【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその7】 (1000)


このスレはスレタイ通り
ブラック・ブレットを安価で生き残っていくスレです


基本的にコンマと安価で進めていく
選択肢を出してそこから選んでもらう感じですが
選択肢の中には自由安価があります
自由安価は脈絡のないもの、不自然なものは却下させていただく場合があります
このスレからは
安価の連続取得(コンマは除く)は禁止にする予定です


基本的なシステムなどは全て【http://goo.gl/5Gbakx】このsswikiに


前スレ
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406902821


再開位置固定→自宅

メンバー固定→花菜・陽羽・憩・真希・真望


イベント判定安価下コンマ一桁

1 蓮太郎来訪
3 蓮太郎電話
4 来客
6 美菜来訪
7 お姉ちゃん
9 未織+影胤+小比奈


→蓮太郎からの電話


夜になってようやく

待ち望んでいた里見くんからの電話がかかってきた

花菜「もしもし?」

蓮太郎『は、早いな』

花菜「待ってたから……それで?」

さっきまでの浮かれた気持ちを

どこかへと投げ捨てて気を張り詰める

蓮太郎『あ、ああ……それがまぁ。そのそんな奴には見え――』

花菜「見えるとか見えないとかは聞いてないの。話してどうだったかを聞いてるの」

蓮太郎『だ、だよな』

里見くんの声は

不安……というよりは怯えで震えていた

多分、話はできなかったんでしょうね

でも、連絡しないわけには行かなかった……と


花菜「話せなかったのね?」

蓮太郎『悪い……』

花菜「貴方が任せてというから任せたんだけれど……間違いだったのかしらね」

冷たいことを言うつもりはなかった

でも、

何故かそんな言い方になってしまう

花菜「蓮太郎くん、それでどうするの?」

蓮太郎「じ、実は明日会う予定なんだよ……だからそこで話そうと思う」

花菜「……明日、ねぇ」


1、そう。じゃぁよろしくね
2、なら私も行くわ。変装すれば良いでしょう?
3、……その子の連絡先を教えてくれるかしら
4、その他


安価下


花菜「そう。じゃぁよろしくね」

蓮太郎『………………』

電話の奥で里見くんは息を飲み

少し間をおいてから言う

蓮太郎『解った……今度はちゃんと話す』

花菜「ええ、それでダメならもういいわ。私がやるから」

蓮太郎『っ…………』

花菜「私のお姉ちゃんのことだから本当は私がやりたい。でも貴方がどうしてもと言うから任せたの。それを忘れないで」

信じていたのに……と

ため息混じりにいうのではなく

厳しく鋭さを持たせた言葉を送る

これでダメなら本当にもういい

犯人をただのさばらせておくだけになる

それは絶対に許せない

もしも里見くんとの交流で

笑みを浮かべているのだとしたら……私は

花菜「……私からはそれだけよ。里見くん」

蓮太郎『っ……あ、ああ……悪かった』


・蓮太郎との電話を終わります


→ 7日目 夜 自宅


陽羽「蓮太郎との電話は終わった……みたいだね。色んな意味で」

花菜「……まぁ別に。初めからどうこうなるとは思ってなかったわ」

陽羽「厳しいねー花菜は」

花菜「そうかしら」

陽羽は言いながら

勝手に抱きしめていたぬいぐるみを差し出す

陽羽「ちょっと落ち着こうよー」

花菜「お姉ちゃんのことだから。私は出来るだけ早くなんとかしたいの」

陽羽「それは陽羽も同じだよ。香織は陽羽にとってもお姉ちゃんだからねー」

ちょっとだけ悲しげな笑みを浮かべながら

陽羽はため息をこぼしてソファから私を見上げる

陽羽「でも、こっちの花菜はちょっとサーチアンドデストロイで短絡的すぎると思う」

花菜「……よくそんな言葉知ってるわね」

陽羽「天誅ガールズ見てるからねー」


別に私はそんな人間なつもりはない

お姉ちゃんをあんなにボロボロにした相手が許せず

同じ目に合わせたいだけで……

陽羽「じゃぁ、陽羽は部屋に戻るねー?」

花菜「……ええ」

陽羽も辛いはず

言った通り、陽羽にとっても

お姉ちゃんはお姉ちゃんだから

花菜「……………………」

なのに私のこと気にかけてくれる

貴女にとって私が希望なら

私にとっての希望はきっと……



1、電話
2、陽羽と交流
3、真希と交流
4、真望と交流
5、憩と交流


安価下


→陽羽と交流


花菜「ねぇ、陽羽。ちょっといい?」

ドアを軽く叩いて聞くと

陽羽の答えがドアが開くことで返って来た

陽羽「入っていいよ」

花菜「……ありがと」

最近はずっと出かけていたり

なぜか私の部屋で集まっていたり

陽羽の部屋に来ることはなかった気がする

花菜「久しぶりだわ。陽羽の部屋をみるの」

陽羽「別に変わったことはないよ」

花菜「それは解ってるわ。ちゃんと覚えてるもの」

陽羽「そっか」


陽羽「それでどーしたのー?」

花菜「気になる?」

陽羽「あははっそれはねー」

陽羽は相変わらずの笑みを浮かべて

布団に倒れこむ

私よりもさらに小さい身長の陽羽は

そこまで大きくない布団でも収まって見える

花菜「………………」



1、特に用事があったわけじゃないわ。ただ、一緒にいたくて
2、ねぇ……陽羽。貴女は平気なの?
3、そういえば、貴女巳継くんと話してる時に変な音がするって言ってたわよね?
4、抱きしめる
5、私にとっての希望は貴女達よ。陽羽
6、その他


安価下


花菜「陽羽」

陽羽「……ん」

陽羽の体をそっと抱きしめると

驚いた素振りもなく、陽羽は受け入れる

花菜「驚かないのね」

陽羽「まぁ、来た時点でなんとなく……察してたし」

花菜「そう」

私の腕の中にいる陽羽は

体を少しだけ動かして私のことを正面から見る

花菜「………………」

陽羽「………………」

花菜「……なに?」

陽羽「……別に」


陽羽「………………」

花菜「………………」

そこに言葉はなく

代わりのように回された陽羽の腕を受け入れる

陽羽「………………」

花菜「………………」

何を言えばいいのか解らないわけでも

それが言えないわけでもない

でもこれ以上のことは必要ない気がした

私も、陽羽も

だからただ抱きしめ合うだけで何も言わない


お姉ちゃんのことが悲しくて

そのことでいっぱいいっぱいで

余裕のなくなっている私

気にする余裕なんてないのに誰かを気にして

さらに体と心を酷使して鍍金が剥がれていく私

お姉ちゃんのことが同じくらい辛いのに

そんな私を気にかけてくれる陽羽

このままではどこかが壊れてそこから全部壊れて

全部……なにもかもがダメになっていたと思う

花菜「……ねぇ陽羽」

陽羽「うん?」

花菜「いなくならないで」

陽羽「………………」

言わなくても良かったかもしれない

でも……どうしても言いたかった


何度も言ってきたことで

答えもどうせ決まっていることで……でも。だけど

花菜「……陽羽」

陽羽「………………」

少しだけ強くなった私の腕に呼応するように

陽羽もまた少しだけ強く抱きしめてくる

陽羽「いつもいつも同じこと言って……花菜は馬鹿だなぁ」

花菜「……良いじゃないっ、別に」

陽羽「……そーだね」

もしもいなくなったら私は壊れると思う

つなぎ止めてくれる人が、いなくなっちゃうんだものね……

陽羽「香織のこともあるし……陽羽からもいつもと同じこと。お願いするよ」

花菜「……ええ」

無茶するな。無理するな

……もう、聞き飽きたわよ

そう心の中で漏らしただけなのに

陽羽「言わせる姉妹がいけないんだよー?」

花菜「……そうね」

互いの暖かさを肌に感じたまま

私達はゆっくりと目を閉じた


・夜を終了します

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  2ヶ月目 7日目 現在

  山科 陽羽 (88/93  絶対に失いたくない人) 交流+2 交流+2/+3
  山科 憩   (52/57  信頼する家族)
  山科 真希 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 真望 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 香織 (64/64   分からず屋な妹) 
  天童 木更 (36/37  死なせたくない人)

  里見 蓮太郎(31/33  言動を躊躇う異性) 交流+0/+1
  藍原 延珠 (23/23  仕事仲間)
  司馬 未織 (35/34  ちょっとした好意)

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性) 交流+3 交流+3/+2

  室戸 菫   (19/20  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (15/15   護衛対象)

  蛭子 小比奈(07/08 料理当番)
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(14/16  気になる民警)


           序列:920番  所持金 1555.7万円

────────────────────────────────────────


キリがいいので
一旦ここまでで中断します


香織のお目覚め判定 安価下コンマ

135


→香織の意識不明から+1  +2で死亡判定入ります


自宅でのイベント判定 安価下


1 美菜「花菜ちゃん。ちょっといい?」

3 男性「話がある」

5 悠河「どうも」


→悠河


朝の支度をしていると

インターホンが鳴り、ドアの覗き穴から巳継くんの姿が見えてすぐに開ける

花菜「どうしたの? 巳継くん」

悠河「どうも……昨日はありがとうございました」

花菜「こっちこそありがとう……それとごめんね」

悠河「いえ。僕は凄く嬉しかったですよ。山科さんと少しでも近づけた気がしましたから」

巳継くんはそう言って笑うと

私の横にから顔を出した陽羽と目を合わせる

悠河「昨日は悪かったね」

陽羽「陽羽も言い過ぎた……でも、まだダメ。悠河と花菜はただの隣人なんだから」

悠河「解ってるよ」

陽羽「ならいーけど」

悠河「だからこれからもよろしく。陽羽ちゃん」


陽羽「ぅぇ……」

躊躇いもせずに陽羽は身を引くと

変な声を漏らして巳継くんを睨む

陽羽「か、勘違いしないでほしーな! 陽羽は別に悠河と仲良くなろうなんてつもりはないんだから!」

花菜「あらあら……」

悠河「んーそれは残念だ。僕は山科さんとその子供達とは仲良くしたいんだけど」

困り切った雰囲気を醸し出しながら陽羽を見る巳継くんだけど

陽羽は認めるつもりはないのか鼻を鳴らして私の後ろに隠れる

まるで知らない人を前にした子供のようである

花菜「ふふっ……」


1、大丈夫よ。これから仲良くなれるわ
2、そうだわ。良かったらお弁当持っていく?
3、朝ごはんは食べちゃったわよね……?
4、学校まで送ってあげましょうか?
5、仲良くなるのもいいけれど、学校は大丈夫なの?
6、その他



安価下


花菜「仲良くなるのもいいけれど、学校は大丈夫なの?」

悠河「そうでした」

花菜「そうでしたって……ふふっ。巳継くんもまだまだ子供ね」

そんな大事なこと忘れちゃうなんて。と

ちょっとだけ小馬鹿にするような笑みを浮かべながら

巳継くんに手を振る

花菜「いってらっしゃい。巳継くん。お勉強頑張ってね」

悠河「……………………」

それは本来なら

いつでも言ってもらえるようななんの変哲もない言葉

私も深い意味はなく

ただ単に送り出すのならとそう言っただけ。なのに

花菜「巳継くん……?」

悠河「っ…………」

Q、学校は楽しい?
蓮太郎「どうでもいい」
悠河「(馴染め)ないです」


巳継くんは行ってきます。というわけでもなく

呆然と私の事を見つめたまま立ち尽くしていて

その視線が恥ずかしくて思わず笑う

花菜「ど、どうしたの? な、何か変?」

悠河「そういうことではなく……ただ」

花菜「ん?」

悠河「その……こういうの初めてというか、初めて見るというか……」

巳継くんはなんて言ったらいいのかわからないのか

しどろもどろな感じで言葉をつなぐと

照れくさそうに目をそらす

悠河「だから嬉しくて……あはは。何言ってるんでしょうね。僕は」

花菜「……巳継くん」

悠河「行ってきます。山科さんもお仕事頑張ってください」

巳継くんはそう言い残して逃げるように去っていく

高校生で単身で引っ越してきて……当然のように一人暮らし

その時点で薄々わかってはいたことだけど……

行ってきます。いってらっしゃい

その当たり前のようなことさえ、できなかったのかしらね



・悠河との交流を終えます
・朝の行動に移ります


ここまで


明日は可能なら午前……



カウンタートラップ、花菜の母性を発動

乙ー
悠河は現時点ではハニトラ要員みたいな事は命令されて無いだろうな(地位的に)
それより香織ネキが逝ってしまったら花菜さんが色々振り切れちゃうからどうしよう・・・
カーチャンに連絡か菫さんに連絡したい


→ 8日目 朝 自宅


花菜「ほら、憩ちゃんもゆっくりしてないで準備しちゃいなさいよ」

憩「解ってるって」

とてとてと子供っぽい小走りで洗面所へと駆けていくのを確認してから

傍にいた陽羽を見る

花菜「そんなに巳継くんが嫌い?」

陽羽「あはは……そんなことはないけど」

とは言いながらも

不自然に目を逸らすことから好ましくないことが伺える

昨日、恋仲になるのは嫌だって言ってたけど

そこが関係してるのかしら?

もしかしたら、そうなったら構って貰えなくなるとか思っているのかもしれないわね



1、電話
2、移動
3、武器関連
4、真希交流
5、真望交流
6、憩交流
7、陽羽交流
8、特訓

安価下


1、蓮太郎
2、延珠
3、美菜
4、未織
5、弘一
6、木更
7、悠河
8、小比奈
9、影胤
0、病院


安価下

す、菫さんがない!
3で


あ……菫

選択した>>54が菫に連絡したい場合はそうしますよ


→ 菫に電話


菫『随分と久しぶりじゃないか』

花菜「ええ……お久しぶりです。菫さん」

菫『ここ最近連絡なかったのにしてきたってことは。例のことかな?』

花菜「例のこと?」

菫『君のお姉さんの件だ』

花菜「……………………」

どこから伝わったのか

菫さんはどうやらお姉ちゃんが意識不明だということは知っているらしい

ほとんど外に出ない菫さんが外のことについて知ってるなんて……

でも、思えばニュースになったんだもの

見てれば知らないわけはない……? でも

あれは女性警官って報道だったはずだし……里見くんかしら


菫『だが、残念ながら私に出来ることは何もないよ』

花菜「……本当に?」

菫『正確に言えば、出来る事はない事もないが。それは本人の許可なくできるものではない』

いや……と

含みを持たせて言葉をつなげて

菫さんは言い放つ

菫『して良いことではない。本来ならば許可があれどするべきことではないのだからな』

花菜「………………」

菫『だが、美菜にはAGV試験薬を渡してある。君ならそれで理解はできるだろう?』

花菜「AGV……G―ガストレア。V―ウイルスは理解できる。でもAに該当するものが不穏です」

菫『………………』

花菜「まさか、adaptationとは言わないですよね? 適応ならともかく、もうひとつの方は流石に……」

許容できないわ。と

言いかけたところで止まる

そこで意地を張って使わないままお姉ちゃんを失ってもいいのかと

悪魔が囁いたからだ


花菜「っ……」

菫『そこでantibodyと出てこないのは君らしくないが……』

花菜「そうは思っていないからです。例え菫さんの研究によるものでも、それが抗体だとは思えない」

菫『くくっ、そうだな。Aはaccessibleとでも考えてもらって構わんよ。利用できるガストレアウイルス。と』

花菜「本来の意味は近づく方ではないんですか?」

菫『……あくまでそこは20%だ』

ガストレアウイルスを利用した上で

20%の確率でしかガストレア化の危険がないというのは凄い

普通なら少なくとも90%以上だわ

でも……

花菜「それを今のお姉ちゃんには」

菫『使うべきではない。それは美菜にも話してあるよ。もっとも、使ったところで意識が回復するわけでもないからな』

花菜「そうですね……」


お母さんの名前が出てきた時点で気づいてたけど

聞いたのはお母さんからなのね……

なんとかしたいとAGV試験役を受け取ってても使ってない

まだ何の反応も連絡もないんだもの

それは確定だわ

菫『悪いことは言わない。余計なことはするな』

花菜「………………」

菫『ただでさえ、姉が危篤なのに君まで大変なことになったら……』

それは解ってる

でもだからって何もしないわけには……

だっておねえちゃんを引き止めなかったのは私だから

あの日、疲れているんだから泊まっていって。と

その一言だけでも言えていれば

こんなことにならずに済んだかもしれないんだから



1、AGV試験薬を私にもください
2、ごめんなさい。それはできません。犯人はお姉ちゃんに代わって私がなんとかしなくちゃいけないんです
3、菫さん。里見くんが最近延珠ちゃん以外の女の子と一緒にいるって知ってますか?
4、お母さんからおねえちゃんについてどんなことを聞いてます?
5、その他



安価下


花菜「お母さんからお姉ちゃんについてどんなこと聞いてます?」

菫『君と同じく無茶ばかりするバカ娘って聞いてるが?』

花菜「そうではなく」

菫『……ふむ』

菫さんは少し考えてから

まぁ構わないか。と呟く

菫『香織が目を覚ます可能性は低く、その上脳神経に異常をきたしている可能性が限りなく高いらしい』

花菜「……………………」

菫『後頭部を打ちそして側頭部にも……結果、脳を損傷していてね。目を覚まさない限りどんな影響が出ているかは解らないが――』

そのあとの言葉は嫌に大きく、強く、頭に響く

それもそのはず

菫さん程の人が

ほぼ確実に、異常なしとはならないだろう。と、言ったのだから


花菜「異常なしって……体が動かないことも?」

菫『それはむしろ一番あり得る可能性だ。体中に8発撃ち込まれ、そのうち5発が貫通せずに残っていたんだからな』

花菜「っ…………」

今まで散々してきたことが

まるで呪いのように私に降りかかってきたのだろう

頭を打って倒れ込んで

もう動けないところに撃つ人の姿がよく見える

もう抵抗できないのに

抵抗できないだけでは安心できず

銃を向けて、1発1発撃つごとにビクッビクッと震える姿を見下しながら

自分が強者であることに酔いしれて……笑う姿が

菫『花菜?』

花菜「ッ!」

菫『どうかしたのか?』

花菜「なんでも……ない」

菫『そうか?』

今のは過去の私?

……さんざんしてきた私の罪


花菜「……菫さん」

菫『なんだ?』

花菜「菫さんはお姉ちゃんが目を覚ます確率はどのくらいだと見てますか?」

菫『……絶望的だな。だが、ほかでもない山科一族の長女だと見れば。可能性はある』

菫さんのその言葉に疑問というか

違和感を感じはした

けれどそれが菫さんなりの気遣いだと解っててなお壊すなんて気にはなれず

素直に嬉しそうな――風を装って笑う

花菜「そうですね」

菫『ああ』

菫さんがそれに気づいたかどうかは対面ではない以上解らない

だから……そこで終わらせておくことにした



・電話を終了します
・昼に移ります


安価下コンマ判定一桁


258 お姉ちゃん


昼再開位置固定 自宅

メンバー変動→憩離脱

イベント判定 安価下コンマ判定


18 男性訪問


→ 8日目 昼 自宅


花菜「………………」

真希「お姉さんどうかしたの?」

真望「元気ないよ?」

花菜「……ちょっとね」

お姉ちゃんに障害が残る可能性がある

もしも体が動かなくなったら

裏の仕事もしなくて済むのかな……?

だとしたら――ううん

そんなこと考えちゃダメ

花菜「今は――お昼ね」



1、電話
2、移動
3、武器関連
4、真希交流
5、真望交流
6、陽羽交流
7、特訓

安価下


1、病院
2、事務所
3、不動産
4、商店街
5、外周区
6、事件現場
7、実家
8、その他


安価下


→病院


お見舞いに来たので再判定  安価下一桁

1570 お姉ちゃん


→病院


花菜「………………」

相変わらずだ

相変わらずお姉ちゃんは眠ったまま

私達を阻むガラスが忌々しくて

叩き破ろうとした腕を陽羽が止める

花菜「ッ」

陽羽「だーめ」

花菜「……解ってるわよ」

陽羽「知っててもやっちゃうでしょ。こういう時の花菜は」

苦笑する陽羽は

そのままお姉ちゃんの方を覗く

陽羽「……香織はきっと頑張ってるよ。暗い暗い闇の中で。きっともがいてる」


花菜「陽羽……」

陽羽「陽羽も経験あるからね……解るんだ。生きてる人の言う死ぬときにお花畑だなんていうのが幻想だってことくらい」

花菜「そうね」

陽羽「……でも皮肉だよね。治療するための施設が声も、匂いも、温かさも。全部遮断しちゃうんだ」

普通なら入れる

でも、服に付いた細菌がお姉ちゃんに悪影響を及ぼす可能性が

僅かにでもある以上……このガラスの枠から覗く以外にはない

花菜「……なに悟ったようなこと言ってるの」

陽羽「あはは。そんなつもりはないよー?ただ陽羽はあの時。治療よりも花菜の声とかが嬉しかったなーってだけのこと」

陽羽はちょっと照れくさそうに

前のことを思い出しながらお姉ちゃんを一瞥し、私を見て笑う

陽羽「……響かせてみる? 音を」

花菜「貴女ならそれができる……」


1、やってみる
2、ダメよ。機材がもしも壊れたら最悪だわ


安価下


花菜「……やってみましょう」

陽羽「解った」

陽羽は目を閉じたまま

人差し指をお姉ちゃんの方に向ける

たまに看護師や医師の人が来るけれど

目を閉じていればたとえ赤くてもバレない

もっとも……それは副次効果であり

陽羽が余計な指向性を持たないためにやってるだけだけど

陽羽「……香織、聞いて」

私には聞こえない

でもお姉ちゃんには届いたのだろう

ガラス越しに見える心拍数を測るモニターがピッと強く反応した


花菜「お姉ちゃん……」

陽羽「………………」

陽羽は目をつむったまま

今度はガラスを突く

花菜「陽羽?」

陽羽「機械の音が邪魔……」

花菜「こ、壊しちゃダメよ?」

陽羽「解ってる……だからくぐり抜ける」

相当な集中力を必要としているのか

陽羽の頬を汗が伝って落ちていく

花菜「っ…………」

お姉ちゃんが目を覚ましてくれるかどうか……

もしもこれで目を覚ましてくれなかったら――


安価下コンマ一桁


奇数またはゾロ目で覚醒  ゾロ目の場合は後遺症なし


→半定奇数



香織「――ッ」

花菜「ぁっ」

機械的な平均値から抜け出せなかったモニターが躍動し

陽羽が両目を見開き

ガラスに両手をついて私を見る

泣くことを堪えていたその瞳に涙が溜まって

そのままこぼれ落ちていく

陽羽「花菜っ!」

花菜「ええっ!」

目を覚ましてくれた

そのことに喜びつつも冷静に

お医者さんと看護師さんを急いで呼んで中へと入った


花菜「お姉ちゃんは――」

「まだ目を覚ましたばかりなので下がっててください!」

入れはしても

声をかけることも触れることも許されず

お医者さんたちがせわしなく動くのを隣で見ているだけしかできない

花菜「っ……お姉ちゃん」

香織「………………」

そのお姉ちゃんは

呆然と辺りを見渡してハッと気づいたように頭に手を当てる

つまり、手は動く

足も膝を曲げたので動くのは確認した――でも

「ここがどこだか解りますか?」

香織「……病院。よね?」

「ええ。では、ご自分が誰だか解りますか?」

香織「……………………」

その沈黙は肯定ではなく否定にほかならないことを

私達はすぐに……理解した


とりあえずここまで
こんな時間までやったのになかなか進まなかった

ありがとうございました



現実は非情である。○か×か


看護師さんが呆然とする私達の代わりにお母さん達へと連絡して

2人が来た所で説明が始まったものの

その長いようにも感じてしまうであろう時間は

お姉さんは記憶喪失です。というたった一言で一瞬で過ぎ去る

気づけば部屋には私と陽羽とお母さんだけしかいなかった

美菜「……大丈夫?」

花菜「………………」

陽羽「お母さんこそ。いつもと全然違う」

そう言って強引な笑みを浮かべた陽羽も

陽羽の頭を撫でるお母さんも

目元に涙が流れた跡が残る

美菜「ふふっ、馬鹿ね……そんなことないわ? 陽ちゃんの勘違いよ」

陽羽「でも……」

美菜「お母さんは香織ちゃんが生きていてくれただけで良いわ。それだけで良い」

お母さんの笑みは少し無理矢理で

辛く悲しいことを含んでいるのは確実で

でも、喜んでいることも確かだった


コンコンっとドアが叩かれ

お母さんの返事でお父さんが入ってきた

弘一「まだここにいたか」

花菜「お父さん……」

弘一「一応、私達のことを話はした」

美菜「……それで?」

お母さんの言葉に対して

お父さんは首を横に振る

お姉ちゃんが私たち家族のことを聞いて

わずかでも思い出せることを期待したのかもしれない

でも

それは儚く散ったらしい

美菜「……そっか。反応はどうだった? 取り乱したりしなかった?」

弘一「流石といったところか……うまく理解出来ていなかっただけかもしれんが。落ち着いていたよ」


弘一「……忘れてしまってごめんなさい。だそうだ」

美菜「……………………」

陽羽「香織らしいね。自分が大変なのにこっちに謝るなんて」

陽羽は苦笑して私を見上げると

花菜もそういう風に言うよね。と続ける

花菜「今はそういう冗談に答えるような余裕はないわ」

陽羽「……わかってるけど。でも、その状態で香織には会わないほうがいいと思ったから」

花菜「………………」

陽羽「生きててくれてありがとうって笑おうよ」

覚えていないことは悲しい。と

陽羽の瞳は物語る

けれどそれも数回の瞬きのうちに消える

陽羽「ね?」

花菜「…………そうね」

言われて作った笑みは

酷い。と不評だった


1、香織に会う
2、香織に会わない


安価下


何度か練習してからお姉ちゃんのいる病室へと向かう

話すのも触れるのもダメになってまだ数える程だけど

なんだかずっと会うことすら出来なかったような感じがする

花菜「……ドキドキする」

陽羽「そ、そーだね」

胸に手を当て深呼吸

2人で顔を見合わせて頷き、ドアを叩く

香織「はい。どうぞ」

花菜「失礼します」

いつも通りではいろうと思ったのに

なぜか他人行儀な感じになってしまった


香織「あ、えっと……花菜に陽羽ね。わざわざありがとう」

陽羽「目を覚ましたばっかりとは思えない感じだねー?」

香織「まぁ、体は大分治っていたわけだから……まだ動くと痛いけど」

お姉ちゃんは苦笑しながら

布団を軽くずらして足を見せる

手当してあって痛々しい。という印象は受けなかったけれど

その手当の大きさから

それがかなり酷かったのだとは受け取れた

香織「それでえっと……」

花菜「言いにくいなら無理しなくて良いわ」

香織「でも」

花菜「赤の他人にしか思えない人と親しく話すなんて、辛いと思うから」


笑みを浮かべた私を

お姉ちゃんは悲しそうな瞳でジッと見つめる

その視線と視線を交わらせると

お姉ちゃんも笑みを浮かべる

香織「……ありがとう」

花菜「うん」

香織「でも、赤の他人じゃないのは解るわ。私と貴女は似てるし……だから花菜ちゃん。これでいいかしら?」

花菜「いいよ。好きなように呼んで」

花菜から花菜ちゃん

それは姉妹からの転落のようにも感じる

でも、知人という枠からすらはじかれるよりはマシだと

嬉しそうな笑みを浮かべた



1、お父さんから話は聞いた?
2、抱きしめる
3、……本当に無事でよかったわ
4、本当に何も覚えてないのよね?
5、その他


安価下


花菜「……お姉ちゃん」

香織「――っ」

お姉ちゃんの怪我を刺激しないように気をつけて

その体を抱きしめる

温かい、柔らかい

でも、いつもの良い匂いはちょっと感じられない

花菜「生きててくれてありがとう」

香織「花菜ちゃん……」

陽羽「ありがとー香織」

陽羽は抱きつくことはしなかったけれど

笑みを浮かべながらそう言い放つ

本当は無茶するからだーって

言いたかったんだろうけど……

香織「花菜ちゃん、陽羽ちゃん」

花菜「ん?」

香織「……心配かけてごめんなさい」

お姉ちゃんはまだ鈍い動きでも頑張って私達に触れると

困った笑みを浮かべながらそう謝罪した

……させないつもりだったんだけど

これは仕方がないわよね


香織「聞いたわ……私。バカやって襲われたんだって」

花菜「そんなことまで……?」

香織「無理に聞いたのよ」

お父さんたちの反応はまり良くないものだったのだろう

申し訳なさそうにそう言うと

誤魔化すためか苦笑する

香織「事件だったみたいだし、どうせ聴取されるだろうから聞いておいて良かったわ」

陽羽「でも、それで嫌なこと思い出すかもしれないんだよっ?」

香織「その時はその時よ……もう二度と戻らない可能性の方が高いらしいし。戻る切っ掛けになるならって」

けれど戻る切っ掛けにはならなかったのは言うまでもなく

お姉ちゃんは悲しそうな笑みを浮かべる

香織「嫌なことは記憶に残るっていうのにね」

陽羽「だからってもう無理はしないでよ」

香織「っ……ごめんね」


花菜「陽羽」

陽羽「……だって」

何か言いたげな顔をしながらも

俯くお姉ちゃんを見て反省したのか

陽羽は気にしないで。と宥める

香織「私警察だったらしいんだけど……こんな状態じゃ仕事できないわよね」

花菜「そうね……」

以前の自分が

ほかの人たちにかなり嫌われてるなんていうこと

教えたくもないし……

花菜「……ねぇ、お姉ちゃん」



1、この際だから私の家で一緒に暮らさない? 仕事は私がやるから家のことやってくれればなって
2、……1から民警やってみない? 前の自分をなぞるよりは新しく開拓して行った方が精神的にはいいと思うし
3、まだ安静にしてなきゃダメだからね? 目を覚ましたとしても、あと3日は入院よ
4、その他



