【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその11】 (565)
このスレはスレタイ通り
ブラック・ブレットを安価で生き残っていくスレです
基本的にコンマと安価で進めていく
選択肢を出してそこから選んでもらう感じですが
選択肢の中には自由安価があります
自由安価は脈絡のないもの、不自然なものは却下させていただく場合があります
現在、安価の連続取得(コンマは除く)は禁止になっています
基本的なシステムなどは全て【http://goo.gl/5Gbakx】このsswikiに
前スレ
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその10】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその10】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415020836/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその9】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその9】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411994317/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその8】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその8】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409657453/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその7】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその7】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406902821/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその6】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその6】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404917815/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその5】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその5】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403779440/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその4】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその4】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403011652/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその3】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその3】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402494977/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその2】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその2】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401897044/)
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れ】
【安価で】ブラック・ブレット【生き残れ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401004642/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417095338
────────────────────────────────────────
交友関係(好感/信頼 相手からの印象) 3ヶ月目 11日目 現在
山科 陽羽 (111/117 大好きだよ) 交流+2 交流+1
山科 憩 (70/78 信頼する家族かな) 交流+1
山科 真希 (74/74 お義母さん?) 交流+1
山科 真望 (73/73 お義母さん?) 交流+1
山科 香織 (26/26 無茶っ子ね) 交流+1
川原 瑞穂 (15/15 お義母さんです) 交流+1
天童 木更 (22/23 排除すべき敵だわ)
里見 蓮太郎(56/55 俺が守る。だから安心しろ) 交流+0 会話+3/+2
藍原 延珠 (28/30 妾の第六感が……むむっ) 交流+1
司馬 未織 (51/46 大事な親友やね) 交流+1 誘い+2/+1 交流+3
巳継 悠河 (63/60 僕の第六感が囁きます……邪魔者がいると)
室戸 菫 (23/24 仕事仲間だね)
千寿 夏世 (09/09 その他のプロモーターです)
伊熊 将監 (07/07 普通だな)
蛭子 影胤 (24/25 我が友の遺した娘だ。丁重に扱うよ)
片桐 玉樹 (16/14 姐さんっす)
片桐 弓月 (09/09 その他の民警よ)
壬生 朝霞 (07/14 実力は認めます)
聖天子(57/59 たった一人の私的関係者)
ティナ(15/15 保護者……ですね) 交流+1
斉武 宗玄 (50/40 東京エリアなんぞには勿体無い)
序列:363番 所持金 2802.7万円(1800万使用予定) 外周区土地(75坪)
────────────────────────────────────────
悠河「……僕も探します」
花菜「でも」
悠河「僕のせいですし……それに、一人でこのお店は辛いですから」
苦笑した巳継くんは
ほんの一瞬で支度を済ませると
店員の人にすみませんと一礼して店を出ていき
私も後に続いてお店を出て行く
なんの注文もしなかったのが幸いだったかしらね……
花菜「……見つけたらすぐに連絡をくれる?」
悠河「解りました」
花菜「じゃぁ、私はこっちに行くから」
悠河「……はい」
巳継くんは少しだけ反省の色を見せながら頷き
私とは反対側に身を翻す
花菜「……悪いけれど、よろしくね」
悠河「了解です、山科さん」
安価下コンマ判定
135花菜
79 悠河
2 香織
4 未織
6 影胤
8 小比奈
0 蓮太郎
→悠河
陽羽「……馬鹿はどっちなんだろーね」
こんなのはただの我侭だって解ってるし
言ったって仕方がないことだってことも解ってる
でも、
あのキスしてる光景が切れかけの電球みたいに
頭の中で何度も点滅して……存在を主張してくるのにイライラして
それ以上にモヤモヤして
陽羽「陽羽がどうこう言うべきじゃないっていうのは解ってるよ……でもさ」
どうしても気に入らないんだから仕方ないじゃん
陽羽は女の子で、花菜は同性で
家族で、お姉ちゃんで、お母さんみたいな存在だって
頭では理解してる
陽羽「でもさ……悠河」
悠河「……………………」
陽羽「頭では理解できても、心が納得するとは……限らないじゃん」
レストランからだいぶ離れた路地の裏手
振り返れば憎くて仕方がない悠河がいて
それでも構わずに続ける
陽羽「……仕方がない、諦めよう。そう考えてもさ。ふざけるなって思うんだ」
悠河「僕に話す意味はあるのかい?」
陽羽「……意味の有無は終わらなければ付けられないよ。悠河」
悠河「……そうだね」
悠河は手に持っていた携帯電話をポケットにしまうと
苛立たせる余裕の表情をかき消して黙り込む
……聞く。ということらしい
陽羽「……悠河はどう? 仕方がない、諦めよう。それで心は納得する? しないよね? してたらあんなに執拗に迫らない」
悠河「そうだね……僕も納得できない」
陽羽「私も言った通りそんな心でさ……すごく、辛いんだよ。本当に」
悠河「……あれほど親密な関係なのに?」
陽羽「だからこそだよ。だからこそ……辛いんだ。苦しいんだよ。悠河」
理解できていなさそうな悠河の顔を見上げながら
自分でもわかるくらいに酷く乾いた笑い声を漏らす
陽羽「私達は家族なんだ。そして、同性なんだよ……わかるよね?」
なんでもさせてくれる、なんでもしてくれる
怒ったりなんだりせず……ただただ、望みのままに受けてくれる
でもそれは……
どれだけ思っても、願っても、望んでも
陽羽「私達は家族でしかないんだよ。母親と娘あるいは姉と妹。それ以上にはなれないんだ」
悠河「………………」
陽羽「……その一方で悠河は花菜を愛せるし、私にはなれない関係になることができる」
そしてそれは
陽羽「私から……私たちから、花菜を奪い去っていく」
悠河「……かもしれないね」
陽羽「だから私は悠河が嫌い……自分でも醜いほどの嫉妬だよ。僻みだよ。妬み、逆恨みだよ」
そんなこと解ってる
汚くて、醜いものだって理解してるよ
陽羽「でもさ……怖いんだもん……仕方ないじゃんっ! また家族奪われるなんて、また、0になるなんて……嫌に決まってるじゃん!」
悠河「…………………」
陽羽「悠河の相手なんていくらでもいるじゃん! 誰とだって……永遠を誓えるじゃん!」
なのに……なのに――ッ
陽羽「なんで、なんで花菜に拘るのさ……私から奪わないでよッ! お願いだからッ! これ以上……私達の関係を裂こうとしないでッ!」
中途半端ですがここまでにします
ありがとうございました
陽羽と悠河の会話
終わりまで安価は挟まないと思います……そしてもう少し続きそうです
とりあえず8巻が出そうにないので既に突入してますが
オリジナル要素を詰め込んでいくことになります
なので、今回のように花菜以外の視点での描写も挟んでいくことになるかもしれません
悠河「キミの言いたいことが分からないわけじゃない。僕だって、失いたくないものがあるからね」
陽羽「……目、だったっけ?」
悠河「そう。僕の見えるようになったこの目です」
クツクツと笑った悠河は
自分の右目を手で覆うと……だけど。と首を振る
悠河「だからといって山科さんを諦めたりはしませんよ」
陽羽「なんで?」
悠河「君は相手なんていくらでもいる。誰とだって誓える……と、言ったけれど、山科さんみたいな人が他にいると思ってます?」
陽羽「………………」
花菜みたいな人が他にもいるかと聞かれたら
いるかもしれない。なんて希望的観測は言えない
だって……あんないろんな意味で凄い人はそうそういないもんね
悠河「それに……僕はね。山科さんだから惹かれたんです。それ以外の女性には一切、興味はない」
陽羽「……どうしても?」
悠河「どうしても。です」
悠河はあいも変わらずな余裕の笑みを浮かべて頷く
花菜がいくら拒否しても
悠河は明べずにしつこく接触してくる
そして、ここまで言っても諦めたくないって言う
どうしたら諦めてくれるのか
なんてことは考えるだけ無駄だとすぐに破棄
陽羽「……実力行使で改めさせたいけど、花菜の事だからそれもできない」
悠河「でしょうね」
陽羽「気に入らない」
悠河「慣れてます」
陽羽「その余裕そうな態度がだよっ!」
キッと睨んでも悠河は余裕そうで
煽っているはずが煽られている気がして
虚しくなってため息をついてしまった
陽羽「……花菜のどこがそんなに好きなのさ」
私は自分の感覚だけど結構長く一緒にいるし
自分で言うのもなんだけど
その間のお母さんというか、お姉ちゃんというか
本当の家族みたいな触れ合い方に解されちゃって
気づいたら自分も本当の家族みたいに思ってて
大切なもの……という枠組みに収められないような存在になってて
陽羽「私は花菜の優しいところも、強いところも、何もかもが好きで……時々見せる弱い一面なんて本当……守りたい」
悠河「僕も山科さんの何もかもが好きですよ。本人が嫌っている後ろめたい部分も、そうでない部分も」
悠河は思いを馳せているような優しげな表情でどこかを見ながら
嬉しそうな苦笑を漏らす
……花菜、何したのさ
悠河「山科さんは嫌いなのかもしれませんが、山科さんのあの暗い部分と明るい部分がある限り、僕のような人達は必ず惹かれる」
悠河「山科さんのような淡い光は、眩しすぎる人達と比べて人が寄りやすい。と、僕は思う」
陽羽「どういうこと?」
悠河「眩しすぎる光を君はどう思う?」
陽羽「どうって……」
明るい。というのがごく普通の回答だろうけど
優雅が聞きたいのはそんなものじゃないだろうなぁ……と熟考
その結果導き出したのは
陽羽「……目に痛いし、熱い」
そんな答え
でも、悠河は満足そうに頷く
悠河「そうですね……その一方で淡い光は痛くもなければ熱すぎない。言い換えれば優しくて暖かい光」
陽羽「そういうことか」
真面目な表情で言う悠河の言葉を理解して
なるほどなと思う
眩しすぎる光には逆に近寄りがたく
淡い光……というのはあれだけどまぶしすぎない程よい光には近寄りやすい
ううん。むしろ、そっちを選ぶだろうね
陽羽「……精神的に疲れていたりする人なんかはなおさら。ね」
じっと悠河を見つめてみると
僕は違いますよ? と困ったように笑いながら否定する
……なんかいつもの余裕そうなのとは違う気がする
なんて思いながらも
その違和感を確実には突けずに思考を保留
陽羽「いずれにしても、花菜があのままでいる限り、人は山のように集うってことだよねー?」
悠河「……そうなりますね。経緯は違えど僕も似たような形で惹かれた……言わば一目惚れというものですよ」
陽羽「常識じゃ語れない……みたいなかんじなんだねー」
そんなことえで納得する気はないし、認める気もない
でも私の印象がどうであれ、花菜が決めることなのだから……
陽羽「こうなった以上陽羽は悠河の邪魔……するつもりはないけど、でも。譲る気はないから」
悠河「望むところです。里見くんにだって渡しませんよ……山科さんは僕が頂きます」
宣誓のように言い切った悠河は携帯電話を取り出して花菜を呼ぶ
それから数分もしないうちに花菜は私達のもとへ現れた
……私達の会話を何一つ知らない渦中の人物
花菜は誰か好きな人……いないんだよね?
前に聞いたときはいなかった……でも、少しずつ変化してる花菜のことだから
もしかしたら……なんて
不安になっていく頭を振って
もう平気だよ。ごめんなさい。と抱きしめてくる花菜に向かって囁いた
・夜を終了します
ここまでにします
このあと1日の集計して
それからはまた通常の花菜視点+安価に戻ります
悠河が花菜に惹かれた理由
なんとなくわかって頂ければな。と
────────────────────────────────────────
交友関係(好感/信頼 相手からの印象) 3ヶ月目 12日目 現在
山科 陽羽 (111/116 悠河を仲間にしたこと、後悔しないでね) 交流+1 悠河承諾+0/-1
山科 憩 (70/78 信頼する家族かな)
山科 真希 (74/74 お義母さん?)
山科 真望 (73/73 お義母さん?)
山科 香織 (26/26 無茶っ子ね)
川原 瑞穂 (15/15 お義母さんです)
里見 蓮太郎(56/55 俺が守る。だから安心しろ)
藍原 延珠 (28/30 妾の第六感が……むむっ)
司馬 未織 (51/46 大事な親友やね)
巳継 悠河 (69/65 山科さんは僕が手に入れる。絶対に) 交流+1 デート+3 承諾+2/+1
室戸 菫 (23/24 仕事仲間だね)
千寿 夏世 (09/09 その他のプロモーターです)
伊熊 将監 (07/07 普通だな)
蛭子 影胤 (24/25 我が友の遺した娘だ。丁重に扱うよ)
片桐 玉樹 (16/14 姐さんっす)
片桐 弓月 (09/09 その他の民警よ)
壬生 朝霞 (07/14 実力は認めます)
聖天子(57/59 たった一人の私的関係者)
ティナ(15/15 保護者……ですね)
斉武 宗玄 (50/40 東京エリアなんぞには勿体無い)
序列:363番 所持金 2802.7万円(1800万使用予定) 外周区土地(75坪)
────────────────────────────────────────
早速修正 陽羽がマイナスしかされてませんでした
────────────────────────────────────────
交友関係(好感/信頼 相手からの印象) 3ヶ月目 12日目 現在
山科 陽羽 (112/117 悠河を仲間にしたこと、後悔しないでね) 交流+1 悠河承諾+0/-1
山科 憩 (70/78 信頼する家族かな)
山科 真希 (74/74 お義母さん?)
山科 真望 (73/73 お義母さん?)
山科 香織 (26/26 無茶っ子ね)
川原 瑞穂 (15/15 お義母さんです)
里見 蓮太郎(56/55 俺が守る。だから安心しろ)
藍原 延珠 (28/30 妾の第六感が……むむっ)
司馬 未織 (51/46 大事な親友やね)
巳継 悠河 (69/65 山科さんは僕が手に入れる。絶対に) 交流+1 デート+3 承諾+2/+1
室戸 菫 (23/24 仕事仲間だね)
千寿 夏世 (09/09 その他のプロモーターです)
伊熊 将監 (07/07 普通だな)
蛭子 影胤 (24/25 我が友の遺した娘だ。丁重に扱うよ)
片桐 玉樹 (16/14 姐さんっす)
片桐 弓月 (09/09 その他の民警よ)
壬生 朝霞 (07/14 実力は認めます)
聖天子(57/59 たった一人の私的関係者)
ティナ(15/15 保護者……ですね)
斉武 宗玄 (50/40 東京エリアなんぞには勿体無い)
序列:363番 所持金 2802.7万円(1800万使用予定) 外周区土地(75坪)
────────────────────────────────────────
→13日目 朝 自宅
花菜「……ということで、彼が新しい仕事仲間の巳継くん」
悠河「よろしくお願いします」
真希「お隣さんだね」
真望「学校にも来てたよね」
ティナ「そう、なんですか?」
憩「ティナ……いなかったっけ?」
各々が好き勝手に話し始める中
お姉ちゃんはじぃっと巳継くんを見つめて首を傾げる
でも、特に変わったことはなく
普通によろしくねと返す
……お姉ちゃんの過去の記憶に引っかかった?
でも、巳継くんがそれらしい反応をしてないっていうことは
違う……のかしらね
まぁ、たとえそうでも絶望的と言われているし……あまり、期待はしていないけれど
花菜「巳継くん、うちの事務所について説明しておくわね」
悠河「お願いします」
花菜「まず、一番大事なお給料についてなんだけれど……歩合制。というか、依頼報酬は100%持ち」
悠河「……なぜですか? 普通、20%程度は事務所側に入れるべきだと思うのですが」
花菜「そうなの?」
悠河「……そう、だと思います」
困ったように言った巳継くん
やっぱりそういうものなのね
家族……というか
自分と陽羽以外で社員あるいはバイトを雇ったのは巳継くんが初めて
木更ちゃんの時は結構な額を持って行かれていた覚えがあるし
あれはさすがにないかなぁ……と
それに
花菜「私とお姉ちゃんで充分働いてるから、正直必要ないのよね……社員からっていうのは」
悠河「山科さんらしいとは思います……でも、一応しっかりと決めておくべきかと。もしかしたら、僕以外にも増えるかもしれませんからね」
花菜「巳継くん以外?」
悠河「まぁ……僕の勝手な想像ですが。山科さんは人を惹きつけやすい人間です。それに、このご時世失職もあり得る」
花菜「それが?」
悠河「山科さんのことだから、ただの事務員としてでも雇ってしまうんじゃないかな。と」
花菜「…………………」
ありえなくはないかな。と
巳継くんに気づかされたことに驚き
それを押し隠して苦笑を返す
花菜「じゃぁ、どのくらいが良いのかしら」
悠河「そうですね……僕としては別に90%を入れても――」
花菜「却下よ」
悠河「そういうと思いました。とはいえ、仕事によっては30%程度が自分の給与。というのもあるんですよ」
花菜「きついのね……お仕事って」
悠河「でも、ここでは山科さんがルールです。山科さんが自由に決めていいんですよ。0%から100%。いくらを僕の給料にしてくれるのか」
社員の給与
0、50%
1、60%
2、70%
3、80%
4、90%
5、100%
安価下
花菜「そうね……じゃぁ70%」
悠河「70%を入れるんですね?」
花菜「違うわ。70%がお給料」
とぼけた巳継くんの言葉を訂正して告げる
70%も貰うなんて
自分で稼いでいる現状では
社員に対してかわいそうなことをしているように思えてならない
30%も取るだけでも
あんまり、良い気分じゃないんだから
花菜「ほら。命懸けのお仕事でしょ? だから、普通のお仕事を参考にするのはダメだと思うの」
悠河「それも……そうですね」
花菜「一応ね? 先日の大戦で名が売れちゃって……お仕事は意外と入るの。だから、一ヶ月無給なんていうことはないはず」
悠河「お仕事の割り振りはどうなっているんですか?」
花菜「入った依頼を3人で相談して、やりたい人がやる。という感じね」
大変そうなものは複数でやる。と
付け加えつつさらに続ける
花菜「うちは他と違ってガストレアに関係なく、便利屋的な立ち位置だから雑務を頼まれることもあるわ」
悠河「山科さんの会社ですからね。そういう覚悟はしてます」
なんて言いながら
笑う巳継くんに対してちょっとだけむくれて目を逸らす
花菜「笑わなくたって良いじゃない」
悠河「……良いじゃないですか。平和で」
花菜「………………」
悠河「すみません、無神経なことを言って」
花菜「ううん、未だに引っ張ってる私が悪いだけだから。気にしないで」
平和という言葉を重く捉えずにはいられない
そんな私が……いけないだけなんだから
→ 13日目 朝 自宅
1、移動(聖居、商店街、実家、青空教室、司馬家)
2、交流(香織、陽羽、憩、真望、真希、ティナ、悠河)
3、電話(聖天子、未織、影胤、小比奈、蓮太郎、延珠)
安価下
※()内部から選択
→ 電話 蓮太郎
蓮太郎『……あんたか』
花菜「私じゃダメだった?」
蓮太郎『そーいうわけじゃねぇよ。気にすんな』
花菜「そっか。延珠ちゃんは?」
蓮太郎『天誅ガールズのオープニングを聞きたいか?』
疲れた声で言う里見くんは
私の答えも待たずに冗談だ。と切ってため息をつく
天誅ガールズの関係で延寿ちゃんに苦しめられてるのかしら?
