【艦これ】大鳳「浦風が可愛い鎮守府」提督「多分一応は鎮守府」 (1000)

・前スレ、前々スレに引き続き後日談を書いていきます

・リクエストを受け付けて、消化したらまた募集していきます

・設定から逸脱するようなものは、パラレル扱いにします

・エロも一応ありです

前スレは以下の3つです

【艦これ】大鳳「一度入ったら抜け出せない鎮守府?」

【艦これ】大鳳「一度入ったら抜け出せない鎮守府?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399761014/-20)

【艦これ】大鳳「出入り自由な鎮守府」

【艦これ】大鳳「出入り自由な鎮守府」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401844632/l20)

【艦これ】提督「鎮守府として色々不味いことになった」

【艦これ】提督「鎮守府として色々不味いことになった」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1406746107/l20)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416478239

前スレの残り2つを書ききったらこちらに移行します

――――提督執務室。

「朝潮、状況を説明してくれるか?」

「はい、元帥から未だどこの鎮守府にも着任していない艦娘ならばここに来る可能性が高いと聞いた朝雲が着任の為に来訪、偶々通りがかった陽炎と口喧嘩から殴り合いに発展し、朝雲が大破、現在入渠しています」

「口喧嘩の原因は何だ?」

「陽炎型なんかに朝潮型は劣らないと言ったらしく、最初は陽炎も相手にしていなかったようですが、口論がエスカレートする内に、その……雪風についての話をしたようで……」

(あぁ、アウトだな……)

「本人も悪気は無く反省していますし、陽炎もやり過ぎたと言っていたので、今回は双方共に処罰などは見送っていただけないでしょうか?」

「子供の喧嘩に処罰も何も無い。但し、今後はそういう発言をした場合、罰として一週間白雪と町内清掃させる。これでいいか?」

「はい、ありがとうございます」

「じゃあ悪いが歓迎会をするから準備をしておいてくれと間宮に伝えてきてくれ。俺は今から元帥に電話しなきゃならん」

「了解です」




「新しい艦娘が着任するなんて一言も聞いてないぞこのクソ爺ー!!」




――――朝雲が着任しました。

史実で因縁はありません

“幸運艦”と呼ばれるのを雪風があまり好きじゃないというのと、陽炎も結構妹思いというこのスレの設定から殴り合いに発展したというだけです

分かりにくく書いてすみませんでした

・飛鷹『回らない方じゃ無いんだ』、投下します

主に寿司を提供する和風レストラン

――――回転寿司屋。

「提督、それ取って」

「自分で取れ」

「ケチ」

「茶碗蒸し、食うか?」

「欲しい」

「――なぁ飛鷹、何でチーズケーキが回ってくるんだろうな」

「私に聞かないでよ」

「食べるか?」

「いらない」

「俺の奢りだ、遠慮するな」

「いらないって言ってるじゃない。っていうか何で回ってるの?」

「回転寿司だからそりゃ回ってるだろ」

「回らない寿司って約束じゃなかった?」

「……加賀に小遣い削られた」

「情けないわね、たまにはガツンと言いなさいよ」

「この前、加賀に連絡忘れて無断外泊しちまったんだ」

「そういうの気を付けてくれなきゃ困るんだけど――ビントロ頼むなら私も」

「武蔵達が止めなかったら完全武装で捜索するって大変だったらしい。茶碗蒸し来たぞ」

「提督、銀杏あげるから海老ちょうだい」

「それ交換になってねぇだろ……ほら、食え」

「――うん、出汁が結構ちゃんと利いてるわね。じゃあはい、銀杏」

「ん、他に何か頼むか?」

「アイス」

「……チーズケーキと何が違うんだ?」

「いいじゃない、食べたいんだから、悪い?」

「はぁ……抹茶でいいか?」

「提督はバニラね」

「俺も食うのは決定済みかよ」

「どうせなら二種類食べたいじゃない? あっ、玉子取って」

「りょーかい」




――――次は回らないの連れてってね。

 ――――財布に余裕があればな。

――――前借りしたら?

 ――――そこまでプライド捨てたくねぇよ。

それでは新スレ第一回目のリクエストを五つまで受け付けようと思います

朝雲も揃ったので全員可です

・球磨『鮭取るクマー』

・雷『秋といえば山!』

・電&加賀『何となく二人で』

・由良『京都?』

・夕張&軽巡『夕張改造計画』

以上五本でお送りします

新スレでも潜水艦の皆さんは元気なようで何よりです(1分以内ってどういうこと…?)

99以上の艦娘は未だに加賀さんだけです

・球磨『鮭取るクマー』、投下します

球磨は球磨だけどあの球磨じゃなくてこの球磨は(ry

――――北海道。

「おい球磨、本当に熊が出ても大丈夫なのか?」

「大丈夫だクマ。この辺の熊とはマブダチだクマ」

「お前と多摩は山でも生きていけそうだな」

「そんなこと言われると照れるクマ」

(頬を染めながら鮭を捕る姿は可愛いと形容すべきか逞しいと形容すべきか、そもそも照れる様なことは言ってないんだがなぁ)

「――提督、後ろ向いてみるクマ」

「ん? なん……○●◎◇◆□!?」

「久しぶりだクマ、元気してたクマ?」

「く、く、球磨、お知り合いか……?」

「この辺の主クマ、多分様子見に来たんだクマ」

「俺、襲われないよな?」

「心配しなくても球磨の匂いが付いてるから襲わないクマ。それより提督、足元見てみるクマ」

「足元?――木の実と、茸?」

「お土産にくれるみたいだクマ、ありがとだクマーまた来年も来るクマー」

「本当に熊と打ち解け合ってたんだな、お前……」

「まさか信じてなかったクマ? ひどいクマー球磨は嘘吐かないクマー」

「いや、改めて感心しただけだ。それでな、球磨」

「何だクマー?」




「腰、抜けた、立てん」

「おっちゃん替え玉欲しいクマ!」

 ――あいよー。

「今日は良く食うな、それで三玉目だろ?」

「運動したからエネルギー補給してるんだクマ。提督もしっかり食べるクマ」

「二杯も食えば十分だ」

「じゃあコレ食べ終わったらホテル戻るクマ」

「そうだな、早めに寝ないと飛行機の時間に遅れかねん」

「寝ないクマ、提督と朝までしたいことも話したいこともいっぱいあるクマ」

「徹夜しろってのか?」

「付き合ってくれないなら、腰抜けたのをおんぶして帰ったの皆にバラすクマ」

「……分かった、その代わり頭撫でさせろ」

「別に球磨は提督に撫でられるの嫌いじゃないクマ、好きにするクマ」

「縫いぐるみじゃないって怒られた記憶があるんだが?」

「妹達の前でやるからだクマ、球磨はお姉ちゃんなんだクマ」

(木曾のマントで昼寝して何回も蹴り転がされてた奴のセリフとは思えんな……)




――――そういえば蟹もまだ食べてなかったクマ。

 ――――まだ食うのかよ……。

――――提督も後で球磨食べていいクマ。

 ――――結局食われる気しかしないぞ、それ。

・雷『秋といえば山!』 、投下します

――――山。

「ねぇ司令官、あっちに行ってみましょ」

「はしゃぐと転ぶぞ」

「大丈夫よ、ほらこっちこっち」

(こういうところは流石暁の妹って感じだな)

「司令官? どうかした?」

「何でもない、紅葉に見入ってただけだ」

「司令官こそ、足元気を付けないと転んじゃうわよ?」

「以前の俺と一緒にするな、山に海に川に河原にと連れ回されたお陰でだいぶ鍛えられたんだ」

「じゃあ島風と競争する?」

「フルマラソンとか言い出しかねんから絶対にやめろ」

「……ねぇ、司令官」

「何だ?」

「何で紅葉だけを大勢で見に来るの?」

「さぁ、何でだろうな」

「司令官は秋以外の山って、嫌い?」

「登るのはいつでも苦だが、嫌いじゃないぞ」

「私ね、春はこれから咲く花を応援したくなるし、夏は目一杯元気を分けてもらえるし、冬は新しい芽が出たりするのを見るのが好きなの」

(……雷、こんな顔もするんだな)

「紅葉だって当然綺麗だけど、他の季節だってとっても素敵だと思うわ。ねぇ、司令官もそう思わない?」

「あぁ、綺麗だ」

「綺麗? ちょっと、私の話聞いてた?」

「――ん? あぁ、すまん、聞いてなかった」

「ひどーい、そんなに紅葉が好きならここにずっと居れば」

「そう怒るな、帰りに抹茶餡蜜か抹茶パフェでも食べるか?」

「この雷様を物で釣ろうだなんて舐められたものね」

「じゃあ伊良湖の作った新作最中でどうだ」

「……欲しい」

「呆気なく釣れたな」

「だって伊良湖さんの最中美味しいんだもん」

(今より成長しても、どっちの顔も見せてくれりゃいいんだが)

「ちょっと司令官、また私の話聞いてないでしょー」

「聞いてる聞いてる、雷が食いしん坊って話だろ」

「~~司令官のバカー!」




――――次は暁型全員で冬に来てみるか。

 ――――その時は司令官、暁から目を離さないでね?

――――お前少しは姉を信用しろよ……。

――――提督執務室

「――延々話をループさせる艦娘が三人居るのを知ってるか?」

「いいえ、知らないわ」

「一人目はな、九九艦爆の足について延々語るんだ」

「その子なら良く知ってるわ」

「二人目はな、姉の改二についての話を夕方から明け方まで続けやがったんだ」

「本人も改二になって喜んでたわね」

「そして三人目はな、とある駆逐艦娘の寝顔やらパジャマ姿やらアイス食べてる姿やらを見せながら可愛さについて延々語るんだ」

「その駆逐艦娘が本当に可愛いんだから仕方無いわ」

「――大鳳、シスコンも度が過ぎると嫌われるぞ」

「そうなったら提督を道連れに死にます」

「冗談に聞こえなかったのは気のせいにしておく」

「そういえばこの前私が作ったドーナツを食べている時のムービーがここに」

「それ長くなるパターンだからせめて寝る前にしてくれ、夕方はキツイ」

「浦風がドーナツ食べて笑ってるのをいつ見るの?」

「瑞鳳の持ちネタをパクんな。後、今じゃない」

「――提督も、食べますか?」

「あるなら食べる」

「夕飯、ドーナツでも構いませんよね」

「大いに構うが?」

今日明日更新出来そうにありません

すいませんが明後日頑張りますのでお待ちください

頑張りたかったのですが、頑張れなくなりました…

出来る限り早く更新再開しますので、もう暫くお待ちください

・電&加賀『何となく二人で』、投下します

昔は見上げていた人を、見下ろすようになった時の何とも言えない感覚

――――鎮守府。

「金剛、アッサムを」

「比叡のカレーを一緒にどうデス?」

「紅茶を出す店に来て、それを頼むのはかなり稀有な存在ね」

「駆逐艦の子達やカレー好きな人には好評ネー。ほら、あそこでも食べてマース」

(アレは……)




「電」

「あっ加賀さん、こんにちは」

「同席してもいいかしら」

「はいなのです」

「一人なの?」

「暁はレディー修行、響はふらっと何処かへ、雷は夕張さんにご飯を作りに行ったのです」

「そう」

「今日はお休みなのですか?」

「えぇ」

「……」

「……」

(困ったのです。加賀さんと共通の話題が無いのです……)

(カレー、確かに美味しそうね)

「――か、加賀さん」

「何?」

「この後、お暇なら買い物に付き合ってもらえますか?」

「そうね……いいでしょう、何を買いに行くの?」

「なのとていとくの食器やご飯なのです」

「そう、ではヒトヨンマルマルに鎮守府入口で待ち合わせましょう」

「はいなのです」




「金剛、追加注文を」

――――街。

「加賀さんが髪を下ろしている姿、新鮮なのです」

「赤城さんに、この服なら下ろした方が似合うと強引に……」

「電も、早く大人の女性が着る服が似合うようになりたいのです」

「――大きくなったわね、貴女も」

「もう少しで、加賀さんに追い付きます」

「そう簡単に追い付かせません」

「あ、頭を押さえちゃダメなのです!」

「撫でているだけよ」

「……ふふっ」

「?」

「加賀さん、司令官に似てきたのです」

「それは、誉められているの……?」

「一緒に居ると、いつの間にか凄く安らいでいるのです」

「……そう」

「――手、繋いでもいいですか?」

「……えぇ」




――――(流石に気分が高揚します)

 ――――(子猫を抱いて加賀さんが微笑んでるのです……写真を撮って司令官に見せてあげないと)

以前のペースにはまだ戻せませんが、更新再開です

また期間が空くときは必ずお知らせします

お待たせして申し訳ありませんでした

・由良『えっと……ここ』、投下します

タイトル変更、由良さんマイペース

――――神社。

「こういうの、好きなのか?」

「何処かへ行きたいなって思って、目を閉じて開いたページに載ってる場所に行こうって決めたの」

「その結果がこれ、か……俺は昔からこういうの好きな方だから構わんが、お前的にはどうなんだ?」

「――うん、落ち着く」

「そうか、なら良かったな」

「火って、私達にとっては悪いイメージばかりだけど、この火はどこか安らぐの」

(艦娘にとっての火は、戦いに直結しやすいからな……)

「提督さん、火って、暖かいね」

「あぁ、鎮守府にも暖炉を一つぐらい設置するのもいいかもしれん。エアコンとファンヒーターだけってのも味気無い気がしてきた」

「うん、いいかも。皆で集まって、そこでチーズフォンデュとかしたい」

「流石に全員はどう考えても無理だが、お前達姉妹でなら十分出来そうだな」

「提督さんもちゃんと参加してね? ね?」

「引っ張らなくてもちゃんと参加する、安心しろ」

「うん。――あのね、このお火焚きって鎮魂の儀式でもあるんだって」

「鎮魂、か……」

「だからなのかな、私が安らぐの」

「――帰るぞ」

「大丈夫だよ、提督さん」

「……」

「大丈夫、まだまだ未練あるから、消えたりしない」

「……一陽来復の祈りも込められてるって話だ。消し炭もらって帰ったら長良達に良いお土産になるんじゃないか?」

「うん、一抱えぐらいでいいかな?」

「置き場に困るからやめとけ」




――――提督さん、次は五山の送り火とかも連れて行って。

 ――――何だ、こういう行事に興味が湧いたのか?

――――うん、お寺とかも色々行ってみたい。

 ――――じゃあ次は京都観光だな。

・夕張&軽巡『夕張改造計画』、投下します

服装実験軽巡、ご想像にお任せします

ゆるふわウェーブとかいいかも

――――工廠。

「――ねぇ、私何で縛られてるの?」

「縛らないと逃げそうだからよ~」

「今から逃げたくなるようなことされるの!?」

「大人しくしてれば悪いようにはしないクマー」

「メカ夕張! ヘルプ! 助けて!」

「マスター、諦めが肝心という言葉を送らせて頂きます」

「その洋服どこで――まさか買収されたの!?」

「あら、人聞きの悪いこと言わないでちょうだい、ただのプレゼントよ」

「五十鈴まで……私をどうする気?」

「今からするのはね~」

「夕張に最近欠けているものを教える行為クマ」

「私に欠けてるもの……?」




「そう――女子力チェックよ」

「食事はどうしてるの~?」

「メカ夕張に蕎麦を作ってもらってるわ。後は遊びに来た子達が持ってきたお菓子とか」

「一番最近外出したのはいつだクマ?」

「えっとぉ……二回前の秘書艦日?」

「服とか下着とか、身に付けるものを最後に買ったのはいつ?」

「明石に頼んで買ってきて貰ったのが確か……一年前?」

「色々試してみても~なんて言ってるのに、自分では試さないのね~」

「だって、基本ここで作業してるから着飾る必要無いんだもん」

「着替えてお風呂に入ってるだけ、マシと言えなくもないクマ」

「――トリートメントは?」

「うっ……つ、使ってるワヨ?」

「嘘はダ~メ」

「ハイ、ゴメンナサイ」

「五十鈴、どう思うクマ?」

「素材はいいんだから、本人の意識次第じゃない?」

「じゃあサイズ的に球磨ちゃんのが一番近いから、服の用意お願いね~」

「了解クマ」

「髪は五十鈴に任せて」

「ならメイクは私ね~」

「サポート致します」

「別に私は気にしてないんだけど……」

「あら、提督に可愛いって言われたくないの?」

「きっと喜んでくれるクマ」

「それに~今のままだと、メカちゃんに女子力負けてるんじゃないかな~」

「……分かったわよ、煮るなり焼くなり好きにすればいいじゃない」

「じゃあまずは――」




「お風呂だよ~」

――――提督執務室。

「――ん? 誰だ?」

 ――球磨だクマー、お届けモノだクマー。

「届け物? まぁいい、とりあえず入れ」

「し、失礼、します」

「何だ、球磨以外にも誰か……」

「あの、球磨達がお洒落しろってうるさかったから今こういう恰好してるんだけど……やっぱり変、ですか?」

「……たまには、いいんじゃないか。その、何だ、似合ってる」

 ――提督もっと感想言えクマー。

 ――五十鈴が協力したのよ、コーディネートは完璧に決まってるじゃない。

 ――今度は天龍ちゃんにもやってあげよっと。

 ――マスターの心拍数と体温上昇、状況から推察するに“照れ”というものだと認識。

「はぁ……一日オモチャにされた気分だわ……」

「良かったな、久しぶりに実験する側からされる側に回れて」

「も~提督までからかわないでってばー」

「――この後、飯でもどうだ?」

「へっ!? あっ、はい、お蕎麦ならどこでも」

(やっぱり蕎麦か……まぁいいか、今日は新鮮な気分で食えそうだしな)




――――私の作った服も試着してもらえますか~?

 ――――バーゲンで買ったけどうちにはちょっと大きいんよ。これも着てみてもらえへん?

――――ちょ、ちょっと待って、何で皆私のところに来るのよー!?

 ――――(マスターが幸せそうで何よりです。――マスターが着れるなら、私にも着れますね)

リクエストを受け付けておけば考えておくことは出来る

というわけで今回も五つまで受け付けます

・春雨&?『ハルサメ、タベタイ』

・吹雪『私の一日』

・涼風『てやんでぇー!』

・古鷹改二『やっちゃった……』

・野分『のわっち以外の方向で』

以上五本でお送りします

黒潮も関西弁なんよ…?

元帥のところの卯月には可愛い二つ名がついてるだけです

ヴォーパルバニーっていう

「首置いてけぴょん」

「卯月ちゃん、ちゃんと胴体も処理しないと」

「潮、蜂の巣も酷いと思う」

「朧はクソ親父から教わった合気道で何でも投げ飛ばすのやめなさいよ」

(微笑ましい会話じゃのう……)




今から風呂で書いてきます、出来次第更新します

・春雨&?『ハルサメ、タベタイ』 、投下します

悪雨ちゃん

――――食堂。

「麻婆春雨お願いします」

「はーい」

(席はどうしよう……)

 ――メシウマ!

 ――やっぱカレーだよねぇ。

 ――コレはお子様ランチじゃないもん!

 ――ごっはん~ごっはん~。

(あっ夕立姉さん、あそこに――)

「きゃあっ!?」

「ひゃうっ!? 間宮さん、どうしたんですか?」

「今、棚を開けたら何か小さくて速いのが飛び出してきて……」

「えっ……あの、それって……」

「あぁ心配しないで春雨ちゃん、アレじゃないのは確かよ」

「そ、そうですか」

「――あら?」

「?」

「春雨が減ってる……昨日から使って無いのに、おかしいわね……」

「大鯨さんか伊良湖さんが使ったんじゃないでしょうか」

「でも、コレ見て?」

「――“春雨ちゃん専用春雨”……?」

「何時も頼んでくれるから、貴女のは別に置いてあるの」

(知らなかった……)

「とにかく、すぐに作るわね。辛さはどうする?」

「お任せします」

 ――デスソースありますけど、使いますかー?

「伊良湖、春雨ちゃん涙目で震えてるから仕舞っておいて」

「はーい、お待ち遠様ー」

「ありがとうございます」

「春雨スープも今作ってるから、すぐに持ってくるわね」

「え? 注文してないのにいいんですか……?」

「いいのよ。今ちょうど暇になったし、春雨ちゃんが美味しそうに食べてるの見て、他の人も注文してくれるようになるから」

「春雨美味しそう! 夕立もスープ欲しいっぽい!」

「ね?」

「あはは……じゃあ冷めないうちに――」

「イタダキマス」

「……え?」

「ツルツル食感、程好クピリリトシタ餡、美味シイ。良イ仕事シテル」

「へ? あ、はい、どういたしまして?」

「スープモ、飲ミタイ」

「えーっと、春雨ちゃんお知り合い?」

「し、知りません……」

「貴女、お名前は?」

「駆逐棲姫」

「――やっぱり、深海棲艦っぽい?」

――――提督執務室。

(また増えたか……)

「クーちゃん、春雨スープのお代わり持ってきたの?」

「一杯ジャ、満足出来ナカッタシ」

「ヲーちゃん、リトちゃんに続いてクーちゃんか。ここの鎮守府は深海棲艦に好かれてるのかもしれんな」

「あの、何だか奇妙な親近感があるのでこの子もここに置いて貰えないでしょうか」

「そもそもうち以外に行かれると面倒なことになる、当然そのつもりだ。お前も異論は無いな?」

「オ前ノ指図ハ受ケナイ。デモ、春雨ヲ毎日クレルナラ居テアゲテモイイ」

「……見た目は春雨に似てるが、性格は悪いな」

「あの、すみません……」

「お前が謝る必要は無いぞ。それに、リトも大概口は悪い」

「ヤッパリ、ココニ仲間ガ居タノネ」

「仲間が居るかどうか分かるのか?」

「結晶ノ欠片ヲ拾ッタハズヨ、アレニ私達ハ惹カレルノ」

(リトの奴、そんなこと言いやがらなかったぞ……)

「クーちゃん、あの、頭にスープが……」


「オ構イ無ク」

(うぅ、後でシャワー浴びなきゃ……)




――――駆逐棲姫のクーちゃんが春雨の帽子に居座るようになりました。

大鳳鎮守府はカンスト集団、ギス鎮は平均70台と認識して頂ければよろしいかと

潮→プリティーポイズン(卯月が付けた)

朧→スロージャンキー(卯月が)

曙→反抗期ガール(卯月)

漣は多摩鎮に行ったのを本来元帥が引き取ろうかと考えていたという裏設定があり、元帥鎮守府には漣が居ません

更新は日付を跨ぐ可能性大です

予告、まとまった時間が取れたときに“大鳳にこの謎が解けるか!?鎮守府エビフライ連続殺人事件”という鎮守府でのお遊び企画を安価形式で進行しようと思います

前回のリト捜索のバージョン2とでも思って下さい

それでは続き書いてきます

・吹雪『私の一日』、投下します

死者の目覚め

怠惰スーツ

236B→追加A→214C

――――吹雪型私室。

「吹雪、起きて」

「んぅ……後五分……」

「起きないと、こうです」

「~~!? あ、頭がぐわんぐわんするぅ……」

「し、白雪、それやる時は先に何か言ってくれよ……」

「叢雲、もう終わった……?」

「終わったから耳栓外していいわよ、磯波」

「すぅ……すぅ……」

(初雪の怠惰スーツ、完全防音だからこういう時は便利ね)

「白雪、皆の鼓膜が大破しかねないからそれは非常手段でって言わなかったっけ……?」

「今日は加賀さんが外出する予定で、大淀さんもあきつ丸さんと他の鎮守府へ出掛けるから大変って言ってたのは吹雪だよ?」

「・・・あーっ!? すぐに引き継ぎしないと加賀さん達出掛けきゃあっ!?」

「ちょっと落ち着けっての、パジャマで行く気か」

「寝癖も酷いわ、整えてあげるからこっち来なさいよ」

「で、でも時間が……」

「――準備はゆっくりでいいわ、ここで引き継ぎをします」

「加賀さん!?」

「今日は午前に地域の方々との懇親会、午後は遊技場でのイベント運営と新規着任艦娘達との面談、夕方には昨日霧島達に頼んでおいた侵入者対策マニュアルのチェック、後は――」

――――会議室。

「今日は御足労頂きありがとうございまひた!」

 ――お疲れ様、吹雪ちゃん。

 ――またうちにも食べに来てね。

 ――赤城の嬢ちゃんに超ドカ盛り作ったって言っといてくれや。

「はい、伝えておきますね」

(噛んじゃったの、バレてないといいなぁ……)

――――遊技場。

「焦らなくても参加賞のお菓子は全員分あるよー!」

 ――あっ、姉ちゃんのパンツ白だー!

「きゃあっ!?」

「そんなイタズラする子にはー弥生のお仕置きぴょん」

「ごめんなさい、して」

 ――痛い、痛いってば!? グリグリはやめてよ弥生姉ちゃん!

「や、弥生、私は大丈夫だから」

「イタズラには、しっかりお仕置き、です」

 ――ごめんなさいもうしないから許してっ!

「うん、もうしちゃ、ダメ」

「因みに弥生は今日はピンクだぴょん」

「ふんっ!」

「見切ったぴょん!」

「ちょうしんちゅう」

「しまっ――」

「せんしっぽ」

「見よう見まねで何で出来るんだぴょぉぉぉぉぉぉ……」

「イタズラはダメ、です」

(卯月、吹き飛んでったけど大丈夫かな……?)

――――提督執務室。

「お疲れ吹雪。ほら、カフェオレだ」

「あっ、ありがとうございます」

「悪いな、今日は二人が居ないから任せっきりになって」

「司令官こそ、書類が山になってますよ」

「あー……まぁ、何とかなるさ」

「――こうしてると、初めて司令官と会った日を思い出しますね」

「あの時は書類じゃなくて段ボールの山だったがな」

「私の机が無くて、その段ボールで書類書いてました」

「お尻が痛いって言うからクッションは買ってやっただろ」

「クッションじゃなくて座布団でしたよ」

「大した差は無いだろ。それより、あの時座った瞬間に硬いってボソッと呟いたの、しっかり聞こえてたからな?」

「だって、本当に硬かったんです。結局あの座布団、最後は丸めてお昼寝の枕代わりに使うようになってましたし」

「枕にするにも硬かったがな」

「アレ、今もちゃんと仕舞っておいてあるんですよ?」

「俺が最後に見た時ですらボロボロだったのに、まだ置いてたのか」

「……だって、捨てられるわけないじゃないですか。硬くても、ボロボロでも、司令官から最初に貰った贈り物なんですから」

「――ハンカチと、少し焦げたクッキーだったな」

「さ、さぁ司令官、そろそろお話はこのぐらいにして書類をやっちゃいましょう」

「“辛い時も、苦しい時も、一緒に乗り越えて行きましょうね、司令官”、だったか」

「何で一言一句忘れずに覚えてるんですか!?」

「そりゃあ嬉しかったからな、本当の意味でお前達の提督になれた気がして」

「――艦娘としての私達の司令官は、貴方一人だけです。これからも、この先もずっと」

「……あぁ」




――――吹雪、今日は司令官とデートの約束じゃないんですか?

 ――――んぅ……えっ、今何時!?

――――マルナナサンマルです。

 ――――ち……ち……遅刻しちゃうー!

・涼風『てやんでぇー!』、投下します

タイトルは落ち込んだ涼風が海に叫んだ一言です

――――カフェ『バーニングラブ』

「大鳳さん、あたいに話ってなんだい?」

「私、ずっと涼風に聞こうと思ってたけど、聞けなかったことがあるの」

「いいよ、何でも聞いて、昨日今日知り合った仲じゃないんだしさ」

「あのね、涼風――何で、江戸っ子口調なの?」

「この口調かい? 実はさ、元々はあたいも普通に話してたんだよ」

「それなら、何で今の口調に?」

「ほら、あたいって五月雨と背格好とか髪の色とかよく似てるだろ? だから、せめて話せば一発でどっちか分かるように、今の口調にしたって訳さ」

「今みたいに髪を短くするとかじゃダメだったの?」

「そうする予定だったんだけど、あたいが切るなら私も切るって五月雨が言い出して……」

「五月雨、貴女のこと大好きだものね」

「気持ちは嬉しかったんだけど、それじゃ本末転倒になるし、たまたま前の鎮守府の近所にちゃきちゃきの江戸っ子の爺さんが居たから、その爺さんの話す言葉をマネし始めたのさ」

「居たのは関東の鎮守府だったの?」

「ううん、東北」

「じゃあ東北の方言でもよかったんじゃない?」

「大鳳さん、マネってさ、ある程度理解出来ないと無理なんだよ……」

(そこまで方言がキツイって、一体どこに居たのかしら……)

「――ちょっと待って、なら何で今は髪を短くしてるの?」

「そりゃあ……アレだよアレ、そういう気分だったってだけの話。もういいかい? 紅茶御馳走様!」

「えっ? ちょ、ちょっと涼か――行っちゃったわ……あっ金剛、紅茶お代わり」




――――涼風、ドライヤーお願いしてもいい?

 ――――いいよ、貸して。

――――もう涼風は伸ばさないの?

 ――――……五月雨は理由知ってるだろ、洗うのも楽だしあたいはもう絶対に伸ばさないよ。

――――(寝ぼけて私と間違えちゃったのぐらい許してあげればいいのになぁ……)

テイルズ、封神演義、メルブラで正解

元帥の現主力なら先の四名と二代目空母教導艦の千歳と二代目戦闘教導艦の霧島です、一代目は大鳳鎮守府で居酒屋と道場やってます

※これは劇のようなものです。大鳳の行動がたまに突拍子もないものになったりするのをうまく制御しながら彼女に推理させて下さい。二時半までやって、また時間が出来た時に続きをやります。今日は触りだけになる予定。

「大変! 鎮守府で殺人事件が起きるなんて! 浦風、私達でこの事件の謎を解きましょう!」

「そ、そうじゃ。うちと姉さんで解決するんじゃー」

(緊張してる浦風可愛い)

「まずは犯行現場を確認しましょう。浦風、どこに行けばいいの?」

「えっとねぇ、最初は↓2じゃ」

以下の番号から選んでください。

1、空母寮

2、軽巡寮

3、駆逐艦寮

4、工廠

――――工廠。

「マスター、マスター、あぁどうしましょう」

「メカ夕張、やっぱり被害者は夕張なのね」

「そうです。マスターが動かないのです」

「こ、これは……エビフライが口に詰まっとるんじゃ」

(こ、この死因何とかならなかったの……ずっと見てるとお腹が苦しい……)

「姉さん、とにかく↓2するんじゃ」

・1、メカ夕張にそばを御馳走してもらう

・2、夕張の口からエビフライを引き抜く

・3、本当に死んでいるか確認する

・4、ダイイングメッセージを調べる

「あら? これは何かしら?」

 ――五月。

「五月って、皐月のことかねぇ?」

「でも、続きを書こうとして何かぐちゃぐちゃってした形跡があるわ。まだ続きがあったのかもしれない」

「マスター……だからあれほど文明機器に頼りすぎるといざという時困ると言っていたのに……」

「未完成なダイイングメッセージとか勘弁してくれないかしら」

「き、気を取り直して↓2じゃ」



・1、エビフライを調べる

・2、他の場所に移動する(空母寮、駆逐艦寮、軽巡寮のどれかを同時に指定)

・3、皐月が犯人だと決めつける

・4、夕張の脇をこそばす

「そういえば、本当に死んでるの?」

「姉さん、よく刑事ドラマで見るアレをやってみるんじゃ」

「それじゃつまらなげふんげふん、ちゃんと確認できないわ浦風。だからこうしましょう、こちょこちょこちょこちょ」

「っ……っ……」

(夕張さん、顔真っ赤になっとる……)

「――ふぅ、ダメね、やっぱり死んでるわ」

「(マスター、耐えきるとはナイスガッツです)」

「これ以上ここに居ても新しい情報は得られなさそうね。浦風、次の犯行現場に向かいましょう」

「だったら次は↓2じゃね」



・1、駆逐艦寮

・2、軽巡寮

・3、空母寮

――――駆逐艦寮。

「被害者は……長波に時雨、初風、朝雲もなの?」

「口にエビフライ、これは良いイラストが描けそう!」

「秋雲、せめて悲しむ演技ぐらいした方がえぇよ?」

「夕立もエビフライ食べたいっぽい!」

「この磯風が作ってやろう」

「本当の死人が出かねないのでやめてください」

「流石に今度は真面目に調べてみましょうか。エビフライは車海老、衣はサクサクで美味しそうね」

「それ、真面目に調べてるって言っていいんじゃろうか……」

「浦風、私はこの鎮守府に来て学んだの。楽しいことは全力で楽しまないと損なのよ?」

(長波の頬を突っつきながら言われてもいまいちピンと来んよ姉さん)

流石に平日深夜だしこのスレ見てる人も少なかったですね、こんな感じでまた時間が出来た時にやります

・古鷹改二『やっちゃった……』、投下します

古鷹は天使(もう一つのスレから目を逸らしつつ)

――――古鷹型私室。

「加古、起きて、加古」

「んー……後五年……」

「もうっ、そんなに寝てたらすぐにお婆ちゃんになっちゃうよ。ほら、ちゃんと起きて」

「ふぁ~い……」

「今日は私が秘書艦の日だから、ちゃんとお昼御飯は自分で作るんだよ?」

「分かってるってば、あたしだって……やるときゃ、やる……ぐぅ」

「起き、て!」

「んがっ!?」

「あっ……やっちゃった……」

――――提督執務室。

「――それで、朝から加古は入渠って訳か」

「はい……羽黒さん達から聞いてたんですけど、予想してた以上に加減が難しくって……」

「まぁ普通ハリセンで机にめり込むような威力が出るとは思わんさ」

「提督、その、一緒に居るの怖くないですか?」

「もう慣れた。何度も吹き飛ばされたり爆発されたりぶん殴られたりしたからな、身体だけは頑丈だぞ」

「ふふっ、常勝不敗に不死身も加えちゃいます?」

「冗談でもやめろ古鷹、あのクソ爺は本気でやりかねん。――ん?」

「なっ、何ですか提督。顔、近いです……」

「いや、ちょっとお前の目が気になってな」

「目?」

「やっぱりそうだ、夕立と一緒でお前も目の色が変わってるぞ。ほら、鏡見てみろ」

「ホントだ、黒に変わってる。全然気付かなかった……」

「左目の方は変わってないみたいだが、そっちの調子はどうだ?」

「えっと、えいっ」

「うぎゃあぁぁぁぁっ!?」

「提督っ!?」

「目がっ!? 目がぁぁぁぁっ!?」

「ごめんなさい、光の強さも加減出来なくなってるみたいで……」

「い、いや、俺の不注意だ、気にするな。暫く目を閉じてればそのうちなんとかなる」

「――あの、治るまで書類も出来ないですし、少し休憩しませんか?」




――――青葉、見ちゃいました。

 ――――何の事?

