やよい「言わせゲーム……って?」
伊織「なによそれ? 聞いたことないわよ」
亜美「んっふっふ→。このゲームを知らないとは、やよいっちもいおりんもまだまだですな→」
やよい「あぅ……そうなの?」
伊織「もったいぶってないで、さっさとルールを言いなさいよ」イラッ
亜美「よかろう! ルールは簡単……それぞれが「NGワード」を設定して、それを兄ちゃんに言わせた人が勝ち! 簡単でしょ?」
伊織「なんだ、簡単じゃない。それってゲームになるの?」
亜美「ただしNGワードはもう決めてあるから、このクジを引いてくれたまえ! さぁさぁ!」スッ
伊織「ムダに準備いいわね……」スッ
やよい「じゃあ、さっそく……」スッ
亜美のNGワード → >>2
伊織のNGワード → >>3
やよいのNGワード → >>4
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そうだよ
バカじゃないの
うっうっうー
亜美「さてさて、亜美のNGワードは……【そうだよ】!」
伊織「……【バカじゃないの】ね」
やよい「わ、私のは【うっうっうー】って書いてあります……」
伊織「ちょっと! NGワードの難易度が露骨に偏ってるじゃない!」
亜美「そんなのたまたまだYO! 亜美は残ってるやつ引いたんだもん」
伊織「ぐぬぬ……」
P「ただいま戻りましたー」ガチャッ
亜美「お、ちょうどイイところに帰って来ましたな! 負けた人は罰ゲームだから、そこんトコよろよろ→♪」
やよい「ええっ!?」
伊織「ハァ!? そんなの聞いてないわよ!」
亜美「それじゃあゲームスタ→ト!」
(せっせこ書き溜め中です。もう安価はないのでご安心ください)
亜美「兄ちゃんおかえりー!」トテテ
P「お、亜美か。ただいま」
亜美「お仕事お疲れさま! 疲れたでしょ?」
P「ははっ、そうだな。だけど弱音を吐いてもいられないよ」
亜美「もしかして兄ちゃん、今日は車でお仕事行った?」
P「ああ。それがどうかしたか?」
亜美「いやいや、そ→だよね~。兄ちゃんだって、いつまでも若くないもんね~」
P「なんだそりゃ……?」
伊織(くっ……亜美は「そうだよ」って肯定させるだけでいいから、質問攻めにしてればいつかは言わせられる……!)
伊織(こんなしょうもないゲームでも、負けるのは癪だわ。どうにかして「バカじゃないの」って言わせないと)
やよい(あぅぅ……「うっうっうー」なんて言ってる人、聞いたことないけど……どうやったらいいんだろう!?)
伊織「……バカじゃないの」ボソッ
P「え?」
亜美「……?」
伊織「おかえり、プロデューサー♪」ニコッ
P「あ、ああ……ただいま。伊織、いま、なんて……?」
伊織「あら、なんのことかしら?」ニコニコ
P「いや、今、小声で……バk」
亜美「バカじゃないのって言ったよね!!!」クワッ
伊織「……ちっ!!」
P「お、おう……?」
亜美(言わせるんじゃなくて、「聞き返させる」とは……なかなかやりますな、いおりん……!)
やよい(そっか、その手が……! 伊織ちゃんすごい!)
伊織(ふん……妨害がアリなら、こっちも容赦しないわよ?)