そういえば、延珠ちゃんはあれから学校行けていないらしいし
家ですることといえば……まぁ、そうなるものね
蓮太郎『だから、嫌どころかむしろ嬉しいぜ。ようやくアニメ以外の声が聞けたからな』
花菜「そう?」
蓮太郎『まぁな……で、なんのようだ?』
1、私の事務所に新しい子が入ったのよ
2、木更ちゃんはどう?
3、……会いたいな。なんて
4、……貴方のハートに天誅天誅♪
5、私もね。なんだか蓮太郎くんの声が聞きたくなってね
6、特に……用事はないわ
7、その他
安価下
とりあえずここまでにします
ありがとうございました
蓮太郎『何……?』
悠河「電話から男の人の声がしますね。貸してください」
蓮太郎『……てめぇ』
悠河「山科さんは僕が頂きます。残念でしたね、里見くん」
花菜「っ、ちょ、ちょっと……」
悠河「それでは……楽しみましょうか」
蓮太郎『ふざけんなぁッ!』
……という展開になりそうです。コンマ次第で
花菜「私の事務所に新しい子が入ったのよ」
蓮太郎『それ以上強くなってどうすんだよ……ただでさえ少数精鋭を地で行く最強民警会社なのによ』
花菜「少数精鋭なのは認めるわよ? でも、最強っていうのは違うんじゃない?」
序列で言えば
私たちでさえ300番台
序列がその民警の完璧なステータスを表すものではないにしても
序列上位の民警には勝ち目がない。と
謙遜するまでもなく認めてる
蓮太郎『んじゃぁ……東京エリアで。これならどうだ?』
ちょっと楽しそうに苦笑した里見くんは
ところで。と付け加える
蓮太郎『そいつは強いのか?』
花菜「まだ能力的には解らないけれど……どうかしらね」
病弱……なんて言っていたような記憶があるけど
思えばあのデパートからの逃走劇の際、息を切らしてすらなかったし
嘘のような気はする……まぁ、体を壊しやすいとかそういうことかもしれないけれど
蓮太郎『なぁ、あんたはそいつを信用できてるか?』
花菜「うん?」
蓮太郎『だから……あんたはその新人を信用できてるか? その新人は頼りになるのか?』
花菜「それは……まぁ」
里見くんの真剣な物言いに
悪寒を覚えながら少しだけ暈して答える
信用は出来ているかいないかといえば出来ているけれど
でも、頼りになるかどうかと聞かれれば
微妙なところ
別に、嫌なわけじゃないんだけどね
蓮太郎『なんだよ。なにかあんのか?』
花菜「……………………」
私のことなのに
私以上に鬼気迫るような声色で里見くんは言う
返した沈黙にイラついたのか
蓮太郎『何かあるなら言えよ』
里見くんはまた少し強い声で言い放つ
その気持ちはありがたいんだけれど
新人の子から過剰なほどの愛情を受けていて
もはや……色々とダメなところまで来てる。とか
その他にも……相談していいのかしら?
異性から同性の話をされるのって
あんまり、快く思われないらしいし
1、実は……その子に好きだって言われてるのよ
2、ううん。なんでもないのよ
3、私は……連太郎くんの方が良いわ
4、なんでそんなにも心配してくれるの?
5、その他
安価下
花菜「実は……その子に好きだって言われてるのよ」
蓮太郎『……………………』
花菜「蓮太郎くん?」
蓮太郎『わりぃ。聞いてなかった』
花菜「そ、そう?」
声の変化的に
ちゃんと聞いてくれたんだって思ったのだけど
変な間もあったし
でも、それならもう一度……
花菜「その子に好きだって言われて――」
蓮太郎『言わなくていい!』
花菜「っ……な、なんなの?」
音が割れて、鼓膜が揺さぶられて
キーンとなる耳を軽く叩いて反対側に携帯電話を当てる
やっぱり、男の子に対して男の子の話はダメだったみたいね
蓮太郎『あんたはそれ……受けるのか?』
花菜「え?」
蓮太郎『受けんのかって聞いてんだよ。何度も言わせんな……』
斜めに滑り落ちていく里見くんの声
それは、何を期待しているのかしら
私が巳継くんの好意を受けて
女としての人生を歩むこと?
それとも
巳継くんの告白を完全に振り切ること?
花菜「……気になるの?」
蓮太郎『……ほ、ほら! あんたはそいうことに興味ねぇって思ってたからな。そりゃ興味ある』
里見くんは笑い混じりに言いながら
私の言葉を待たずに続ける
蓮太郎『どういう風にあんたが変わるのか……とかさ』
花菜「……大して変わらないかも」
蓮太郎『そんなことはないだろ』
花菜「どうしてそう思うの?」
蓮太郎『なんとなく……じゃ、ダメか?』
花菜「なんとなく?」
蓮太郎『うまい言葉が見つかんねぇんだよ。悪いな。勉強不足で』
電話の奥で里見くんは頭でもかいてるのかな。なんて
癖のような行動で照れ隠しみたいなことをしてる里見くんを想像しながら
バレないように苦笑する
蓮太郎『自分はなっちゃダメだ。なんて言わずに受けても良いんだからな? それで民警なんか止めて……』
花菜「蓮太郎くん?」
蓮太郎『いや、そこまで口出すつもりはねぇよ……好きにしたらいい』
1、……止めないの?
2、蓮太郎くんは木更ちゃんとはどうなの?
3、優しいのね。蓮太郎くん
4、まぁ……断っているのよ。実は。でも、絶対に諦めないって言うの
5、その他
安価下
花菜「優しいのね。蓮太郎くん」
蓮太郎『別に優しかねぇよ』
花菜「そんなことはないわよ」
蓮太郎『……そうかよ』
素っ気ないな……里見くん
優しいって言われたのがそんなに気に入らなかったのかしら
でも、
その前から機嫌悪かったし
花菜「……なんか、ごめんね?」
蓮太郎『謝ることはねぇだろ……別に』
花菜「でも、蓮太郎くん怒ってるでしょう?」
蓮太郎『怒ってねぇよ。一々顔色伺うんじゃねぇよ。それこそ……なんか嫌になっから』
花菜『そっか……』
また謝ったら怒られちゃいそうな気がして
そう呟いて話の流れを中断した
蓮太郎『まぁ……あんたが誰と付き合おうが結婚しようが。俺には関係ない』
花菜「うん」
蓮太郎『……けどよ』
花菜「何?」
蓮太郎『まぁその。なんだ。俺が言うことでも気にすることでもないし、柄にもねぇけど――』
躊躇してるのか
迷ってるのか
言葉を選んでるのか
里見くんはそれから少しだけ間を空ける
怒られるのかな。なんて
ちょっとだけ気を引き締める私に放たれたのは
蓮太郎『幸せになれよな……木更さんとあんた。ウチの事務所の女が2人揃って不幸とか笑えねぇし』
笑えないと言いながら苦笑する里見くん
その奥では天誅ガールズのアニメと楽しげな延珠ちゃんの声が聞こえてくる
花菜「……うん。ありがと」
やっぱり、里見くんは優しい
・昼に移ります
・6日目・13日目は土曜日で学校は休みです
とりあえずここまでにします
ありがとうございました
女というより女性社員。という方がらしかったかな
あまり攻めませんでしたね
13日目 昼 再開位置選択
1、自宅(香織、陽羽、真希、真望、憩、ティナ、悠河)
2、聖居(聖天子)
3、実家(美菜)
4、商店街
5、司馬重工(未織)
6、外周区
7、戦場跡
8、青空教室(子供達)
安価下
()内部は交流選択可能確定キャラ
安価下コンマ判定
1 香織と憩
3 陽羽と悠河
5 悠河とN
7 ティナと香織
9 聖天子から電話
→ 13日目 昼 自宅
お昼に自分の家にいることがあまりなくて
どこか新鮮な気分になりながら
自室のベッドに寝そべる
花菜「……子供達、大丈夫かしら」
昨日もそうだけれど
時々お姉ちゃん任せにして……
ううん、だからこそ安心していいはず
私よりはまともな教育してくれそうだし
もし、いなくなっても……引き継ぐことなんてなく代れるだろうし
花菜「………………」
何が不安なんだろう?
何が引っかかるんだろう?
悪いことじゃないのはなんとなく分かってるけれど
花菜「……子供達、お姉ちゃんに取られるのが嫌なのかな」
もともと、お姉ちゃんの子供達だったのに
花菜「……なんか少し不安定だわ。私」
ナイーブになってるって言うか
なんていうか
悪いことばかり考えるってわけじゃないのが救いではあるけど
里見くんにあんな相談しちゃったり
お姉ちゃんに嫉妬……かどうかはともかく
そういうことしちゃったり
少し……疲れてるのかしら
花菜「……どうしよう」
せっかく家にいられる休日
このまま、寝ちゃおうかしら
1、交流(陽羽、悠河、香織、真希、真望、瑞穂、ティナ)
2、電話(聖天子、蓮太郎、延珠、小比奈、影胤、美菜、未織)
3、移動(実家、商店街、司馬重工、外周区、戦場跡)
4、このまま横になる
安価下
→未織に電話
花菜「もしもし、未織ちゃん?」
小比奈『違うけど』
花菜「……あれっ?」
予想外の返答に慌てて耳から携帯を離して
通話相手の名前を確認
間違いなく未織ちゃんだった
……どういうこと?
花菜「なんで小比奈ちゃんが未織ちゃんの携帯を?」
小比奈『忙しいから』
花菜「未織ちゃんが?」
小比奈『それ以外に誰かいる?』
花菜「……そっか」
そういえば、建設の依頼だけでなく
一度暴落して立て直した東京エリアの株の影響とかもあるだろうし
色々と確認することとかがあるんでしょうね
花菜「電話、替れない?」
小比奈『無理ではないと思うけど。替わって欲しいの?』
花菜「まぁ……話したいからかけたんだもの。それはね」
小比奈『……未織ー電話ーっ』
小比奈ちゃんが保留も押さずに大声で呼び出し
その奥で「誰なん? こんな時に」と
明らかに嫌そうな声が聞こえて
携帯が風を切ってノイズが響く
未織『もしもし?』
花菜「えっと……ごめんね? 邪魔しちゃった?」
未織『なんや、花菜ちゃんやったんか』
花菜「ええ。邪魔だった?」
未織『そんな邪魔邪魔言うとると怒るよ? まぁ、確かに仕事というか作業中やったけども』
花菜「じゃぁ……」
未織『いや、邪魔やないで? むしろ嬉しい……かな』
花菜「仕事の方は平気なの?」
未織『んー……まぁ、ちょっとダメやけど平気やで』
クスクスと未織ちゃんが笑うとなりで
小比奈ちゃんが小声で何かを言って
ペチッと可愛い音が聞こえてきた
花菜「ダメなら良いのよ? 別に今すぐ何かしてってことでもないし」
未織『そうなん? 花菜ちゃんからの電話ってだけでちょっと緊張する身にもなって欲しいんやけどなぁ……』
花菜「緊張するの?」
未織『また新しい武器作ってってくるんやないかなって』
ちょっとだけ沈んだ声で言った未織ちゃんは
まぁ気にせんといて。なんていって続ける
未織『それでなんなん?』
1、実はね? うちに新入社員がきたの
2、未織ちゃんはさ……その、男の子に告白されたらどうする?
3、なんでもないの……ただ、未織ちゃんと話したいなって思っただけ
4、未織ちゃんって、蓮太郎くんのことどう思ってるの?
5、ねぇ、夕方に会えないかな
6、その他
安価下
花菜「実はね? うちに新入社員がきたの」
未織『へぇ……今度はどこから誘拐してきた子なん?』
花菜「そっちじゃなくてプロモーターの方よ」
未織『なんや、里見ちゃん結局花菜ちゃんと組んだんか』
そう言いながら
未織ちゃんは可笑しそうに笑う
なんでそこで里見くんが出てくるのかしら?
花菜「違うわよ? 蓮太郎くんじゃない別の子」
未織『違うんか……』
花菜「なに?」
未織『ううん、こっちの話や。その違う子って男性? 女性?』
花菜「男の子よ」
隠す必要もないと正直に答えると
未織ちゃんはえっ!? と驚く
電話の奥で口元を覆ってるのが目に浮かんだ
花菜「そんなに驚くことかしら?」
未織『んー……ほら。その子は平気なんかなって』
花菜「なぜ?」
未織『……男女比を考えてみたらわかると思うで?』
困ったように言った未織ちゃんは
そのまま続ける
未織『花菜ちゃんとお姉さん。あとは陽羽ちゃん達8人に対して男の子1人……精神的に拙いんとちゃうか?』
花菜「どう不味いの?」
未織『そーいうのは聞くまでもなく解ってるもんなんやけどなぁ……』
未織ちゃんの呆れた声
聞かないとわからない私は
まだまだ……未熟ってことなのね
未織『ほら。男の子ってやっぱ意識するもんやから……子供達はともかく、花菜ちゃんやお姉さんは毒になると思うで?』
花菜「毒……かしら?」
未織『花菜ちゃんの抱き着き癖なんか猛毒やなーあと、胃袋を握るどころか握りつぶせるところも』
花菜「……私はトリカブトか何かなの?」
未織『ある意味そうかもしれへんなぁ。もちろん、実際に毒って訳やないからな?』
花菜「解ってるわよ。そのくらいは」
やっぱり
男の子に抱きついたりするのは厳禁だったのね……
里見くんには随分と嫌な思いさせちゃってたってこだよね……それって
未織『その子、大丈夫? 花菜ちゃんと目を合わせたり出来てる?』
花菜「ええ」
未織『そうなん? じゃぁ別に付き合ってる子でもおるんかな……』
困惑したように未織ちゃんは言うけど
そうじゃないのよね
ただ、私に……ちょっと重い愛情を抱いてくれてるだけ
とは言えずに黙り込んだ
未織『まぁ、その新入社員が上手くやっていけそうならええよ。ウチが口出すようなことでもないしな』
花菜「別にダメ出しはいくらでもしてくれていいのよ?」
未織『ダメ出なんて未織ちゃんの恋愛観とかくらいしかないで?』
花菜「そ、そっか……」
そこはダメ出しされてもしょうがないかなぁなんて
乾いた笑いが漏れていく
私の恋愛観……か
正直、いろいろと中途半端で
まともには進まなかった少女時代を過ごしてきて
そのあたりがしっかりとしている方がおかしいと思う
別に悲劇のヒロインを気取るつもりもないし
自分だけが突出して不幸だったなどと言うつもりもない
でも、少なくとも
普通の女としていられるような人生ではなかったって言える
みんなはもう、普通で良いとか女で良いとか言ってくれるけど……でも。
それは出来そうにない
だって……それはただの地獄への誘いなんだもの
>>111訂正
未織『まぁ、その新入社員が上手くやっていけそうならええよ。ウチが口出すようなことでもないしな』
花菜「別にダメ出しはいくらでもしてくれていいのよ?」
未織『ダメ出なんて花菜ちゃんの恋愛観とかくらいしかないで?』
花菜「そ、そっか……」
そこはダメ出しされてもしょうがないかなぁなんて
乾いた笑いが漏れていく
私の恋愛観……か
正直、いろいろと中途半端で
まともには進まなかった少女時代を過ごしてきて
そのあたりがしっかりとしている方がおかしいと思う
別に悲劇のヒロインを気取るつもりもないし
自分だけが突出して不幸だったなどと言うつもりもない
でも、少なくとも
普通の女としていられるような人生ではなかったって言える
みんなはもう、普通で良いとか女で良いとか言ってくれるけど……でも。
それは出来そうにない
だって……それはただの地獄への誘いなんだもの
未織『なぁ……花菜ちゃん』
花菜「うん?」
未織『ひとつだけ聞きたいんやけど……ええかな?』
花菜「なに? 改まって」
電話の奥で未織ちゃんは黙り込み
深呼吸をしたのか微かに音が入り込む
かなり真剣な話なのかしら。と
私まで少しだけ緊張して身構える
未織『花菜ちゃんってさ……好きって想いには数種類あると思う? それとも、好きは好き。単一の単純なものやと思うとる?』
花菜「……言葉の概念の話?」
未織『概念っていうか……なんやろ。こう……感覚的な話や。女の子に対しての好き、男の子に対しての好き。子供に対しての好き。みたいな』
珍しくあやふやな感じの未織ちゃんは
どう? ともう一度聞いてきた
1、ないと思うけど……
2、あると思う……良く解らないけど
3、あるんじゃないかしら?