――――わざと光を強くしましたね?

 ――――うん、目の下に隈が出来てたし、休んでもらいたかったから。

――――またまたぁ、膝枕したかっただけじゃないんですかー?

 ――――青葉も、したいならしてあげるといいよ。

――――……ストレートに返されちゃうと、青葉ちょっと困っちゃいます。

タイトル変更

・野分『あだ名』、投下します

大所帯になりましたね、陽炎型も

――――陽炎型私室。

「第一回、野分にあだ名を付けよう会議ー!」

「舞風が急に皆を集めた理由ってそれだったの?」

「そういう面白いんやったらウチは大歓迎や」

「私は普通に野分と呼んでもらえればいいんだけど……」

「甘い! 甘いよ野分! この個性派揃いの鎮守府で普通じゃ生き残れねぇってもんだ!」

「不知火も何か特別な個性を全面的に押し出すべきでしょうか」

「磯風も新しい自分というのを探す良い機会かもしれないな」

「二人はそのままで居てください、お願いですから」

「舞風、雪風思い付きました!」

「あっ、あたしもあたしもー」

「じゃあトップバッター二人でよろしくぅ!」

「雪風は“ノッチ”が良いと思います」

「あたしはねー“ワッキー”が良いと思うなぁ、うんうん」

(どうしよう、どっちも絶対嫌だ……)

「野分的にはどっちがいいの?」

「えっ!? えーっと……ほら、他の皆のも先に聞いた方がいいと思わない?」

「(野分、自分で逃げるタイミングを潰したわよ)」

「(そうは言ってもツチ……初風姉さんなら今のを切り抜けられたの?)」

「私は“のわのん”が良いと思うわ」

「(初風姉さん!?)」

「(ツチノコって言いかけた罰よ、精々まともなあだ名が付くのを祈りなさい)」

「他にはー?」

「もういっそ音読みにして“やぶ”でもいいんじゃない?」

「陽炎姉さん、今医者の漫画読んどるから言ったじゃろ」

「ブラックジャックは名医よ、ヤブじゃないわ」

「天津風は何か思い付いたか?」

「“ノワテキ”」

「もしかして、ビフテキを私が作ったからでしょうか……」

(島風のお昼御飯考えてるんやろなぁ)

「そこで密かに野分のイラスト描いてる秋雲は?」

「ん? そだねぇ、まだ出てないのなら“のわきち”かな」

「――よし、そろそろ出揃ったね。じゃあ野分、パパッと決めちゃってーどうぞ!」




「……“のわっち”じゃ、ダメ?」

――――なぁ“のわっち”。

 ――――司令、その呼び方はやめて下さい。

――――舞風から聞いたぞ、最後はこの呼び方で折れたんだろ?

 ――――……このあだ名で、私はここに馴染めるんでしょうか。

――――もう、馴染んでるんじゃないか?

 ――――え?

――――少なくとも姉妹艦とは、な。

次のリクエストはマルハチサンマルより五つまで受け付けます

クリスマスネタはどうしようかなぁ…

・飛鷹『寒い』

・加賀vs元帥卯月『環境の変化』

・特Ⅰ型改二艦『お祝い』

・第六駆逐隊『練習』

・ながもん『陽炎と出掛ける』

以上五本でお送りします

今日の潜水艦の皆さんはキラ付けされていたようですね

ギスギス鎮守府関連のリクエストはご遠慮願います

ifで何か書くにもかなりややこしいことになるので

三点報告

・更新は夜

・エビフライもやる予定

・多摩鎮&大鳳鎮守府漣のWサンタコス短編をクリスマスネタの1つに決定

・飛鷹『寒い』、投下します

――――秋田。

「寒い」

「そりゃ東北だからな」

「ねぇ、コート貸して」

「コートの上からコート着てどうする。それより何より俺が風邪引くわ」

「その時は責任持って私が看病してあげるわよ」

「それはそれは有難いことで……」

「じゃあポケット貸して」

「ポケットなんぞどうやって貸すんだよ」

「こうするのよ」

「……借りるっていうのか、コレ」

「何、文句あるの? 少なくともお互いの片手は暖かいんだからいいじゃない」

「手っていうか、腕だろ」

「くっつかないと歩きにくいのよ」

「満足そうなところ悪いんだが――もう着いたぞ、店」

「……二人で歩くのが楽しくて通り過ぎたから戻ろうとか言えないの?」

「……既に一度折り返してるんだよ」

「え?……じゃ、じゃあ、入りましょうか」

「あぁ、寒いしな」

(全然気付かなかった……え? ホントに?)

(正確には横ばっか見てて曲がる筋間違えたんだが、そこまで言わなくてもいいだろ)

「ふーん、きりたんぽってこんなのなんだ」

「味噌と鍋、とりあえずどっちも食うか」

「――熱っ!」

「いきなり頬張るなよ」

「少し冷めてると思ったのよ……」

「餅とはまた違った感じで美味いな」

「鍋も身体が芯から暖まるし、食感が変わっていいわね」

「間宮にも今度作ってもらえるように頼むか」

「鳳翔さんの方がいいんじゃない? あそこ囲炉裏あるし」

「あまり大人数で押し掛けるのもな……」

「そう? あの人なら喜ぶと思うけど、駆逐艦の子達を集めて作り方を教えるとか」

「お前も一緒に教えたらどうだ?」

「柄じゃないわよ」

「……鍋、よそってくれ」

「出汁だけでいいの?」

「具も入れろ、具も」




――――ちょっと提督! アレどういうこと!?

 ――――“飛鷹&鳳翔ときりたんぽを作ろう”って張り紙か?

――――鳳翔さんが凄い笑顔で作り方教えてくれたから断れないじゃないの!

 ――――まぁ、頑張れ。

――――……覚えてなさいよ!

 ――――楽しんでこいよー。

遅くなりましたがエビフライ始めます

「さて、誰から調べましょうか?」

「姉さん、一人ずつ頬をプニプニして遊んじゃいけんよ?」

「確認よ、確認」

「じゃあ↓2じゃ」



・1、長波

・2、時雨

・3、初風

・4、朝雲

「時雨が床に指で何か書いてるわね、タルタルソースかしら」

「ケチャップじゃないんじゃね……」

「“2000”、って書いてあるみたい」

「何かの暗号じゃろか?」

「うーん……まだ情報が足りないわね」

「夕立、食堂でエビフライ食べてくるね」

「浦風、私達も晩御飯はエビフライにしましょうか」

「先に事件を解決せんといかんよ?」

「晩御飯になっても分からなかったら強制終了するわ」

「……とにかく↓2じゃ」


・1、時雨のエビフライを引き抜く

・2、他の三人を調べる(先の三人から指定)

・3、本当に死んでいるか再度こそばして確認する

・4、周りの駆逐艦に情報を聞く

「コレ、抜いてみるわね」

「抜いたら爆発とかせんかねぇ?」

「爆発はしないと思うけど、大きな問題が出てくるわ」

「問題?」

「それはね浦風――口の中でふやけてるから衣が取れてしまうの」

「大丈夫じゃ姉さん、それ作り物じゃけぇ」

「えっ、私それ聞いてないわよ?」

「本物じゃったら間宮さんと鳳翔さんにお説教されとるよ、うちら皆」

「……それもそうね。――こっ、これはっ! 何の変哲もないエビフライだわ!」

(時雨が深呼吸してるけど見ないフリじゃ)

「じゃあ口に戻して、と。エビフライに何か証拠になりそうなものは無かったわよ」

「それなら次は↓2じゃ」


・1、周りの駆逐艦に話を聞く

・2、他の三人を調べる

・3、時雨の写真を撮る

・4、ズバリ推理する(犯人指定)

「浜風と磯風は何か知らない?」

「初風は昨日の夜に誰かのところへ行っていたみたいです」

「妙高さんのところで無いことは確かだ」

「秋雲は何か知っとるん?」

「んー? 特に何も、昨日も長波にはいつも通り描くの手伝ってもらってたし、寝るまでは普通だったよ?」

「こら、長波のスカート捲っちゃいけんって!」

「やっぱしダメ?」

「原稿、手伝ってもらえなくなるんじゃない?」

「それはマジで困る!」

「夕立――は食堂行っちゃったし、まだ聞いてないのは……霰?」

「何?」

「貴女は何か知らない?」

「……朝雲は名前的に、犯人と相性悪そう」

「あ、相性?」

「うん、だって――むぐ?」

「ヒント与えすぎなのよアンタは、こっちでおとなしくしてなさい」

(霞、今どこから現れたのかしら……)

「姉さん、次は↓2じゃ」


1、夕立に話を聞きに食堂へ

2、時雨以外の三人を調べる

3、他の場所へ行く(軽巡寮or空母寮)

4、行動自由指定(あくまでお遊びの範囲内で)

「長波をまずは見てみましょうか。これは、インクかしら?」

「“通常運転”? 何のことじゃ?」

「初風はケチャップ……というより、血糊ね」

「こっちは“静寂”じゃ。何か意味があるんかねぇ?」

「最後は朝雲ね。油性マジックっぽいわ、これ」

「“注意”、車にでも関係しとるんじゃろか」

「でも、静寂って車には関係無いわね」

「うーん……」

(首をひねって考える浦風可愛い)

「姉さん、真剣に考えとる?」

「か、カンガエテルワヨ?」

(でも、本当に全く見当がつかないわね……)

今回はここまで、次はもっとうまく書けるように頑張ろう……

「ごめんだぴょん、うーちゃんうっかり転んで1の首撥ねちゃった。それにぃ~焦ってカドルトしたら失敗しちゃったぴょん。おまけに灰をくしゃみで吹き飛ばしちゃったぴょん。今から集めて来ま~っす」

(今日帰宅後か明日更新しますのでマーフィー君を狩りながらお待ちください)

「ウィザードリィ知らないと何の事かさっぱりだぴょん」

・加賀vs元帥卯月『環境の変化』、投下します

――――演習場。

「コレはどういうことでしょうか元帥殿?」

「お前のところの艦娘数人から、うちの卯月の実力を見たいという要望があった。だから演習をする。何か問題があるのか?」

「ありません。ありませんが、卯月に演習をさせるつもりで来たならば、朧なり潮なりを連れてくれば良かったのでは?」

「本音を言え、本音を」

「うちの艦娘達が警護を嫌がって押し付け合いになって揉めたぞどうしてくれる」

「ふむ、結果がお前さん達とは面白い巡り合わせじゃのぅ」

「全く、相変わらず何を考えているか分からんな、古狸」

「武蔵、元帥に失礼ですよ?」

「構わんよ鳳翔。儂としては滅多に顔を見せん二人に会えただけで満足だ」

「避けているのだから当然だ」

「私も畑とお店がありますので……」

「さて、話はこのぐらいにして――始まるようじゃぞ?」

「加賀ぴょんにボコボコにされに来たぴょん。お手柔らかにお願いするぴょん」

「あまり笑えない冗談ね」

「うーちゃんはか弱いウサちゃんでぇーっす」

「兎が猛獣とは知りませんでした」

「ちょこっとイタズラが好きなだけぴょん。だから~……楽しませてね?」

「審判は吾輩が務めるぞ。それでは加賀対卯月――始め!」

(速度は島風より劣るはず、接近される前に仕留めた方が賢明ね)

「艦載機、全機発艦」

「最初からクライマックスぴょん!?」

「手を抜ける相手ではありませんから」

「じゃあうーちゃんもー……最初から本気で行きます」

(真正面からの突撃……近付く暇など与えません)

「全航空隊、攻撃開始」

「怖いぴょん怖いぴょん、いっぱい来るぴょん」

「逃がしません」

「――怖いから、速くするぴょん」

(速度が上がった?――いえ、そんな生易しいものではないわ)

「うーちゃんフルパワー!」

「もって三十秒といったところかしらね」

「正解でぇーっす。それまでに決めるぴょん」

「決めるのはこちらです」

「それは無理~ぴょん!」

(急旋回による水飛沫で視界を封じても私には通用――っ!?)

「目が多いのも考えものね」




 ――首、もらいます。

――――居酒屋鳳翔。

「……次は負けません」

「むさぴょん、アレ教えてあげてなかったの?」

「それでは面白くないだろう? 後、むさぴょんは背中が痒くなるから禁止と言ったはずだ」

「むさぴょん、酒を注いでくれんか?」

「手酌で勝手に飲め」

「そう固いこと言ってやるなよむさぴょん」

「……提督よ、今度の秘書艦日を楽しみにしていろ」

「あらあら、何だかとっても楽しそうですね」

「私は楽しくありません」

「加賀が拗ねてるってのは珍しいな」

「拗ねてなどいません。あのような形で負けた自分が情けないだけです」

「まぁそう悲観するな」

「そうだぴょん。アレは演習だと一回こっきりの手品みたいなものだぴょん。だから全然悔しがらなくてもモーマンタイー」

「いえ、最近気が緩んでいたのは事実です。今回のこの一件を機に、気を引き締め直します」

「ほぅ……ならば久しぶりに私とも一戦どうだ?」

「ふふ、久しぶりに私も混ぜてもらおうかしら」

「では、明日は武蔵と鳳翔さんにお願いします」

「やるのは構わんが、くれぐれも鎮守府は壊してくれるなよ?」

「じゃあそろそろうーちゃん達は帰るぴょん」

「何だ、もう少しいいじゃないか卯月」

「明日は早朝からみっちりと仕事が詰まっています。今日息抜きした分は、しっかり働いて頂きますよ?」

「仕方無いのぅ……ではまた来るぞ、武蔵、鳳翔」

「二度と来なくて結構だ」

「お待ちしておりますね」

「次は負けません」

「うーちゃんリベンジマッチは受け付けてないぴょん」

「……“大切でなければ命懸けで守っ――」

「やっぱりいつでもどこでもウェルカムぴょんだからそこのボケ老人にニヤニヤする餌を与えないで下さい」

「では、再戦を楽しみにしているわ」

(バラした子は後でお仕置き決定ぴょん)




――――旗艦殺しの一撃は健在のようじゃな。

 ――――久しぶりにやったから身体痛いぴょん……。

――――艦娘でなければ主機が壊れて航行不能になるような負担かけとるわけじゃからのぅ。どれ、帰ったら儂がマッサージでも。

 ――――温泉に行くので三十万程下さい。

――――秘書艦娘が儂を置いていこうとするな。

 ――――はぁ……またスケジュール調整しないと……。

タイトル変更

・特Ⅰ型『きっとそうだから』、投下します

まだ情報出てなかったので…

――――吹雪型私室。

「ねぇ皆、改二になるの誰だと思う?」

「(皆さん、分かってますね?)」

「(大丈夫大丈夫、分かってるって)」

「(把握)」

「(はい、大丈夫です)」

「(全く、手間のかかる一番艦ね)」

「吹雪だと私は思います」

「アタシも吹雪だと思うぜ」

「吹雪、一択」

「私も、そう思います」

「この中ならアンタなんじゃないの?」

「やっぱり? そうだよね? 私だよね?」

「何と言ってもネームシップですから」

「うん、そうだよね!」

「めんどくさい、なれても、パス」

「そこはなってくれないと困るよ!?」

「わ、私ももしそうなった時はパスした方がいいんでしょうか……?」

「大丈夫、その時はちゃんと祝福するよ、磯波」

「吹雪じゃなかったら大本営に行って改二艦を発表してる奴を締め上げればいい話よ」

「き、気持ちだけ有り難く受け取っとくね? ダメだよ、襲撃は」

「しっかり過去にも活躍してるしな、アタシと違って」

「ごめん深雪反応に困る」

「そういえば、何故毎回情報が小出しなんでしょうか」

「私も気になって司令官に聞いてみたことがあるんだけど、知らせてくるのが凄い気紛れな奴だからってことしか、元帥も教えてくれないんだって」

「めんどくさがり、なのかも」

「それは初雪だろ?」

「深雪は、大雑把」

「大雑把じゃなくてそこは豪快って言ってくれよな」

「今、ハーブティー淹れますね」

「ローズヒップがあればお願い」

「叢雲は改二になったら魅力が増すのかな」

「別にこれ以上は望んでないわ」

「ローズヒップ、美容効果、あり」

「増す気満々だな」

「うっさいわね! 私が何を飲もうと勝手でしょ!」

(カモミールの方がいいかな……)

――――司令官、何か新しい情報は入りましたか?

 ――――まだだ。

――――そうですか……分かったら、すぐに教えてくださいね。

 ――――(最近毎日聞きに来るな、アイツ……)

・第六駆逐隊『練習』、投下します

スポンジケーキは作ったことが無い

――――駆逐艦寮キッチン。

「作るならぶしゅっとノベルがいいんじゃない?」

「果汁が飛び出す本か、新しいがやめておいた方がいい」

「簡単なのならショートケーキね」

「チョコケーキも作ってみたいのです」

「簡単なのならバウンドケーキが作りやすいって間宮さんに聞いたわ」

「弾むケーキか、斬新だな」

「パウンドケーキかぁ……スポンジケーキを作るよりも簡単だし、分量を量って作る練習にもなるかもしれないわ」

「電もパウンドケーキなら間宮さんと作ったことがあるのです」

「一通り聞いて回って来たけど、パウンドケーキを作ると言っていた艦娘は居なかったはずだよ」

「じゃあバウンドケーキに決定ね!」

「暁、どうしてもケーキを弾ませたいのかい?」

「バターを出して」

「はい」

「……暁、今回はコレで問題は無いが、マーガリンはバターじゃないよ」

「そ、そのぐらい知ってるし!」

(ちゃんとメモを取っているようだし、次からは大丈夫と信じよう)

「目盛りをゼロに合わせて、と……いいわよ電」

「はいなのです」

「そういえば、何個分作るの?」

「とりあえず、六個分ぐらい――」

「暁、殻は食べられないよ」

「ちょ、ちょっと手が滑っただけだし!」

「……三個分ぐらいでいいんじゃない?」

「そうですね……」

「よし、タネは出来た」

「タネ? 埋めるの?」

「焼く前の材料を混ぜ合わせた状態をタネっていうのよ」

「ハンバーグなんかも焼く前のをタネっていうのです」

「し、知っててとぼけてみただけなんだから!」

「あぁ、そうだね。じゃあタネを型に流し込もうか」

「焼き上がりにムラが出来ないように注意してね」

「前に作った時は一つムラが酷いのが出来ちゃったのです……」

「暁に任せて」

「(微調整、お願いするのです)」

「(了解)」

 ――四十分後。

「ほら、見て見て、ちゃんと膨らんだわ!」

「ハラショー、コイツは美味しそうだ」

「細かく切り分ければ、司令官も執務の合間に手軽に食べれるわ」

「じゃあ四人で持っていくのです!」




――――パウンドケーキ? 有り難くもらうが、何かのお祝いか?

 ――――あっ……えーっと、その、そう! 作りたくなったの!

――――(当初の目的を忘れるとは、少し浮かれ過ぎていたみたいだ……)

 ――――(クリスマスにはやっぱりショートケーキを作ろうかしら)

――――(なのとてーとく用のも焼きたいのです)

・ながもん『陽炎と出掛ける』、投下します

――――街。

「ちょっと、待ちなさいってば!」

「何だ?」

「何で私肩車されてんのっ!?」

「不満か? 文月は喜んでくれたのだが……」

「周囲の視線が痛くて顔から火が出そうよっ!」

「何だ、そんなことか。このビッグセブン長門の肩車だ、気にしなければいい」

「気にするに決まってんでしょ! は・や・く・お・ろ・せ!」

「リズミカルなパンチだな」

(ダメだ……全然効いてない……)

「陽炎、どこか行きたいところがあれば遠慮なく言っていいぞ」

「……服、見たい」

「了解だ。陸奥がよく利用している店に案内しよう」

「確かにセンス良いわね」

「どれでも好きに試着するといい。気に入ったのがあれば私が預かろう」

「長門も見て回ったら?」

「私は大丈夫だ、いつも陸奥が私の服もまとめて買ってくるお陰で、箪笥に着ていない服が大量に眠っている」

(その割には数パターンしか長門の私服って見たこと無い気が……)

「陽炎、選ばなくていいのか?」

「言われなくても選ぶわよ」

 ――少女試着タイム。

「コレなんてどう?」

「良いな」

「――こっちは?」

「良いな」

「――コレは?」

「良いな」

「――コレ」

「良いな」

「長門に聞いた私がバカだった……」

「私は率直な意見を言っただけだ」

「次、長門も試着、服は私が選ぶから」

「いや、だから私は――」

「つべこべ言わずに着なさい」



 高身長、引き締まった体型、整った顔立ち。
 導き出される結論は、良いものが見れて満足げな陽炎と服を選んでもらって満足げな長門を見て仲の良い姉妹だなと微笑む店員のほんわか空間の完成。

「まさか全部買うとはね……」

「コレぐらいしか私には金の使い途が無い。お前達の笑顔が見られるなら、安いものさ」

「ふーん……ありがと」

「陽炎、今のをもう一度言ってくれ。携帯のボイスレコーダーに録音する」

「バカじゃないの?」

「これが世に言う“ツンデレ”というものなのか?」

「違うに決まってんでしょ!」

「そうか、ならばそういうことにしておこう」

「だ・か・ら・ち・が・う!」

「やはり良いリズムだな」

「あぁもうっ! このバカ長門ー!」




――――あら? 長門、その服どうしたの?

 ――――陽炎に選んでもらったんだ。

――――ふーん……私の選んであげた服は着ないクセに。

 ――――何か言ったか?

――――別に、何も言ってないわよ。

それではまた五つまでリクエストを受け付けます

・『庭を駆け回ったり炬燵で丸くなったり』

・ヲーちゃん『爆撃』

・『こたつむり』

・赤城『食事よりも大切なもの』

・木曾『頼まれた』

以上五本でお送りします

・『庭を駆け回ったり炬燵で丸くなったり』、投下します

広いと大変

――――鎮守府中庭。

「雪合戦したいっぽいー!」

「良いね、やろうか」

「当然アタシもやるよー!」

「はいはーい、私も参加ね」

「涼風と春雨はどうするの?」

「パス、熱い風呂は好きだけど、寒いの苦手……」

「麻婆春雨食べてきます……」

「じゃあ私は参加してくるから、また後でね」

「あいよー」

 ――深雪さまも混ぜろよな!

 ――うーちゃん、雪原に出撃しまぁーっす、ビシッ!

 ――ふわぁ~雪がいっぱいだ~。

 ――おぅ! 谷風さんも混ぜてもらうよっ!

「……続々と出てくるね」

「皆さん、元気です」




 駆逐艦元気組は外で遊び、他は中で暖を取るようです。

――――鎮守府各施設間通路。

「那珂ちゃんはーアイドルだからー手が霜焼けになるのは――」

「那珂、やりますよね?」

「ハイ、ジンツウオネエサマ」

「姉さん、そっちはどうですか?」

「道を確保するので手一杯かも、長良達は由良の単装砲で吹き飛ばしたりしてるみたいだよ」

「度々聞こえる砲撃音はそれだったんですね……でも、五十鈴さんが居ますから危険は無いはずです」

「天龍ちゃんと龍田ちゃんは駆逐艦寮の周りを中心にやってるし、阿賀野ちゃん達は軽巡寮を中心にやってるみたいだよ」

「大淀さんは加賀さん達と全体指揮してるし、球磨達は各寮の防寒対策頑張ってるし、重巡以上は全員各施設の点検やったりしてるって、私も雪合戦やりたいなぁ……」

「ある程度目処が着いたら、軽巡の皆でやりましょうか」

「おーそれ聞いたらやる気が出てきた。那珂、ペース上げるよ!」

「しょうがないなぁ……」

(やる前に疲れ……姉さんなら大丈夫ですね)




「誰か工廠も手伝ってよー!」

「マスター、口ではなく手を動かして下さい」




 軽巡は通路の確保に大忙しです。

――――鎮守府各所。

「プリンツ、手が止まってるわよ」

「ビスマルク姉さま、スコップ似合わない」

「そう? でも、確かに麺棒以外を持つと最近しっくり来ないわね」

(前はあんなに凛々しかったのに、今はすっかりパン屋の店主が板についちゃってる……)

「ほら、また手が止まってるわ」

「主砲で吹き飛ばしちゃダメ?」

「店ごと吹き飛ぶからダメよ」




「鳳翔ー熱燗ー」

「全部終わったら飲ませてあげます」

「全部終わったらって、いつ終わんねんなコレ」

「後もう少しですよ」

「それ、一時間前ぐらいにも聞いたんやけど」

「これぐらいで音を上げるんですか?」

「アホなことぬかすなや。こんなんで音を上げる程、柔な鍛え方してへんわ」

「ふふっ、頼りにしてるわよ、龍驤」




「お汁粉百五十人分……圧巻です」

「正確にはお代わりなんかも考慮に入れてますし、三百人分ぐらいでしょうか」

「大鯨ちゃん、伊良湖、次はお餅の準備始めますよ」

「「はいっ!」」




「雪」

「冷タイラシイワ」

「春雨、マダカナ」

「一緒ニ行ケバ良カッタジャナイ」

「風デ飛バサレル」

「雪ノ宿、食ベル?」

「甘サトショッパサノハーモニーネ」

「一枚チョウダイ」




 皆(?)、頑張ってました。

「提督さんは鎮守府内の見回りと、街で起きてる大雪による問題の解決に艦娘派遣してたっぽい?」

「燃料と弾薬の消費と、食事の量に因果関係は無い。赤城が大食いなのは、それだけ必要だというだけの話だ。無論、私と大和も体格と運動量に応じて食べるがな」

・ヲーちゃん『爆撃』、投下します

次のお手本は三隈

――――朧以下四名私室。

「潮、その額は?」

「急にヲーちゃんが艦載機ぶつけてきたの……何か気に障ることしちゃったのかなぁ……」

「心当たりは?」

「ううん、何にも」

「分かった、アタシが話聞いてくる」

「えっ、でも……」

「ヲーちゃんも、顔合わせづらいかもしれないから」

「……うん、ありがとう、朧ちゃん」

「何処に居るか、分かる?」

「逃げるように空母寮の方へ行っちゃったから、多分その近辺に居ると思う」

「了解、行ってくる」

――――空母寮前。

(ヲーちゃん……ヲーちゃん……いた。一緒に居るのは、瑞鶴さん?)

「――そりゃ普通は急に爆撃されたら嫌がられるんじゃない?」

「デモ、瑞鶴ハ加賀ニ爆撃シテル。ソレガ仲良シノ証ダッテ、潮ガ」

「アレはお互い合意の上でやってるもの。それに、本当に邪魔になりそうなタイミングは外してるし、爆撃してるから仲良しって訳じゃないわよ?」

「潮、爆撃シタラ悲シソウナ顔シタ……私、ドウシタライイ?」

「理由をちゃんと話せば、潮なら分かってくれるわ」

「ヲ、分カッタ」

「じゃあさっさと行きなさい、“仲良し”なんでしょ?」

「ヲッ! 潮、一番ノ友達!」

(……部屋、戻ろ)




――――潮、ゴメン。痛カッタ……?

 ――――あはは、ちょっとね。

――――ヲ……本当ニゴメン。

 ――――これからは爆撃しちゃダメだよ?

――――分カッタ、次ハ卯月ヲ真似テミル。

 ――――ひゃあぁぁぁぁぁっ!?

――――(真似する相手が悪い、絶対)

――――提督執務室。

「吹雪、この前のやつ届いてるぞ」

「き、緊張します……」

「青葉経由で依頼が来た時は驚いたが、艦娘をより深く知ってもらうには良い機会だったからな」

「機密情報だらけで、私達の日常の話しか出来なかったですけどね……」

「表向きはそうだが、既に一般人にも艦娘とはどういう存在なのか、かなり広く浸透してる。逆に普通の人間と変わらない部分を強調した方が、全員にとってプラスに働くだろ」

「――し、司令官」

「ん? どうした?」

「発売中止にして下さい! 今すぐ!」

「何か書かれたらまずい内容が載ってるのか? チェックした時には全く問題は無かったはずなんだが……とにかく見せてみろ」

「見せられません!」

「見ないと分からないだろ。ほら、どこだ」

「司令官のエッチ!」

「……は?」

「と、とにかく抗議してきます!」

「あ、あぁ……一体何がまずかったんだ?」




 時既に遅し、吹雪は暫く鎮守府に籠りました。

最新書き下ろしでも吹雪はやっぱり吹雪だったというお話

どう見ても…ね

・『こたつむり』、投下します

気が抜けてたっていいじゃない、戦い終わってるんだもの、はつはる

「やっぱ炬燵にはみかんじゃねーの?」

「みかんも、あり。でも、アイスこそ、至高」

「分かっておらぬのぅ。番茶に煎餅、これ以外にあるまい」

「番茶に煎餅は流石に年寄り臭くない?」

「妾を年寄り扱いするのか?」

「炬燵で抹茶アイス、食べてるの、見た」

「アレは子日が妾に買ってきたのを食しただけじゃ」

「へー、てっきり和ばっか食べてんのかと思ってたけど、違うんだ」

「別に妾が何を口にしようと良かろう?」

「その前は、抹茶バウム――」

「コホン、話を戻すぞ。炬燵に番茶と煎餅という組み合わせは――」

「抹茶バウム美味いよな」

「和と洋の、コラボ。グッジョブ」

「其方等少しは人の話を聞かぬか!」

「いや、正直どーでもいいし、人それぞれの好みでいいんじゃねーの?」

「ふむ、確かに一理ある。では他にどういったものが似つかわしいと思うておるのじゃ?」

「食べ物じゃないけど、ゲーム、とか」

「充電器が届く位置に陣取らないと、動くハメになるんだろ」

「うん、常に位置は固定、譲らない」

「そういう意味であれば、トランプなどもよいな」

「ウノでも、いい」

「めんどいからなるべく手を動かさないで済むやつ」

「……のぅ、茶が欲しくならぬか?」

「言い出しっぺ、ゴー」

「異議無し」

「待たぬか! ここは正々堂々勝負で決めるのが良いぞ」

「ペットボトル、ある」

「あたしも水筒あるから」

「……妾も次からそうするかのぅ」




「ところで、お前等いつ自分の部屋に戻るんだ?」




――――ここに、住む。

 ――――却下。

――――部屋まで運んでくんない?

