魔王「痛いのは嫌だし新聞紙で勝負だ」勇者「おう」(19)

魔王「ほら、貴様の分」

勇者「悪いな。風船とヘルメットまで」

魔王「フフ、その風船には小麦粉が詰まっているのだ!」

勇者「なるほど、負けれないな」

魔王「一応ゴーグルもつけるがいい」

勇者「おぉ、悪いな」


魔王「魔法はなしだからな!」

勇者「勿論。さ、いくぞ魔王!」グッ

魔王「クハハ、この魔王の恐ろしさを骨の髄まで味あわせてやるわ!」グッ


勇者「ほっ、とう、おりゃ!」パシッパシッ

魔王「おっ、この、とうっ!」ペシッパシッ

勇者「おらっ!」ヒュッ

魔王「ぬぉっ、やるな!」ヒュッパシッ

勇者「あぶね! このっ!」ヒュッ

魔王「痛い! 顔は無し!」

勇者「スマン、当たった」

魔王「なかなか粘るな、人間」

勇者「お前こそ……しつこいぞ!」ヒュッ

魔王「ぬわっ、この!」パシッ

勇者「痛っ!」

魔王「スマン、顔に当ててしまった」


魔王「クッ、我の剣が……」フニャッ

勇者「俺のもヤバイな……」フニャッ

魔王「一時休戦といこうか、勇者よ」

勇者「やむを得ないな」

魔王「あっちにコタツがあるからそこで休むか」

勇者「む、いいな」


魔王「……」ヌクヌク

勇者「……」ムキムキ

魔王「我にも一つくれ」

勇者「ん」ポイッ

魔王「ありがとう」ムキムキ

魔王「うわ酸っぱ……おのれ勇者」

勇者「いや、知らんがな」ムキムキ

魔王「おい、白い筋も食え」

勇者「どうも苦手でな」

勇者「そういや、いつ再開するんだ」ゴロゴロ

魔王「夕刊が来たら再開だ」グテー

勇者「そうか……」

魔王「餅焼くが、何個いる」

勇者「三つ」グテー

魔王「遠慮を知れ、遠慮を」

魔王「きな粉か砂糖醤油か」

勇者「二つ砂糖醤油で一つきな粉で」

魔王「貴様、皿を分けなければいけないじゃないか」

勇者「すまんな」

魔王「ココアはいるか」

勇者「もらうよ」


魔王「ほれ、喉につめるなよ」

勇者「おお、ありがとう」

魔王「ふぅ……」

勇者「おい、足をからめるな」

魔王「狭いんだから我慢しろ」



勇者「んー、夕刊きたんじゃないのか」グテー

魔王「……」グテー

勇者「おーい、いってこいよ」

魔王「……じゃんけん!」

勇者「お、よしいいぞ」



魔王「うぅ、寒い……」

勇者「お疲れぃ。夕刊きたしやるか」

魔王「寒い」

勇者「確かにな。やめるか」

勇者「しかし決着をつけなければな」グテー

魔王「うむ」ゴロゴロ

勇者「……じゃんけんで」

魔王「うむ」

勇者「いくぞ、じゃんけん!」

二人「ぽん!」

そして勇者は勝利し、魔物による恐怖から人々は解放された。
しかし勇者が帰ってくることはなく
、伝説となり語り継がれていった


終わり

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