ」ヒョコッ
何故半分しか顔を出さないのか謎ですが、私はそんなことよりも早く食したくて仕方がないです
8・)「と言う顔をしておりますね?お待ちください。当レストランはフルコースになっております。それと例のものはもってきましたか?
海未「もちろんです」
8・)「では、ただいまよりお持ち致します」
(・8・)「まずはこちらを、ホノ酒です」
海未「私はお酒は飲めませんよ?未成年ですので」
(・8・)「雰囲気のために名前だけです。どうぞ」
『ホノ酒』ホノカチャンの家の洗濯機の底にあった熟成パンツを南家秘伝の炭酸水に一週間つけたもの。先ずはこちらをどうぞ。
海未「では」ゴクゴク
これは、なんと芳醇な...。空腹の胃に炭酸を入れるのは良くないと思っていましたが、穂乃果のエキスが胃を優しく包み込む。まるで太陽の優しいぽかぽか陽気に包まれているような。流石は穂乃果です。
海未「素晴らしい...」
(・8・)「では、お料理をお持ち致します」
海未「お願い致します」
(・8・)「どうぞ、前菜です」
『ホノカチャンのパンツトマト詰め』
今朝採れたトマトの中を切り抜いてその中に一口大に切った塩気の効いた白のパンツを少しだけオリーブで和え詰めたもの。今後の食欲を更にそそります。
海未「ほう」
私はすかさず一つを口に運びます
海未「...」
うまい!私はこの言葉しか出てこなかったので恥ずかしさから何も言えなかった。だから私は味わった、味わったのだ。何よりトマトから顔を出しているこやつは愛嬌いっぱいである。真姫も喜ぶ事でしょう。
海未「素晴らしい」
(・8・)「次をお持ち致します」
(・8・)「サラダです」
『新鮮水菜とパプリカとサニーレタス・ホノカチャンの爽やか縞パンツのワルツ』
今朝採れた新鮮な水菜とパプリカを彩り豊かなしましまのホノカチャンパンツを添える爽やかな一品
海未「ここでサラダですか」アムッ
なるほど、この野菜たちをパンツでくるんで食べるんですね。あー、名前の通りお口の中で仲良くワルツを...穂乃果はやはり凄いです。塩気があるから何も要らない。材までも纏めてしまう。まさに天性のリーダー。
(・8・)「...」
海未「素晴らしい......」
(・8・)「次をお持ち致します」
(・8・)「スープです」
『ホノカチャンの熟成黄色のパンツスープ』
熟成されたホノカチャンのパンツから出汁をとったスープ。余計な味付けはせずシンプルにホノカチャンのパンツを干して手に入れた塩で味付け。スープに入っている丸々のパンツもこの料理の見所である。
海未「これは...」ゴクリッ
まるでフカヒレスープを彷彿とさせるこのスープ。果たして味は...
海未「...」スッ
な、なななな、なんなのこれは!凄い濃いあじです。この濃さが私の身体を侵食してきます。あー、血液に穂乃果が赤血球と白血球が穂乃果球に!!身体に穂乃果が!あー!お皿に口をつけてガバッといきたい!いきたい!
海未「...」チラッ
シェフはいないようです。では
8・)「.........」
海未「......」
8・)「次のお料理をお持ち致します」
8・)「...」
私は黙ってスプーンで頂くことにしました
(・8・)「魚です」
『鱈の爽やかなホノカチャンの?赤のレースのパンツを添えて冬の始まり』
冬に美味しい季節がやってくる鱈をゆっくりと焼き上げ、雪穂が頑張ってひっそり持っていた赤のレースのパンツを密かに興味本意でホノカチャンが穿いてみた赤レースパンツのレース部分を切り刻み、ソースと和え鱈と残りのパンツにかけて頂く。鱈の白身とパンツの赤が冬の知らせを届けてくれるようなキュンとする一品)
海未「メインはもう始まっているのですが...ここからは更にもう一段上ですね」ゴクリッ
私はナイフとフォークを器用に使い食べます。園田家の女なのです。これくらいとうぜん.........
