久「玉子焼きちょうだい」まこ「自分のがあるじゃろ」 (45)


久「じゃあ交換でいいから!」

まこ「いいからってなんで上からなんじゃ……というかおんなじ玉子焼きじゃろ?」

久「まこの玉子焼きおいしいんだもん……ね、いいでしょ?」

まこ「ま、ええけど……」

久「やった! まこはなんだかんだお願い聞いてくれるから好きよ?」

まこ「はいはい……ほれ」

久「あむっ……ん~おいひぃ~!」

まこ「口に入れたまんましゃべらんでな……お弁当ついとるぞ?」

久「え、嘘? どこ?」

まこ「逆じゃ逆……取っちゃるから動かんで……よし」

久「ありがとうお母さん」

まこ「あんたみたいなでかい娘を持った覚えはないわ!」



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一太「あ、竹井さん……会長!」

久「んー? あら、内木……副会長、どしたの?」

一太「どしたの? じゃないですよ……生徒議会、引き継ぎしたばっかで仕事溜まってるから昼休みは議会室来てくださいって言ったじゃないですか……」

まこ「……またサボったんか」

久「……ちょっと忘れてただけよ? わざとじゃないってば!」

まこ「会長職に就いたんだからしっかりせんと……」

久「……だってまこの玉子焼きおいしいんだもん」

まこ「だって、じゃないわ! つーかわしは悪くないじゃろ!」

一太「はぁ……それじゃあ、お昼済ませてからでいいから来てくださいよ? 彩乃も紫芝さんも待ってますから」

久「……先に始めてていいわよ?」

一太「仕事はもう始めてるんですよ! なんで待ってるかわかってるでしょう? 今日は……」

久「あー!ストップストップ!」

まこ「……今日、なんかあったかのう?」

久「えーと……その、アレよアレ! ね?」

一太「あぁ……今日は会長の誕生日なんですよ」

まこ「……そうだったんか」

久「なんで言うのよ!?」


一太「あとから聞いたらお祝いなにもできないじゃないですか……っていうかなんで言わなかったんですか?」

久「……自分から言ったらなんか催促してるみたいで嫌じゃない?」

一太「こっちとしては言われない方が嫌ですよ……ねぇ?」

まこ「まぁのう」

久「私、今日誕生日なのよ! 祝って!!」

一太「そこまで行くといっそ清々しい……」

まこ「……急に言われてもなんも用意しとらんぞ? 明日とかでもよければ……」

久「あ、じゃあ玉子焼きちょうだい」

まこ「そんなんでええんか?」

久「そんなんとはなによ! お母さんの作った玉子焼きよりおいしいのなんてまこのが初よ!? 自信を持ちなさい!」

一太「いやいや、どれだけおいしいんですか……」

久「あ、ダメよ? これはもう私のだから! それに食べたら間違いなくまこに惚れるし……」

まこ「あんたはなにを言うとるんじゃ……」

一太「とにかくおいしいってことは伝わってきますが……」

久「まこは私の嫁!」

まこ「はいはい」

一太「……この人とふたりって大変でしょう?」

まこ「もう半年の付き合いじゃし慣れたわ……わしより副会長のが大変じゃろ? 責任が付いてくる仕事じゃし」

一太「ええ、まあ……有能なんだからその分しっかり働いてほしいんですけどね」

久「ちょっと、私がサボってるみたいな言い方は……」

まこ「サボっとるじゃろ」

久「てへっ☆」

一太「はぁ……」


一太「それじゃあ、僕は戻りますから……ちゃんと来てくださいよ?」

久「わかったってば……すぐ行くから、ごめんね?」

一太「いいですよ。 これから気を付けていただけるのなら」



まこ「……サボりすぎると回りに迷惑じゃぞ? それに祝う準備もしとるんじゃろうし、早よう行ってやりんさい」

久「大丈夫よ、副会長も他の子達も優秀だもの……あ!」