 ――――自分の足で帰れ。

――――よもや秘書艦まで追い出したりはせぬよな?

 ――――まずは炬燵から出ろ、話はそれからだ。

赤城さんのドシリアスで書こうかと思ったけど、普通にほのぼのにしようかな…

多分、タイトル変更して書きます

見たいという声があればどっちも投下します

・赤城『変わらずまた来年も』、投下します

――――提督執務室。

「赤城、何見てるんだ?」

「アルバムです。青葉が今まで撮った写真を厳選して、全員分作ってくれたんですよ」

「ちょっと待て、俺もらってないぞ」

「何人かから“提督が私的に使うかもしれない”と指摘があったので、提督には渡さないそうですよ?」

「長い付き合いで今一番傷付くことを言われた気がするんだが……」

「言い換えると、“恥ずかしいから絶対にやめて”ですね」

(大体言った奴が分かった)

「私の写真で良ければ差し上げましょうか? 後、加賀のも」

「いや、いい。何人かのは持ってるし、写真が無くても顔が見たくなれば会いに行けば済む話だ」

「それもそうですね」

「赤城は何か特別な思い出とかあるのか?」

「いえ、特別というものはありませんよ」

「……そうか」

「はい、全て大切な思い出ですから、特別にどれとは言えないです」

(何だ、そういう意味だったか……今日は色々不安にさせられる日だな……)

「強いて言うなら、この写真でしょうか」

「どれだ?」

「この写真です」

「これは……終戦時に撮った写真か」

「はい、最近来た子は当然居ませんが、ここの皆が写っています」

「言われてみれば確かに全員で撮った写真は珍しいな、人数が多すぎて大変ってのもあるが」

「この写真だけは、いつも懐に入れて持ち歩いているんです」

(劣化が激しいってことは、何度もこうして眺めてるんだろうな。赤城らしいといえば赤城らしい)

「――よし、撮るか」

「はい?」




――――流石に多いですね。

 ――――妖精の本気様々だな、二百人程度なら顔まではっきり判別出来るそうだ。

――――……提督。

 ――――何だ?

――――来年もまた、撮りましょうね。

 ――――……あぁ、そうだな。

・赤城『今』、投下します

食べ歩いて謎の襲撃をしていた理由、雲龍着任の裏話

――――???

 私は、彼女と彼に誇りを守ってもらった。

 その恩を、一生忘れることはない。

 陽の当たらない部分は、私が背負えばいい。

 ただ明るい場所で、笑っていて欲しい。

 だけど、彼女はまた私の隣に立った。

 彼は、何も言わず頭を下げた。

 あの子は、こんな私についてきた。

 ――だから。

「懲りないですね、もう無駄だというのに」

「何度も言っただろう、ただ平和なだけでは困るのだ。深海棲艦が居なくなった今、軍事予算は大幅に削られ、新たに最新鋭の兵器を作ろうにも国の認可は降りない。それならば、兵器として簡単に産み出せる“艦娘”を利用しない手はあるまい?」

「長きに渡る戦いを終えて、ようやく掴んだ平和を放棄する、と」

「そんなものは仮初めに過ぎん。いずれはまた、新たな戦争が起きる。我々は、その準備をせねばいかんのだ」

「そうですか、私には関係ありませんね。ですから、全て潰します」

「貴様も艦娘ならば分かるだろう? その力を軍事目的に利用すれば、どれだけの成果を産むか。これもまた、平和の為なのだ」

「貴方の言う平和なんて、私にはどうでもいいんです。私が守りたいのは、今の平和だけですから。それを脅かすというのであれば、誰であろうと、何であろうと、止めてみせます」

「そうか、残念だ。望むのならば、最高の待遇で迎えようと思ったのだがな」

「……私が一番好きなものを、教えて差し上げましょうか?」

「何だ、言ってみろ。用意できるものならば、今すぐに用意しよう」




「――仲間の、笑顔です」




――――お帰りなさい、赤城さん。

 ――――ただいま、加賀。

――――今日はどうしますか?

 ――――食堂で、皆と食べたいですね。

・木曾『頼まれた』、投下します

第六駆逐隊は天龍龍田と旅行中、なお暁が乗る電車を間違えた模様

――――球磨型私室。

「良い食いっぷりだな、お前もちゃんと食えよ?」

 ――にゃー。

「木曾、お腹空いたクマー」

「球磨姉は自分で作って食えるだろ」

「妹が冷たいクマー……反抗期だクマー……お姉ちゃん悲しいクマー……」

「あぁもう分かった分かった、何が食いたいか言えよ」

「鮭のムニエル食べたいクマ」

「多摩は鰹のタタキがいいにゃ」

「アタシはスープパスタよろしくー」

「私はキノコのリゾットね」

「そんな面倒なもん一度に作れるわけ無いだろ! 食いたいなら誰でもいいから手伝え!」

「仕方無いクマねー……なのとてーとくの力を借りるクマ」

 ――にゃ?

 ――ふみ?

「猫の手で料理は出来ねぇよバカ姉貴」

「姉に向かってバカとは何だクマー!」

「文句があるなら自分で作れ」

「分かったクマ。木曾の好物のザッハトルテは二度と作ってやらないクマ」

「べ、別にいらねぇなぁそんなものは……」

(目が泳いでるにゃ)

(アレ絶品だもんねー)

(木曾への交渉材料に作り方教えてもらおうかしら……)

「ヴォー……そろそろ本当にお腹空いてきたクマ、木曾は何食べたいクマ?」

「俺か? 球磨姉が作るなら何でもいいぜ」

「じゃあ木曾の顔作るクマ」

「いらねぇよそんなもん」

「じゃあ猫の顔のオムライスにするクマ」

「……あぁ」

(分かりやすいにゃ)

(分かりやすいねー)

(オムライスなら簡単に作れそう)

「鮭のムニエルはちゃんと木曾が作るクマー」

「自分で作った方が美味いだろ、何で俺が……」

「球磨は木曾が作ったのが食べたいクマー」

「……仕方ねぇな、分かったよ」

 ――にゃー。

 ――みゃおー。

「ほら、お前等は危ないからちょっと向こうで多摩姉とでも遊んでろ」

「多摩に勝手に任せるんじゃないにゃ」

――――木曾って動物に好かれるよな。

 ――――何でそう思うんだ?

――――木曾さん!

 ――――木曾さん木曾さん!

――――木曾ぴょん!

 ――――な?

――――コイツ等を動物に分類していいのか?

クリスマス用と新年用書いてるので次のリクエストはちょっとお待ちください

決戦も書いてはいます…うまく書けずに四苦八苦してます…お待たせしてすいません…

間に合った、クリスマスイベント準備中投下

――――食堂。

「えーっと、漣ちゃん?」

「何ですか?」

「本気?」

「イエス」

「コレ、着るの?」

「イグザクトリー」

「きょ、拒否権はあるのよね?」

「うん、それ無理。もうビラ配っちゃいました」

「い、伊良湖はどう――」

「着心地は悪くないですね、流石妖精さんです」

「……分かりました、クリスマスはこれを着て仕事をします。どうせ中に居ればあまりお客様には見えませんし」

「何を仰る間宮さん。期間中はずっとですよ?」

「」

「それじゃあお願いしますねー」

「……大鯨ちゃんに二週間程食堂を任せちゃダメかしら」

「暖かいですよ、コレ」

(せめて胸元が開いてなければ……)

――――鎮守府イベント会場。

「那珂ちゃんサンタは今日も絶好調、キャハッ」

「本当にボクでいいのかな?」

「別に宣伝なら着るの那珂だけで良かったんやない?」

「それは協力してくれた街の皆さんの要望ゲフンゲフンもといイベントは参加してこそ意義があるってやつですよ」

「漣、ボク達を売ったね……? まぁ、いいさ。君の言うことにも一理ある」

「艦載機をソリに見立てるっちゅうのはえぇ発想やとはうちも思うよ。調整やら何やらギリギリで結構苦労したけど、やりがいはあるわ」

「那珂ちゃんはクリスマスライブに向けて準備はバッチリだよ!」

「ボクは何をすればいいのかな?」

「ご年配の方々への配慮をお願いします。白雪達にも頼みましたけど、それでも人手が足んねーって感じで……」

「うん、分かったよ」

「じゃあ今日は宣伝街巡り行ってらっしゃいませー」

「「「了解」」」

――――クリスマスイベント前日。

「あっ、もしもし漣AですがBちゃんお願いします」

『モブじゃねぇんですからAとかB呼びはやめろって前に言いませんでしたかねぇ……で、何の用です?』

「クリスマスイベントにご招待します。抵抗は無意味なので拉致られちゃって下さい」

『は? 何言って――赤城さん!? いや、ちょっ、待っ』

『――五人共快く参加してくれるそうです。今から戻りますね?』

「お疲れ様です赤城さん、帰ってきたらパンケーキ焼きますね」

『楽しみにしておきます、では』

「さてさて、元帥は勝手に来るからいいとして、次はっとー」




――――漣のちょっと本気は凄いでしょ、ね?

――――クリスマスイベント当日。

「クリスマスキタコレ!」

「やけにテンション高いな……まぁ今回はお前が陣頭指揮取ってたし、テンションが上がるのも仕方無いか」

「ご主人様、クリスマスにはプレゼントですよね?」

「不公平になるから誰にもやらない方向で決定しただろ」

「いつ“もらう”って言いました? はい、漣特製ケーキです」

「……小耳に挟んだんだが、ホール二十個分ぐらい俺用のが用意されてるらしいな」

「皆昨日は準備と平行して頑張ってましたよ。因みにコレは潮と朧と匿名希望の曙も一緒に作ってますから、厳密には私特製でも何でも無いんですよねー」

「蟹とヲーちゃんと花弁とウサギのマジパンか、作ったのが誰だかよく分かる」

「ご主人様、とりあえず一口食べてみませんか?」

「あぁ、一口でいいならもらう」

「ではでは――ん」

「っ!?」

「自分で言うのも何ですが、ケーキウマー!」

「……顔真っ赤にするぐらいならやるなよ、口移し」

「それ以上言うと、ぶっ飛ばしますよ?」

「サンタコス、似合ってるぞ」

「……追撃とかチートですよ、もう」

「ほら、イベントの主催者なんだから働いてこい」

「あっヤバッ開会の司会忘れてた!?」

「さっさと行ってこい、最高に盛り上げるんだろ?」

「任せて下さい、漣の本気は凄いんだから!」




――――今日は疲れ果てて倒れるまでご主人様方もお嬢様方も帰しませんよ! レッツパーリィ! クリスマス、皆で祝えば、怖くないっ!

――――イベント会場。

「ご主人様ー」

「漣君、どこ行ってたの?」

「ちょっと呼ばれたんで」

「そうなんだ、多摩と子多摩と球磨君はあっちで露店開いちゃったよ」

「多摩と子多摩で客引き、セールストークは球磨、役割がはっきりしてますね……」

「売れ行き好調みたいだよ、来月はちょっと潤いそう」

「……あの、ご主人様?」

「何?」

「いい加減突っ込んでくれませんか」

「寒くないの?」

「意外に温いですね、ってそうじゃねぇですよ!」

「あはは、可愛いよ、漣君」

「……どうも」

「さざなみねーちゃん、サンタさんなのにゃ? プレゼントほしいにゃ」

「子多摩、店はどうしたんですか?」

「かーさんがここならあんぜんだから、さざなみねーちゃんといっしょにあそんできなさいっていったのにゃ」

「あれ、僕は?」

「なにもいってなかったにゃ」

「えー……まぁ、いいや。とりあえず漣君、子多摩お願い。僕はここの提督さんとかあきつ丸さん達に挨拶してくるよ」

「了解です。子多摩、どっか行きたい場所ありますか?」

「ちょっとおなかすいたにゃ」

「じゃあまずは甘味ですね。独創的な甘味で評判の伊良湖さんって方が増えたみたいですし、ちょっと行ってみましょうか」

「レッツゴーにゃ」

「子多摩、迷子になっちゃ困るんで手繋ぎましょう」

「わかったにゃ」




――――ふしゃーっ!?

 ――――(ど、独創的ってレベルじゃねぇですよコレ……)

――――トナカイ(のリアル顔型)パフェお待たせしました。

クリスマスネタで書く艦娘を五人(1レス一人)まで、ヒトフタマルマルより受け付けます

今日中に書く予定なので一人辺りは短めになります、ご了承下さい

一瞬思考が停止しました

飛鷹、雷、武蔵、朧、赤城で書いてきます

今日中に全部投下予定

まとめて五つ一気に投下します

「ねぇ、隼鷹」

「何?」

「皆サンタコスよね?」

「だねぇ」

「――何で私達、ドレスなの?」

「シャンパン飲んでりゃ絵になるからだってさ」

「楽といえば楽だけど、ずっとこの恰好で外でシャンパン飲んでられる訳無いじゃない……」

「シャンパンじゃなくて熱燗飲めばいんじゃね?」

「ドレスで熱燗飲んでどうすんのよ」

「大丈夫大丈夫、ちゃんと売り子やってりゃ漣も文句言わないって」

「そもそもここじゃ、熱燗用意出来ないし」

「マジで寒いんだから現実逃避ぐらいいいじゃんかよぉ……」

「……何かごめん」

 ――すいません、一杯頂けますか?

「あっ、はい。少々お待ちください」

「よろしければあちらにシャンパンに合う軽食もありますので、そちらもどうぞ」

 ――ありがとう、見てきます。

「お待たせしました、どうぞ」

「ありがとうございました、ごゆっくりなさって下さいね」

「――猫被るのも慣れたもんよね」

「そこは素ってことにしとこうぜ」

「素なら胸元にしか目がいかないような奴爆撃するに決まってるじゃない」

「おっかないねぇ、飛鷹ってば」

「……提督、早く覗きに来なさいよ」

「飲ませて酔わせりゃここにずっと居させられっかもよ?」

「それは……ありね」

(アタシは冗談のつもりだったんだけどな……まっ、いっか)




――――お前等、寒そうだな……。

 ――――あー! 提督ー! 熱燗持ってきてー!

――――開口一番酒かよ。

 ――――しょうがないじゃない、寒いのよ……。

「皆、ちゃんと並んでね。ほらそこ、割り込みなんてしちゃダメよ! 良い子にしてないとサンタさんはプレゼントをくれないわ」

「あなた、迷子なの? 大丈夫、私が居るから心配しないで。すぐにお母さんを見付けてあげるからね」

「私は雷よ、サンタさんじゃないわ。プレゼントが欲しい子はこの列に並んでね」

「おばあちゃん、そんな薄着で寒くない? 待ってて、温かいお茶とカイロを持ってくるから」




「雷、そろそろ交代するよ」

「あっ響、もうそんな時間?」

「大変だったみたいだね」

「大変は大変だったけど、色んな人から“ありがとう”って言われて凄く嬉しかったわ」

「それはいいな、やりがいがありそうだ」

「暁達は?」

「さっきまで龍驤達のショーを見てたよ。雷も行ってみるといい」

「そうするわ。じゃあ響も頑張ってね」

「了解」




――――雷、お疲れ様なのです。

 ――――アレ、暁は?

――――あそこでトナカイクッキー貰える列に並んでるのです。

 ――――子供に混じっててもあんまり違和感無いわね……。

「待機という言葉にも、すっかり抵抗が無くなったな」

「そうですね」

「大和は完全武装か」

「サンタの恰好は少し恥ずかしいですけど、せっかくの皆で楽しむクリスマスですから」

「そうだな、全力で楽しむのが一番アイツも喜ぶだろうさ」

「――あの、武蔵」

「何だ?」

「赤鼻とトナカイの角、今は外しててもらってもいい? 思わず笑ってしまいそうで……」

「待機中とはいえ、これも立派な武装だ。外す訳にはいかんよ」

「提督がいらしても?」

「当然だな」

「そうですか……あちらでお腹を抱えて笑い堪えるのに必死みたいよ?」

「……意地でも外さん」




――――何でお前だけトナカイなんだよ……。

 ――――サンタの恰好だと上も着ろと言われたからな、これなら上を着ずともおかしくはない。

――――いや、違う意味でおかしいからな?

 ――――たまにはウケというのを狙ってるのも一興だろ?

――――清霜が見てはいけないものを見たって感じでさっき通りすぎたけどな。

「大盛況だね、朧ちゃん」

「うん、まだまだ頑張る」

「後どのぐらい焼けそうかな?」

「後五十枚は焼ける、多分」

「分かった、曙ちゃんに伝えてくるね」

「潮、コレ二人の分、持っていって」

「ありがとう、ヲーちゃんもお手伝いありがとね」

「ヲッ! トッピング頑張ル!」

「じゃあまた後で」

 ――ウィンタークラブ朧スペシャル二枚注文入ったわよー!

「朧、注文来タ」

「うん、ヲーちゃんは具材準備して、朧はピザ生地伸ばすから」

「ヲッ!」

「――注文してもいいか?」

「提督、ズルはダメ。表から注文してくれなきゃ焼かないよ」

「冗談だ、もう注文してきた。今作ってるそれが俺のだ」

「そう……じゃあ、一番美味しくなるように頑張る」

「贔屓はしていいのか?」

「デスソース、塗ってあげる」

「それ、焼くお前も大変なことになるぞ」

「冗談、多分」

「そこは言い切ってくれ」

「漣、楽しそうにしてた?」

「今も主催者として走り回ってるよ、こっちにもそのうち顔出すんじゃないか?」

「そう」

「お前はどうなんだ? 楽しめてるのか?」

「クリスマスも、他のイベントも、皆が楽しめてるなら、朧は好きです」

「そうか、なら良かった」

「――提督」

「ん?」

「メリークリスマス、ピザ生地、コレでいい?」

「メリークリスマス、珍しくていいんじゃないか、ハート型」




――――朧、サッキハ凄ク良イ笑顔ダッタ!……ドウカシタ? 朧ノ顔、今ハ凄ク赤イ。

 ――――ピザ焼いてるから、多分。

――――……焦ゲテルヨ?

 ――――あっ……。

「赤城、そのバレル何個目?」

「十八個目です。霞も遠慮せずに食べていいんですよ?」

「見てるだけでお腹いっぱいになったわ」

「それなら次は甘いものにしましょう」

「いや、そういう問題じゃないってば」

「でしたら、霞の行きたいところに行きませんか?」

「……青葉のとこ」

「青葉のところというと、特別記念撮影コーナーですね」

「写真、好きなんでしょ?」

「私の行きたいところではなく、霞の行きたいところでいいんですよ?」

「私も行きたいのよ」

「クリスマスぐらい、好きなことを――」

「赤城と二人で撮りたいの! 悪い!?」

「……分かりました、青葉のところですね?」

「くどいわね、だからそう言ってるじゃない」

「――ふふっ」

「何よ、急に笑いだして」

「いえ、小さくて可愛いサンタから思わぬプレゼントを貰えたものですから」

「はぁ!?」

(また、大切な思い出が増えそうね)




――――ではでは撮りますよー。

 ――――ちょっと赤城! 顔近いったら!

――――……ダメ、でしょうか?

 ――――……ほら、写るんだから笑いなさいよ。

――――(仲良き事は美しきかな、ってやつですねー)

クリスマスネタは後1つ書いて一応終わりにしたいと思います

――――クリスマスイベント終了後、撤収中。

「コレでツリーは最後か――ん?」

「ンショ……ンショ……」

(どうやらまた、深海棲艦のようだな)

「ンショ……ンショ……イタッ」

「大丈夫か?」

「っ!? ク、来ルナ!」

「その星が欲しいのか?」

「来ルナ!」

「っ……怯えなくていい、私はお前に危害を加えたりしない」

「カエレ! 来ルナ! アッチ行ケ!」

(中々効くな、ヲーちゃんの艦載機は豆鉄砲と聞いていたのだが……)

「大丈夫だ、すぐに取ってやろう」

「来ルナァァァァッ!」

(くっ……この長門に傷を付けるとは、小さいながら大したものだ)

「嫌、来ナイデ……」

「もう少しで――よし」

「ヒッ!?……?」

「星はここに置いておく。外は危険だ、隠れるならばこの鎮守府の敷地内がいいだろう。お前の仲間も居る、会いたくなったらまた来るといい」

「……オ前ハ、私ヲ追イカケナイノ?」

「追いかけずとも、待てばいいと学んだからな」

「……名前、教エロ」

「長門だ」

「ナガ、ト……長門、マタ、来ル」

「あぁ、待っているぞ」




――――あら、ツリー一つ運ぶにしては遅――長門!? ちょっとどうしたのよその目!?

 ――――そう騒がずとも大丈夫だ。それより、提督に入渠の許可を貰ってきてくれないか?

――――分かったわ、ちょっと待ってて。詳しい話、絶対後で聞かせてもらうわよ?

 ――――(近いうちに、またここの住人が増えるのか。胸が熱いな)




――――???が鎮守府敷地内で度々確認されるようになりました。

クリスマスネタこれにて終了

明日の昼12時よりリクエストを今回は3つまで受け付けます

更新出来ない日や書き貯めたいものもあるので…

・鳳翔&瑞鳳『玉子焼き以外』

・睦月『妹が風邪引いたのね』

・武蔵『提督と呼ばない日』

・元帥鎮守府『やり過ぎた』

・大鯨『間宮さんの着ていた服』

以上五本でお送りします

流石に3つだと少なすぎましたね…年明けまでには書きます

・鳳翔&瑞鳳『玉子焼き以外』、投下します

――――鳳翔宅。

「玉子焼き以外、ですか?」

「そう、玉子焼き以外にも色々覚えたいなーって思って」

「そうですね、提督も喜んで下さると思いますよ」

「べ、別にそれだけが理由じゃないのよ?」

「では、教えるのは提督の好物でなくても――」

「それ! それ教え……あっ」

「色々、じゃなかったの?」

「……出来れば、提督の好きそうなのがいいかな」

「ふふっ、じゃあ早速始めましょうか」

「何の作り方を教えてくれるの?」

「そうねぇ……アレにしましょう」

「後は固めれば出来上がりです」

「うん、大体流れは分かったかな。ありがとね、鳳翔さん」

「また何か覚えたくなった時は、いつでも聞きに来て下さいね」

「そうさせてもらうね。今のうちにお店の仕込みとか手伝えるなら手伝うけど、何かしようか?」

「それなら、少しお茶に付き合ってもらってもいいかしら」

「喜んで!」

「じゃあすぐに淹れますね。……あの、瑞鳳」

「?」

「そこに置いてある雑誌の付箋が付いているページ、開いてみてくれますか?」

「これ? これがどうかしたの?」

「……その服、私に似合うでしょうか」

(……ふーん、なるほどなるほど)

「鳳翔さん、明日一緒に街に行かない?」

「街、ですか? 恐らく、お昼過ぎなら時間はありますけど……」

「じゃあ決まりね」




――――これなんてどうかな?

 ――――少し派手ではありませんか?

――――このぐらいなら鳳翔さんの雰囲気崩れないから大丈夫だって、ね?

 ――――……試着だけ、してみますね。

――――(和服以外の鳳翔さん、初めて見るかも)

書けというお告げがあったので曙で大掃除ネタも考えます

最初に書いた曙が掃除ネタだっただけにスルー出来ない

今日更新頑張る、山雲は年始頑張る、木曾城こんにちは、潜水艦は2月スレ立て予定でち

・睦月『妹が風邪引いたのね』、投下します

長月は紛れもなく普通の風邪です

――――睦月型私室。

「長月、具合はどうかにゃ?」

「あぁ、だいじょゲホッ!……大丈夫だ」

「バレバレな嘘吐かないのですよー。今日は部屋から出ちゃダメなのね」

「このぐらい何て事は無い」

「睦月の言うことを聞くのです」

「長月に命令していいのは司令官だけ――」

「聞・け・な・い・の?」

「……分かった、休もう」

「じゃあ大人しく布団に戻りましょー」

「多少咳が出るだけだ、床に着く必要は無い」

「いいから戻るのですよー」

「強引な姉だな全く……コレでいいんだな?」

「うむ、よいぞ!」

「似合わないな、そのセリフ」

「長月だって人のこと言えないのね」

「……りんご、剥いてくれ」

「ウサギさんにしてあげよっか?」

「普通でいい」

「遠慮しなくてよいのだぞー?」

「睦月がそうしたいだけじゃないのか?」

「バレてしまっては仕方無いのでウサギさんにするのです」

「まぁ食べられるなら文句は無いさ」

「……ねぇ、長月」

「何だ?」

「体調が悪いなら、隠さないで欲しいのね」

「こんなものはただの風邪だ、命に関わる様なものじゃない」

「ただの風邪でも、睦月は心配なのです」

「……分かった。次からは、そうする」

「よしよし、長月は良い子なのですよ」

「んぅ、頭を撫でるな……そんなことよりもりんご、早くしてくれ」

「はい、あーん」

「自分で食べれる」

「あーん」

「食べれると言っている」

「あーん」

「…………あーん」

「はい、ウサギさん」

「――おい、このウサギ耳が片方取れているぞ」

「ちょ、ちょっと今回は失敗しちゃっただけなのね」

「全く、頼りになるのかならんのか分からん姉だ」

「むー、もっと睦月を頼って良いのだぞー?」

「気が向いたらな」




――――……寝るまで、手を握っていてくれないか?

 ――――それぐらいならお安いご用なのですよ。

――――あぁ……こいつは良い夢が……見れそう……。

 ――――(お休み、長月)

・武蔵『提督と呼ばない日』、投下します

一騎当千の呂布みたいに羽織ればどうということはない(サラシキャストオフ)

――――提督執務室。

「来たぞダーリン」

「・・・・・・あぁ、武蔵か」

「どうしたダーリン」

「お前こそどうした、頭でも打ったか? それとも何かの罰ゲームか?」

「私は至って正常だぞダーリン」

「鳥肌、立ってるぞ」

「ダーリンこそ、顔がひきつっているぞ」

「意地でもその呼び方続ける気か……」

「どうだダーリン、これで少しはむさぴょんと呼ばれた私の気持ちが分かっただろう」

「……悪かった、謝る。だからもうその呼び方はやめろ」

「そうだな、お互いに得が無い。長崎旅行で手を打とう」

「そういえば、まだ行ったこと無かったな」

「カステラだけは赤城が土産に持って帰って来たんで食えたんだがな、実際に長崎の街をこの目で見てみたい」

「分かった、次の秘書艦日に行けるよう調整しておく」

「数年遅れのハネムーン、というやつか」

「ハネムーン、なんて柄じゃないだろ」

「これでも私は女だぞ、そういったものに少しは興味もある」

「なら旅行中はダーリン、ハニーって呼び合うか?」

「それこそ私の柄じゃない」

「――肝心な事を思い出した」

「胸を見るのは構わんが、触りたいなら夜にしろよ? 朝からは流石に私も気が乗らんぞ」

「そうじゃない、旅行に行きたきゃ上を着ろ。この付近ではもう珍しくも無くなってるからいいが、いくらなんでも旅行先で余計な面倒事は避けたい」

「了解だ、羽織るだけなら考えておく」

「……珍しく簡単に折れたな」

「余計な面倒事で時間を割かれるのは、私も望んでいないさ。――なぁ、提督よ」

「何だ?」




――――ウェディングドレスなら……まぁ、いつでも着てやらんこともない。

 ――――……特注になりそうだな。

・元帥鎮守府『やり過ぎた』、投下します

和を着せるなら次は洋

――――元帥鎮守府。

「ちょっとクソ親父! 何なのよコレ!」

「これ、ドアは静かに開けんか曙。――ふむ、可愛いドレスじゃな、自分で買ったのか? 儂は知らんぞ」

「しらばっくれんじゃないわよ! 私の服どこやったの!?」

「卯月、知っとるか?」

「うーちゃん知らないぴょん」

「そういうのいいから早く服返して、これじゃどこにも行けないじゃない……」

「今日は休暇だろう。その格好で何も問題は無いじゃないか」

「問題大有りよ! 今日は潮と二人で少し遠くまで出掛けるんだから」

「そうかそうか。だったら卯月、この前のアレを出してやったらどうじゃ?」

「了解でぇーっす。こんなこともあろうかと発注しといた曙用対大掃除特化型和服だぴょん」

(何でこんなのが元帥とその秘書艦やってて、この国大丈夫だったのかしら……)

「三角巾、竹箒、ハタキ、オプション品もバッチリ!」

「ほぅ、これはポイントが高いのぅ」

「もう小芝居はいいから服返してくれない? 潮待たせてるんだから」

「そうつれないことを言わず、老い先短い老人の頼みを聞くと思って着てみんか?」

「どこが老い先短いのよ、殺しても死にそうに無い癖に」

「流石に首撥ねたら死ぬぴょん」

「それは誰だって死ぬっての」

「――実はな曙、この前健康診断で……」

「ちょっと、何よ急に真面目な顔して、騙されないわよ?」

「……治らない、そうです」

「卯月、アンタまで冗談キツ……ホント、なの?」

「信じたくはありませんが、はっきりと医者に宣告されました」

「ちょっと、え? 嘘よね……? 嘘って言ってよ……」




 ――全部嘘だよ、曙ちゃん。

「潮……?」

「元帥なのにバカなところは死んでも治らないってかかりつけのお医者様に言われたの。古くからの友人なんだって」

「簡単にバラすとつまらんじゃないか潮、もう少しで曙が泣きながら儂に――」

「ちょっと黙っててね嘘つきで最低なお爺さん」

「」

「フリーズしたぴょん。相変わらず潮はキツイぴょん」

「卯月ちゃん、今度リゾット作るから手伝ってね。温かいお湯を用意して待ってるから」

(笑ってるのに目が笑ってないですね……ちょっとやり過ぎたか)

「曙ちゃん、朧ちゃんが服貸してくれるみたいだから着替えて早く行こ」

「へっ? あ、あぁ、そうね。二人とも、帰ってくるまでに服は戻しときなさいよ!」

「それじゃあ行ってきます」

「……ちとやり過ぎたかのぅ?」

「素直に言えない子しか居ませんからね、ここは」

「素直に言ってもいいんじゃぞ?」

「寿命消費おめでとうございます。精々長生きして下さい」

「ひねくれとるのぅ……」




――――潮、決まった?

 ――――うん、ボケ防止にゲーム。

――――それ、ネタなの? 本気?

 ――――コレ、パーティーゲームだから。

――――提督執務室。

「決まったぞ」

「何が決まったんですか?」

「改二」

「誰の?」

「お前の」

「フユキじゃなくて?」

「そんな艦娘は居ない」

「私?」

「あぁ」

「や……や……」

「や?」

「やったあぁぁぁぁぁっ!!」

「うおっ!?」

「司令官、私、やっと、やっとぉ……」

「何も泣くことはないだろ……ほら、鼻水拭け」

「あ゛い……」

「――おめでとう、吹雪」




「今回の改二はどういった理由だ?」

『パンツ、パンツ』

「相変わらず公表出来ん理由じゃな、全く……」

足柄さん改二は長くなりそうだったから咄嗟に書けなかったでち…

那智さん同時実装を密かに期待してたからネタが1つボツった…

・大鯨『間宮さんの着ていた服』、投下します

龍鳳になりますん

――――食堂。

(改めて見ると、凄いデザインですね)

 閉店後の食堂で一人、大鯨はとある服を広げて見つめていた。
 某給糧艦曰く、一部分だけを直せば冬場は常に着てていいかもしれない着心地の服だ。

(……ちょっとだけ、わたしも着てみようかしら)

 羞恥心に興味が勝り、大鯨はその服に袖を通す。既に間宮と伊良湖が自室へと戻っており、ここへは誰も来ないという安心感が彼女の行動を後押ししていた。

(――確かにこれ、着心地は凄くいいかも)

 やや胸元が不安なものの、彼女の胸部装甲も中々の厚みがあり、着れないという程ではない。
 店先に出る前に身だしなみをチェックする鏡の前で、大鯨はクルクルと回って全身を確認する。

「提督に見せたら、喜んでくれるでしょうか……」

 保護してもらった恩、今の楽しい生活を与えてもらった恩。それを返したいと言ったら首を横に振られ、ケッコンカッコカリしたいと申し出た時もまた、彼女は首を縦に振ってはもらえずにいた。

(最初は本当に恩返しがしたいという気持ちだけでしたけど、今は……)

 胸にそっと手を当て、大鯨は目を閉じて提督の顔を思い浮かべる。肌が露出しており一番冷えやすいはずのそこは、徐々に早くなる心臓の鼓動に合わせて、次第に熱を帯びていった。

(わたしも、皆と同じ提督との絆が欲しい。例えもう戦う必要が無かったとしても、あの人の為に、皆と戦える強さが欲しい……)

 守られる側から、守る側へ。彼女の静かな決意の固さは、鳳翔と密かに演習して到達した練度の高さが物語っていた。

(うん、決めました。明日もう一度提督に話を――?)