あっ///あーー//なんですこれ!凄い。鱈を...鱈を食べているのに普通は親子なのに姉妹の味が///高坂姉妹...恐るべし。はぁー//は///穂乃果と雪穂が私を呼んでいる気がします。
届けて切なさには、名前をつけようか
園田穂乃果と園田雪穂
海未「むふふ」
8・)
海未「はっ///」
・)「次のお料理をお持ち致します」
海未「はぃ...///」
(・8・)「お口直しです」
『マンゴーソルベホノカチャンのパンツにのせて』
贅沢なアル◯◯◯ソンマンゴーを使用したソルベにこれまた贅沢なホノカチャンの緑のヘムショーツにのせた一品。目と口で存分に楽しめ、次のお料理への良い繋となる一品。勿論パンツも召し上がれ。
海未「これは、ふむ」ハムッ
夏色ですね。先程冬の始まりを感じたのに今は常夏のワイハにいます。アロハと言われたらマハロ。お土産に貰ったハワイのハーゲンダッツのファミリーパックを思い出します。お口の中がリセットされました。穂乃果は凄いです。このパンツにしみたマンゴー。チューチュー...うまい。
私としたことが.........はしたないです。
(・8・ )「...」
海未「素晴らしい」
(・8・)「...」
海未「...」チラッ
(・8・)「そうですか」
海未「...」
(・8・)「次のお料理をお持ち致します」
(・8・)「肉です」
『ホノカチャンのボクサーパンツステーキ』
ホノカチャンの持っていたほの字がついたボクサーパンツをガーリック油で贅沢に焼かせていただきました。何も言わずそのまま召し上がれ。
海未「きましたか。ついにメインですね」ゴクリッ
海未「いざ!」
海未「なっ!ナイフが入らないではありませんか!!今までのように切り身もない!シェフ!どういうことですか!!」
(・8・)「そのままがっつりと」
海未「なっ!!」
私は園田海未。園田家の次女で跡取り。大和撫子と呼ばれてきた私ですよ!?ポテトと食べるときでさえ口に手を当てるのに...そんな私の小さな口じゃ...。
海未「...」チラッ
(・8・)「...」
海未「いけと」
(・8・)「」コクッ
海未「ぬぅん!いざ!! 」
あーーーーーーーーー!これは、これは、本当にお肉なのですか?こんな大きなものが、牡蠣のようにトゥルントお口に入りプリンのように胃に運ばれていく。これは、これは、これは...。
海未「もうひとつほしいですね」ボソッ
(・8・)「次のお料理をお持ち致します」スタスタ
海未「...ですよね」ボソッ
・)「次のお料理をお持ち致しますね」
海未「はい」
(・8・)「どうぞ」コトッ
何の説明もなしに置かれたものに目を配ると...子洒落た皿の上に銀ピかのスプーン。その上には...。
海未「なんですか?これ?」
(・8・)「ホノ酒と一緒にどうぞ」
無視ですか。何なんですかこれ?スプーンの上にちょこんとある...チーズですか?なんなんです?
海未「なんなんです?」
(・8・)「これは企業秘密です。言えません。何も言わずに食べてください。これは滅多に採れない食品です。どうぞ」
何なんです。
海未「...」ハムッ
いま!(いま!)
わーかれーのーときー!(とき!)
とびたーとう!(とびたとう)!
未来信じて!
弾む(弾む!)
若い!
力(力信じて!)
このひろーい!(このひろーい!)
おおーーーーー!
海未「海ではありません!空です!はっ!」
中学の卒業式を思い出してしまいました。練習の時によく海に変えられからかわれました。何なんですかあれは。と言うより...今のはなんですか!!
・)「おおーーーーー!海へー!」
海未「ぬぬぬ///」
・)「次のお料理をお持ち致します」
海未「...あれはなんなんだったのでしょう」グビグビ
(・8・)「フルーツです」
『甘いフルーツダンス♪だんだん匂いが香る』
ホノカチャンが昔から穿いている包んである水玉パンツをみかんの皮のように剥くと...そこにはフルーツが!ダンダン香るフルーツの香りを楽しみお口でダンシングしてください。もちろんパンツも食べられます。
海未「そろそろ終わりに近づいているのが良くわかります」
胃が満たされているのをじんじん感じます。開けたとたんに匂いがだんだんと香ってくる...まさしくパッショーネ。君との距離が縮むようにと瞼を閉じましょう...もう少し...もう少し
(・8・)
海未「はっ!わーーー!」
海未「シェフ!何顔を近づけているのですか!!」
(・8・)「次のお料理をお持ち致します」
海未「なんなんですか」
(・8・)「...」
海未「...」
(・8・)「次のお料理をお持ち致します」
海未「はぃ...」
(・8・)「デザートです」
ミルフィーチーズケーキ
ホノカチャンの基本的には白いパンツを一枚敷きはチーズムースを乗っけていく作業を繰り返し出来上がった一品。パンツとチーズをふんだんに使った贅沢なチーズケーキです。
海未「匂いが濃い」スンスン
海未「...」アムッ
(・8・)「自信作」
これは、パンツ全てが一口サイズに薄く切られているのでスーっと食べられる。チーズケーキとパンツの良いところを取った思考の一品です。こんなにもパンツとチーズケーキがあうとは。
海未「素晴らしいです」
(・8・)「コーヒーもどうぞ」
ホノ色コーヒー
ホノカチャンのパンツに珈琲豆を包み1週間冷蔵庫に入れることにより、芳醇なものとなったパンツと豆。その上から南家秘伝のお水を沸かしたものを通して完成する。食べたもの全てを消化すると言われている。
海未「うっは//」
なんなんです?なんなんです!?