安価下


花菜「この際だから私の家で一緒に暮らさない? 仕事は私がやるから家のことやってくれればなって」

香織「でも……それだと貴女が迷惑じゃない?」

花菜「また犯人追いかけて重傷負われるかもしれないって不安を感じ続けるよりはマシだわ」

思わず漏らしたそのキツイ一言に

お姉ちゃんはなぜか困った笑みを浮かべる

陽羽「どうかした?」

香織「いつもそんな心配してた気がするわ」

花菜「え?」

香織「誰に、なぜ、どうして……理由もなにもさっぱり解らないけど。言葉にはイラっときたわ。もしかしたら貴女だったりする?」

心配してた……か

多分私のことで間違いないわよね

でも、イラっときたなんて酷いわ


花菜「……そうかもしれないわ。妹だから」

香織「なら帰りを待つ身にはなりたくないわね」

花菜「え――」

香織「貴女は平気? 無茶や無理ばっかりの人の帰りを待つだけの生活」

花菜「それは」

無理よね

思えばそれを陽羽に味わわせてたから怒られて

いまでもそれを里見くんたちに味わわせて

そこにお姉ちゃんも……ううん。

お姉ちゃんは前から追加されてたのよね

陽羽「でもそれって香織もだよねー? 正直、その結果重傷になった人はそばに置いておきたいかなーって」

香織「それは……そうだけど」

花菜「…………………」

お姉ちゃんは私を見て嬉しそうに笑う

香織「私の負けね……こうなった私に拒否権はない。その提案に乗るわ」



・11日目からお姉ちゃんと暮らし始めます
・夕方に移ります


夕方再開位置固定→病院


安価下イベント判定


1 悠河「あ……こんなところで会うなんて」
4 「……………………」
5 電話(男)
8 緊急搬送


→緊急搬送


花菜一難去ってまた一難とはこういうことを言うのか。と

嫌に冷静な頭が言葉を紡ぎ高らかに笑う

お前が巻き込んだ結果だぞ。と

花菜「……蓮太郎くん」

どこまで世界というものは残酷なのだろう?

どこまで世界というものは冷徹なのだろう?

お姉ちゃんよりは軽度であれ

意識不明の重体であることには変わりがない

制止する人を全て躱してその無残な姿を見た私

得られたのは怒りとは言えない

でも、怒りにほかならない冷めたなにか

花菜「陽羽」

陽羽「っ……ダメ、駄目だよ花菜っ」

私の手をぎゅっと握った陽羽の手を振り払って

渡された血塗れの里見くんの携帯を握る

花菜「ううん、殺すわ」


陽羽「花――」

花菜「陽羽」

陽羽「っ……」

花菜「甘く考えた結果がこれなのよ。蓮太郎くんを巻き込んだ結果がこれなのよ」

ここまで来てもなお

甘く考えようとする陽羽に静かにい放つ

花菜「お姉ちゃんの記憶を失って、蓮太郎くんを危篤に追い込んで。それでもまだ温情を向けるのはただの馬鹿だわ」

陽羽「陽羽が助けたいのは犯人じゃないっ……花菜の心だよッ!」

花菜「救えたのに救えなかった。巻き込まれずに済んだかもしれない人を巻き込んだんだもの……心くらい、代価に払うべきよ」

震える陽羽の頭をそっと撫でて薄く笑う

泣きたいのに泣けない

怒りたいのに怒れない

感情の起伏が抑制された今の私に許されたたった一つの表情を作りながら

里見くんの携帯の最後の履歴を見つめる

花菜「……ティナ。ティナ・スプラウト。ふふっみーつけた」


陽羽「ダメだよ……本当に、お願いだからっ……」

花菜「駄々を捏ねても駄目よ? 泣いてもダメ。子供だからってなんでも通して貰える訳無いでしょう?」

陽羽「やるなら陽羽がやる……それじゃダメ? 花菜が殺さなくちゃいけないなんて決まりはないよね?」

花菜「…………陽羽はなんだかんだ犯人に手加減しそうだから」

その言葉を陽羽は否定したけれど

一瞬ビクッとしたので否定できないというのはすぐに解った

花菜「さて……」

里見くんの携帯から電話をかけてかかる可能性はせいぜい15%程度かしら

里見くんを潰した以上、その携帯から通話できるのなんてリスキーだものね

拠点の場所を教えていなければ、そこを替える可能性は極めて低い

下手に動くほうがリスクが高いしね

花菜「だとすれば……聖天子様に頼んでティナ・スプラウトの情報を調べて貰う他ないかしらね」

陽羽「い、今すぐ探しに行くの……?」

花菜「里見くんを利用するのではなく、ただ純粋に仲良くしていたのなら精神的に弱っているだろうし……精神を壊して体を壊すにはちょうどいいわ」

陽羽「そ、そこまでするの?」

花菜「相手の態度次第ね……殺すことには変わりないけど」


陽羽「っ…………花菜ッ!」

花菜「……………………」

後ろから体を抱きしめられて動きが止まる

そこまでして止めたいのね。陽羽

でも……ダメ

花菜「このままティナ・スプラウトを生かしておいて何事もなかったように生きていくなんて私には無理なの」

陽羽「だけどっ!」

花菜「陽羽」

陽羽「っ……あんまり酷いことするようなら陽羽と戦うことになるよ!? それでもいいの!?」

花菜「必要ならそうするわ……これはケジメだから。しなければいけないことだから」

必要なら戦う

それが相当強く来たのか

陽羽は抱きついたまま嗚咽をこぼす

それでも私は止めない。止めるつもりはない



1、電話
2、移動



安価下




1、事件現場(香織)
2、事件現場(蓮太郎)
3、外周区
4、聖居
5、商店街


安価下


安価下イベント判定

135 「君! 許可がないと通せないよ!」


→聖居


聖天子様の護衛を引き受けたおかげか

簡単に通して貰えた

もっとも、止めに来たら来たで

その無能な警備員は全滅させるつもりだったけれど

止めなかった分有能だということにしておく

聖天子「本来ならば事前にお話を通さなければいけないのですよ?」

花菜「平常時ならもちろんそうします……でも、今は緊急時ですから」

聖天子「緊急時とは?」

花菜「ティナ・スプラウトというイニシエーターを調べて欲しいんです」

聖天子「それはなぜでしょうか?」

花菜「今回の事件の犯人である可能性が極めて高いからです」


極めて高いというどころか

むしろ確定なのだけど……

もしも万が一

それがミスリードであるという可能性も考慮して

極めて高いというものに留めておく

聖天子「……それは偏見ではなく確証のあるものなのですか?」

花菜「蓮太郎くんの件はもう聞いてますよね?」

聖天子「……ええ」

木更ちゃんか

あるいは延珠ちゃんから聞いたのかしら

その2人じゃなくても情報は行くわよね

花菜「その蓮太郎くんが最後に会っていたのがティナ・スプラウト。少し前まで居なかったのに突然東京に現れたイニシエーター」

聖天子「その現れた時期が警察の男性が襲われた辺りと一致している……と?」

花菜「察しがよくて助かります。ええ、その通りです。そのあたりは姉が調べていたのですが……この先も言う必要はないですよね?」


聖天子様は少し表情を歪めて私を見ると

軽く頷く

花菜「……そういうことです。次の被害が出る前にティナ・スプラウトを追い詰めます」

聖天子「解りました。すぐに問い合せましょう」

そういった聖天子様が

どこかへと連絡をして数分

すぐにティナ・スプラウトの情報が伝わってきた

序列98位

モデル・オウルのイニシエーター

NEXTと呼ばれる強化兵士の一人

聖天子「貴方々が倒した蛭子影胤・小比奈ペアよりも上……のようですね」

花菜「でも私達も実力はそのペアよりも上です」

聖天子「それはそうかもしれませんが……」


花菜「いずれにしても、やらなければやられるのは聖天子様ですよ」

聖天子「…………殺すことなく捉えてもらえますか?」

花菜「暗殺計画をした黒幕の情報が必要……でしたね」

殺すことに執着して忘れていたけれど

そういえばそうだったわね

なら両手足潰した上で鹵獲するべきかしら?

でも……生きたままというのが気に入らない

拷問して吐かせてから殺せば良いかしら?

花菜「解りました。出来る限り、善処します」

聖天子「お願いします」

花菜「はい」

聖天子様には申し訳ないけれど

生かしておくつもりは――毛頭ない



・夜に移ります


今日はここまで
ありがとうございました



花菜さんは善処する気0です

約束したのもフラグまいたのも陽羽なのになんで悠河?
それこそポッと出で説得力ゼロでしょ

>>177
なんか恋しちゃってる感じだったし…でも見返したら
このタイミングだと確実に気持ち切り離すだけだと気づいた

香織「別に深く考える必要なんてないわ。[ピーーー]相手を特定の個人だなんて考えてたら貴女も死ぬわよ」

香織「人を殺して生きていくなら。自分が生きる為に食べてきた食材と考えなさい。有象無象の取るに足らない一部だってね」


香織ねーちんもこう言ってるからな
今の花菜にとってティナは有象無象の一部なんだろうさ


再開位置選択

1、自宅

2、病院

3、違法滞在区


安価下


病院の場合は香織とご一緒
憩・真希・真望も一緒です


→病院イベント判定  安価下


1 延珠「花菜」
3 電話(悠河)
5 木更「……ねぇ、花菜」
7 蓮太郎
9 憩「……何かあったの?」


→延珠


お姉ちゃんが目を覚ましたことで

殺し損なったからともう一度襲撃してくるかもしれない

というそこまで確率の高くないものを持ち出して

病院に泊まる許可を得る

延珠「花菜」

花菜「……あら」

どうやら里見くんのこともあって

延珠ちゃん達も泊まるつもりらしい

延珠「……聞いたぞ」

花菜「なにを?」

延珠「妾も犯人討伐に参加させてくれ!」


花菜「どうして?」

延珠「蓮太郎は妾の大事なパートナーだ。仇は妾が取らねばならぬ!」

花菜「……そうね。でも、お姉ちゃんの記憶を奪って、私のお友達を傷つけた。私が討つべき相手でもある」

延珠「ならば妾と組もう。陽羽が乗り気ではないのは知っている。やる気がないよりはあるべきだろう?」

延珠ちゃんの言う通り

と、いうより妨害してきそうな陽羽よりも

協力的な延珠ちゃんの方が良い

戦力になるかどうかはともかく……けど

花菜「貴女、殺す覚悟はある?」

延珠「殺す……?」

花菜「泣き喚き命乞いをする、惨めで醜く哀れな姿を見てもなお、肉を断ち、骨を砕き、頭を踏み潰す覚悟はあるの?」

延珠「そ、そこまで……する必要はあるのか?」

花菜「あら……そう? なら貴女はどうしたいの? 仇を討ちたいとか言いながら、土下座程度で許すの?」


延珠「それは……」

花菜「貴女がしようとしてる仇討ちは子供の喧嘩ではないのよ? それを理解していないならやる気があろうと邪魔だわ」

延珠「お主、本当に花菜なのか……?」

花菜「それ以外のなんなのかしら?」

その問いに対して

延珠ちゃんはブルッと体を震わせる

私に怯えているのだとしたら

協力関係にはなれそうにない

ただの足手纏いだわ

花菜「……それで、どうなの?」

延珠「わ、妾にはそういうのは良く解らない……だ、だが、蓮太郎がやられたのに何もしないのは嫌なのだ!」

花菜「あのね? そんなことは聞いてないの。殺せるのか殺せないのかを答えてくれる?」

延珠「っ…………」


延珠「ど、どうしても殺さねばならぬのか?」

花菜「どういうこと?」

延珠「蓮太郎が一人で会ったのはきっとその……ティナというやつを信じていたからだ」

花菜「そうね。で、それを見事に裏切って蓮太郎くんをあんな目に合わせた」

延珠「それはそうだが……だが、蓮太郎が信じたということを信じてはくれぬか?」

里見くんは信じたせいでこうなった

なのにその信じた。ということを信じて生かしてはどうか? ということよね?

延珠ちゃんの言いたいことが理解できないわけではないけど

賛同できるようなことではない

延珠「蓮太郎はティナと会う中で信じられる奴だと判断した。妾はそれを信じたい。ティナではない何かのせいだと」

花菜「…………………………」


1、一理あるわ。ならこうしましょう。戦う前に問いかけて答えたなら考える。答えなければ殺す
2、そんなことは知らないわ。信じて裏切られたという教訓を生かしなさい
3、私は容赦なく殺す。それよりも早く貴女が話をつけられるならそうしたら?


安価下


花菜「一理あるわ。ならこうしましょう。戦う前に問いかけて答えたなら考える。答えなければ殺す」

延珠「答えたなら殺さないのだな?」

花菜「その答えの内容にもよるわ」

黒幕がいる可能性

それを考慮していないわけではない

というよりも

それを知る必要があると聖天子様から言われているし

初めから問いかけするつもりではあった

でも、いずれにしろ

罪は償って貰わないといけない

お姉ちゃんの記憶を奪った

里見くんを重体に追い込んだ……その罪を


花菜「貴女、ティナ・スプラウトが答えなかったらどうするの?」

延珠「そこからは妾がどうしようとお主は殺そうとするのであろう?」

花菜「ええ」

延珠「……その時に考える」

迷いのない私の言葉を聞いて

迷いばかりの延珠ちゃんは何を思ったのかそう答える

うまく隠したつもりなのかもしれないけれど

その思った部分が陽羽と似たようなことであるのは明白だった

花菜「……そう。勝手にしたらいいわ」

延珠「そうさせて貰う」

延珠ちゃんの少し反抗的な瞳に対して

私は笑みを浮かべる

やれるのなら構わないわ。と

煽るような意味しかなかったはずなのに

延珠ちゃんは恐怖に慄き瞳を揺らした


・延珠との交流を終えます


→8日目 夜 病院


香織「長かったわね」

花菜「ちょっとお話してたのよ。真希ちゃん達が迷惑かけなかった?」

香織「ふふっ、そんなことないわ」

嬉しそうに言うお姉ちゃんは

傍にいた真希ちゃん達の頭を優しく撫でる

子供が好きだという根本的な部分は変わりがないようで安心……できない

だって

ここに居る子供たちはみんな因子を持つ子供達

その事実を、お姉ちゃんは知らないんだもの

憩「お姉ちゃん」

花菜「なに?」

憩「……ううん、多分気のせいだから」


憩ちゃんは私の中の変化に感づいたのか

違和感しかない否定をして目を伏せる

花菜「………………」

香織「良く解らないけど……なにかあったなら聞くわよ?」

花菜「お昼まで意識不明だった人が何言ってるの?」

香織「あら、そうだったかしら」

お姉ちゃんはクスクスと笑う

場の空気を変えようとしたのだろうけど

残念ながらそれは冗談としては最悪だったわね




1、電話
2、移動
3、陽羽交流
4、真希交流
5、真望交流
6、憩交流
7、香織交流



安価下


→憩と交流


憩ちゃんのその態度が気になった私は

お姉ちゃんをよろしくと陽羽たちに告げて

憩ちゃんと廊下に出ていく

たったそれだけで不安一杯の空気を醸し出す憩ちゃんをみて

私のことが怖いのね。と

聞く前からさっきの口にはされなかった問を理解する

呼び出したのは失敗だったかしら

そう思ってやっぱりいいわと言いかけたところで

憩ちゃんの足音が止む

花菜「うん?」

憩「……なにがあったのさ」

振り返った先

心もとない明かりの下の憩ちゃんは

震える手を自分で握り締めながら私を見ていた


花菜「なにがって?」

憩「と、とぼけないでよ。陽羽はずっとぼうっとしてたし、お姉ちゃんはなんか怖い」

花菜「蓮太郎くんまで被害にあったからよ」

憩「本当にそれだけ? 蓮太郎には悪いけど、陽羽が蓮太郎のことであそこまで悲しそうな顔するとは思えないんだ」

憩ちゃんは疑いの目を向けつつも

その瞳は恐怖に揺らぐ

陽羽ではなくても

心臓が張り裂けそうなほど脈打っているというのはなんとなく解った

花菜「……………………」

憩「お姉ちゃんがそんな状態なのとなにか関係あるの?」



1、別に関係ないわ
2、ある。と言ったら何か変わる?
3、そんな状態ってどんな状態?
4、私が犯人を殺すことに反対らしいのよ。罰は与えるべきだっていうのに
5、その他



安価下


花菜「私が犯人を殺すことに反対らしいのよ。罰は与えるべきだっていうのに」

憩「こ、殺す……? 殺すって殺す?」

花菜「何言ってるの? それ以外はないでしょ?」

憩「お、お姉ちゃんはそんなこと言わない! 偽物だ!」

憩ちゃんはそんなことを叫びながら

私のことを指差す

私はそんなこと言わない……ね

むしろ言わない方が本来の私ではなく

いう方が本来、過去から今にかけての経験を積んできた私なのに……

花菜「憩ちゃん」

憩「ち、近づくな!」

花菜「黙らないと――」

憩「ッ!」

花菜「そう、いい子ね。ここは病院で今は夜……騒いじゃいけないのは常識よ」


ガタガタと震える憩ちゃんは

私が一歩近づくと二歩下がる

それでも口に手を当てて声を押し殺しているのは偉いわ

でも私に怯えて逃げているのはあんまり嬉しくないから

褒めるかどうかは迷うところだけど……

花菜「……どうして逃げるの?」

憩「こ、怖い……から」

花菜「どうして?」

憩「どうしてってそんなの……あんたが一番わかるはずだよ」

トンッと憩ちゃんの体が壁にぶつかり

そのまま膝から崩れ落ちていく

憩ちゃんはもう逃げられない

花菜「私にあんた呼ばわりなんて酷いわ」

憩「だって……違う。お姉ちゃんは違うんだ。あんたなんかとは全然違うんだ……っ」

涙を貯めた瞳を私へと向けて

憩ちゃんはそう言い放った


花菜「…………全然違う。ね」

憩「……?」

花菜「これが山科花菜の本性よ。人を殺しすぎた悪魔の本性」

憩「っ…………」

もしも外に出ていたなら

雨でも降ってきてるのかな……と

良く分からないことを考えながら

憩ちゃんを見下ろす

花菜「こんな私は嫌いよね……ふふっ、そうよね」

憩「お姉……ちゃん?」

花菜「良いのよ別に。嘘をついてた私が悪いんだから」

……お姉ちゃんが記憶喪失で良かった。と

なぜか安堵しつつ微笑む

花菜「でも、これからは本当に優しいお姉ちゃんと一緒にいられるから安心して」

憩「どういう……こと?」

花菜「料理はちょっと拙かったりするかもしれない。でも、よく遊んでくれて、本も読んでくれて、傍にいてくれる優しいお姉ちゃんだから」


憩ちゃんも真希ちゃんも、真望ちゃんも

みんな元々はいなかった存在

それを手放したところで元に戻るだけ

花菜「……騙してて悪かったわ」

憩「悪かったって……待って、良く解んない。あたしには良く解らないよ……」

憩ちゃんは激しく首を横に振って

私を見上げる

その瞳に宿すのは恐怖

その表情が表すのは困惑

花菜「……………………」

それを置き去りにして踵を返す

陽羽だって元々はいなかった

偶然助けただけ……それがなければ今だっていなかった

花菜「全部あの頃に戻る。ただそれだけだわ」

憩「待っ」

立ち上がろうとしてまた倒れたのか

鈍く痛々しい音が廊下に響く

振り返るべき――ではない

探しに行こう

そして終わらせましょう。復讐を

それでまた……私は闇に帰るのよ


とりあえずここまで
ありがとうございました


子供達は香織ねーちゃんが見てくれる


――4年後

憩「あの時のあたしはまだまだ子供だったんだ。馬鹿で無知な、子供だったッ」


新章突入……嘘です

ありのーままのー姿ーミセルノヨー


安価下コンマ判定


1 陽羽
2 真希・真望
3 憩
4 ティナ
5 延珠
6 悠河
7 蓮太郎
8 香織
9 木更
0 影胤


静かな夜の街の中で

歩行者用の信号が赤く光る

無視しても問題はないと踏み出そうとしたところで

誰かが私の名前を呼ぶ

花菜「うん?」

悠河「こんなところで何してるんですか?」

花菜「あぁ……巳継くんね」

振り返った先の見知った姿に

感情なく感想を漏らしてまた歩き出す

悠河「山科さん?」

花菜「私が何していようと貴方には関係ないわ」

悠河「それはそうかもしれませんが、夜ですよ。女性が出歩くのは少し問題だと思います」


花菜「でも私は大人だから問題ないわ」

悠河「……何かあったんですか?」

無理して私の後ろを付いてくる巳継くん

それが優しさだと分かっているのに

煩わしく感じて立ち止まって振り返る

花菜「……どうしてそう思うの?」

悠河「変だからですよ」

花菜「変……ね」

悠河「?」

巳継くんは首をかしげるだけで何も言わない

何かあったか。という部分に答えて欲しいのかしらね



1、貴方には関係ないわ
2、今の私が変と言ったわね……それってつまり、この私は嫌いってこと?
3、何も言わない
4、私のお姉ちゃんと友人を重体に追い込んだ人がいるのだけど……そんな人、殺してもいいと思わない?
5、その他


安価下


花菜「私のお姉ちゃんと友人を重体に追い込んだ人がいるのだけど……そんな人、殺してもいいと思わない?」

悠河「………………」

花菜「貴方もそんなこと言うはずないって否定する?」

黙り込む巳継くんを煽るように

苦笑しながら問う

それも普段の私を基準にするなら異質かもしれない

悠河「僕はそういう目にあったことはありませんから。良いか悪いか聞かれても判断はできません」

花菜「……どっちつかずの中立的な回答ね」

悠河「けど、ドラマや小説などで家族などを傷つけられて殺す。そういう話を見ることはありますから。してもいいのかもしれません」

花菜「………………」

悠河「でも……それらの話は復讐の後に後悔する。復讐から後悔までが話としてのテンプレートなんです」

私へと向けられた瞳をそのまま見返すと

意を決したのか一度だけ息を飲み、口を開く

悠河「その復讐で得られるものは、失うものよりも価値があるものですか? それらを失ったことを後悔しませんか?」


花菜「元々無かったものが無くなるだけでしょう? 本来の形に戻るだけ――」

悠河「僕はそう思わない」

花菜「………………」

ここに来て巳継くんがはっきりと否定したことが

私の冷淡な心から湧き出る言葉を止める

悠河「僕は元々目が見えなかったんですよ」

花菜「巳継くんが?」

悠河「ええ……色々とあって見えるようになったんですが。僕はこれを元々無かったからと手放すことはできません」

花菜「……………………」

巳継くんは言い切って私を見ると

何も言わないと判断したのか

そのまま続ける

悠河「まだまだこの目で見たいものが沢山ありますから」


その嬉しそうな表情は

見えるようになったことの嬉しさなどを強く示す

花菜「……でも、それと私は関係ないわ」

悠河「陽羽ちゃん達とまだまだしたいことがあったはずですよ」

花菜「…………………」

陽羽達としたいこと

無いわけがない

可能ならずっと一緒にいたいと願ってすらいた

でも……

花菜「私は犯人を許せない。殺さないと気が済まない……だって、お姉ちゃんの記憶を奪って信じてくれた人を裏切ったんだもの」

悠河「山科さん……」


安価下コンマ判定 一桁


17 悠河「だったらなおさら殺したらダメですよ」
28 手を握る
39 抱きしめる
4  キス
5  悠河「僕は山科さんが好きだ!」
69 悠河「その人たちがそれを望んでいるんですか?」


ごめん、普通に0が9になってた

安価下コンマ再判定 一桁


17 悠河「だったらなおさら殺したらダメですよ」
28 手を握る
39 抱きしめる
4  キス
5  悠河「僕は山科さんが好きだ!」
60 悠河「その人たちがそれを望んでいるんですか?」


体が揺れて

視界が塞がって

暖かい何かに包み込まれていく

それが力強くも優しい抱擁だと気づいたのは

抱きしめられてから数分経ってからだった

花菜「巳継くん。離れてくれる?」

悠河「お断りします」

花菜「あのね……巳継く――」

言いかけた言葉を遮るためか

巳継くんの腕が私の体をさらに強く抱きしめる

悠河「僕は山科さんが犯人を殺すのを許せない」

花菜「……? 何言ってるのよ。貴方には関係」

悠河「ありますよ……あるんですよ」


その悲痛な声に

そこまで関係あるのかと思考の波に飲まれかけた私の意識を

耳元で囁くように聞こえた巳継くんの声が呼び戻す

悠河「僕がみたいのは山科さんの幸せな姿なんですよ」

花菜「……え?」

悠河「陽羽ちゃん達と嬉しそうに楽しそうに過ごしている姿なんですよ」

花菜「ごめんなさい、言いたいことが良く解らないわ」

なぜ私のことでそこまで必死になるの?

