ハギヨシ「役得ですから」咲「そ、そうですか///」 (29)

龍門渕邸

咲「ツモ、嶺上開花。1600・3200です」

純「またかよ…」

一「やっぱ宮永さんは凄いなぁ」

衣「当然だ!何たって咲だからな!」

純「何でお前が威張ってんだよ」

咲「あ、あはは…」

智紀「次は私も入りたい」

咲「あ、じゃあ私抜けますね。ちょうどお手洗いに行きたかったですし」

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・・・

智紀「宮永さん、随分と遅い…」

純「きっと大きい方なんだろうよ」

一「純くんはそういうデリカシーのない事言わないの!」

衣「まさか迷っているのではなかろうな」

透華「その可能性もありますわね。…ハギヨシ」パチン

ハギヨシ「はっ」シュン!

透華「宮永さんを探してきてちょうだい」

ハギヨシ「かしこまりました、お嬢様」スッ

一「…いつもながら神出鬼没な人だなぁ」


・・・

咲「ここ、どこぉ…」キョロキョロ

咲「おトイレに辿りついたのは良かったけど、帰り道が分からなくなっちゃったよ」

咲「ど、どうしよう…」ウルッ

ハギヨシ「こんな所にいらっしゃいましたか」シュン!

咲「はわわっ!?」ビクッ

咲(い、今突然執事さんが目の前に現れたよ!!)

ハギヨシ「これは失礼しました。驚かせてしまいましたね」

咲「あ、い、いえっ」

咲「あの…もしかして私を探しにきてくれたんですか?」

ハギヨシ「はい。いかにも」

咲「助かりました。ちょうど迷ってたところだったので…」ホッ

ハギヨシ「このお屋敷は広いですからね。無理もありません」

ハギヨシ「では皆様心配されてますので戻りましょう」

咲「はっ、私かなり皆さんをお待たせしちゃってますよね。早く戻らないと!」アセアセ

ハギヨシ「あ、そんなに急ぐと危な…」

咲「きゃあっ!」ズデン!

ハギヨシ「宮永様!」

咲「い、いたぁ…」

ハギヨシ「大丈夫ですか?どうぞお手を」スッ

咲「あ、ありがとうございま…つぅっ!」

ハギヨシ「どうされましたか?」

咲「足をひねってしまったみたいで…」

ハギヨシ「それはいけませんね。失礼」ダキッ

咲「ひゃっ!?」

ハギヨシ「無理に歩くとさらに足を痛めますから」

咲(うう、姫抱っこされちゃったよぅ///)

ハギヨシ「それでは戻りましょうか」

咲「はい…、ご迷惑おかけします…」

ハギヨシ「お気になさらず」

咲「あ、あの…重くないですか?私」

ハギヨシ「いえ。むしろ軽くて驚いてますよ」ニッコリ

咲「あ、そ、そうですか///」カアッ

咲(至近距離に執事さんの麗しいお顔が…///)ドキドキ



衣「咲。やっと戻ったか」

純「ん?何で萩原さんに抱っこされてんだ?」

ハギヨシ「宮永様は足を負傷されてしまわれましたので」

一「ああ、成るほどね。大丈夫?随分と遅かったから心配したよ」

咲「はい。あの、ご心配おかけしました」

透華「じゃあ今日はこの辺でお開きにしましょうか」

一「そうだね。宮永さんの怪我も心配だし」

咲「すみません皆さん。今日はどうもお邪魔しました」ペッコリン

衣「またなー咲」

透華「ハギヨシ、宮永さんを家まで送ってさしあげて」

ハギヨシ「かしこまりました」

咲「ええっ!?わ、私一人で大丈夫ですから!」アセッ

純「マジで大丈夫か?よろよろしてんぞ」

咲「ほらっ、もう一人で歩けま……きゃあっ!」ズデン!

一「……とりあえず全然大丈夫でないことは分かったよ」

ハギヨシ「宮永様、再び失礼いたします」ダキッ

咲「はわわっ!?」

ハギヨシ「それでは参りましょうか」

咲「うう、何度もご迷惑おかけしちゃってすみません///」カアアッ


咲さん家

ピンポーン

界「はいはい誰ですか~っと…」ガチャ

咲「た、ただいまお父さん///」←ハギヨシに抱っこされ中

界「」

ハギヨシ「ではゆっくり下ろしますね、宮永様」

咲「は、はい…」ストン

咲「あの、送って頂いてどうもありがとうございました!」

ハギヨシ「いえいえ。それでは私はこれで」シュン!