 目を開けて数秒、あり得ないことが起きているのに気付く。鏡越しに、誰かと視線が合っているのだ。
 まるで壊れかけのブリキのロボットのように、大鯨はゆっくりと後ろを振り向き、自分の今着ている服の持ち主の顔を直に見る。

「あのね大鯨ちゃん、私はちょっと忘れ物を取りに来ただけだから、今日ここで見たものは誰にも言わないわ。だから、えっと……ごゆっくり?」

「あぅ……あ……」




 次の日、大鯨が自室から出てくることは無かった。

リクエストは年始までお休みでち

曙ネタと年始ネタ書いたらまた取ります

――――提督執務室。

「そこ、もう少し綺麗に拭きなさいよねクソ提督」

「嫁に小言言ってくる姑かお前は」

「毎日毎日艦娘を連れ込む部屋なんだから、綺麗な方が都合が良いんじゃないの?」

「極一部で流行ってるよなその言い回し。仮にその通りだとして、今日連れ込まれてるのはお前だけど、いいのか?」

「お、大晦日に何考えてんのよこの変態クソ提督!」

「ハタキを投げるな雑巾を投げるな台から落ちる危ない!」

「……新年、綺麗な部屋で迎えた方が気持ち良いでしょ?」

「その気合いの入ったいかにも掃除してますって服で言われたら説得力があるな」

「漣がどこからか持ってきたのよ、一着も二着も準備するのに手間は変わらないとか言いながら」

(恐らくもう一着は元帥のところか……)

「ねぇ……変じゃない、わよね?」

「いつも着てる様な服とはまた印象が変わってて良いと思うぞ、その花の髪留めとも良く合ってる」

「変かどうかだけ答えれば良かったのに……ホント、クソ提督なんだから」

(今度は洋服じゃなくて和服にしてみるか)

「手、止めてないで早くやったら?」

「りょーかい」

「やっと粗方終わったわね」

「後は床掃除だな」

「じゃあ雑巾がけしてからワックスで――ってきゃあっ!?」

「曙!?」

「やっぱり、慣れない服なんか着るんじゃなかったわ……」

「見たところ怪我は無さそうだが……ずぶ濡れだな」

「寒いし気持ち悪い、着替える」

「あぁ、じゃあまた後でな」

「だから、着替えるって言ってんでしょこのクソ提督」

「……ひょっとして、ここで着替えるのか?」

「濡れたまま駆逐艦寮まで戻れっての?」

「……それもそうだな。適当にそこから合うやつを探せ」

「言われなくても分かってるわよ、あたしの買った服も何着か置いてあるもの。多少サイズがキツいかもしれないけど、それで我慢するわ」

「じゃあ着替え終わったら呼べ、外で待ってる」

「いいからクソ提督は掃除してて。その代わり、こっち向いたらタダじゃ済まさないから」

「分かった分かった。ほら、さっさと机の裏ででも着替えろ、風邪引くぞ」

(えーっと……あっ、あった。コレ、濡れると脱ぎにくいなぁ……あ)




――――あの、クソ提督……。

 ――――どうした? 着替え終わったのか?

――――まだこっち見んな!……その……服、貸して。

 ――――俺のだとデカ過ぎるだろ。

――――いいから貸しなさいよクソ提督!

上を忘れることはあっても下を忘れることは無いらしい

最近はキャミソールを下に着てることが多いけど、濡れてしまってはしょうがない

結論、ちゃんと履こう

「年越しそばは全員に行き渡ったなー?」

 ――はーい!

「寝そうな奴はそばに撃沈しないように起こしてやれー」

 ――姉さん、もう少しですから頑張って。

 ――吾輩は……寝かけてなど……おらぬ、のじゃ……。

「七味を横の奴のそばに大量に入れようとするのはやめろよー」

 ――怒ってなんか……ない、ですよ?

 ――怒ってるぴょん! そのグーは絶対怒ってるぴょん!

「独創的なそばにアレンジするのはいいが、しっかり食えよー」

 ――お姉ちゃん、玉子焼き、入れる?

 ――せっかくだし、入れてみましょうか。

 ――色々試してみても、いいんじゃない?

 ――マスター、乗せすぎです。

「よし、じゃあ全員準備はいいな。作ってくれた間宮と材料提供してくれた鳳翔に感謝を込めて――」

『いただきます!』

本年はこのスレにお付き合いくださり誠にありがとうございました

来年ももうしばらくは続ける予定ですので、まだお付き合いくださる方はどうぞよろしくお願い致します

それでは皆様、良いお年を





新年一発目のリクエストはマルマルマルマルより五つまで受け付けます

・初霜『悪というものになってみる』

・飛鷹『バカ』

・武蔵『着崩し』

・第七駆逐隊『書き初め』

・赤城『お守り』

以上五本でお送りします

フライングの方はごめんなさい…

「新年明けた途端に死屍累々、か」

「普段から夜更かしな子は起きているようね」

「酒飲んで潰れた奴も居るし、誰が大丈夫なのか分からんな……」

「まだ飲み続けるなら、先に駆逐艦の子達を運ぶのを手伝うように言ってきます」

(浦風に背負われてる空母がいる気がするが、気にしないでおくか)

 ――あーかぐさぁんだぁ……。

 ――瑞鶴、貴女は少し酔いすぎです。翔鶴は……。

 ――すぅ……すぅ……。

 ――……本当に、手間のかかる子達ね。

(加賀も捕まったか……となると後は)

「赤城、大和、悪いが手伝ってくれ」

「了解しました」

「大和にお任せ下さい」

「――さて、俺はコイツ等をどうするかなぁ……」

「んぅ……クソてーとく……」

「しれぇ……」

「てーとくぅ……」

(……もう少し、このまま寝かせとくか)

「きゅーきゅーかんばくはーあしがかわいいのよーあしがー」

「ごめんなさい、瑞鳳が壊れたテープレコーダーみたいになってるから先に戻りますね」

「うん、足元気を付けてね。千代田もお姉が那智さんと飲んでるから控え目にしとかないと……」

「キミ等は大変やね。うち等は気楽な姉妹艦居らん勢やし、帰れさえしたら問題無いから気楽やわ。なぁ鳳翔?」

「あら、たまに無理矢理押し掛けてきて、閉店しても帰らない困ったお客様は誰だったかしら」

「鳳翔の家広いし、寝る場所には困らんやん」

「次からは宿泊費としてお店を手伝ってもらいますね」

「えぇけど、うちは鳳翔程の料理の腕は無いで?」

「大丈夫です、表で呼び込みをしてもらうだけですから」

「凍えるし店目当ての客しか通らんやないかアホ!」

(何だかんだこの二人、仲良いなぁ……)

「あら? 長門、どこ行くの?」

「少し夜風に当たってくるだけだ、すぐ戻る」




「――少し、料理を取り分けておいた。多少冷めてはいるが、美味しいぞ」

「……カエレ」

「あぁ、また気配を感じたら来る。器はその辺に置いておいてくれ」




(……美味シイ……暖カイ)

「マタ、近クマデ来テルワネ」

「電波乙」

「厨二乙」

「二人共、何処デソンナ言葉覚エテキタノヨ……」

「「漣」」

(駆逐棲姫ハ良イトシテ、ヲ級ハ天然ダシ変ナ言葉ヲ教エルノハヤメテモラエナイカシラ……)

「アノ子ハ警戒心強イカラ仕方無イ。ソノウチ、安全ダト確信シタラ来ル」

「なのトてーとく、アレハ安全ト言ッテイイノカ?」

「舐メラレルノト甘噛ミサレルノニ目ヲ瞑レバ安全ヨ、生キタ心地ガシナイ時ハアルケレド」

「ソレ、離島ダケ」

「良カッタナ、ナツカレテイテ」

「嬉シクナイワヨ!」

「アノ子来タラ、賑ヤカニナリソウ」

「元カラ此処ハ賑ヤカダ」

「違イナイワネ」

・初霜『悪というものになってみる』 、投下します

グレるの 法則が 乱れる!

――――提督執務室。

「――初霜がグレた?」

「お主、何ぞ心当たりは無いかのぅ?」

「心当たり、と言われてもなぁ……」

「グレたとは言うても、さして今のままでも問題は無い可愛らしいものよ。とはいえ、やはり心配なものは心配じゃ。この件、よろしく頼みますぞ?」

「分かった、話を聞いてみる。それにしても、あの初霜がか……想像出来ん」

「あれは根が真面目じゃからのぅ、人知れず鬱憤を溜めておったのやもしれぬなぁ……」

(とにかく、話を聞かんことには始まらん。この後すぐに行ってみるか)

――――初春型私室。

「初霜、居るか?」

「私に何か用?」

(……何だ? 何ていうかこう、色々おかしいな)

「なぁ、何で部屋の中でサングラスかけてるんだ?」

「かけたいから」

「シガレットチョコ、袋のままくわえて楽しいか?」

「買ったものをどうしようと私の勝手でしょ」

「その虎と龍の絵のジャンパー、どこで手に入れたんだ?」

「黒潮が古着屋で大量買いした中に混じってたの」

(……グレてる、のか?)

「用が無いなら帰って、今から金剛さんのカフェでスマイルを注文して三時間粘るので忙しいの」

「榛名が余裕で三時間やりかねんから意味無いぞそれ。――で? そんなことをする理由は何だ?」

「……提督のせいよ」

「俺、何かお前の気に障る様なことしたか?」

「私の言うことを、全然守ってくれないじゃない」

「一人で外出する時には必ず同行させろって奴か? なるべく最近は一人での外出は控えてるぞ?」

「“控える”じゃなくて、“絶対にしない”ようにしてもらいたいの」

「そうは言うが、緊急で出掛ける場合もあるしなぁ……」

「守ってくれないなら、これからも悪逆非道の限りを尽くしてみせます」

(悪逆非道? スマイルで三時間粘るのが初霜の中では悪逆非道なのか……?)

「はぁ……分かった、緊急時には鎮守府放送で報せて誰かに同行を頼むようにする。可能な限り、お前にも声をかける」

「その言葉、信じていいのね……?」

「あぁ、だからその似合わないのはさっさとやめろ」

「……実はコレ、結構恥ずかしかったの」

「安心しろ、それが恥ずかしくない奴はこの鎮守府には居ない」




(若葉は悪くないと思っていたんだが……そうか、恥ずかしいのか……だが、あえて着てみるのも悪くない)




 プチ悪駆逐艦ブームが到来しました。

「ねのひは、可愛いだけじゃないんだよー?」

「ねのひ、カツアゲの日ー」

「初霜、ちゃんと悪い子演じられてるかなぁ……」

 ――子日ちゃん、もうそろそろ揚がりそう?

「うん、こんがりきつね色だよぉー」

 ――じゃあ十三番にお願いねー。

「はーい、ねのひ、食堂当番の日ー」




 初霜は相談する相手を間違えていたようです。

・飛鷹『バカ』、投下します

――――提督執務室。

「提督、どう? 似合ってる?」

「何だ、十二単じゃないのか」

「殴られたい?」

「冗談だ、似合ってる」

「ふふっ、ありがと」

「流石に左前とか古典的なネタの心配はいらなかったか」

「隼鷹も私もその辺はキッチリしてるから大丈夫よ。あっちは今頃飲んで着崩れまくってるかもしれないけどね……」

「全部脱がなきゃセーフってことにしておく」

「提督はこういうの着ないの?」

「悪いが俺に女装の趣味は……」

「わざと? ねぇ、わざと?」

「落ち着け飛鷹、せっかくの着物を俺の鼻血で染めるのは勿体無いだろう?」

「そんなキツく殴らないってば」

「違う、問題はそこじゃない」

「全く、年も明けたっていうのに人をからかう癖はちっとも変わらないんだから」

「からかう相手は決め――だから待て、初爆撃とかめでたくも何ともないぞ」

「……せっかくの着物なんでしょ? もう少し色々無いの?」

「髪、結わなかったんだな」

「隼鷹は結ったんだけどね、どっかの誰かさんにぐちゃぐちゃにされそうだったからやめたわ」

「そうか、少し残念だ」

「やっぱり、結った方が良かった?」

「どっちも見たかったってのが正直な感想ではある」

「じゃあ次は結ってみよっかな」

「……」

「何? 人の顔ジッと見て」

「そうして座ってると本当に深窓の令嬢って感じだな、黙ってればだが」

「口が悪くて悪かったわね……」

「せっかくだし、帯回しでもするか?」

「どこがどうなったらそういう発想にたどり着くわけ?」

「着物、綺麗な女、帯回し、そこまで突飛な発想でもない思うが」

「……やりたいの?」

「どうしてもって程にやりたくはないが、どんなものか気になってはいる」

「……しょうがないわね、付き合ってあげるわよ」



――――予想通り、短すぎて回した気にもならんな。

 ――――感想、それだけなの?

――――他にどう言えってんだ。

 ――――……バカッ!

――――ゴフッ!?

 ――――(ちょっと期待した私がバカみたいじゃない、もうっ!)

・武蔵『着崩し』、投下します

――――鎮守府、各艦種寮区域前。

「武蔵、それじゃまるで花魁ですよ?」

「五月蝿く着ろと言うから着てやったんだ、着方まで指図される筋合いは無い」

「言うだけ無駄じゃぞ大和、こやつのは一種の露出癖に近いからなぁ」

「鏡を見てから言ったらどうだ?」

「失敬な! 吾輩はちゃんと今は履いておるぞ!」

(ほとんどどんぐりの背比べじゃねぇか……)

「私は着物って走れなくてやだなー」

「貴女にとっては、落ち着きというものを学ぶ良い機会ね」

「加賀よ、お前にだけは島風も言われたくないと思うがな」

「どういう意味かしら」

「自覚していないのか? さっきから歩幅が徐々に大きくなってきているぜ」

「何々? 競歩するの?」

「……気のせいです」

「そうか、気のせいならば私は気にせず先に行かせてもらうぞ」

「やっぱりやるの? 武蔵にだって足の速さなら負けないよ!」

「新年早々賑やかな奴等だ」

「そういう木曾も振袖はしっかり着てるんですね」

「大井姉が提督が喜ぶから着ろってしつこかったんだよ、別に俺は普段着でも良かったってのに……」

 ――最後に来た奴がお汁粉を七人分運ぶってのはどうだい?

 ――いいでしょう、受けて立ちます。

 ――速さなら島風が一番だよ!

 ――うむ、異論は無いぞ。

「……お前の妹、うちの姉貴達と同類だな」

「お互い、苦労するわね」

 ――そこの二人は不戦敗でいいのか?

「仕方ねぇ、付き合ってやるか」

「戦艦大和、本気で行くわ!」

――――提督執務室。

「――で? お前達は新年早々何で走り込みみたいなことをやってるんだ?」

「一着は譲れません」

「どう考えても私の胸部装甲が最初にここに入っただろう」

「大和が一番ですか、とても晴れがましいですね」

「お前等の目は節穴だな、俺が一着だ」

「吾輩が一番に決まっておる」

「絶対私が一番だよ! だって速いもん!」

「……とりあえず、武蔵以外は自分の今の格好を鏡見て直してこい」

「「「「「……あ」」」」」




――――提督よ、こういう格好の私も、悪くないと思わないか?

 ――――お前、それが一番先に言いたくて競争させたのか?

――――質問に質問で返すのは野暮ってもんだぜ?

 ――――……力強くもあり、美しくもある、お前らしくていいと思うぞ。

――――ふむ……だったらもっと近くで見せてやるとしよう。

 ――――(あっ、これは多分五秒後にはここが――)




 三秒で執務室が吹き飛びました。

・第七駆逐隊『書き初め』 、投下します

――――第七駆逐隊私室。

「墨よーし、筆よーし」

「蟹、よし」

「蟹はいらないでしょ」

「朧ちゃんの文鎮、蟹だから」

「そんなのあるんだ」

「三人とも、書く言葉のチョイスはオケ?」

「朧は大丈夫、決まってる」

「まぁ……一応、ね」

「書くならこれかなって、思います」

「じゃあちゃちゃっとその熱いパトスをキャンバスにぶちまけちゃいましょー」

「半紙よね、コレ」

「あはは……」




「――よし、書けたわ」

「うん、良い出来」

「ちゃんとうまく書けてるでしょうか……」

「ちょっと本気出し過ぎちゃいました」

「それで、この書初めどうするの? まさかどこかに貼るなんて言わないでしょうね?」

「イグザクトリー、ご主人様の部屋に今から貼りに行きますが、何か問題でも?」

「く、クソ提督の部屋っ!?」

「漣ちゃん、それはちょっと私も恥ずかしいかなって……」

「朧はいいよ、見られても恥ずかしくないし」

「漣、そんな勝手な事許さ――って居ない!?」

「み、皆の書き初めも無くなってる……」

「漣なら、二人が戸惑ってるうちに出てったよ」

「ちょっと何で止めないのよ朧!」

「四人のを並べて貼るの、朧は賛成」

「うぅ……恥ずかしいよぉ……」

(クソ提督の部屋に私の書き初めが……? 冗談じゃないわ!)




――――私の書き初め返しなさいよ、このクソ提督!

 ――――って言ってるが、曙の書き初めはどれなんだ?

――――あーうっかり名前の部分を墨で塗りつぶしちゃったので分かりませんねー。

 ――――そうか、じゃあこの“素直になる”って書き初めも四人のうちの誰のか分からんな。

――――……私が書いたの、それじゃないけど?

 ――――……何?

朧:『毎日楽しく』

曙:『お礼を必ず口にする』

潮:『自信をもっと持つ』

漣:『もっと素直になる』

・赤城『お守り』、投下します

赤城さんが慢心?んなばかな

――――神社。

「珍しいな、いつもならこういう時は他の奴に行く権利を譲ってたのに」

「“ご褒美”、だそうです」

「褒美、か。そりゃ受け取らなきゃ罰が当たるな」

「えぇ、ですから提督のご褒美も期待しておきますね?」

「……新年早々財布を空にするとかはやめてくれよ?」

「大丈夫です、そういったものを望んでいるわけではありませんから」

「そうか、そりゃ安心だ」

「――提督は、今年は何をお願いするんですか?」

「そうだな……全員の姉妹艦の着任でも願っとくか」

「ふふっ、今よりも更に賑やかになって毎日大変そうですね」

「そういう赤城はどうなんだ?」

「秘密です」

「おい、人に聞いといてそれは卑怯だろ」

「あっ、私達の番ですね」

(流しやがった……)

「あの、提督……」

「ん? どうした?」

「お財布を忘れてしまったみたいで、その……」

「持ち物確認を怠ったな、慢心だぞ? ほら、五円だ」

「すいません、ありがとうございます」




(全員の願いが叶いますように)

(今の幸せが、ずっと続きますように)

「どうする? 御神籤引くか?」

「そうですね、引いてみましょうか。あっでも……」

「気にするな、それぐらいは出す」

「はい、ではお言葉に甘えさせて頂きます」




(中吉……待人、必ず来る、か)

「赤城、そっちはどうだった?」

「……」

「赤城?」

「……はい? 何か言いましたか?」

「御神籤、どうだったんだ?」

「今年は大吉でした。提督はどうだったんですか?」

「中吉、まぁそこそこだ」

「では、あちらに結んでそろそろ戻りましょう」

「あぁ、じゃあどこか近場で食べて帰るとするか」

「でしたら、良いお店を知ってますのでご案内しますね」

「そりゃ期待出来るな」

「はい、とても美味しいですよ。――すいません提督、用事を思い出したので階段を降りたところで待っていて下さい」

「……分かった、下で待ってる」




――――そういえば、結局俺からのご褒美は何をやればいいんだ?

 ――――大丈夫です、もう貰いましたから。

――――……? 俺、何かやったか……?

 ――――はい、しっかりと。

それではまた五本までリクエストを受け付けます

きっと他のスレの方が争いは熾烈だと思うでち

・叢雲『別に喜んでなんかないわ』

・朝雲&山雲『悪い子じゃ無い』

・雲龍『お礼』

・野分『身体の節々が痛い……』

・五月雨&比叡『一緒に料理』

以上五本でお送りします

山雲書いたら出るよね…

大丈夫です、きっと書いたら着任します

あきつ丸も浜風も(五ヶ月後に)着任しましたからきっと大丈夫です

叢雲『別に喜んでなんかないわ』、投下します

ケーキ食べてテンション上がる叢雲可愛い

――――提督執務室。

「はい、アンタにあげるわ」

「チョコマフィンか、作ったのか?」

「クリスマス用に買ってあった材料の処理よ」

「――ん、甘さは控え目で食いやすいな」

「アンタが文句言うから控え目にしたんじゃない」

「別に文句は言ってないぞ。毎日は絶対に無理だなって言っただけだ」

「バカが全部食べきろうとするからでしょ」

「残したらせっかく作ってくれた奴等に悪いだろ。一応、プチホールサイズには全員してくれてたしな」

「その年で糖尿病とか情けなくて目も当てられないし、まぁ精々気を付けなさい」

「健康には気を遣ってるつもりだから安心しろ」

「アンタ、脳味噌詰まってんの? 時々徹夜で書類書いてて秘書艦娘に心配かけてる癖に何が安心しろよ、バカじゃないの?」

「叢雲、上官に向かってバカとは何だバカとは。言葉遣いには気を付け――」

「論点すり替えなんかさせないわよ。第一、“クソ提督”と“クズ”と“お前”と“アンタ”に一切何も言ってこなかった上に元帥を“クソじじい”呼ばわりしてるアンタには絶対言われたくないわ」

(ぐぅの音も出ねぇ……)

「そ、そうだ叢雲、吹雪の改二が決まったが、お祝いはするのか?」

「やるわよ、当然じゃない。既に白雪達とバレない様にパーティーの準備を着々と進めてるし」

(よし、すり替えせいこ――)

「当然、もう吹雪へのプレゼントは用意してあるんでしょうね?」

「・・・・・・」

「……今すぐ出掛けるわよ、その書類を後五分で終わらせなさい」

「ちょっと待て、無茶言うな。そんなすぐに終わる書類じゃないぞコレ」

「聞こえなかったの? 終 わ ら せ な さ い」

「分かった、分かったからその物騒なモノはしまえ」

「ったく、余計な手間かけさせんじゃないっての」

「ホント、仲良いよなお前等」

「ずっと顔合わせてる相手と仲悪いのが嫌なだけ、それだけよ」

(素直じゃないな、コイツも)

「そんなことよりさっさと書類終わらせなさい、遅れたら夕飯作らないわよ?」

「その時は俺が作るとするさ」

(……それもありね)




――――叢雲、これなんてどうだ?

 ――――それだと初雪と種類が被るからやめときなさい。

――――いや、これはお前にだぞ。

 ――――……あっそ、だったらいいわ。

「提督さんからのお知らせを伝えるけぇ聞いてつかぁさい。朝雲と山雲の話は着任含めて二本分を一つにまとめて書くらしいんじゃ」

「良く出来たわ浦風、完璧ね」

「姉さん、流石にこれぐらいは誰でも出来るけぇ誉められてもあんま嬉しゅうないよ……?」

「不知火神」

「……うちが悪かった。じゃけぇあの劇のことははよう忘れてあげるんじゃ」

(アレはアレで可愛かったとも思うし、浦風も読み間違ったりしないかしら)




着任しちゃいました

――――遊技場。

「ここ、本当に鎮守府なの?」

「見紛うことなく鎮守府だ」

「あそこで霰が着ぐるみ着て風船配ってるんだけど」

「今日はペンギンだな、機嫌が良いらしい」

(私の妹ってあんな子だったっけ……?)

「基本的に駆逐艦と軽巡にここは任せてるが、ベンチで日向ぼっこしながら監視してる空母も居るから紹介しておく。ここで分からないことがあればそいつに聞くといい」

「そんなことより、ここって鎮守府として本当にちゃんと機能してるの?」

「その辺も会って聞けば分かるさ、来た頃はお前より不審がってた奴だからな」

「ふーん……本当にこんなところで待ってたら、山雲が来るのかしら……」

 ――貴女、大丈夫?

 ――はい~何とか~。

「あそこに居るのがそうなんだが、誰か介抱してるな。少し待ってから――」

「山雲!? 嘘でしょ!?」

(……手間が省けたと思えばいいのか、手間が増えたと思えばいいのか……とりあえず、間宮に一人追加って連絡しないとな)

「あら~朝雲姉久し振りね~」

「山雲、何でベンチで横になってるの?」

「コーヒーカップで回しすぎたみたい」

「朝雲姉が居る様な気がしたから来たんだけどー、面白そうなものがあったからつい乗っちゃったの~」

「私が探し回ってたっていうのに、本当にマイペースなんだから、もうっ」

「そうなの~? それはごめんなさいねー」

「……でも、また会えて良かったわ」

「山雲も~嬉しいわ~」

(……私、ひょっとしてここに居ると邪魔なのかしら)




――――山雲が着任しました。

時間が無かったので分割にします

続きは起きてから書きます

・朝雲&山雲『悪い子じゃ無い』、投下します

――――食堂。

「司令さ~ん、私もここに住んでいいのー?」

「山雲」

「特に問題でも無い限り、ここは無条件で受け入れるからな」

「へ~じゃあお言葉にー、甘えさせてもらうわねー」

「山雲ってば」

「必要な書類とかは後で渡す。ここでの生活については朝潮達にでも聞け、姉妹艦がまだ一番聞きやすいだろ。後の細かいことは各施設の管理艦娘にでも聞くといい。秘書艦はローテーション制だからその内やってもらうが、すぐには回って来ないから安心してくれ」

「部屋割りは~どうなるのー?」

「やーまーぐーもー?」

「基本的には同型艦で一部屋だ」

「じゃあ朝雲姉もー同じ部屋なのねー、嬉しいわー」

「やーまーぐーもー!」

「朝雲姉、何かしらー?」

「ずっと抱き着かれてると料理食べにくいんだけど」

「あーん」

「自分で食べられるでしょ」

「朝雲姉がー冷たくて悲しいわー……」

「もうっ、分かったからそんな声出さないでよ。ほら、何が食べたいの?」

「そこの煮物、美味しそうねー」

「煮物ね、分かったわ」

「あー、煮物で思い出したわ~。司令さーん、家庭菜園をー作ってもいいー?」

「構わんぞ、好きにしろ。その煮物に使ってる野菜も半分はここで収穫したものだ」

「じゃあ朝雲姉、一緒に作りましょー、ねー」

「私が手伝うのは決定なんだ……まぁいいけど」

「次はーそっちのお漬け物が食べたいかしらー」

「芝漬け? たくあん?」

「たくあんがいいわー」

「野菜が好きなら鳳翔のところに行ってみるといい、新鮮な野菜を食べさせてくれるぞ」

「そうなのー? それは楽しみー」

「山雲、次は何食べたい?」

「卵かけご飯がー食べたいわー」

(……朝雲が探してた理由、何となく分かったかもしれん)




――――お前の言う通り、多少マイペース過ぎるが、悪い奴ではないな。

 ――――時々妄想の世界に入り込んじゃうこともあるけど、少ししたらちゃんと戻ってくるわ。

――――すぅ……すぅ……。

 ――――(書類は、また明日にするか)

・雲龍『お礼』、投下します

※建造時に戦闘以外に必要な一般常識とかを意図的に奪われているので若干口調や行動が突飛なものになっていたりするという設定あり

――――提督私室。

「提督、朝です」

「ん……? 雲龍、か? どうした、こんな朝早く」

「今日は私が秘書艦だから、起こしに来たの」

「それはそうだが、別に起こしに来なくてもいいんだぞ?」

「えっと……お礼」

「お礼?」

「そう、優秀な艦載機をくれたお礼。まだしてなかったから」

「アレは必要だから与えただけだ」

「……朝食、作って来たから食べて」

(朝食か……断る理由は無いな)

「有り難く食わせてもらう。着替えるから少し待っててくれ」

「着替えるのを――」

「却下というか拒否だ」

「……そう」

「簡単な物しかまだ作れないから、他の艦娘の料理より見劣りはするかもしれないけど」

「おにぎりと味噌汁だな。……うん、おにぎりと味噌汁だよな」

「おにぎりの具は、たくさん入れたから」

(確かにたくさん入ってそうだ、バレーボールぐらいあるぞコレ……)

「味噌汁は、赤と白を合わせてみたの」

「俺の好み、間宮にでも聞いたのか?」

「……食べて」

(都合が悪くなるとすぐに流すなコイツ。まぁいい、とりあえず食べるか)

「――最初の具は昆布か」

「全部で具は五種類入れたの」

「この大きさだと作るの大変だっただろ」

「おれ……秘書艦の仕事を、しただけ」

「秘書艦の仕事に“朝食を作る”は含まれてないぞ」

「味噌汁も、飲んで」

「――うん、赤が気持ち少ない気もするが、あっさりとした味に仕上がってて朝飲むにはいい」

「口に合ったのなら、良かった」

「ところで、お前は食わないのか?」

「失敗したのを食べてきたから、平気」

「……そうか」




「雲龍、ちゃんと喜んでもらえているでしょうか」

「鳳翔さん……わたし、もう食べられません……」

――――提督執務室。

「雲龍、一つ確認しておきたいんだが、お前の頭の中の秘書艦像はどうなってるんだ?」

「私、何か間違っているの?」

「チャイナ服が間違っていないなら何が間違いなんだ逆に」

「コレを着ると提督が喜ぶと聞いたのだけど」

「誰にだ?」

「飛鷹に」

(この前謝ったのにまだ根に持ってやがったなアイツ……)

「人を喜ばせるのって、難しいのね」

「艦載機の礼なら朝の食事で十分だ。もう無理に俺に何かをしようとしなくていい」

「これは、私が望んでしていることだから」

「……程々に頼む」




――――昨日はどうでしたか?

 ――――少しは喜んでくれていた……と、思う。入浴とベッドを共にするのは断られてしまったけど。

――――……雲龍、次は私に全部相談して下さい。

 ――――?

――――(流石にまだそういった知識は……いりませんよね?)

失敗作のバレーライスボールを頬張る大鯨、半分も食べれずギブアップした模様

残りは食堂のスタッフが美味しく頂きました

・野分『身体の節々が痛い……』、投下します

那珂ちゃんのライブ出演者が増えました

――――特別ダンス教室(水上)。

「野分、そこでスピン!」

「す、スピン?」

「台風をイメージして!」

「そんなこと言われても……」

「隣の那珂さんをお手本に!」

「那珂ちゃんトルネード!」

(トルネードは台風じゃなくて竜巻じゃ……それにしても、息一つ乱さずあんなに激しく動き続けられるなんて、那珂さんはやっぱり凄いわ)

「やっぱり練度の問題かな、ちょーっと動きがぎこちないんだよね」

「踊るのは今日が初めてなんだから、そんなにうまく踊れる訳無いでしょ」

「じゃあ今日から特訓だね! 那珂ちゃんのバックダンサーへの道は遠く険しいよ?」

(決定事項!?)

「大丈夫だって野分、私も一緒にやるから」

「那珂さんのライブ、天龍さんと龍田さんの演武とか長月の氷柱割りとか、前座が超人染みてるし、川内さんと神通さんも居るのにバックダンサーなんてとてもじゃないけど私には……」

「やる前から諦めんのは早いってーやろうよのわっちー」

「のわっちはやめて」

「野分ちゃんってーまだ艦娘としての演習したことないよね?」

「はい、まだしたことはありませんが……それが何か?」

「じゃあダンスの練習しながら演習もしちゃえば一石二鳥だね、那珂ちゃん天才!」

「あたしも賛成ー! 早速提督に許可取らなきゃ」

「えっ? 舞風、踊りながら演習ってどういう……」

「心配いらないよ野分、慣れればどうってことないから」

(演習で……踊る?)