4、そんなこと。私には聞くだけ無駄よ?
5、その他
安価下
とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました
花菜さんの恋愛相談室開始
花菜「ないと思うけど……」
好きは好き
嫌いは嫌い
それ以上でも以下でもなく、複数でもない
というのが正しいのかどうかはともかくとして
私的にはないと思ってる
未織「……そっか」
花菜「どうかした?」
未織「んーん……なんか少し安心した」
少しだけ嬉しそうに感じる声が携帯から聞こえる
でも、私は少し複雑だった
私の言ったことが100%の正しさを持っているわけじゃない
もちろん、私だって初めから未織ちゃんを蹴落とすために嘘をついてるなんてことはないけど
その正誤によって未織ちゃんに何らかの被害がある可能性がある
その場合未織ちゃんの今の喜びが落とされると思うと……ね
未織『この気持ちが他のものとかに向くのと同じなら、ウチはまだまだ健全やってことやし』
花菜「健全?」
未織『ふふっ、花菜ちゃんには話しても分からへんよー』
いつもの調子で返す未織ちゃん
私がどう感じるのかなんて関係ない
未織ちゃんの悩みが解決して
今、仮初にでも救われているのならそれでいい
可能性の話をしていては全部悪い考えしかできなくなっちゃうし
花菜「そっか、なら……聞いてもしょうがないかな」
未織『別に見下してるわけやないからなー?』
花菜「わかってるわよ、ありがとう」
ちょうど社員らしき男性の声で未織ちゃんの名前が呼ばれて
電話が小比奈ちゃんへと代わる
小比奈『……元気?』
花菜「うん?」
小比奈『……あなた達は元気がどうか聞いてるの。何回も言わせないで』
花菜「あ、えっと……うん。元気よ」
社交辞令みたいなものだけど
小比奈ちゃんに聞かれるとは思わなかった
影種さんの件とかで結構嫌われてるみたいだったし
の垂れ死んでとか、殺すとか
そういう言葉を投げつけられるほうが自然な感じがする
それが普通は異常なんだけどね
小比奈『……パパが』
花菜「影胤さんがどうかしたの?」
小比奈『一応、気にしろって言うから』
花菜「そばにいるの?」
小比奈『居ないけど……でも、あなた、パパ死んだでしょ?』
花菜「………………」
小比奈『わたしはママがいない。それは別に何とも思ってない……思ってなかったけど、でも。なんか、本当はいたはずなんだって思って』
花菜「……そうね」
小比奈『もともとなかった。だから気にしなかった。でも、あったんだって思うと、抜けてた部分が少し物足りないような気もする』
花菜「……………………」
小比奈ちゃんが言うこと、分かる気がする
最初はそれで100%だと思ってたものが
実は50%しかなかったんだって知ったとき
もう半分、のこりの50%はどうしたんだろう? あったらどうなってたんだろう
それこそ、無限大の可能性に飲み込まれてしまう
小比奈ちゃんはまさに……そんな感じなのかもしれない
小比奈『別に……パパがどうとかじゃないけれど、ひとつだけ言う』
花菜「なぁに?」
小比奈『あなた十分強いし……わたしも。別に嫌いじゃないわ』
花菜「うん」
小比奈『あなたのために……パパを貸してあげても別に、返してくれるなら。良い』
花菜「え………?」
小比奈『でも代わりに……あなたのこと借りたい』
花菜「………………えっ?」
思考が止まって
頭の中に木霊する小比奈ちゃんの言葉を
一文字ずつ捕まえて落ち着かせる
あなたのことを借りたい
小比奈ちゃんはそう言った
聞き間違いでもなんでもなく
正しくそう言った
花菜「……本気?」
小比奈『本気』
花菜「そ、そう……」
小比奈『……ママがいたらどうだったか、知りたい』
花菜「………………」
小比奈ちゃんの正規のお母さんだったら
私は小学生で妊娠したのね。なんて冗談を考えながら首を振る
1、影胤さんには相談したの?
2、……良いわよ。私でいいなら
3、ごめんね? それはちょっと……できない
4、その他
安価下(いずれか一つ)
花菜「……良いわよ。私で良いなら」
小比奈『うそだった。は利かないわ』
花菜「解ってるわよ、安心しなさい……貴女が望むならなってあげるから」
そもそも
あんなことを言われて断るなんてこと、私にはできない
ママがいたらどうだったか知りたい
子供がそんなこと言ってきたら
再婚してでも母親を作っていてもおかしくはない……と、思う
父親の心はさすがに分からないし
小比奈『……じゃぁ』
花菜「?」
小比奈『またね。ママ』
花菜「っ」
ブツッと電話が切られて
何の反応も返せずに携帯を下ろす
ちょっと……ちょっと、嬉しかったかも
・昼を終了します
13日目 夕 再開位置選択
1、自宅(香織、陽羽、真希、真望、憩、ティナ)
2、聖居(聖天子)
3、実家(美菜)
4、商店街
5、司馬重工(未織)
6、外周区
7、戦場跡
安価下
()内部は交流選択可能確定キャラ
→商店街
イベント判定
1 香織と未織
3 女の子
5 面倒くさそうな人達
4 子供と大人
9 悠河とN
0 聖天子(電話)
6 蓮太郎
安価下
→未織と香織
未織『一応、再現できる限界レベルまでやったんやけど、まだまだ物足りないかもしれへん』
香織「生身の人間を完全再現できたらもはやクローンよ」
未織『それもそうやな』
司馬重工の訓練施設
吹き付ける風は生暖かく、鉄臭く、どことなく錆の匂いを感じさせ
ザラザラとした不快な粒子を体にぶつけてくる
――ように感じさせるとは、広大な廃墟群を見せるホログラムはかなり進化してるらしい
とはいえ、人間の質感を完全再現させるなんていうことはまだまだ不可能なようで
今まで数回の訓練をしたけれど
どうにも納得がいかない
未織『無理して完全再現する必要もないんとちゃうん?』
香織「ううん……これは私が覚えていなければいけない禁忌だと思う。使えるということは使ったということ。つまり、これで殺された人もいるということだから」
花菜の親友で司馬重工のご令嬢だという司馬さん
私のことを思っていろいろと言ってくれるのは本当にありがたい
でも、知らない人には解らない
解らない人は教えることも、宥めることも何もできはしない
香織「……これは、知っている人だけが話すことのできること」
未織『………………お姉さんも、花菜ちゃんと同じなんやね』
香織「双子だからね……始めて頂戴」
未織『了解や』
スピーカーから聞こえる司馬さんの声が消えて
目の前に人型のホログラムが出現する
といっても、ホログラムの中身に人形があり
そこに映像が映し出されているだけ……だけれど
香織「………………いきます」
相手は動かないただの人形
でも、表情のプログラム組まれているため
本体にダメージを与えると
そのダメージ量に応じて表情の変化と悲鳴が上がる仕組みであり
完成度は人形であることを忘れさせそうなほど
でもだからこそ――
香織「――扱うべきなのよ」
地面を力いっぱい踏み込み、姿勢を低くしていく
私の技は本来、反撃から入るものが多い
これもまたそのひとつ……でも、攻撃からは入れないわけではない
香織「……………っ!」
地面を蹴り、感触を蹴飛ばして一瞬で相手と接触一歩手前まで突進
香織「はっ」
相手の構えた右手の平を左手で撃ち
ミリ単位のズレもなく肘から付け根までの中間を右腕で撃つ
人間らしからぬ硬さに内心驚きながらも
限界まで反れた相手の右手を追撃
「あっあ゛ぁ゛ぁぁぁ゛ぁあああぁっ!!!」
壊音と共に右手の甲が90度に曲がったのを確認しながら
肘から付け根までの中間を打った右手で付け根を捕らえ
右足を軸に半転
香織「っ!」
その遠心力を利用して左足を振り上げ
逮捕術の途中経過、取り押さえる寸前の
強引に伸ばさせた相手の右肘を蹴り折る
「ぎゃぁぁあああぁぁぁぁっ」
香織「……まだよ」
左足が地面についた瞬間
香織「これでッ!」
「あ゛ぁ゛ぁぁぁ゛ああぁぁああああぁッ!」
悲鳴を無視して
相手の右肩に手を当てながら背中側へと限界を超えて押し付けて肩を外し
うずくまった相手の顔面を右足で蹴り上げ、左のかかと落としで後頭部を追撃
一瞬で相手の右腕を全壊させ、防御を許さず一番ガードしたいであろう顔面破壊を行う
右腕全壊で一つの流れであり
大半の人間をノーガード状態にするこれは確実に仕留めるか、拷問するためだけの戦闘術
両腕を全壊させ、両足の骨を砕けば逃げられないのだから
どちらかといえば拷問術……かしらね
とりあえずここまで
ありがとうございました
やったね香織ちゃん、戦闘術が増えるよ!
対人戦の部位欠損技です
香織「まだまだ機械音声だわ……全然、実感がわかない」
未織「これでも頑張った方なんやけどなぁ」
香織「ふふっ、贅沢な話かしらね。接触から悲鳴までのラグがあるし、再生時に微かに機械の音が聞こえる」
未織「んー……それはもうプログラムの限界なんよ。絵に音を当てるならともかく、外因的なことにラグもなく、は」
香織「うん、解ってるわ。ここまで頑張ってくれてありがとう」
やっぱり生身の人間を相手にしないといけないみたいね
とはいえ
それをするわけにもいかない
それでは本末転倒も良いところだし……
香織「ある程度感覚は掴めたからもう大丈夫よ。変なことを頑張らせちゃってごめんね?」
未織「それは全然平気やけど……ええの?」
香織「ええ。大丈夫」
何度も右手を閉じたり開いたり
さっきの人形との戦いを思い浮かべる
あれを人間相手にやっていた過去があるなんて中々、罪深い警察官だったのね私は
いや……人殺しであるのが私であり、警察官は肩書きや仮面というのが正しいでしょうね
香織「ねぇ、司馬さん」
未織「うん?」
香織「司馬さんは私の事知らないのよね? 全然」
未織「花菜ちゃんからもあまり話は聞かなかったから……」
思い出すのではなく
聞いて自分を知るというのも中々に難航しそうだわ
お母さんは何かを知っていそうだけど知らないと言い張るし
花菜ちゃんに関してはここ最近のことに関してはぽっかりと抜けてる
香織「……じゃぁ、やっぱりこの刺青についても解らないのね」
未織「その脇腹のやろ? うちも少し調べたんやけど……全然」
香織「わざわざ調べてくれなくてもいいのに」
未織「花菜ちゃんのお姉さんの事やし、気になってるみたいやったからな。ウチの自己満足の為やし気にせんでええよ」
楽しげに笑う司馬さん
本当、私の妹は色々な人に好かれちゃってるんだから……まったくもう
それで民警なんていつ死ぬかも解らない仕事しているなんて救いがないほどの馬鹿だわ
死んだらどれだけの人が悲しむのか……あの子、解ってるのかしら
香織「あの子にはあまり入れ込みすぎないでね?」
未織「え?」
香織「もちろん、私にも……というか、民警という仕事をしている人は避けたほうが良いわ」
未織「……なんで?」
香織「いつ死ぬのか解らないからよ」
悲壮感に満ち満ちた表情
それだけでも司馬さんのあの子への想い
あの子と同業者の里見くんへの想いが良く解った
香織「失うと辛いわよ」
未織「……失わなければいい」
香織「あの子は――」
未織「ウチの技術で守る!」
香織「……まぁ、貴女がそうありたいと望むのなら無理に引きなさいとは言わないわ。でも、覚悟はしておきなさい」
ポンッと司馬さんの頭を叩いて
その横から抜けて部屋を出ていく
……司馬さんのためとはいえ、言いすぎちゃったかしらね
司馬重工の本社から出た先で彼はふらりと姿を現す
象徴的な赤を身に纏い
仮面の中へと素顔を隠した男性――蛭子影胤
香織「……なにか?」
影胤「キミの技を見せて貰った」
香織「それが何か?」
影胤「……キミ達はこれ以上過去をなぞるべきではない」
香織「なぜ、それを貴方が忠告されるのですか?」
仮面を持ってしても隠しきれないその思いは
他人の子に向けるようなものには思えない
いくらお父さんの親友だった。としても
これは……
影胤「我が唯一無二の親友の遺言。それもある……しかし、私がこう望むのは私の背に追いつきつつあるからだ」
香織「……一本道しかないのに、どこで曲がれと言われるのでしょう?」
影胤「壁を壊せばいい。川を泳げばいい。崖を下ればいい……道なき道もまた道だ」
道なき道
崖を下り、川を泳ぎ、壁を壊せ
それがどれだけ厳しいことかを知っているみたいな言い方
実際、花菜ちゃんの様子を見るに厳しいことではあるのだろう
それでも、道を違えるべきだった影胤さんの背中に追いつき
あろうことか追い抜くことだけは避けるべき……だとは思う
香織「でも、あの子をみて解りますよね? あの子は道を変えようとして溺れてる」
影胤「………………」
香織「私は最低なことに忘れたからこうしていられる。過去に現実味を得られず、どうせ幻だろうと振り払える」
でも
香織「あの子は不可能だわ。その重さに足を取られ、手を取られ、体の自由を失って逃げられない」
妹が苦しんでいるというのに
どうして記憶喪失なんかを理由に過去を忘れ
のうのうと残りの人生を謳歌できようか?
影胤「だから変えるつもりはない。と?」
香織「当たり前でしょう? 私はあの子の姉よ? たとえ、記憶がなくなっていてもね」
影胤「……それが愚かな選択だと知りながらも選択するのかね?」
香織「二言は不要だわ」
影胤「……そうか」
影胤さんの父親のような感情には悪いとは思う
でも……あの子を見捨てられない
あの子をおいてはいけない
香織「あの子も待っていると思いますから、失礼しますね」
影胤「いつでもきたまえ……私が言うのもおかしいことだがね」
香織「ふふっ、ええ」
クスリと笑った影胤さんに合わせて苦笑する
彼もまた、堕ちた人間の一人
その彼をここまで懐柔できたのもまたあの子の魅力
自分に厳しく他人に優しく
死にたがりやの妹を、私は守ってみせるわ。お父さん
・夕方を終わります
13日目 夜 再開位置選択
1、自宅(憩、真希、真望、陽羽、瑞穂、香織、ティナ)
2、実家(美菜)
3、司馬邸(未織、影胤、小比奈)
4、聖居(聖天子)
5、商店街
6、外周区
7、戦場跡
8、瑞穂の実家
安価下
()内部は交流選択ができるキャラ※現時点での選択は不要
イベント判定安価下一桁
1 悠河
3 聖天子
5 未織
7 蓮太郎
9 和光
→未織
物語補助用の判定 安価下
139 例の組織
それ以外、普通に未織からの電話
→例の組織
「……探りだと?」
「そうだ。どういう経緯で知ったのかは知らないが、司馬重工の令嬢が我々五翔会の印について調べていたらしい」
「そいつを消せばイイのか?」
「情報を与えたのは恐らく山科香織。お前と同じ二枚羽の女だ」
「……そいつも一緒に消せばいいんだな?」
「優先順位はお前に任せる。確実に両方消せ。情報の取得なんて真似はしなくていい」
「ほう?」
「一瞬でも隙を見せたら山科香織にはお前が消される……奴に見つかった場合は即撤退を許可する」
失敗者には死を
それが絶対的なルールとして存在するこの界隈で
仲介人であるネストからまさか撤退許可が降りるとは思わなかった
山科香織の仕事は数回程度で達成率が100%なのは当たり前といっていい
「それほど危険なのか?」
「危険だ。ゆえに、お前はただの犬死にしかならん。失敗云々の以前の問題なのだ」
「俺が犬死だと……ッ」
「事実を言ったまでだ」
この俺が
名前くらいしか知らない新人の女に絶対に勝ち目がないだと?
戦えばただの犬死で終わるだと?