どうして見たいものが私なの……?

理解しがたい巳継くんの言葉の裏が気になって

抱きしめる腕への抵抗をやめると

ぎゅっと体が完全に重なって、巳継くんの男の子っぽくも優しい匂いが鼻腔を擽る

悠河「そんなこと言えませんよ……」




1、言ってくれたら考えてあげるわ
2、言えないような理由で止められても私は止まる気ないわ
3、あらそう……別に良いわ。言わなくても。どうせ貴方との縁もこれで終わりだから
4、その他


安価下


花菜「言えないような理由で止められても私は止まる気ないわ」

悠河「っ…………」

別に無理やり聞きたいわけでもないし

言わないなら言わないで問題はない

好奇心を切り捨てて巳継くんの腕を掴む

花菜「じゃぁね、巳継くん」

私の言葉がショックだったのかは解らないけれど

腕の拘束は簡単に解けて

合わさっていた体が離れていく

悠河「ま、待ってください」

花菜「なに?」

悠河「僕は……その……」

自信なさげな巳継くん

興味を切り捨てた私としてはどうでも良かった

でも、言うのなら……と立ち止まる


安価下コンマ判定 一桁


170 悠河「……山科さんが好きだからですよ」

それ以外 悠河「山科さんが興味あるからですよ」


ゾロ目なら170の方で


悠河「山科さんに興味あるからですよ」

花菜「………………」

悠河「………………」

黙り込んだ私に合わせたのか

巳継くんもまた黙り込む

私に興味がある。それはどこがなのかしらね

民警の部分が? 科学知識の部分が?

まぁ……なんでもいいわ

花菜「それは残念だったわね。他の誰かを捜してちょうだい」

悠河「そんな……」

花菜「人間なんて他にも沢山いる。別に私じゃなくてもいいでしょう?」

悠河「僕の理想に見合う人は山科さんだけですよ……きっと。世界のすべての女性を見たとしても。貴女だけだ」

そういった巳継くんは

私の手を掴んで抱き寄せる

あぁそういえば巳継くんにとって

私は理想の女性だったわね……と、あの日のことを思い出した


とりあえずここまで
ありがとうございました


このあとは判定とか無しで進めて1日のまとめに入る予定



陽羽「悠河と花菜が抱き合って……っ、なんだろう。人を殺したい人の気持ちが解った気がする」


あの時は嬉しかった

凄く、心が揺らされた

でも……

花菜「それは貴方の幻想よ」

悠河「くっ……」

巳継くんの体を弾いて

悲しい瞳を見上げる

思いの否定

それは一番傷つくことだと

私は知っている

けれどそれは偽りに抱いた偽りの思いだから

花菜「さようなら。巳継くん……ごめんね」


悠河「待ってくださ――っ」

まだ囀る解らない子供に

制止の瞳を向ける

それ以上は構わないでと

まだ続けるのなら切り払う。と

悠河「山科さん……」

花菜「貴方の言葉は嬉しかったわ」

微笑みを添えて別れの言葉を贈る

巳継くんは何も言わず、何もせず

その言葉に拘束されてしまったかのように沈黙し

私はそれを一瞥してその場をあとにした




・一日を終わります

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  2ヶ月目 8日目 現在

  山科 陽羽 (88/93  絶対に失いたくない人) 交流+0
  山科 憩   (51/57  信頼する家族) 交流-1/+0
  山科 真希 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 真望 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 香織 (10/10   妹であろう人) 
  天童 木更 (36/37  死なせたくない人)

  里見 蓮太郎(31/33  言動を躊躇う異性)
  藍原 延珠 (21/23  仕事仲間) 交流-2/+0
  司馬 未織 (35/34  ちょっとした好意)

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性) 交流+1 交流+0

  室戸 菫   (20/21  仕事仲間) 交流+1
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (15/15   護衛対象)

  蛭子 小比奈(07/08 料理当番)
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(14/16  気になる民警)


           序列:920番  所持金 1555.7(-1050万)万円

────────────────────────────────────────


いったん中断


このあと判定……


再開判定 安価下コンマ


1570  ティナvs花菜


安価下2コンマ

159 蓮太郎お目覚め


→ 9日目 朝  外周区


花菜「ここも外れ……ね」

昔良くやっていたこととは言え

寝て起きるという怠惰な生活に堕ちた脳みそは

著しく劣化してしまったようだ

たった一晩寝ずに夜を明かしただけで

頭は変に冴えて少しだけ目眩を感じる

そんな中、陽羽からの電話が携帯を震わせた

花菜「……もしもし」

陽羽『連太郎が目を覚ましたみたいだよー』

花菜「それで?」

陽羽『一晩探して見つからなかったんだから、諦めて病院もどろーよ』


一晩探して……ね

なるほど

寝ずに過ごしたのは私だけではないのね

花菜「どこにいるの?」

陽羽『花菜の胸の中……なんてねー。後ろ後ろ。大体800mくらいかな』

花菜「………………一晩尾行されるなんて屈辱だわ」

振り向いた先

言われた通り800mくらい後方で刀らしきものを振る姿が見える

陽羽『まぁ今の花菜には誰も見つけられないだろうね。本当に見えてるの? その目』

花菜「見えてるわ」

陽羽『そっか……なら良いけど。どうする? 蓮太郎に会いに病院もどる?』



1、戻る
2、戻らない


安価下


花菜「目を覚ましたなら戻るわ。でも、嘘じゃないでしょうね」

陽羽『嘘……かぁ。花菜からそう言う言葉はあんまり聞きたくなかったなぁ』

花菜「今の私達はそういうものでしょう? 殺すか否か。賛否で分かれたんだもの」

陽羽『騙され続けたからこそ陽羽は嘘をつかない。そう言ってくれたのは花菜なのに』

電話口からでも感じる悲しさ

それをどうとも思えないのは心が凍っているから?

それとも、もともとそういう人間だったから?

……言うまでもなく後者よね

私は平気で人を殺せる悪魔だもの

花菜「戻るなら戻りましょう」

陽羽『……そうだね』

帰り道

私達の間に会話は塵ほども生まれなかった


→病院


花菜「具合はどう?」

蓮太郎「まだ少し……でも問題はねぇよ」

里見くんが強がっているのだと見抜けないほど

私の目は落ちぶれてなどいない

けれど指摘する気もなかった私は

そういうのならと話を流す

花菜「悪かったわね。私が貴方を巻き込んだせいだわ」

蓮太郎「馬鹿言ってんじゃねぇよ。これは俺が無理言った結果の自業自得だ」

花菜「でも頼まれる前に話したのは私。押し切られたのも私。違う?」

蓮太郎「だとしてもだ。あんたが負わなきゃいけねぇもんは俺のことに関しては何もねぇよ」

怪我人だというのに

威勢だけは良い鋭い瞳が私の目を見つめる

どれだけ冷たい目線を向けても

ここは引くつもりがないらしい……無意味な意地を張るなんて馬鹿馬鹿しいわ


花菜「そこまでして自分の失敗にする意味はあるの?」

蓮太郎「あんたの負担が軽くなんだろ」

花菜「私の負担?」

蓮太郎「延珠から聞いたんだよ。あんたがヤバイって。香織さんのことに加えて俺のことがあって……殺そうとしてるって」

ああ……延珠ちゃんが余計なことを

だから心配で仕方がなかった里見くんの傍にいないのね

鉢合わせたらどうなるか解らないから

陽羽「ねぇ、花菜。蓮太郎も無事だったわけだし止めようよ」

花菜「だからといって裏切ったことに変わりはないわ。里見くんから殴りかかったわけでもないんでしょう?」

蓮太郎「当たり前だろ。何もなしにいきなり殴らねぇよ」

荒っぽく言い捨てたけれど

その瞳の色に嘘はなかった


花菜「私は許すつもりはないわ。お姉ちゃんの記憶は戻らない。信頼していた里見くんを平気で裏切ったティナ――」

蓮太郎「それは違うと思うんだ」

花菜「……違う?」

蓮太郎「ティナは平気って言う感じではなかった。公衆の大画面テレビで事件のニュースが流れた時も。俺を襲った時も」

里見くんの言葉は変な余韻を残し

陽羽は水を得た魚のように

キラキラと希望に満ちあふれた瞳を私に向ける

花菜「なに?」

陽羽「殺さない理由になるよね?」

花菜「……プロかどうかはともかく殺し屋よ。油断させるための可能性もあるわ」

蓮太郎「そうかもしれねぇ……けどよ。やる時にごめんなさい。なんて言うのか?」

花菜「…………………………」


殺る時にごめんなさい

私は言っていたわ。と

正直に言えないのはまだ過去を隠していたい気持ちでもあるからなのかしら

延珠ちゃん達には醜悪とも言える本性を晒してきたのに

陽羽「花菜」

花菜「………………」

陽羽の呼び声に目を向けて

里見くんへと移す

2人は黙り込んで私のことを見つめる

何を言って欲しいのかしらね


1、言わないわ
2、私は言っていたわ
3、そんなこと知らないわ


安価下


花菜「そんなことは知らないわ」

蓮太郎「なんか冷たいな」

花菜「そうかしら……」

クスッと笑いながら出口の方を見つめる

音がしたとかではなく

気配を感じただけだけれど多分間違いではない

……延珠ちゃんね

蓮太郎「どうかしたか?」

花菜「なんでもないわ。とにかく、私はその子を許すつもりはない。止めたいなら追いかけてくるといいわ」

蓮太郎「花菜さんッ!」

陽羽「花菜……っ」

2人の言葉を置き去りにして

ドアの前に隠れる延珠ちゃんの隣で立ち止まる

延珠「か、花菜……わ、妾は」

花菜「貴女も。ね」


・花菜の認識にあまり変化はありませんでした
・昼に移ります


ちょっと時間かかった

続きはまた明日 できれば10時ころ


花菜とティナの戦いは止められないかな……恐らく

思ったが本性を醜悪と言ったりしてるし
闇落ちはしてないんじゃないかこれ
何より昨日は

花菜「私は犯人を許せない。殺さないと気が済まない……だって、お姉ちゃんの記憶を奪って信じてくれた人を裏切ったんだもの」

だったのに対し

花菜「だからといって裏切ったことに変わりはないわ。里見くんから殴りかかったわけでもないんでしょう?」
花菜「私は許すつもりはないわ。お姉ちゃんの記憶は戻らない。信頼していた里見くんを平気で裏切ったティナ――」
花菜「なんでもないわ。とにかく、私はその子を許すつもりはない。止めたいなら追いかけてくるといいわ」

今日はこんな風に裏切った事を責めてるし
[ピーーー]って言葉が消えてる
もしかしたら裏切った事が一番許せないんじゃないかな
花菜だけに

>>1の作風って言うか安価ミスってるからなってるだけじゃなかったか?
このSSがシリアス調なのは作風(原作含む)だとして
長引いてて面倒なのは選択のせいかと


安価下コンマ判定


1369 ティナvs花菜


→9日目 昼 外周区、廃墟群


着いた瞬間

地面を力強く蹴って廃墟の陰に飛び込む

花菜「………………」

こんな逃走劇を繰り広げたのはいつぶりだったかしらね

過剰分泌されたアドレナリンが血管を破ったのか

どこかから鉄臭い味が染み渡る

私を追ってきた変な丸い球体

あれの正体は解らないけど敵のものであるのは確実

花菜「………………」

大きく息を吸って止めると

より鋭敏になっていく感覚が響く羽音と足音を捉える

花菜「貴女がティナ・スプラウト?」

「…………………………」

花菜「貴女、面白いものを操っているのね」

返事は当然といえば当然だけど返ってこない


さて……どうしたものかしらね

急に狙われるとは思っていなかったけど

いつでも戦えるように準備は進めてきた

相手は相手で

私がここまで動き回ることは想定していなかったのか

トラップの類はないと見ていいはず

でも、手持ちの装備だけはしっかりしているはず

花菜「………………貴女は私を殺すつもり?」

「はい」

花菜「……それだけ聞ければ十分だわ」

岩を投げて注意を逸らし別の方向から飛び出す

見えた金髪の小さな女の子の

背丈に合わない危なげな装備

食らったら体が吹っ飛びそうなんだけど……

ティナ「っ!」

花菜「さぁ――始めましょうか」


1ターン目

花菜HP1210/1210 筋力:326 防力:316 脚力:400 知力:270 視力:300 直感:517 射撃:428 物理:216

ティナHP1400/1400


花菜:前衛  ティナ:後衛  前衛+後衛=中距離(近:0.8倍 中:1.0倍 遠:0.8倍  命中計算追加)

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



1、中・射:ソドミー    威力350 装弾10
2、中・射:ゴスペル   威力300 装弾15
3、遠・射:スナイパー  威力400 装弾10 命中+15 被弾でキャンセル 連続使用不可

4、遠・射:ライフル    威力664 装弾05 命中+5  連続使用不可
5、遠・射:ハンドカノン  威力1000 装弾01 1回の戦闘につき1度のみ
6、近・特:ガンカタ    威力216 装弾25  耐久減少 両武器40 
7、近・物:CQC      威力50

8、近・物:斬撃      威力360 耐久減少(8)
9、近・物:剣の舞     威力510 耐久減少(15)
0、会話



安価下


428+300=728x0.8=582-540=42%+15%=57%

安価下コンマ01~57で命中(こんまは反転 12→21)

それ以外で外れ


安価下コンマ

追加ダメージ

270+1300+42=1612-260=1352+12=1364ダメージ

ティナHP 0036/1400

花菜:後衛  ティナ:後衛  後衛+後衛=遠距離(近:不可 中:0.8倍 遠:1.0倍  命中計算追加)

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


ハンドカノンを取り出し

躊躇いもなくティナ・スプラウトの腹部を撃ち抜く

ティナ「ッ!」

花菜「あら……鈍ったかしら」

頭を狙ったなんていうことはないけれど

動けないほどの致命傷を与えたつもりだった

でも……意地を張ってるのか強がってるのか

どちらにしてもティナスプラウトは立ち上がる

花菜「そんなに死にたいの?」

ティナ「わた……しは、貴女を」

丸い球体が3個中2個墜落しながらも

残った1個が私を見つめて

ティナ・スプラウトの持つ銃口が私へと向く

花菜「………………」

持ち主のダメージに左右される自立飛行型の球体?

面白い機械だとは思ったけど

あまり良い機械ではなさそうね……強化兵士って、言っていたし


330+330+100=760-400-517=-157


安価下命中判定(反転 12→21)

コンマ01~10 で命中


安価下2ダメージ追加判定(反転 12→21)


花菜「……それで、狙ったの?」

ティナ「っ…………」

彼女の撃った銃弾は

的外れもいいところの場所へ消えていく

あの球体に警戒して素早く飛び移った私が

まるで馬鹿みたいって思うほどに

花菜「ふざけてるの?」

ティナ「………………」

出血箇所が熱を持つことで体温が上昇したらしく

負傷者特有のひどい汗を目の前の暗殺者は滴らせる

花菜「相手を殺すなら……たとえどんな状況でもミスはしちゃダメだと教わらなかった?」


花菜「その些細なミスで貴女は命を落とす」

ティナ「……殺すなら殺してください」

花菜「未練は?」

ティナ「……ありません」

少女の今にも閉じてしまいそうで弱々しく

でもその色は褪せる事なく強く輝く

死ぬことを望んでいる瞳

花菜「懐かしいわ」

ティナ「……なにが、ですか?」

花菜「貴女のその瞳。私はそれと同じ目をした人間をたくさん殺したのよ……ほんと、私が私として戻るには最高の状態だわ」

まるで運命が戻れと言っているかのような

偶然ではなく必然のような流れ

ここまでお膳立てしてくれた世界に感謝をしないといけないわね


2ターン目

花菜HP1210/1210 筋力:326 防力:316 脚力:400 知力:270 視力:300 直感:517 射撃:428 物理:216

ティナHP0036/1400


花菜:後衛  ティナ:後衛  後衛+後衛=遠距離(近:不可 中:0.8倍 遠:1.0倍  命中計算追加)

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―



1、中・射:ソドミー    威力350 装弾10
2、中・射:ゴスペル   威力300 装弾15
3、遠・射:スナイパー  威力400 装弾10 命中+15 被弾でキャンセル 連続使用不可
4、遠・射:ライフル    威力664 装弾05 命中+5  連続使用不可
5、会話



安価下


同レス判定コンマ一桁( 1陽 5蓮 9影 2延 7小 )


花菜「ねぇ、貴女はどうして人を殺しているの?」

ティナ「……………………」

花菜「……まぁ、答えを強要はしないけど」

バラニウムで撃ち抜いたおかげで

彼女の怪我は治ることなく

人間同様赤い血を流し続ける

それを一瞥し

今にも崩れ落ちそうな少女を見下ろす

花菜「私が人を殺したのは諦めてたからよ。殺すことでしか生きていけない。だから殺すしかないんだって」

ティナ「貴女も殺し屋だったのですか?」

花菜「ううん。違う……私はただの人殺し。誰かに命令されたわけでも、お願いされたわけでもなく人を殺してたからね」


もう10年前のこと

けれどその綺麗な赤色は今でも鮮明に覚えてる

傷口から溢れ出す赤い水

喉元を切り裂くと噴水みたいで凄いと思ったのも覚えてる

命乞いをする惨めな姿も

痛みにもがき、苦しみに喘ぐ馬鹿みたいな顔も覚えてる

そのことに少し顔を顰めていると

彼女が口を開く

ティナ「私も、同じく諦めてここにいます。それができていなければ生きていけなかったから」

花菜「同じ……か。微妙に違うわ。私にはなかったけれど、貴女には誰かにやらされたという理由があった」

ティナ「それは」

花菜「……だからね。許せないのよ」


花菜「どうして一言助けてと言わなかったの? 貴女にはそれを言う権利があったのに」

ティナ「……………………」

巻き込むのは嫌だったなんて言わせない

それなら重体に追い込んだ説明がつかないから

逆らうと怖い目にあうと思ったとも言わせない

それなら助けてと一言言えばよかっただけなんだから

ティナ「…………………………」

花菜「答えないなら殺すわよ。貴女はただの人殺し。私と同類に落ちるのだから」

相変わらず黙ったままなのが気に入らなくて

少しだけ強い言葉を言い放つと

ティナは躊躇いながらも口を開く

ティナ「諦めてたんです。私の命さえも。ただただマスターの命令通りに動けば良い。と」

花菜「じゃぁ全部マスターのせいだと?」

ティナ「……いえ、拒絶できなかった私にも責任はあります……だから。殺して欲しいんです。山科さん」


思った通り、この子は初めから死ぬつもりだったのね

いや、あるいは常に死ぬつもりなのかもしれない

花菜「死ぬのは覚悟なのね? 諦めではなく」

ティナ「……覚悟です」

小学生程度の年頃の女の子が

死ぬのを覚悟と言い切る世界

そういうものだと分かってはいても

再三にわたって見せ付けられるのはあまり好ましくはないものね……

花菜「そう。じゃぁ――」

逆刃刀に手を掛けて

ゆっくりとティナに近づいていく

ティナ「……………………」

花菜「じゃぁ――ッ!」

微動だにしない少女の正面にまで来た瞬間、

鋭い殺気が近づいてきていることに気づき

到達予測地点に刃を構える

ほんの数秒の後に黒い何かが突進してきて

火花でも散りそうな金属音が鳴り響いた


花菜「何するのかしら……小比奈ちゃん」

小比奈「やっぱり凄いね。気取られないようにしつつ全力だったのに」

花菜「バレバレだったわよ」

小比奈「パパが武力行使でも良いって言ったんだぁ……だから花菜。斬り合おうよ!」

武力行使……?

完全に殺す気で来てるみたいだけど

殺していいの間違いじゃないのかしら

花菜「小比奈ちゃん一人で私と? 馬鹿にしてるの?」

小比奈「してないよ?」

ティナ「仲間……じゃないのですか?」

小比奈「休戦してるだけ……というかあなた誰? 花菜の新しいパートナー?」

ティナ「私は………っ」

出血が多すぎたのか

ティナはそのまま膝から崩れ落ちて倒れこんでしまった


小比奈「……どうするのこれ」

花菜「このまま放置しても失血死するでしょうね」

運がよければバラニウムの効果が消えて

自然治癒する可能性もあるにはあるけれど

ハンドカノンを使ったから

普通よりも大きな穴があいちゃったし……

小比奈「花菜……助けないの?」

花菜「貴女からまさかそんな言葉が出てくるなんて」

小比奈「いつものあなたならそうする」

花菜「……貴女はどうする?」

小比奈「放っておく。それよりも花菜、やろう!」

はっきりとしかも即答するのね

まぁ……小比奈ちゃんらしいといえばらしいけど


1、助けてあげる
2、放置する
3、止めを刺す



安価下


私としても不本意ではあるけど

人殺しの責任が死ぬことだと思っているなら

なおのこと簡単には殺す訳にはいかないし……

花菜「貴女の要望通り助けるからそれはお預けよ」

小比奈「わたしの違う……」

花菜「あらそう? 貴女助けないのって言ったじゃない」

小比奈「それはあなたがいつもすることを言っただけ」

花菜「でも貴女はそうしないのが不思議だから聞いたんでしょう? 違う?」

どうやら図星だったらしく

その問いに対しては

小比奈ちゃんは顔をプイッと背けただけで黙り込む

とにかく

犯人確保で一旦終了といったところかしら

花菜「……もう少しじわじわと甚振るべきだったわ。98位だから平気だと思ったんだけど」

小比奈「……あなた、花菜?」

花菜「そうだけど? なに?」

小比奈「なんでもない」

花菜「そう……なら良いわ。一旦この子を病院に運ぶから戻るなら戻りなさい」

そう告げてティナを背負って歩き出すと

合わせるようにして足音は付いてくる

その不意をついて立ち止まると

後ろの子は小さく驚いて斜め前……私の横に飛び退く

花菜「なにしてるの?」

小比奈「目を離しちゃダメってパパが」

花菜「……初めからそう言いなさい」



・夕方に移ります
・病院に移ります


時間なのでここまで

なんだろう。いつも以上に文章が不安定
明日はやらないかもしれません



花菜「私は殺しの先輩よ」


再開位置選択


1、病院(A、香織 B、蓮太郎 C、ティナ)

2、聖居(A、報告 B、引渡し)



安価下

()内部から同時に選択


→ 9日目 夕方  病院



ティナを病院に預けて

お姉ちゃんの病室へと向かうと

陽羽も憩ちゃんも真希ちゃん、真望ちゃん

お姉ちゃん以外の誰も居らず

小説のページが捲られる静かな音も聞こえた

香織「……あら、戻ってきたのは貴女だけ?」

花菜「みんなはどこに?」

香織「ちょっと用事があるって……」

言葉が切れて

品定めするようなお姉ちゃんの瞳が向く

でもそこに以前までの謀略の色はなく

純粋に心配しているだけだと解った

花菜「なに?」

香織「んー中々戻らないから貴女に関してだと思ったんだけど……独断専行でもした?」

花菜「……………………」

記憶がなくても勘の鋭さは衰えないらしい

的を射た言葉に思わず笑う

花菜「別に、ただするべきことをしただけよ」

香織「ならあの子達にも連絡してあげた方が良いんじゃない?」


花菜「そうね……」

言われて携帯を手に取ると

全員回収済み、後で覚えといて

と、脅し文句が混ざったメールに気づく

相手は言わずもがなである

花菜「……ふふっ」

香織「ん?」

花菜「隣のベッド借りるかもしれないわ」

香織「ご自由にどうぞ」

お姉ちゃんは苦笑して

また小説を読むのに戻る

今のお姉ちゃんは何も知らない純白なのよね……



1、以前の自分について興味は沸かないの?
2、私が何していたか聞かないの?
3、その本、面白いの?
4、ねぇ、お姉ちゃん。自分が出来なかったことを出来るのに、それをしようとしない人がいたらどうする?
5、お姉ちゃんの記憶を奪った子を捕らえたわ
6、その他


安価下


そういえば……と

思い出したように呟いて

ティナを捕まえたことを伝える

ティナでは上手く伝わらず

お姉ちゃんの記憶を奪った子だと訂正すると

キョトンとしていた表情は一気に厳しくなった

香織「貴女……何してるのよ? 馬鹿なの?」

花菜「馬鹿かもしれないわね。でも、するべきことをしただけよ」

香織「するべきことをしたって……貴女の身を危険に晒す以外に道はなかったの?」

花菜「ないわ」

私の手でやりたかった

可能なら殺したかった

流石にそこまでは言えずに口を閉じる

お姉ちゃんは納得いかなそうに顔をしかめると

私を睨んだ


香織「私のためだなんて自負はしない……里見蓮太郎くんも被害にあったわけだからね」

花菜「………………」

香織「でも、あまり無茶はしないで」

厳しい視線は滑り落ちるように力を失って

悲しげな瞳へと切り替わって下に向く

それが私がしたことによるお姉ちゃんの心への影響

そう考えると言うべきではなかったかもしれない

でも言わなければあの子に謝罪させられないし

いつかは心配かけていただろうから仕方がないと割り切って笑う

花菜「私は民警だから」

香織「民警だろうとなんだろうと貴女は人間でしょう?」

花菜「そうだけど……」

香織「だったら……そういうことはしないで欲しい。経験したからこそ、しそうな貴女に言っておくわ」

お姉ちゃんは儚げな笑みを浮かべると

私のことをまっすぐ見つめて口を開く

香織「授業料だなんて冗談には出来ない事だってあるんだから」


ダメっぽいのでまた明日

台風で昼頃から出来るかもしれません


お姉ちゃんは無理したことで

21年間のほとんどの記憶を失くなっているわけだし

そう言う気持ちもわかる

けれどそうはいかないのが今の世界

それさえもお姉ちゃんは覚えてない

あれだけ辛い思いをしたのに……

エピソード記憶だけでなく、意味記憶も欠けているっていうのが酷いのよね

香織「聞いてるの?」

花菜「聞いてるわ」

香織「それなら返事くらいしてくれても良いでしょう?」

花菜「………………」



1、今の世界はそんな手抜きできる世界じゃないのよ
2、ごめんなさい……でも、今回だけは私が終わらせたかったの
3、解ってるわ。心配させてごめんなさい
4、その他


安価下


花菜「ごめんなさい……でも、今回だけは私が終わらせたかったの」

香織「そこまで里見くんを?」

花菜「違うわ。理由の一部ではあるけど」

照れたわけでもないのに

お姉ちゃんはクスッと笑いながらそうなの? と呟き

恋してるのかもって思ったのに……なんて囁く

こういうところは変わらないのがお姉ちゃんらしい

そんな風にほんわかとした気分を与えてくれるお姉ちゃんだけれど

香織「恋ってどうなのかなって……お話だけじゃ解らないから聞きたかったのに」

そんなことを残念そうに言うのだけは止めて欲しい

もちろんそれを言えるわけはないし

傷つけようとしてわざと言ってるわけでもないっていうのも解っているけれど

聞くのは……辛い


そこでまた表情を暗くしてしまうと

お姉ちゃんが悪いことをしたのかと不安そうにする負の連鎖

だから無理して笑顔にならないといけないのだけど

こういう場合、苦笑しておけばしのげるというのが知恵だったりする

もちろん、いらない知恵

花菜「何言ってるのよ。私だってまだ知らないんだから……お母さんたちに聞いてみたら良いんじゃない?」

香織「聞きづらいのよ。貴女の方が良いの」

花菜「……そっか」

お母さんもお父さんも

今のお姉ちゃんにとってはそういう関係だと教えられたに過ぎない

それは私もだけど、姿が似ている分親近感があるのかも

というのがお医者さんの見解である

花菜「だったら家に来た時に映画でも見せてあげるわ」

香織「あら、それは楽しみね」


お姉ちゃんの嬉しそうに笑みに釣られて

ああいう映画、こういう映画があって

あれはダメだの、これはダメだのという会話が広がり

病室に戻ってきた陽羽に

何楽しそうに話してるのさ。と

へし折る勢いで腕を掴まれて初めて

本題からかなりそれていたことに気づく

陽羽「香織、花菜のこと借りるから」

香織「ええ、良いわよ」

花菜「ちょっと陽羽……痛いっ」

陽羽「いいから来るの!」

メールの文面で分かっていたけれど

陽羽はかなり怒っていた


病院の屋上に響く陽羽の怒号

さっきまでの精神状態なら動じなかったかもしれないけれど

不安要素を排除し

お姉ちゃんの哀愁漂う言動に怒りの一部を悲しみに侵食され

会話で完全に心を持って行かれた今

隙だらけの私にはうるさいほどに強く聞こえた

陽羽「何したかわかってるの? わざわざ追跡撒いて、一人で戦って……」

花菜「でも、無事に」

陽羽「無事だったから良かった? 私がそれで許すと思ってるの!?」

花菜「お、思ってないけど……」

お姉ちゃんの病室に行くべきではなかったと後悔しつつも

言っておいて良かったとも思う

でなければ多分……この陽羽の怒りを

私は受け止めることなく一蹴していたかもしれないからだ


怒りの言葉の連続に隠れて陽羽の右手が上がり

赤と黒

切り替わりの激しい瞳が黒でとどまる

花菜「ッ……」

多少の手は覚悟した

でも、痛みに耐える為に目を瞑ってしまった私の頬を

陽羽は叩くことなくやさしく包む

花菜「……陽羽?」

陽羽「殺さなかったんだね……ティナのこと」

安心したように陽羽は言う

それも心配……していたのね



1、聖天子様との約束だったから
2、正直に言えば殺したかった。さっきまでも……殺そうと思っていたわ
3、叩いて良いわよ……私が殺そうとしたことに変わりはないから
4、殺さなかったんじゃない、殺せなかっただけよ。小比奈ちゃんのおかげでね
5、その他



