実況「何事も無く大江山の鬼のアジトに着きましたね」

解説「尾行上手いですね」

実況「鬼はこれからパーティーですね。あれ？兎は帰る様ですよ？」

解説「アジトを確認して、これから鬼を退治する準備をしに行くのでしょう」

実況「成程、用意周到という訳ですね」

実況「兎の巣穴に到着しました。いっぱい物がありますね」

解説「そうですね」

実況「まず、荷車を出して来ましたよ」

解説「大八、または代八車ですね。いっぱい武器を運ぶんでしょうね」

実況「今度はたくさん樽を出してきました。樽に何やら黒い粉と釘や石をいれてますね」

解説「黒い粉は火薬でしょう。そして殺傷力を高める為に釘等を容れてるのでしょう」

実況「成程。次に用意しているは油ですかね？」

解説「そうでしょうね」

実況「あと、包帯と縄と矢束、そして火打石を出してきましたね」

解説「ですね。縄は火縄ではないかと思いますね」

実況「お、弩を出してきましたが兎に引けるんですか？結構強力そうですよ」

解説「弩は背筋で引きますから腕力が無くても引けます」

実況「成程。今度はごつい水鉄砲の様な物を出してきましたね」

解説「所々金属で補強が成されてますね。おそらく火炎放射器として使用するではないかと」

実況「火炎放射器ですか、それは凄いですね。最後に小刀等を乗っけて、出発の様です」

解説「楽しみですね」

実況「さて、兎は代八車に満載した武器と一緒に再びここ、大江山に戻って来ましたよ」

解説「これから運んだ武器を使って鬼を退治する訳で注目の場面です」

実況「まずは、おや？崖下に生えている竹藪の方へ行きましたね」

解説「ですね」

実況「小刀を使って竹を削ってます」

解説「罠にするつもりでしょう」

実況「竹を尖らせたと思ったらそのまま放置で行っちゃいましたね」

解説「きっと後で活用すると思われます」

実況「お、今度は持って来た火薬と釘、石いりの樽を鬼のアジトに次々仕掛けていますね」

解説「大胆ですね。鬼も気づいて無い様子ですね」

実況「更に倉庫の様な場所に入って行きましたよ」

解説「食糧庫の様ですね。小麦粉がたくさんあるみたいですね」

実況「おや、火薬を袋にいれてますね。そして火縄を袋に付けて、

　　　あ、火縄に火を点けました！それを樽の中にいれ蓋をしました！」

解説「時限式ですね」

実況「兎は鼻と口を覆う様に布を着けて、小麦粉をぶちまけ始めました」

解説「後が楽しみですね」

実況「兎は食糧庫を後にする様です」

実況「今度は矢と包帯、そして油を用意しましたね」

解説「おそらく火矢の元を準備するのでしょう」

実況「矢の先端に包帯を巻いて油に浸してますね。

　　　あと、例のごつい水鉄砲みたいなやつに油をいれてますね」

解説「いよいよ始まりますな」

実況「何が始まるんです？」

解説「カチカチ大江山だ」

　　ドオオオオォォォォーーーーン

実況「今、食糧庫からすごい爆発が起きました！」

解説「粉塵爆発ですね。そして戦いの火蓋が切られた訳です」

実況「鬼達があわてて出て来ました！兎が弩に足をかけて背筋でぐいっと弩を装填、

　　　先程用意した火矢の元に火を点けて火矢にしてそれを」

　　ビュゥゥーーン

実況「今撃ちました！狙う先は！」

　　ドオオォォーーン

実況「仕掛けた火薬樽に命中し爆発が起こりました！

　　　鬼が何人か巻き込まれ、これは、生焼けハンバーグの様に...」

解説「ミンチよりひでぇや」

　　ビュゥゥーーン　　ドオオォォーーン

実況「更にもう一発！」

　　ビュゥゥーーン　　ドオオォォーーン

実況「続け様にもう一発で更に鬼達が」

　　ビュゥゥーーン　　ドオオォォーーン

実況「鬼達が次々と倒されて逝きます！」

解説「まるでかかしですな」

実況「あ、鬼が兎に気が付いて兎に向かって来ます！」

解説「向かって来る鬼のそばに仕掛けた火薬樽はありませんからピンチですね」

実況「お、兎は慌てずに普通の矢を弩に装填しました」

　　ビュゥゥーーン　　　グサ！