やよい「プロデューサー、おかえりなさい!」
P「ただいま、やよい」
やよい「さっそくですけど……いつものアレ、やってもいいですか?」スッ
P「ああ、アレな」スッ
やよい「ハイ、ターッチ! いぇい!」パチン
やよい「うっうっうー! 元気がいっぱい出てきました!」
P「んん?」
やよい「どうかしましたか?」
P「なんかいつもより、多くないか?」
やよい「な、なんのことですかっ? なにがですか?」
P「いや、だから……」
亜美「兄ちゃん! まぁ立ち話もなんですから、ソファにどうぞ!」グイグイ
P「うん? そうだな、とりあえずカバンを置いてくるよ」スタスタ
やよい「あぅ……」
伊織「露骨に妨害してんじゃないわよ、亜美」
亜美「ふっ……いおりんが上級者だから、亜美も本気で行かざるを得なくなっちゃったのさ……」
やよい「いきなりゲームが終わっちゃうかと思って、びっくりしちゃった」
伊織「やよいもなかなかだったわよ」
やよい「えへへ」///
亜美「言い忘れてたけど、亜美たちが『言わせゲーム』をやってるってバレたら負けだからね? あと、自然に言わせないとダメ」
伊織「ま、そうじゃないとゲームにならないものね」
やよい「あんまり不自然にならないようにしないと……」
亜美「あと、罰ゲームは……じゃあ兄ちゃんのほっぺにChu→ね! それから今日1日ず~っと甘えなきゃいけない!」ビシッ
伊織「んなっ……!?」///
やよい「ヴぇえっ!?」
伊織「そ、そんなことできるわけないでしょ!?」///
亜美「またまたいおりんってば~。竜宮小町で兄ちゃんと会えなくて、さびしいんじゃないの~? むしろこれはチャンスかもよ~?」
伊織「な、なに言って……! それを言うなら、むしろ―――」
やよい「あ、プロデューサーが戻ってきたよ?」
P「3人とも、もう仕事は終わったんだよな? 今日は確か、写真撮影だったか」
亜美「うん! ばっちしキメてきたよ!」
伊織「……こ、この伊織ちゃんを撮影できるなんて、名誉なカメラマンだったわね」
やよい「半目になっちゃわないように気をつけました!」
P「そっかそっか、頑張ってくれたみたいだな。そんな3人にお土産だ」スッ
亜美「あっ、シュークリーム!」
やよい「わぁ~!」///
伊織「これ、どうしたのよ?」
P「ふふ、それはだな……」
亜美「あっ、当ててあげる! お仕事相手の人にもらったんでしょ!」
P「正解だ。この前のケーキ屋さんが、アイドルのみんなにあげてくれだってさ」
亜美「もしかして、新作だったり?」
P「よくわかったな。その通りだ」
亜美(なかなか「Yes」のボキャブロリーが豊富だね兄ちゃん!)
伊織(露骨に「そうだよ」を狙いに行くわね、亜美……!)
亜美(んっふっふ~、いおりんとやよいっちのNGワードは、日常会話の中では誘導できないっしょ!)
伊織(とにかく亜美に喋らせ続けるのは危険ね。……ここは恥を捨ててでも仕掛けないと!)
やよい(シュークリーム、シュークリーム♪)ニコニコ
伊織「あーん」
P「……伊織?」
伊織「プロデューサー、手が汚れるのがイヤだから、アンタが私に食べさせて」
P「ええっ!?」
亜美「!?」
やよい「!」
伊織「ね、いいでしょ?」
P「き、急にどうしたんだ伊織?」
伊織「なにが?」
P「いつもの伊織らしくないじゃないか、そんなこと言いだすなんて」
伊織「あら、私はいつもアンタに、と~っても優しい言葉をかけてるじゃない?」
P「そ、そうか? むしろ辛辣な言葉の方が多いような……」
伊織「心外ね。今日だって、ひどい言葉なんて一回も言ってないでしょ?」
P「いや、ついさっき小声で―――」
亜美「いっただきまーす!」ヒョイッ パクッ
P「あっ! わかってると思うが、一人一個までだからな?」
亜美「は~い!」ニヤリ
伊織「……ふん」
P「どうだ、美味しいか?」
やよい「す~っごくおいしいですー!」///
P「ははっ、それはよかったな。先方にもそう伝えておくよ」
やよい「うっうー! あ……うっうっうー!!」
P「うん? やよい、さっきからそれはどうしたんだ?」
やよい「そ、それって……?」
P「なんか、いつもより一回多いからさ」
やよい「あぅ、あの、えっと……それだけすっごくおいしくてうれしいってことです! プロデューサー、ありがとうございます!」ガルーン
P「そんなに喜んでもらえて、俺も嬉しいよ」ニコッ
やよい(うぅ、むずかしいなぁ……もうちょっとなのに。どうしたら「うっうっうー」なんて言ってくれるんだろ)
亜美「それにしても、ほんとに美味しいね! 美味しすぎて涙ちょちょぎれちゃうYO!」
P「あはは、そんなにか?」
亜美「うん! あれ、あの歌みたいに!」
P「あの歌?」
亜美「え~っと、なんだっけ? 歌い出しは、『ふ~るい~、ア~ルバム~、め~くり~♪』」
P「ああ、それは―――」
やよい「『涙そうそう』だよね?」
亜美「…………うん、そうだよ」
伊織「……!!」ハッ
伊織(あ、危なかった……! 涙そう『そうだよ』って言わせるつもりだったのね!!)