「野分ちゃん、舞風ちゃんとステップしっかり合わせてね」

「は、はい!」

「じゃあもう一回行ってみよー」

「お願いします!」




「そこでジャンプ!」

「と、跳ぶんですか!?」

「跳べない艦娘はただの艦娘、だよっ!」




「動きが遅れたらー那珂ちゃんの弾がどんどん当たっちゃうよ、キャハッ」

(本当に動きが狂った場所をピンポイントで……)




「今日はコレでおしまいだよ、明日も頑張ろうね」

「は……はい……お願い……しま……」

「あっ、顔から倒れた。野分ーだらしないぞー」

(何で、昼から夕方まであれだけ動いて平気なの……?)




――――野分、お前その大量の湿布どうしたんだ?

 ――――……司令、ここの艦娘の皆さんは凄いですね……。

――――変わった奴は多いが、頼りになるのは確かだな。

 ――――駆逐艦野分、精一杯ダンス演習をこなしてみせます!

――――(野分はそっち方向に突き抜けるのか……まぁ舞風と仲良いならそうなるよな)




 一週間後、そこには見事に練度が最高に達してダンスをマスターした野分の姿があった。

※アニメの内容に触れています。読まれる際はご注意下さい。




「少し気合いを入れ過ぎました……」

「流石に前にやった劇とは違って、本格的でしたね」

「睦月、テレビに出れて感激ー!」

「パンチラ……練度ゼロ……うぅ……」

「カラコン毎回着けるのめんどくさいっぽいー」

「まさか浦風に出番が無いなんて……」

「姉さんも無かったねぇ」

「ごめん飛龍、出撃シーンカットになっちゃって……」

(はみ出てカットしたところって、スタッフの人に言ったら見せてもらえるのかな)

「響、何で暁のセリフの後にハラショーって言ったの?」

「アドリブでいいと言われたからだよ」

「間宮さん、あんなにあんみつ大盛りにして大丈夫なのかしら」

「アニメ放映期間中だけ、あの量で作るそうなのです」

「私も夜戦やりたかったなー」

「球磨の活躍シーンが少ないクマー」

「多摩も少ないにゃ」

「久し振りに、身体が火照ってきてしまいました」

「那珂ちゃんはーやっぱりアイドルだよ、キャハッ」

「北上さんが黙ってお手洗いに行くのなんて、私は気にしないですけど」

「大井っちーあの演技だと説得力無いよー?」

「出番? いらないねぇそんなものは」

「大和はもう出番が決まっていますから」

「この戦艦武蔵を出さないだと……? 大和は出るというのに、また秘匿扱いか……」

「ぶるまぁとやらは初めて履いたが、なかなか動きやすかったぞ」

「利根より絶対私の方がはっやーい!」

「走って汗をかくだけで傷む程、肌も髪も手入れは怠っていないのだけど……」

「私が秘書艦か……胸が熱いな」

「化粧品、収録する時は良いのを使わないとね」

「オペレーターということは、私は出撃しなくて良さそうですね」

「大淀さん以外に適役が居なかったんです」

「夕張さん、何で二人で裏方やるって言ってたのに自分はちゃっかり出てるんですか? 私も深海棲艦のCG凄い頑張ったんですよ?」

「あっ、バレてた? いいでしょ、後ろ姿ぐらい」

「朝潮達はセリフがありませんでしたね……」

「この遠さだと、パッと見ただけじゃ私なのか朝潮ちゃんなのか分からないわねぇ」

「大きな画面に小さな大潮……」

「別に私はどうでもいいわ」

「やっと会えた! 通行人Aよ、よろしくね!」

「ご、ごめんなさい、私が転けたせいで三回も撮り直すことになっちゃって……」

「これ、結局綾波とあたし、どっちが出たカットなの?」

「どっちなんでしょうねー」

「一番先に、サービスシーンお披露目!」

「僕達三人はどうして昼間にお風呂に入っているんだろう。演習でもしていたってことなのかな……」

「村雨の、ちょっと良いとこ!……見せすぎじゃない?」

「Oh……私の日本語力が疑われてしまうネー……」

「ちょ、ちょっと抜けてるお姉様も素敵ですよ!?」

「比叡姉様、フォローになっていないかと」

「一番最初に画面に映るのが榛名で良かったのでしょうか……」

「瑞鶴の出番はいつなのかしら……」

「翔鶴姉、一話から出れていいなぁ……」

「セリフがパンパカパーンだけだと、アホな子みたいに見えないかしらー?」

「中破する為に出たボクよりはマシだと思うよ……」

「大半が合成か水着着用の上とはいえ……吹雪のはどうにかならなかったのか?」

「成長物語って銘打ってやってますから、主人公はあぁいうダメなところを出した方がいいんです」

「いや、パンチラはダメな部分として必要ない気がするが……」

「だって視聴率をある程度取ればしざ……か、艦娘の更なるイメージアップに繋がるじゃないですか」

「夕張、後で叢雲とゆっくり話して来い」

「吹雪ちゃんには一応納得してもらったんだってばー!」




「あの出撃方法、非効率極まりないわね」

「あくまで広報活動の一環ですし、派手な方が見映えもしますから」

「“ここは譲れません”が口癖の怖そうな空母というのも納得がいかないわ」

「い、一応意味は通じてますし、戦果の凄まじさから畏怖されているだけですよ……?」

「……あたりまえ体操」

「本当にすいませんでした!」




「モーションキャプチャートカイウノ、凄イ大変、疲レタ……」

「お疲れ様、ヲーちゃん」

「何ナノアノ障壁、私ハアンナモノ使ッテナカッタワヨ」

「夕張さんが、ボスは障壁を張るものなんだって、言ってました」

「障壁ラシキモノヲ張レタノハ、アレダケダ」

(そういえば島風ちゃんがそんなこと言ってたかも……)




 製作協力:〇〇鎮守府一同

プライマルアーマー(ボソッ

プライマルアーマー(ボソッ

2重投稿失礼しました

・五月雨&比叡『一緒に料理』、投下します

榛名が一晩で修復しました

「はい、お醤油です」

「五月雨、それ濃口じゃありませんか?」

「あっホントだ! ごめんなさい、うす口はこっちでした……」

「もう少し五月雨は落ち着いて行動すれば、ドジが少なく――」

「比叡さん、それ塩じゃ……」

「塩? 塩は青の容器だからこの青……ヒェーッ!?」

「比叡さんも結構うっかりさんなんですね」

「ちゃんとピンクの容器を掴んだつもりだったんだけどなぁ……あれぇー?」

「――比叡さん」

「何ですか? こういう時、水で薄めるのはダメだって榛名が言っていた様な気が……」

「私、比叡さんにちゃんと謝りたかったんです」

「謝る? 何の話ですか?」

「あの時は誤射しちゃってごめんなさい!」

「あー、あの時の事ですね。もう昔の話ですし、別に気にしてませんってば。出汁で薄めるって言ってたんだったかなぁ……」

「ずっと忘れてて、この前ようやく思い出せたんです。本当にごめんなさい……」

「そんなことより五月雨、出汁を少し小鍋で作ってもらえますか?」

「へ?」

「二人だけで料理を作って、皆をあっと驚かせる。今はその為に頑張りましょう!」

「……はい!」

「気合い! 入れて! いきます!」




「Hum……ちょっと味が濃い気もするけど、これはこれでdeliciousネー」

「五月雨が作ったのに焦げてないし、間違った調味料の味がしない……やったじゃん五月雨!」

「頑張ったかいがありました!」

「これで少し、ドジっ子から抜け出せそうかな?」

『比叡、五月雨の両名は直ちに提督執務室に来なさい』

「ヒェッ……」

「あぅっ……」




――――料理、美味しく出来たそうだな。

 ――――は、はい! 司令もお食べになりますか?

――――そりゃ楽しみだ。ただ、ちょっとその前に焦げた鍋三つと拳でぶち抜かれた戸棚についての説明をしてもらおうか。

 ――――お野菜を切ってたらいつの間にか焦げちゃってて……。

――――気合いを入れたらちょうど戸棚がそこに……。

 ――――……次は何も壊さず焦がさず作れ。そこまで頑張ったなら、今更もうやるなとは言わん。

次のリクエストはフタサンマルマルより五つまで受け付けます

・ドイツ艦ズ『新たな人員確保』

・雷&霞『一人で歩けるったら!』

・蒼龍『あけおめことよろれーす』

・睦月『おりょ?』

・荒潮&山雲『あらー?』

以上五本でお送りします

・ドイツ艦ズ『新たな人員確保』、投下します

V.Gのどれでも好きな制服を想像してください(ア○ナ・○ラーズとか世代によっては全く分からないかもなぁ…)

「ビスマルク姉さま、私とドイツに帰りましょ?」

「帰りたいなら一人で帰りなさい。私はここでAdmiralと過ごすわ」

「うぅー……レーベとマックスも説得するの手伝ってよー」

「僕もここに居たいし、それはちょっと無理かな」

「帰るの? ふーん、そう……Auf Wiedersehen.」

「一人じゃ絶対に帰らないんだからっ!」

「早く諦めなさい。レーベ、みかんの買い置きはまだあったわよね? どこ?」

「そこの冷蔵庫の横の籠の中だよ」

「Danke、あったわ」

(ビスマルク姉さんがドテーラでコタ・ツーでみかん……)

「――漣から連絡が来たわ。出来たみたい」

「そう、じゃあ明日からプリンツにも手伝ってもらえるわね」

「これで少しは楽になるかな」

「? 出来た? 手伝う?」

「貴女の店での制服が出来たの」

「ビスマルク姉さま、私何も聞いてない……」

「“働かざるもの食うべからず”、“業にいっては業に従え”、ヤーパンのことわざよ」

「手伝ったら一緒に帰ってくれる?」

「Nein.」

「じゃあ手伝わない」

「マックス、寝袋を出してあげなさい。外は寒いわ」

「段ボールと新聞紙も防寒になるよ」

「重巡プリンツ・オイゲン、頑張ります!」

(添付画像?……ふーん、有名なレストランの制服のアレンジなの)




「Gut、良く似合ってるわ」

「ちょっとコレ恥ずかしいかも……別の服じゃダメ?」

「もっと過激な服になるけど、いいかな?」

「止めはしないけど、オススメもしないわ」

「例えばどんなの?」

「バニーガール」

「ライン演習はしたいけどラインダンスはやりたくないなー……」

「プリンツ、覚悟を決めなさい。もうすぐ開店よ、今日も戦争が始まるわ」

「わあっ!? こ、心の準備がまだなのにー!?」


――――お疲れ様、プリンツ。

 ――――あぁ……レーベ……ビスマルク姉さまとマックスは?

――――明日の仕込みをしてるよ。

 ――――……ビスマルク姉さま、楽しそうだった。レーベも、楽しい?

――――うん、大変だけど、楽しいよ。

 ――――そっかぁ……なら、ここに居るのもいいかもね……。

・雷&霞『一人で歩けるったら!』、投下します

――――ショッピングモール。

(ホント、情けないったら……)

「――霞?」

「っ!? あぁ、雷。アンタも買い物?」

「部屋で使う小物とかをちょっと見に来たの、霞はもうそれで全部?」

「そうよ、帰る前に一休憩中」

「じゃあまた鎮守府でね」

「えぇ、またね」

(……よりによって雷に会うとか、タイミング最悪じゃない)

「そのうち戻ってくるし、いつまでもここには居られないわね。このぐらい、戦ってた時に比べたらどうってことっ!……ナイッ、タラ」

(……はぁ、みじめよね。足挫いて歩けないとか、ホント最悪……)

「“一人で何でも抱えるな”、か。アンタが傍に居ない時はどうすりゃいいってのよ……」





「バカね、困った時は私達に頼っていいのよ?」

「雷……? 買い物はどうしたのよ」

「後でまた来るわ」

「タクシー、呼んでくれれば一人で帰れるから」

「そんなのダメよ、お金が勿体無いじゃない」

「往復する時間は勿体無くないっての?」

「何で勿体無いの?」

「……負けたわ。曳航よろしく」

「了解、この雷様に任せといて!」

「背負われるって、何か別の意味でみじめね。電も雷も身長伸びすぎじゃない?」

「か、霞もそのうち伸びるんじゃないかしら」

「そういうことはあたしの目を見て言いなさいな」




――――はい、コレ。

 ――――何これ? 香水?

――――……この前のお礼よ、いらないの?

 ――――そういうことならもらうわね。ありがと、霞。

――――ちょっと、こっちのセリフ取らないでくれる?……ありがと、雷。

・蒼龍『あけおめことよろれーす』 、投下します

――――提督私室。

「お前、飛龍と鳳翔のところに飲みに行ったんじゃなかったのか? それと、もう年明けて二週間だぞ」

「えへへ~」

(ダメだ、完全に酔ってやがる……)

「ほら、部屋まで送ってやるから来い」

「やら、やらやら~」

「ごねるな、子供じゃあるまいし」

「やーらー!」

「コラ、腕を引っ張るな」

「ひりゅーには負けません!」

「何に負けないんだよ……」

「かがさんにも、あかぎさんにだって、負けません」

「分かった分かった、とにかくこっち来て一度座れ」

「んー……えいっ」

「うおっ!? 押したら危な――」

「二航戦そーりゅー突撃しま~す」

「むぐっ!?」

「ん~? せまいなぁ……」

(ソファーに二人で寝たら当たり前だ! 早く退け! 何でお前はこう俺を窒息させたがるんだよ!)

「んー! んー!」

「あんっ、くすぐったいれすよ提督ぅ」

「ぶはっ! どうしたんだよお前、酔ってるにしても今日はおかしいぞ」

「……また、見たの」

「……そうか」

「バラバラは、やらなぁ……怖いなぁ……」

「そんなものはただの夢だ、お前はこうしてここに居るだろ」

「うん……」

「お前は、乗り越えて、勝った。そうだろ?」

「うん……」

「なら、そんな顔をするな。飛龍に笑われるぞ」

(まぁ、連れてきたのは確実にアイツだし、気付いてたから連れてきたんだろうが)

「……提督」

「何だ?」

「こーくーぼかんそーりゅー、ぬぎます」

「――は?」

「だって、着物苦しい」

「待て、今脱ぐな、服出してやるからそれを着ろ」

「やらー」

「やだじゃねぇよ、裸で横で寝られてたまるか」

「んー……ブラもいいや」

「だから外すなって言ってんだろー!?」

――――提督、何で私、提督のシャツ着て寝てたの……?

 ――――着せたからに決まってる。

――――えーっと、それってつまり……。

 ――――安心しろ、酔っ払って記憶があるかも分からん奴に手は出さん。お陰様で一睡もしてないけどな……。

――――あ、あはははは……そうですよね、縮んでないですもんねー……ごめんなさーい!

 ――――(あの恥ずかしがり方はいつもの蒼龍だな、うん。よし、もう一眠り――まずい、この置いてったブラどうすればいいんだ……?)

申し訳程度のスレタイ詐欺回避

「提督」

「何だ?」

「浦風の改二はまだなの?」

「俺に聞いてどうする」

「提督の力でどうにかならない?」

「無茶言うな」

「浦風が改二になったら翼とか生えるのかしら」

「お前は浦風を何だと……いや、天使って答えるんだな。聞くまでもなかった」

「姿を見るだけで私なら轟沈を回避出来るわ」

「天使じゃなくて女神だったか……」




「浦風、何時でもこっち戻ってきていいわよ?」

「……良い人なんじゃ、基本的には」

(度が過ぎてるのが平常な気がするんだけど……)

・睦月『おりょ?』 、投下します

気付くと睦月型総出演になってた

――――睦月型私室。

「如月ちゃん、そのマフラー提督に編んでるの?」

「さぁ、どうかしら」

「じゃあじゃあ誰に編んでるのかにゃー?」

「ひ・み・つ」

「えー教えてよー」

「もう少しで編み終わるから、出来たら教えてあげるわね」

「うん、約束だよ」




「弥生、卯月、何してるの?」

「あっ、えと……」

「ウーチャンハナニモシテナイピョン」

(すっごく怪しいのね……)

「あっあんなところに!」

「おりょ?」

「弥生、戦略的逃走だぴょん!」

「うん」

「あっこら二人とも!」

(弥生も一緒になってってことは、悪いことじゃないのかな?)




「皐月」

「ぼ、ぼぼぼボクに何か用?」

(皐月もおかしいのね……)

「睦月に何を隠してるのかにゃー?」

「む、睦月姉には内緒なんだ! じゃあねっ!」

「……睦月だけ仲間外れみたいで、ちょっと寂しいかも」

「みーかーづき」

「睦月姉さん、何ですか?」

「皆が睦月に隠し事してるみたいなのね。三日月は何か知らない?」

「隠し事? 私は知りませんけど……」

「そっかぁ……ありがと三日月。晩御飯の支度、後で手伝うね」

「はい――晩御飯、今日は頑張ります」




「長月みーつっけた」

「何だ、私に何か用か?」

「長月は睦月に隠し事、もうしないよね?」

「むっ?……悪い、走り込みの時間だ」

「あっ……約束、したのになぁ……」




「望月ー? アレ? どこ行っちゃったんだろ?」

(あー、まずった。買い出し担当とかめんどくさいし見付かるし)

「私、やっぱり皆に嫌われちゃったのかなぁ……」

(……どうすんのコレ、マジめんどくさ……)

(お姉ちゃんらしくしようとしたのがダメだったのかな、張り切りすぎちゃったのかな……嫌われるのは、嫌なのね……)

「あー、むー姉こんなとこに居た~。あたし、すっごい探したんだよー?」

「ふみ、づき……?」

「? むー姉何で泣いてるの? 誰かにいじめられたの? あたしに任せて、いじめたやつらやっつけたげる!」

「文月は……睦月のこと、好き?」

「うん、むー姉だーい好き~」

「……うん、睦月も文月のこと大好きだよ」

「えへへ~。あっそうだ、むー姉早く部屋に戻ろ、皆待ってるよー?」

(睦月を皆が待ってる?)

「皆ーむー姉居たよー」

「た、ただいまー……」

「ようやく戻ってきたか」

「て、提督!? 何で睦月達の部屋に居るの!?」

「私が連れてきた」

「菊月?」

「どうやら一番最初は私の様だな。――姉者、常日頃から私達の為に気を遣ってくれて感謝している。ありがとう」

「姉者、ねぇ……お姉ちゃんじゃなくていいのか?」

「なっ!? 黙れ司令官!」

(な、何がどうなってるのか全然分からないのね……)

「じゃあ次は私ね、はいコレ」

「コレ、如月ちゃんの編んでたマフラー……」

「私の愛がたーっぷり詰まったマフラーよ、大事に使ってね?」

「き、如月ちゃん顔が近いよ!?」

「ふふっ、なーんちゃって。私がコレをあげるって言ったら、皆も何かあげたいって言い出して、それならいっそパーティーにしちゃいましょうってなったの」

(ひょっとして、それで皆は……)

「弥生と、卯月は、コレを……」

「頑張って鳳翔さんに教えてもらったぴょん」

「すっごく可愛いのね、コレは編みぐるみかにゃ?」

「うん、そう」

「激おこ弥生と超絶ラブリーなうーちゃんの編みぐるみだぴょん」

「ちゃんと、笑顔だから……」

「ありがと二人とも、睦月、とっても大事にするね」

「ボクからはコレだよ。名取さんに少し手伝ってもらったけど、ちゃんとボクが編んだんだ」

「如月ちゃんのマフラーと一緒に使うね、ありがと皐月」

「ちゃんと暖かくして風邪引かないでよ、睦月姉」

「文月からはコレだよ~」

「コレは?」

「プラネタリウムーはっちゃんとクマさんに手伝ってもらったんだ~」

(最近よく三人で一緒に居たのは、コレ作ってたんだ……)

「ありがと文月、後で一緒に見ようね」

「は~い」

「私は物を作るのが苦手だ、だからコレにした」

「わぁ……キレイな花……」

「“睦月”に見頃の花だ。来年もまた、この時期に摘んできて見せてやる」

「ありがと長月。睦月の為にわざわざ寒い中摘んできてくれて、とっても嬉しいのね」

「登山も鍛練の一環だ、別に苦でも無い」

「あたし達でラストか」

「睦月姉さん、腕によりをかけて作りました。食べて下さい」

「デザートはあたし、マジで手間かかったんだから、味わって食べてよ?」

「……うっ……うぅ……」

「ちょっ、いきなり泣くとかやめてくんない!?」

「もっちーむー姉泣かしちゃダメだよ~?」

「あたしじゃねえって!」

「むづぎ、がんげぎぃ……」




――――暖かそうだな、マフラーと手袋。

 ――――当たり前なのですよ。妹の愛情がたっぷり詰まってるにゃしー、いひひっ!

・荒潮&山雲『あらー?』、投下します

組み合わせで調べたら魔性とか出たけど書けないから自スレ設定で押し通す!!

なお、一般販売品は布、艦娘用は資材で出来ています

――――荒潮用作業スペース。

「荒潮姉、ちょっといいかしらー?」

「あら~どうしたの?」

「服をねー作って欲しいのー」

「うふふふふ~ちょうど今作っていたところよ~」

「それはー山雲のー?」

「そうよ~?」

「朝雲姉のはー無いのー?」

「あらあら、自分のじゃなくて朝雲ちゃんのを頼みに来たのね?」

「はいー」

(朝雲ちゃんのは昨日のうちに出来てるけどぉ、もう一着作るのも面白そうだわ~)

「山雲ちゃんはぁ、どんな服を朝雲ちゃんに着せたいの~?」

「そうねー、朝雲姉がーもっと可愛くなる服かしらー」

「それならこういうのはどうかしらぁ?」

――――翌日。

「こっちの組み合わせはどうかしらぁ」

「そうねー、レギンスじゃなくてー、ニーハイがいいかしらーねー」

「それならタートルネックと合わせてみるのもいいわぁ」

「色はー、白ー?」

「青やピンクもありねぇ」

「朝雲姉はー、どれがいいー?」

「私、着せ替え人形じゃないんだけど」

「あらあら、朝雲ちゃんは私のデザインした服を着るの嫌なのかしらぁ……」

「そ、そういう訳じゃないのよ荒潮姉さん。ただ、朝からずっと何着も服を着替えてるから疲れちゃって……」

「山雲はー、とってもー、楽しいわー」

(そりゃ山雲は見てるだけだもんね)

「うふふふふ~じゃあ少し休憩しましょうか」

「お茶、淹れるわねー」

「あっ山雲、私も手伝うわ」

(あらあら、別々に合わせるよりぃ、二人一緒に合わせた方がこの子達は良いのかもしれないわねぇ)




 荒潮ブランド専属モデルが二人増えました。

それでは今から五つまでリクエストを受け付けます

・アニメ第三水雷せんたん『楽屋裏』

・初霜『装甲300を希望』

・赤城『食後』

・吹雪改二『成長』

・那珂ちゃん&ぬいぬい『・・・沈め!』

以上五本でお送りします

・アニメ第三水雷せんたん『楽屋裏』 、投下します

※アニメの若干のネタバレあるのでご注意下さい

――――アニメ二話撮影中。

「吹雪ちゃん、大丈夫?」

「うぅ~逆にあんな風にするの難しいし痛いよぉ……」

「いっそ艤装を改造しちゃうのが早いっぽい?」

「それは流石に危ないのでやめた方が……」

「とくがたくちくかんとくがたくちくかんとくぎゃたくちくかん!」

「川内お姉ちゃんアウトー」

「そういう“那珂ちゃん”だって、私のことは“川内ちゃん”って呼ばなきゃ」

「那珂ちゃんはープロだから公私はちゃんと使い分けられるんだよー?」

「プロがマイク放り投げちゃダメじゃん」

「そういえば吹雪ちゃん、あのポーズってアドリブなの?」

「いや、あれは、そのー……」

「吹雪、階段の踊り場の鏡の前で練習してたよ」

「そうなの? 睦月も部屋で如月ちゃんと演技の練習しよっかにゃー」

「ゆーうーだーちー?」

(あっ……内緒にするって約束だったっぽい……)

「秘密をしゃべっちゃうのはこの口かなー?」

「ご、ごみぇんっぴょいー」

「そろそろ、撮影再開でしょうか……」

「(神通さん、緊張してるのかな?)」

「(神通さんに限ってそれは無いと思うけど……)」

「神通お姉ちゃん、お願いだから本番中に戦闘モードに入らないでね?」

「そうそう、身体火照ったからって演習六時間は長いって」

((……やっぱり神通さんは神通さんだ))

「二人とも、何かあったっぽい?」

「な、何でもないよ夕立ちゃん」

「うん、何でもない何でもない」

「むー、絶対何か隠してるっぽいー!」

「(夕立ちゃんもどっちかっていうとそっち系だし……)」

「(素敵なパーティーに誘われるよね、絶対……)」

 ――撮影再開するから集まってー!

「「「「「「了解!」」」」」」




――――ねぇ提督、ゴウコンって何の略なの? 鎮守府合同艦隊混合演習の略?

 ――――……お前はそのままで良いと思うぞ。

――――? 何だか良く分からないけど、次の撮影も頑張るわ!

うーむ…次取るときはまたちょっと変則的な受け付け方にしてみようかと思います

なるべく多くの人がリクエスト取れるよう頑張ります

初霜は昼か夜には投下しますです

・初霜『装甲300を希望』 、投下します

初霜だってたまにはそういう気分になるんです

――――提督執務室。

「なぁ、初霜」

「何ですか?」

「……いや、何でもない」

「ふふっ、変な提督」

「改二、良かったな」

「はい、これでまた守りやすくなります」

「既に完璧だと思うぞ、お前の護衛は」

「装甲盾が無いと装甲は薄いし、完璧とは言い難いわ」

「駆逐艦に大和型クラスの装甲があったら怖いだろ」

「でも、あればもっと簡単に守れます」

「そうだな、こうして膝に乗せてるだけで防弾チョッキになる」

「……一隻でも一人でも多く救えれば、それだけで満足だった」

「あぁ、実際何度も助けられた」

「でも、いつの間にかそれだけだと満足出来なくなってたの」

「……そうか」

「鎮守府に居る間だけ、皆が守ってくれている間だけは……私も甘えても、いい?」

「何度も言ってただろ、初霜のしたいようにすればいい。ここは、そういう場所だ」

「……はい!」

「それで? どうしたい?」

「……暫く、このままで」

「ん、了解」

「後、頭を撫でてもらえると……」

「分かった」

「――提督」

「何だ?」

「絶対、何があっても守ります」

「……あぁ、頼りにしてる」

「ほんに手のかかる妹じゃな」

「子日、護衛の日ー!」

「妹の頼みを聞くのも、悪くない」

「まぁのぅ、可愛い妹の頼みじゃ」

「子日は、可愛いだけじゃ――」

「もうそれはよいわ」

「はぅっ!?」

「痛そうだな……だが、悪くない」

(……ほんに、手のかかる妹達じゃ)

――――夕方、食堂。

「……アレ、初霜よね?」

「初霜じゃねぇ」

「初霜がしれぇのお膝に乗ってます!」




「提督、どれでも好きなのをどうぞ!」

「いや、どうぞじゃなくてな?」

「……嫌なの?」

「……水餃子」

「はい!」

(ここまでになるとは予想してなかった……)

「次は提督の番ですよ」

「初霜は何がいいんだ?」

「えーっと、青椒肉絲にします」

「分かった、ほら」

「――うん、美味しいわ」

「俺も次は青椒肉絲食いたい」

「はい、ちょっと待って下さいね」




「浦風、あーん」

「うち、もうお腹いっぱいじゃけぇごめんね姉さん」

「雪風、食べたいです!」




 はつしも は あまえる を おぼえた!

・赤城『食後』 、投下します

このスレではいっぱい食べる可愛い赤城さんを応援しています

――――北海道。

「ふん、ふん、ふんふふ~ん」

「ジンギスカンか」

「はい、ジンギスカンです」

「赤城の鼻歌は初めて聞いたな」

「あの、実は結構恥ずかしかったのであまり気にしないで頂けると……」

「帰ったら加賀に話すか」

「本当に恥ずかしいのでやめてください」




「――で、何人前だ?」

「そうですね、五人前ぐらいでしょうか」

「……体調でも悪いのか?」

「いえ、今日はゆっくり食べたいので」

(――あぁ、そういうことか)

「じゃあ食べ終わったら追加注文って形でいいな?」

「はい、お願いします」

「提督は、お野菜は好きですか?」

「元々好きだが、こういう旨味を吸った野菜は更に好きだ」

「ジンギスカンに限らず、すき焼きや焼きそば、お好み焼きも野菜とお肉が合わさると美味しいですよね」

「お前が食べてると、それだけで美味そうに見えるしな」

「?」

「ほら、もっと食べていいぞ」

「提督もお肉、もっと食べていいんですよ?」

「肉ばっかり食べると後が辛いんでな、今ぐらいの比率でちょうどいい」

「……はい」

「そろそろお代わり頼むか?」

「ではまた五人前、お願いします」

「分かった」




 ――あそこの二人組、どんだけ食べるんだろうねぇ……。

 ――知らないのかい? あの女の人、有名な福の神だよ。

 ――福の神?

 ――あの人一人でも相当な金額食べて帰るし、たまに大勢連れてきて食べてったりもするし、食べ方があまりにも美味しそうなもんで客寄せにもなるって評判さ。で、ついたあだ名が“福の神”。

 ――はぁ~……確かに良く食べるけど、気持ち良い食い方だわ。




(赤城にそんなあだ名が付いてたとは知らなかったな――ん?)

「っ……」

(……今日は、珍しいものに縁がある日のようだな)



――――独特の癖はあるが、美味かったな。

 ――――はい、とても。

――――そうだ、二人で試しにこれ食ってみるか?

 ――――キャラメル、ですか?




 その日、提督は赤城の珍しいところを三度目撃した。

・吹雪改二『成長』、投下します

 外からは明るくはしゃぐ駆逐艦娘の声や、砲撃音、怒鳴り声が聞こえてくる陽気な昼下がり。改二になったことを執務室に報告に来た吹雪は、急な事態に目を白黒させていた。

(改二になってすぐに来たからシャワーとか浴びてないし汗臭かったり燃料とかの臭いしないかな最近食べ過ぎてたしお腹回りとか大丈夫かなって司令官の息が首筋に当たってる~!?)

「――吹雪」

「ひゃ、ひゃいっ!?」

「改二になっても、全然変わってないな」

「っ……期待外れ、でしたか……?」

 緊張で強張っていた吹雪の身体を、今度は不安が縛り付ける。提督が何かしらの変化を求めていたのだとしたら、それに応えるだけの変化が自分にあったとは、彼女には到底思えなかった。
 その感情の機微を察して、彼は吹雪を抱く手の力を強める。

「悪い、言い方がまずかった」

「司令、官?」

「背が伸びても、改二になっても、吹雪は吹雪だなと思ったんだ」

「それだと、私がいつまでたっても成長してないみたいです……」

「成長は……してると思うぞ、うん、色々と」

 非難がましい声をあげる吹雪に、声を上擦らせながら提督はフォローを入れる。実際、肩越しに見える胸部装甲や太股に感じるふっくらとした感触は、肉体面の成長を感じさせた。

「確かにあまり目立った性能の向上も無いですし、待機組の人には逆立ちしても勝てないし、料理はまだたまに失敗するし、お腹回りも――」

「待て、後半関係無いぞ。それにウェストは気にするほどじゃない」

「お、お腹は触っちゃダメですー!」

 コロコロと表情を変える吹雪。根が真面目で、少し抜けていて、頑張り屋で、とても優しい少女――ではなく、女性だ。

「――吹雪は、そのままで居てくれ」

「司令官って、ふくよかな女性が好みのタイプだったんですか……?」

「どこをどう聞いたらそうなる、腹摘まむぞ」

「だからお腹はダーメーでーすー!」

 頬を膨らませて抗議する、もう見馴れた、それでいて飽きない初期艦の横顔。その横顔を眺めながら、今までに何度も胸の中で言葉にしていたものが、提督の口から溢れ落ちた。




――――お前が初期艦で、本当に良かった。

二点ご連絡をば

・那珂ちゃん&ぬいぬいの話はマルマルマルマル頃に投下予定

・裏山に潜む謎の深海棲艦になつかれる空母(軽・装甲含む)を安価↓2で決めます

「デバン……オイテケ……」

飛龍、了解しました

「レップウ改……オイテケ……」

・那珂ちゃん&ぬいぬい『・・・沈め!』、投下します

ジャングルはいつも那珂のちぬい

――――???