まこ「そういう問題じゃ……今度はなんじゃ?」

久「そういえば、まこって誕生日いつなの? 聞いたことなかったわよね?」

まこ「あー……5日」

久「5日? 何月の?」

まこ「……5月」

久「へぇ! 5月……あと半年ね! その時はちゃんとお祝いって半年前に過ぎてんじゃないのよ!!」

まこ「見事なノリツッコミじゃのう」

久「どうも……ってそれはどうでもいいの! なんで言わなかったのよ!?」

まこ「……自分から言い出すのも……」

久「……来年新入生が入ってきたら真っ先に誕生日聞くわ」

まこ「……じゃな」


――――――

久「――ということが去年あったじゃない?」

一太「懐かしいですね……今年はちゃんと染谷さんのお祝いしたんですか?」

久「そりゃしたわよ! 優希も和も咲も! 2月には須賀くんも!」

一太「この間のハロウィンも麻雀部でパーティーしたらしいじゃないですか……受験平気なんですか?」

久「あら、私の成績知ってるでしょ? しかも生徒議会長でインハイ優勝! 余裕で推薦もらえるしなんとでもなるわよ」

一太「……まあ、でしょうね。 それでもしっかり勉強はしておいた方がいいですよ」

久「あんたは私の親かっつーの……私より自分の心配しなさいよ」

一太「それこそ、僕の成績知ってるでしょう?」

久「あんた真面目だもんねぇ……少しぐらい手ぇ抜いたら?」

一太「油断禁物って言うじゃないですか。 ……で、誕生日がどうかしたんですか? さっき元生徒議会メンバーからみんなで渡したじゃないですか。 僕はこれ以上出しませんよ?」

久「そりゃ残念……まあ、ほら、みんなの誕生日は私が率先して企画して盛大にお祝いしたわけよ」

一太「ええ」

久「この前咲の誕生日パーティーしたときも『次はハロウィンね!』とか言って自分の誕生日忘れてますアピールもしたし! きっと今ごろみんなでサプライズパーティーの準備をしているはずだわ!」

一太「……それで教室残ってるんですか?」

久「だって帰るわけにもいかないし、呼ばれる前に部室行ったらかわいそうじゃないの」

一太「……そうですね。 でも、気づいちゃってるならサプライズにならないんじゃ……」

久「大丈夫よ! ちゃんと驚いてあげるから!」

一太「……そうですか」

久「ふふふーん♪ 楽しみ楽しみ♪」


一太「……もし、もしですよ? そんなにハードル上げて、なにもなかったらどうするんです?」

久「それはないから関係ないわね!」

一太「どうして言い切れるんですか?」

久「だってみんな私のこと大好きだもの!」

一太「……さいですか」

久「そうそう……っ! 来た! 電話! まこから!」

一太「……早く出たらどうですか?」

久「すぐに出たら電話待ってたみたいじゃないの! こっちが気づいてるってバレたらダメなんだからちょっと焦らすぐらいでいいの!」

一太「…………はぁ、そうですか」

久「……よし、出るわよ?」

一太「出ればいいじゃないですか」

久「いいの? 出るわよ? 本当に出るわよ?」

一太「……お好きにどうぞ」

久「と見せかけて出ない!」

一太「…………」

久「あ、今めんどくさいやつだな、って思ったでしょ?」

一太「そりゃ思いますよ……テンション高すぎですって……」

久「よし、今……あ」

一太「今度はなんですか?」

久「……切れちゃった」

一太「……すぐに折り返してあげてください」

久「うん……」


久「あ、もしもし? まこ? ごめんね、勉強してたから気づかなくって……」

一太「……よく言うよまったく」

まこ『そりゃすまんのう……忙しいなら構わんぞ?』

あら、ここで一旦引くとはなかなかやるわね……絶対今日じゃないと! ってオーラを出してたらサプライズがバレちゃうものね、さすがはまこだわ!