亜美(ちぇっ、もうちょっとだったのに……やよいっちは妨害なんてしないと思うから、今のは天然かな)
やよい(お母さんが好きな歌なんだよね、涙そうそう)ニコニコ
P「あ、それで伊織。ほんとにシュークリームは俺が食べさせるのか?」
伊織「……やっぱりいいわ。今帰ってきたばっかりのアンタの手のほうが汚いかもしれないし」
P「たしかにそれはそうかもしれんな……」
伊織「ねぇ、ところで……私はアンタのことを「バカ」だと思ってるか「頼れるヤツ」だと思ってるか、どっちだと思う?」
P「え? それは……「バカ」じゃないか?」
伊織(……惜しい)
亜美(あ、あぶなっ!? 「バカじゃないのか?」って言われてたら終わってた……!)
P「伊織?」
伊織「あ……。ま、まぁ、たまには頼りになるって思ってるかもね。ふんっ」
P「!」
伊織「ほ、ホントに、たま~になんだからね!」
P「そっか、ありがとな伊織。もうちょっとそう思ってもらえるように頑張るよ」ニコニコ
伊織「な、なによ……へらへらしちゃって」///
亜美「ね→ね→、兄ちゃんって寝相がいいタイプ? それともすっごい寝相悪いタイプ?」
P「え? いや、普通だと思うけど……」
亜美「ん~、ど→だろね~。寝相って、自分ではわかんないから」
P「まぁな。でもうちのお袋が言うには、俺は死んだように静かに寝てるそうだぞ」
亜美「……そうなんだ」
亜美(くぅ……兄ちゃんってば、しぶとい!)
伊織(亜美の場合は「~だそうだよ」って言わせてもいいのね……やっぱりお題からして私たちは不利だわ)
伊織(もっと積極的に攻めて行かないと……!)