「ここで、こう……難しいわね」

「あっ、ぬいぬいちゃん。何やってるのー?」

「あっ・・・沈め!」

 不知火のめくりからの手刀、miss!!

「ぬいぬいちゃん、その照れたり恥ずかしかったりした時についつい攻撃しちゃう癖は治した方がいいと思うなー」

「~~っ!?」

 那珂ちゃんのデコピン、Critical Hit!!

 不知火は蹲り、涙目で立ち上がることが出来ない!

「それで、何してたの?」

「れ、練習を……」

「練習?」

 ――『皆、ありがとー!』

(――これってもしかして、那珂ちゃんとってもラッキー?)

「ぬいぬいちゃん! まずは笑顔の練習だよ!」

「笑顔……こう、ですか?」

 不知火の作り笑い攻撃!

 那珂ちゃんはアイドルスマイルで受け流しに成功!

「えーっとぉー、ぬいぬいちゃん、それだとちょっと見た人がちょっと驚いちゃうなー」

「不知火の笑顔に、何か落ち度でも……?」

「不敵な笑みって言葉がすっごく似合うと思うよ、さっきのぬいぬいちゃんの笑顔」

「やはり、不知火には無理なのでしょうか……」

「大丈夫だよ、ぬいぬいちゃん! 那珂ちゃんが絶対ぬいぬいちゃんスマイルを完成させてみせるから!」

「――はい、ご指導ご鞭撻、よろしくです」

「自分の大好きな人の顔を思い浮かべて!」

「……」

(ぬいぬいちゃん、提督の前でも基本無表情なんだー……)




「テヘペロスマイルー」

「てへぺろ」

「――よし、次いってみよー」

「不知火のてへぺろに、何か落ち度でも……?」

「ペロリと食べられそうな雰囲気の眼力をテヘペロスマイルで発揮しちゃダメかなー」




「笑顔を顔のパーツ毎に完成させてみよー」

「ここをこうして、ここを、こう――どうでしょうか」

「うん、ジャングルでお腹の中に人を飼ってる女の子の笑顔にすっごく似てるね!」




「こちょこちょこちょこちょ~」

「あの、これが笑顔にどう繋がるのでしょうか?」

「ぬいぬいちゃんにはこちょぐり効かなかったかー……」

――――三日後。

「――で、ぎこちなくはあるが笑顔らしきものを作れるようになったと」

「那珂ちゃんの鎮守府オールスターライブへの道の第一歩だよ!」

「何て事考えてんだよお前は……」

「司令」

「ん? どうした不知火」

「いつかは満面の笑みというものをお見せできるよう、これからも日々鋭意努力します」

「あー……まぁ、無理しない程度にやれ。努力するというなら止めはしない」

「はい」




――――陽炎は知ってるのか? 不知火の笑顔修行。

 ――――あぁアレ? 知ってるけど何?

――――寝ぼけた不知火。

 ――――たまに笑ってるわね。

――――……自覚してないと笑うんだよな、アイツ。

 ――――今度スマホで撮ってみて、撮れたら送るわ。

――――頼んだ。

※受け付け時間をよくお確かめの上、潜水して下さい

明日マルナナマルマルより2つ、ヒトサンマルマルより2つ、フタヒトマルマルより2つ受け付けます

1月21日、午前7時、午後1時、午後9時です

同一艦娘が複数回選ばれた場合(○○隊などの組合せ除く)は、長めに書くなどの措置を取った上で繰り下げる場合もありますのでご了承下さい

――――工廠。

(艦載機イッパイ……レップウ、アルカモ……)

 少しずつ生活圏が人里(鎮守府)に近付いてきた北方棲姫。今日は偶然見付けた工廠の中にある艦載機保管所に遊びに来たようです。

「ゼロ……テンザン……スイセイ……レップウ!」

 早速お目当てのオモチャを見付けました。嬉しそうに駆け寄ります。

「――めっ! ダメでしょ、勝手にここへ入ったら」

「ッ!?」

 おっと、運悪く整備に来た飛龍に見付かってしまいました。まだまだ警戒心が強い北方棲姫、自分の艦載機を飛ばして威嚇します。

(参ったなぁ、怪我させたら長門がうるさそうだし……)




「――それ、飛ばしたいの?」

――――工廠横、実験スペース。

「ここでなら好きに飛ばしてもいいってさ」

「イイ、ノ?」

「流石に市街地とかに飛ばしたら撃墜するけど、この付近ならいいわよ」

「……」

 烈風を抱えた北方棲姫。長門に続き飛龍にも優しくされ、戸惑っています。
 ここより遠くの海で目を覚まし、ここに来るまでにたくさんの辛い目に遭いました。
 でも、ツリーの星は綺麗で、ご飯は温かく、冷たく閉ざした心を溶かし――そして、思い出させます。




(――タノシイ、ウミ)

――――提督執務室。

「――艦載機の整備が必要無くなった?」

「空母の方々全員がそう仰ってましたし、本当に必要無くなったみたいです」

「まぁ助かるには助かるが、お前的にはどうなんだ?」

「ぶっちゃけちゃうと、管理の手間が省けて大助かりですね」

「……メカ弄りも程々にな」

「はーい」




――――オ菓子、オイテケ。

 ――――はいはい、艦載機の整備ご苦労様。

――――飛龍、今日モレップウ飛バシタイ!

 ――――じゃあ今日は蒼龍と三人でアクロバット飛行やろっか。

――――ヤル!

 ――――(無事馴染めたか……さて、警備に戻るとしよう)




 北方棲姫のほっぽちゃんが艦載機保管所に住み着きました。

・飛鷹『酔った勢い』

・翔鶴『瑞鶴の1日』

・鳥海&摩耶『以前のまま』

・19『色々な艦娘をマッサージなのね』

・弥生&早霜『……』

・古鷹&青葉『誤解』

以上六本でお送りします

また次受け付ける時は考えます…

・飛鷹『酔った勢い』 、投下します

鳳翔さんのお店に鯛を抱えた男の像が増えました

――――居酒屋鳳翔。

「――はい、作っておきましたよ」

「すいません、鳳翔さん……」

「いえ、いいんですよ。私も色々な料理を作るのは楽しいですから」

「これを頼んだのは飛鷹なんだろ? 何で俺が付き合う必要があるんだ?」

「あら、私のお店に来るのはお嫌ですか?」

「そういう意味じゃないから包丁を持ちながらこっちを向くな、意図してなくても背筋が凍る」

「ふふっ、全く説明せずに連れてきたんですね」

「……例え酒の席とはいえ、約束しちゃったものは守るべきだし」

「とりあえず、何を隠しているかは後で聞き出すとして、食うか」

「はい、どうぞ」

「……いただきます」

「――鯛を使った似た様な料理を食べたことはあるが、これはまた少し違う味わいがあるな」

「好き嫌いはあるかもしれませんが、発酵させる類いのお料理よりは食べやすいと思いますよ」

「……」

「飛鷹、食べないのか? お前が食べたいって言い出したんだろ」

「……食べるわよ、食べればいいんでしょ!」

「(鳳翔、何でコイツ機嫌悪そうなんだ?)」

「(彼女、少しこういう料理苦手なんです)」

「(なら、何で食べたいなんて言い出したんだ……?)」

「――あっ、意外と食べれるかも」

「お酒、出しましょうか?」

「これに合いそうなの、お願いします」

「はい、すぐに出しますね」

「食わず嫌いはいかんぞ、お嬢様」

「いいでしょ、ちゃんと食べたんだから」

「それで、わざわざ俺を連れてきてまで食べさせたかった理由は何だ?」

「――七草粥」

「七草粥?」

「そ、七草粥。それと似たようなものよ」

「……どういう経緯でそういう話になったか聞きたいところだな」

「絶対に嫌」




――――風邪、引いたら怒るわよ。

 ――――努力はしてみる。

※アニメのネタバレが含まれます、ご注意下さい




「海に沈んだら髪が痛んじゃう! なーんちゃって――あら? 睦月ちゃん?」

「如月ちゃんが轟沈……如月ちゃんが轟沈……」

「睦月ちゃん!?」

「目からハイライトが消えてるっぽい!?」

「脚本書いた奴は誰だクマー!」

「素直に出てきたら許してやるにゃ」

「今回から脚本は外部委託だし私は無関係よ!?」

「那珂ちゃん的にもーちょっと暗いのはNGかな」

「見付かるようなドジ踏まないし」

「全員の練度が相当低くないと、こんな事態には……」

「望月、落ち着いて……」

「出番だけでもダルいってのに、何だよあの雑な轟沈!」

「あの予告だと私が空気読めて無さすぎデース!」

「全機撃墜を確認しないとかあり得ませんってばー!」

(私のアレの話は出なさそうねー)

(アレって、何なのでしょうか?)

「とりあえず、このブルーベリーを食べて皆落ち着くといいよ」

「北上さん、はいあーん」

「あーん」

「ブルーベリーを食べたのに、何で当てらんないのかしら」

「電、口の横についてるわよ?」

「あっ、ホントなのです……」

「芝居とはいえ、轟沈は避けるべきでは?」

「……過去のトラウマは乗り越えんといかんし、いつ誰が沈んでもおかしくなかったのは事実だ」

「長門さんはどこに?」

「陸奥と部屋に籠っておる。芝居とはいえ、自分の指揮の元で“駆逐艦”が沈むのはあやつにはちと酷な話じゃ」

「“艦”としても、“艦娘”としても、未だ完全には癒えない傷を抱えてる奴がうちには多い。この際全部吐き出させて、どうにかするのもいいかもしれん……とも思ったんだが、これはどうも良い影響は与えそうに無いな」

「――提督ならば、どうされましたか?」

「秘書艦に現場指揮を完全に任せて、あんな作戦をやらせるようなことはない。出撃した艦隊と通信が出来ない状況下であれば話は別だが、可能ならば提督が指揮して然るべきであり、長門に連合艦隊旗艦の経験があったとしてもさせていいものじゃない。艦隊編成や索敵にも問題がありすぎる、“艦娘”を“艦”として運用したにしてもお粗末という他無い」

次話以降如何によっては、アニメネタは封印します

舞風が暗い雰囲気は苦手って言ってるので明るいお知らせの時間です

・更新は日付変更前後

・ほっぽが来たから彼女も近いうちに来ます

・来週決戦を少し投下できそうです

・ネタ切れ?何それ、美味しい?

以上お知らせでした

・翔鶴『瑞鶴との1日』 、投下します

とが抜けてた

――――翔鶴型私室。

「瑞鶴、朝よ」

「んぅ……しょーかくねぇ、あとごふん……」

(もうっ、最近寒いからってなかなか起きないんだから……あっ、良いことを思い付いたわ)

「――あら加賀さん、瑞鶴に何か御用ですか?」

「かっ、加賀さん!? これはその何ていうか寒いから怠けてるとかそういうのじゃ――あれ? 加賀さんは?」

「おはよう、瑞鶴。朝御飯出来てるわよ」

「……翔鶴姉ぇ、その起こし方卑怯」

「普通に起こしても起きない瑞鶴が悪いんじゃない。ほら、顔を洗ってきて」

「はーい」




「今日のお昼は何が食べたい?」

「赤城さんがこの前連れてってくれたお店で食べたアレ、翔鶴姉ぇ作れる?」

「そうねぇ……材料は分かるし、試しに作ってみましょうか」

「やったー!」

「じゃあ鳳翔さんのところから卵とキャベツ、間宮さんに豚肉と粉を分けて貰ってきてもらえる?」

「翔鶴姉ぇは?」

「一応念のために作り方を知ってそうな二人に話を聞いてくるわ。どうせ作るなら美味しい物を食べたいでしょ?」

「うん、じゃあ行ってくるね」

「急いで卵を割っちゃダメよー?」

「――もうそろそろかしら?」

「翔鶴姉ぇ、失敗しないでよ?」

「大丈夫よ瑞鶴、私も料理上手な方々には劣るけどそれなりに料理は――あっ」

「……二つに割れたよ、翔鶴姉ぇ」

「……フライ返しだと返すのが難しいのね、きっと」




「そういえば、翔鶴姉ぇって何で提督さんとケッコンカッコカリしたの?」

「――最初はね、瑞鶴を取られた気がして凄く憎かったの」

「うん、出会い頭に加賀さんと一戦交えたのは後にも先にも翔鶴姉ぇだけだからよく覚えてるよ」

「だって、あの時は加賀さんとも凄く親しそうにしてたし……」

「それでそれで?」

「あの後、落ち着いてから詳しい事情を説明されて、それからも時々提督や加賀さんに貴女がここに来てからどんな風だったかを聞いていたの」

「か、加賀さんは私のことを何て言ってたの……?」

「一貫して“手間のかかる子”って言ってたわ」

(口癖みたいになってるもんなー、アレ……)

「それでね、色々と話を聞いているうちに気付いたの。瑞鶴が二人を慕った理由と、二人と話すのを徐々に楽しんでいた自分自身に」

「加賀さんはすっごく厳しいし、提督さんも少しダメなところもあるけど、どっちも凄く良い人だもん」

「ふふっ、そうね。私と一緒に出掛けてるのに他の女性に目をやったり、蒼龍さんや第六駆逐隊の皆が行った場所に行こうとしたら露骨に避けようとしたり……」

「翔鶴姉ぇ、久しぶりに黒いの出てるから落ち着いて」

「あらやだ、ごめんなさい瑞鶴」

(特注品じゃなかったら握ってるあのマグカップ、割れてたんだろうなぁ……)

「――あっ、もうこんな時間。今から作ると中途半端だし、夕飯は間宮さんのところで食べましょうか」

「うん、賛成ー」




――――翔鶴、どうやった? うまく焼けたん?

 ――――え、えぇ……初めてにしては、多分……。

――――牛肉で焼いてもいけるから、今度試してみるとえぇよ。

 ――――(……焼くの、練習しようかしら)

・鳥海&摩耶『以前のまま』、投下します

基本は生足

――――鎮守府。

「二人とも、寒さに強いのね。それほど着込んでもないのに平気そうだし」

「高雄姉さんと愛宕姉さんに比べたら、確かに寒さには強いですね」

「あの二人が寒がりなんだよ」

「羨ましいわ、少し出るのにもちゃんと防寒しないと私には寒くて堪らないもの」

「私達なんかより薄着な方も居ますし、暑さ寒さの感覚も人それぞれですから」

「武蔵の姉御は冬でもサラシ一枚で平気で歩いてるしよ」

「確かにアレは見てるだけでも寒くなるわね……」

「でも、お陰で寒くても好きに服が着れるのは嬉しいです」

「年がら年中服に悩まなくてもいいってのは、確かに楽だよな」

「姉さんの場合、一緒に出掛ける相手が司令官さんの時しか服に関して悩みませんよね」

「別に悩んでねぇし、むしろ一番適当に――」

「その時の様子、こっそり撮影してありますよ」

「それは気になるわ、今見れるかしら」

「おまっ、バカ、鳥海っ!」

「へー、摩耶もこんな顔するのね」

「この時はずっと、スカートにするかホットパンツにするか悩んでました」

「クソがっ! 今すぐ消せ!」

「高雄姉さんと愛宕姉さんも、この動画持ってますよ?」

「なっ……悪いかよ、アタシが着る服で悩んだら」

「ふふっ、誰も悪いなんて言ってないわ――?」

 ――時津風、今日は何をしましょうか?

 ――とにかく外だよ外外~。

「……駆逐艦の子達も何人か、年がら年中薄着よね」

「こ、子供は風の子と言いますし……」

「流石にアタシ等も、あんな布みたいなの一枚でこの時期に外には出たくねぇな」




――――ウザい、こっち見んな。

 ――――断る。

――――ウザいっつってんだろ!

 ――――(今日は鳥海のコーディネートって言ってたな、グッジョブだ)

――――演習場。

「たっめしっ撃ち~たっめしっ撃ち~」

「足柄、気持ちは分からないでもないが、程々にしておけよ?」

「だって、久しぶりにみなぎってきてるんですもの」

(最近はすっかり大人しくなっていたが、“飢えた狼”は健在の様だな)

「試し撃ちが終わったら今日はカツカレーね。いっぱい揚げなきゃ」

「今夜ばかりは、私も司令官と一杯飲みたいものだ」

「那智姉さんは改二になってどんな感じ?」

「自分ではよく分からないのだが、凛々しくなったと皆が口を揃えて言ってくる」

「そう言われると確かにそうかも、今の那智姉さん、テレビで見た宝塚の男役みたい」

「それは喜んでいい表現なのか?」

「カッコいいって事だから、私は良いと思うわ!」

(……後で司令官にも聞いてみるとしよう)




――――那智姉さん、そういえば提督と夜戦ってよく聞くけど、アレはどういう意味なの?

 ――――……直接聞いてみたらどうだ? 私はそれについてはあまり話したくない。

――――? 何だかよく分からないけど、改二になった記念にしたいって言ってみるわ!

 ――――(司令官、悪いが自分でなんとかしてくれ)

初霜改二は節分ネタでやりますのでその時までお待ちください

安価↓1~3でマッサージの餌食にあう艦娘をお選びください(決まっている秋雲、千代田、祥鳳を除く)

ご協力感謝します

更新自体は夜になりますのでお待ちください

・19『色々な艦娘をマッサージなのね』、投下します

――――鎮守府マッサージ店、魚雷屋。

「うぁ~気持ち良い~」

「秋雲、駆逐艦としてこのこり方はどうかと思うの」

「アタシだって好きで肩をこんなにガッチガチにしてるわけじゃないって。でも、描いてたら自然とこるんだよねー」

「ちゃんと座ったままでいいからストレッチするの。そしたらマシになるのね」

「ぅあ~い」

「秋雲、ちょ~っと痛いかもしれないけど、我慢するの」

「へ? ちょっ、いだだだだだっ!?」

「たまには目も休ませてあげなきゃダメなのね」

(目、目の奥に突き抜けるような痛みが……)

「はい、後は仕上げをしたら終わりなの、またのご来店をお待ちしてるのね」

「あ……あい……」




 次はマッサージネタを描こう、そう心に決めながら蕩ける秋雲であった。

「千歳さんも結構肩が凝ってるの」

「そうなのよ、姿勢と寝方が悪いのかしら」

「千歳さんの場合、それだけじゃないと思うのね」

「あっ、そこ、気持ち良い……」

「ここを~こうなのね」

「んっ……千代田が私の腕を枕にしてるから、特に左側がこりやすいみたいなの」

「千代田さん、腕枕で寝てるの?」

「えぇ、冬場はお互い暖かいし、結構良いのよ?」

(……色々凄い絵になってそうなのね)

「ついでに下半身も一緒にやっちゃうの」

「足はそこまででも――んぅっ!?」

「気付いてないだけで、結構足にも疲れが溜まってるのね」

「そこ、お尻は、ダメっ……」

「ここにツボがあるから、くすぐったくても我慢して欲しいのね」

「違うの、そうじゃ……んっ……」

(いひひっ、千歳さんはここが弱点みたいなの)

「あっ……んふぅ……」




 イクのスナイパー魂がたぎりました。

「千代田さんはどこがこってるの?」

「首と肩かな」

「千歳さんもだけど、肩は絶対に“それ”のせいなのね」

「し、仕方無いじゃない。私も好きで大きくなったんじゃないもの」

「イクは悪いとは一言も言ってないの。それに、イクもどっちかっていうとそっち側なのね」

「泳ぎにくくないの?」

「潜水艦を舐めちゃダメなの。背泳ぎと潜水は得意中の得意なの!」

「……視線、気にならない?」

「……気にしたら負けなの」

「後、膝枕すると胸が邪魔でていと――お姉に耳かきとかがやりにくかったり」

(わざと太股と挟んでからかうのも楽しいと思うのね)




 持つ者の悩み、浮き袋二つ。

「祥鳳さんは、また腕全般でいいの?」

「えぇ、この前新調した弓の調子を確かめていたらやり過ぎてしまって……」

「じゃあ早速始めるの」

「はい、お願いします」

「まずは肩甲骨周りから徐々にほぐしていくのね」

「――ふぅ……最近は、たまに瑞鳳も揉んでくれたりするんです」

「瑞鳳さんは弓道場は手伝ったりしないの?」

「あの子は艦載機一筋だから……」

「瑞鳳さんの九九艦爆と玉子焼きに傾ける情熱は、凄まじいものがあると思うの」

「傾け過ぎてる面もあるとは思いますけど、自慢の妹です」

「ちょーっと前失礼するの」

「っ……あっ……んっ……んぅ……」

「胸の付け根の辺りも丹念にほぐさないとダメなの」

(変な声が漏れて……でも、気持ち良い……)




 体温も上がって、血行がとても良くなりました。

「足つぼマッサージにも負けない、多分」

「じゃあ始めるの」

「っ!……っ!?~~っ!?!?」

「いひひ、どーお? 痛い?」

「お、朧はまだまだ、やれっ……やれ……」

「ギブアップならいつでもしていいのね」

「負け、ないっ……!」

「じゃあ続けるの」

(蟹が一匹、蟹が二匹、蟹が三匹……)

(朧の負けず嫌いは筋金入りなのね)

「朧ちゃん、無理はしないでね」

「な……何も……言えねぇ……」

「一人だけ……何で平気なのよ……」

(潮にだって……朧は、負けない……!)




 一切痛がらない潮に、我慢比べでは勝てませんでした。

「摩耶さんがここに来るなんて珍しいのね」

「ちょっと姉貴達のダイエットに付き合ってたらやり過ぎちまってよ」

「どこをマッサージすればいいの?」

「足頼む」

「了解なの!」

「――おー……結構気持ち良いもんだな」

「摩耶さん、すっごく足が綺麗に手入れされてるの」

「別に何もしてねぇよ」

「モチモチスベスベなの」

「アタシを褒めても何も出ねぇぞ?」

「あっ、ここに無駄毛があるの」

「あぁ? どこだよ? すぐに抜くから教えろ」

「いひひっ、冗談なのね」

「……はめやがったな、クソが」

「ほらほら、マッサージはまだ途中なの、うつ伏せになってくれなきゃ出来ないのね」

「次に変なこと言いやがったらぶっ飛ばすかんな」

「そういう物騒なこと言うとーこうなの」

「いででででっ!? 何しやがんだっ!」

「イクはマッサージしかしてないの」

「さっきと全然違うだろ!」

「マッサージはマッサージ、なのね。いひひっ」




 翌日、そこには元気に姉とエクササイズする摩耶の姿が。

「――で、何で俺がお前のマッサージをするんだ?」

「イクだって毎日マッサージしてたら身体が疲れちゃうのね」

「電に頼めばいいだろ」

「提督に、イクはして欲しいの」

「……分かった。但し――」




――――ゴーヤに続いてイクも提督の服をゲットなのね!

 ――――全く、マッサージして欲しいって奴がスク水で来るなよな……。

――――スク水なら手が滑っても言い訳が出来るの。

 ――――いらんことに気を使わんでいい。

体調が大破しました

バケツは無いので入渠してきます

・弥生&早霜『……』 、投下します

更新遅れてごめんなさい

睦“月型”だからあのゲームだったり

――――鎮守府、休憩スペース。

(交友を広げる……私に出来るかしら?)

 口数が多い方ではなく、特定の相手以外とはあまり話さない早霜。しかし、この日は勇気を出して自分から積極的に話しかけようとこの場所を訪れていた。

(なるべく、大人しそうな人を)

 自分のペースで話せそうな相手を探し、ぐるりと見回す。元気系を除外、独特な雰囲気を持つ艦娘を除外、そして残った艦娘は――。

「あの……弥生さん」

「……? 弥生に、何か用?」

「・・・・・・」

(何を、話せばいいのかしら?)

 話しかけることには成功した。しかし、話をする為の話題を用意しておくのを、早霜はすっかり忘れていた。
 何か話さなければ変な人だと思われる、そう思って彼女はとにかく頭に浮かんだことを口にする。

「――那智さんの水偵、どう思う?」

「那智さんの水偵……見たこと無い、かな」

「……そう」




 早霜の交友の輪を広げよう大作戦、初日、戦術的敗北により撤退。

(今日は話題をたくさん用意してきたし、これで大丈夫のはずよね)

 夜の三時までかけて考えた話題の数々。今の早霜に問題があるとすれば、寝不足という点だ。

「――弥生さん」

「今日は、何?」

「貴女の趣味は何かしら?」

「えっと……最近はゲーム、かな……?」

(ゲーム、あの初雪さん達がよくやっているアレね)

 趣味というのは、コミュニケーションにおいて大事な要素である。この情報だけで、早霜の目標は達成されたも同然だった。

「良ければ、私にも弥生さんがやっているゲームを教えてもらえる?」

「いい、けど……」

(目の下に隈……大丈夫、かな……?)




 早霜の交友の輪を広げよう大作戦、二日目、相手の情報を入手、戦術的勝利。

「――弥生さん」

(三日連続……何で、弥生に……?)

「何か、用?」

「昨日弥生さんが言っていたゲーム、一緒にやらない?」

 この時の早霜の目が真っ赤に充血していたことから、彼女の努力を察することが出来る。そして、この努力がある意味で最高の結果をもたらすのだった。




――――二十回目で、ようやく勝てたわ……。弥生さん、次は――弥生さん?

 ――――悔しくなんか、ないよ? 全然、悔しくなんか……。

――――(コントローラーがミシミシいっているけれど、大丈夫なのかしら……?)

 ――――(次は、負けない……!)




 翌日から、弥生と早霜が頻繁にゲームをする姿が目撃されるようになりました。なお、誘うのが早霜から弥生に代わった模様。

※分かる人用のおまけネタなので、分からなければ飛ばして大丈夫です。




「弥生さんは誰が持ちキャラなの?」

「都古と、レンと、白レン……かな」

(見事に小さい子ばかりね……)

「早霜は、誰?」

「私はさつきとシオンとリーズかしら……」

(路地裏、同盟……)

「初雪さんや他の方は?」

「初雪は、猫アルクか先生で……望月は、シキ四人。夕立と足柄さんは、赤主と暴走アルクと吸血鬼シオン……漣が、ひすこはで……夕張さんが、メカ翡翠……秋雲が、ワラキー……大和さんが、アルクと秋葉とシエルで……武蔵さんが、圧壊さん……だった、かな?」

「一番強いのは、誰なの?」

「大和さんと武蔵さん、初雪の三人……だと、思う」

(大和型のお二人がゲームしている姿が想像出来ないのだけど……どんな感じなのかしら)




暗黒漣流御奉仕水晶波。

・古鷹&青葉『誤解』 、投下します

壁を掴んで回った方が、コーナーは楽

――――鎮守府廊下。

「大鳳さん、青葉を見ませんでした?」

「青葉? 青葉ならさっきそこを右に――」

「ありがとうございます!」

「……喧嘩でもしたのかしら?」




「フユキじゃなかった吹雪古鷹が通りかかったら誤解だから話し合おうって言っておいてくれますかくれますよねお願いします!」

「えっ、えっ?」

「吹雪ちゃん、今ここへ青葉が来なかった?」

「来ましたけど、ごか――」

「どっちに行ったか教えてくれる!?」

「あっ、あっちに……」

「ありがとう!」

(……何だったんだろう?)




「待ちなさい青葉!」

「だからアレは誤解です! 事故なんです! 話し合えば人類皆分かり合えちゃうはずです!」

「とにかく止まって!」

「曲がり角の壁を破壊しながら追いかける相手に止まれと言われて止まれる訳ありませんよー!」

――――提督執務室。

「また珍しい奴が鎮守府壊してくれたな、なぁ古鷹」

「ご、ごめんなさい……」

「はぁ……原因は何だ。二人とも聞いてやるから言ってみろ」

「青葉に、その……の写真を撮られたと思って」

「写真? 何のだ?」

「風で、スカートが……」

(あー……何となくは把握出来た)

「で、青葉はそれを撮ったのか?」

「青葉はそんな写真撮らないし記事にしないって司令官が一番知ってるじゃないですか! 中庭の風景が凄く絵になってたから撮影してただけですよ!」

「だよなぁ……ってことは、古鷹の通りかかったタイミングが悪かっただけか」

「撮ったかどうかは別にして、悪用はしないと分かってはいたんです。でも、青葉が急に逃げるから……」

「あんな鬼気迫る表情の古鷹見たら誰だって逃げちゃいますよ。青葉、直前にお花を摘んでなかったら今頃部屋に閉じ籠っちゃってたかもしれません」

(興奮すると目が光りっぱなしになるし、昼間とはいえ追いかけられたら逃げたくなる気持ちは分からんでもないな……)

「まぁ何にせよ、お互い誤解だと分かったんだからこの話は終わりだ。後、反省文な」

「「はい……」」

――――青葉は良いと思うな、そのパンツ。

 ――――やめてよ、もう……。

――――勝負下着、青葉も黒にしよっと。

 ――――やめてったら。

※次のリクエスト受付も特殊形式です、よくお読み下さい

・本日27日、ヒトフタマルマルより三つ、フタヒトマルマルより三つ受け付けます

・先着順ではなく、一番目、三番目、五番目に書き込まれたレスのリクエストを受け付けます

以上二点にご注意下さい

出来ればもっと多く書きたいのですが、スレ立て当初程時間が取れずすいません……

・潜水艦娘『安心安全寒中水泳教室』

・暁&叢雲『レディー叢雲』

・58&まるゆ『黒か白か』

・六駆Vs七駆『メイド服に興味はありませんか?』

・づほ『そんなに好きなら』(※R18です)

・瑞鶴Vs大鳳『幸運と不幸』

以上六本でお送りします

寒中水泳教室に参加する駆逐艦を↓1~2で決めます(暁、浜風、浦風、たいほう除く)

響、陽炎、了解です

六人のスク水を妄想しながら更新をお待ちください

・潜水艦娘『安心安全寒中水泳教室』 、投下します

――――鎮守府、海辺。

「いっ、いいいちにんまえのれでーはこのぐらいのさむさへっ、へっくちゅんなんだから!」

「この水着、凄く身体にフィットします」

(……妹に負けてると、何か微妙な敗北感があるわね)

「浦風、スク水も可愛いわ」

「姉さんもよく似合っとるよ」

「白いスク水、これはいいな」

「皆集まってる?」

「うん、集まってるよ」

「じゃあ早速始めるのね」

「はっちゃんはここで本を読んで待ってるから、皆で――」

「ほらほら行こうよはっちゃん。海にどぼーんしよ!」

「待ってシオイ~他に人が居なくても裸になっちゃダメだよ~」

「あ、あかつきはじゅんびばんたんなんだからはやくちゅんよね」

「暁には後で身体が温まる飲み物を入れてあげるよ」

「最近は座ってる時間が長かったし、気を引き締める意味でも寒中水泳はいいわね」

(姉さんは部屋で毎日筋トレしとるし、いらん気もするんじゃけどねぇ)

「陽炎姉さん、ストレッチに付き合って下さい」

「いいわよー」




 寒中水泳教室(という名のスク水布教活動)、始まります。

――――海。

「目標は、あのブイまで行って帰ってくることでち」

「私達が居るから、足がつったり溺れかけてもすぐに助けるわ」

「浦風、あそこまで競争よ!」

「姉さんハンデ! ハンデが無いといくらなんでもちと無理じゃて!」

「では、私達も競争しましょう」

「流石に妹に負けたら一番艦として格好がつかないわ!」

「暁、顔色が悪いけど大丈夫かい?」

「だ、だだだいじょぶにきっ、きまってるじゃない」

「はっちゃんは、ここでプカプカ浮かびながら本を――」

「無しです!」

「なっ、何が何でも抵抗するよ、今日買ったばかりの新刊がはっちゃんを待ってるんだから!」

「シオイもはっちゃんも寒中水泳教室なんだから手伝おうよ~」

「やっぱり、それなりに皆泳げるわね」

「提督指定の水着の効果もおっきいよ」

「大鳳さん、全力出すとかちょっと大人げないのね」

「っ!? たっ、たすごぼごぼごぼ……」

「暁!?」

「ここはイクに任せて先に行くのね!」

「それじゃあ任せるよ、スパシーバ」

「何かヤケに暁だけ寒さに弱くない?」

「暁だけ“一人前のレディーは自分で水着を選ぶわ”って持参してたでち」

(一人前のレディーとして持参したのが、スク水なの……?)