「俺が殺す。その女には犬のように惨めな死をくれてやる」
「……出来るのだな?」
「当たり前だ!」
気に触れる仲介人の声、その内容
半ば怒り気味に通話を終わらせる
高村莢のために出てきてはいるが、作戦開始まではまだ時間がある
それまでの暇つぶしとしては
これほど良い玩具はないだろう
「山科香織と司馬の令嬢……か」
情報がくるまでの数日……それがお前達の生きていられる時間だ
とりあえずここまでにします
ありがとうございました
未織ちゃんを狙う→影胤&小比奈
香織姉さんを狙う→花菜&陽羽&憩&ティナ
ソードテール主演のミッション:インポッシブル開始
→聖居
花菜「こんばんは、聖天子様」
聖天子「こんばんは……山科さん」
お疲れ様……ってかんじね。あいも変わらず
演説だの会議だのって追われて
戻ったら資料に目を通し
そしたらまた会議だのなんだのって
ご苦労さまもお疲れ様も
今の聖天子様には良くて皮肉にしかならない
聖天子「どうかなされましたか?」
花菜「えっと……」
1、今回のモノリスの倒壊、何か原因があるんでしょう?
2、貴女の様子を見に行こうと思ったのよ
3、ううん……でも、あるといえばある。かしら(ベッドイン)
4、その他
安価下
花菜「今回のモノリスの倒壊、何か原因があるんでしょう?」
聖天子「……やはり、そういう方向の用事、ですね」
花菜「ん?」
聖天子「なんでもありません」
落胆した声に続いて怒った声
やっぱり
この状態でのお仕事の話はダメだったかな
聖天子「件のモノリスについてですが……建設時に作成された報告書にはおかしな点は全くありませんでした」
手渡された報告書が原本
ということに少し慎重になりながら黒い文字を全て流れ見る
押印も偽物ではなさそうね
花菜「残ったモノリスは? あれはもう成分分析できるようなものじゃないかしら?」
聖天子「かなり厳しいですね。念のため建設と並行して残骸の回収はしていますが……どれも侵されています」
花菜「……そう」
ならどうやってステージⅣどまりのアルデバランがモノリスに取り付けた?
モノリスの建設報告書ではしっかりとした純正モノリスとなっている
その通りならステージⅣでは不可能なはずなのに
花菜「……さて、どちらがあり得るか。よね」
聖天子「どちらか?」
花菜「建設上の不正または、ガストレアの進化です。とりあえず、どちらも考えたくないですけどね」
苦笑しては見たものの
和ませることなんて微塵もできず
聖天子様は見開いていた瞳を細めて
私のことを見つめる
聖天子「……それは本気ですか?」
花菜「普通に考えてどちらかしかありませんよ。聖天子様」
アルデバランが特殊な進化をしてバラニウムの形成する磁場に耐えうる力を得たのか
この資料に書かれている天童和光
彼が不正をして純正ではないモノリスを作ったのか
花菜「人類的には……不正を希望します」
聖天子「………しかし」
花菜「貴女が裁かなくとも誰かが裁く……天童和光が白なのであれば、裁かれることはない」
でも
理不尽な死を免れることはできない
それは生きているすべての命に起こりうることだもの
花菜「アルデバランは死にました……だから天童和光さんを聴取してみてはどうでしょう?」
聖天子「簡単に言わないでください。彼は天童の名を持ち、そして国交省の副――」
花菜「だからといってッ」
聖天子「山科……さん?」
花菜「だからといって、この大戦で失われた人達の嘆きを蔑ろにしてはいけない」
聖天子「嘆きですか?」
花菜「なぜ死ななければいけなかったのか。なぜ、こんな最悪の事態に陥ったのか、死人にも口はある」
山科花菜
いや、私自身が言える立場ではないのは百も承知の上だが
あえて言うべきだろう
国家元首が無能ではないのならば
生き残った人間が死者にとって価値ある人間だったと
本当の意味で死を弔ってあげたいのならば
花菜「――ううん。それは悪魔の所業だわ」
あら、なぜ?
花菜「眠りを妨げるだけでしかない、。怒りに震えさせるだけでしかない」
真実も知らずに私達は英雄だと誇って消えろと?
馬鹿馬鹿しいにも程がある
その安らかな眠りに真実は何をする?
覚えておけ、真実は死者を嘲笑する
知らずに笑ってやがると、安らいでいると、馬鹿にする
お前は死者への冒涜を是とするのか?
花菜「……………………」
していないからお前は私を受け入れられないのだろう?
ならばお前の掲げる完全平和のために真実を暴け
そして怒り、憎み、恨む死者に嬲り殺されればいい
それが嫌なら――お前たちのことなど知ったことではない。と
亡霊を踏みつぶせ
花菜「……………………」
聖天子「山科さん……?」
花菜「ぁ……いえ、ごめんなさい。今は仕事中なのに私」
聖天子「それは構いませんが……」
聖天子様は不安そうな瞳を向ける
不意に声を荒げて
意味不明なことを呟いて
そしたらまた黙り込んで
花菜「……もう歳なんですよ。精神的に」
疲れているのかもとは言えずに冗談ぽく流して笑う
国交省の副大臣が今回のモノリス倒壊の一因ともなれば
政府に少なからず影響は出る
とはいえ原因不明のまま、【ステージⅣでもモノリスを攻略できる】という可能性が広まるのは
世界レベルで不安と恐怖を煽りかねない
いずれにしても、聖天子様達政府にはかなり厳しい向かい風になりそうだわ
1、とりあえず、もうしばらく調査を続けてみましょうか
2、天童和光を聴取して下さい
3、私が天童和光と個人的に対談します
4、その他
安価下
とりあえずここまでにします。ありがとうございました
裏科花菜さん(11)?は純粋悪の枠……でしょうか
花菜「私が天童和光と個人的に対談します」
聖天子「貴女の独断ではただ拒絶されるだけでしょう。私の名を利用しなさい」
聖天子様は悩むことなく
そして
してもいいという許可でもなく
花菜「……命令、ですか」
聖天子「そうでもしなければ貴女は使うことはないでしょう?」
花菜「まぁ、そうですね」
聖天子様は私のことを知っているみたいね
嬉しくはあるけれどちょっと、複雑
これでは色々な面で先手を打たれちゃうだろうし……今みたいに
聖天子「私が出来るのは責任を負うことだけです。今までは無理だとしても、これからは」
花菜「……失敗できない重圧に押しつぶされるかもしれませんね」
聖天子「そ、それは……困ります」
シュンとした聖天子様の頭を軽く撫でて微笑む
ほんの冗談のつもりだったのに
可愛い反応してくれちゃうんだから……嬉しいなぁ
花菜「ッ」
恍惚とする内心
意図していたわけでもなく伸びた手
全てを気づかれる前に引っ込める
聖天子「私は貴女の上司のようなものなのですから、つまり、貴女は迷惑をかけるべきなのです」
花菜「迷惑をかけるべきって……」
聖天子「そうでなければ私の立場というものがありませんから」
花菜「貴女の本来の立場は違うでしょう? そう、無理矢理に上司を演じなくても良いのよ?」
聖天子「私は……無理矢理に演じているわけではありません。ただ、力になりたいだけです」
聖天子様の声に嘘はない
表情にももちろん、強制的な意図は感じられない
1、ありがとう、聖天子様
2、貴女は聖天子を全うしてください。それだけで精一杯だから、そんなに疲れているんでしょう?
3、ふふっ、献身的な女の子ですね
4、では、力になって貰いましょうか(攻)
5、その他
安価下
花菜「では、力になって貰いましょうか」
聖天子「……はい?」
椅子に座る聖天子様を引き立てて
ベッドへと押し倒す
声にもならない小さな小さな悲鳴
可愛い
弱い
無力
無害
だからこその――愉しさがある
花菜「……そうじゃな、いや、そう」
聖天子「山科さん……? あの……」
花菜「……私も結構疲れていまして、休憩させたかったんですよ」
聖天子「どういうことですか?」
花菜「ふふっ、まぁ……貴女には力になって頂くだけです」
なにも、気にすることはない
なにも、怯えることはない
なにも、拒むことはない
花菜「少し、目を瞑ってください聖天子様」
聖天子「……………………」
躊躇いの眼差し
今の私は安心できるというよりも緊張すると言ったほうが正確だろうし
いや、この状況自体が安心させられるものではないかな
一つ一つに時間をかけすぎました
とりあえずここまでにします。ありがとうございました
山科さんなら負ける。でも、裏科さんなら……
wiki編集しました
新スレ登録
キャラ追加
キャラ位置変更
文章前の『●』設置
見辛くなっていたりしたら編集するので
見た際に不具合がありましたら報告お願いします
なお空気のティナちゃん
花菜「出来ませんか?」
聖天子「……できません」
演説に臨む前の緊張感に満ちた表情
はっきりとした聞き取りやすい声
断られるとは……まぁ、思ってたけど
意外と悩んだってところかしらね
きっぱりと断ってくれた方が
私としては色々とやりやすかったのに
けど、これもまぁ良い
だからこその手もあるのだから
花菜「……この前、無理矢理キスしてきたのに?」
聖天子「っ…………」
私に組み伏せられる聖天子様の体がビクッとして
瞳が逃げるように逸れていく
本当に国家元首?
なんていう疑問に満たない嘲笑にほくそ笑みながら
聖天子様の頬に手をあてがう
花菜「自分は強引にキスしておいて? 私からのは嫌だなんて……酷いわ」
聖天子「それには理由がありました」
花菜「そう……今の私には理由がなく、ただ貴女を襲おうとしてるだけっていうのね?」
聖天子「そ、そんなつもりは」
花菜「貴女が力になりたいって言ったから。だから、ちょっと期待したんだけどな……」
悲しさを滲み出しながら
そっと聖天子様から身を引く
聖天子「や、山科さ」
花菜「もういいです。また期待させるようなこと言って、また断るんでしょうし……」
聖天子様が目を見開き
気まずそうにうつむいたのを横目に見ながら内心で笑う
気持ちがいい
愉しい
一方的に責め立てることが出来るのが
堪らなく――心地いい
花菜「気を許した相手に裏切られちゃいましたし、他の人なんてもう信用出来そうにありませんから――」
聖天子「ぁ」
花菜「もう、民警とかやめようかしら……怖いし」
聖天子「っ、そこまで言うほどですか?」
ハッとして
一気に余裕が出た聖天子様の声
なるほど
この程度ではまだ……しっかりとした思考能力が残っているのね
花菜「もしかしたら。ですよ」
聖天子「……………」
クスリと笑いながら
聖天子様をジッと見つめて
花菜「責任を負うことしか出来ない。と言ったのに」
聖天子「っ…………」
自分の唇にそうっと触れて切なさを醸し出す
その実は初心さの欠片もない唇だったりするけれど
花菜「キスした責任は放り投げるのね?」
聖天子「そ、その責任、と言われましても……」
花菜「別に良いのよ? どうせ私の唇なんて安い物だもの」
聖天子「で、ですが……しかし」
悩んでる悩んでる
責任云々を持ち出されると弱いのが優しすぎる上司の弱いところ
さて……そろそろ攻めてみようかしら
聖天子様は責任放棄したくない
でも、私は責任なんて取らなくていいと言った
だから聖天子様は最初に断った【キス】を受け入れるかどうかを迷いだしたのだけど
すぐにしてもいいと言えないのは
一度断ったのにやっぱり……なんて言い出しづらいから
そこで
花菜「聖天子様が少しだけお願いを聞いてくれれば……良いんですけど」
聖天子「少し……ですか」
私が責任を取ることのできる方法を提示する
悩まずに即決する人もいるだろうけれど
聖天子様のような人は悩む
ねぇ、知ってる? 思案するということがまたしても相手に【期待させている】ということを
もちろん、それが断れない理由にはならないが
それを利用してさらに追い詰めることが出来るようになる
私の手数を増やすか、それとも【少し】のお願いを聞くか
貴女に逃げ場はないわよ?
聖天子「……少し、だけです」
花菜「え?」
聖天子「少しだけ目を瞑っていますから」
花菜「……あら、良いの? 本当に? よく考えた?」
聖天子「あ、貴女にキスをしたのは事実ですし、責任を負うことしかできないと言ったにも関わらず投げるのは――嫌です」
聖天子様は愛くるしい表情で答える
これからされることに不安を抱き竦む体
きゅっと閉じられた目蓋はプルプルと震えて
今すぐにでも終わらせて欲しいという意思が見て取れる
解ってない
何も分かっていない
聖天子様ともあろうお方が
こんな子供騙しの落とし穴に嵌ってしまうなんて
花菜「ふふっ」
1、キスをする
2、しない
3、服を脱がす
4、耳に息を吹きかける
5、嘲笑する
6、その他
安価下
怯える乙女の唇に唇を重ね合わせる
緊張で乾いたそれはこの前とは打って変わって感触が良くない
聖天子「んっ!」
下唇を咥えながら吸い付き舌先で舐める
聖天子様が引き戻そうと唇を動かす度に
弾力が増すのが面白くて心地いい
だって、焦ってる
不安になって、怖くなって
聖天子「っ、っ!」
聖天子様が私の肩に手を当てて引き剥がそうとするのに対し
にこっと笑いながら
聖天子様の体を抱き寄せる
花菜「んー……ふふっ」
聖天子「!」
挟んだ下唇の上に舌を這わせて
そのまま聖天子様の口の中へと侵入させる
聖天子「ッ!」
花菜「んーん」
聖天子「ぅ……」
肩を掴む聖天子様の手に力が込められて
すぐに緩くなっていく
聖天子様の歪んでいく表情
純白のお姫様の心が穢されてしまうのを恐れ
でも、それに抗う術がないことを悟り
諦めて、崩れて、絶望に浸っていく
それのなんて美しいことか、可愛らしいことか
ねっとりとした湿度の高い口腔
頬の裏を駆け
触れると慌てて逃げ出す舌を取り押さえるように絡める――なんてね
花菜「んっ……コクッ……さすがに、貴女がしなかったところにまで手を出したりはしないわよ」
聖天子「っ…………」
聖天子様の安堵と不安の入り混じった瞳は
水晶のような涙を溜め込み、揺れる
花菜「……ふふっ、そんな顔したらダメじゃない。もっと虐めたくなるわ」
例えばそう
貴女をさらに追い詰める手札がまだある。とか告げたりしちゃってね
一旦ここまでにします
明日はもしかしたらお昼頃にできるかもしれません
聖天子様が大人の階段を投げ飛ばされてますね
聖天子「貴女……一体誰なのです」
花菜「記憶を吸った覚えはないわよ?」
聖天子「冗談ではありません!」
花菜「おっと……」
涙目の弱い少女のまま
最後の抵抗のごとく怒鳴り、押し退ける聖天子様
自分のことよりもまずあなたの事を考えるなんて
良い女の子じゃない
……ふざけないで
ふざけてなんていないわ
返して
返さない
騒々しい胸元に手を当てながらにやっと笑う
これは私のものだ
私が私の玩具をどうしようと私ではない私には関係のないことでしょう?
あの時私にしたように
すべてを終わらせてから自分から切り離し、閉じ込め、消しさればいい
……………………
花菜「心を許せる間柄。その相手にそれを言うとは……ううん。言われるなんて正直、いや、そうね。私が悪かったわ」
俯きがちに微笑みながら
聖天子様のそばをゆっくりと離れる
悪いのは明らかに私だけど……貴女の言葉はあまりにも重いのよ。聖天子様
その重みに潰されていく様を見せてもらうわ
気まずそうな空気が流れて
聖天子様が目を逸らす
花菜「そんな顔されても困るわ? 今更撤回……だなんて言われてもさっきまでの私たちには戻れない」
聖天子「…………………」
花菜「護衛や調理師の仕事も全部辞めるわ」
聖天子「ッ!」
見開いた瞳が私へと向いて何かを言いたげに唇が動く
否定したい?
言いすぎたと謝りたい?
でも、それを私は許さない
ふふっ……
どうにもならない絶望的な状況で必死にあがこうとする表情
忙しなく視線を彷徨わせて、気を引こうとするような仕草
カチッ、カチッと時間が刻まれていくたびに動悸がさらに早く大きくなっていって
動揺を糧に生まれた冷や汗が喉を乾かし、唾を飲む
それをこうして見つめているだけの時間
制限もなにもなく、終わりのない処刑台への道
そこを歩く囚人を見つめるこの高揚感、優越感――本当に好き。堪らなく愛してる
意図せず緩む頬を引き締めて、聖天子様を見つめる
花菜「……ただの冗談のつもりだった。でも、やりすぎた私が悪い。ごめんね? さようなら」
聖天子「ま、待ってください!」
花菜「……無理」
聖天子「っ……これは命令です!」
花菜「……誰の?」
聖天子「国家元首であり、女でもある私の。ですっ!」
悪いことをした相手の手を掴んで
鬼気迫る表情を浮かべながら必死に引き止める貴女が?
花菜「冗談も大概にして欲しいわね」
聖天子「冗談など――」
花菜「鏡を見なさいよ。貴女のどこが国を統べる人間なのよ」
普通に泣いて
普通に焦って
普通に怒って
普通に慌てて
普通に恐れて
どこからどう見てもただの女の子でしかない
花菜「……子供のくせに、簡単に責任を背負うだなんて言わないこと。良いわね?」
ポンポンと頭を軽く叩いて
そっと優しく体を抱きしめてあげる
聖天子「ぁ……」
花菜「貴女があまりにも安易な発言するからお仕置きしたのよ。怖かった?」
聖天子「っ……………冗談じゃありませんっ」
花菜「貴女の言葉だって冗談にはならない。安易な発言がどんなことになるか――身を持って教えてあげたはずよ」
優しく微笑みかけ
微かに震える頭を撫でてあげながら
自分自身の白々しさに苦笑する
お仕置きだとか
冗談だったとか
自分自身のための取り繕い
花菜「………………」
……本当にそれだけ?