久「ん? 全然大丈夫よ? だいたい勉強しなくても余裕だし……どうしたの?」

まこ『実はうちのバイトの子が風邪引いたらしくてのう……帰って店の手伝いせんといかんくなってもうてな……』

久「あら、大変じゃない……なぁに? お店の手伝いに行けばいいの?」

まさかのRoof-top貸し切り!? そこまで気合い入れなくてもいいのに……

まこ『いや、よかったら部室の方顔出してやれんか? 京太郎も上達してきたとはいえあの3人と打ち続けるのは大変じゃろうし……みんなの相手しながら指導の方も頼んでええか?』

さすがにそれはないか……まあ、口実としてはなかなかのものね。 Roof-topも清澄が全国行ったので結構宣伝効果出たみたいだし、まこが抜けることは前から結構あったもの

久「いいわよ、まかせてちょうだい! 地獄のオニ特訓で須賀くんも全国レベルに強化してあげるわ!」

まこ『いったいなにをする気なんじゃ……ま、頼むわ』

久「はいはーい。 それじゃね」


久「……ね、大丈夫だった? 私普通だった?」

一太「ニヤニヤしてて気持ち悪かったですけど……声のトーンは普通だったと思いますよ」

久「それなら平気ね! 行ってくる!」

一太「……いってらっしゃい」


教室を出て旧校舎に向かう……少し距離があるけど、どの程度のペースで行けばいいのかしら?

あんまり急いで行ったらあっちの予定が崩れちゃうかもしれないし……食堂でタコスでも買っていこうかしら

最近、小腹が空くとついついタコス買っちゃうのよね……毎日優希がおいしそうに食べてるの見てるからかしら? なんだかすごくおいしい食べ物な気がしてきちゃって

最近食堂のタコスの売上も伸びてるみたいだし……これは完全に優希効果よねー

最近は運動部が験担ぎにタコス買ってくなんて噂も聞くし

優希と須賀くん――須賀くんにそういう意図はないみたいだけど――ふたりがタコスの布教活動をした結果ねー

インハイ優勝で学校の名前売るのにも貢献したし……もしかして麻雀部の経済効果凄くない? 来年はもっと部費回してもらえるといいんだけど

そしたら合宿所ももっと良い時期に長く使えるしその時は私も遊びに行けるし!

……ん? もしかして卒業した先輩が頻繁に遊びに行ったら嫌がられたりするのかしら? 麻雀部ずっと一人だったしよくわからないなぁ……

ま、いっか! 私がみんなを好きなのと同じくらいみんなも私のこと好きだし! みんな大喜びで迎えてくれるわよね!

……よし! やっぱりタコス買うのはやめてさっさと部室に行きましょう!

間食しちゃって、もしケーキとか用意してくれてたら困るしね!


京太郎「あ、部長」

久「あら、須賀くん?」

旧校舎の手前で後ろから声をかけられる……これは張ってたわね

おそらく、部室の準備ができるまでの時間調整役……! まあ、設定的にまこはこの役をするわけにいかないし、中の準備にまわってるんでしょうね

1年生の中からならたしかに須賀くんが適任かも……放課後に部室の外にいてもしょっちゅうタコスの買い出しとか行ってるから不自然さもないし、他の子より話題の引き出しも多そうだし……優希だとポロっと言っちゃいそうな危なっかしさがあるしね

京太郎「どもっす。 部長は今日は……?」

久「まこが店出なきゃいけなくなったから部活の方見てくれないかって頼まれてねー」

京太郎「あ、そうなんですか?」

久「聞いてなかった?」

京太郎「んー……あぁ、メール来てますね……食堂騒がしかったんで気づきませんでした」

久「またタコス? 優希も部室行く前に買っていけばいいのにねぇ」

京太郎「……今日は買った上でもう食べきったみたいです」

久「あらら……優希は相変わらずよく食べるわねぇ」

京太郎「そろそろタコス代もバカにならないと思うんですけどねー」

久「聞いた感じ中学からああみたいだしなんとかなってるんじゃないの?」

京太郎「バイトもしてないのにどこから出てくんだか……」

久「意外と家がお金持ちとか? 逆玉狙っちゃう?」

京太郎「狙いませんよ!なにゲスいこと言ってんですか……」


言ってる間に須賀くんは返信も終えたみたいだ

京太郎「あ、そういえば部長……」

久「さっきから気になってたんだけど」

京太郎「はい?」

久「私はもう引退したから部長はまこよ?」

京太郎「あー……すみません、竹井先輩」

久「……いいわね、先輩って響き! 久しぶりだわ!」

京太郎「なんすかそれ……」

久「ほら、私高校上がってからずっと部長とか会長とか呼ばれてるから」

京太郎「なるほど……そういや去年から部長なんですもんね」

……たぶん、次に須賀くんにメールが来たときがあっちの準備完了の合図ね

それまではこのままゆっくり歩いて時間稼ぎさせてあげましょうかね!