安価下


花菜「正直に言えば殺したかった。さっきまでも……殺そうと思っていたわ」

陽羽「さっきまで?」

花菜「……お姉ちゃんにしてやられたのよ」

思わず呆れたように言った自分に苦笑しつつ

陽羽から目を逸らす

後ろめたい会話をするつもりはなく

ただちょっと悔しかったりする

記憶喪失とは言え

子供の頃からこう……謀るというか

誘導するのが上手かったのだから注意しておくべきだった

花菜「自分の不幸でさえ使うなんて……」

陽羽「香織はそういうところあるからねー」

陽羽もそれには複雑そうな表情だった


花菜「ごめんね、変な私を見せちゃって」

陽羽「別に……知らないわけじゃなかったから」

陽羽には今回の私よりも酷い私がバレているからあれだけれど

憩ちゃんや延珠ちゃん

巳継くんにまで見せちゃったのよね

冷え切ってると目的以外のことを簡単に切り捨てる

私の悪いところだわ……まぁ、直そうと思って直せないところだし

そんな私を見せるのは嫌だから

ならないように気をつけていたんだけど……

花菜「憩ちゃん達……大丈夫だった?」

陽羽「大丈夫だと思う?」

花菜「……思えないです」

侮蔑するような冷めた瞳に

苦笑するような余裕もなく敬語になってしまった


もうすでに暗くなりつつある空

晴れ晴れとしているわけじゃないけど

それでも明るさを取り戻した今となっては綺麗に見える

でも、隣の陽羽の表情は曇っていた

陽羽「一応、憩にはあれも花菜なんだって言ったよ」

花菜「あれって……」

とはいえ

それでもだいぶ優しい表現よね

化物だの悪魔だの

そう言われてきた私としては

「あれ」あるいは「例のアイツ」

とかのほうがまだ……うん、ちょっと傷つく


陽羽「でも、基準が優しい方だからなんというかねー」

花菜「………………」

言葉にトゲがある気がする

というよりあるんだけど

そこを指摘すると悪化しそうだから避けておく

花菜「私のことだから何とかするわ」

陽羽「うん、その方がいいよね」

陽羽は疲れた笑みを浮かべる

思えば私と同じく徹夜明けで

それでいて私を探して東京エリアを駆け回ったのよね……

ちょっとどころじゃなく悪いことを……と

考えていると暗くなる


どこか離れた場所で車のクラクションが鳴り

屋上から見える別の棟の一角の電気が消える

吹き付ける蒸し暑い風に顔を顰めて

抑える必要もない髪に触れる

注意散漫……言い換えればただの迷子

そんな私に対して

ねぇ、花菜。と陽羽の囁きが風に乗って届いて

なに? と、

私のつぶやきは風に流され消えていく

それでも会話は途切れない

陽羽「殺さないんだよね、ティナのこと」

私の生死その次に重要であろうことを

陽羽は再度問う

思えば明確な答えはまだしてなかったっけ?

考えながら言葉では嘘っぽい気がして

私は陽羽の頭を撫でて……頷いた


・夜に移ります


まだダメな模様

続きはまた明日にします


ありがとうございました


お姉ちゃん策士疑惑


安価下コンマ判定


13579 ティナ


→9日目 夜 病院


家に帰ろうとも思ったけど

あの子が目を覚ましたとのことで病院に残った

それは良いんだけれど

あそこまで狂気的に傷つけて

どんな顔して会えば良いのかしら

花菜「……どう? 怪我の具合は」

鏡を見つつ表情・台詞調整

威圧するのは逆効果な気もする

でも、あそこまで強気で出て

目を覚ましたら下手に出てるレベルなんて

それこそダメなような気もする……

花菜「どう思う?」

陽羽「いつも通りで良いんじゃないかなーやりすぎたのはごめん。とかさ」


半ば適当な言い方

流石に10分くらい同じことしてるのはダメだったかしらね

心を落ち着かせて両頬を軽く叩く

花菜「さて、いきましょう」

陽羽「陽羽はずっと待ってたんだけどねー」

花菜「そう言わなくたって良いじゃない。心の準備が必要なの」

はいはい。と

これからお姉ちゃん達を傷つけたティナに会うにも関わらず

陽羽はいつものペースを全く崩さずに微笑む

相手に理由があるとはいえ

そう平然としているのもちょっと怖い

……あの子の返事しだいでは

その裏に隠した感情爆発させかねないからね

私がなんとかしないと……まぁ

最初にやらかしたのは私なんだけど


政府から派遣された護衛……ではなく

ティナの見張りに適当な理由をつけて病室に入る

花菜「こんばんは」

ティナ「!」

自殺防止用に拘束され

猿轡的なものもかませてあるのは如何なものだろうか

少しやりすぎじゃない? と

同情する陽羽を一瞥し、ティナを見る

私に気づいた彼女の瞳に怯えはない

むしろ希望を見つけたかのような

待ち望んでいたとでも言いたげな感じだった



1、拘束を外す
2、猿轡を外す
3、1+2
4、残念だけど殺しに来たわけじゃないわ
5、銃を突きつける
6、その他


安価下


自殺防止とはいえ過剰だというのは私も同意

陽羽に目配せして一緒に外す

ティナ「……自殺するかもしれませんよ?」

花菜「バラニウム武器がない以上、自殺は無理でしょ?」

毒を飲まれたらあれだけど

治療の際にそこらへんは全部調べてるっていう話だから大丈夫だろうし

そうでなくてもすぐに服毒自殺できるのなら

私が現れた時に希望を見出した表情はしないはずだもの

花菜「あと……残念だけど殺しに来たわけじゃないし、死なせるつもりもないから」

ティナ「あれほどの殺意を抱いていたのにですか?」

花菜「あのままでも殺しはしないわ。全部言わせてから……ね」

陽羽「花菜」

花菜「た、ただそれでもって話だから!」

じとっとした目の陽羽に対し

慌てて言葉を付け足す

その態度の違いにティナは残念そうに目を伏せる

そこまで……死にたかったのかしら


花菜「とにかく、拘束したりするのはあまり好きじゃないの」

ティナ「規格外のハンドガンで笑顔で人を撃つのにですか?」

花菜「……忘れて頂戴」

ティナは私を煽ろうとしているのか

囚われている立場でありながら

止まることなく質問を投げかけてくる

陽羽「あなたが質問するんじゃなく、陽羽達が質問するために来たんだよー?」

ティナ「貴女がこの人のイニシエーター、手地嶋陽――」

陽羽「残念、陽羽は山科陽羽。その程度の情報収集能力じゃダメだなー」

クスクスと笑いながら

陽羽はティナと見つめ合う

手地嶋って言われたのがそんなに嫌だったんだ……

公的に手地嶋から山科に変更してないから

間違えても仕方がない事なんだけど……でも

公的な部分が漏れるっていうのは良くないわね

やっぱり政府に……


推測の域をもう出て

むしろ確定させてもいい気がする

でも現行犯で捉えているわけではないから。と

考えたくないことから思考をそらす

さて

外にいる政府の人は大丈夫って

陽羽は確認したようだし

聞けることを聞くか、話したいことを話すか

花菜「…………………」



1、貴女の裏は?
2、あなたのこと、私が守る。そう言ったらどうする?
3、怪我の方はどう?
4、そんなに死にたい?
5、悪かったわ。あんなことして
6、その他


安価下


花菜「貴女の裏は?」

ティナ「お話できません」

ティナは殺し屋に似せた

それでいてただただ一生懸命な瞳で答える

それは忠誠? 献身?

それとも……ただの奴隷?

花菜「貴女がその態度だとダメなのよ」

ティナ「ダメ……とは?」

花菜「貴女を守ってあげる理由がなくなる。助けてあげられなくなる」

ティナ「……………………」

花菜「私は助けてあげたいのよ……私と同じような子を作らないために」

そういってもティナは何も言わない

助かるためにと殺し続けて壊れていく

それは命令されたにせよ、されなかったにせよ訪れる結末

私は後者で結末を迎えて、その危なさを理解しているつもり

だからこそ、まだ救うことができる前者の子を助けたいのに……

見つめた私をティナは遠い瞳で見る

私じゃダメなのかしらね

里見くんだったら……なんとかできる?


・夜を終えます

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  2ヶ月目 9日目 現在

  山科 陽羽 (90/96  絶対に失いたくない人)   交流+1 特殊+1/+2
  山科 憩   (51/57  信頼する家族)
  山科 真希 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 真望 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 香織 (11/11   妹であろう人)  交流+1
  天童 木更 (36/37  死なせたくない人)

  里見 蓮太郎(32/34  言動を躊躇う異性) 交流+1 交流+0
  藍原 延珠 (21/23  仕事仲間)
  司馬 未織 (35/34  ちょっとした好意)

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性)

  室戸 菫   (20/21  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (15/15   護衛対象)

  蛭子 小比奈(07/08 料理当番)
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(14/16  気になる民警)
      ティナ(-11/-12  畏怖) 敵対-10 戦闘-3 交流+2/+1



           序列:920番  所持金 1555.7(-1050万)万円

────────────────────────────────────────


今日はここまで


ティナを助けるには圧倒的に好感度が足りないッ


安価下コンマ判定


13579 イベント


それ以外で朝から聖居


→ 10日目  朝  病院


「山科花菜で間違いないか?」

花菜「そう……ですけど?」

お手洗いから出た瞬間

3人の男性に囲まれ、尋ねられては

思わず正直に答えてしまうのも無理はなく

戸惑う私の手を、一人が掴む

「一緒に来てもらおうか」

花菜「え、あの……」

「お前に会いたいと言われているお方がいるのだ。黙って来い」

そんなこと言われても困るのだけど……

混乱する思考を放棄して

目の前の人を分析する

服装からして聖居からの使いではないのは明白

というより、聖天子様がこんな強引な使いをよこすわけがない


ぎゅっと強く床を踏みしめて相手の引く力をかき消す

この程度で動かせないようなら大丈夫かしら……?

何が大丈夫なのか解らないけど

花菜「説明もなしについていくわけ無いでしょ」

「貴様っ」

花菜「そんな睨まなくてもいいと思うんだけれど」

一応……客人よね? 私

なんか失敗して連行されるんじゃないのよね?

不安になるような対応に再び困惑しながら

男の人を見つめ返した



1、叫ぶ
2、腕を振り払う
3、お願い……説明して頂戴
4、体術で対抗
5、解ったわ。ついていくから陽羽も呼んで
6、その他



安価下


花菜「お願い……説明して頂戴」

こんな場所で騒動なんて嫌だし、手荒な真似は避けたい

自分の社会的な面と、相手の体の為に

そんな誰もが思うようなことを

男の人たちは強く鋭い目で却下する

花菜「なんで睨むの……? 聞く権利はあるはずだわ」

「それは後ほど説明する。今は移動が先だ」

花菜「嫌よ。わけの分からない人に付いて行きたくない」

「これ以上手荒な真似はさせるな」

花菜「あのね……」

背中に当たったいつも見たり触れたりしている感触に

言いかけた口が止まる

接触面からして45口径……かしら?

普通9mmじゃないの?

なんて馬鹿なことを考える頭に、その声は響く

「黙って付いて来い。我々との接触は出来る限り内密に行いたいのだ」

とか言いつつ派手なことするわね……

まぁ、人払いはしてあるみたいだけど

と、今更ながらに廊下の静けさに気づく


花菜「……どこの回し者かしら」

「良いから黙って――」

銃口がさらに強く押し付けられて

私の体がわずかに揺れる

けれど、男性の言葉は最後まで続かず

代わりにガンッと痛々しい音が廊下に響く

陽羽「ダメだなー、それはダメだなー、あははー」

「ひぃっ」

どこから飛ばしてきたのか

見るまでもなく怒った陽羽が銃口を突きつけていた男性を床に這い蹲らせ

陽羽の切った風が今更になって私達に吹く

陽羽「何してたのか教えてよ……おじさん」

にこっと笑う陽羽だけど

相手は完全に怯えきっていた


「お゛、俺達ば連れて来いと……」

陽羽「それを聞いてるわけじゃないんだよー? 私はね、花菜に何してたのかなーって」

普段の口調と

戦う時の口調が混ざり合った危険な状態

このままでは相手の命が危ないと止めようとしたところで

私の体が強く引かれ、男性の片腕が私の体を自分へと拘束する

男性の汗で湿った服が私の服に移り

気持ちの悪い熱さが背中越しから伝わってくる

花菜「あの……」

「今すぐ離れろ!」

花菜「陽羽、ダメだからね。ほんと、ここではまずいから」

自分が押さえ込む男性を一瞥し、陽羽は私を捕まえたままの男性を睨みながら

ゆっくりと、静かに立ち上がる

押さえ込まれていた男性が顔を上げると

曲がった鼻と、額から血が出ていることに目を見開く

……普通に遅かった


「ぁ……あ゛ぁ……」

「なんてことを」

「貴様ッ!」

残りの2人が陽羽に銃を向ける

仲間が痛々しいことになったのに

それでも制圧を優先させるのは軍人としては見事だわと

皮肉を心に浮かべながら

肘で拘束する男性の鳩尾を打ち抜く

「かっ……」

花菜「出来る限り優しくするから……ごめんなさいね」

自由になった右手でその男性の右手首を捻って銃を奪取

バカみたいに隣に並んでいた男性の右腕を左足で蹴り上げ

そのまま足を戻さずに手首に踵落としを決め

拳銃を落としたことで制圧完了とする

利き足じゃないから手加減のはず……多分


花菜「陽羽、お医者さんか看護師さん。どっちでもいいから早く連れてきて」

陽羽「でも……」

花菜「早く!」

陽羽「うん……ごめん」

唯一出血した男性を壁にもたれ掛かれるように座らせ

ハンカチで額を拭う

額の怪我はそれほどでもない

けれど……

花菜「痛いかもしれないけど……我慢してね」

「ッ!」

痛みを与えないように鼻血もハンカチで拭い

引き裂いて鼻に詰める

花菜「……冷やした方が良いけどないし、病院で良かった」

「はーっ……はーっ……」

花菜「そんな大きくしたらダメ、ゆっくり落ち着いて小さく、何回にも分けるの……鼻から吸おうとしたらダメよ」


私の白いハンカチが赤く塗られてはいくものの

真っ赤に染まったとまではいかないのは運が良かったかもしれない

花菜「すぐにあの子が連れてきてくれるから……そうしたら大丈夫よ」

「っ……はぁ……はー……はー……」

花菜「……陽羽」

人払いが影響して陽羽は少し遠くまで行っているのか中々戻ってこず

私にかかる息は熱く

男性の顔に浮かぶ玉の汗が体の熱を目に見えて知らせる

花菜「……どうしようかしら」

周りの男性、自分のポケットどこにもハンカチがないことに悪態を付きつつ

自分のそこまで濡れていないワイシャツに触れる

花菜「う……」

「はぁ……はー……っ……」

花菜「もうっ!」

躊躇っている暇はないと

ハンカチの代わりにと、着ていたワイシャツを脱ぎ

額を打ち付けたことによる脳内出血の可能性も踏まえて

出来る限り揺らさないように額の汗を拭う

こんな場所で上半身がインナーシャツのみというのはいささか問題があるけど

汗が目にしみたりして顔を強く振ったりされる方が問題だものね……仕方がない

花菜「……ん」

「はぁ……はぁ……」

花菜「もうちょっとだからね」

何人かの足音が近づいてくるのを確認し、

そう話しかけると、男性は軽く頷く

その数分後に到着した医師や看護師に適切な処置を受けたのち

男性は無事に……というのはおかしいけれど

手術室へと運ばれていった


残った二人の外傷らしい外傷はなく、そのまま話を聞くと

どうやら拉致を頼んだのは大阪エリアの統治者らしく

言ってた通り、極秘で連れて来いとの命令だったらしい

統治者――斉武さん曰く

あの女は簡単に連れてこれるはず。とか

花菜「極秘っていうのを守りたかったのは解るわ。でも、言ってくれなきゃ」

「申し訳ない」

花菜「謝られても困るわよ……もう」

けが人を出しちゃったわけだし

断ったら向こうからどんな言いがかりをつけられるかわかったものじゃないけど……

陽羽「か、花菜……あのさ」

花菜「あの程度で済ませただけ偉いわ。でも、だからといって許されることじゃないからね?」

先日の自分を丸々棚に上げて

縮こまる陽羽の頭を軽く小突く

陽羽「……うん、ごめん」

花菜「さて、と」



1、斉武宗玄との話の場に向かう(昼行動として消費)
2、向かわない





安価下


花菜「その場所に連れて行って貰っても良いかしら」

「い、良いのか……?」

花菜「断ったら断ったで問題になりそうだから」

苦笑しながら席を立つと

陽羽がズボンをぎゅっと掴む

花菜「どうしたの?」

陽羽「かなり言いづらいんだけどね。率直に言うとね? 着替えよう?」

花菜「……終始視線が泳いでたのはそういうことなの?」

「……………………」

「……………………」

2人の男性は少し慌てた様子で目を逸らす

あの時は必死だったというか

緊急事態でそんな余裕はなかったけど

見せるような体ではないとはいえ

どちらかといえば間違いなく恥ずかしいわけで

花菜「……早く言ってよもうっ!」

思わず怒鳴ってしまった


・移動します


→ 10日目  昼  東京エリア某所



花菜「初めまして、斉武大統領」

宗玄「貴様……なぜソレをここに連れてきた」

花菜「それ、とは?」

宗玄「とぼけるのか?」

花菜「私にとっては【それ】に属するものはありませんので」

できる限りの笑みを浮かべながら

ピクリとも動かずに斉武さんを見つめる

威圧するつもりはないけれど

陽羽を邪魔者みたいにいうことは解せない

花菜「……護衛ですよ大統領。ここに来る前に色々とありましたから」

宗玄「ふん、いい気になるなよ。小娘」

陽羽「……………………」

私が席に着くと

陽羽は何も言うことなく黙って私の後ろにつき

斉武大統領の後ろに控える護衛を見つめる

ここに入る前

変な動きをしたら即潰すからね。と

さっきのことを既に忘れたのか陽羽は言ってたし……何もなければいいけど


花菜「それで……お呼び頂いたのはなぜでしょう?」

宗玄「序列98位をたった一人で撃退できるプロモーター、組めば序列134位は愚か、ステージⅤとの直接対決でさえ可能とするペア」

花菜「…………………」

宗玄「それをこんな脆弱なエリアに置いておくなど宝の持ち腐れ、俺の元に来い。山科花菜」

大統領はその瞳に強い力を宿し

威圧感のある顔をさらに力強く見せて言う

東京エリアを

憩ちゃんや真希ちゃん、真望ちゃん

木更ちゃんや、里見くん、巳継くん達がいるこのエリアを捨てて大阪エリアに来いと?

花菜「お断りします」

宗玄「母子揃って躊躇いもなく拒絶するかッ! 何故理解しない! 貴様らの在るべき場所はこのような滅びを待つ場所などではないと!」


確かに、まともな研究機関に属すことなく

フリーダムに研究を続けさせるにはもったいない人だとは思うけど

まさか私のお母さんも勧誘されていたなんてね

全然知らなかった……重要なことは言うだろうし

それってつまり

お母さんにとってはどうでも良いレベルの話だったってことよね

宗玄「いくら金を積まれた? 俺ならばその倍でも出してやろう。可能な限り優遇してやらんこともない。そう言っても動かぬか?」

花菜「……………………」

そこまでして

力あるすべてを集めたいのかしら

その強大な意志は

ただでさえ大きい体をひと回りもふた回りも大きく見せる

だからといって……私は動じない



1、動きません
2、そこまでして集めて、どうしたいのですか?
3、そんな余裕があるのでしたら、そのお金は大阪エリアの人々に配って上げるべきでは?
4、お母さんにも同じことを?
5、その他


安価下


花菜「動きません」

宗玄「…………………」

きっぱりとお断りして大統領と視線を交わす

威圧し、押さえつけようとするその力強さに対して

私はただただ、いつも通りの瞳を向ける

それは無駄だと

そんなものでは動くことはないと

諭すように意思を伝える

けれども大統領は私を睨む

宗玄「俺は貴様も、貴様の母親も、蓮太郎も……力あるものは全て蒐集し、参画させる! 俺の意志は日の本の意志! 日の本の意志とはすなわち俺の意志ッ!」

花菜「………………」

お母さんだったら大笑いしそうな言葉ね

日の本の意志とはすなわち、陽ノ下の意志

そこに集うすべての人々の願いこそが日の本の意志よ……とか

きっと、お母さんだったらそう言うかもしれないわ


花菜「お話は以上ですか?」

宗玄「貴様……ッ」

大統領の熱い感情に対して

私はいつもと変わらず軽い空気で訊ねる

そのせいか大統領は声を張り上げて

でも、無駄だと察したのか口を結ぶ

護衛さんが手を出そうとする素振りもないし

ただ単に勧誘したかっただけなのかしらね

もしかしたらティナに依頼したのは斉武大統領かもしれない

そう考えてたのだけど……

そこをつつくのは危険ね

不敬罪で殺されかねないし


1、では、失礼します
2、大統領にお褒めの言葉を頂けたのは嬉しい限りです
3、気をつけてください。柔軟性が無い石はひび割れやすいですから
4、その他


安価下


花菜「では、失礼します」

そう告げて席を立つ

痛みを感じそうなほど強い視線を背中に受けながら

振り返ることなくその場を後にする

斉武大統領のやり方はきっと間違ってる

でも、それを指摘したところできっと何も変わらない

力で押し付けて固めたその意志は

強くて重く、硬いのかもしれない

けれど僅かにでも皸が入ってしまったら

きっと……砕け散ってしまう

花菜「……………………」

陽羽「どうかしたの?」

花菜「……ううん。なんでもない」

脆弱なのはもしかしたら

大阪エリアの方かもしれないわね……大統領


・夕方に移ります

・移動します(場所は聖居)


→ 10日目  夕方  聖居


聖天子「あなたの事ですから、お姉さんと里見さんの為だと言うと思いましたが……それでも救われたことに変わりはありません」

そう言った聖天子様は

いつものように報酬をくれる上に

またしてもお願いを聞いてくれるとのこと

今回は正直

お姉ちゃん達の仇という色が強く

しかも半ば暴走してのことだったから

お礼をもらうべきかどうか……

花菜「う、う~ん」

聖天子「どうかなさいましたか?」

花菜「その……」



1、序列向上+α(何も無しで460位)
2、礼金+α(何も無しで1500万)
3、ティナの処遇について
4、お礼は……いりません。でも、ティナの件は優しい決断をお願いしたいです
5、お礼は結構です


安価下


1、2、4、5以外は(序列460位 礼金1500万 です)

1は460位から更に順位アップ
2は1500万から更に報酬アップ
3はティナのこと相談(順位は460位、報酬は1500万)
4はティナのこと相談(順位報酬一切なし)
5はなにもなし
でいいよね?

もったいないなー無欲プレイするメリットって何かあったっけ?

外周区の体育館でも買い取って改修しようと思ってたんだけどちょっと厳しくなってきたかなあ500万で足りるかな
なんか金使わなくてもいい方法ある?