 暁も提督指定(※違います)の水着を借りて参加となりました。

――――三十分後。

「流石にそろそろ寒くなってきたわ……」

「うちもちょっと身体が冷えてきたねぇ」

「もうこれで終わりでいいんじゃない?」

「まだまだ本番はこれからでち」

「次は鬼ごっこなのね」

「次ははっちゃんも参加するよ」

「浜風、何食べたらそんなに大きくなるの?」

「? 私は身長は低い方だと思いますが」

「シオイが聞きたいのはそういうことじゃないと思うけど……それよりシオイ、いい加減手伝ってくれない?」

「じゃあ皆で運河行く?」

「それは今度付き合うから、今は鬼ごっこね」

「うんうん、いいね鬼ごっこ、ありです!」

「まるゆさんは暁が捕まえるわ」

「頑張って追い掛けて来てね」

(余裕が感じられるな、これは一筋縄ではいかなさそうだ)




 全員ヘロヘロになるまで追いかけた結果、一人も捕まえられなかった模様。
 なお、飛び入りで現れた軽巡洋艦に追いかけられた彼女達は更に早かったそうな。

――――提督執務室。

「一般人向けにも寒中水泳教室をやりたい?」

「機能美に溢れるこの水着を広めたいでち」

「きっと売れるのね」

「提督も、着てみますか?」

「着たら撮って皆に送ってあげる」

「女性用のスク水なんぞ着れるか!」

「シオイと行く運河巡りツアーとかどうかな?」

「普通の人にあの距離は無理だと思うな……」

「何にせよ却下だ。カメラ持った奴が押し寄せるような事態は避けなきゃならんし、水着販売なんぞしたらそれこそいらんことを考える輩も出てくる」

「てーとく、いらんことって何?」

「……気にするな」




 〇ーヤの着ていた水着、五万八千円。

・暁&叢雲『レディー叢雲』 、投下します

(じー)

「……何よ」

「――堂々とした振る舞い」

「はぁ?」

「立てるところは立てて、引くところは引く」

「一体何の話?」

「叢雲って一人前のレディーなの!?」

「いっ、いきなり何なのよ、私は別にレディーなんて柄じゃないし」

「料理は?」

「まぁ、人並み程度には」

「掃除」

「そりゃ自分の部屋ぐらい片付けるわよ」

「洗濯」

「交代制」

「お化粧」

「毎日はしないわよ?」

「ドラム缶」

「何でドラム缶がその流れに入ってんのよ」

「ドラム缶は淑女のたしなみって熊野さんが」

「アンタ一回淑女とかレディーって言葉の意味を辞書で調べてきたら?」

「そもそも、何でそんなに一人前のレディーに拘ってんのよ」

「子供扱いされたら嫌なの!」

「どう見てもお子様じゃない」

「お子様言うなー!」

「――じゃあアンタはここから出て一ヶ月、一人で生活出来るの?」

「そっ、そのぐらいへっちゃらだし」

「司令官の力も、誰の力も借りずに?」

「うっ……」

「よく聞きなさい。程度はどうあれ、私達はまだ“子供”なの。荒潮や漣みたいに自分で稼ぎ始めてるのもいるけど、基本的には鎮守府内で司令官の庇護があるから可能なだけ、アンタはまずそこを自覚なさいな」

「……それだけしっかり考えてるのに、叢雲もまだ子供なの?」

「少なくとも、アンタよりは大人ね」

「頭をポンポンしないでよっ! もうっ!」

「まっ、精々頑張んなさい。一人前のレディーさん」

「――むっ、叢雲!」

「何よ、まだ何か用なの?」

「……その、ありがとう、なのです」

「ふんっ、別に礼を言われるようなことはしてないわ、じゃあね」

(――よし!)




――――何だかんだ面倒見良いよな、お前も。

 ――――盗み聞きとか趣味悪いわね。

――――お詫びにケーキでどうだ?

 ――――……食べる。

ドタバタしてて更新ががが…イベント節分バレンタイン決戦手の付けられるところから付けていきますです…

~現状進行表整理~

・リクエスト消化(情熱思想理念気品頭脳優雅さ勤勉さ、そして何より速さが足りない)

・新スレ準備(新しい艦娘増やしてくだち!)

・次スレ準備(エラー猫よかかってこい)

・イベント系(ケーキを投げて豆をもらう)

・決戦(ニュータイプ吹雪)

・目覚ましに声を吹き込んでもらおう(うぐぅ)

速さが足りない……島風になりたい……

・58&まるゆ『黒か白か』、投下します

――――潜水艦娘私室。

「まるゆ、明日一緒に動物園行こ」

「いいけど、何で動物園に?」

「有効期限が明日までの無料入場券、二枚貰ったの」

「イムヤとかシオイの方が喜びそうだけど、まるゆでいいの?」

「他の皆は用事あるみたいでち。皆で行くなら割り勘して行こうかと思ってたけど、たまには二人っきりもいいよね」

「うん、そういうことなら行こっかな」

「じゃあ明日はお弁当作るでち」

「お弁当作るの、まるゆも手伝うね」

「ゴーヤいっぱい入れるでち」

「緑一色はやだよ……?」

――――動物園。

「うわぁ~動物がいっぱい」

「まるゆは何が見たいの?」

「まるゆはシロクマが見たいな」

「じゃあまずはシロクマ見に行くでち」

「うん!」




「――シロクマ、白いでち」

「だってシロクマだもん」

「でも、シロクマって地肌は黒いってはっちゃんが言ってたよ」

「じゃあまるゆみたいに白い水着を着てるんだね」

(はっちゃんに毛は透明だっていうのも聞いたけど、黙っといた方が良さそうでちね)

「次はゴーヤの見たい動物見に行こ?」

「ゴーヤはペンギンが見たいな」

「えーっと……ペンギンはあっちだね」

「あっ、アレはコウテイペンギンでち!」

「コウテイペンギン好きなの?」

「好きでち! 大好きでち! コウテイペンギンはペンギンの中の潜水艦なんでち!」

「へー、潜るの得意なペンギンなんだね」

「ゴーヤも一度ペンギンと潜ってみたいよぉ……」

(ペンギン、そんなに好きなんだ……)




――――もぐらは見に行かなくていいでちか?

 ――――まるゆ、もぐらじゃないもん!

――――冗談でち。

・六駆Vs七駆『メイド服に興味はありませんか?』、投下します

試合に負けて、勝負に勝つ

「お願いしますよ一人前のレディーの暁ちゃん」

「もうその手には乗らないんだから」

「なん……だと……?」

「暁、何かあった?」

「一人前のレディーに本当に少し近付いたみたいだよ。――ハラショー、この寿司は美味しいな」

「蟹の押し寿司、メニューに入れたいけど漣がダメって……」

「雷ちゃん、ヲーちゃんにあげるのにこのクッキー貰っていいかな?」

「どうぞ、たまたま卵が余ったから焼いただけだし、喜んで食べてくれるなら私も嬉しいわ」

「電、先に言っとくわ。御愁傷様」

「? 曙、それはどういう意味なのですか?」




「御主人様が暁にメロメロになっちゃうような服、欲しくありません?」

「ほ、欲しい、かも……」

(フィッシュ!)




 陥落まで三十八秒、暁の真のレディーへの道と朧のメイド喫茶蟹フェアへの道は遠い。

――――演習場。

「やるからには、絶対負けない」

「暁だって負けないんだから」

「勝ったら選べるのかい?」

「勝てれば選ばせてあげますよー勝てればですがねー」

「漣ちゃんが迷惑かけてごめんね……」

「いいのよ潮、私は全然気にしてないわ」

「電、恨むなら発育の良い自分の身体を恨みなさい」

「絶対に負けられないのです……」




 第六駆逐隊対第七駆逐隊。勝負は四対四の演習方式。

 旗艦を撃沈、または全艦撃沈判定が出た時点で終了。審判は取材待ちの青葉。

 第六駆逐隊が勝利した場合、“可愛い服”が漣より第六駆逐隊へ贈られる。

 第七駆逐隊が勝利した場合、漣製作のメイド服を着て第六駆逐隊は店を手伝わなければならない。




 ――今、試合の前に勝負がついている戦いの火蓋が切って落とされる。

「ではでは双方準備はいいですね? 取材、じゃなくて演習始め!」

 開始の合図と同時に飛び出したのは朧。その負けず嫌いな性格は、戦い方にもよく表れている。

(勝ったら蟹メニュー追加、朧がやらなきゃ!)

 それを後方から援護するのが、潮と曙だ。
 自信の無さからひたすら訓練したことにより培った、正確で素早い砲撃を放つ潮。そして、その性格ゆえに培った観察力で状況把握に長けた曙。
 この二人が阿吽の呼吸で砲撃するというのも、見る者によっては珍しく映るだろう。

(負けたら犬耳……負けたら犬耳……)

(べ、別にクソ提督と二人っきりで店を使わせてもらえる権利とかどうでもいいけど、負けるのは嫌だし、それだけなんだから!)

 そして、第七駆逐隊のブレインであり今回の旗艦であり元凶である漣は、ただ意識を相手の一艦のみに集中させていた。

(朧達はほっといてもすぐに勝敗が着く様なことは無いでしょうし、とにかく私は落とされないようにしないといけませんねー)




 待機艦隊の裏に隠れた怪物が一人、静かに漣へと狙いを定める。

「ここから先へは行かせないよ」

「不死鳥にだって、朧は負けないから」

「信頼の名も忘れてもらっては困るな」

(ここは、無理矢理にでも通る!)

 相対して十五秒、先に動いたのは朧だった。

「その真っ直ぐなところ、嫌いじゃない」

 近距離から放たれた魚雷、それ等をかわし、通り抜けようとする朧へとヴェールヌイは砲を構える。

「これで――っ!?」

 直感に従い、彼女はそのまま撃たずに身体を大きく捻りその場で旋回する。
 次の瞬間、脇腹辺りを狙っていたであろう砲撃が服を掠め、目標を見失った弾が近くの水面に水柱を立てた。

(流石に今のは危なかったな……まぁいいさ、多少なりとも時間は稼げた)

「――メイド服、似合っていたよ」

「うぅ……恥ずかしいから今はやめて……」




 朧、ヴェールヌイを振り切り暁の居る方向へと航行中。
 ヴェールヌイは潮の足止めへと作戦を移行。
 潮、どう足掻いても犬耳。

「いーい? 司令官の好みはね――」

「ちょっと待って、青葉さん!」

「はいはーい、審判の青葉に何か用?」

「ペンと紙貸して」

「おやおや? 勝負はいいの?」

「それより重要だからパス(料理の好みとか今聞いとかないと後悔しそうだし……)」

(小声でボソボソ言っても、青葉には聞こえちゃいました)

「よし、いいわよ雷」

「よく聞いてね、司令官の好みは――」




 雷、曙の二名は勝負を放棄。曙は某人物の好む味付けや料理の話を聞く方が今後の事を考えると有意義と判断、雷は最初から勝っても負けても着るつもりだったので関係無かった模様。




 なお、青葉のペンも雷の話に合わせて動いていたのは、内緒である。

「来たわね」

「蟹フェアの為、覚悟!」

「暁だってレディーに相応しい服の為に負けないんだから!」

 互いに砲を構え、一騎討ちの狼煙が挙げられ――ることは無かった。




『第七駆逐隊旗艦、漣の轟沈を青葉確認しました!』




「漣、負けるの早い」

「うぐっ……何も言えねぇ……」

「ハラショー、コイツは力を感じる」

「響ちゃんはそういうの着けるの抵抗無いんだね……」

「でね、後はみりんと――」

「ちょっと待って、みりんはどのぐらい?」

「よくやったわ電、流石暁の妹ね」

(胸元の開いたメイド服なんて、絶対に着ないのです……)




 後日、姉三人を味方に引き込んだ漣の策略により、普通のメイド服ならと妥協した電の姿があったそうな。




「写真撮影は青葉にお任せ、可愛く撮ってあげるね!」

 ※写真の一般公開はされておりません、見たければ当鎮守府までお立ち寄り下さい。

二点報告をば

・書き直して遅くなってますが1レスだけ決戦を投下します

・その次のレスの酉はR18用なので、見たくない方は事前にNGしておくことをオススメします

 ――第一艦隊。

 弾幕を途切れさせてはならない。もし途切れれば、その瞬間に数の暴力が彼女達へと押し迫り、その柔らかな肢体を蹂躙(じゅうりん)することだろう。

 そうならないためにも、現れた鬼級への迅速な対応は必要不可欠だ。砲撃と補給以外に回避という選択を何度も迫られるのは、戦線が崩れる原因になりかねない。

 吹雪もそれは重々承知しており、短い時間で最適解を出そうと思考をフル回転させる。

(長門さんでも一度に九体は無理。分散しても四から五体。ある程度接近して叩かないと他の深海棲艦が庇っちゃうし、あの密集状態だと空からだけでやっつけてもらうのも厳しいかも……)

 鬼級九隻を叩くだけならば、この艦隊の練度ならば容易だ。しかし、損耗を最小限にかつ戦線は維持となると、途端にその難易度は跳ね上がる。

 ――だが、それはあくまでこの艦隊だけで迎撃するならばの話だ。




「――こちらG地点防衛艦隊旗艦、吹雪です。現在接近中の鬼級九隻に対してこちらから打って出ます。協力をお願いします!」




 日独二国連合艦隊。ここに集う艦娘に、この戦いにかける思いの差こそあれ、その強さに嘘偽りは無い。

節分ネタが見たい艦娘を安価↓1~3でお選びください(初霜改二除く)

翔鶴、金剛、武蔵の三名了解です

 セッツブーン。それは古来より伝わる伝統的な戦。オニーにマメをぶつけ領地から追い出し、フックーを招き入れるというもの。
 毎年やってくるオニーの猛攻を防ぎ、数多くのフックーを招き入れた家にのみ、一年間の安寧が約束されるのである。




「オニー覚悟ー!」

「どういう認識をしているんだお前は。私は鬼ではないぞ」

「エイッ、エイッ」

「くっ、これは堪らん、出ていくとしよう……」

「何ヲシテイルノカシラ」

「鬼ヲ追イ出シテイルソウダ」

「リト、追イ出スノ?」

「人ガ勝手ニ“鬼級”トヤラニ分類シタダケジャナイ。今ハ“リト”ッテ呼ビ名モアルワ」

「意外ニ気ニ入ッテイルンダナ。マァ、私モ“クー”ト呼バレルノハ悪イ気ハシナイ」

 ――エイッ、エイッ。

 ――私は既に外に……いや、投げるのが楽しいのならば付き合おう。

 ――やあっ!

 ――ふんっ!

 ――あいたぁっ!? 投げ返すのってありなのっ!?

 ――良い機会だ、この長門が演習相手になってやろう。

 ――ホッポモ一緒ニヤル!

 ――フォイヤー! フォイヤー!




 “鬼”が内に居てもいいじゃない、だって鎮守府だもの。

「瑞鶴、今年の恵方は――」

「むぐっ?」

「……加賀さんに写真を」

「もがっ!? んーっ! んーっ!」

「瑞鶴、食べながら暴れるなんてはしたないわよ?」

「むぐぅ……」

「ふふっ、冗談だから安心して。じゃあ私も――」

「翔鶴、瑞鶴、少しいい……」

「「・・・・・・」」

「取り込み中のようね。後にしておきます」

「「――ん~~~~~~っ!?」」




「あら加賀、早かったですね」

「……」

「? どうしました?」

「同じ向きで、同じ持ち方で、同じ角度でこちらに……ふふっ」

(何だか楽しそうですね、何があったのか後で詳しく聞いてみましょうか)




 暫く空母の間でネタにされました。

「Hey比叡ー豆の準備はいいデスカー?」

「はい、お姉様!」

「榛名、メニューの追加はOK?」

「はい、大丈夫です」

「霧島、マイクチェックは出来てるネー?」

「完璧かと」

「じゃあ今日も喫茶『バーニングラブ』、オープンデース!」




「金剛お姉様、ご指名です!」

「了解ネー。Heyお客様ーこの豆を見事あそこに立ってる私に当てられたら豆乳ミルクティーをサービスデース。変なところを狙ったらNoなんだからネ!」

「――What? ここはそういうサービスはやってないネー。ぶつけられたいなら漣の店をオススメしマース」




 ※紳士以外のご来店は固くお断りしております。

「――なぁ大和、豆鉄砲という言葉があるのを知っているか?」

「えぇ、当然知っています」

「豆が立派に武器になることを、昔の者達も知っていたということだな、うむ」

「馬鹿な事を言っている暇があったら、穴を塞ぐのを手伝ってくれないかしら」

「大和型が二人揃って節分に壁の穴をパテで塞ぐ……平和とは残酷なものだ」

「この前九州旅行を満喫して、カステラを大量に買って帰ってきたのは誰でしたっけ?」

「それを半分食べちまったのは誰だい?」

「――鬼は外」

「――福は内」

「「全主砲一斉射!」」




 すきま風が吹き抜ける風通しの良い部屋になりました。

「ホント、詰めが甘いのね」

「全然当たらないっぽいー!」

「あの角度でも弾くか……だがこの難易度、悪くない」

「――命中させちゃいます!」

「甘いわっ!」

「はわわわっ!?」

「ふふっ、早くしないと節分終わっちゃうわよ?」

「よりによって初霜とか無理ゲーじゃね?」

「アレは、チート……」

「深雪スペシャル節分バージョンくらえー!」

「その程度じゃ当たらないわ」

「ちくしょー! 何なんだよその金棒!」

「妖精さん特製豆喰い金棒よ。撒き散らしたら勿体無いでしょ?」

「これ初霜、少しは手加減してやらぬか。節分にならぬであろう?」

「ご、ごめんなさい……改二になって能力も上がったから楽しくってつい……」

「子日は角を生やして怒ってる初春に当てちゃおっと。えいっ!」

「ほぅ、妾が鬼か……子日、覚悟は出来ておるのかえ?」

「は、初霜守ってー!」

「今日は鬼役だから、自分で頑張って」

「子日、大ピンチの日~!?」




 結局、反射的に避けるか弾く初霜に当てられた艦娘は現れなかったそうな。

・瑞鶴Vs大鳳『幸運と不幸』 、投下します

――――演習場。

「加賀に挑むのはやめたの?」

「やめてないよ。大鳳とも一度全力でやってみたいと思っただけ」

「別に演習するのは一向に構わないんだけど、午後から浦風とご飯を食べに行く約束をしているの」

「つまり、長期戦は無理ってこと?」

「えぇ、悪いわね」

「それならすぐに始めてすぐに終わらせれば、何の問題もないでしょ?」

「そう簡単に貫けるほど、私の装甲は薄くないわよ?」

「やってみなけりゃ――分かんないわっ!」




――――元・幸運艦対元・不運艦、開始ス。

 空母同士の戦いにおいて、一番重要視されるのは飛行甲板への攻撃だ。
 第一次航空隊、第二次航空隊と分け、全機を一度に発艦させない場合、飛行甲板に一定の損害が出た時点で、新たに艦載機を飛ばすことも、着艦させることも出来なくなってしまう。
 だが、装甲空母である大鳳だけはその範疇に無く、完全に大破しない限りは、独自のスタイルによって発着艦を可能としていた。
 故に、空母同士の一騎討ちにおいて、大鳳は若干有利と言えた。

(艦戦を多目にして、全機撃墜からの攻撃? いえ、短期戦を狙うなら艦爆や艦攻を多目にしているはずだわ。それなら――)

「第一艦爆隊、全機発艦!」

 対艦でありながら、対空の役割もこなす爆戦。その中の一つ、最も使い慣れたものを彼女は選んでいた。

「悪いけど、無様に負けて浦風に会いたくはないから必ず勝たせてもらうわ」

「後で慰めてもらえるんだから、負けてもいいんじゃない?」

 挑発するような姿勢は崩さず、瑞鶴は艦攻と艦爆を発艦させていく。
 元々加賀と勝負をする時も一瞬の攻防で決着が付くのが大半な為、彼女もそれに対応した艦載機を積んでいることがほとんどだ。

「艦戦はどうしたの?」

「ヤられる前にヤるからいらないっ!」

 作戦も何もあったものではない発言に思えるが、瑞鶴の練度を考えると、大鳳からすれば厄介という他無かった。

(回避や対空は一切考えていないようね……)

 七十を超える艦爆と艦攻。一度に飛ばす数を増やせば、それだけ一機一機の動きの精確さを欠いていくものの、ごり押すならば精細な動きは必要ない。

「全機目標大鳳、いっけぇー!」

(このまま防御に回ったら押し切られる、先に轟沈判定を取るしかないわ!)

 一方の大鳳は数ではなく精確さで勝負を決めようと、艦爆隊のみを瑞鶴目掛けて突撃させる。
 速度の大鳳、火力の瑞鶴。艦娘としての能力からすれば逆の戦術を選んだ二人の艦載機は、ほぼ同時に目標へと迫り、互いの姿が目視出来なくなる程の激しい攻撃を行うのだった。

「翔鶴さん、お互い大変じゃねぇ……」

「えぇ、たまに子供っぽくなっちゃうのよね、あの子ったら……」




――――瑞鶴の方が先に轟沈判定出てたはずよ!

 ――――大鳳が先! 絶対に先なんだから!

――――あのー、鈴谷お昼行きたいんですけどー?




 瑞鶴対大鳳、両者同時に轟沈判定が出た為、引き分けとす。

※リクエスト受け付けについてのお知らせです、よくお読みください

・本日ヒトフタマルマルより三つ、フタフタマルマルより三つ受け付けます

・どちらも一番目、三番目、五番目のレスを受け付けます(連投になってしまっている場合などは状況に応じて下にずらします)

以上、お知らせでした

浦風と卯月

島風と長波

飛鷹とやたらと天気予報が外れる日

>>844
>>846
>>848

以上の三レスを今回は有効とします

次回より連投はフライングの段階も含め一回目のレスのみ有効とさせていただきます

次の22時の受け付け時はお気をつけ下さい

・浦風&卯月『こら、あんまイタズラしちゃいけんよ?』

・島風&長波『連装砲ちゃん遊び』

・飛鷹『どこが晴れよ!』

・秋月『質素倹約』

・長良型『ハンデ』

・川内型『休日の過ごし方』

以上六本でお送りします

・浦風&卯月『こら、あんまイタズラしちゃいけんよ?』 、投下します

普段怒らない子ほど

――――空母寮。

「タンスとツボの探索は基本だぴょん」

「ツボなんかありゃせんよ?」

「通じなくてもうーちゃんは挫けないでぇーっす。浦風は普段何してるぴょん?」

「そうじゃねぇ……姉さんと一日まったりしとんのが大半じゃ」

「ベッタリ過ぎて嫌になったりしないぴょん?」

「嫌じゃったら一緒の部屋にずっとなんか居らんよ。――こら、そこは姉さんの私物が入っとるから勝手に触っちゃいけんって」

「うーちゃんの探求心がここを探れと――ウヅキイイコダカラココミルノヤメル」

「?」

「うーちゃんのターンはまだ終わってないぴょん! 浦風の私物チェーック!」

「うちの私物調べても面白いもんは入っとりゃせんよ」

「アルバムにレシピノート、家計簿、裁縫セット、髪留め、救急箱、その他小物類……」

「ほら、面白くないじゃろ?」

「浦風が普段どう過ごしているかが良く分かったぴょん。手のかかる姉を持つと妹は大変だぴょん」

「イタズラっ子な妹を持つのも大変じゃと思うよ」

「うーちゃんはイタズラで皆を楽しませてるだけでぇーっす。ぷっぷくぷー」

「卯月も懲りんねぇ……」

「ウサギがこらしめられる話なんてうーちゃん知らないぴょん。ウサギは皆の人気者ぴょん」

「頭グリグリ」

「あーあーうーちゃんには何にも聞こえないっぴょ~ん!」

(霞ですら涙目で謝っとったし、加賀さんのアレに耐えられるんは、やっぱり赤城さんぐらいなんじゃなぁ……)

「気分転換に浦風の下着チェーック!」

「こら、そこは流石にいけんよ」

「うーちゃんもそういうのが気になるお年頃なんだぴょん」

「だからいけんって」

「よよよぉ? これは……」




「――卯月、うちはいけんって言ったよねぇ?」




――――浦風、魂が抜けたみたいな卯月とすれ違ったんだけど、何かあったの?

 ――――ちぃとイタズラが過ぎるから怒っただけじゃて、何も心配いらんよ。

――――あら、浦風でも怒ることあるのね。

 ――――姉さんはうちを仏か何かと勘違いしとらん?

タイトル変更

・島風&長波『日頃の感謝を』、投下します

ハンドミキサーでやっちゃった

――――島風用私室(寝具無し)。

「――それで? 保護者じゃなくてあたしに相談って何さ」

「長波って、お菓子作れる?」

「まぁ、それなりには作れるけど……」

「あのね、天津風と提督にあげるバレンタインのチョコを作りたいの。手伝って」

「お菓子作りならあたしじゃなくて、もっと教えるのが上手い奴に聞けばいいだろ」

「だっ、だってお願いするの恥ずかしいし……」

「あたしに頼むのは恥ずかしくないっての?」

「うん、だって長波だもん」

「――分かった、協力するよ。但し、全部自分で作らないと意味が無いし、うまく出来るかの保証はしないぞ?」

「うんっ! ありがとう長波!」

「こっ、こら、苦しいから飛び付くなって……」

「えへへー」

(――まっ、たまにはこういうのも悪くないか)

「まずはこれを細かく――」

「連装砲ちゃん、ゴー!」

「ゴーじゃないだろバカ! 細かくしろとは言ったが木っ端微塵にしろとは言ってない!」

「えー? だってこの方が早いよ?」

「お菓子作りに早さは必要ないから、普通に包丁でやればいいんだよ」

「……長波、包丁ってどうやって使うの?」

「・・・・・・島風、ひょっとして料理したこと無いのか?」

「無いよ? 天津風か提督がいつも作ってくれてたもん」

(……甘やかし過ぎだぞ、あの二人)

「良く見とけよ? 包丁はこうやって握って、こう使うんだ」
「おぅっ!」




「痛いよ長波ぃ……」

(これ絆創膏だと天津風にバレるし、入渠させるか明石に頼まないとまずいな……)

「――ねぇ長波、料理作るのって大変なんだね」

「大変かもしんないけど、作って美味しそうに食べてもらえたら嬉しいもんだぜ」

「……うん。よーし、頑張るよー!」

「うわっ!? ほ、包丁振り上げたら危ないだろ!」

「あっ、ごめん」




――――あはははっ、長波の髪美味しそー!

 ――――こら! あたしの髪で遊ぶな!

――――かけっこするの? 負けないよっ!

 ――――走り回るとチョコが床に飛び散るからやめろってば! 後で一緒になって叱られるのはあたしはごめんだからな!




 チョコまみれでお風呂。変な妄想をしたり覗いたりしたい方は、天龍に真っ二つにされるか龍田に串刺しにされるかお選びください。

~小ネタ集~

「二度と浮上出来ないようにしてやる!」

「その台詞と広げた手はなんだ」

「提督さん、阿賀野と一緒にお昼寝しよ?」

(実際問題、寝心地良くてなかなか意識が浮上しないから困るんだよなぁ……)




「提督、お呼びでしょうか」

「あぁ、ちょっと浜風に聞き――何やってんだ……?」

「湯煎です」

「いや、それは見れば分かるんだが……ん? 頬にチョコ付いてるぞ」

「っ!?」

「あっバカ、手を離すなっ!」

「へっ? あっ、わわっ、きゃあっ!?」

(……風呂に入れんとダメだな)




「――アレ? 叢雲?」

「ふっ、吹雪!? いや、これは違うのよ、別にラッピングをどうしようか悩んでなんて……」

「ふーん? 叢雲もやっぱり司令官にはちゃんとあげたいんだ」

「……何よ、悪い?」

「去年みたいに私からが二つにならないように頑張ってね」

「うっさいわね! 普通に渡すわよ!」




「良い雨だね」

 ――こらー! 時雨ー!

 ――もうバカー! 服がチョコまみれっぽいー!

「チョコの雨、皆はお気に召さなかったのかな? 僕はとっても面白いけど」




 その頃地上では、リトが溺れていた。

――――提督執務室。

「――またか」

「またです」

「またみたいですね」

「しかも理由が異文化交流希望って何なんだ、学校か何かかここは……」

「学校というよりはアミューズメントパークね」

「鎮守府っぽくは無いですよね」

「まぁ理由はどうあれ今日既に来てるらしいから、二人も後で会っておいてくれ」

「「了解」」

(ビスマルクの来た時のイメージでは規律にかなり厳しいと思ってたんだが、プリンツに続いてこれだと認識を改めた方がいいのかもしれんな……)




(郷に入っては郷に従え、来たからにはユーも早く慣れないと……あそこは、食堂?)

――――喫茶“第七メイド隊”。




 異文化交流の第一歩、難易度甲。ユーの運命や如何に。

――――提督執務室。

「久しぶりですね、大淀」

「相変わらず鞭が似合いますね、香取」

「うふふ、教鞭と言ってもらわないと私が危ない人みたいじゃありませんか」

「それで? 大本営所属だったはずの貴女が何故ここに?」

「その大本営から提督の指導をしてくれ、と」

「――冗談を言うような性格ではなかったと記憶していますよ、香取」

「あら。ほほう、なるほど、あの大淀にもそういった表情が出来たのですか」

「……」

「うふふ、これからどうするかはここでじっくり考えるとしましょうか。それでは提督、よろしくお願いします」

「あぁ、ここでは好きに生活してもらって構わない。ただ、あまり派手に動くと血の気の多い奴も居るから、そこだけは注意してくれ」

「はい、そうさせていただきます」

(……暫くは、動向に注意が必要なようですね)




――――香取が着任しました。

・飛鷹『どこが晴れよ!』、投下します

時雨の天気予報(雨限定)

――――喫茶店。

「何で店に入った途端やむのよ……」

「俺が知るか」

「天気予報、晴れだったわよね?」

「時雨曰く、“今日は髪が片方だけ跳ねるから時折雨だよ”、だそうだ」

「分かってたなら教えなさいよ」

「まさか本当に当たるとは思わなかったんでな」

「はぁ……髪も服も濡れるし、ついてないわ……」

「髪を前に下ろしたら貞子が出来る特典がついてる」

「お望みならやってあげましょうか? 呪ってあげるわよ、物理的に」

「――あまり身体を前に乗り出すと、濡れて強調されてるのが更に強調されるぞ」

「?……っ!?」

「雨のせいだから俺に非難の視線を向けるな、周りから見られる前には注意しただろ」

「変態」

「不可抗力だ」

――――???

「――で、晴れたと思って店から出て十分でまた降るってどうなってるの? 提督、貴方本当に呪われてないわよね?」

「狐の嫁入りが重なっただけだろ」

「何で傘買わなかったのよ」

「ビニール傘は嫌って言いやがったのはどこの誰だ」

「あんなの使うぐらいなら濡れた方がマシ」

「その結果がここって方が酷いと思うぞ」

「いいじゃない、飲み物もあるし休めるし」

「……シャワー、とりあえず浴びてきたらどうだ? あるものは使わんと勿体無いし、風邪引かれるのは勘弁だしな」

「……そうね」

「――おい、何で腕を掴む」

「提督に風邪引かせたら私が怒られるじゃない」

「後で大丈夫だ」

「い・い・か・ら!」

(撤退は無理、と……外だと禁欲になるってのに、本当に勘弁してくれ……)




――――結局、ここで一日過ごしちゃったわね。

 ――――(……地獄だった)

――――さぁ、帰り……嘘、でしょ?

 ――――……走るぞ、飛鷹。

――――もうっ! 本当に何なのよ今日はぁぁぁっ!