久「で? なにを言いかけたの?」

京太郎「ああ、旧校舎の……っと、失礼」

久「メール?」

京太郎「優希です……さっさとタコス持ってこい! って……すみません、さっさと部室行きましょうか」

久「そうね、しっかり鍛えてあげる!」

思ってたより早く準備ができたみたいね……まあ、ここ2、3日は最近遊びすぎたし勉強するわーとか言って部室に行くのも我慢したし!

みんなの時もやったし、きっと部室も飾りつけとかされてるはずだわ!


京太郎「……で、最近立て付けが悪いんですけど」

久「まあ旧、校舎だしねぇ……壊すことはあっても直すことはないでしょうね」

京太郎「ですよねぇ……せめて俺たちが卒業するまでは残しといてほしいんですけど」

久「私としてはずっと残しといてほしいんだけどねぇ……清澄麻雀部スタートの地だし!」

京太郎「元学生議会長の権限でなんとかならないんですか?」

久「学生議会長にそこまで権限ないわよ……まあ、取り壊すみたいな話が出たら署名運動ぐらいはできると思うけど」

京太郎「ま、そんなもんですよねぇ……あ、新しい議会はどうなんですか? あっちも結構顔出してるんですよね?」

久「私たちの代からやってる菜月が会長だししっかりやってくと思うわよ? 今年の反省も活かせるし……」

京太郎「はは、クラスマッチは全学年ドッジボールですか?」

久「ふふ、どうなるかしらね? 雨天順延から中止のコンボにならないように競技を屋内でできるのに絞るぐらいはすると思うけど……」

あー、ヤバい! テンション上がってきた! どうしよう! にやけそう!

落ち着け……落ち着くのよ! 須賀くん案外目敏いし表情に出したらきっとバレるわ……!

平常心を保って……いつも通りに部室に入るのよ!



久「はぁい、来たわよー」





咲「あ、部長」


優希「部長! 3日ぶりだじぇ!」


和「部長は染谷先輩ですよ、ふたりとも……こんにちは、竹井先輩」






久「……あれ?」





……おかしい

思ってたのと違う

こう、部室に入ったらクラッカーがパーンってなって……

京太郎『誕生日おめでとうございます!』

咲『いつもありがとうございます、部長!』

優希『めでたいじぇー!』

和『おめでとうございます、竹井先輩!』

まこ『いつもありがとうな、誕生日おめでとう』

久『みんな……ありがとう!』

そう、こんな感じになるはずだったんだけど……?



優希「京太郎! タコスをよこせ!」

京太郎「ほらよ……ったく、自分で買いに行けよな」

優希「別にいいだろー? お前がタコスを買ってくる、私がタコスを食べる……win-winの関係だろ?」

京太郎「ああ、たしかに……ちょっと待て! 俺いつ得したんだよ!?」

優希「私の素敵な笑顔が見られたじゃないか!」

京太郎「自分で素敵とか言うか!? つーかそんなんじゃ足りないっつーの!」

優希「え……じゃあ、パンチラとか?」

京太郎「…………み、見たくねぇよ」

咲「……京ちゃん今ちょっと悩んだでしょ?」

京太郎「な、悩んでないって! 俺はただ……」

優希「そんな、これ以上なんて……さ、さすがに脱ぐのはちょっと……」

京太郎「言ってねぇよ! モジモジすんな!」

和「まったく……ほら、せっかく部長も来てくれて面子も揃ったんですから始めましょう?」

咲「部長は染谷先輩だよ? 和ちゃん」

和「み、みんなが部長部長言うからうつっちゃったんですよ!」

……あれぇ?