順位上げてお姉ちゃん関係のこと調べようと思ってたのもこっちも厳しくなってきたなあ


花菜「お礼は要りません」

聖天子「しかし……」

花菜「その代わり……というのもなんですが、ティナの件は優しい決断をお願いできませんか?」

聖天子「お姉さんと里見くん、お姉さんの同僚の方が被害に遭われたのに……ですか?」

聖天子様の言葉に

すぐに答えることはできず、黙り込む

里見くんは無事だった

お姉ちゃんの同僚も……無事だった

でも、お姉ちゃんの記憶だけは無事じゃない

花菜「……でも」

聖天子「?」

花菜「だからって見捨てるのは……嫌なんです」

どうするって言われても地道に依頼受けてちょっとずつ順位とお金得て行くしかないんじゃね?
爆弾事件までタイムリミットがあとどれだけ残ってるか知らないけど

これ何かの意図があってやったことじゃないなら安価くらいちゃんと読んでから選択肢選べやボケって言いたいわ本当に無責任

>>539
これ安価ひとつつってもここのとこ1ヶ月くらい時間かけてたティナ関連の集大成だぞこの安価
どうすんのこれ


花菜「こんなものは優しさなんかではなく、甘いだけかもしれませんね……」

聖天子「ええ」

花菜「でも、ダメなんですよ私……極端なんです。救うか否か、どちらかしか選べない」

中途半端な答えを出して

仮にティナを見捨てて報酬を貰ったりでもしたら

どうしてるだろう。どうなってるだろう

恨んでるかな、憎んでるかな、辛いかな、苦しいかな

気が気でいられない

それを振り払おうとお姉ちゃんが傷つけられたりしたことを盾にしたら

私はきっと……壊れてしまう

花菜「仕方ないんだ。仕方ないんだよ。あの子が悪い……そう思って生きていくよりは、ずっと良いんです」

聖天子「山科さん……貴女は一体どんな過去を歩んできたのですか?」

花菜「………………」

聖天子「妥協することができないというのは……辛くないのですか?」

えぇ……見捨てるのかよ……

ぶっちゃけ安価スレで今後の展望とか今の安価で崩されるだけなのにそれで切れてるのは向いてないと思う

>>554
申し訳ない

>>552
まさにそう、そういうこと言いたいんだよ俺は
やらなきゃいけないことがいっぱい増えちゃったからこっちのイベントはできないならできないで別にいいかな別のイベント優先したいしって言ってるだけ
なんでめちゃくちゃにしてやるとか言われなきゃならんのかわからん、俺も嫌だよめちゃくちゃになったら


聖天子様の問いかけに

私は困ったように微笑みを返すことしかできず

聖天子様も少し困ったように眉を潜める

聖天子「山科さん」

花菜「はい」

聖天子「貴女の選択は結局、心に負担をかけてはいませんか?」

聖天子様は優しくそう言うと

そのまま私の返事も聞かずに続ける

聖天子「相手を切り捨てることで悩み苦しみ、相手を救うことでも傷つけられた人のために悩み苦しむ」

花菜「………………」

聖天子「貴女はどうすれば救われるのですか?」

私が救われる?

救われることなんて……



1、笑顔が見られれば……それで良いんです
2、だれかが負の部分を請け負わないとダメなんですよ。聖天子様。全ての人が幸せになるなんて、不可能ですから
3、救われることなんてできません……きっと。でも、それでいいんです
4、あまり気にしない方が良いですよ。聖天子様
5、何も言わない


安価下

>>556
助けようよ……頼むよ……
あークソ1500万さえ手には入りゃなんとかなったのに
もう手遅れだけどなんのつもりで報酬なし選んだのかだけ知りたい

安価なら2


花菜「だれかが負の部分を請け負わないとダメなんですよ。聖天子様。全ての人が幸せになるなんて、不可能ですから」

聖天子「なぜですか……? なぜ、それを貴女が請け負うのですか? それは代表であるわたくしの勤めでしょう?」

花菜「無理ですよ。聖天子様は知らないから。直面していなければ、背負うことなんて絶対に出来ません」

言いつつ聖天子様に笑みを向ける

侮辱でもなんでもなく

ただ、それが紛れもない真実であるだけ

その痛みも、苦しみも、辛さも

何もわからないのに同情できるなんて言われても

ふざけるなとしか言えない

花菜「すみません、聖天子様」

聖天子「………………」

聖天子様が黙り込んだのを見て

これ以上は何もないだろうと席を立つ

けれど――

聖天子「待ってください」

花菜「なんでしょうか?」

聖天子「それならば、貴女の願いを聞き入れる訳にはいきません」

――聖天子様は私の願いに対し、そう答えた


いつの間にかこんな時間
今日はここまでにします、ありがとうございました
明日の夜はおそらく無理です。可能なら昼頃に少し



ティナが笑顔でも、お姉ちゃんが辛そうならダメ
だからと言ってティナを切り捨ててもダメ
……詰みです



聖天子様が花菜の願い聞けないのはティナの方じゃなくて報酬の方ですよね……?
はい、ないですねすいません……


花菜「どういうことですか……?」

威圧感をできる限り押し込めながら

ゆっくりと聖天子様へと振り返ると

聖天子様は私を見つめて黙り込む

沈黙の数秒間

けれど、瞳と表情を向かい合わせるだけで

会話……意思の疎通は容易だった

いや、疎通というよりも一方通行の方が正しいかしらね

というのも、

聖天子様は言葉通り、【認めない】というのを全力で示してきていて

話にもならなそうだからだ

でも、なら仕方ありませんね。なんて私が折れるわけにはいかない

花菜「なぜダメなのか教えてください、聖天子様」

聖天子「貴女ほどの人が、言われなければ分からないなどということはないと思うのですが……」

聖天子様の瞳は希望から失望へとシフトし

それは逃避するかのように瞑られた


聖天子「貴女達、山科ペアは東京エリアに限らずガストレアと戦っていく中で要になりうると言っても良いでしょう」

花菜「……それは過大評価かと」

聖天子「わたくしはむしろ、過小評価しすぎていたのだと思っています」

聖天子様がこんな場所で嘘や冗談を言うわけがなく

それが偽りのない本心だと言うことは考えるまでもない

だからと言うわけではないけれど反論はそれ以上せずに耳を傾ける

続く言葉は大体分かってるから

聞く必要はないかもしれないけれど

聖天子「序列134位を打ち破り、ステージⅤを足止めし、さらには生身で序列98位を捕らえた貴女方を序列920位などと節穴と言わずなんと言えるのでしょうか」

花菜「序列なんて貢献度でしか無いのは民警の常識です。私達はそれほど貢献してこなかったのですから高すぎるほどですよ」

聖天子「エリアとエリアの人々だけでなく、エリア代表の命を救ったということを踏まえれば……低いと思いますよ」


私達に関してそこまで折れたくない理由があるとは思えないし

単に政治的もしくは軍事的に必要だからってだけかしら?

さっきそんな感じのことを仄めかしていたものね。と

冷静に分析しつつ聖天子様を見つめる

花菜「だから序列上昇を断るのは認められない。と?」

聖天子「以前のご自身の言葉をお忘れですか?」

前回、私は序列の向上が必要になったと

聖天子様に本来の上がり具合に加えての向上まで願い出た

だから今回も上げるべきだと聖天子様は言いたいのね……でも

花菜「私はティナ・スプラウトに関して、本来すべきではない申し出をしたいのです。報酬を受け取らないのは当然です」

聖天子「エリア代表であるわたくしの命を狙った殺し屋の処罰を軽くするなど、貴女への報酬を取り消したところで叶えられるものではありません」

平行線になるかと思われた会話は、聖天子様の力強い言葉で捻じ曲がる


花菜「それはっ……」

言い返す言葉がある?

考える必要なんてない。あるわけがない

それはそうよね……願いを聞いてくれるからって言ったけれど

理由があるとは言えそんな大罪を犯したティナの減刑だなんて

私一人の報酬を犠牲にしたところで叶えて貰えるはずなんてない

花菜「でも……」

聖天子「………………」

聖天子様と私

その権力の圧倒的な差がのしかかってきて言葉が沈み

聖天子様の沈黙は逆に責め立てられているようにも感じる

でも……助けてあげたい

そう言ったところで叶うはずもないと俯いた私に

聖天子様は「わたくしの命に従うのならば」と、口にした


1、ティナのためになるならと従います
2、……それなら何も願いません
3、その他


安価下


花菜「解りました。従います」

聖天子「……躊躇うことすらないのですね」

聖天子様は流石に驚きを隠せないといった感じで間を空けて問う

救うか否か

極端な回答しかない私に躊躇えという方が難しい話なのだけど……

これが大阪エリアだったらどうだったかしらね

従順な下僕として扱われる可能性のあるそこでも

多分、受けちゃうわよね……私だもの

花菜「軍事的だろうと、政治的であろうと、どうぞご自由にお使いください」

聖天子「いえ、それは構いません」

花菜「……というと?」

聖天子「山科さんはお願いすれば基本的にはお断りすることはないでしょう? お願い=命令みたいなものではありませんか」

陽羽がいたら確かにそうだよねーとか苦笑するだろうなと思いながら

代わりのように苦笑する聖天子様を見つめる


花菜「なら、何を?」

保留して嫌なときに使うのかもしれないと普通なら考えるけれど

聖天子様に限ってそんなことはないはず

追い込まれた時のキーカード?

それはあり得るけど……ん?

花菜「聖天子様?」

黙り込んだままの聖天子様は

もう話は全て終わったというかのように私を見る

聖天子「山科さん、何も言わず報酬を受け取ってください」

花菜「……報酬を?」

聖天子「政府として優秀なペアに援助するのは当然です。優秀であればあるほど危険であり、命を落とし易い戦いに赴くのですから」

花菜「そしたらティナの件はどうなるんですか?」

聖天子「……受け取ってくだされば考えましょう」

その笑顔だけは、悪魔か何かだと感じてしまう自分がいた


安価下コンマ序列判定(反転 12→21)


安価下2コンマお金判定(一桁)


序列→920→460-(79反転97)=363

資金→1500+(6割=150x6=900)=2400



花菜「そんなっ!」

思わず怒鳴るように声を上げて少し強く机を叩く

さっきのはやっぱり悪魔の笑みだったらしい

というのも

今もまたその笑みを浮かべる聖天子様から伝えられたのは

本来貰う予定だった報酬よりもかなり底上げされた内容だからである

460だった序列は、557に

1500万円だったお金は2400万円

花菜「聖天子様だからってこんな……」

聖天子「わたくしが与えるべき報酬だと考えた上でのものです」

花菜「でもっ」

聖天子「……命令ですよ。山科さん」


命令だと言われて断れず

本来受け取る分よりも遥かに多い報酬を受け取ることになってしまった

普通なら喜ぶべきかもしれない

でも、私にとっては……

聖天子「なんでも命令できる権利はこれで無くなりました。ですから、以後は自由です」

花菜「だからってここまで報酬を大きくしなくても」

聖天子「それはわたくしの判断がそうだっただけです」

聖天子様の悪魔のような笑みはどこかに消え

希望を求めるような憂いのある笑みが見える

花菜「……………………」

聖天子「…………………」

言葉にはしない

けれど、エリア代表として背負っているものはきっと

倒れてしまいそうなほど、投げ出したくなるほど重いのよね……

決して同じではない、でも、背負う者がある私にはできない。でも、聖天子様は


1、頼ることは悪いことではありませんよ
2、私にはあまり期待しないでください。悪魔ですから
3、頑張ってください、聖天子様


安価下


花菜「頼ることは悪いことではありませんよ。聖天子様」

聖天子「……それは、貴女にでも?」

花菜「どうでしょうか?」

色々な意味で日々戦う女の子……である聖天子様と女性の私

違いはあっても似たような私達は

分け目もふらずというわけにはいかないけれど

2人きりの今だけは内々にクスクスと笑う

聖天子「いつも貴女には頼ってばかりですから、山科さんこそわたくしを頼ってくださっても構いませんよ?」

花菜「融通を利かせて貰ってますから……私は別に」

序列を無理に上げてもらったり、取り消してもらったり

今回だってティナの件を願ったりと……結構頼っていたりするわけで

聖天子様は「そうですか」と、いつもの凛とした表情で答えると

小さく会釈をして立ち上がり、私も合わせて席を立つ

聖天子「陽羽さんをあまり待たせる訳にも行きませんから、これで」

花菜「はい……聖天子様」

軽く視線を交わし、何を言うでもなく微笑む

ティナは聖天子様に任せても大丈夫そうね



・聖居を出ます
・夜に移ります


安価下居場所選択


1、自宅

2、病院


→10日目  夜  病院


イベント判定 安価下コンマ一桁


135 憩

79 延珠


→10日目  夜  病院


コッコッコッコッ...と私達の足音が夜の暗い病院に響く

非常口の緑色の光

その先に広がるなんでも飲み込みそうな暗闇

今のお姉ちゃんはこういうのを見たらさぞ喜ぶでしょうね。と

消灯時間過ぎたはずなのに明かりと

今の暗さによく似合うお噺が漏れる病室の扉を見つめて思う

子供の頃は良くやっていた心霊番組だけど

今ではネット上の動画サイトで若い子達が悪ふざけでやるくらいで

テレビでは一切の放送を禁止している

理由は言うまでもなく人が亡くなり過ぎたからだ

心霊などの類をテレビ上で取り扱うなんて

死者を冒涜しているようなもの……ううん、冒涜しているにほかならないからである

花菜「……………」

陽羽「どうかした?」

花菜「別に。ただ、本当に忘れちゃったんだなぁ……って、そう思っただけよ」

陽羽「……………………そうだね」

やってはいけないこと、するべきではないこと

それを知らない、忘れてしまっている

お姉ちゃんがしていることがそれを……また強く、私の心へと刻み込んだ


花菜「……ただいま」

香織「でね――あら、お帰り。遅かったわね」

花菜「うん」

楽しそうに話すお姉ちゃんの表情を見ると

それはあまりするべきではないとは言いづらくて

笑顔に対しての返事はひどく沈んだものになってしまった

真希「お姉さん、お帰りなさい」

真望「どうだった? 難しかった?」

花菜「難しくはなかったわ……ただ、ちょっと負けたわね」

聖天子様と話に行くということは伝えてあったため

その交渉の結果が敗北……報酬の増加だったのだとため息をついて苦笑する

憩「………………………」

花菜「……………………」

怯え混じりに私を見る憩ちゃんの瞳には

後悔しているような色も見えた


香織「そういえばね、花菜ちゃん」

花菜「うん?」

香織「なんか貴女に会いたそうな男の子が来たわよ」

花菜「……蓮太郎くん?」

一番ありえそうな里見くんの名前を出すと

お姉ちゃんは少し考えてから首を横に振る

すぐに里見くんの姿が浮かばないあたり、まだ完全には覚えられていないのね

真望「あれ、お隣のお兄さんだったよ?」

真希「巳継……悠河だっけ?」

花菜「巳継くんが?」

あんな突き放すようなことを言ったのに

巳継くんが私に会いに来た……?

香織「正確に言うと、私のことを貴女と勘違いしたみたいなの。山科さん! って呼ばれてビックリしちゃったわ」

花菜「……そう」


巳継くん……か

名前を聞いただけでちょっと胸が苦しくなった

というより痛んだ

あれだけ私を気遣ってくれた子を、私は突き放してしまったんだもの

当たり前と言えば当たり前よね……

でも、それは憩ちゃんも、延珠ちゃんも、陽羽も同じ

最低だわ、私……なんて自己嫌悪していると

下からえぐり込むように覗き込んできていた陽羽と目が合う

陽羽「悠河のこと考えてる?」

花菜「べ、別に……」

陽羽「ふーん」

花菜「なんなの? その意味ありそうなものは」

陽羽「別にー?」

そのからかうような笑みはちょっとだけ悔しそうだった





1、電話
2、陽羽と交流
3、香織と交流
4、真希と交流
5、真望と交流
6、憩と交流
7、蓮太郎と交流



安価下


→憩と交流


話そうと名前を呼ぶと

憩ちゃんは私を一瞥して廊下へと向かう

何も言ってはくれなかったけれど、付いてきてほしいのだとすぐに解してついていく

黒一色に染まった廊下

この前と同じようなシチュエーション

だからこそなのか

あの時のように壁側まで行くと、憩ちゃんは振り向く

憩「……お姉ちゃん」

花菜「……うん?」

憩「あんなのお姉ちゃんじゃないって言ってごめん」

花菜「謝るのは私だわ。怖がらせたのは私なんだから」

そう

これは優しさどうこうではなく純粋に全面的に私が悪い

子供に向かってあんな酷いこと言うなんて言葉にできないほど最低だもの


憩ちゃんは「ううん」と首を振り、申し訳なさそうな顔をする

そんな顔する必要はないのに、悪いのは私なのに……

そうされるとより一層罪悪感が湧いてしまう

花菜「あのね、憩ちゃん」

憩「言わなくていいんだ……あたしの方が悪いんだ。都合の良い所しか見ないで、嫌なところは否定して……あたしが」

それは間違った考えじゃない

むしろそれが当たり前の考え

なにより、子供が悩むようなものではない

花菜「憩ちゃん」

憩「本当にごめん……助けられてたくせに、あたしっ」

夜だからなのか

それとも、それが私の聞き逃すべきではないものだからなのか

ポタポタと雫の滴る音が大きく響く


1、抱きしめる
2、気にしないで良いのよ……知らなかったんだから
3、私こそごめんね……気持ち踏みにじって、信頼を裏切って……ごめんね
4、頭を撫でる
5、それが普通よ。憩ちゃん。貴女は何も間違ってない、それが当たり前の反応なの
6、その他



安価下


そのまま崩れ落ちてしまいそうな小さな体を

抱いたままの大きな不安ごと包み込む

火照った体は温かいというよりは熱く

夏場ということもあって汗が伝い落ちる

それでも憩ちゃんは文句を言わず、暴れることもなく

私の抱擁を受け入れて体を預けてくる

花菜「……ごめんね」

不安と恐怖を与えてしまったせいで

悩むべきではない悩みを抱えさせてしまった

都合の良い所しか見ないで、嫌な部分を否定した

憩ちゃんはまだまだ子供だからそれでいいのに

精神的にだけ成長させるなんて、

一番やってはいけないことだとわかっていた事なのに

憩「……あたし、頑張るからね。お姉ちゃんのために、陽羽と一緒に」

その悩むべきではない悩みの末の回答は

陽羽と一緒の決意に固められていた


とりあえずここまで
ありがとうございました




木更「料理人・運転手・護衛。様々な方面を一人でカバーできる万能メイド。花菜は如何でしょう?」

聖天子「買いです」

……まぁ聖天子様も気軽に話せる人は一人くらい欲しいはず

別スレでこちらのスレシステムを借りています
スレチになる+1スレ目でも同じことがあったので事前に承諾は得てなかったです、申し訳ございません


最初に断ってなければ
救われる救われないの話、聖天子様との遠すぎない会話が無かった
報酬を貰うのはほぼ固定
聖天子様からしてみれば、タダ働きさせるなんて言語道断だったからね



>>638
問題はないですよ
ただ、簡易に組んで連動させてるので
システムの一部使うと全システムがひっついていくかもしれません
その辺りは適当に調節してください


花菜「……その頑張りたがり屋さんな貴女に朗報よ」

憩「ろーほー?」

花菜「良い話ってこと」

可愛らしく小首をかしげる憩ちゃんに解りやすく言い直す

小さい頃から学校なんていうものに縁がなかったからか

ちょっとでも難しい漢字を使うと解らなくなってしまうのは相変わらずね……

出会ってからコツコツと常用句くらいは教えてたんだけどな

憩「いい話って?」

花菜「んーとね?」

含み笑いを浮かべながら

期待に胸を膨らませ、目を輝かせる憩ちゃんへと伝える

内容は

聖居からの帰り道に未織ちゃんから連絡があった「明日には完成する」というものである

憩ちゃん待望の武器

可能であれば持たせたくはなかったのだけど

……それはもう言わないって決めたのよね


憩「あたしの武器ッ!」

花菜「言っておくけれど、普段の貴女に携帯は許されないわよ?」

正式にイニシエーターとして登録されていないから

そこらへんを破ると面倒なことになっちゃうからね

率直に理由を教えると

憩ちゃんは少し考えて「バレなければ良くない?」と、呟く

たしかにそうなんだけどね。バレたあと面倒なことになるのは嫌だもの

花菜「だから、延珠ちゃんが普段履いてる靴があるでしょう?」

憩「あのバラニウムの?」

花菜「そう。それと似たようなものを作って貰うからそれを履きましょ?」

憩「なんでもいいよ。お姉ちゃんのこと、手伝えるならさ」

憩ちゃんは元気のいい笑顔を浮かべると

私のことをまっすぐ見つめる

憩「あたしは絶対に守る……お姉ちゃん達のことも、今のこの、幸せも。絶対に」

暗闇を照らす天井の僅かな光

それは【光が飲み込まれている】のか

それとも【闇が光にかき消されている】のか

私には……あまりいいほうには感じられなかった


・夜を終わります

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  2ヶ月目 10日目 現在

  山科 陽羽 (90/96  絶対に失いたくない人)
  山科 憩   (53/60  信頼する家族) 交流+2/+3
  山科 真希 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 真望 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 香織 (11/11   妹であろう人)
  天童 木更 (36/37  死なせたくない人)

  里見 蓮太郎(32/34  言動を躊躇う異性)
  藍原 延珠 (21/23  仕事仲間)
  司馬 未織 (35/34  ちょっとした好意)

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性)

  室戸 菫   (20/21  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (15/15   護衛対象)

  蛭子 小比奈(07/08 料理当番)
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(18/23  少し特別な民警) 交流+0/+3 交流+2  交流+2
      ティナ(-11/-12  畏怖) 
  斉武 宗玄 (50/40   固執)



           序列:363番  所持金 3955.7(-1050万)万円

────────────────────────────────────────


再開位置固定→病院


イベント判定 安価下コンマ


1 聖天子様

3 延珠

5 蓮太郎

9 悠河


ゾロ目で特殊


→ 11日目 朝  病院


花菜「んっ……っ……」

香織「おはよう、花菜ちゃん」

花菜「おはよう、お姉ちゃん。相変わらずの健康的な生活ね」

現在の時刻は朝6時

病院で寝泊まりしているため

別にその時間に起きる必要はないのだけれど

習慣というものは恐ろしくそして……強い

香織「私、多分いつもこの時間に起きてたんだと思うわ……どう頑張っても、起きちゃうのよ」

苦笑するお姉ちゃんは

寂しげな笑みを浮かべて、マグネットの将棋を弄る

子供たちが寝ているこの時間、

電気をつけたりカーテン開けたりするのは遠慮しているらしい

そんな暗い部屋では本も読めないのに

まぁ、だから将棋をいじってるんだろうけど


香織「それはそうと、メール来てるみたいよ」

花菜「うん?」

ピコピコと点滅する携帯のランプ

薄暗いせいかそれは変に強く見える

寝るときは別のベッド

でも気づけば同じベッドの陽羽を起こさないようにしつつ

液晶に軽く触れて受信メールを開く

花菜「未織ちゃ……んじゃないのね」

その相手に失望したわけではなく

むしろ驚いて言葉を失う

昨日訪れたというのは聞いた

けれど……ううん。だからこそなの?

香織「……迷ってる?」

花菜「ううん、別に」


見透かしたようなお姉ちゃんの言葉と優しげな表情

メールの内容も、その相手も

全部解らないはずなのに全部知られてしまっているかのような感覚

もしかしてとお姉ちゃんを見つめると

あらあら。と、嬉しそうに笑う

香織「別に見てないわよ」

花菜「聞いてないけど……」

香織「疑いの目を向けてたくせに……その様子だと男の子でしょ」

花菜「っ!」

香織「しかも昨日のあの子、巳継悠河くん」

花菜「ち、ちが……ぅ……わょ」

ニヤニヤするお姉ちゃんには流石に一撃だけショック療法を試したくなる

けれどそれでは認めるような気がして咳払いでごまかすも

相手は図星の巳継くん

ちょっと恥ずかしくなって病室をでることにした


花菜「……会いたい。か」

メールは無駄に長いこともなく

ただただ、簡潔に「もう一度、会ってお話しがしたいです」という一文に収まっていた

私に会うために病院にいったのか定かではないけど

お姉ちゃんを見て私だと思って呼び止めた

それはつまり

突き放しきれていなかったということになる

花菜「巳継くん……」

私を女にしてくれたと言うと語弊が生じるけど

巳継くんの前ではひとりの女性あるいは女の子としていられたのは事実

私のあんな腐った一面を見てもなお理想の人だと言ってくれた巳継くん

花菜「っ……」



1、会う(朝行動消費)
2、会わないとメールする
3、返事も返さない



安価下


花菜「……何よ」

誰に向けるでもなく呟いた一言を窓から見える空が吸い込む

忌々しいほどに清々しい青色のそれは

私がどれだけ濁った存在であるかを見せつけるように広がる

花菜「私……」

巳継くんからではなく

私が自分でしかも身勝手に切り捨てようとしたくせに

まだ会いたいと言ってくれることに少しだけ喜んでいる自分がいて

でもあんなことして今更どういう顔して会おうって言うの? と

引け目な自分もいて

纏まらない思考はうじうじよ気味悪く悶える

花菜「……ほんと、似合わないくせに」

数秒もしないうちに

携帯の液晶画面に【送信完了】の4文字が現れる

花菜「……巳継くんよりも早く行くのが礼儀よね」

結局、私は突き放しきれなかった


安価下コンマ判定 一桁


奇数 花菜

偶数 悠河


→ 11日目  朝  公園


花菜「……あっ」

車を使ってまで

出来る限り急いで向かったつもりだった

けれど……その姿は既に公園の中に紛れ込んでいて

私に気づくやいなや

ブランコから離れてズボンを叩く

いつものような笑みを浮かべる彼は

来てくれて嬉しいです。と、言いながら陽羽へと目を向ける

悠河「君は出来れば外れてて欲しいんだけど……」

陽羽「ヤ」

悠河「ヤって……あまり聞かれたくはない話なんだ」

困ったようにいう巳継くんを一瞥すると

陽羽はにこっと笑う

陽羽「聞かれたくない話はして欲しくないかな」

その流れで断固拒否

陽羽はやっぱり私たちが仲良くする……というか

恋仲になるような感じになるのは嫌なんじゃないかしら


花菜「あのね、陽羽……私達べつに2人で出かけようとかってわけじゃないから」

陽羽「だったら許可なんてしないよ」

陽羽はあからさまに不機嫌そうに答えると

黙り込む私達を交互に見て、「はいはい」とこれまた適当に呟いて傍を離れる

花菜「その……ごめんなさいね。なんかあまり許してくれないの」

悠河「あ、あぁいえ……別に。僕とあの子は憩ちゃん程親しくはないですから」

誤魔化すように苦笑しつつ巳継くんを見つめると

巳継くんはその視線に気付いた途端、照れくさそうに頬をかいて答える

なんというか……なんだろう?

友達同士で集まったはいいけど

友達の友達と2人きりになってしまったかのような気まずさに近い

でも、ちょっと違う

いうなれば……黒板に相合傘で名前書かれた人と席が隣同士。みたいな

花菜「っ……」

変に全力疾走な思考

燦々と降り注ぐ暑苦しい太陽光のせいか目眩のように視界は揺れる

顔が熱く感じるのもきっと……太陽のせいだ


とりあえずここまでにします
ありがとうございました


明日はできればお昼頃……と言って出来たためしがないですが



若いってイイデスネ

弘一:?
美菜:東雲はかせ(性格的に)
香織:バルメ(戦闘技術的に)
花菜:ロベルタ(武器と力でのごり押し的に)
もしくは花菜は戦刃さんだな。残念って意味で

なにこの戦闘民族


始めの時にこんな感じの人とでも決めておいたが良かったかな

黒髪短髪、157cm58kg 上から81-60-84 としか決めてないから
それが合いそうな戦闘キャラでも適当に当てはめてください

ちなみに>>674の誰よりも背が低いみたいです


花菜「そ、そこのベンチに座らない?」

二人でつっ立ったまま黙り込んでるのもアレだからと

適当なベンチを指差して誘う

気恥ずかしくて見れない巳継くんの表情は解らないけど

了承した「そうですね」との声から察するに

緊張しているみたいね

……まぁ、私もなんだけど

花菜「………………」

悠河「………………」

花菜「………………」

ベンチの端と端

極限まで離れた数十センチ

悠河「……お話があります」

簡単に飛ばされてしまいそうな声が伝わってきた


お話があります

そう言った彼はまた少し躊躇っているのか

言葉は続かず、公園で遊ぶ子供達の騒ぎ声が支配する

ほんの少しだけ頭を傾けて視線を動かす

映る巳継くんは気恥かしさを打ち消した暗い表情で自分の手を見つめる

なにか……あったのかな

髪色が似ていなくもないし、もしかしてティナのお兄さん……?