咲「消えたっ!?……やっぱり執事さんって謎だなぁ」



界「うう、手塩にかけて育てた娘に謎の男の影が……」シクシク

二週間後

衣「咲がトイレから戻ってこない」

純「またかよ…どんだけ方向音痴なんだ」

透華「ハギヨシ」パチン!

ハギヨシ「はっ。探して参ります」シュン!



咲「ここ、どこぉ…」

ハギヨシ「宮永様」シュン!

咲「あ、萩原さん!」パアアッ

ハギヨシ「っ!」ドキッ

咲「良かったぁ、私また迷子になっちゃって…」ウルウル

ハギヨシ(そんなに無防備に見つめられると…何故だか妙な気分になってきますね)

ハギヨシ「……それでは皆のところへ戻りましょうか」

咲「はいっ」

咲「急いで戻りま……きゃあっ!」ツルッ

ハギヨシ「おっと!」ガシッ

咲「あ、ありがとうございます…」

ハギヨシ「ふふ。本当にあなたは目が離せませんね」ダキッ

咲「えっ…わわっ!?」

咲「あのっ、私一人で歩けますから!だから降ろしてくださ…」アセアセ

ハギヨシ「私がこうしたいのです。それとも宮永様はお嫌でしょうか?」

咲「えっ…い、いえ、嫌ってわけじゃ…ないです、けど///」

ハギヨシ「そうですか。それは良かった」ニッコリ

咲「っ///」カアアッ

衣「あー、また咲がハギヨシに抱っこされてる!」

純「なんだ?また足をくじいたのか?」

咲「い、いえ。今日はそういうわけでは…///」

一「じゃあ何で抱っこされてるの?」

咲「えっと…そ、それはその…///」

ハギヨシ「それは秘密です」ニコッ

純「何でだよ!?」

ハギヨシ「それでは宮永様。(名残惜しいですが)下ろしますね」

咲「えっ、あ、はい」ストン

咲(ほっ…これ以上萩原さんと密着してたら心臓が持たないよ///)ドキドキ

咲「あのっ!私そろそろ家に帰りますね」

衣「なんだ、もう帰ってしまうのか咲」

智紀「結局今日も宮永さんにリベンジならず…」

純「こいつに勝つなんて一生無理そうだけどな」

透華「ハギヨシ。宮永さんを送ってさしあげ…」

咲「い、いえっ。たびたびそんなご迷惑はかけられないです!」アセッ

咲「今日は一人で帰れますからっ!じ、じゃあっ!」ガチャ、バタン!


一「なんか慌てて帰っちゃったね」

純「でもあいつ一人で大丈夫か?また迷子になりそうな気がプンプンするぜ」

ハギヨシ「…」ソワソワ

衣「どうしたのだハギヨシ?随分と落ち着かない様子だが」

ハギヨシ「…いえ。そのようなことは…」

一「(ははーん)ねえ萩原さん、もしかして宮永さんが気になるんじゃ…」

ハギヨシ「!!」

衣「そうなのか?ハギヨシ」

ハギヨシ「……」

透華「なら執事としてではなく、あなたの意思で行動してもよろしいのですわよ。ハギヨシ」

ハギヨシ「……お嬢様、感謝いたします」

ハギヨシ「それでは御前を失礼します」シュン!

一「わっ!…何度見ても萩原さんの瞬間移動は慣れないなぁ」

智紀「あれはきっと忍者の末裔…」

純「ホントかよ…」

・・・

咲「うう、ここどこ…」ウルウル

ハギヨシ「宮永様!追いついて良かった」シュン!