咲「部長……じゃなくって竹井先輩、どうかしましたか?」

久「え? あ、いや……別に……?」

和「せっかく来てくださったんですから、ぜひ卓に入ってください」

優希「久しぶりに打つじぇ!」

京太郎「久しぶりっても3日ぶりぐらいだろ?」

優希「今まで毎日打ってたんだから3日も空けば久しぶりだじぇ」

咲「それはたしかにそうかも」

和「やっぱり5人や4人の時は部室も少し広く感じますからね……」

京太郎「実際広いんだけどな、部室……ま、ちょっと寂しいよな」

咲「そこにいる人が変われば景色も変わって見えるから……いつもの部室も竹井先輩がいなかったら、それはもういつもの部室じゃないんだよ」

京太郎「……びっくりするから急にポエム詠むなよ」

優希「来年にはムロたちも入って来て少し賑やかになるんだろうけどなー」

和「でも、引退したとはいえ竹井先輩はよく顔出してくれますからうれしいです……竹井先輩?」

久「……あ、ごめんなさい……打ちましょうか」

……ちょっと待って、落ち着きましょう

これはおかしい……明らかにおかしいわ

みんな……え? 嘘でしょ? もしかして……もしかしなくてもこれって……あれ?




もしかして、みんな私の誕生日忘れてる?





咲「京ちゃん入る?」

京太郎「俺は後でいいって……牌譜の検討でもしてるから」

優希「あ、私の鞄に夏の男子個人戦の牌譜入ってるじぇ」

京太郎「なんだ、わざわざ集めてくれたのか? サンキューな」

優希「タコスの礼だじぇ! ……勝手に出していいじょ」

京太郎「おう……って教科書とか入ってねぇぞ?」

和「……ちゃんと持ち帰って勉強しないとダメですよ、ゆーき」

優希「家に置いてあるじょ? 牌譜がかさばって鞄に入りきらなかったのだ!」

咲「いやいや……手提げ袋使うとかさ」

優希「おぉ……その発想はなかったじぇ!」

和「今日の授業はどうしたんですか……?」

優希「教科書は借りた!」

京太郎「どうせ授業中寝てるから関係ないけどな」

優希「それは言わないお約束だじぇ」

和「もう……ちゃんと授業受けないと苦労するのはゆーきなんですよ? また補習なんてことになったら……」

優希「サイコロ回すじぇ!」

和「……はぁ」



……いつもの麻雀部の光景だ


まこがいないけど……本当にいつも通りって感じで……え? あれ? これマジ? マジで?


わ……忘れ、られてる……? みんな、私のこと、忘れてる?



咲「竹井先輩?」

久「へ?」

和「ツモ番ですよ?」

久「え、ああ……ごめんなさい」

ど、どうなってるの……? いやまあ、別に? 誕生日とか……た、たいしたことじゃあないし……? そんなに、そんなに落ち込んだりとか、してない……してないけど?

でも、ほら……みんなのお祝いはしたし、わ、私のだけスルーとか、そういうのは……ちょっと、ねぇ?

優希「リーチ!」

京太郎「相変わらずの速度だな」

咲「うーん……これは止められないかな……?」

久「うぅ……」

優希「それだじぇ! 18000!」

久「あ、あらら……」

優希「いきなり竹井先輩から直撃とは上々のスタートだじぇ!」

京太郎「ほんとえげつねぇな……」

本当にえげつないわ……私にこれだけ期待させておいて……いや、私が勝手に期待してたんだけど

……でも、これってあんまりにもあんまりじゃない?

和「……竹井先輩? 大丈夫ですか? 先ほどから様子が……」

久「……あ、大丈夫よ! ちょっと勉強疲れが出てるのかしらねぇ?」


……こうして気にかけてる風でも、みんな私の誕生日なんか忘れちゃってるのよ!?



はっ! 気づかなかったけど……も、もしかして私、自分で思ってるほどみんなに好かれてない……?


咲「あ、そういえば今日……」

久「!!」

咲! 信じてた! 咲は優しい子だってわかってた!