ただ、自分自身がたのしむ為だけにこんなことをしたの?
何が言いたいの?
さっきからずっとそう言っていたでしょう?
……ならなんで取り繕う必要があるの?
自分自身の問いに答えきれずに首を振り
聖天子様の体をさらに強く抱く
花菜「正直なところね? 貴女みたいに見境のない人は見ていて不安になるのよ」
聖天子「不安に……ですか?」
花菜「そう。騙されて、利用されて、気づいたら取り返しがつかなくなって……」
どこかの誰かさんみたいに
花菜「大変なことになっちゃうかもしれないからね」
なーんて
件の合法的に虐められるであろう天童和光と遊べるまでは
この子、失いたくないだけよ
花菜「……どうだか」
自分の中の攻撃的な一面が薄れていくのを感じて軽く息をつく
ストレスが溜まってるのね。私
安価下コンマ判定
1257 ゾロ目 継続
────────────────────────────────────────
交友関係(好感/信頼 相手からの印象) 3ヶ月目 13日目 終了時点
山科 陽羽 (112/117 悠河を仲間にしたこと、後悔しないでね)
山科 憩 (70/78 信頼する家族かな)
山科 真希 (74/74 お義母さん?)
山科 真望 (73/73 お義母さん?)
山科 香織 (26/26 無茶っ子ね)
川原 瑞穂 (15/15 お義母さんです)
里見 蓮太郎(59/59 新入社員って誰だよ) 交流+1 新入社員+2/+3
藍原 延珠 (28/30 妾の第六感が……むむっ)
司馬 未織 (54/51 大事な親友や!) 交流+1 新入社員+1 恋愛教室+1/+3
室戸 菫 (23/24 仕事仲間だね)
千寿 夏世 (09/09 その他のプロモーターです)
伊熊 将監 (07/07 普通だな)
蛭子 影胤 (24/25 我が友の遺した娘だ。丁重に扱うよ)
片桐 玉樹 (16/14 姐さんっす)
片桐 弓月 (09/09 その他の民警よ)
壬生 朝霞 (07/14 実力は認めます)
聖天子(59/61 たった一人の私的関係者) 交流+1 暴走-2 懐柔+3
ティナ(15/15 保護者……ですね)
斉武 宗玄 (50/40 東京エリアなんぞには勿体無い)
序列:363番 所持金 2802.7万円(1800万使用予定) 外周区土地(75坪)
────────────────────────────────────────
14日目 朝 イベント判定
1 影胤と???
3 未織と???
5 聖天子
7 香織と???
9 悠河
安価下
→14日目 朝 再開位置選択
1、聖居(聖天子、和光)
2、自宅(陽羽、真希、真望、瑞穂、香織、ティナ)
3、実家(美菜)
4、商店街
5、外周区
6、司馬重工(未織)
7、さとみけ
安価下
()内部はその場所にいる固定キャラ
→自宅
『今回の騒動による死傷者の数は――』
花菜「………………」
大戦ではなく騒動
一時的な治安の悪化による被害者の数がようやく終わったらしく
襲来以前と比べるとかなりの人口が減り
その減った中での死者数までが表示される
花菜「……東京エリアは本当に大丈夫なのか。か」
右上のテロップを呟きながら耽るように顎に手を当てる
英雄様がいるとは言え
陸空海合わせた自衛隊の約74%が失われて
民警ペアも約40%が失われた
香織「まぁ……まだなんとかなるんじゃない?」
花菜「え?」
香織「あの超絶望的状況からひっくり返してしまうようなところを襲撃しようなんて人はそういないだろうし」
花菜「でも」
香織「アルデバランが生き残っているのならともかく、もう司令塔はいない。あんな統率の取れたものでない限り敗北はないわ」
自信ありげに言ったお姉ちゃんはクスッと笑うと
こっちも司令塔になれそうな人は全然いないけどね? と付け足した
自分が一番適してるって暗喩なのかしら
なんて深読みしながらテレビへと目を戻すと
中継映像に聖天子様が映ってドキっとする
昨日、少しどころではなくやりすぎた聖天子様への言動
あの国家元首のかけらもない状態からは想像もつかないほどに
凛としているけれど
瞳の奥の奥にはまだ微かな揺らぎが見える
香織「そういえば昨日……聖天子様と何してたの?」
花菜「特には」
香織「そうなの? 私はてっきりまたなにかしでかしたのかなって思ったんだけどなー」
花菜「そんなわけ――……」
香織「?」
お姉ちゃんを見ればニコニコとしていて
全部知ってると言いたげな表情に思わず顔をしかめた
なんで聖天子様と会っていたのかを知っているのかは
聞いても蛇が出てくるどころか
オオスズメバチが出てくるような気しかしない
香織「なんでも良いけど、遅く帰るのは止めなさいね?」
花菜「……うん」
香織「あの子達がすごく不安になるんだから」
花菜「ごめん」
陽羽が部屋から出てこようとしないのは
それが原因……なのかな
この前いろいろと言われたのにこれだもの
まるで救いがない
……自分のことだけど
香織「それと、今日は私も出かけたりする予定はないから。オヤスミ」
花菜「うん……え!?」
気づいて振り返った時にはもうお姉ちゃんの姿はリビングにはなかった
変に素早いんだから……まったくもう
1、交流(香織、真希、真望、瑞穂、ティナ、陽羽)
2、電話(陽羽、未織、悠河、蓮太郎、小比奈、影胤、美菜)
3、移動(商店街、実家、外周区、司馬重工、聖居)
4、ニュースを見る
安価下
1、香織
2、真希
3、真望
4、瑞穂
5、ティナ
6、陽羽
交流相手選択
安価下
→陽羽
花菜「陽羽、昨日はごめんね?」
陽羽「別に怒ってないよ」
花菜「……怒ってる、わよね?」
陽羽「怒ってない」
怒鳴るわけでもなんでもなく
声に抑揚を一切付けない陽羽は
私を一瞥するなり布団の中に潜り込む
花菜「…………………」
陽羽「……聖天子様とは何してたの?」
花菜「やっぱり解ってるのね」
陽羽「花菜から匂いがしたし……しかも結構強くついてた」
そんなところまで分かるの……?
陽羽「それに、聖天子様のことを泣かせたよね?」
花菜「えっ?」
陽羽は布団の中でもぞもぞと動いて
私の方へと寝返りを打つ
浮かない表情は少し疲労を感じさせ
昨日、陽羽が寝不足だったことを知らせてくる
花菜「どうしてそう思うの?」
陽羽「聖天子様の匂いが強かったってことは、服に匂いが染み込んだって事だよねー?」
花菜「……………………」
陽羽「そして花菜の服で聖天子様の匂いがしたのは主に肩や胸の少し上。飲み物だったらそんな場所に零すことはないよね?」
花菜「まぁ……そうね」
陽羽「ということは、その位置を濡らすのは雨か涙。水をかぶったらもっと広範囲だし」
陽羽は淡々と自分の考えを述べながら
不意に目を細めて私を睨む
陽羽「狭い上に昨日は晴れ。つまり、その位置を濡らしたのは涙……そしてそれは抱きしめないと成功しない」
花菜「…………つまり?」
陽羽「昨日、花菜は泣いてる聖天子様を抱きしめたりしてたから遅くなった。違う?」
陽羽は自分の言葉に絶対的な自信を持って断言しながら
ため息をついて私から目を逸らす
陽羽「……別に、聖天子様の頼れる相手は花菜だけだし。一日くらい良いよ」
でもさ。と続けながら
陽羽は悲しそうな目を私に向ける
陽羽「遅くなるって連絡くらいしようよ。じゃなきゃ、心配するから」
花菜「……ごめんね」
陽羽「うん」
うんとは言うし
別に良いとも言ってくれるけど……
1、ねぇ、お出かけしない?
2、貴女のことも抱きしめてあげましょうか?
3、抱きしめる
4、布団、一緒に入ってもいい?
5、その他
安価下
調子悪いので今日はここまでにします
ありがとうございました
明日、明後日はもしかしたらできないかもしれません
明日は出来たら昼以降
15日目の夕方に式典(大戦についての)を行う予定
序列と報酬はその時に
花菜「……陽羽」
囁くように名前を呼びながら
布団の中に手を忍ばせて
温まった小さな体を抱きしめる
ごめんねって言うと怒るかな
ありがとうって言っても解らないよね
花菜「……………………」
陽羽「こんなことしても、意味ないんだからね」
花菜「…………うん」
ツンとしたことを言いながらも
陽羽の手はしっかりと私の手を握っていて離さない
子供らしい可愛い反抗というか
正直じゃないというか
……私はこういう反応の方が好き
あんな悲しそうなものじゃなくて
こういう心が落ち着けるような……
陽羽「……花菜?」
陽羽「花菜、どうかしたの?」
花菜「どうかって……何が?」
陽羽「……分からないの?」
ゴソゴソと動いた陽羽は私のことをジッと見つめて
空いた左手で私の頬に触れる
陽羽「花菜、震えてるよ」
花菜「私が?」
陽羽「うん……」
そんな不安そうな顔しないで
私は平気だから
震えてなんていないから
そう思う心とは反対に体は正直に震えを伝えてきて
耐え切れずに目を瞑る
手と頬に感じる陽羽の手
全身に感じる陽羽の視線
耳に届く陽羽の吐息
目に映るのも陽羽
怖がる要素なんて微塵もないはずなのに
不安になることなんてないはずなのに
何でこんなにも穏やかな気持ちになれないんだろう
どうしてこんなにも怖いの?
どうしてこんなにも不安なの?
花菜「ッ…………」
熱くなる目頭を気づかれないように顔を伏せる
陽羽「大丈夫?」
花菜「………………」
なんでこんなにも……泣きそうなんだろう
聖天子様との一件で自分の心がより深く黒くなったから?
だから……不安?
自分ではどうしようもない相手
決して勝つことはできないであろう相手
それが忍び寄って来て
もう、腰元にまでまとわりついて来ているから
だから……怖い?
自問しても答えは出ない
サーッと頭の血の気が引いていって
部屋の寒さに身震いして
部屋の無音に不安が増していく
1、なんでもないわ
2、……私、もうダメかもしれない
3、私の事、助けて
4、ねぇ陽羽……いつも私ばかりでしょう? 貴女も抱いてくれない?
5、その他
安価下
花菜「……私ね?」
陽羽「うん」
花菜「もう、ダメかもしれないの」
陽羽「……ダメって、なにが?」
陽羽の声は子供のような甲高さはなく
大人びた静かさがあって
花菜「貴女に出会う前の悪い私にね? 戻っちゃうんじゃないかなって」
流れるように言葉が漏れる
陽羽「………………」
陽羽の返答がなく
目を合わせる勇気もなくて視線は下がり
肌に感じる陽羽の最後かもしれない温かさに身を委ねていると
布団が弾かれるようにベッドから落ちて
陽羽「つっかまえたー」
陽羽の温められた体が私を包み込む
陽羽「えへへっ」
花菜「……陽羽?」
空気を壊す笑顔と笑い声
名前を呼んでも陽羽はニコニコとしていて
普段は全く感じない怒りを覚えた私に対し
陽羽は満面の笑みのままに言う
陽羽「これでもう、花菜は私が捕まえている限り花菜のままだよ。捕まえてれば取って代わるなんてできないからね」
花菜「……そんなこと」
陽羽「無駄なんて言わないでよ」
電気が切れたと錯覚するほどに声色は転落し
子供らしい声から大人っぽい声へと代わり
思わず躓いた私の言葉を追い抜いて
陽羽が耳元へと顔を近づける
陽羽「無駄なんて、言っちゃダメだよ。心がどれだけ否定しても、頭では無意味だと答えが出てても、体が拒絶しようとしても」
花菜「………………」
陽羽「私の事を信じて任せてよ」
そう言った陽羽は少しだけ顔を離すと
大丈夫。と明るい笑みを浮かべる
陽羽「私が不可能なんて壊すから。無意味なんて言葉。成功フラグにしてあげるし……」
もう一度強く抱きしめてきた陽羽
手が滑るように私の頭に触れ、髪を撫で下ろす
まるで母親と子供
立場の逆転されてしまったと皮肉を述べる心を押し留めるように
陽羽「花菜は私が守るもん」
だから大丈夫
と、陽羽の声が頭に響いた
因子を持つ子供とはいえ
自分よりも小さい子供の言葉
なのにどうしてこうも……ううん
それは悩むことじゃない
陽羽は私を助けてくれてる
今までだってずっと
花菜「……だから」
これがただの戯言だって
あなたにも蹴飛ばすことはできない
そうでしょう?
花菜「………………」
1、ありがとう、陽羽
2、ふふっ、それが死亡フラグになるかもしれないわよ?
3、お返しのキスをする
4、うん……頼りにしてるからね
5、もちろん、貴女のことは私が守るからね
6、その他
安価下
複数選択は不可
私からの返事はなく、不安と恐怖も失せた私は
笑みを浮かべる陽羽の顔を凝視して
そっと顔を近づける
特に意識したわけではなく
ただ単にこれが一番の鼓舞で
一番のお礼になるだろうと考えただけのソフトキス
陽羽「っ!」
の、つもりだったのに
昨日の再現のように舌は動いて
陽羽の口腔内で怯える舌先に触れる
陽羽「っ、ぁ」
絡めるのではなく
舌先の外周をくすぐるように弄び
そのまま唇を唇で挟む
花菜「……………………」
陽羽「んーっ!」
花菜「っ」
陽羽の力には勝てず強引に押しのけられた体
当然唇も離れ、微かに淫靡な音が鳴って
重力に引かれていくどちらかの唾液が唇から落ちる
陽羽「急にどうしたのさっ!」
花菜「……ごめんなさい。こうすればお礼になるかと思って」
違う
私がしようとしたのはこんな強引なものじゃない
もっと優しくて軽い
挨拶程度のモノだったはずなのに
陽羽「お礼って……いや、うん。確かに嬉しいけど」
花菜「嬉しいの?」
陽羽「か、花菜がしてくれることだし……」
照れくさそうに顔を赤く染める陽羽は
チラッと私を見てまた違う場所へと顔を背ける
陽羽「ででも! あんまり……しちゃダメだよ……? 勘違い、しちゃうし」
花菜「……そうね」
陽羽に拒絶されたからか
陽羽を困らせただけになったからか
それとも……
なぜか落胆した心の奥で彼女は笑い
昨日は中途半端だったものね? 不満なんでしょう?
好きなだけ、やっちゃえばいいのに……と
皮肉と嘲笑を交えてきた
・朝を終了します
今回はここまで
ありがとうございました
SSwikiですが
忘れてたティナを追加しました(>>199さんありがとうございました)
あとは花菜を【主人公】枠で単独編集枠にし
山科花菜(原型):大戦開始前
山科花菜(偽り):本作開始時点
山科花菜(本性):大戦後~本作開始前
として追加しました
たぶん、キャラがちょっとは解りやすくなったかもしれません
あまり参考にはならないかもしれませんが
それと好感度と信頼度の数値による心象判断表(仮)も追加しました
またなにか不足があれば補足します
→14日目 昼 再開位置自由選択
1、聖居(聖天子、和光)
2、自宅(陽羽、真希、真望、瑞穂、香織、ティナ)
3、実家(美菜)
4、商店街
5、外周区
6、司馬重工(未織)
7、さとみけ
8、川原家
安価下
安価下コンマ一桁イベント判定
1 聖天子様
3 蓮太郎
5 和光
7 菊之丞
9 木更
→ 蓮太郎
蓮太郎「本当は何か知ってるんじゃないのかッ!?」
花菜「……ん?」
聖居の一室から馴染み深い怒鳴り声が聞こえてきて
思わず耳を澄ます
「くどいぞ蓮太郎!」
蓮太郎「っ……けどよ!」
「私は知らないと言っているだろう。それに、私にはお前と違って仕事があるのだ。帰れッ」
もうひとりの声は誰のかわからない
でも
政府関係者くらいしか入ることのない聖居の中で話しているのなら
政府に関係する人なんだろうけれど……それが解ったところでどうしようもない
なにも分かっていないのと同じようなものだしね
さて……どうしたものかしらね
1、部屋に入る
2、盗み聞きを続ける
3、聖天子さまに会いにいく
安価下
……本当はあまりしたくないけれど
花菜「………………」
周りを見渡し誰もいないことを確認してから
ドアではなくすぐ横の壁に耳を付け、意識を集中する
蓮太郎「木更さんは和光義兄さんがやったって疑ってる……いや、そう信じてんだ!」
和光……って
たしか天童和光よね?