・秋月『質素倹約』 、投下します

連装砲ちゃん○
連装砲くん◎
長十センチ砲ちゃん×

 物が必要最小限しか無く、整理整頓された部屋。悪く言えば殺風景な部屋で、秋月は牛乳パックを再利用して小物入れや家庭菜園用の鉢を作っていた。

 その隣では、長十センチ砲ちゃんが丸めたビニール袋を上に飛ばして対空射撃して遊んでいる。たまに秋月に当たっているが、その度にコツンとつつくだけで、やめさせようとはしない。

 “内職をする母親”、というのが今の提督から見た彼女の印象だ。

「――あの、見ていて面白いですか?」

「面白くはないが、懐かしい」

「懐かしい、ですか?」

「母親が家で内職の様なことをしていたんでな、その横で遊んだり、膝枕してもらったりしていたのを思い出す」

 どう反応するのが正解なのだろうと、微妙な笑みを浮かべた秋月。それを察してか、提督は更に言葉を続ける。

「質素倹約、良い心がけだ」

「使えるものは使わないと、勿体無いです」

「その点については優秀な場所だぞ、ここは。残飯や廃棄物が出ないからな」

「はい、とても素晴らしいと思います。少し、食事が豪華過ぎて気後れしてしまう時もありますけど……」

「ただ高いだけのものを用意してるわけではないし、間宮達なりにコストを最低限に抑えつつ最高の料理を振る舞ってるんだ。遠慮しないで食べるのが、一番勿体無くないぞ?」

「……はい、提督の仰る通りですね」

「勿論、秋月のその倹約精神は貴重なものだ。豪勢に暮らせとは言わんし、ここが無駄だと思ったら俺に遠慮なく言ってくれて構わん。出来る限りのことはする」

「――じゃあ、暖房が勿体無いのでもう少しこちらに来られませんか? ホットカーペットで十分温かいですよ?」

「……秋月に一定以上近付くと何故か長十センチ砲ちゃんに突撃されたり踏まれるんでな、遠慮しておく」




――――長十センチ砲ちゃん、提督にイタズラしちゃダメよ?

 ――――(ボディーガードのつもりなんだろうな……別に何もしないってのに、はぁ……)

色々とお知らせをば

・基本的に着任ネタを書く(>>1に着任する)まで、親艦のリクエストは受け付けません

・14日は忙しくて更新出来るか不明です(出来そうなら何かやります)

・加賀さんチョコ下さい

・深海棲艦は次スレ開始時に三人増やす予定(潜水棲姫と離島棲姫来なかった、訴訟)

・エロは二名以上、もしくは内容如何でパラレルor夢オチになります

・チョコは鈍器

以上、お知らせでした

E-5攻略&用事&実況中継風に書いてたら長くなってしまってるので投下はもうしばらくお待ちください

無理でした、天城入手を最優先したいので暫く更新休ませてください

「マルマルマルマル。提督、どうぞ」

「?――あぁ、バレンタインか」

「忘れていたの?」

「忘れていたというか、忘れていたかったというか……」

「ホワイトデー、楽しみにしています」

「毎回地獄なんだぞ、一週間前から準備で大忙しだ」

「では、これは赤城さんに」

「待て、貰わないとは言ってない」

「嫌々受け取られると、流石に私も傷付きます」

「……不意打ちで渡されたから焦っただけだ。嬉しくない訳無いだろ」

「……そう」

「今年は何だ?」

「フォンダンショコラです。赤城さんに試食してもらったので、味は保証します」

「そうか、じゃあ紅茶二人分淹れてくれ」

「二人分?」

「こんな時間に食べさせようとする秘書艦には付き合ってもらわんとな」

「別に構わないけれど……」

「――それにしても、毎回この時期に間宮が取り寄せるバレンタインチョコの材料の量は凄まじいな」

「艦娘全員が別々の場所で買うよりは、効率的で安く済みますから」

「冷やかされたくなくて、わざわざ外に買いに行く奴も居るみたいだがな」

「――どうぞ、それなりに期待して良い出来です」

「紅茶がか?」

「……」

「分かった、分かったから無言で頭を掴みに来るのはやめろ。いただきます」

「……どうかしら」

「――うん、美味い。ほろ苦くてちょうどいいぞ」

「そう」

(最初は市販品。次は手作りだったが甘過ぎ、三回目でまともになって、今は好みに合わせた味……これを受け取って、嬉しくない訳無いよな)

「? 私の顔に、何かついていて?」

「チョコレート」

「そんなはずありません」

「本当だ、ちょっと顔をこっちに寄せろ。取ってやる」

「自分で取れます」

「いいから、ほら」

「……では、お願いします」




――――っ……やはり嘘でしたか。

 ――――ホワイトデーの少し前払いだ。

――――この程度では全然足りません。

 ――――じゃあ続きはコレ、食べてからな。

逆に考えるんだ、どうせ弾が1000しか無いから更新しちゃってもいいやって

駅伝大会をマラソンと見間違えてたので没った方を先に投下

――――マラソン大会スタート地点。

「何で全員参加なの? 長良姉と鬼怒だけ走ればいいのに……」

「阿武隈、そう言わずに付き合ってあげよ、ね?」

「ひっ、人がいっぱい……」

「当たり前よ、マラソン大会だもの」

「よーし、張り切って行こー!」

「目指せ一位から六位独占!」

 名前入りTシャツ阿武隈、マイペース由良、人が多いと目がぐるぐるする名取、揺れる五十鈴、マジパナイ鬼怒、この前まで着れていたデニムが太股から上がらなくなってきた長良。
 長良型六姉妹、揃ってスタート地点につきました。華やかで個性的な彼女達に、周囲の参加者も大会とは別の意味で色めき立っております。

「帰ったらすぐお風呂入らなきゃ」

「提督さん、見てくれてるのかな?」

「て、提督さんが見てるなら頑張らないと……」

「名取、手と足が一緒に動いてるわ」

「もうすぐスタートだよっ!」

「コンディション最高、良い記録出せそう!」

 テンションにバラツキはあるものの、長女を筆頭に個々の能力は非常に高く、記録には期待が持てます。
 ――それではマラソン大会、スタートです。

「長良の足についてこれる?」

「相変わらず長良姉の加速マジパナイ」

 先行で飛び出したのはやはり長良、それを追う形で鬼怒、後の四名は少し出遅れたような形となりました。他の参加者もトップを走る長良の後ろに続いたものの、最初から一キロ二分ペースで走るのはハーフとはいえ苦しいと感じ、大半は徐々に速度を落としていきます。

「五十鈴姉さん、何だか周りから視線が……」

「――走るには邪魔よね、コレ」

「え?――っ!?」

「名取、急に早くなったね」

(……私だって、そのうちあのぐらい大きくなるもん)

 遅れていた四人組から最初に飛び出したのは名取、凄い勢いで先頭(人が少ない所)を目指します。何とは言いませんが、加速すると同時にアレも上下にかなり揺れています。

「五十鈴と阿武隈はどうするの?」

「最後で抜けばいいだけよ、焦る必要無いわ」

「このまま団子で走る、皆を風避けにしてれば楽だし」

「じゃあ私もこのまま走ろうかな」

 会話しながら走るというのはかなり体力を消耗し、息も切れるもの。しかしそこはやはり歴戦の艦娘、喫茶店で午後のティータイムを楽しむかのように会話に花を咲かせながら、上位集団に混じっています。

「遅い! 全然遅い!」

「長良姉と私が速すぎるだけだって」

 一位長良、二位鬼怒と続き、後続との差はかなり開いております。当然のことではありますが、一般人と一緒に走るとその身体能力差は歴然となってしまう模様です。

「――お、追い付いたぁ……」

「あっ名取、追い付いたんだ」

「名取姉、後の三人は?」

「最後まで前には出てこないんじゃないかな」

「名取は何で前に来たの?」

「ま、周りに人が少ないから……」




 そして、大会は先行する三人を追う形のまま終盤戦へと突入します。

「――そろそろ、いいんじゃない?」

「うん、いいと思う」

「六位以内にならなきゃ後で走り込み付き合わされそうだもんね……」

「じゃあ行くわよ、五十鈴について来て!」

「阿武隈、提督さんに早く会いたいね」

「べ、別に鎮守府でいつでも会えるし、私は心待ちになんかしてないんだから」

 大会も終盤に差し掛かった頃、長く疎らに伸びた走者の列を怒濤の勢いで追い抜いていく三人組。胸に目が行き、揺れる長い髪に目が行き、“阿武隈”と書かれたシャツに目が行き、一呼吸置いてからその速さに走者達は驚きます。

 ――五十鈴さん、陸でも速いでち。

 ――普段はマイペースだけど由良もやっぱり速いのね。

 ――ゴールしたら阿武隈の前髪弄ってやろっと。

――――ゴール地点。

「提督ーもうちょいそっち」

「何でわざわざゴールラインの先に居なきゃならない」

「てーとく、いいからこっち来て」

「絶対その方が面白くなるわ。次は私も出場してみようかしら」

「――おっ、来たっぽいよ」

 ゴール目掛けて迫る六つの影。その誰しもがゴールラインの先を見て更に速度を上げる。
 提督目掛けて突撃する者、ゴーヤ目掛けて突撃する者、北上からなるべく遠い場所を駆け抜けようとする者、皆長距離走の締めとは思えない加速だ。

「提督ー! 長良の走りどうだったー!?」

「五十鈴的には間宮さんのアイスよりゴーヤの方が疲労回復に最適だわ」

(提督さんにこんな人前で抱き着いたら迷惑かな……)

「提督さん、受け止めてくれるよね」

「おーい提督ー! 鬼怒の走りマジパナイでしょー!?」

「何で北上さんが居るの!?」




――――勝利勝利大勝利ー! 最高の響よね。

 ――――この後祝勝会でハッスルする?

――――勢い余って頭突きしちゃった……うぅ……。

 ――――名取、ナイスヘッド。

――――阿武隈、私は盾じゃないんだけど。

 ――――だって北上さんが狙ってるんだもん!

・長良型『ハンデ』、投下します

長良型は陸上競技にて最強

『マイク、音量大丈夫? チェック、ワン、ツー。さぁ始まりました市民駅伝大会。参加者は一般人から学生、社会人、艦娘と幅広く参加しています。この度は鎮守府にも状況が逐一伝わるよう、私、金剛型四番艦霧島が実況を務めさせていただきます』

(長良姉と鬼怒と島風ちゃん達でチーム組めばいいのに……)

『第一走者は胸と背中に自分の名前が書かれたシャツを着た、阿武隈です。やはり前髪を気にしているのか、ペースはややゆっくりといったところでしょうか』

 ――阿武隈っちー手抜いて走ってたら、名前目立たないよー。

 ――阿武隈さん、頑張って下さい。

「き、北上さんと潮ちゃん!?……わ、私だってやる時はやるんだから!」

『応援の効果により、阿武隈の速度上昇しました。このままの調子なら第一区間でも良い順位が狙えそうね』

「阿武隈、御期待に応えまうっ!?」

『おっと、まさかの前方不注意により前を走る選手と衝突した模様です。流石は阿武隈、期待に応えてくれますね』

「そういう意味じゃないもん!」

『さぁいよいよ第二走者へとタスキが渡る時間がやってまいりました。ただいま順位は十八位、可もなく不可もなくといったところでしょうか。第二走者は長良型のダジャレ担当鬼怒、ここからの巻き返しに期待したいところです』

「ダジャレ担当じゃないよ!?」

「鬼怒、パス!」

「お疲れ阿武隈。鬼怒、行きまーす!」

『えー今手元にある私の集めたデータによりますと、“パナイ島マジパナイ”を面白いと解答した艦娘は三名だけのようね』

「このタイミングでその話題出す霧島さんがマジパナイ」

『それはともかく早々と二人抜かし、現在順位は十六位となっています。長女程ではないにしろ、日頃トレーニングしている成果が出ている模様です』

「このまま一気に順位を上げるよ!」

 ――鬼怒、頑張るクマー。後十五人抜くクマー。

 ――抜けない鬼怒はただのおにおこにゃ。

「無茶振りやめて二人とも。後、多摩はおにおこ言うなっ!」

『暖かい声援を受け、第三走者へと良い順位でタスキを繋ぐ為に更に速度を上げます。両腕を上げながら走る彼女のパフォーマンスにも期待したいところです』

「だから無茶振りやめてってば!」

『駅伝大会も中盤戦、第三走者は長良型のマイペースクイーン由良。今、彼女へとタスキが渡ります』

「ごめん由良姉、思ったより順位上がんなかった」

「お疲れ様、後は任せて」

『さぁ現在順位は更に二つ上がって十四位。まだまだ一位を狙うのも不可能ではありません』

「タスキって、右肩からかけるの? 左肩から?」

『駅伝では正式なタスキのかけ方に関するルールは無いようね。由良の好きなかけ方でいいんじゃないかしら』

「うん、じゃあ右肩からかけようかな」

『私のデータによると、司令に物をねだるのが上手という意外な一面もあるようです』

「ずっと見ていると、何故か買ってくれるの」

『司令曰く、“あの視線に逆らえた試しが無い”そうです。その粘り強さがこの駅伝でも発揮されることを期待しましょう』

「頑張ったら提督さん、褒めてくれるよね、ね?」

『褒めない方がおかしいかと』

「うん、とりあえず一桁まで頑張る」

『流石は司令効果、データ以上の速さで走り始めました。このペースなら順位を一桁まで上げるのは私の計算上可能ね』

(提督さんに会ったら夕立ちゃんのマネ、してみようかな)

『有言実行、九位で第四走者名取へと由良のタスキが渡ります』

「名取、はい」

「頑張ったね由良。私も頑張らなきゃ」

『普段は気弱な性格ではありますが、いざ戦場に立つと並々ならぬ実力を発揮した長良型のメイン家事担当。彼女が一日部屋を開けると何がどこにあるか分からず阿鼻叫喚になるそうです』

「だって、皆覚えてくれないんだもん……」

『そして何より注目すべきはやはりブルマでしょう。ハーフパンツが主流の中、長良と名取だけは昔ながらのブルマを愛用しています』

「こ、コレじゃないと何だか走りにくいからで、別に愛用してるわけじゃないです」

『走りにくいと言うだけあってブルマを履いたその足は速く、一気に八位の走者へと距離を縮めます。観客からも見た目とは裏腹な身体能力に、感嘆の声が上がっているようね』

 ――揺れてるな。

 ――あぁ、揺れてる。

『(……名取には黙っておいてあげましょう)』

「お、応援ありがとうございます!」

『とうとう駅伝大会も終盤戦。名取が五位に迫る追い上げを見せ、タスキは長良型の潜水艦係、五十鈴へと渡されます』

「五十鈴姉さん、お願い!」

「任せて、五十鈴にはもう勝利が見えているわ」

『当鎮守府で待機組に含まれない影の実力者の一人、彼女の未来予知とも思える戦いがこの駅伝大会でも披露されることを期待しましょう』

「追撃戦は十八番よ。五十鈴の韋駄天さも見せてあげる」

『瞬く間に一人追い抜き、現在の順位は五位。四位を捉えるのも時間の問題ね』

「あら、四位なんてもうとっくに捉えてるわ。二位までは確実、後はアンカーに委ねて終わりよ」

『自信に満ち溢れた発言、それを慢心とも思わせない素晴らしい走りを見せています』

 ――さ、さっきより更にすげぇ……。

 ――アレで良く走れるな。

 ――五十鈴さん、頑張って。

「ふふふ、帰ったらたっぷりあの子達で補給ね」

 ――ゴーヤに疲労回復効果は無いでちよ!?

『私のデータによると、潜水艦娘と過ごした次の日の五十鈴のコンディションは常に最高です』

『遂にこの時がやってまいりました。いよいよ最終走者、長良へと五人分の想いを乗せたタスキが繋がれます』

「舞台は整えてあげたわ。後はよろしく」

「最高のお膳立てありがと五十鈴!」

『一位との差は約二分。かなり絶望的な状況ではありますが、彼女ならやってくれるでしょう』

「追撃します! 逃げる隙など与えません!」

『島風と陸の上ならば互角に渡り合えるその速さは正に神速。駅伝で区間は限られているとはいえ、最初からトップスピードで駆け抜けます』

「遅い! 全然遅い!」

『声援が届く前に過ぎ去るかのような走り、既に一位との差はかなり詰まっています。しかし、流石は現在一位チームのアンカー、逃げ切ろうと相手も速度を上げました』

「よーし燃えてきたぁー!」

『追い上げる、追い上げる、まだまだ追い上げる。ラスト五百メートルで差は五十メートル、勝つのは彼女か、セリフすら無いモブAか!』




――――今、ゴールテープが切られました! 勝利を手にしたのは――。

「勝利勝利大勝利ー! 最高の響きよね!」

「いくらハンデとはいえ、これを着けて走るのは二度と勘弁だわ」

「うん、重かった……」

「コレって、重いの?」

「この重り気にならないとか由良姉マジパナイ」

「きっ、北上さん近くに居ないよね?」




 艤装よりは軽いけど陸だと重い。長良型は(姉妹艦の多さと日頃の長女のトレーニングに付き合わされていることにより)陸上競技にて最強。

用事がなくなったし攻略も無理なのでバレンタインネタ書きます、バレンタインチョコが欲しい艦娘を一レスに一人ずつ書いて下さい(朝霜と天城除く)

とりあえず五人までで

「司令官、はい、チョコレートよ」

「雷マークのチョコケーキか。また凝ったのを作って来たな」

「当然じゃない、この雷様が毎年同じものを作るとでも思ってたの?」

「去年は文字クッキーだったか」

「アレは型抜きだし皆で作ったから簡単だったわ」

「――少し甘めだが、しつこくなくて食べやすいなコレ」

「味見役に木曾さんに協力してもらったの。木曾さんもほろ苦いの好きだって聞いてたから」

(球磨のケーキを今頃ホールで食ってるんだろうな、アイツ)

「ねぇ司令官、来年はどんなのが食べたい?」

「そうだな……冬っぽいのとかいいかもしれん」

「分かったわ司令官、来年も楽しみにしててね。私、うーんと頑張っちゃうから」

「あぁ、楽しみにしておく」




 本日ミニホール二つ目。

「司令、今日はばれんたいんとやららしいからチョコレートを浜風と作ってみた。食べてくれ」

「は、浜風は試食したのか……?」

「あぁ、食べていたぞ。“一挙手一投足に至るまで目を離さなかった甲斐があった”と涙ぐんでいた。少し大袈裟だと思わないか?」

(浜風、よくやった!)

「いつまでも見ていないで食べてみてくれ。早くしないと溶けてしまう」

「あぁ、今食べる」

「――どうだ司令、最後にかけたタバスコが程よく甘さを抑えてくれているだろ?」

「っ~~!?」

「……甘いのが苦手と聞いたからタバスコを最後にかけたんだが、何かまずかったのか?」




 磯風はタバスコがお好き。

「提督、私もチョコレートを作ってみましたのでどうぞ」

「わざわざ他の奴が俺に作ってるからって、お前まで作らなくても良かったんだぞ?」

「いえ、皆さんが作った時に微妙に残ってしまった材料をかき集めて作ったものですので、気になさらないで下さい」

「まぁ確かにボウルとかに多少残るが……全員のところを回ったのか?」

「はい、その時に試食もしていけと皆さんがチョコを下さったので、今月は少し甘味は控えようと思います……」

「チョコレート、美味しかったか?」

「はい!」

「そうか――甘いな、このチョコ」

「も、もしかして提督は甘いチョコは苦手でしたか……?」

「いや、味はほろ苦い」

「甘くて、苦い?」

(わざと余らせたなアイツ等。全員の思いが籠った、優しい味のするチョコだ)




 普段は綺麗に舐めたりパンに付けて処理しています。

「司令官、チョコレートです」

「三角巾とエプロンってことは、ついさっき作ったのか。でも、冷ますのはどうしたんだ?」

「たった今冷めたので、切り分けて持ってきました」

「……お前、ひょっとして冷めるまでずっと冷蔵庫の前で待ってたのか?」

「はい、司令官に出来立てを食べて頂きたかったので」

「あぁ、じゃあ早速もらう」

「だいぶ慣れてはきましたが、やはりお菓子作りはまだ不安が多くて、あの、お味はどうでしょうか?」

「――うん、ココアパウダーがチョコレートそのものの甘さをちょうど良い甘さに抑えていて美味い。食感も生チョコだから柔らかくて食べやすいな」

「本当ですか? 一週間前から試作に試作を重ねておいて良かったです」

「一週間前から作ってたのか……朝潮、口開けてみろ」

「?」

「そんなに作って疲れただろ。さっき間宮から貰ったチョコ飴だ、お前にやる」

「はひはほうほはいはふ」

「来年も期待してるぞ、朝潮」

「はひっ!」




 試作品は朝潮型で美味しく頂きました。

「司令官、少しお時間いいですか?」

「春雨か、何だ?」

「チョコレートヲ渡シタインダヨ、ソレグライ察シロ」

「クーちゃん!?」

「そりゃそうか。ありがとな春雨――まさか、チョコ春雨とかじゃないよな……?」

「ちっ、違います」

「それなら安心だ。今、ここで食べた方がいいか?」

「出来れば、感想も聞きたいので」

「じゃあ早速――ん? これは……」

「チョコポテトチップスにしてみました。以前に食べているのをお見かけしたので大丈夫かなと思って……あの、ダメでしたか?」

「いや、変化をつけてくれるのは正直有り難い。やっぱりどうしても同じ物ばかりは段々キツくなってくるんでな、いただきます」

「ど、どうでしょうか?」

「うん、塩気もキツすぎず、かといって甘過ぎず、甘じょっぱくて良い感じだ。チョコで食感が重くなってもいないし、美味いぞ」

「良カッタナ」

「うん、クーちゃんにも後であげるね」

「――サッキソイツガ言ッテイタチョコ春雨トヤラ、実際ニ作ッテミナイカ」

「えっ?」

(流石にそれだけは美味しいとは思えないんだが……)



 チョコ春雨、ここに封印する。二度とその姿を見た者は無かった。

甘さを控えておりますのでカフェモカとミルクチョコを片手にお読みください

寝落ちしそうなので続けられたら夕方にでも再開します

再開します

五人まで受け付けますが、日付変わる可能性もあります

それでも良ければどうぞ

「提督、チョコは……いりませんよね?」

「何故そうなる」

「もうだいぶ召し上がっているようですから」

「身体がチョコになりそうではあるが、好意を無下にする気は無い」

「――では、気合いを入れて下さいね?」

「・・・・・・は?」

「バケツプリンというのがありましたので、バケツで作ってみました」

「待て、いやちょっと待て、流石にこれは食いきれんぞ」

「好意を無下にはしないと仰ったばかりですよ?」

「……何が狙いだ?」

「どうしても食べきれないのでしたら、私に食べさせて下さい」

「九割お前の胃袋に入れることになるぞ、コレ」

「それは大変ですね」

「嬉しそうに言うな」

「――食べさせ方は、提督にお任せします」

(……うちの一航戦が時折子供っぽくなるのは、良いこと、なのか?)




 一時間ほどかかりました。

「司令官」

「早霜か、お前もバレンタインのチョコか?」

「えぇ、良ければ受け取って下さるかしら」

「あぁ、有り難くもらう」

「こういった物を作るのは初めてだから、お口に合えばいいのだけれど……」

「これは――キャラメルか?」

「はい、キャラメル、美味しいですよね」

「キャラメルはキャラメルでも、普通のじゃないな……イチゴチョコのキャラメルか」

「お味は、どうでしたでしょう?」

「イチゴの程好い風味が口に広がって、しつこくもなくちょうどいい」

「ンフッ……フフフッ……そう」

「夕雲や他の艦娘にはあげたのか?」

「えぇ、姉さん達と清霜、那智さん、弥生さん、不知火さん、ヲーちゃんには渡したわ」

「来年はもっと作って、他の奴にも渡してみろ」

「……努力は、してみます」




 私室に置いてきた残りは全部巻雲に食べられていた模様。

「ほらよ」

「おっと、毎年の事だが投げ付けるのはやめろ。落としたらどうする」

「いいからさっさと食えよ」

「お前のは毎年安定してるからな、特に心配も無く食える」

「ウザい、黙って食え」

「――苦いな、やっぱり九十九パーセントは伊達じゃない」

「わざわざこの摩耶様が毎年作ってやってんだ。来月はしっかり返せよな」

「半分鳥海に手伝って貰ってるようだし、鳥海にその分多く返すとするか」

「……こっ、今年はアタシが一人で作ったんだぞ、それ」

「知ってるぞ、先に鳥海に聞いたからな」

「おまっ!? 知ってたんなら先に言いやがれっ!」

「本人から聞いてこそ意味があるだろやっぱり。とうとう“鳥海に付き合わされて”、が使えなくなったな」

「っ……クソがっ、ホワイトデーのお返し覚えとけよ!」

「あぁ、ちゃんと考えてるし覚えてるから安心しろ」




 摩耶様、初めて一人でのチョコ作り。

「司令官、青葉の本命チョコです!」

「その言い方だと義理も誰かに渡したことになるが、誰にだ?」

「出版関係の人達ですよ? やだなー司令官、ひょっとしてヤキモチですか?」

「そうだって言ったらどうする?」

「……あー、ちゃんと渡せましたし、青葉はコレで失礼しちゃうね」

「まぁ待て青葉、まだ食べた感想を一言も言ってないぞ」

「じゃあ一言お願いします今すぐお願いします」

「コーヒーが欲しくなったから淹れてくれ」

「……司令官の意地悪」

「何の事か分からんな」

「ニヤニヤしながら言っても説得力無いよ!」

「いや、耳たぶが赤いから外が寒かったのかと心配してるんだ」

「もうっ! いいから早く食べて下さいよ!」

「分かった、分かったから叩くな。――青葉らしいな、カメラの形のチョコクッキーか」

「メモ帳とペンも考えたけど、青葉にあの二つの再現は難しすぎました……」

「うん、味も良い。これなら全部簡単に食べられそうだ」

「クッキーも、チョコも、青葉にお任せ!……なんちゃって」




 可愛かったので少し取材してから帰しました。

「木曾はチョコスフレか」

「お前に合わせて作った、ちゃんと食えよ?」

「心配するな、ちゃんと食う」

「コーヒー、淹れてやる」

「あぁ、頼む」

「姉貴達にはもう貰ったのか?」

「貰ったぞ。年々球磨のがアートみたいになってきてて、若干食べるのに気が引ける」

「俺にはあそこまでの器用さはないから羨ましいよ」

「そこで羨ましがるだけじゃなく努力するから、こうやって俺は美味いチョコスフレを食べられてる」

「……いくら今日がバレンタインでも、甘い言葉はいらないぞ?」

「じゃあ口直しにコーヒーかチョコスフレ、一口どうだ?」

「お前の魂胆はお見通しだ。いらないね、そんなものは」

「そうか……少し残念だが、仕方無い」

「――まぁ、ちょっとばかしなら付き合ってやっても、いいぜ?」




 食べてるものは苦い、食べてるものは。

バレンタインネタこれにて終了

スレタイ?あぁ…アイツは良い奴だったよ…

・川内型『休日の過ごし方』 、投下します

揃ってオフなら出掛ける三人

――――ゲームセンター。

「神通ー! 那珂ー! こっちこっちー!」

「姉さん、あまり大きな声で呼ばないで下さい……」

「アイドルの那珂ちゃんだってバレたら大変だよー?」

「いいじゃんいいじゃん。ほら、これやろうよ」

「ダンスゲーム、ですか?」

「あっ、那珂ちゃんこれ知ってる」

「画面の矢印があそこに重なるのに合わせて同じ床のパネルを踏むだけ、これなら簡単でしょ?」

「ルールは分かりましたけど、ゲームをやったことのない私に出来るでしょうか……」

「神通お姉ちゃん、アイドルは何でもやるチャレンジャー精神が大事だよ! って訳でゲームスタート」

「えっ、あっ、まだ心の準備が――」




(うんうん、流石は神通だよね。――ちょっとスイッチ入っちゃってるけど)

「リズムとタイミングは把握出来ました。次、この曲にします」

「な、那珂ちゃん今日そこまで激しく動ける服着てきてないよっ!?」

「ようやく、身体が火照ってきました」

「これ戦うゲームじゃないよねっ!?」




 終わってからギャラリーの多さに逃走する神通でした。

「次は私とコレやろうよ」

「今度は、ガンシューティング……」

「(ね、ねぇ川内お姉ちゃん、コレ大丈夫かな?)」

「(大丈夫大丈夫、完全にスイッチ入ったりしないって)」

「持った感じが軽いので、照準が合わせにくいかもしれません」

「それもやってるうちに慣れると思うよ。じゃあゲームスタート!」




「弱点を見せましたね、次発も装填済みです!」

「(スイッチ、入っちゃってるよ?)」

「(あはは……帰ったらおとなしく演習付き合おっか)」

「ふぅ、クリア出来てしまいました。――名前入力? 2…S…S、と」

「何で2SSなの?」

「二水戦、だよね?」

「はい、他に思い付かなかったので」

「じゃあ結構遊んだし、そろそろ帰ろっか」

「あ、あの……」

「分かってるよお姉ちゃん、帰ったら演習でしょ?」

「そうじゃなくて、夕飯の買い物をして帰らないと、冷蔵庫に何も無かったはずです」

「じゃあカレーの材料買って帰って、三人で作ろうよ」

「はい、二人がそれでいいなら」

「那珂ちゃんはー手が荒れるからあんまり料理は――」

「那珂? やっぱり演習しますか?」

「那珂ちゃん料理頑張ります!」




「――神通さんか、相手にとって不足はない」




 謎のWKBから神通がライバル認定を受けました。

とりあえず次スレ立ててきます、こっちもまだ使うので埋めるのはお待ちください

次スレです

【艦これ】浦風「姉さんが拗ねとる鎮守府」大鳳「最近私の影が薄い鎮守府」

【艦これ】浦風「姉さんが拗ねとる鎮守府」大鳳「最近私の影が薄い鎮守府」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423975394/l20)

「提督、チョコレートです」

「レンジは爆発しなかったか?」

「アレは最初の一回だけ、いい加減その話は忘れてちょうだい」

「どうせお前のことだから浦風に大量に作って部屋に置いてきたんだろ」

「今年は浦風には一つしか作ってないわ」

「俺のがこのトリュフ、ってことは別に作ったってことか。何を作ったんだ?」

「特大チョコフレンチクルーラーよ」

「それ、今頃どうやって食べるか悩んでるんじゃないか?」

「それより今は早く提督が食べてくれないかしら」

「それもそうだな、じゃあ遠慮なく――手で溶けず、口で溶ける、柔らかさはバッチリだな。口に残る感じもそこまでじゃない」

「そう、気に入ってもらえて良かったわ。――提督、たまに思うんだけど、バレンタインが冬じゃなかったらどうなってたのかしら?」

「一つだけ確かなのは、チョコレート以外が贈る物として選ばれてただろうな」




 その頃浦風はナイフとフォークを手にしていたそうな。

 ――どしたのぼのぼの。

 ――別に、何でも無いわよ。っていうかぼのぼのって私のこと?

 ――とりあえずどーん!

「きゃっ!? いったたた……何すんのよ漣!」

 ――御主人様にチョコレートを持った可愛い曙ちゃん一名様ご案内~。

「――と、漣が言ってるが、くれるのか?」

「……はい、コレ」

「ありがとな曙。じゃあ早速――花の形のチョコレート、か」

「わざわざ手間かけて作ったんだから全部ちゃんと食べなさいよ、このクソ提督」

「言われなくてもそのつもりだ」

「ふんっ、チョコレートの食べ過ぎで鼻血出しても知らないから」

「――曙、ティッシュ」

「は? えっ、本当に出たの? 軽く下向きなさいクソ提督」

「悪い、今すぐは全部食えそうに無い……」

「バカなこと言ってないで大人しく鼻摘まんでれば。全く、余計な手間かけさせないでよね」




 鼻血を口実に暫く居座ったのは内緒のお話。ぼのぼのわさわさ。

「提督よ、一応今年も作ってみたが、食うかい?」

「お前は毎回絶対それだよな」

「それだけ自慢の一品ってことさ」

「――しっとりとした食感、しつこさを感じさせない甘さ。確かに完成されてるし、毎年コレでも飽きないって味だ」

「欲しいなら何本でも作ってやるぜ。私もどうせ食べるから、いくらあっても問題はない」

「お前のカステラ好きも大概だな」

「これでもうら若き乙女だからな、私が甘いものに目が無くてもどこもおかしくはないさ」

「うら若き乙女が冬場でもサラシ一枚で外を歩くとか聞いたことが無いんだが?」

「いや何、冷えたら惚れた男に暖めてもらえばいいだけの話だろ?」

「ホットチョコかけてやろうか?」

「……流石にそういう趣味は無いんだが、相棒が望むというなら、まぁ、考えないこともない」

「冗談に決まってるだろ」




 やるならお風呂にしましょう。

終わりと書いたな、アレは嘘だ

ネタが思い付いたしついでってことで

埋めネタとして好きな深海棲艦(スレに登場しているのと港湾除く)を書いていって下さい、一番多かったのを出します

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月23日 (日) 21:08:10   ID: 0dbGnf9O

期待

2 :  SS好きの774さん   2015年01月14日 (水) 22:43:59   ID: _6wM8jXU

この人のssってこれと
多摩のやつだけ?

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