咲「朝、お姉ちゃんから電話が来て……年末にはお母さんと一緒に一回こっちに帰ってくるって」

京太郎「へぇ……」

和「……よかったですね」

咲「うん! みんなには心配かけちゃったから言っておこうと思って……」

優希「これで一安心だな!」

久「そ、そうなの……よかったわね」

よかった……よかったけど! 私が今聞きたいのはその話じゃなくって……!

もっとこう……あるでしょ!? その、身近に……ささやかだけど、おめでたい話題が……!

優希「あ!」

久「!! ど、どうしたの!?」

優希!あなたが本当は一番みんなのこと考えてるのわかってたわ!

優希「朝といえば、来週新作タコスを発売するってチラシが入ってたじぇ! みんなで食べに行こうじぇ~」

京太郎「新作か……それは俺も興味あるな」

和「いつものお店ですか?」

咲「染谷先輩も誘わなきゃね」

いや……うん、みんなでお出掛けはいいんだけど……ほら、今から行ってお祝いするとか……ねぇ?


京太郎「ん……? そういや、今日じゃなかったか!?」

久「!! そ、そう! 今日よ!」

須賀くん! そういう細かいところに気がつく男はモテるのよ! 須賀くんがモテてるところ見たことないけど!

京太郎「ですよね! 佐久の試合! 最近フェレッターズ負けが込んでるし藤田プロそろそろオーダーされるんじゃないかと思って……」

和「藤田プロは悪くないんですが……チームとしての成績は振るいませんね」

咲「……ああ、カツ丼さんのところかぁ」

優希「まだ逆転は見えてるしな……お世話になったし頑張ってほしいじぇ」

久「……そうね、どうせなら勝ってほしいわねー」

なによ、もう! 今は靖子のことはどうでもいいでしょ!? そんなんだから彼女の一人もできないのよ! クラスの女子に『いい人なんだけど……』って言われてるタイプよね! その壁を越えられないタイプ!

和「そんなことより……いえ、そんなことと言うと語弊があるかもしれませんが……今日はもっと大切なことがあるじゃないですか」

久「和……!」

和! やっぱり和は天使だったんだわ! ここまでの話はここで私のことが一番大切なんだって言うための前フリだったのね!

和「はやりんの全国ツアーが始まります!」

咲「は、はや……?」

優希「咲ちゃんは本当にそういうの疎いなー」

京太郎「牌のお姉さん(28)、有名だろ?」

和「年齢は関係ないでしょう!?」

久「…………は、はやりん……はやりんかぁ」

はやりんに……負けた?

あ、これダメだ……へこむ……マジでへこむわこれ

久「リーチ……須賀くん、ちょっと頼んでいい?」

京太郎「へ? いいですけど……」

久「……顔洗ってくるわ」


現在、旧校舎を普段から使用しているのは麻雀部だけで基本的に教室なんかも他の部活やらの物置と化している

つまり、麻雀部のほかに人はいないわけで

久「…………」

ちょっと泣きそうだったから、よかった

こんなこと……こんな程度のことで泣きそうになってる自分もどうかと思うけど、仕方ないじゃない……本当に楽しみにしてたんだもの

もう、子どもじゃないんだから……誕生日なんて、その程度のことでいちいち落ち込んでたってしょうがないんだけど……しょうがないんだけどね……

……誕生日のお祝い……年に1回のイベントで、お母さんが私の好物でごちそうを作ってくれて、お父さんが新しいおもちゃとケーキを買ってきてくれて、家族、みんなで……

久「……あぁもう! 昔のことは昔のこと!」

ダンッ!

目の前の壁に、拳を力任せに叩きつける

久「誕生日なんて、本当に、たいしたことじゃないでしょ……?」

ただ、私の中で……昔の平穏な日々の象徴みたいに美化されて、残ってるだけだ

高校生なんてお金があるわけでもないし、自販機のジュースおごるとか、せいぜいその程度で済んじゃうイベントなんだから……

とりあえず……口実のつもりだったけど、たぶん今ひどい顔してるし……顔を洗って、部室に戻ろう

いつまでも戻らなかったら、みんなきっと心配するもんね

久「……いったぁ」

壁を叩いた拳が痛い……あ、少し赤くなってる……慣れないことはするもんじゃないわね

……手が痛いだけだから……別に、寂しくて涙が出たわけじゃ、ない


久「……しかし、ちょっと戻りづらいわね」

少し時間が経ちすぎた。 どれだけ顔洗ってたんだって話よ……あ、大きい方だと思われてる? それはそれで嫌ねぇ……

それにしてもどうしようかしら……さすがに、おめでとうの一言ももらえないんじゃ悲しすぎる

……ここは恥を忍んで、帰り際まで誰も気づかなかったら自分から言いましょう……うん

自分から言うのって少し……いや、かなり嫌だけど……完全に忘れられてスルーされちゃうよりはいい、わよね?