天童家と関わりのある里見くんがお義兄さんと呼ぶのは解らなくもないし
そこは気にする必要もない
問題は……
和光「だからどうしたというのだ蓮太郎。証拠も何もない以上木更が勝手に疑っているに過ぎん」
蓮太郎「その勝手が問題だっつってんだ! 木更さんは本気だ。本気であんたを」
和光「ふんっお前は馬鹿か? この私は天童式神槍術の皆伝者だぞ?」
天童式神槍術のレベルはともかく
どんな武術であれ
皆伝ともなればその人物のレベルは常人を遥に超える
それが有名なところのモノならなおのこと……
この天童和光という人は相当な実力者だわ
和光「その私があんな女なんぞに負けるものかッ」
蓮太郎「分かんねぇだろ! 木更さんだって抜刀術の皆伝……互角だ!」
和光「だからといって私が敗北する道理はない!」
自分を過小評価している事が気に入らないのか
和光さんが怒鳴って何かを叩く
花菜「ッ!」
蓮太郎「和光義兄さん……ッ」
和光「来るなら来いと言っておけ! 返り討ちにしてくれる!」
和光さんの怒鳴り声に続いて
出口に近づく足音が聞こえてきて慌てて身を翻す
和光「……あの女に出来るとは思えんが」
花菜「………………?」
ニアミスで和光さんを交わして一息つく
あの女あの女って
木更ちゃんの事がそんなに嫌いなの?
同じ天童なのに?
花菜「……………………」
色々と……深いものがありそうね
蓮太郎「……くそっ!」
ダンッと
壁を強く叩いて里見くんが嘆く
蓮太郎「俺にはどうしようもねぇんだよ……俺にはッ」
花菜「………………」
蓮太郎「……わりぃな。花菜さん」
花菜「!」
蓮太郎「あんたの願い……聞けそうにねぇや」
里見くんの悲痛な声は寂しく届いてきて
私に気づいてのものではないと察して……俯く
里見くんらしくない弱気な言葉だものね
これはきっと聞かせたくない言葉、バレたくない姿だと思う
今、出て行ったらどうなっちゃうのかな
怒られる? 怒られる……よね
通路を少しだけ進めばすぐそこにいるのに
なのに……それがどうしようもないほどの長いものに思える
1、蓮太郎の方へ
2、和光の方へ
3、聖天子様の方へ
4、蓮太郎に電話
安価下
花菜「……放っておけないっ」
怒られたっていい
怒鳴られたっていい
里見くんが拒絶するとしても
花菜「里見くんっ!」
蓮太郎「花菜さ――っ、まさか!?」
私の姿を捉えた瞳が大きく見開かれて
苦虫を噛み潰したかのように
強い後悔の念を感じさせる表情を浮かべた
蓮太郎「……聞いてた、のか?」
花菜「………………………」
蓮太郎「聞いてたんだろ?」
花菜「…………うん」
誤魔化せる理由もなく
素直に頷いて里見くんを見つめると
想像とは裏腹に意気消沈した里見くんは
沈痛で儚げな瞳で私を見つめてきた
私の好きな表情だけど
もうちょっとスパイスが欲しい
手を加えてもいいかしら?
なんて浮かれる私の心を咎めて首を振る
里見くんには手を出させたくない
今の里見くんを余計に追い詰めるなんてこと
絶対にさせたくない
花菜「木更ちゃんの事なんだけど――」
蓮太郎「……すまん。どうにもできねぇ」
花菜「………………」
蓮太郎「啖呵切っといて情けねぇんだけどよ。無理だったんだ」
はははっと乾いた笑い声を漏らし
里見くんは私から目を逸らす
木更ちゃんのことだものね
精神的に凄く辛いっていうのは分かる
でも、ただ止められなかっただけなのなら
止まる気はないって言われただけなのなら
何度だってやってやる
そう言えるのが里見くんのはずなのに
花菜「………………」
よくよく考えれば
その理由も分かるはずなのに
花菜「どういうこと……?」
不意に割り込んできた別の思考に耳を傾けると
彼女は嘲笑しながらも
素直に続ける
貴女……ううん。私が巳継くんのことを司馬重工の彼女に話したとき
あの子はなんて言ってた?
花菜「なんてって……」
【里見ちゃん結局花菜ちゃんと組んだんか】
あの子はそう言った
分かる?
新入社員が里見蓮太郎だと思った
な ぜ か
それは里見蓮太郎が件の女の民警会社の社員ではないから――だったりするんじゃなぁい?
嬉々として言い放った私の中の私は
私の目を通して里見くんを見るとクスクスと嘲笑する
本当に嫌な性格をした私だわ
でも
その私が分かっているのなら
今の私も分かっているはずなのに
どうして……忘れていたのかしら
花菜「…………」
蓮太郎「……悪いな」
消え入るような声で言った里見くんは
身を翻して私から離れようと歩き出す
哀愁漂うその姿は
声をかけることを躊躇わせる
私の中の私だけは……嬉しそうだけれど
1、待って里見くん!
2、後ろから抱きつく
3、ねぇ……もしかして里見くん木更ちゃんにクビにされちゃったの?
4、頼ってくれていいからね! 私は……力になれることならなんだってするから
5、何も言わない
6、ううん……良いのよ。誰にだって無理はあるもの
7、その他
安価下
お願い蓮太郎くん、木更ちゃんを諦めないで+2
その他:自由
安価下
来てたので>>289
花菜「っ!」
立ち止まってなんていられない
ここは木更ちゃんの目の届かない場所
里見くんの断る理由にならない
蓮太郎「なっ!」
花菜「振り払わないで!」
蓮太郎「っ…………」
抵抗しようとした里見くんの気持ちを押しとどめて
里見くんの弱った心ごと体を抱きしめる
不安を感じる
嘆きを感じる
でも、震えることを必死に堪えてる
男の子だ
女ではなく、男という強さのある性を持つ人だ
でも――子供なんだ
そんな子に諦めるな。というのは無責任か?
いや
ここで諦めさせて
諦めたあとの最悪な結末で後悔させる事の方が酷ではないと
なぜ断言できる
……でも
私は諦めなかった結果を後悔してる
なら、諦めた結果を望むのか?
弄ばれ、蹂躙され
挙句殺されていたかもしれない未来を望むか?
怒りを感じる私の中の私
彼女はふっと息を吐いて剣のような鋭い瞳を私に向ける
人間なんて後悔しかしない
ひとつしか選べないくせに2つ以上を作り出す大馬鹿者
でも、だからこそ
お前が一番初めに作り出した選択をするべきなのよ
悩むな。選べ、そして後悔することなく割り切れ
あの時はそれしかなかった。思いつかなかった
だから仕方がなかったのだと、割り切って生き続けろ
命令してくる私の声を押しつぶすように
里見くんと体をさらに密着させ、強く抱く
花菜「――お願い連太郎くん!」
五月蝿い
五月蝿い、解ってる
言われなくたって解ってるッ
諦めさせちゃダメだってことくらい
花菜「木更ちゃんを諦めないでッ」
分かってるのよ
貴女は私なんだから
あなたなんかに言われなくたってッ
自分に怒鳴るように里見くんに向かって怒鳴り
花菜「……お願いよ。連太郎くん」
もう一度、囁くように優しく願う
……何も分かってないわよ。貴女は
そんな切ない声が私の中で響き、
彼女の存在はそのまま薄れて隠れてしまった
とりあえずここまでにします
お疲れ様でした
花菜さんが主人公かヒロインか分からなくなることが多い蓮太郎関連の選択肢
これが噂の主人公補正
花菜、花菜ちゃん、花菜さんの3人ですが
それぞれにシフトするための条件を簡易作成しました
選択する際の軽い参考程度にでもして下さい
山科花菜(偽り)
選択肢において必ず相手の味方、救いになるように選択し続けると
現状維持になります
相手が求めていることを的確に判断して
そつなくこなしていく……というような感じです
・裏科花菜(本性)
選択肢において積極的・攻撃的なものを選択し続けると
こっち側が出てきやすくなります
今回みたいな控えめでない選択が主にこちらですね
・山科花菜(原型)
こっちは【本性+偽り】が成立して初めて完成する方なので
イベントをこなしていって
ある特定のものをこなせば開放できる……という感じになってます
蓮太郎「………………」
里見くんは黙り込んだまま俯く
やっぱり、
無理だと悟ったことをまだ諦めるなっていうのは酷だったのかしらね
諦めてしまったあとのことを考えれば
諦めてなんて欲しくないし
無理でも押し通る。という経験がある私としては
まだまだいけると思うのだけれど
でも、里見くんはまだまだ子供だから仕方ないのかもしれない
そう思って離れかけた私の腕を里見くんの手が捕らえ
動きが止まる
蓮太郎「……花菜さん」
花菜「……なに?」
蓮太郎「俺はもう、天童民間警備会社の人間じゃないんだ」
既に察した真実に二度驚くことなく
憐憫の情を込めて「そう」とだけ返す
蓮太郎「驚かねぇんだな……未織にでも聞いたのか?」
花菜「詳しくは聞いてないわ。でも、新入社員のことを伝えた時に未織ちゃん……蓮太郎くんの名前出してきたから」
蓮太郎「そっか」
から元気な苦笑を交えた里見くん
それだけでも状況の悪さ
里見くんの辛さがひしひしと伝わってくる
蓮太郎「木更さんに言われたんだよ。貴方はどっちの味方なのって」
花菜「それで?」
蓮太郎「……言うまでもねぇよ。その結果がこれなんだから」
花菜「……………………」
蓮太郎「1年前……花菜さんに会うよりも少し前のことだけどさ。その時も酷かった」
里見くんの言葉を黙って聞く
両親を殺され
その恨み、憎しみだけで今日まで生きている
耳に痛い話だわ
誰かの父親
誰かの息子
区別することなく殺してきた私が生み出していないとも限らない人
蓮太郎「……でも、俺もそうだけど延珠と出会ったことで色々と変われた。そう思ってたんだよ」
花菜「………………」
蓮太郎「でも、思ってただけだった」
蓮太郎「他人に対して猪突猛進なあんたを仲間にしたし、そういう面でも変わってくれたと思ったんだけどさ」
花菜「……何も変わらなかった?」
蓮太郎「余計に酷くなった」
里見くんは遠慮がちにそう言って
別にあんたが悪いとは言わないが。と付け加える
どう考えても私が悪いのは明らか
なにせ
復讐したい人間のそばに
復讐されるべき人間がいたのだから
悪い影響を与えるのは当たり前
蓮太郎「諦めるなって……言ったけどよ」
花菜「ええ」
蓮太郎「どうすりゃいいんだよ。木更さんは殺すことこそ裁きだって考えてんだ……あの人にはもう、正義なんてないんだよッ」
正義がない
正義というものを待ち合わせていない私には
答えようもない問でしかなく
殺すことこそ裁きだという言葉には
反対どころか共感さえ出来てしまいそう
……だけど
できてしまうからこそ、そのまま流すわけには行かない
人殺しが共感できることが
良い事なはずがないわけだし
とはいえ、里見くんでも止められないとなると
花菜「……先に私が殺せばいいのかしら」
蓮太郎「は?」
花菜「天誅ガールズ参上! とでも血で書き殴ってね。ふふっ、ダークヒーローってやつかしら」
ほんの些細な冗談のつもりだった
なんて言えば許されると思っていたわけでもない
けれど里見くんは私の予想よりも遥に険しい表情で振り向き
蓮太郎「ふざけんなッ!」
怒鳴った
本気で
怒っているというよりも悲しい
そんな優しい瞳を厳しいものとして
蓮太郎「殺させねぇよ! あんたにも、木更さんにもッ! 殺させたくなんか……ねぇんだよ!」
その沈痛な面持ちは見ていて痛々しく
何よりも自分の発言の愚かさを重くのしかからせてくる
蓮太郎「なんでそうなんだよ。そんなこと言うんだよッ! 木更さんも、花菜さんもッ! なんで簡単に殺すなんて言えるんだよッ!」
1、それは言えるだけの過去があるからよ
2、壊れちゃってるからよ
3、ごめんね。ちょっとした冗談のつもりだったの
4、悪を裁くには殺すしかないのは事実だもの。なにか間違っているの?
5、正義をもってして悪を裁く……簡単ではないもの
6、その他
安価下
花菜「ごめんね。ちょっとした冗談のつもりだったの」
蓮太郎「冗談になってねぇんだよ!」
花菜「っ」
蓮太郎「一体どうしちまったんだよ……あんたは冗談は言っても真面目な時は真面目な人だったはずだろッ」
花菜「………………」
蓮太郎「なのに私が殺せばいいだなんて……冗談じゃねぇよ」
花菜「……ごめんね? 不躾だった」
俯くことでようやく額の位置にくる里見くんの頭にコツンッと額を当てて
そのまま支え合うように留まる
どうしちゃったのかな
どうかしちゃったのよ
それ以外、答えなんてない
色々あったから
そう、色々ありすぎたから
人は変わらずにはいられない
花菜「良くも悪くも、人は変わっていく」
私も、木更ちゃんも
里見くんも、未織ちゃんも、お姉ちゃんだって、影胤さんだって、誰だって
変わってしまう
花菜「……木更ちゃんのこと、諦める?」
蓮太郎「んなわけ……行かねぇよ。でも、どうしたら良いかが分からないんだ」
花菜「そうね」
蓮太郎「和光義兄さんはシラを切るし、木更さんには話しても聞いてすらくれねぇ」
花菜「……どうしようもない。ということね」
里見くんは黙って頷く
諦めるなと言った手前
何も手を打たないだなんて体たらくではいられない
天童和光のせいで第32号モノリスがモドキとなって襲撃を受けた
その可能性の否定ができない以上
憎しみに駆られた木更ちゃんを止めるのは無理に等しい
だとすれば天童和光を何とかするしかない……のかしら
正義で裁くことができない
というのが木更ちゃんを凶行に走らせているというのなら
正義で悪を裁いてみせる必要がある
……でも、どうやって?
言うだけなら簡単、成すことが難しい
まさにその通りだと思い知らされる
結果を述べることはいくらでも可能だけれど
過程を語れないのでは意味がない
起結のみしか描けない思考
承転の描けない思考
それではダメなのよ
過程が、中身が
それがなければ結果は得られないまま
ただの理想として消えていく
花菜「でも……」
方法がない。思いつかない
天童和光が認めることはないだろうし
認めざるを得ない状況に追い込めるだけのものもない
蓮太郎「まぁ、まだ時間はあるだろうしなんとか考えてみんよ……それでも無理だったらさ」
花菜「うん?」
蓮太郎「……なんでもない。ハナっから弱気でいるわけにもいかねぇよな」
苦笑してみせた里見くんの表情には影があって
言葉とは裏腹に弱気になってしまっているのが見え見えだった
・蓮太郎との交流を終えます
聖居での交流選択
1、聖天子
2、和光
3、菊之丞
安価下
→和光
花菜「いろいろとお話を伺いたいので、お時間を頂いても?」
和光「……………ッ」
私の差し出した手の上の証明証は
煩わしいと振り払いたそうな表情を一転させるだけの効力を持つ
印象は悪くなるだろうけれど
望みとおりにはなってくれるという一長一短な代物
和光「勝手に名前を使っていいのか?」
花菜「聖天子様も今回の不可解な点には疑問を抱いているみたいなので許可は頂けました」
聖天子様から使えと命令されたわけだけど
話したいと言い出したのは私だものね
間違ってない
和光「……解った。聖天子様のものとなっては断れん」
花菜「ご協力感謝致します」
廊下で話すわけにも行かず
招かれた応接室
先に座った和光さんは適当な場所に座れと
大雑把な指示をしてすぐに瞳をギラつかせる
和光「件のモノリスの取りまとめは私だったことは認めよう。だが、私は何もしていない」
花菜「……でも、実際に32号モノリスが狙われました。ステージⅤではなく、ステージⅣに」
和光「だからそのまとめ役だった私が怪しい。と? 早計ではないか?」
花菜「……モノリスに何らかの問題があったか、アルデバランが進化した。そのどちらか以外はありえません」
和光「なら、アルデバランが進化したのだ」
和光さんはすかさず口を挟むと
嫌味な笑みを浮かべながら続ける
和光「ヤツは元々バラニウム侵食液という対抗策を持ち合わせていた。そこから抵抗力を手にした可能性もあるだろう?」
花菜「それは」
和光「いずれにしろ、モノリスは新しく作られた。アルデバランは死んだ。これ以上考えることなどない。違うか?」
和光さんが言うのことも一理ないわけではない
モノリスは倒壊し、新しく建造されている
問題のアルデバランは討たれ、驚異も去った
他にバラニウム侵食液を持つガストレアは今のところ確認できていないし
モノリスがダメだったにせよ
アルデバランが進化したにせよ
どちらも修正・粛清されたのだから問題は――ないはずがない
花菜「原因を突き止めなければ新たな被害が出るかもしれません」
和光「その不安を取り除くために、ガストレアの進化では煽るだけだから私を犯人に仕立て上げて終わらせようという魂胆か」
花菜「ちがっ」
和光「モノリスには何の問題もなかった! 特殊なガストレアであるアルデバランが襲撃してきたが、討伐した! それの何が不満なのだ!」
花菜「不満……というか」
和光「不満があるからこの聖天子様の名前まで借りて私に問に来たのだろう?」
あからさまに不機嫌な和光さんは
私の事を睨むように見つめる
聖天子様の名前を借りなければ話すことさえできないというのに
借りたら借りたでこの言われよう
世界が理不尽にまみれているとは言え……
和光「私の言っていることに間違いはあるのか? 訂正するべき場所があるのか?」
花菜「えっと……」
和光「モノリスに問題はなく、アルデバランが偶然耐性を持ったために攻めてきた。それに不可解な点があるのか?」
花菜「………………」
言う通り、
元々対抗策を持っていたアルデバランがさらに――というのが100%ないとは言えない
でも。それで認めちゃっていいのかな
それで終わらせちゃっていいのかな
これで終わらせて、木更ちゃんを止めることができるのかな……
悩み続ける中で彼女は嗤い
私にも遊ばせてよ
こういうのの相手は、面白いし
と、楽しげに呟く
1、和光の言葉を認める
2、ステージⅣが進化することはないはずです
3、彼女にバトンタッチ
4、その他
安価下
花菜「ステージⅣが進化することはないはずです」
和光「しかしステージⅤという例外が存在するではないか」
花菜「でも」
和光「それに、元々あった抵抗力・対抗策が更に効力を持っただけかもしれない」
花菜「そんなことがありえたら世界はバラニウムへの信頼を損なってしまいます!」
和光「だから私が細工したと嘘の自白をしろ。と?」
花菜「ぅ…………」
そこまで強制するつもりはない
というより、そんなことをしても意味がない
大戦で亡くなった人達に
和光さんのせいだったわだなんて嘘の報告にしかならなくなる
たとえそれが真実だとしても
しっかりとした理由も何もないそんな報告なんてしたくない
和光「お前は戦うことはできても頭の方はダメなようだな。言い掛かりもいい加減にしないと聖天子様の名前にも傷が付くぞ?」
花菜「………………………」
和光「これ以上話していても無駄だな。こう見えて暇ではないんだ。失礼させてもらう」
怒り気味に言い捨てた和光さんは
そのまま部屋を出ていく
……証拠がないとダメだった。かな
それもあるでしょうけど
まぁ、貴女には荷が重っかったのよ
これは言わば相手をどれだけ虐められるかの遊び
虐めが嫌いな貴女には不可能なの
クスクスと嘲笑する声が頭の中で嫌に響いた
・和光は認めませんでした
・和光が逃走した
・お昼を終わります
とりあえずここまでにします
ありがとうございました
天童和光は逃げ出した!!