実況「鬼を射殺しました！いえ、死んでません！更に迫ります！」

解説「そうですね。しかし」

　　ビュゥゥーーン　　グサ！

実況「また命中しました！しかし鬼は未だ倒れません！」

解説「ちょっとしぶといですね」

　　ビュゥゥーーン　グサ！

実況「未だ鬼は迫って来ます！矢を装填するよりも鬼の方がはや？！」

バッビュゥーグサ！ドサ！

実況「今のは！？兎が飛び上ったと思ったら矢が放たれ鬼がやられた？」

解説「成程、ジャンプして空中で背筋と両足の力で弩を装填して矢を放ったんですな」

実況「えっ！？」

解説「今まで背筋のみで弩を装填していたのを両足の力も加える事で、

　　　より素早く装填出来る様になったのでしょう」

実況「成程、ホッピングしながら縄飛で三重跳びする様な離れ業ですね」

解説「これに技名を付けるなら"ムーンリロード"というのはどうでしょう？」

実況「"ムーンリロード(仮)"ですね。あ、そうこうしている内に

　　　また鬼が迫って来てます！兎はその場から離れます！」

解説「おそらくちょっと距離を取ってからまた弩で攻撃するのでしょう」

実況「ほんとだ兎は立ち止り...あれ？腰を下ろした？...その上寝転があ！」

ビュゥゥーーン　ビュゥゥーーン　ビュゥゥーーン　ビュゥゥーーン

　　グサ！グサ！グサ！グサ！ドサ！

実況「…」

解説「まぁ一々ジャンプしなくても背筋と両足は使えますからね。

　　　空中じゃない分かなり楽でしょうしね」

実況「...名付けるとしたらなんて名ですか？」

解説「"ものぐさリロード"でどうでしょう？」

実況「また鬼が来ました！今度は複数です！」

解説「これだと弩では倒しきる前に鬼に攻撃されますね」

実況「兎は周囲に油を撒きました！そして！」

　　カチカチ　　ボッ！

実況「火を点けました！そして火炎放射機を構えました！」

解説「いよいよ火炎放射機の出番ですね」

実況「鬼達は火に怯む事無く兎に迫っ」

シャァー　ボワッ！

実況「火炎放射機火炎放射してませんね...鬼達は火が点いてのた打ち回ってますが」

解説「火炎放射機は着火の為の火元が必要です。兎が周囲に油を撒いて火を点け、

　　　その炎越しに鬼に向けて油を発射して燃えればそれは火炎放射機と同じです」

実況「そうなんですか...」

解説「実際の火炎放射機だって着火出来なければ

　　　可燃性ガスや可燃性液体をプシャーっと撒いてるだけなんですよ」

実況「そうですか、やっぱりごつい水鉄砲ですね・・・鬼達が動かなくなりましたね」

解説「呼吸困難の為でしょう。

　　　周りに炎がある時に息を吸うと呼吸と一緒に炎が体に入って来ますから」

実況「あ、鬼の大将らしき鬼が人質と一緒に出て来ました！」

解説「あの鬼こそ大江山の鬼の首領、朱点童子！」

実況「人質の命が惜しくばとか言ってますよ！」

解説「セオリー通りですね」

実況「人質を取るとは卑怯です！鬼に横道は無いんじゃなかったのか！？」

解説「あ、それを言ったのは比叡山出身の朱天童子です」

実況「え...、あ、兎が武器を捨てながら大江朱点に近付きながら挑発してます！」

解説「大江朱点も挑発に乗って人質を捨て兎に向かって行きますね」

実況「無手でガチンコ勝負です。結果はどうなるでしょうか？」

解説「白い方が勝つ」

実況「...おぉっと！大江朱点が先制攻撃！兎は紙一重でかわした！」

解説「ぎりぎりですね」

実況「更に大江朱点の攻撃が続く！兎はかわすのに精一杯だ！」

解説「押されてますね...」

実況「くうぅっ！兎は断崖絶壁の崖の上に追い込まれた！もう後が無い！」

解説「正に崖っぷちですね」

実況「あぁっ！大江朱点の攻撃が兎に！って大江朱点が飛んだ！？」

解説「投げ技ですね。兎が大江朱点を投げ飛ばしたんですね」

実況「大江朱点は崖下に落ちてったぁ！崖下は竹藪で、おぉ！

　　　兎が尖らせていた竹に大江朱点が串刺しになっているぅ！」

解説「兎はこれを計算に入れていたんでしょうね」

実況「お、兎は人質を無事救助して帰って行きますね」