あー……だけど、そういうのってうざったい先輩だと思われちゃうのかしら?

みんなに嫌がられるのは避けたいなぁ……でもでも……うーん……

ちょっとしたら卒業だけどちょくちょく遊びに来るつもりだし……その度に嫌な顔されたら本気で心折れるし……

……ま、まぁ? さすがに帰りまでには誰かしら気づくでしょ! うん、気づく気づく! ……気づいてくれる……はず

うん、みんないい子だし……完全に忘れられてるっぽいけど……ちゃんと思い出してくれる……忘れられてるっぽいけど……思い出すわよ……ね?

久「……むむむ」

……まあ、ここでうじうじ悩んでても仕方ないし、とりあえず戻ってそれから考えましょうかね

そう、こんなの私らしくないもの……もっと余裕綽々に大きく構えて、かっこよくて頼りになる先輩! それが私!

……のはずよね? なんか今日一日でだいぶ自信なくなってきた……

いやいや! だからうじうじ悩まない! 自信を持って!

久「……よし!」

気合いを入れて……そんな必要は無いんだけど、まあ気持ち的な問題だ……落ち着いて、いつも通りに!



久「ただいまー……ごめんね、遅くなっ



パァン! パァン! パァン!



「「「「「誕生日おめでとう!!」」」」」




久「……え、あれ?」




部室の中は……少し離れてる間に飾り付けもされてて、けっこうな大きさのバースデーケーキにたくさんのおかし……ついでにタコスも並んでいて……

まこ「どうじゃ? 少しはおどろいたかのう?」

久「……ま、まこ? お店の手伝いは……?」

まこ「ずっと隣の部屋におったわ……さすがに気づかんかったか」

優希「飾りつけ、間に合ってよかったじぇ~」

久「ど、どうしたの? これ……10分ちょっとでこんなに準備したの?」

咲「飾りだけ準備して隠しておいたんです」

京太郎「急いでセットしたんでいろいろ危うくなってますけどね……」

久「このケーキは……?」

和「手作りです! さすがに焼きたてとはいきませんが……味は大丈夫なはずですから!」

久「……そう、なんだ」

まこ「……思ってたより反応薄いのう」

咲「やっぱりもうちょっと引っ張った方がよかったですかね? 」

久「引っ張るって……」

優希「普通にやったら絶対にバレるから、みんなで1回忘れたフリをして祝わないという逆サプライズを仕掛けて……」

京太郎「気を抜いたところにサッと準備してサプライズパーティーをするという計画だったんですけど……」

和「もしかして……バレていましたか……?」

京太郎「優希のタコスとかはともかく……やっぱり和のはやりんはキツかっただろー」

和「なっ! はやりんはキツくないですよ!!」

京太郎「そっちじゃなくて! 今日からツアーですね、の方だよ!」

優希「うまいこと気を持たせるっていうのも難しかったじぇ……」

咲「ほんと難しかったね……でも、やっぱり竹井先輩おどろかせたかったし……」


久「…………」

まこ「まあ、いろいろと反省点はあるのう……って、久? どうした? さっきから黙って……」

久「…………か」

まこ「ん? なんじゃ?」





久「ばかぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」



「「「「「!?!?!?」」」」」


久「うぇぇぇ、もう、み、みっん、な! わ、わすれてるんだと、おも、おもっ……!
おもって……っ!! わた、わ゛た゛し゛……っ!!」

まこ「ちょ、お、落ち着かんか! そん……っ、な、泣かんでもええじゃろ!?」

久「だっで……だっでぇ゛! こん……っ! こん、なの! みんながわる、いん……でしょ!?」