飛躍したその考えを打ち消すかのように、巳継くんは私を見た

悠河「本当は、説得しようと思っていたんですけど……会ってみたら普段の山科さんみたいで……良かったです」

花菜「……巳継くん」

悠河「誰だって暗い過去がありますよ……暗い部分だって。10年前の全てを狂わせた異変のせいで」

不安を知られないようにと隠したはずなのに

わずかに震えた声で気づいたのか、巳継くんは慰めるように告げる

悠河「だから僕は気にしてません……むしろ、誰にも知られたくないようなことを知れたことが嬉しいなって、思ってます」


花菜「でも、それとこれとは話が別だわ。あんなのを見て醜いとは思わなかったの?」

悠河「醜いだなんてそんな……結局は家族のためじゃないですか。むしろ僕は素敵だと思いましたよ……怖かったですけどね」

花菜「え――っ」

唐突な言葉に紅潮していくのを感じて

慌てて巳継くんから180度視線を動かす

花菜「ま、また……心にもないこと」

悠河「無かったら言いませんよ」

花菜「……嘘」

悠河「だって、離れようとしてるんですよ? 嫌ならそのままにするのが普通ですよ」

花菜「でも……」

悠河「僕は山科さんが良いんですよ……だからこうして話に来たんです」


ベンチに放り出されていた私の手に何かが触れる

握るわけでもなく、押すわけでもなく

軽く接触したまま動かない

それは多分……巳継くんの手だ

でも、私は触れずに問う

花菜「…………どうしてそこまで」

悠河「山科さんだから。ですね」

巳継くんは恥ずかしかったのか苦笑する

それでも私の手に触れる手は動かない

巳継くんはいい子だ。本当

私なんかではきっと釣り合わないと思う

花菜「………………」



1、悠河の手を握る
2、あんまり嬉しいこと言わないで……泣くわよ
3、後悔しても知らないわよ
4、少し……寄って良い?
5、……ありがとう、巳継くん。嬉しいわ
6、その他


安価下


花菜「……ありがとう巳継くん。嬉しいわ」

悠河「……………………」

花菜「でも……」

この答えはしっかり言わないとダメだと巳継くんを見ると

彼は私を見て、悲しそうに眉を潜める

それでも……私は手を握らない

花菜「そこまでの勇気、私にはないから」

悠河「そう……ですか」

振り払ってしまったその手をもう一度取るのは……やっぱり、悪いもの

自分から身勝手にやって

求めてくるからって自分のことを棚に上げてまた……なんて

花菜「嫌いじゃないわ……むしろ……。でも、悪いじゃない」

悠河「……僕は」

花菜「巳継くんの気持ちを聞いてもなお、自分の事優先して。切り捨てて。なのに、またその手を取ろうだなんて」

言いながら、思わず……笑う

瞳を開かないその笑みは真っ暗で、何も見えなくて

そのことに……私は救われている気がした


花菜「本当に、嬉しいの。私の本性を見て……素敵だって言ってくれて」

悠河「なら……」

花菜「でも、だからこそダメなのよ」

瞳を閉じたままなのもまた

私には勇気がないからだ

さんざん人を殺して、たくさんの命を背負っているはずなのに

悲しい顔を見るのが……なんだか耐えられそうになかった

巳継くんから自分の膝元へと視線を下ろし

黙ったままの巳継くんに言葉を向ける

花菜「そんな貴方に、私はきっとすべてを許しちゃうと思うから」

悠河「僕では……無理だと?」

花菜「そうじゃない。そうしてはいけないことなのよ」

悠河「っ……」


安価下コンマ判定


奇数で悠河のターン


悠河「………………」

彼は何も言わない

ただただ、強く拳を握り締める音が聞こえる

人がたくさんいるはずの公園は

なぜか……誰もいないと思うほどに静かで

その矛盾あるいは変化は今の巳継くんを表しているかのようにも思えた

花菜「……私のわがままで。ごめんね」

悠河「……………………」

巳継くんを見ることなく

立ち上がってお尻を軽く叩く

素敵だと言ってくれた

気にしないと言ってくれた

知ることができて嬉しいとさえ言ってくれた

巳継くんの前では女の子になれた、女性になれた

全部、嬉しかった

出来るならこれからもと思った。でも、だけど……

花菜「っ……ごめんなさい」

そのまま歩き出した私を巳継くんは止めず

私もまた立ち止まったり、振り返ったりすることなく……陽羽と一緒に公園をあとにした


再開位置選択

1、病院
2、商店街
3、外周区
4、自宅


安価下


安価下コンマ判定



2 未織
4 男性
6 夏世
8 弓月


→ 11日目 昼 商店街


花菜「………………」

陽羽「花菜」

花菜「………………」

陽羽「あーもーっ!」

花菜「っ!」

ぐっと強く腕を引かれて

踏み込もうとしていた足が空中で止まる

陽羽「後悔するなら受けておけばよかったじゃんっ」

後悔……か

後悔してるのかしら

いや……してるんでしょうね

だから……私

考えてしまいそうな頭を軽く振って陽羽を見る


花菜「まぁ……私じゃ駄目よ。巳継くんいい子だから」

陽羽「駄目って何さ……花菜からならともかく、悠河から近づいてきてたじゃん」

陽羽は呆れたように言う

それはそうだけどね……と

思うだけ思ってやっぱり言わない

花菜「巳継くんは狐に化かされただけよ……すぐ夢から覚めると思うわ。そしたら、気まずいじゃない?」

曝け出しちゃったとは言え

普段本性隠してる私はまさに狐ね

なんとなく苦笑して陽羽を見ると

陽羽は察したように息をついて手を離す

陽羽「馬鹿」

花菜「なっ」

陽羽「……どれだけ自分を追い詰めれば気が済むのさ」

悲しそうに言うと、陽羽「まぁ……」と続けて自分の頭を軽く掻く

私に向いていなかった顔が私を見つめ、照れくさそうな笑をこぼす

陽羽「もうしばらくは……陽羽が肩代わりしてあげるからねー」


花菜「………………」

陽羽「………………」

花菜「………………」

陽羽「な……なんか言おうよ」

花菜「ふふっ、ありがとね」

ほんのり薄かったのが

耳まで真っ赤に染まったのを見て笑う

巳継くんのことを忘れるというわけじゃないけれど

いつまでもウジウジしてたってダメだものね

彼には彼に見合った人がきっと……いるはずだから

とりあえず今は今のこと考えなきゃね

花菜「……ねぇ、陽羽」

陽羽「うん?」

花菜「なんで商店街に来たんだっけ」

陽羽「……えっ」



1、デパート
2、食事処
3、武器屋
4、不動産
5、裏路地


安価下


何の目的もなかった私は

とりあえず近くにあった武器屋に寄ることにした

陽羽「このあと未織のところ行くんじゃないのー?」

花菜「そうだけど、司馬重工以外の武器の知識も入れておこうと思ってね」

陽羽「……また対人で武器破壊とかするつもりなの?」

花菜「最近はそんな余裕はないから解らないけどね」

適当なハンドガンを手にとって構える

3年ほど前に出回ったコルト・ガバメント

カスタムパーツが豊富だから

自分で色々と出来ない。でもほかの人とは違うのにしたい

なんていう人が装備するにはうってつけである

まぁ、武器をファッションかなにかだと勘違いする民警はまずいない

とはいえシングルアクションゆえの命中精度などは捨てがたく

今でも使ってる人は……意外といる

里見くんが使ってるのもシングルだったはずなんだけどね……射撃教えてあげたほうがいいのかしら


「お……あんたか」

花菜「おじさん、ご無沙汰してます」

「最近見ねぇから心配したぜ?」

花菜「ふふっ……ごめんなさい」

スーツ装備で露出が全くない私は

正直言ってこの場は場違いも甚だしく

初来店時は即刻追い出されたこともある

まぁ……そのおかげでお店のご主人と仲良くなれたのだけど

花菜「何かいいものあります?」

「お嬢ちゃんの場合、最新式ではもう型落ちと同義なんじゃねぇか?」

花菜「そんなことはないですよ」

「どーだかな。先月のあのやばい一件で馬鹿威力のハンドガン使ってたって噂があるんだがなぁ?」

花菜「……気のせいですね」

とりあえず笑顔でごまかしておこう……秘密に近いものね


「トンプソンの3式とかどうだ? 多少威力は落ちたものの、単発式をついぞ克服した一級品だ」

花菜「ガストレア相手に威力落とすのは致命的だけど……連発できないっていうのはもっと痛いわよね」

ショットガンを小さくしたような形の銃で

威力は高く、私の持つハンドカノンに近しい威力を誇ってるのよね

もっとも、弾丸はショットガンのそれとは違って散弾ではないけれど

花菜「わざわざ威力下げて単発を消すより、散弾にしちゃったほうが良かったんじゃないかしら」

「それはいっちゃぁいけねぇ」

花菜「んー……それに、単発だからこそのこの無駄のない固められた銃身なのに、増やしたらいびつで格好悪いわ」

「容赦ねぇな……」

陽羽「……武器開発に来たんだっけ?」

……………………

ぼそっとつぶやくように

けれど確実に聞こえるように言った陽羽に振り向くと

面倒くさそうな顔をしていた

……ごめんね。ついつい。と言うと

陽羽は「はいはい」と、やっぱり呆れていた



1、ハンドガン
2、ショットガン
3、アサルトライフル
4、スナイパーライフル
5、対物ライフル
6、爆弾
7、短剣
8、小太刀
9、剣
0、斧
11、金鎚
12、槍
13、必要ない


安価下


短剣ステータス生成


安価下コンマ一桁


短剣(lv.7) 威力:104 重量:2  耐久:195 金額:26万

※この武器を使った際の基礎ダメージ 花菜で451 陽羽で1064  




「よさげなのはこのレベルだ……だが、アンタにゃ役不足だろう」

花菜「売る側が言ったらダメだと思うけど……」

「売る側だからこそ、役不足なら役不足だって言うさ。死なれちゃ困るんだよ」

おじさんはそう言うと短剣を元の箱にしまう

たしかにあの程度の商品ステータスだと

ガストレア相手では力不足くよね

花菜「……そもそも、軍用ナイフがあるし」

陽羽「んー陽羽には刀があるしねー」

それに、憩ちゃんには靴を履いて貰うし

基本的に近接戦闘なんてやらせるつもりはないからね……

でも、万が一のためにあるといいかもしれないけど


1、買う
2、買わない


安価下


花菜「わざわざ見せてもらってあれだけど……ごめんなさい。大丈夫」

「ははっ、構わねぇよ。お嬢ちゃん達の顔が見れただけで満足だ」

おじさんは嬉しそうに笑って陽羽の頭に手を伸ばし

陽羽もそれを拒否することなく受け入れて、にこっと笑う

陽羽「陽羽達は大丈夫だよ。この先もずっとね」

「そうか……まっ、買わなくてもいいが時折寄ってくれよな」

花菜「もうっ……お店のご主人がそれじゃダメでしょ?」

「いーんだよ。あんたらはいるだけで特別なんだ……」

そう言ったおじさんはまた悲しそうな顔をする

おじさんは10年前に妻子を失っていて

私達を娘のように思ってくれているらしい

だから私が民警でいることをよく思ってなかったりする

花菜「……大丈夫よ。おじさん。また、来るからね」

「俺がもう少し若けりゃなぁ……デートに誘ってるな」

花菜「あらあら」

私が笑を向けるとおじさんはまた思い出を懐かしんで

そこに浸ることで得られる虚しくも幸せな笑みを浮かべる

……どうか、お元気で


・武器屋をでます


再開位置固定:司馬重工

メンバー変更:花菜・陽羽・憩・未織



イベント判定 安価下


7 9 ゾロ目 悠河

3 美菜


→ 11日目 夕方 病院



悠河「……やっと、追いつきましたよ」

陽羽「追い抜いてるよね……というか、回り込んでるよねーそれ」

憩ちゃんを連れて行こうと病院に戻った私達

その前に現れたのが……巳継くん

もう……切り離したはずなのに

これ以上……止めて欲しいのに

弱くなりそうな自分を立ち直すために

葉を食いしばり、拳を握り締め、巳継くんを見る

花菜「どうして、来たの?」

悠河「僕はまだ……諦――」

陽羽「もう止めようよ」

悠河「嫌だ」

陽羽「でもねー悠河。花菜だって……嫌なんだ」

陽羽はいつもの声で、優しく言う

目を見開いた巳継くんはそこに隠れた気迫に負けじと目を細めた


陽羽「悠河の気持ち陽羽解るよ。諦めないこと……うん。大事だって思う。でもさ……それは違う」

花菜「陽羽……?」

陽羽は一歩進み出て私を庇うように立つ

陽羽は巳継くんが嫌いじゃない

でも、巳継くんが現れることで私が悩むから、苦しむから……敵になる

陽羽「花菜には陽羽がいるから……だから、悠河は別に要らない」

悠河「そんなこと、山科さんは言ってない」

巳継くんの目が私を悲しそうに一瞥する

それは辛い、苦しい、悲しい

そんな悪い感情に包まれている証拠

どうしてなの?

どうして……そこまで

花菜「っ……」

気になるけど……でも、聞くのはだめよね


陽羽「悠河には今の花菜の顔が見えてるはずだよ」

悠河「……………………」

陽羽「悠河が傍にいる。その結果がそれなんだ」

陽羽の声はいつものようにも聞こえる

けれどそれは確かな悲しみを含んでいた

私のために

私のせいで

2人は……仲良くなれそうだった関係を

――壊そうとしてる

陽羽「もうやめようよ。悠河の気持ちが本物ならさ……ね?」

――止めて

悠河「っ……でも、僕はそういう顔をさせないために」

――止めてよ

陽羽「けど……そのためにこうなってたら意味がないよ」

――お願いだから

言葉にならない空気はパクパクと無意味な動作を続ける口から漏れていく

言うべきなのか、言わないべきなのか分からない

言ったところでどうにもならない。むしろ悪化しそうな気がするから



1、巳継くん………お願い。帰って
2、陽羽、大丈夫だから……もう一度、お話するわ
3、何も言わない
4、止めて! 私のために争わないで!
5、その他


安価下


花菜「陽羽、大丈夫だから……もう一度、お話するわ」

陽羽の肩に手を置いて前に進み出す

それが正しいことなのかは解らないけれど

でも……どうにかしなくちゃいけないことだものね

驚いて服の裾を掴んできた陽羽に大丈夫。と告げて

巳継くんと見つめ合う

残念ながら低身長の私は見上げるという不格好なものだけど

花菜「ごめんなさい。朝に言ったのが私の――」

陽羽が解るといった気持ち

わたしにはちょっと解らないけれど……でも

朝の自分の思い、自分の答え

それが全てだからと言おうとした私の体を何かが……ううん

巳継くんが抱きしめる

ほとんど目の前だったとはいえ、体がよろけて一歩くらい後退る

……巳継くん?


流石にそれが躓いて偶然なんてことじゃないのは解っていて

でもだからこそ……恥ずかしく思う

けれど突き飛ばせない

それは……やっちゃいけないのよね

花菜「……………………」

悠河「……………………」

手放したくない

その思いの込められた抱擁は力強く、そして何よりも優しい

周りの視線が気にならない

ううん、気にしてしまったら全部持って行かれそうだわ

悠河「僕は……山科さんの傍にいたいんだ」

花菜「……巳継くん」

悠河「せっかくこの目が見えるのに……ようやく得られた光なのに。そこに山科さんが映らなくなるなんて、僕は嫌です」

花菜「……………………」

悠河「山科さん」

抱きしめる腕の力がまた少し強くなる

そんなに私を思ってくれてるの……?

嘘偽りなく本心で……?

自分がドキドキしてるのが解る

まるで……女の子みたいに


巳継くんは私を必要としてくれてる

でも私は……必要ない?

ううん、そんなことはない

巳継くんがいることで救われている部分は少なからずあるし

だから……いて欲しいとは思う

でも、これ以上関係が進んだらダメな気がするのよ

今背負ってるたくさんの魂を重荷に感じて……幸せになろうとしてしまったりしたら……でも

花菜「っ…………」

どうしたら良いのかが解らない

何が正しくて、何が間違いなのか

垂れ下がり、握り締められた拳の中にじっとりとした汗が浮かぶ



1、抱きしめ返す
2、悠河の体を押す
3、私以外を探そうとしないのはなんで……?
4、今まで通りじゃ……ダメ?
5、私、あんな醜い一面があるし、抱きしめて分かると思うけど……良い体してないのよ?
6、……ごめん、なさい
7、その他


安価下


花菜「私以外を探そうとしないのはなんで……?」

その問に、巳継くんの体がピクッと揺れる

私が理想の女性像だとは聞いた

でも、それだけでは説明できないと思う

だって……ここまで拒絶してきちゃったんだもの

ただ理想だというのなら……普通、諦める

でも巳継くんはここまで私を追ってきてくれた

励まそうとしてくれた、悪い一面を見てもなお優しくしてくれた

巳継くんの沈黙は数分間続き、やがて……答える

それは多分、今まで言おうとして言えなかった言葉

きっと、私が完全に気づいていなければいけなかった感情

悠河「山科さんを――愛しているからです」

花菜「愛――」

ぎゅっと抱きしめられて

口を開きかけた顔が巳継くんの体に埋まる

それは離したくないというよりも

答えないで欲しいという願いであるように……感じた


とりあえずここまで、お疲れ様でした



ここまでしても「なんで?」と聞いてくる花菜さんの鈍感さに
さすがのヘタレ継悠河くんも大暴露


言葉が理解できないわけじゃない

経験はないけど、それがどういうことかというのも

知識として覚えてはいるけれど……

でも、まさか私が言われる立場になるとは思ってもいなかった

だって……私だから

からかうならまだしも本気で言うなんて――ありえない

でも、もしもそれが本当の気持ちなのだとしたら

そう思うと……無闇に言葉を紡ぐことすら出来なかった

花菜「…………………」

なんて言えばいいのだろう

ありがとう、ごめんなさい、考えさせて……良いかダメか先延ばしの三択

からかわないで。なんて

気持ちを踏みにじるようなことはもう、するのはダメ

答えてから冗談だったって言われたら

あーそうだったのねって笑えばいい話だもの


でも私は、巳継くんをどう思っているのかしら

いや……それは考えなくても良いのよね

私は相手を選ばない

相手が私を選ぶのなら、それだけで……

花菜「………でも」

本当にそれでいいの?

私は後悔しない?


【陽羽「好きでもない相手と付き合って、結婚して……花菜が今まで守ってきた意味はどこ行くの!?」 】


言われた時、私は結局誤魔化して逃げた

それが今更になって……ううん、その言葉が当てはまる今だからこそ足を引く

でもだからって、黙ったままというのはダメだと思う

それにこのままじゃ……周囲の注目の的だわ



1、気持ちは凄く嬉しい……でも、私とあなたは似合わない
2、……私もね、好きよ。巳継くんのこと
3、こ、こんな場所では止めましょう?
4、私なんかでいいの? あなた……きっと後悔するわ
5、ありがとう。でも、ごめんなさい……私はあなたとは付き合えない
6、うん、ありがとう。私もあなたが好きよ。でも、抱きつくのはちょっと……ね? 男女の友好を表すには危ないわ
7、その他



安価下


花菜「気持ちは凄く嬉しい……でも、私とあなたは似合わない」

悠河「っ――」

私の体がさらに強く抱きしめられるのを感じて

本気の気持ちだったんだ。と実感する

それを解った上で、踏まえたうえで

巳継くんの次の言葉を予想した上で

私達の体の間に手を忍ばせて……その隙間を広げていく

抵抗するような力はなく、簡単にほどけた彼の腕は

その結び目が解けた瞬間だらんっと下がる

自分で決めたこととはいえ

居た堪れなくなって目を逸らす

花菜「……ごめんなさい。でも、解ってほしいの」

私は薄汚れた女

しかもただの汚れじゃない。赤黒い怨恨に包まれた穢れた女

その一方で巳継くんは普通の男の子

花菜「水と油は……交われないって」


悠河「交われなくたっていい……油を浮かせるだけの水でいい。僕は、それでもいいんですよ」

花菜「それでは私がダメなのよ……貴方に辛い思いをさせるだけのそんな距離感は」

例えるなら恋人以上、友達以下

あるいは奴隷と主人

片方には尽くさせて、自分からは何もしない。そんな最低な関係

花菜「だから巳継くん……ごめんなさい」

悠河「……………あはは」

花菜「巳継くん?」

悠河「はははっ……伝えてまで断られたんです。流石に、もうダメですよね」

この時ばかりは

自分の背が低く、見るべきではない巳継くんの顔が見えてしまったことを……呪った

彼は泣いてはいない

むしろその真逆、笑みを浮かべていた

悠河、花菜さんの地雷を取り除かないと花菜さん√は開かれないんだよ・・・
そういう意味では蓮太郎の方が一歩進んでいるって言うね
ダントツは花菜さんについて調べようとしてるマスケラおじさんだけど()


嬉しいからじゃない、楽しいからじゃない

ただただ、悲しいからなのよね……

解る。知ってる。私もよくしていたことだから

諦めたくないのに、手放したくないのに

どうしてもそうしなければいけない時にする……笑顔

花菜「巳継くん……」

悠河「僕は……あまり人との関わりを求めるタイプではないんですよ」

そうは思えないかもしれませんが。と

巳継くんは苦笑する

それはあまりにも痛々しいもので

でも、決して逸らすことのできない笑みだった

悠河「でも、山科さんとは関わりたいと思ったんです。今まで僕が求めてやまなかったこの目の光は別の人だったけど、でも……」

巳継くんの笑みが崩れる

悠河「それ以外の全ては山科さんといれば得られると……思ったんです……けどね」

俯いて、顔をそらして、踵を返して

巳継くんは……私たちから離れようと踏み出す

悠河「……僕はもう、迷わない。僕はもう、躊躇わない。また……いつか」

そう言って振り返った巳継くんは不敵に笑う

その笑みは、その言葉は

なにかとてつもないものを含んでいるようにも感じた



・司馬重工に移動します


→ 11日  夕方  司馬重工



未織「――って、わけなんやけど」

花菜「………………」

未織「ぼっとしてるとまたキスするで?」

花菜「え? あ、うん」

未織「……冗談なんやけど」

花菜「うん?」

呆れた表情の未織ちゃんをぼーつと見ること数秒

瞬き3回、頼んでいたアサルトライフルとかが視界に映って気づく

そういえばいま……引取りに来てたのよね

花菜「ごめんなさい、ちょっと考え事してて」

未織「ひとつは花菜ちゃんが使うんやから聞いとかないと……」

花菜「ふふっ、ごめんなさいね。でも私には銃火器の使用説明は要らないわよ?」

陽羽「それでも一応聞いとくのがベストだよねー? 花菜がいつも言ってることだよー?」


巳継くんのことは一旦忘れましょうか

花菜「ふふっ、そうね」

ぽんぽんっと陽羽の頭を軽く叩いて

隣の憩ちゃんを見つめる

どうやらすでに靴は履き替え済みらしく

その重さを確かめていた

花菜「どう?」

憩「慣れればなんとか」

花菜「よかった」

防衛のためのバラニウムの靴が逃げ足を引っ張っていたら本末転倒どころじゃないものね

花菜「ほかのは……」

ロケットランチャーとアサルトライフル

説明聞き逃したから一応確かめておかないとね……


性能判定


安価下コンマ判定(アサルトライフル)


安価下2コンマ判定(ロケラン)

はい


アサルトライフル L6 156%

ロケットランチャーL7 156%

アサルト 威力:016 命中:125 重量:031 装弾:172 連射:016 耐久:234 金額:150万→75万 (付:命中+5%)

ロケラン 威力:1404 命中:156 重量:156 装弾:001 連射:001 耐久:390 金額:3000万→1500万

※未織(売主)と花菜(買主)の関係により変動。及び付属効果



花菜「……うん?」

ちょっと特殊な作りになっているのはひと目でわかる

REC7ほどではないけれど

通常のものよりも口径はわずかに大きいしその上、連射性能は軽機関銃に劣らないレベル

にも関わらずコリメーターサイトでの強引な命中精度の底上げ

重量は原型から見れば割増……でも、気にするほどでもない

むしろ、ミニガンとかと比べれば遥かに軽量……というか、ロケランよりだいぶ軽い

花菜「……良くこんなものを作れたわね」

未織「数打ちゃ当たるの理論で装弾数爆上げしたんや。ええやろ?」

花菜「途中でジャムりそうな気がするけど……そこも考えてはあるのね。これ」

未織「とはいえ、完璧ではないんよ……まぁ、使い慣れてる花菜ちゃんなら分かると思うけど」

どれだけ対策を施しても

確実にならないなんていう保証はない

というのも、使っているうちに内部は摩擦で擦れていくし、そうでなくても戦闘で扱えば多少乱暴な扱いになるのは致し方なく

衝撃で動作不良を起こすこともないわけではないから

花菜「ふふっ、でもないよりはましだわ。ありがとう」

未織「花菜が男やったら・・・」
陽羽「せやな」


未織「代金は占めて3000とんで75万や」

花菜「……うん?」

未織「3075万」

花菜「ほ、本気?」

未織「バラニウム製の特殊な弾とかやからねぇ……?」

ニヤニヤと未織ちゃんは笑う

それはもう、大変素晴らしい笑顔

これほどまでに「あ、企んでる」なんてバカでも分かるようなものは中々ないわね

まったく……

花菜「払えない金額ではないし、材料費ともどもを考えると妥当ではあるわね」

未織「え……」

花菜「振込でいいわよね? 現金持ち込むなんて危ないし」

未織「いや……」

花菜「良い武器ありがとう、未織ちゃん」

未織「待ちぃッ!」


花菜「………あら?」

交渉終了

さぁ銀行にといったところで未織ちゃんが声を張り上げる

まぁ、何かしら続きがあるのは分かってたけれど

そこはやっぱり……ふふっ

からかいたくなるじゃない?

花菜「どうしたの?」

未織「その……まぁ、ウチは一応、世話になってるやろ? 美味しいご飯食べさせて貰ったりとか」

花菜「そうね」

未織ちゃんはなんだか後ろめたいことがあるかのように

しどろもどろ、きょろきょろしながら続ける

未織「だから、別に定価まんま支払えとは言わん……そんなん、なんや悪いし」

憩「安くなるの!?」

陽羽「どーだろ……ある意味では高いかもなぁ……」

陽羽は何故か察したようにそう呟いた


未織「元々、里見ちゃんには無料で出したりとかしてるんやし……あのハンドカノンだって試用してくれてるし」

花菜「……………………」

未織「だから、色々なお礼含めて……定価の半額、1575(元々3150万でした)万が最大金額や」

未織ちゃんは電卓を使ってその数字を打ち出し私へと提示する

半額にしてもらえるとは思ってなかった

でも、してくれるというなら受けようかしら

そう思い至ってそこに手を伸ばすと、ぎゅっと……捕まった

花菜「未織ちゃん……?」

未織「もしも」

花菜「もしも?」

未織「今日……ウチと、じゃなく、ウチ……一緒にいてくれるんなら」

花菜「……意味が変わるわよ? はっきりしてくれないと」

泊まりたいのか泊まって欲しいのか

多分そのどっちでもいいんだろうけれど

未織「っ~~……はぁ……ウチに……泊まって行かへん? そしたら、もうちょっと考える」

花菜「未織ちゃんの家に……?」

行ったことはあるけど

お泊まりは一度もない未織ちゃんの豪華な家…… 屋敷?