伊織「……ねぇ、プロデューサー」
P「うん? どうした?」
伊織「プロデューサーは、私と話してると嫌な気分になる……?」
P「おいおい、なにを言いだすんだ急に?」
伊織「いつもアンタのこと、「バカじゃないの」なんて言っちゃうから、もしかしてって……」
P「そんなはずないだろ? そりゃ最初は面食らったけど、でもそういうところも伊織らしさじゃないか」
伊織「……ほんと? 「バカじゃないの」とか言っても、怒ってない?」
P「怒ってないよ。バカじゃないかとか言われたくらいじゃ、俺たちの関係はどうもならないさ」
伊織「そ、そう。……ねぇ、今の嬉しかったから、もっかい言ってくれない?」
P「え? あ、ああ……バカだって言われても、そんなんじゃ俺たちの関係はびくともしないよ」
伊織「……ありがと」
伊織(もっかい言わせたらポロッと言ってくれるかもって思ったけど、むしろ遠くなっちゃったじゃない……)
伊織(……あと、やけに真剣に答えてくれるせいで、なんか胸が痛むわ……)
亜美(むむ……真面目トーンで話すことで、亜美の妨害を防ぐとは……やるね、いおりん)
やよい(やっぱりプロデューサーはやさしいなぁ……)///
やよい(あっ、わ、私もなにか言わないと……! えっと、「う」から始まる言葉で、どうにかして……)
やよい「えっと、えっと……う、う、うぅ~……」
P「どうかしたか、やよい?」
やよい「はわっ!? あ、いえ、「う」から始まる言葉を考えてたんです」
P「……「う」から始まる言葉? しりとりでもしてるのか?」
やよい「あ、そ、そんなカンジです! さっき終わったんですけど、どうしても思いつかなくって……! あっ、「動物しりとり」してたんですけど!」
P「う~ん、動物か……牛、馬、ウサギ、ウグイス……あとは……う~ん、う、う……」
やよい「!」
亜美「!」
伊織「!」
P「いやぁ、だめだ。これくらいしかパッと思いつかないな」
やよい「あぅ……そうですか」
P「力になれなくてごめんな」
やよい「いえっ、ありがとうございました!」ガルーン
やよい(もしかしたら言ってくれるかもって思ったけど、やっぱりだめかぁ……)
亜美(ちょっとヒヤッとしたね……「うっうっうー」にそんな言わせ方があったとは。やよいっちもなかなかのヤリ手だね!)
伊織(もうそろそろ、誰が勝ってもおかしくない頃合いかしら……)
亜美(んっふっふ~、そろそろいいかな)
伊織(ここまで来たら、本気で行くしかないわね)
亜美(終わりにするYO……!!)ニヤ
伊織(勝負をかける……!!)キッ
やよい(おなかへった……!!)グゥ
P「あれ? なんか紙が落ちてるぞ」ヒョイ
亜美「え……あっ!!!」
P「【そうだよ】って書いてあるな……」
亜美「うあうあ~、返して兄ちゃん!」
P「あれ? これってもしかして、こないだ真美が響たちとやってたあの遊びか?」
亜美「!」ギクッ
P「ははぁ、なんか3人の様子がおかしいと思ったら、そういうことだったのか」
伊織「……亜美~? このゲームをやってることがバレたら……どうなるんだったかしら?」ニヤ
亜美「ぐ、ぐぬぬ……!」
亜美「……兄ちゃん」ユラッ
P「どうした亜美? っていうか、罰ゲームってなんだ?」
亜美「えいっ!」ギュッ
P「うおっ!?」
チュッ
P「!」
亜美「~~~っ」/// カァァ
伊織(ほ、ほんとにやるの!?)///
やよい(わぁ……!)///
亜美「こ、これと、あと今日1日、兄ちゃんに甘えるのが……罰ゲーム」///
P「お、おいおい……ほっぺたにとはいえ、アイドルが罰ゲームでキスするんじゃない」
亜美「イヤだった?」
P「そんなことないが……」
亜美「……じゃあ、このまま甘えるから」ギュゥ
P「……」ポンポン
伊織「……そんなの見せられるなんてたまったもんじゃないわ。やよい、あっち行ってましょ」グイッ
やよい「え? う、うん……」
伊織(まったく、なにが「竜宮小町で兄ちゃんと会えなくて、さびしいんじゃないの」よ)
やよい「うっうっうー♪ 勝てて良かったね、伊織ちゃん」ニコッ
伊織「……ほんとに亜美は、勝つ気があったのかしらね?」
やよい「え?」
伊織(はぁ……とんだ茶番に付き合わされちゃったわ)
伊織「これこそ、「バカじゃないの」、よ」
P「なぁ、亜美」
亜美「なぁに、兄ちゃん?」
P「これは真美にも言ったことだが……こんなことしなくても、俺は好きなだけ甘やかしてやるからな」ポンポン
亜美「……んっふっふ~。兄ちゃんにはなんでも御見通しですな→」
P「そうだよ。お前たちのことならな」
亜美「えへへ」///
おしまい。
これで終わりです。読んで下さった方はありがとうございました。
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