咲「萩原さん!?どうしてここに!?」

ハギヨシ「またあなたが道に迷っていないか心配でしたので」

咲「はぅ…す、すみません…何度もご迷惑を…」

ハギヨシ「…いえ。正直に言いますと、もっとあなたと一緒にいたかったからなんです」

咲「えっ…」

ハギヨシ「宮永様。よろしければ帰宅までの間、私とご一緒していただけますか?」

咲「っ///」カアッ

咲「あ…萩原さんさえ良ければ、その…こちらからお願いしたい、です///」

ハギヨシ「…ありがとうございます。宮永様」

ハギヨシ「それでは失礼」ダキッ

咲「ひゃあっ!?」

ハギヨシ「では参りましょうか」スタスタ

咲「は、萩原さんっ!?どうして抱っこするんですかっ!?」

ハギヨシ「どうしてでしょう…何というか、すっかりクセになってしまいまして」

咲「ええっ!?」

ハギヨシ「宮永様が嫌だと言われるのでしたら下ろしてさしあげますが」

咲「…ずるいです萩原さん。私、嫌じゃないって前にも言いました///」

ハギヨシ「すみません。あなたにそう言ってほしかっただけなんです」

咲「…っ///」カアアッ

ハギヨシ「ふふ。お顔が真っ赤ですよ」

咲「あ、あまりからかわないでください///」

ハギヨシ「すみません。嬉しくてつい」

咲「…私も、萩原さんにこうされるの…嬉しいです///」

ハギヨシ「ふふ。それは光栄です」

・・・


・・・

全国大会 清澄高校控え室

和「ただいま戻りました」ガチャ

まこ「おう。ご苦労さん和」

優希「いよいよ決勝戦最後の大将戦だじぇー!!」

久「さあ、思う存分暴れてらっしゃい咲!!」

咲「はいっ!行って来ます!!」



咲「……って意気込んで出てきたのはいけど、ここどこぉ」プルプル

咲「い、急がないと試合始まっちゃう……きゃあっ!?」ズデン!

咲「うう、また足くじいちゃったよ…」

ハギヨシ「宮永様!」シュン!

咲「えっ、萩原さん!?どうしてここに…」

ハギヨシ「愛の力です」ボソッ

咲「えっ、今何か…?」

ハギヨシ「いえ。何でもありません」

咲「あの、いつもご迷惑おかけしちゃってすみません…」

ハギヨシ「いえ。役得ですから」ニッコリ

咲「えっ…そ、そうですか///」カアア

ハギヨシ「それでは急ぎましょう」ダキッ

咲「あ……はいっ!」



淡「むー、清澄遅いー」

穏乃「ほんと、どうしたんでしょうね?」

恭子「まさかこの私に恐れをなして敵前逃亡やなかろうな?」イーッヒッヒッヒ

咲「お、遅れてすみませんっ!!」バターン!


穏乃「あっ、来ましたね。宮永さん」

淡「おっそーい!!……って」

恭子「な、何やねんあれ…」


咲「皆さんごめんなさい。迷子になっちゃいまして…」←ハギヨシに姫抱っこされ中


恒子「おおーっと!!清澄の宮永選手、謎のイケメンに抱っこされながらの入場だあー!!」

健夜「ナニアレウラヤマシイ」

ハギヨシ「では下ろしますね」ストン

咲「ありがとうございます萩原さん///」

ハギヨシ「いえ。それでは試合頑張ってください」ニコッ

咲「…はいっ!!」


淡「なになに、彼氏のいない私への当てつけってわけ!?」ゴゴゴゴゴ

恭子「くそう宮永め、ちょっと男がいるからって見せつけよってからに…」ゴゴゴゴゴ


淡・恭子・健夜「「「ぶっつぶす!!!!!!」」」

咲「!?」ゾクッ


穏乃(ラーメン食べたい)

純「おーおー、見せつけてくれんなぁ」

智紀「でもあの二人、まだ付き合ってない模様…」

純「マジかよ!?」

透華「まあ、何をぐずぐずしているのでしょうハギヨシは」

衣「しかしヤバイぞ咲。モニター越しでも分かる奴らの魑魅魍魎ぶり…」ゴクリ


咲(この大会が終わったら伝えよう、萩原さんに)

ハギヨシ(この大会が終わったら伝えましょう、宮永様…いや咲に)


咲・ハギヨシ「「待っていてください、萩原さん(咲)」」


カンッ!

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