1、良いけど……未織ちゃんはそれでいいの?
2、ごめんなさい……それはちょっと



安価下


花菜「良いけど……未織ちゃんはそれでいいの?」

未織「言いだしっぺがダメなんて……あるわけないやろ?」

未織ちゃんは満面の笑みを浮かべるのを見て

そこに重なるだれかの顔には目を瞑る

所詮……私は無力

故に私は……その手から零してしまう

それはもう、抗いきれない必然の法則

花菜「……ふふっ、はいはい」

悟られてはいけない

悟らせてはいけない

関係のない人に

私の中の後ろめたさも、受けた悲しみも、切なさも、辛さも

花菜「やぁ……今日は未織ちゃんのおうちにお泊まりっていうことで」

ぱんっと手をたたいて注目の合図

陽羽と憩ちゃんを見ると

陽羽だけはむすっとしてため息をつく

陽羽「……ほらやっぱり。お高い買い物だ」

花菜「ん?」

陽羽「なーんでもなーい」

陽羽は最近……よく不機嫌になるけど

まさか反抗期に入り始めてるとかじゃ……ないわよね?




・夜に移ります
・憩は香織、真希、真望のために病院に戻ります


安価下イベント判定


1 影胤
3 小比奈
5 陽羽
7 未織
9 未織父


→11日目  夜  司馬屋敷


花菜「久しぶりですね……影胤さん」

影胤「……気配を消していたつもりなのだがね」

花菜「ふふっ、ご冗談を」

あれだけ分かりやすく気配を漏らしておきながら

消してた……なんてね

それとも、ここが弓道場で

集中しやすい場所だったから感じられただけなのかしら

花菜「どうかしたんですか?」

影胤「小比奈が少々不可解なことを言っていてね……本当は昨日確かめようと思ったのだが、今日になってしまったんだ」

影胤さんはそう言いながらソドミー(改)を私に向ける

花菜「なんのつもりですか?」

当然の如く向けられる殺意はヒリヒリと擬似的な痛みを走らせる

偽物――なはずはない

この鋭くも鈍器のような重みのある感じは正しく、蛭子影胤のものだわ


影胤「壊れた君を……見せては貰えるかね?」

花菜「……冗談はやめてください」

あくまで笑みを浮かべながら

影胤さんから目を逸らす

そもそも今はそんな気分でもないしね

もっとも、気分であることなんて滅多にないけれど

花菜「影胤さんは変わるんじゃ……なかったんですか?」

影胤「ヒヒッ、あいにく、染み付く以上に焦げ付いた性分というものは厄介なものでね。小比奈から話を聞いて……ひどく、騒いでしまったのだよ」

花菜「そうですか……」

確かに

どれだけ変わろうと努力をしても

運良く変われたとしても

結局こびり付いたその自分が消えることはない



1、良いですよ。別に……影胤さんが求めるのでしたら多少御相手いたします
2、嫌です。私……今は模擬戦ですらやる気がないので
3、私も……そんな狂った世界の住人だと言ったら驚きますか?
4、その他


安価下


花菜「嫌です。私……今は模擬戦ですらやる気がないので」

影胤「やれやれ……つれないねぇ」

笑いながらソドミー(改)をホルダーに収めた影胤さんは

両手をぱっと上げて降参のような姿勢で私に近づく

元々、何を言っても戦うつもりなかったのかしらね。この様子だと

完全に茶化されちゃったかなぁ……私

花菜「本当の目的はなんですか?」

影胤「君の様子が少々……変わっていると思ってね」

花菜「………………」

影胤「普段の君ならこんな誰もこなそうな場所には行かないだろう?」

花菜「探検です。初めてなので」

影胤「では何故、陽羽を連れてこなかった? 彼女は喜んで君に付き合ったはずだが?」


花菜「……私にだって一人になりたい時くらいありますよ。こう見えても、乙女なので」

ただの冗談ただの自棄

私が乙女?

ふふっ……馬鹿らしい

苦笑しつつ影胤さんへと流し目を向ける

花菜「つまらない冗談でした?」

影胤「ふむ……どこに冗談が紛れているのか解らなかったのだよ。君が乙女か否か、私は断定できる情報を持ち合わせていないのでな」

花菜「そうですか? 私、未婚ですよ?」

21歳で結婚してる方が珍しい気もするけど……

でも、お付き合いしたことない人はいないのかしら?

……どうでも、良いかな

私のため息に合わせて影胤さんが「しかし……」と挟む

影胤「君がまだ――経験者ではないとは限るまい?」

花菜「っ……何言ってるんですか!」


思わず飛び退き、自分の体を両腕で隠せるだけ隠す

仮面は不敵に笑う

その奥は……解らない

いや、影胤さんがそう言う人ではないと信じているし

されても抵抗しきれないのはせいぜい1割程度

だけど、でも……っ

花菜「そういうのはその……言ってはダメ……かと」

影胤「君が初めに言ったのではないかね? 自分はみけ――」

花菜「影胤さんっ!」

床を踏み鳴らして言葉をせき止める

正直……私はそういう話が好きじゃないし

そう言う意味で使ったわけでもない

花菜「自分から言い出したことですけど……ごめんなさい。苦手なんです。そういう話」


――嫌な記憶が戻ってきてしまうから


影胤「済まないね。からかい過ぎたようだ」

花菜「いえ……私の失言でした」

平静を装って笑みを浮かべる

私も……仮面が必要かもしれない


影胤「……だが、一つ。忠告しよう」

いや、わかっているかもしれないが。と

影胤さんは人差し指を立てる

影胤「止めることはできなくもない。しかしながら……そのあとに手を出してしまったら。また、手を出し続けることになるぞ」

花菜「しってます……だから」

だから、巳継くんを振り切った

あの純粋で、優しい、巳継くんを

もしかしたら支えになってくれたかもしれない……男の子を

花菜「……いえ、なんでもないです」

影胤「ふむ……そうか」

影胤さんは少し気になったのかもしれないけれど

変に追求することなく頷く

影胤さんなら……いいよって

言ってたのかな……



・夜行動に移ります


とりあえずここまで
お疲れ様でした


明日は多分やらない
できたらA9時ころから……


花菜さんの心はすでに蜂の巣状態?


いつもより早く終わるかもしれないけど再開





夜行動


1、電話
2、陽羽と交流
3、未織と交流
4、影胤と交流
5、小比奈と交流
6、弓道場で独り



安価下


→ 11日目 夜  司馬邸・弓道場



みんな寝静まった夜

私は一人で弓道場へと忍び込んでいた

別に何かを盗むつもりはないし

そもそも、盗むようなものはここにはない

ただ……静かな場所に行きたかった

いつまでもこのままではいけないのは解ってる

でも、なにかしらね

花菜「……寝るのが、怖いのよ」

ポツリと一言つぶやく

聞いてくれる相手はいない

聞かせるつもりもなかったのだけど……

花菜「選ばなかった方を夢に見そうだから」

夜泣きの虫が応えるように声を止める

じっとりとした蒸し暑さがより強くなった気がした


選択肢というものを前にして悩むことがあるように

選択したあとに後悔、あるいは再考するのは必然とも言える

もちろん、悩まず直感的に選択し

それ以降も思い悩まなくて済む思考の人もいないとは限らない

私もそういう人間であったなら少しは楽だったのかもしれない

ううん、もしかしたらそうだったら今ここにいられなかったかもしれないわね

花菜「………………」

だからこの思考が悪いとは言わない

あとから悩むのも、別にダメだとは思わない

けれど……

花菜「悩みすぎるのは……色々と毒だわ」



1、巳継悠河との関係についての考察
2、里見蓮太郎との関係についての考察
3、この世界についての考察
4、山科陽羽との関係についての考察
5、ティナ・スプラウトについての考察
6、蛭子影胤についての考察
7、ガストレアについての考察
8、その他


安価下


→巳継悠河との関係についての考察


巳継くんは私の隣の部屋に住む男の子

私よりも3つか4つ下の高校生

活発という感じはしないけれど

明るくて、優しくて……とてもいい子

花菜「…………………」

そんな巳継くんとの関係は

ただの隣人から恋人へと変わろうとした

でも、私がそれを拒絶したことで

恋人にはならなかったどころか

ただの隣人ですらなくなってしまった

今までみたいに気軽に声はかけられない

顔を合わせてほほ笑みかけておはよう。だなんて……できない

もしも彼が笑顔なら。私に対してそういう態度をとってきたのなら

話はまた変わるかもしれないけれど……でも

彼の思いを拒絶した私が

どうして彼に笑みを浮かべることができるのだろうか、声をかけることができるのだろうか

花菜「それは、彼が見たいといったものを見せてあげるためじゃないのかしら」


いいえ、違う

それは私の自己満足に過ぎない

彼の悲しむ顔がみたくない

辛そうな顔が見たくないという自己防衛

巳継くんと私の関係は隣人から恋人になりかけて

振った女と振られた男に堕ちた

花菜「……………………」

選択一つ

些細な変化あるいは全く変化がないこともある

けれど、大きな変化もしくは全てを変化させてしまうこともある

今回はきっと大きな変化だわ

花菜「……憩ちゃんともきっと、巳継くんは話しづらくなる」

もしかしたら巳継くんのことだから

普通に接してくれるかもしれないけれど

その心は……とても、傷ついてしまう

だから……隣人ではなくなるべきなのかもしれない

関係というものではなく、物理的な距離で


花菜「……巳継くん」

私は別に嫌いじゃなかった

むしろ好きだったのかもしれない

でも断った

だからこそ断った

自分の背負っているもの全てを

一時でも忘れることができてしまいそうだったから

そうなってしまったらもう

弱いだけの自分になってしまいそうだったから

花菜「っ……だから、私は……っ」

誰にも届かない言葉

誰にも聞かせたくない気持ち

溢れ出してくるそれを止めようと、膝を抱えて座り込んだ


安価下コンマ判定


1 陽羽

3 未織

8 影胤

0 小比奈


それ以外は一日を終了


→ 未織


未織「……泣いてるん?」

花菜「っ!」

不意をついた声に思わず体が跳ねる

足音も、ドアの開閉音も聞こえなかった

気配でさえ……感じ取れなかった

そのことが自分がどれほど弱っているのかを実感させる

未織「ずっと変やと思ってた……元気ないなぁって。ウチと一緒なのは嫌なんかなぁって」

花菜「そんなことは……ないわ」

未織「巳継くんって子やろ? 悪気はなかったんやけど……聞こえちゃって」

未織ちゃんは申し訳なさそうに目をそらし、自分の頬を軽く掻く

そっか……聞かれてたのね

花菜「どこから?」

未織「ついさっき巳継くんって悲しそうに読んでた部分からや。それまでは何も知らんよ」


花菜「……来た時に言ってくれればいいのに」

未織「邪魔するのもアレやと思って……帰ろうとも思ったんやけど、なんか、あれやったし」

そう言いながらも未織ちゃんは私へと近づいてきて

離れようと動いた体が抱きしめられた

花菜「……な、なに?」

慰めようとしてくれているのかもしれない

でも、慰めるにしては強く

逃がさないための拘束のようにも感じる

未織「……その男の子と何があったのかは知らん。でも、良くなかったんやろ?」

花菜「………………………」

未織「ウチは女やし、その……まぁ……」

少し黙った未織ちゃんは

そのまま「それは置いといて」と言葉を変に入れ替える

未織「一人で泣くのは無しや。理由とか別に言わんでええ。ただ……少し一緒にいたい。それだけ言ってくれればウチが花菜ちゃんのこと、抱きしめてあげる」


そしてまた、抱きしめる力が強くなる

後ろからではなく正面からだから

未織ちゃんの甘くてふわっとした匂いが空気いっぱいに感じる

このまま包まれていたい

花菜「でも、そうする権利が私にはあるのかしら?」

未織ちゃんの優しさを頼って

未織ちゃんの体を借りて

体を休めて、心を癒し、忘れ去ることが許されるのかしら?

未織「………………ええと思う」

花菜「ッ」

未織「ええと思う。ウチは……知っとる。花菜ちゃんが抱えきれないほど抱え込んでるんだろうなっていうのは」

未織ちゃんの顔が見えない

だから声だけで判断する

未織ちゃんは……私のことを心配しているのね

未織「だから……少し暗い、ええと思う。甘えても……きっとバチは当たらんよ」


1、……そうね
2、……でも、やっぱり良いわ。恥ずかしいから
3、どうして、こんなことしてくれるの?
4、その他


安価下


花菜「どうして、こんなことしてくれるの?」

未織「花菜ちゃんのこと、好きやからな」

嫌な感じがした

空気とか空間とか

非科学的で自分でも嘲笑するようなことだけど

たしかにそれらがひび割れたような音がした

花菜「ッ!」

勢いよく未織ちゃんを引き剥がして

未織ちゃんが尻餅を着いたのを横目に壁際へと逃げる

冷静だったら……出口の方に逃げてたのに

花菜「す、好きって……ぁ、貴女、何考えてッ」

未織「………………」

未織ちゃんは少しぼーっと私を見つめて

気づいたように顔を赤くする

未織「ちょ、な、考……馬鹿菜やなッ!」

花菜「なっ」


時間なのでここまで



まさかここで未織が来るとは思わなかった



自分への好意あるいは厚意に対して
花菜は「どうして」、「なぜ」と、疑問を抱かずには居られない様子
それはもしかすると、【自分はそうされる価値・権利がない】と考えてるのかもしれないですね

これで連太郎が何とかしたら悠河さんの殺意ましましやな。ただでさえ原作アレやったのに

今日は無かったのかー
このスレがブラブレ成分の大事な一部なのに


>>859
悠河「見てください! 僕もトクベツですよ! この里見蓮太郎は僕が殺したんです!」
花菜「…………………コロス」
という展開がメに見えてる
…これなんてヤンデレ


未織「う、うちはただ……その、人として好きって」

未織ちゃんは変わらないその和服の袖で口元を覆うと

視線を斜め下に逃れさせる

未織「か、花菜ちゃんはそういう勘違いするってことはそういう筋の人なん……?」

花菜「そんなことはないわ……ええ、ないと思う」

女の子を可愛いと思うことはある

女の子を好きだと思うことはある

それは紛れもない真実だけど

それが恋愛感情か否かと言ったら話は180度変わる

未織「ならなんで……」

未織ちゃんの困惑した問い

そのどこかに【悲】の感情が見えるのは気のせい?


花菜「なんでって言われると困るのだけど……」

つい数時間前に男の子から愛してると言われて

そういう愛情表現に敏感になってた……とか

あまり言いたいことではない

未織「な、なら……やっぱり……」

花菜「それは、えっと……」

だからといってこの状況を覆さず

勘違いさせたままでいいのかどうか

山科花菜は同性愛者である

そんな噂を流布させるような子ではないと断言できるけど……

花菜「でもそれって」

また男の子に好意をもたれるようなことを防げるのではないかしら?

むしろ危険だと思ったら私は同性愛者だと言えば……

花菜「それはないわね。いくらなんでも」


冷静に考えてそれはただの馬鹿だわ

周りの悪い意味で影響しそう

未織ちゃんだって、木更ちゃんだって

そんな人とはお近づきにもなりたくないだろうし

最悪天童民間警備会社をクビになるかもしれない

未織「花菜ちゃん。答えられないっていうことはやっぱり……」

花菜「っ…………」

そうよ? 悪い?

なんて堂々としてみれば冗談とかになるかしら?

男の子に告白されて、それを断って

そのことで色々と考えてたからなんて……恥ずかしい

でも、未織ちゃんが相手だし

言ってもいいのかもしれないけど



1、ええ、そうよ。私は女の子が好き。愛してるといっても良いわ。ふふっ……今、二人きりよね?
2、ち、違うわよ。理由は言えないけど……その、今はあまり聞きたくない言葉だったの
3、今日ね。男の子から告白されたの……でも、私は断っちゃってね。そのことで悩んでたから、敏感になってたのよ
4、その他


安価下


花菜「今日ね。男の子から告白されたの……」

警戒してるようにも見える美織ちゃんの瞳から目をそらし、口を開く

花菜「でも、私は断っちゃってね。そのことで悩んでたから、敏感になってたのよ 」

バカみたいでしょ?

そう言うかのように、私は笑みを浮かべる

笑い飛ばしてと

馬鹿だと罵ってと

くだらないと一蹴し、悩んでいるのなんて無意味であると言って。と

未織「……………………」

けれど未織ちゃんは口を覆い隠したまま

目を見開き、私を見つめるだけで何も言わず

時間だけが無駄にすぎるだけだった

花菜「……未織ちゃん?」

未織「……冗談、や、ないん?」

その声はなぜか震えていた

なぜか、【何か】を恐れていた


花菜「冗談では言わないわ」

未織「……それ、里見ちゃん?」

花菜「ううん、違うわ」

流石に誰とは言えないけれど

里見くんだと勘違いされるのもあれだと首を振る

未織「じゃぁ……誰なん?」

花菜「言えないわ。相手のプライバシーでもあるから」

未織ちゃんに安心したような様子はなく

継続する恐れか自分の胸元に手を当てた

未織「……………………」

花菜「どうかした?」

未織ちゃんは暫く黙り込み、私を見て小さく首を振る

どうもしていないわけはなく

ならいいけれど。と、話を終わらせられずにいると

未織ちゃんは「……良く分からないんやけど」と、切り出した


未織「なんか……嫌なんよ」

花菜「嫌って?」

未織「……大したことやないけど、とにかく。なんか嫌な感じがした」

あははっと笑った未織ちゃんは

自分の胸を撫で下ろし、私を見つめる

未織「断ったんやろ?」

花菜「え、ええ……」

未織「そっか」

未織ちゃんはほっと息を吐いて「なら……」と

いつものおちゃらけた雰囲気とは一転した瞳で紡ぐ

未織「悩むのはやめたほうがええよ」

花菜「でも」

未織「考えてどうにかなるん? ……やっぱり付き合うとでも、言うつもりなん?」


未織「違うなら止めといた方がええよ。相手のこと考えたって……不幸なだけやん」

未織ちゃんは嫌そうな顔をしつつ私から目をそらして、忠告する

そういうことに慣れているのか

それとも、ただ単にそういうものだと考えているだけなのか

未織ちゃんの様子ではどちらとも取れない

花菜「でも、私が断ったことで相手は……」

未織「ならなんで断ったん? 付き合えばよかったやん!」

花菜「なんで怒鳴……」

未織「気に入らんし」

しれっと未織ちゃんは言い捨てて

とにもかくにも。と、話を戻す

未織「男の子は告白して、花菜ちゃんは断った。それでええやん。悩んだところで……何も変わらないんやから」

未織ちゃんは「な?」と

どこか嬉しそうな笑みを浮かべる




1、そうね……
2、断られた相手はきっと傷ついたわ
3、……未織ちゃん。今日は一緒でもいいかしら。一人だと、考えちゃいそうだから
4、その他



安価下


きょうはここまで


調子が悪い
まさか1レスに1時間かかるとは思わなんだ


花菜「でも……断られた相手はきっと傷ついたわ」

未織「………………」

事実、最後は不穏な感じだったけれど

巳継くんは辛そうだったし、悲しそうでもあった

花菜「だから」

未織「……気遣うなら、付き合ってあげればええやん」

花菜「それは」

未織「相手からしたら迷惑やで。それ……振ったくせに気遣われるなんて、最悪もいいとこや」

未織ちゃんは引き目がちに私を一瞥し

何も持たない両手を合わせる

気遣うことが……最悪?

未織「大丈夫なのかどうか、心配するんやろ? なのに……付き合ってはあげないんやろ?」

花菜「……ええ」

未織「それはあかんと思う……わかるやろ? 考えてみれば」

言われて考えて……なんとなく解った

虐められっ子の理論というか、思考というか

現場では手助け一つしてくれないくせに、終わったあとひょっこり現れて大丈夫? だのなんだの

どうせなら助けてくれって願っても、怖いから無理だって身を引く

正直、それはウザったいというものを通り越してイライラする

それに近い感じなのよね……きっと


安価下コンマ判定


奇数でイベント


未織「……解った?」

花菜「うん……解ったわ」

今後のことを考えてあげたい

私のせいで悲しませた辛い思いをさせた

だから……何とかしてあげたい

花菜「でも、してあげられないのよね」

思わず、笑う

恋愛は幸か不幸かの両極端

そこに関わった全てが幸せになることは……きっとない

誰かが幸せなら誰かが不幸

不幸にした誰かはその相手にはもう、かかわれない

残酷だわ、冷徹だわ

そんなもの……しないほうがいいのかもしれないわね

未織「どうかしたん?」

花菜「ううん……別に」

関係ないわね

私はそんなことには溺れたりはしないもの



・夜を終わります

────────────────────────────────────────

 交友関係(好感/信頼 相手からの印象)  2ヶ月目 11日目 現在

  山科 陽羽 (90/96  絶対に失いたくない人) 交流+0
  山科 憩   (54/61  信頼する家族) 交流+1
  山科 真希 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 真望 (58/58  優しいお姉さん)
  山科 香織 (11/11   妹であろう人)
  天童 木更 (36/37  死なせたくない人)

  里見 蓮太郎(32/34  言動を躊躇う異性)
  藍原 延珠 (21/23  仕事仲間)
  司馬 未織 (39/36  告白が変に気になる相手) 交流+1 交流+3/+1

  巳継 悠河 (??/??  女性で女の子な理想の異性) 告白(→×) 交流()+8/+5

  室戸 菫   (20/21  仕事仲間)
  千寿 夏世 (07/07  その他のプロモーター) 
  伊熊 将監 (-29/-14  敵)
  蛭子 影胤 (16/17   興味) 交流+1/+2

  蛭子 小比奈(07/08 料理当番)
  片桐 玉樹 (07/05  その他の民警)

  片桐 弓月 (03/03  その他の民警) 
      聖天子(18/23  少し特別な民警)
      ティナ(-11/-12  畏怖) 
  斉武 宗玄 (50/40   固執)



           序列:363番  所持金 3168.7万円  (武器代、1575万の半額、787引済)

────────────────────────────────────────


ティナの事件が終了したため
15日目までは自由行動とします

そのあとは、モノリス倒壊の方にイベントが移りますが

その自由行動によっては
別途、原作外ストーリーを展開していくことになるかもしれません


なお、すっかり忘れてましたが
12日目から自宅にお姉ちゃんがいます(本来11日目)


以上の報告するためだったので、今日はここまでにします
ありがとうございました


→12日目 朝  司馬邸


花菜「……さて」

私の序列は3000→990→363位

里見くんは12万→2200→1500位

聖天子様が銃撃された際に

しっかりと守りきったからか、里見くんもだいぶ序列が上がったみたいね

つい先月までは無名だった事務所も

知られるようにはなったのかしら……ね

まぁ、といっても

一般には意外と情報規制が働くみたいだから

わけの分からない噂がまとわりつく程度なのよね

里見くんは一階、私は二階で働いてるだとかなんだとか

四階のお兄さん達を全員処分したとか

……お話したら出て行っただけだけど

とにかく、序列の向上はあまりいい意味は持たないのよね……一般人相手には


聖天子様の護衛

本来必要だったけど、色々と片付いちゃったからまた里見くんだけでいいのよね

花菜「どうしよ?」

陽羽「……お昼は香織の退院でしょ? 病院行くのもいいんじゃないかなー」

お姉ちゃんの退院

私の家に連れて行くんだから

迎えに行くのは当然のことなんだけどね

朝は……



1、移動
2、電話
3、未織と交流
4、陽羽と交流
5、特訓
6、影胤と交流
7、小比奈と交流

安価下


1、病院
2、実家
3、自宅
4、商店街
5、外周区
6、その他


安価下


安価下コンマ判定


15 ガストレア

7 物乞い

6280 子供達

4 いじめ現場

39 子供(敵)  


→ 12日目 朝  外周区


とりあえずの暇つぶしということで外周区に来た私達

異常がなければそれでいいという程度だったのだけど

どうやら子供達が集まって何かをしているらしく

何やら楽しげな声が物寂しい外周区の建物に跳ね返る

花菜「……なにかしら?」

陽羽「遊んでるんじゃないかなー?」

花菜「3+6とかそういう遊びってあるの?」

陽羽「んー数取りゲームならあるいは」

陽羽のぶっきらぼうな回答はだいたい間違ってるから放っておくとして

算数か何かよね……間違いなく

花菜「ということは青空教室かしら」


家としての役割を奪われた瓦礫群

その悲壮感漂う姿を尻目に外周区を進んでいくと

屋根も何もない

残骸と化したコンクリートの枠の中で子供達がいたるところに腰掛けているのが見えた

花菜「……やっぱり」

陽羽「がっこーかぁ」

ため息……そうよね

陽羽も本当は通っていたはず

私が商店街であんな宣言さえしなければ陽羽は今もまだ……

陽羽「無駄で面倒でつまらないことしちゃって、あははっ」

寂しがる様子もなく

陽羽は子供たちの勉強風景を指差し、私を見て笑う

あれは無駄だと。面倒でつまらないものだと

通ってる時は、毎日楽しいって言ってたのに



1、ちょっと、参加してみましょ
2、嘘つかなくていいのよ? そんな嘘、簡単に見破れちゃうし
3、羨ましいとは思わないの?
4、その他


安価下


花菜「ちょっと、参加してみましょ」

陽羽「ぇ、あ……」

私のために身を引いて逃げ出さないように

しっかりと陽羽の手を引く

陽羽「陽羽は勉強なんて――」

嘘だと知ってるから

そんなふうに思ってないことなんて分かってるから

ごめんねと。口にはせずに笑みを向けると

陽羽は一瞬だけ驚いて、小さく笑う

陽羽「別にいいんだけど、そこまで言うなら仕方がないねー」

それは愛想笑いとかではなく

正真正銘、嬉しさからの笑みだった


近づく足音で私達に気づいた子供達

最悪逃げられるかもしれないと思ったのに

子供達は逃げるどころか私へと駆け寄ってきて

ぎゅっと抱きしめると「おかえりー」と嬉しそうに口々に喜んだ

けれどもちろん

私はこの子供たちにおかえりと言われるような関係ではない

「香織せんせーしばらく来ないから心配したんだよ?」

花菜「え?」

「また明日ねって言ったのに」

「もう1週間くらい来てくれなかった!」

花菜「あぁ……」

そっか、お姉ちゃんは子供達の味方、正義のヒーローだけでなく

先生とかもやってたりしたのね


安価下コンマ判定

奇数でちょーろーとお知り合いなのん


長老「おや……貴女は」

花菜「どうも。お久しぶりですね……長老さん」

お姉ちゃんと同じく

子供達の見方をしてくれる大人

私が【山科香織】ではないことにも、多分気づいてるわね

この、嫌なかんじがすると言いたげな表情は

長老「……私は【先生】と話があるから、少し待っていなさい」

「はーい」

「香織せんせー、また後でねー!」

元気良く手を振る子供たちに

笑を返して長老と一緒に少しだけ場を離れる

長老「……お姉さんはどうかなさったのですか?」

花菜「……………………」

お姉ちゃんから連絡が言ってるわけないものね……


とりあえずここまで
ありがとうございました




香織お姉ちゃんによる体育の授業=山科流戦闘術


長老「約束をしっかりと守る子だったからね……」

長老さんは深くため息をつき、

私を見て辛そうな笑みを浮かべ、「連絡先くらいきいておくべきだった」と

残念そうにつぶやく

花菜「あの、長老さん」

長老「時期的に例の事件の被害者が彼女だということは……分かっているよ」

例の事件

報道されたのは実名ではなく女性警官ってだけだったけれど

長老さんはそれを知ってるし、時期が合うんだもの

長老「もしも――」

花菜「いえ、今日退院です」

長老「そうですか。それは良かった」

亡くなったのなら。そう言おうとした声を遮って告げる

でも、ここには来ない

来ても無駄だということは、伝えておくべきなのかしら



1、でも、お姉ちゃんは記憶喪失になっちゃって……だから、もうここには
2、今日はそれを伝えに……あと、陽羽。参加させてもいいかしら?
3、でも、色々とあって……今度からは私が代わりの先生をしてもいいかしら?(最低週3日の昼が固定されます)
4、その他自由


安価下


花菜「でも、色々とあって……今度からは私が代わりの先生をしてもいいかしら?」

長老「よろしいので? 民警としてかなり頑張っていると、香織さんから伺っていますよ?」

花菜「ふふっ、だとしても何かがあった時だけですから。ない場合は暇ですし」

お姉ちゃんが記憶喪失になって

もうこれなくなった……なんて子供たちには言いにくいし

まぁ、いつかは言わなくちゃいけないことだと思うけどね

もしくは、連れてきて記憶がもどるか試すのも良いかもしれない

記憶喪失とは言え、勉強を教えられないなんてことはないだろうし

……とはいえ、関係がリセットされちゃってる以上、子供たちには辛いかしら

長老「そうですか……なら、お願いしましょう。天童民間警備会社の方に、正式にね」

花菜「それは……」

長老「花菜さんが仕事がないからと遊んでいる。と、社長さん達に思われるのも問題でしょう?」

花菜「……木更ちゃんはそこまで気にしないとは思うけれど、そうですね。その方が行動しやすくはあります」


長老「では、戻りましょうか」

花菜「ええ」

ほんの少しだけ離れていただけ

壁替わりのコンクリートの隙間から出ていけば

直ぐに子供たちの姿が見える

陽羽「…………ねぇ」

陽羽は小さく呟いて長老の背中をつつく

なにか言いたいことあるのかしら?