▼
スタタタッ
しかし天童木更に回り込まれてしまった!!
▼
夕方再開位置選択
1、聖居(聖天子、和光)
2、自宅(陽羽、真希、真望、瑞穂、香織、ティナ)
3、実家(美菜)
4、商店街
5、外周区
6、司馬重工(未織)
7、さとみけ(蓮太郎、延珠)
8、川原家
安価下
聖居でのイベント判定
1 聖天子
3 未織
5 香織
7 和光
9 女の子
安価下
→ 14日目 夕方 聖居
お昼からしばらく粘っては見たものの
和光さんの言う通り
資料をどれだけ見返しても不正はなく
第32号モノリスには何の問題もないという答えしか出てこなかった
花菜「……やっぱり、和光さんは何も悪くないのかしら」
どこか別所に提出されたものならともかく
聖居に存在するものが偽物だなんてことはないだろうし……
そうとも限らないけどね
花菜「?」
資料が本物でも内容は偽物ということだってあり得るし
そもそもの話、自分の犯罪の証拠を残しておく馬鹿がいるわけ無いでしょう?
花菜「……それもそうね」
一般人だろうと聖天子様の勅命を受けた貴女であろうと
捜査はここが限界なんじゃないの?
第32号モノリスの建設に携わったほかの人間が生きていて
会うことが出来たとしても
素直に不正した証拠があるだのしましただの、白状するわけもないし
花菜「それはそうかもしれないけど……」
いっそ放ったらかしにしちゃったらどう?
どちらにしろ
天童木更が片付けてくれるんでしょう?
不正をしていたのなら処分されても問題はないし
そうではないにしろ
天童木更から恨まれ復讐されなければいけない罪を犯したということなのだから
別に、死んだっていいじゃない
花菜「それは」
貴女はどうせ、だからと言って殺されるのは可哀想だ。なんて言いたいのかもしれないけれど
それってつまり
復讐心を抱くことになった天童木更の過去を
諦めてそのまま受け止めて生きろっていうようなものなのよ?
まぁ、これでも貴女は私で私は貴女なんだから、貴女が復讐を否定的なのは理解しているわ
でもね? 山科花菜
復讐されるような過去がある人間を可哀想だなんて思って、復讐心を抱いた人間を最低だと罵るのは
正直……おかしいと思うわ
復讐されるような人間
復讐するような人間
お前にとっての悪者はどっち?
裁くべき人間はどれ?
花菜「…………でも」
天童木更に人殺しをさせたくない
私と同じような人間にはしたくない
なんていうものはもう聞き飽きているのだけど
そうね、あえてそれに言わせてもらうのなら
そんなの、お前の押し付けでしかない
花菜「ッ」
天童木更は
あの女は
復讐心に従って人殺しをして
お前と同じように境界線を超えることを望んでるのよ
それの何が悪い
それの何がいけない
そうしなければ生きていくこともできないような人間の望みを認めてあげることの何が悪い
花菜「だけどッ」
後悔なんてさせてやればいいじゃない
したいだけ殺させてあげて
壊したいだけ壊させて、壊れたいだけ壊れさせてあげればいい
もう後戻りのできない世界を振り返って
叫び声を上げる姿を嘲笑って上げればいいじゃない
お前がそれを望んだのだろうって
花菜「そんなの……」
間違ってる?
おかしい?
狂ってる?
お前が思っていることなんて
私には包み隠さず聞こえる。分かる
でも山科花菜
そうしなければ満足のできない人間に
貴女はそれ以外の満足を差し出せる?
今あるかけがえのないものを失ってまで
復讐をしようという覚悟のある天童木更を
止めることができるほどのものを差し出すことができるの?
花菜「…………………」
そんなものはない
そんなことはできない
諦めろ
お前は無力なんだよ
お前にできることは――奪うことだけだ
止めたければ殺せ
天童木更を
あの男のように
あの子のように
その手で
その銃で
何もかもを奪い去れ
お前にできることなんてそれだけでしょう?
花菜「………………」
殺せば止めることができる
殺せば終わらせてあげることができる
殺せば殺させずに済む
殺せば苦しませずに済む
殺せば悲しませずに済む
殺せば後悔させずに済む
それはそうかもしれない
間違っていないかもしれない
花菜「でも」
でも?
花菜「そんなの……」
そんなの……最終手段だわ
その最終手段でしか止められないでしょって言ってるのよ山科花菜
花菜「っ…………」
私の中の私の言葉は的確で
間違ってると断言できそうにもなくて
黙り込んだ私の中に溶けていく
夕方になっても白い聖居の中
一人佇む私に煩く話しかけてきていた彼女は
認めようとしない私に呆れたのかため息をついて消える
花菜「……私は」
私は間違ってないはず
木更ちゃんの復讐を止める
それが間違っているなんて……きっとない
揺らぐ
気持ちが、願いが
止めるべきなのかと――悩む
1、電話(香織、陽羽、未織、影胤、小比奈、蓮太郎、延珠、木更)
2、移動(商店街、司馬重工、自宅、実家、外周区、さとみけ、川原家)
3、聖天子のところへ
4、和光へ再アタック
5、その他
安価下
→聖天子
花菜「……失礼します」
聖天子「和光さんとお話をされたようですね」
花菜「ええ」
聖天子「……結果は結構です」
花菜「すみません」
聖天子「いえ、私が使ってくださいと言ったものですからお気になさらずに」
書類に目を通しながらも
聖天子様はチラっと私の方を見て微笑むと
適当な場所に座ってくださいと促す
どうやら和光さんは聖天子様に直接言いつけたらしい
多分……あまり良い言い方はしてないでしょうね
2人して黙り込んだまま
ペラッペラッと書類を捲る音
その書類にペンを走らせる音が時々なるだけの室内
静かな部屋
乱すもののないはずの部屋
なのに心は穏やかではいられずに荒れていて
頭の中は不安と焦りで滅茶苦茶になりそう
……だってこのままじゃ和光さんは。木更ちゃんは
花菜「………………」
聖天子「……ところで山科さん」
花菜「……はい」
聖天子「今日はどのような用件で? 和光さんのことに関しては報告は受けていますし、それ以外に何か?」
花菜「………………」
1、特になにもありません
2、……別に。ただ、聖天子様のお顔が見たいなと思いまして
3、今宵はお供させて頂けませんか?
4、和光さんの証拠は見つかりそうになくて。でも、そのままではいけないんです
5、聖天子様は復讐されるべき人間と復讐したい人間。どちらを救いますか?
6、その他
安価下
いずれか一つのみ
花菜「……別に。ただ、聖天子様のお顔が見たいなと思いまして」
聖天子「ふふっ、お上手なんですね。山科さんは」
クスクスと笑った聖天子様は
大して気にする素振りもなく書類審査? を続ける
花菜「お世辞……というわけではないんですよ?」
聖天子「なら……どう言った意味で――」
花菜「……そのままの意味です。本当に。なんの深い意味合いもなく。ただ、貴女の顔が見たかっただけです」
聖天子「……お疲れなら、ベッドを使って頂いても構いませんよ?」
花菜「……そこまで疲れてるわけでもないですから」
聖天子様は作業する手を止めてじっと私を見ると
心配そうな表情で小さく首を振る
聖天子「ご自分のことは自分が良く分かっているはず。なのに無理するのが山科さんではありませんか」
花菜「………………」
聖天子「他人にまで悟られたならもう、休まなければいけません」
代表としての力強さのある表情をした聖天子様
そこまで
そこまで私は疲弊しているように見えるのかしら
鏡がなくて自分の顔を見れていない
ううん
見ようと思えば見れたのに避けた
なぜ?
見たらダメだから?
どうして?
疲れきって……いるから?
花菜「………………」
自分で入れた熱いコーヒーを一口含んで目を瞑る
じんわりと広がっていく暖かさは一瞬で溶けてなくなって
体は変に重く感じて気だるくなっていく
花菜「病は気から……よく出来た言葉だわ」
1、聖天子様の言葉に甘えてベッドを使う
2、そのままソファに座ったまま休む
3、聖天子様も一緒なら。と、行ってみる
4、裏科さんの積極的お遊びコーナー
5、その他
安価下
ここまでにします。ありがとうございました
裏科さんの言葉を肯定するか否定するか
聖天子「如何です?」
花菜「そうですね……聖天子様も一緒なら」
聖天子「えっ」
カタッと音がして
ペンが床に落ちた音が聞こえて目を向けると
唖然とした聖天子様はじっと私を見つめてぎゅっと目を瞑る
聖天子「……やはり疲れているみたいですね。山科さん」
少しピリピリする声の聖天子様
からかいが過ぎちゃったらしい
やっぱり政務に勤しんでいる時は冗談は言うべきじゃなかったかな
と、反省する私の中で苦笑が聞こえる
花菜「……なに?」
それ、本当に冗談で言ったの?
そもそも
貴女が言いたくて言った言葉なの?
花菜「……どういうこと?」
そのままの意味よ
それは貴女が考えた言葉?
貴女が言おうとしていた言葉?
その子が疲れているんじゃないかって言うくらいに
貴女らしくもない言葉なのよ? 解ってる?
花菜「……分かってるけれど」
そう?
なら別にいいんだけどね……ふふっ
花菜「なんなのよ……」
言うだけ言って消えた彼女に対してため息をつく
冗談は冗談よ
聖天子様をから買うつもりで言っただけの冗談
私が思って私が考えた
……私って、どっち?
花菜「………………っ」
自分というものが分からなくなりそうな頭を軽く振って深呼吸
胸を彼女ごと押しつぶして自分は自分だと再認識
花菜「……でも」
しこりがあるというか
まだ違和感があるというか
真っ直ぐなはずなのに曲がって見える……ううん
曲がっているのに真っ直ぐに見えているような違和感
それに気を取られていたせいか
背後に回ってきた気配を【何か】と捉えて振り向きざまに払い手が動き
聖天子「っ!」
聖天子様の喉元でギリギリ止まった
聖天子「……す、すみません。う、上の空……だったみたいなので……その」
花菜「…………そういう時は近づかない方が良いです。死にますよ」
聖天子「……き、肝に刻み込まれました」
安価下コンマ判定
1270 ゾロ目 せーてんし
聖天子「やはり、お休みになられては?」
花菜「でも……」
聖天子「私はここで資料を見ているだけですから。ここの窓だってそう簡単には侵入できませんし」
聖天子様は正面のソファに座って
女の子らしい笑みを浮かべながら催促する
とはいえ聖天子様のベッドを借りるわけにもいかない
なにせ聖天子様のものだし
許可を貰っているとしても
聖天子様が頑張ってるすぐ近くで休んでる。なんていうのは問題外
だから聖天子様も一緒ならって……ならって
花菜「ッ!」
彼女がその経緯で言った言葉だということを知っていながら
歪んだ方へと彷徨わせていたことに今更気づいた
そのことに思わず顔を顰めた私に対し
聖天子様は小首を傾げると
聖天子「私のことはお気になさらなくても結構ですよ」
と
穏やかな表情で言う
まるでご老体をいたわっているかのように
……そんなつもりはないんでしょうけど
というか、あったら困る
聖天子「大戦中、山科さんにばかり頑張らせてしまいましたから」
花菜「だけど聖天子様だって寝ていたわけじゃ――」
聖天子「絶対に安全な聖居の中でただ言葉を紡ぐだけだった私と命懸けだった山科さん。比べるまでもありません」
花菜「………………」
命懸けではなかったかもしれないけど
聖天子様だって頑張っていたことには変わりないはずなのに……
そんなに私が疲弊しているように見えるの?
その疑問に答える……のとはちょっと違うけれど
聖天子「……でないと私が困ります」
私から目を逸らしながらそっと呟く
花菜「……困る?」
聖天子「詳しくは話せませんが、精神衛生上の問題なのです」
花菜「精神衛生上?」
聖天子「はい」
花菜「………………」
あくびは人に移ってしまうとかなんとかって言われているし
気怠そうな人を見ているとこっちまで気分が悪くなるっていうのは昔からあることだし
そこまで酷いってことなら休ませて貰おうかしら
1、家に帰る
2、実家に向かう
3、司馬邸へ
4、さとみけへ
5、ここで休む
安価下
花菜「聖天子様がそこまで言うのなら……甘えさせて貰おうかしら」
聖天子「ええ、遠慮なさらずに」
一転して嬉しそうな笑を浮かべた聖天子様は
それではと前置きして席を立ち
また政務へと舞い戻る
私一人が聖天子様のどれだけの心労になってるのかしらね、まったく
死にやすい民警なんかを精神的に重要視してると
取り返しのつかないことになるって分かっていないのかしら?
そうさせた張本人がそんなこと言ったらどうなるのかしら
試しに言って見せてくれる?
花菜「……言わないわよ」
あらっつまらない人ね
聖天子様の綺麗な顔が歪に乱れるのを見たくないの?
花菜「そんなわけ無いでしょう?」
ふふっ、私は見てみたいの
貴女が見たくないからこそ、ね
不気味な笑を浮かべる彼女を振り払ってベッドに横になる
思ったよりも自分の家のものと変わりない
というのも
私の家が政府によって用意されたものだからなのよね
……贅沢だわ
・テンテンテテテーン
→ 14日目 夜 聖居
安価下再開時イベント判定
135 聖天子
7 陽羽
9 裏科さん
24 過去
→ 14日目 夜 聖居
花菜「ん……っ」
再起動する脳の高速回転に目の奥が痛み
覆うように手を宛てがってひと呼吸
花菜「…………今何時?」
聖天子様からの返事はない
それどころかカーテンは締め切られていて
部屋の明かりもお休みモードで薄暗い
花菜「………………」
寝過ごした
日付は変わっていないにしても
これはちょっと……失敗したわ
なんて自己嫌悪しながら
すぐ横で可愛らしい寝息を立てる聖天子様を見つめる
布団に潜り込まれたのに気付けなかったなんて
私……そんなに疲れていたってこと?
聖天子「すぅ…………んっ……」
花菜「………………」
今はそれを気にしている場合じゃないわよね
この状況をどうするかが問題だわ
ひとつ、諦めて寝る
ひとつ、聖天子様を起こす
ひとつ、起きないように抜け出す
諦めてねる……のは陽羽にメールの一つでも入れておけば大丈夫だろうけど
起こすというのは気が引けるし
抜け出すのは少し難易度が高い
高いだけで絶対に出来ないっていうわけでもないけれど
花菜「………………」
ふふっ、ここはいたずらしちゃうべきよ
花菜「なっ」
その覚悟があるからこうして密着しているんだろうし――ねっ?
私の中の私がニヤリと笑った
1、諦めて寝る
2、聖天子様を起こす
3、起きないように抜け出す(判定アリ)
4、電話(香織、陽羽、自宅、美菜、未織、蓮太郎、延珠、影胤、小比奈、悠河 から選択)
5、イタズラ
6、その他
安価下
→電話 美菜
悪戯しないの?
してって言ってるようなものなのに?
花菜「……しないわよ。私をなんだと思ってるのよ」
どうとも?