うますぎるーーーーーー!胃がーーーーーー!あーーーーーー!すべてがーー!うがーーー!
.........
...............
あーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!
海未「はぁー、はぁー」
(・8・)「ベストな組み合わせ」
海未「はい」
(・8・)「次で最後です」
海未「...」ゴクリッ
(・8・)「お料理をお持ち致します」
(・8・)「どうぞ」
海未「これは」
にーじいろマカロンも♪ちょーだい♪
シェフ(・8・)によるマカロン。七色のマカロンのその色はまた美しく、更にマカロンをパカッと開けると、そこにはホノカチャンのリボン着きパンツのリボン部分が入っております。マカロンの色とあわせてあります。最後にふさわしく、お腹も心も満たされる一品となっております。
海未「これは」パカッ
海未「素晴らしい...マカロンと同じ色のパンツのリボン部分が入っていますね」
海未「全てのマカロンから穂乃果の香りがします」
(・8・)「...」
海未「では」パクッ
私はこのマカロンを食べたとき、全てを達成した...まさに、やり遂げたよ最後まで!そう、それです。ラブライブ!優勝したあの時を思い出しました。あー、これが頂点。原点にして頂点!穂乃果のパンツ。
海未「...」ツー
(・8・)「...」
海未「...」チラッ
(・8・)「...」
海未「御馳走様でした。それでは失礼致します」
(・8・)「...」
海未「...」スタスタ
海未「...」チラッ
(・8・)「...」
海未「お代を忘れていましたね」
(・8・)「...」
そう言って私は紙袋の中からジッ◯◯ックを取り出しました。その中にはこのレストランに来るためのお代が入っています。
(・8・)「...」ガサゴソ
(・8・)「クンクン......ゴホッゴホッ」
(・8・)「...」
(・8・)「クンクン...ゴホッゴホッ」
(・8・)「この度は当レストランをご利用頂きありがとうございました」
ふぅ、どうやら気に入ってくれたようです。
(・8・)「...」チラッ
なんでしょう?あっ、わかりました。私はパンツを脱いで差し出しました。
(・8・)「スンゴホッゴホッゴホッゴホッ」
(・8・)「...」
(・8・)「またのお越しをお待ちしております」ペコッ
私はレストラン(・8・)を後しました。
私は心もお腹も満足です。レストラン(・8・)もう一度来たいものです。そう思いながら歩いていると...
海未「あれは、真姫」
真姫「......」スタスタ
私は真姫の顔を見て瞬時に理解しました。今からレストラン(・8・)に行くのだと。
海未「...」コクッ
真姫「...」コクッ
そう、美味しいものを食べるときは救われていなきゃいけない。だから私達はお互いに理解し会釈しました。そして歩き出す。
海未「...」チラッ
真姫「...」スタスタ
(・8・)「...」
シェフは目を光らせ待っています。
彼女にとっての至福の時間が始まるのでしょう。
海未「風が肌寒くなってきましたね」
私達の卒業までの足音も聞こえてきたこの季節
私はまた頑張ろうと思えました。
海未「レストラン(・8・)...」
レストラン(・8・)。それは完全予約制のレストラン。自分の指定した食材が手に入らなくては決して開かれることのないレストランに、今日もまた1人...行くのかもしれない。
あなたもいかがですか?レストラン(・8・)。お代はあなたのパンツをたった数十枚。
海未「素晴らしい...」
後日、私がお腹を壊したのは言うまでもありません。
おわり
以上になります。
誤字脱字多くてすみません。本当はまきりんぱなのお泊まり会ほのぼのを書こうと思っていたのですが...気付きましたら。
皆様、パンツは食べ物ではありません!用量用法を守って楽しく利用してください。
それでは、ありがとうございました。
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