まさか、「陽羽は通わない」とか言うつもりじゃ……と

身構えた私に、陽羽は微かな笑みを浮かべて口を開く

陽羽「香織のこと、気にならないの?」

長老「……………………そうですねぇ」

ふむ。と、長老は少しだけ考えてから

陽羽の頭をポンポンっと優しく叩いて笑みを浮かべた

長老「無事ならそれで良いですよ。言わない部分は言えない部分。話すべきではないと貴方々が決めたことに踏み入るほど、私は勇者ではないんです」

陽羽「そっか」

長老さんは私たちよりも長く生きている

長く生きているからこそ

いい意味でも、悪い意味でも経験は多く、そういうことも察せてしまうんでしょうね……

「せんせーおそーい!」

子供たちの声が届いて

そんな憂鬱な空気が追い出されていく

長老「この人は香織先生の妹、花菜先生だよ。今日から香織先生に代わってみんなの授業をしてくれるからね。言うことはしっかりと聞くように」

長老の言葉を聞いて

子供達はじっと私を見つめて「香織先生とそっくりだー、よろしくお願いしまーす」と

楽しそうに、声を張り上げた


話すべきではないと決めたことには踏み入らない……か

長老さんらしいわね

初めて会った時も……深くは聞いてこなかったもの

「せんせー!」

花菜「んー?」

「9x9=81ぃっ!」

花菜「はい、せーかい」

お姉ちゃんのことだから

飛びぬけたことまで教えてるのかもしれないと思ったら

どうやら常識的に算数・国語・社会・理科・英語の小学生分野で留めておいてくれたらしく

子供達がいきなりXとかYを使って計算し出すことはなかった

……まぁ、体育は特殊みたいだけど

飯綱落としってなんなのかしらね、一体

陽羽「ふむふむ」

年齢は±1くらいの差はあるけれど

全員並行しての授業だから自習とかがないのは学校としては安心ね


陽羽がやっていたところよりは

やっぱり少し遅れているみたいだけど

だからといって「自分はいいや」なんて怠けたりするどころか

周りを手伝うあたり、こっちに連れてきて正解だったと思う

花菜「お姉ちゃんは週にどのくらい来てたんですか?」

長老「週5日だね。来るときは週末にも遊びに来ていたよ」

暇なの?

ううん、そんなはずないわ

まさか、巡回時間利用してたとか……

花菜「……ありそう」

それは嫌われても仕方がないんじゃないかしら?

まぁ、今更知ったところでなんにも言えないわよね

長老「とはいえ、花菜さんにも同じ日数来て欲しいとは言わないが、平日3日ほどは来てもらってもいいかな?」

花菜「えっと……」


陽羽や憩ちゃん達を学校に毎日通わせたいなら

それは当然、5日毎日来るべきなのだけど

どうしようかしら?

陽羽に相談したところで「花菜に任せるよー」というのは目に見えてるから

結局私が一人で決めることになるのよね

今すぐ決めなくてもいいのかもしれないけれど……

憩ちゃんたちに話してもどうせ答えは陽羽と同じ

花菜「…………………」

平日の朝はあれだけど

お昼の時間が必要なのよね……



1、週3日
2、週4日
3、週5日

安価下


花菜「陽羽達も参加させたいので……出来る限り毎日来ますよ」

それに

お姉ちゃんが毎日やっていたって言われて

私にはそんなに出来ませんなんてなんだか言いづらいしね。代わりなんだもの

長老「達……とは。なるほど、ほかの子供達ですね?」

花菜「ええ」

長老「香織さんから聞いていますよ。もしかしたら来るかもしれない……と」

長老さんは嬉しそうに「歓迎します」と呟いて

子供たちを見渡す

長老「街の学校に比べれば設備は劣ってしまいますが、香織さんが購入してくださったノートや筆記用具、教材はありますから」

花菜「……なるほど」

お姉ちゃんは場所がなくても人がいれば出来るってスタンスだったのかしら?

それとも、場所を用意するのにはお金がかかるから

先にモノを用意したって感じなのかしら?

どちらにせよ、机と椅子以外は揃ってるというのはありがたいわね

そこはもう、廃校から集めてくれば済むかしら?


花菜「今代用してる板では辛そうですし、今度机と椅子。集めないといけませんね」

長老「ええ」

長老さんは何か言いたそうにしながらも

それを飲み込んで頷く

お姉ちゃんが来なかった日

その日に本当は集めに行ってた……とかかしら

陽羽「花菜」

花菜「なに?」

陽羽「時間」

言われて腕時計を確認し

お姉ちゃんが病院を出る間近だったことに気づく

花菜「ぁ……ごめんなさい、私このあとっ」

長老「ええ、構いませんよ」

理由も聞かずに長老さんは頷き

子供達は残念そうにしながらも「またね」と別れの言葉を口にする

私は絶対に……来ないとね



・昼に移ります
・これから平日の昼は固定されます


時間なのでココまで
明日はできないと思います



そして1ヶ月後、誰もいなくなった……


→ 12日目  昼  病院


香織「お世話になりました」

お姉ちゃんは送りに出てくれたお医者さんたちに一礼する

記憶以外は何の問題もなく回復したのはさすがと言ったところかな

美菜「久しぶりのシャバの空気はどう? 香織ちゃん」

香織「シャバ……ですか?」

弘一「香織にあまり変なことを言うべきではないぞ、美菜」

美菜「はーい」

不自然で自然なお姉ちゃんの敬語

お母さんたちはそれを気にすることなく普段通り変わらないのを【装って】微笑む

美菜「さて、と……私達がいてもアレだし、帰るわね。花菜ちゃん」

花菜「お母さん……」

美菜「普通の我が子なら心配だから送るけど、レーサーでターミネーターな貴女と陽ちゃんがいれば平気でしょうしね」

花菜「それは違うよ……いや、あまり否定できないけど」


美菜「……悪いけど、お願いね? 一人暮らしはもちろん、お母さん達となんて気まずいし」

クスクスと笑いながらお母さんは手を振る

お父さんと言えば何も言わずにお姉ちゃんを一瞥するだけで

一足先に車へと踵を返す

陽羽「……もう少し、話せばいいのに」

花菜「そうね……」

でも、そうはいかない

ううん、そうしたくないだけ。かな

話せば話すほど

一緒にいればいるほど、お母さんとお父さんには

お姉ちゃんにとっては他人だというものが強く響くから

香織「………………」



1、両親を呼び止める(昼固定)
2、呼びとめない(自宅へ)


安価下


お母さん達が居づらいなら仕方がないわよね

そう思って「お姉ちゃん」と、声をかけたけれど

おねえちゃんはお母さんたちの歩いて行った方向を見て

申し訳なさそうに息を吐く

香織「……頑張ろうと思ったんだけどね。ちょっと、意味わからなかった」

花菜「そうね。はじめはそれでいいと思う」

香織「でも……」

花菜「お母さんああいう性格だから初めから普通になんて誰にだって無理よ。だから、次第に。ね?」

お姉ちゃんの気持ちも

お母さん達の気持ちも分からなくはないけれど

無理をして、無茶をして

縮める必要はないと思う

……もどるっていう言葉が使えないのがなんか嫌だけど

それも、仕方がないことなのよね


真望「お姉さん」

真希「おうち帰るの?」

花菜「そうねぇ……」

このまままっすぐ家に帰る。べきよね

寄り道するような理由はないし

花菜「帰りましょ。お姉ちゃんに部屋を割り振るのも考えないといけないしね」

陽羽「あ、そっか」

真希ちゃん真望ちゃんは同室だけど

各部屋自分の部屋として使っている今

でも、これからはひと部屋をおねえちゃんにわけないといけないわけなんだけど――

憩「やった!」

陽羽「そうは問屋が許さないよー?」

真希「わたし達というのも」

真望「ありえるかもね?」

なぜか嬉しそうだった


→ 12日目 昼 自宅


花菜「……………………」

香織「どうかしたの?」

花菜「え? あ、ううん……なんでもない」

隣の部屋は空室になっていた

巳継くんは何も言わず、何も残さず

私の近くから綺麗にいなくなってしまった

花菜「仕方がない。よね」

陽羽「花菜のせいじゃないからねー?」

ぽんっと腕を叩かれて視線を送ると

陽羽がにこっと笑う

私のせいじゃない……ね

まぁ、未織ちゃんに言われた通り自分のせいだと抱え込みすぎるようなことはしない

でも、なんだか仕方がないって、諦めることが増えたような気がする


時間なのでここまで
もう少し早くやりたかった


明日は出来たらお昼頃……14時くらい? から


久しぶりに本気出す。多分


遅れましたが再開します
とりあえず昼の行動からなので




1、電話
2、移動
3、香織と交流
4、陽羽と交流
5、真希と交流
6、真望と交流
7、憩と交流
8、特訓
9、武器関連



安価下


1、商店街
2、外周区
3、事務所
4、警察
5、病院
6、香織の家


安価下


後に出かけるメンバを安価します
その時はこの移動先を選択した人が安価をとっても連投とはしません


1、香織
2、真望
3、真希
4、憩
5、全員
6、陽羽と2人で行く


安価下


陽羽は固定
1~4の中で選ぶ場合は複数可
全員なら5で


花菜「さて、一旦荷物とかを整理したら病院に戻るわよ」

香織「え?」

花菜「ん?」

香織「どうして戻る必要があるの?」

花菜「蓮太郎くんと一緒に木更ちゃんもいるからよ。お話しなきゃ」

本当は全員で行く必要もないんだけど

みんなであれこれできるのもこういう日くらいだし

出来る限りみんなで行動したい……なんてね

陽羽「でも、今の車じゃしょーじききついよ? 6人は」

真希「うん」

真望「暑そう」

憩「そういう問題じゃないって思うんだけど」

確かに

スポーツカー6人移動はやりたくないわね


香織「バスで行くしかないわよ?」

花菜「そうだよね……」

今更ながらにあんな車を買ったことを後悔しそうになって

陽羽がため息をつく

陽羽「どーする? バスでも良いけど歩きは香織があれだし、無しだよ」

花菜「ええ」

香織「別に全員で行くこともないんじゃないかしら? 家事くらいなら私やれるわよ?」

真希「香織お姉さんのおご飯?」

真望「お姉さんより上手だったりするの?」

香織「……どうかしら? 作ってみればわかるわ」

にやっとお姉ちゃんは笑う

記憶がないとは言え、さすがに料理の仕方とかまで忘れたわけではないだろうし

一人暮らしだったんだもんね……ある程度は出来ると思う。多分

それはともかく

花菜「木更ちゃんにちゃんと話しておきたいし、みんなでバスで行きましょ」


→バスで行くことにした


→12日目 昼  病院


蓮太郎「な、なんだよこんな大勢で」

木更「あら、せっかく来てくれたのにそれは酷いんじゃないかしら?」

延珠「そうだぞ蓮太郎!」

とはいうものの

女性2人

女の子4人はさすがに多いわよね

延珠ちゃん達入れたら合計8人だし

憩「でも蓮太郎。全員女の子って言うのは嬉しかったりするんじゃないの?」

蓮太郎「そんなことねーよ」

そう言いつつも

恥ずかしそうに目をそらすのが実に里見くんらしい

まぁ、私がいるし全員じゃないんだけどね


とりあえず木更ちゃんを呼び出し

外周区の青空教室の先生を請け負ったことを話すことにした

木更「何?」

花菜「ただの報告だから身構えなくてもいいわ」

ここ数日

嫌なこと続きだったからか

木更ちゃんは話がある。というだけで変に警戒する

その気持ち、分からなくはないけどね

花菜「外周区の青空教室の先生、請け負うことになったの。正式な依頼として受けてきたわ」

木更「あら……依頼探してきてくれたの?」

花菜「ううん、偶然見つけて。お願いされたから受けたのよ」

木更「悪いわね。立て続きに色々あって事務所のパソコン立ち上げてすらないから」

花菜「気にしなくていいわ。私だって……色々と勝手しちゃったもの」



依頼報酬金額 安価下コンマ一桁

1000x5(週5)xコンマ一桁(ゾロで倍)


※一週間での報酬


5000x2=10000(週)
10000x4=40000(月)


木更「少なくない?」

花菜「陽羽達も参加させつつ、お昼時間だけだから普通だと思うわ」

むしろ貰い過ぎてるような気がしなくもない

ないとは思うけれど

一般人に対して募集する場合

因子を持つ子供達と関わって貰うということで

色々と割増にすることはなくはないと思う

でも、私はそういうわけじゃないし

あの子達の生活だってあるんだもの

むしろ……ね

木更「まぁ、花菜がそれでいいって言うなら良いわ。取ってきたのは花菜だしね」

花菜「ええ」

そんな仕事受けるなってほかの事務所なら言われそうだけど

ここはそう言ったりしないから、居心地がいい


木更「そういえば……もうすぐあの子も移されるみたいよ」

花菜「……そっか」

あの子。というのは件の暗殺者ことティナ・スプラウト

私との戦闘によって重傷を負い

今は入院しているけれど、明後日には政府ではなく、

聖天子様直下の部下による見張り付きの別の場所に移される……らしい

木更「ねぇ、花菜」

花菜「ん?」

木更「………………」

木更ちゃんが言おうとしているのが

あまりよくないことだというのは直ぐに解った

多分、普段そんなことしそうにないのに

なぜティナをあんな目に遭わせることができたのかが、気になってるんでしょうね



1、ごめんね、それは聞かないで
2、過去にトラウマがあって、切っ掛けがあれば爆発する不安定な女なだけよ。貴女と同じくね
3、家族とかを傷つけられたんだもの、怒って当たり前じゃない?
4、その他



安価下


前は少しつついただけだけれど

今度は少し……強く言ってみようかしらね

政府の裏事情を意外と簡単に暴けるあたり

木更ちゃんにはその手の情報源があると見て間違いない

そんな強力な手の持ち主が、あそこまで冷たく研ぎ澄まされた刃を持っているんだもの

正直――危険だわ

花菜「過去にトラウマがあって、切っ掛けがあれば爆発する不安定な女なだけよ。貴女と同じくね」

木更「!」

驚いた木更ちゃんの表情

知られてるとは思わなかったっていう感じね

……藪蛇だったかしら?

木更「里見くんから聞いたの?」

花菜「ううん、言ったでしょ? 同じなの。だから解るのよ」

でも、たった一線、されど一線

限りなく近く、果てしなく遠いその境界を超えた私と超えていない木更ちゃんだから、まだ程遠い

花菜「まだ戻れるし、まだ平気よ……だからもう少し、よく考えてね?」


木更「悟ったように言わないで」

花菜「………………」

鋭く酷く醜い復讐鬼の眼差し

木更ちゃんのそれを見るのは初めてだけど

それ自体を見るのはもうなれたことだった

自分とは別のだれかの瞳としてそれを見たことあるし

鏡に映る自分を見たときに、当然のごとくそれを見ていたからね

木更「私は――」

花菜「誰かを失ったのに、幸せになることなんてできないって言いたいの?」

木更「………………」

誰かを失った。その通りならまだ良いじゃない

誰かを奪った。そうなっていないなら、まだ許されるじゃない

花菜「そんなことないわ。貴女はまだ望まれているはずよ。失った誰かが残した命だからこそ……ね」

今はこれ以上は言っても無駄だろうと

薄く笑みを浮かべて言い残し

肩をぽんっと叩いて横を通り過ぎていく

木更ちゃんはうつむき、何も返しては来なかった


・夕方に移ります


夕方再開位置選択


1、香織の家
2、自宅



安価下


→ 12日目  夕方  自宅


花菜「……………………」

木更ちゃんのあの様子を見て

相当追い込まれてるっていうのは解った

何があったのか詳しくは知らないけど

一線を超えさせるのはあまり……ね

陽羽「花菜ー?」

香織「ねぇ、ちょっと」

2人に呼ばれどつかれ意識を元に戻すと

5人が私のことを見つめていた

花菜「どうかしたの?」

真望「それはわたし達が」

真希「聞きたいかなーって」

憩「部屋割決めるってお姉ちゃんがいったんだよ?」


そういえばそうだったわね

木更ちゃんのことを考えるのに夢中で

すっかり抜け落ちちゃってたみたいね

花菜「じゃぁ、とりあえず要望を聞きましょうか」

陽羽「陽羽が花菜とでいいと思うんだよねーパートナーだし」

憩「あたしは移動する荷物とか全然ないし、あたしでもいいと思うよ?」

真希「んー」

真望「おまかせかな?」

香織「私は居候の身だし、貴女に任せるわ」

どうしようかしら……


1、花菜と誰かで同室
2、陽羽と誰かで同室
3、憩と誰かで同室
4、真希、真望と誰かで同室
5、香織と誰かで同室



安価下


相手は次の安価で

その場合、この安価を選択した人が選択しても、連投とはしません


1、真希&真望
2、陽羽
3、憩
4、香織



安価下


花菜「まぁ……普通に陽羽よね」

陽羽「ヤッタネっ!」

花菜「そんな喜ぶこと……?」

部屋が狭くなって

むしろ嫌だと思うんだけどね

まぁ、今までの反応からして

嫌がらないだろうとは思ってたけれど

姉妹だからお姉ちゃんでも良かったかな……

というより、そうするべきだったかしら?

ある程度の交流は済んでるしそう危惧するするようなものもないけどね

花菜「というわけで、お姉ちゃんは休んでていいけど、陽羽は私物を移動してね」

陽羽「はーい」

ということで私と陽羽で同じ部屋を使うことになった


花菜「さて……移し終わったわよね?」

陽羽「うん。香織の部屋だから掃除もちゃんとしたよー」

それはバタバタしてたからちゃんと見てたわよ

とは言わずにえらいえらいと頭を撫でる

香織「悪いわね……荷造りくらいは自分でやるわ」

花菜「気にしなくて良いわ。姉妹なんだから」

香織「ありがと」

言葉と表情とは裏腹に

お姉ちゃんは悪いことをしてしまったような雰囲気のまま

部屋の中に消えていく

記憶喪失になって、色々させて

そういうのが、お姉ちゃんには申し訳ないのかもしれない




1、電話
2、移動
3、香織と交流
4、陽羽と交流
5、真希と交流
6、真望と交流
7、憩と交流
8、特訓
9、武器関連



安価下


→香織と交流


花菜「お姉ちゃん、平気?」

こんこんっとノックすると「遠慮せずにどうぞ」と

普段通りの声が返る

だからといって、さっきのが気のせいで終わったりはしない

花菜「一応着替えたんだね……どう? 」

香織「少し大きいかしら」

それもそのはず

体のラインなんて間違っても出したくない私は

それが隠れるように少し大きめの服を着てるんだもん

胸がきついとか、ちょうどとか

言われたら泣いてたかも……それはないかな

香織「それでなんだけど……」

花菜「うん?」


お姉ちゃんはせっかく着た服の裾を持ち上げて

ゆっくりと私に背中を向ける

花菜「どうかしたの?」

香織「私のことに関係してるかなって思ってね……脇腹のところにあるそれなんだけど」

花菜「脇腹……?」

左側を見る。何もない

右側を見る。何かある

花菜「……なにこれ」

星型の刺青

その頂点の2つに複雑な意匠の羽根

香織「貴女にも分からない?」

花菜「え、ええ……まぁ、一応調べてみるわ」

嫌な予感しかしない

死線をくぐり抜けて来たことで培った直感というか、ただの勘

それがこれは悪いものなんじゃないかと、直ぐに思ったのだった

【安価で】ブラック・ブレット【生き残れその8】
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(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1409657453/)


次スレ


次を立てたのでいったん中断
こっちは埋めてしまっても構わないです。多分ないと思うけど


香織「それで? なんで私のところに来たの?」

花菜「なんでだと思う?」

香織「そうねぇ、貴女のことだから……」

んーっと考える素振りを見せながら

お姉ちゃんは「解ったわ」と楽しそうに笑みを浮かべる

香織「私が貴女達の世話になることで悩んでるんじゃないかって心配してきたんでしょ?」

花菜「どうしてそう思うの?」

香織「頑張ってあなたのこと分析した結果、貴女は心配性か人想いだと思ってね。だからそうじゃないかなって」

頑張って分析

その言葉があまりにも重くて笑い返すことができなかった私に

どうかしら? なんてお姉ちゃんは聞いてくる

空気を読めるくせに、読めないところは変わらないのね



1、そうよ
2、残念、ただ一緒に居たかっただけ
3、残念だけど違うわ。これからのことを話そうと思ったのよ
4、その他


安価下


確かに悩んでないか探りを入れることも考えたけど

お姉ちゃんにはそういうのって大抵意味ないもんね

花菜「残念、ただ一緒に居たかっただけ」

なんとか笑って本来の目的を答える

香織「何言ってるのよ。最近はずっと一緒だったのに」

花菜「そうだけど……」

香織「まぁ良いわ。何もないし……隣に座って」

残念ながらベッドしか座れるものがなく

お姉ちゃんは苦笑しながら自分の隣のスペースを叩き

私はゆっくりと腰を下ろす

香織「まぁ……心配かけちゃったからね」

花菜「ほんと、馬鹿なお姉ちゃん」

香織「そうね……」

記憶喪失前のお姉ちゃんなら

座った瞬間にでも押し倒してくる

それは嫌なことでもあったけど

なくなるともっと……嫌だなんて思ってもみなかった

嫌なことだろうと、好きなことであろうと、思い出になるっていうのはそういうことなのかな?

それとも、私は別に……嫌じゃなかったってことなのかな?


気まずい沈黙

言いたいこともしたいこともたくさんあるけど

どれもこれも今のお姉ちゃんにはするべきではないことばかり

そんな状態で黙り込む私に対して、お姉ちゃんは囁く

香織「……こんな可愛い妹泣かせるなんて、馬鹿なお姉ちゃんよね」

花菜「ッ!」

後ろから回ってきたお姉ちゃんの左手が私の左肩を掴み

ぐっと引き寄せられる

花菜「お姉ちゃ……」

香織「私が原因だけど、私はお姉ちゃんだから……泣いても、いいのよ?」

くすっと笑ってのその一言は嬉しいというよりも少し頭に来た

言われたら泣けるわけない

すがりつくわけにもいかない

そうするよりも――

花菜「もっとほかに言うことあると思うんだけど」

注意する方が先だった


香織「で、でもほら。小説では男の子がこう……抱きしめて。わりぃ。心配かけたとか言うだけで感動のシーンっぽい演出」

花菜「小説なんか真似してないで真面目に考えてよ」

お姉ちゃんの何も考えてなさそうな言葉に

思わず強い言葉が漏れる

それがいつものお姉ちゃんのあり方に似ているような気もしたから。かな?

香織「ふふっ、そうね」

花菜「何笑って……」

してやったりというような笑みを浮かべながら

お姉ちゃんは私の頭を優しく撫でて

もう一度、自分の方へと寄せる

香織「貴女がそうしててくれないと……なんか嫌なのよ。からかってごめんね」

花菜「っ……お姉ちゃんってば、ひどい」

どこまで本気でどこまで冗談だったのか掴ませないお姉ちゃんのペース

そこにいつの間にか嵌っていたらしく、気づけば

最初の悲しさも、今さっき湧いた怒りもどこへやら

ほんと……変わらないんだなぁと、実感した


花菜「……ねぇ、お姉ちゃん」

香織「ん?」

花菜「………………」

お姉ちゃんはこれからずっと私の家にいるとは限らないけど

記憶が戻らない間はずっとここに居ることになると思う

その間どうするか……

仕事は私がやる

その代わりに家のことをっていう話だったけど

憩のパートナー……は、やっぱり危険だから言うのやめておこうかしら

でも技は体で覚えてるもののはずだから

体術は衰えてなさそうなのよね

香織「花菜?」



1、ちょっと、模擬戦しない?
2、ねぇ……プロモーター。なるだけなってみる?
3、もうちょっとくっついてていい?
4、その他


安価下


花菜「ちょっと、模擬戦しない?」

香織「模擬戦? 私……これでもつい数時間前に退院したばかりなのよ?」

お姉ちゃんはかなり弱気になってそう漏らす

自分が体術では力差のある私にでさえ勝てるということも忘れてるのかしらね

花菜「何も考えず、体の思うがままに動いてくれれば……平気だと思うわ」

香織「そんな無責任な……無茶したからって、私ただの警察官なのよ?」

ただの警察官

その大嘘に撃墜されて笑いながらも「いいから」と

お姉ちゃんを立たせる

もちろん、家の中でやるわけはない

花菜「ちゃんと怪我させないようにするわ」

香織「それなら……少しやってもいいわ。ずっと横になってて運動不足だったし」


・模擬戦をやります
・場所を司馬重工、特殊訓練施設に移します
・夜の前半を使います


以降次スレ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月16日 (土) 03:25:22   ID: Ghm6R4Kq

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