いや、うざったいとは思ってるけれど
変態だのなんだのといった感想は設けてないわ
花菜「私も貴女なのに?」
だからこそウザったいし嫌いなのよ
一々言わせないで
刺のある言葉を言い放った彼女は漂うように心の中を遊泳する
私も……私も少し
あなたの存在が煩わしく感じることがあるわよ
思った以上、聞こえたであろうそれに対し
私の中の私は何も言わない
花菜「……何してるのかしらね、私」
ため息一つ
なんとか手にした携帯でお母さんの番号を探して電話をかけた
安価下コンマ判定
偶数 通常通り
135 留守電
79 その他
とりあえず今日はここまでにします
ありがとうございました
一番悩んでるところにヒット
オリジナルのキャラを出すか、あの子に出てきてもらうか
それとも……剣の尻尾か
多分オリかあの子
悩み続けそうなのでコンマで判定
安価下コンマ一桁
奇数でオリ
偶数で原作の子
いつものように陽気な声が聞こえてくるかと思われた携帯電話
聞こえてきたのは確かに陽気で
楽しげで
こっちの気分にも影響するものだった
でも
『はーい。山科美菜でございまーす』
花菜「ッ!」
『もしもし? もしもーし』
明らかにお母さんの声ではなく
少し甲高い子供の声
『山科花菜さん、間違え電話じゃないですよねー?』
花菜「…………………」
『こっちに表示されていたので誤魔化す意味はないですよ?』
花菜「………………」
『えーお母様の件ですが、残念ながらただ今電話に出られません』
電話の奥の誰かは緊張感のない声で続ける
『多分、これからもずっと』
花菜「………………」
『ピーっという発信音の後に、最期の伝言をどーぞー』
お母さんは殺された?
それとも、殺されそうになってる?
『ピーっ』
カンに障る地声の発信音
時間はない、余裕もない
1、お母さんに何をしたの……?
2、貴女は誰?
3、何かしたら……殺すわよ
4、何も言わない
5、その他
安価下
花菜「何かしたら……殺すわよ」
『ならもう殺されるね』
花菜「冗談で言ってるわけじゃないわ。本気よ?」
『わたしも本気だよ。本気でもう、殺されなくちゃいけないって言ってるんだよ』
少女はえへへっと笑う
怯えずに、恐れずに
楽しんで、望んで、挑発するように
やってみせろと……小馬鹿にするように
『貴女のことは知ってるけど……わたしはそんなことどうでも良いんだ』
花菜「……どうでも?」
『……お母様は貰うよ。大丈夫、殺さない。優遇する。でも、返さない』
花菜「ッ!」
『殺すなら殺すでいい。でも、わたしは殺されない。殺されるつもりはないよ』
耳に痛い金属音が響いて
ミシッと続いて強制切断され……通話が終わった
ツー、ツーっと非情な電子音が続く中
呆然とする頭の中を整理するために目を瞑る
冷血?
冷徹?
親不孝?
いいや違う
お前はただ慣れてるだけだ
失うことに、奪われることに
花菜「………………」
今焦ったところで何も変わらない
慌てて遣いを送っても無意味だ
花菜「……そんなこと解ってるわ」
お母さんが襲われた
そう。お母さんが奪われた
どうしたらいい?
お前はどうするべきだと思ってる?
花菜「それがわからないから聞いたのよ」
分からなければ聞く
大いに結構
だけれど……わからないなら分からないなりの答えを出して
それが不正解だと言われる気はないの?
分からないから考えず
わからないから何もしない
そうではなく
分からないからこそ考えて
分からないからこそ行動する
少なくとも私はそうした
そのおかげで……生き抜くことができたわ
黙り込んだ私にため息をついた心の中
彼女は少しだけ間を空けると私を睨む
思考放棄した貴女の為に
私だったらどうするかだけは話しておいてあげるわ
花菜「……ええ」
まずはこのまま聖天子様を跳ね飛ばして私は直行
移動しつつ警察とお姉ちゃんまたは陽羽
とにかく私以外の戦力を確保して……そうね
陽羽なら単独で先行できるから陽羽かしら
その移動中も周囲警戒
トランクを引いた子供とかダンボール抱えた子供を捜索
花菜「どうして? 車かも……」
ほかにいるなら子供にあんな不用意な発言は普通させない
そもそも子供に電話にでさせたりはしない
花菜「…………」
私の行動は以上、さっさと行動を決めなさい!
1、電話(香織、影胤、陽羽、ティナ、警察、蓮太郎)
2、移動(自宅、実家、さとみけ)
3、聖天子様と話す
4、裏科さんに従う
5、その他
安価下
花菜「……里見くんの家に行く」
行ってどうするの?
まぁ、実家に戻ったところで犯人が留まっているわけでもないし
どこに行こうと何の問題もないけど……貴女
花菜「…………」
貴女、私よりも非情よ?
自覚しているのかしらないけど
仮にも母親が襲われたのだから
少しでも証拠――
花菜「五月蝿いッ!」
聖天子「ッ!」
花菜「分かってるから、そんなこと……分かってるからッ」
聖天子「山科さん……?」
……それなら別に良いけど
私が私になることが出来るだけだから
花菜「……聖天子様、ちょっと。連絡が入ったので出かけてきます」
聖天子「出かけ――」
聖天子様の言葉を最後まで聞かずに部屋を出る
幸い、来たままの格好だったために着替える必要もなく
まっすぐ車に乗り込めた
・移動します
→里見家移動 イベント判定
1 木更
3 警察
5 香織
7 陽羽
9 悠河
安価下
里見くんの家にちょうど到着する頃
すぐ近くの建物から誰かが飛び降り
着地する寸前に隣接した壁を蹴って横跳びして勢いを殺し
地面を少しだけ滑りつつも地に足着いた誰か……陽羽は私を見て手を振る
陽羽「……みーっけ」
花菜「陽羽……」
陽羽「探したよ。少しだけど」
流石というか当たり前というか
陽羽は呼吸も乱すことなく私のそばに近づく
花菜「どうしてここだって分かったの?」
陽羽「聖居にいるって言うから行ってみればついさっき出て行ったって言うし。未織は違うって言うからここかなーっと」
花菜「商店街かもしれないでしょう?」
陽羽「んーこの時間だしね。それはないかなーって。長老も向こうは何問題ないって言うし……あとはここだよね」
花菜「……そう。それで?」
陽羽「お母さんの件で電話が来たんだ。あそこの警備システムが破壊されたからこその警報がなったって警察から」
花菜「…………………」
陽羽「電話しても花菜は出てくれないし。なら直接ってことでね……香織達が先に行ってるから私達は要らないかもだけど」
私を気遣いつつ
お母さんの事の不安もあってか
陽羽は平静を無理に保とうとしているのがわかりやすい笑を浮かべる
お姉ちゃん達が行ってるなら必要ないと思うけれど
それに
無理に私を連れて行く必要があるの?
偏屈な問は口にせずに泡と消えて
代わりの瞳が陽羽へと向いた
1、私は里見くんに用事があるから……陽羽は行っていいわよ
2、悪いけれど、私は行かないわ
3、わざわざごめんね? 行きましょ(実家)
4、どうしても行かなければダメ?
5、その他
安価下
……さすがに、ダメかな
行くしかないわよね
この私が言うのもアレだけれど
本当に貴女……壊れてるわよ?
別にそれでも構わないといえば構わない
でも壊し外がなさすぎるのは嫌いなのよ。私
今の貴女はただただ衰えていくだけの老衰
そんなのつまらないわ
花菜「……楽しませるつもりなんてないから」
陽羽「ん?」
花菜「ううん。なんでもない。わざわざごめんね? 行きましょ」
陽羽「うん。急ごう!」
里見くんの家に背を向けて実家へと車を走らせる
その心境は……物凄く濁っていた
→実家
私が到着する頃にはお姉ちゃん達は当然到着していて
警察が立ち入り禁止の封鎖線を引き終え
野次馬がたくさん集まっていた
「あっ、こら君――」
陽羽「この家の関係者! 邪魔だからどいて!」
「っぅお!」
止めようとした警察を突き飛ばして陽羽は家の中に消えていく
カメラを守る強化ガラスごと破壊された防犯カメラ
家のドアも並大抵の力では壊せないはずなのに
取っ手の部分が破壊され締めても締まらない
「ってて……」
花菜「……人はいた?」
「?」
花菜「なかに人はいたのって聞いてるの」
「い、いや……いなかった……です」
花菜「……そう」
不自然に敬語をつかう警察官は
私を一瞥し
目があった瞬間にビクッと反応して顔を逸らす
怖いなら初めから見なければいいのよ
見たくせに怯えるなんて……相手に失礼だわ
花菜「そうは思わない?」
……そんなこと私に聞かれても困るわ
それよりも、家の中を見たりしなくていいの?
花菜「相手の要求はお母さんの技術か知恵かデータか……大体想像はついてる」
なるほど
パソコンとかが狙われてる……ということね
まぁ、正誤はともかく、お母さんは生け捕りなのは確定しているし
凄惨な現場。とまではいってないでしょうね
ごっそり持って行かれてるだろうし
何を狙ったかっていうのは分からないわよね……
花菜「……探偵の真似事でもしているつもり?」
貴女がやらないから私がやってあげているのよ
貴女も知っている通り
私は貴女が否定することを肯定する立場にある
貴女が嫌ということが好きで、貴女がしたくないことをする
花菜「……そうだったわね」
………………
…………やっぱり、休んだら?
貴女、絶対におかしいわよ
花菜「貴女に言われるほど皮肉なこともないわ」
……勝手にしなさい
花菜「言われなくてもしているわ」
花菜「……子供がやったのは確実だろうけれど」
壊された防犯カメラの状態はめちゃくちゃではなく
ただ一点を何かが貫いただけ
丸くて小さい……銃創にも見えるけれど
それにしては強化ガラスが簡単に破られる過ぎている
穴の大きさからして銃なら22口径
ライフルを使用したとしても通常のライフルでは弾かれるのがオチ
それにカメラ本体を貫通はしていないために
中には弾丸が残っていなければいけない
なのに掘り出した形跡はなく、弾も残っていない
となれば破壊したのは銃ではなく棒状の武器
花菜「……それも付け焼刃とか拾ったのを使った。なんてものじゃない」
強化ガラスの強度
それによる位置ずれ
すべてを計算した上で的確に中心を打ち抜くスキル……明らかに手馴れた武器
しかも相当な訓練を積んだと見て間違いなさそうだわ
花菜「……………………」
訓練していて
武器もしっかりと持っている
なのに単独行動している女の子
……どこからともなく現れた子供達なんかではなく
そう
ティナみたいに暗殺者として育てられた――ううん。それはない
それにしては仕事中にもかかわらず電話に出たりなんだりと
明らかな落ち度が見えすぎていた
花菜「……私設組織の子?」
可能性はある
でも……断定はできない
1、家の中へ
2、周囲を捜索
3、警察と話す
4、会話(香織、憩、陽羽)
5、その他
安価下
とりあえずここまでにします
ありがとうございました
今の花菜さんは限りなく黒に近いので取り扱い注意です
翌日になれば多少は収まる……かもしれません
このあと何もなければですが
凸ったってそんなもん認めるわけないしなんの意味もないだろこのスレはもう忘れ去られる運命なんだよ
微妙に細部だけ変えてんのだって突っ込まれたくないからだろうしやめてやれ
っていうかwikiがどうこう言うからむこうのwikiの人物紹介見てきたら作風がまんまで変わってなくてむしろ謎の安心感が出てきた
っていうか、その、なんだ……ぶっちゃけここで話題出る前から知ってた、むこうをどうこうする気もないから黙ってたけど
どうみても「wikiってどっちがいいんだっけ(すっとぼけ)」状態だし
半年(になるんだっけ?)の付き合いだからさすがにスレ見てるだけわかっちゃうのが悲しい
上の方でも言われてるけど原作追いついてきちゃって困窮したんでしょ
そんでテコ入れしてみたものの、どうキャラ扱っていいかわからなくなっちゃったんだろう裏科さんとか
別に扱い困ったら困ったで巻き戻してくれても良かったんだけど
でも次の日立ててるから一番の理由としては飽きたんだろうねえ
ほんとそれでいいんだよね長い間頑張ってくれたし
煮詰まりましたごめんってことなら気持ち良く次に送り出せたのに
これから発言があってこことむこうは違うから的なこと言われてもそりゃそう言うだろうってこと以外は思えんしどちらにしろ後味悪いよね
このスレ荒れてたわけじゃないんだからほんと一言ほしかった、素直な気持ちで送り出したかった
いやあ正直前のスレ(?)とやらはリアルタイムで追ってないけど流れみてると仕方ないと思うんだよねー
だからこそ前の素行がどうこう言われても何にも気にしてなかったよ、前のスレでは住人も悪いよって思ってたから
だから今回突然こんなことになってほんとビックリ、本当に何が悪かったのかわからない
ダメだ泣けてきた
なんだかんだいって>>1のSS好きだよ
こっちはもう無理かもしれないけどむこうも陰ながら見守ってるから頑張って
そいつ凸れとか言ってるアホだから相手するなよ
できれば昨日から再開したかったのですが
色々とあって一日遅れました
再開します
安価下コンマ一桁判定
1 8 ソードテール
5 2 女の子
花菜「………いない、みたいね」
もしかしたらカメラにも映らない光学迷彩とかをまとっているのかもしれないと思ったけど
どうやらそんなことはない………ううん
今もまだこの近くにいる可能性は低い
むしろ
すでに逃走を終えている可能性の方が高い
陽羽「花菜ーッ!」
花菜「ん………」
陽羽の声………震えてる
殺されていたりはしないみたいだから
そこは良かった
そう考えるべきなのかしら
陽羽「花菜、やっぱり………」
花菜「いなかったんでしょう? 誰も。お母さんの遺体さえも」
陽羽「……聞いたの?」
花菜「警察にね」
悲しそうな陽羽の頭を優しく撫でてあげると
陽羽はゆっくりと私に寄り添い
ぎゅっと腰に腕を回してきた
花菜「……大丈夫よ。お母さんは大事な研究者よ」
陽羽「でも」
花菜「大丈夫……きっと大丈夫」
殺すつもりならここで殺してるし
あの電話の相手が何に利用するかはわからないけど……
優遇するといった
殺さないといった
花菜「…………………」
今はそれを信じる他ない
でも、だからって見逃したりはしない
必ず、返してもらう
────────────────────────────────────────
交友関係(好感/信頼 相手からの印象) 3ヶ月目 14日目 終了時点
山科 陽羽 (114/119 悠河を仲間にしたこと、後悔しないでね) 交流+1 交流+1
山科 憩 (70/78 信頼する家族かな)
山科 真希 (74/74 お義母さん?)
山科 真望 (73/73 お義母さん?)
山科 香織 (26/26 無茶っ子ね)
川原 瑞穂 (15/15 お義母さんです)
里見 蓮太郎(61/61 新入社員って誰だよ) 交流+2
藍原 延珠 (28/30 妾の第六感が……むむっ)
司馬 未織 (54/51 大事な親友や!)
巳継 悠河 (69/65 山科さんは僕が手に入れる。絶対に)
室戸 菫 (23/24 仕事仲間だね)
千寿 夏世 (09/09 その他のプロモーターです)
伊熊 将監 (07/07 普通だな)
蛭子 影胤 (24/25 我が友の遺した娘だ。丁重に扱うよ)
片桐 玉樹 (16/14 姐さんっす)
片桐 弓月 (09/09 その他の民警よ)
壬生 朝霞 (07/14 実力は認めます)
聖天子(62/64 たった一人の私的関係者) 交流+1 添い寝+2
ティナ(15/15 保護者……ですね)
斉武 宗玄 (50/40 東京エリアなんぞには勿体無い)
序列:363番 所持金 2802.7万円(1800万使用予定) 外周区土地(75坪)
────────────────────────────────────────
たしか15日のお昼に今回のアルデバラン戦の報酬獲得の予定………だった気がするので
お昼は固定で聖居です
15日目再開位置選択
1、聖居(聖天子、和光)
2、自宅(陽羽、真希、真望、瑞穂、香織、ティナ)
3、さとみけ
4、商店街
5、外周区
6、司馬重工(未織)
安価下
()内部はその場所にいる固定キャラ
商店街でのイベント判定
1 未織
3 小比奈
5 影胤
7 殺気
9 蓮太郎
安価下1
→商店街
花菜「………………」
不審者にならない程度にあたりを見渡しながら
メガネをくいっと上げる
お母さんを狙った犯行
だからといって私達が狙われないという可能性はない
花菜「けど」
そうそう連日で狙うということもないかしら
いや、あえてその裏をかいてくるという可能性も………
いやいや、そんな相手の術中にハマるような思考回路はしたらダメでしょう
花菜「………解ってる」
本当に?
自分の中の問に口を閉ざして前を向く
1、デパートへ
2、武器屋
3、電話(陽羽、蓮太郎、延珠、未織、影胤、小比奈、香織)
4、もう少し見回る
5、その他
安価下
もう少し見回っておいたほうが良さそうね
運がよければひょっこりと敵が姿を現してくれるかもしれないし
お昼には聖居に行かないといけないから
何かするほどの時間がないというのが一番の理由だけど
花菜「……だけど」
そう簡単に姿を現してはくれないでしょうね
お母さんのことだから
そう易易と協力をしたりはしないと思う
むしろ、お父さんを失ったことで
別に殺してもいい
とかいう可能性もなくはない
花菜「………お母さん」
大丈夫。大丈夫と思いながらも
心の中は不安でいっぱいだった
時間なのでここまで
もう少し早く始められればよかったのですが
色々とありまして
明日もできれば19時頃から進められればいいかなと
色々と忘れてるので見直してきます
このSSまとめへのコメント
8巻まだですかね・・・
>>1
それな。