和「ぶ、部長、落ち着いて……」

久「うっさい! ばかぁ! おっぱいもんでやる!!」

和「ちょ、ひゃあんっ!?」

優希「見るなスケベ!」

京太郎「痛ってぇ!! なんで俺が殴られんだよ!?」

咲「こういうときは男子が悪いって相場が決まってるんだよ、京ちゃん」

和「ぶ、部長……竹井先輩! やめ……っあん」

久「うぅぅ……ばかぁぁぁぁぁぁ! 和のばか! 巨乳! Kカップ!」

和「もう意味がわかりませんよぉ!」

優希「……数えるな! アホ!」

京太郎「ぐぇ!? な、なぜバレた!?」

優希「私も今数えてたからな!」

京太郎「そりゃ数えるよな!? 許せよ!」


――――――

まこ「……落ち着いたか?」

久「うぅ……むしろあまりの大きさに余計に動揺したわ……」

和「…………」

久「ちょっと、そんなにふくれないでよ……」

和「知りませんっ!」

久「ごめんって」

和「つーんっ」

京太郎「かわいい」

優希「かわいい」

久「かーわーいーいー」

和「な、なんなんですか、もうっ!」

咲「まあまあ、和ちゃんも落ち着いて……」

まこ「もう一人、ずいぶんとかわいらしいやつがおったがのう?」

久「…………」

咲「まさか泣かれるとは思わなかったよ……」

京太郎「そんなに寂しかったんですかぁ?」

久「……にやにやしないの!」

優希「そもそも私たちが竹井先輩の誕生日忘れるわけがないじぇ」

まこ「今年、みんなの誕生日さんざん祝っとるしのう」

和「……9月のゆーきから続いてますしね」


……よかった、本当に安心した

みんな、忘れてたわけじゃなかったのね

……それにしても不覚だわ

あんな子供みたいに大泣きしちゃって……恥ずかしい

もう、なによ! みんなしてうれしそうにしちゃって

そんなに私を出し抜けたのがうれしいの!?

そりゃ、みんなの時もあの手この手で仕掛けたけど……

久「むー……」

まこ「なに拗ねとるんじゃ?」

久「……拗ねてないもん」

優希「拗ねてるじぇ」

久「……もう、禁止! 清澄高校麻雀部は一切のサプライズ・ドッキリの類いは禁止!大切なことはちゃんと伝えること!」

咲「今まで先輩だってさんざんに仕掛けてたじゃないですか……」

久「いいの! 禁止! 部長命令です!」

まこ「あんたはもう引退したじゃろ」

久「うちの麻雀部は部長が引退するときに1つ部訓を定める伝統があるの!」

和「え、そうなんですか?」

まこ「いやいや、伝統もなにも前の世代いなかったじゃろ……」

久「私からスタートしてるんだから私が決めていいの! 今からそういうルールになったの! 須賀くん、紙とペンとって!」

京太郎「え、あ、はい!」

久「……清澄麻雀部訓その1! パーティーをするときは日時と場所をみんなに伝えること! はい、貼っといて!」

京太郎「うっす!」

まこ「その1からまったく麻雀関係ないのう……」

久「じゃあまこが麻雀に関するの作ってよ!」

まこ「えー……その2、雀荘はRoof-topへ……」

優希「ただの宣伝だじぇ」


久「じゃあ、もうこの際ひとりにつき1つ作っちゃっていいわよ」

まこ「じゃあ……ほれ、咲」

咲「え? えーと……その3、本は読んだら本棚へ……?」

まこ「図書室みたいじゃのう」

和「たしかにうちの部室、かなり本置いてありますけどね」

咲「はい、京ちゃん」

京太郎「その4……えーと、廊下は走らない……?」

和「どうしてそれをわざわざ……」

京太郎「こう、咲に合わせてバランスを取ろうかと……」

まこ「麻雀からまた離れとるぞ?」

優希「その5! 食堂のタコスを食べよう!」

久「あら、宣伝が増えたわね」

咲「それでも、最近タコスの売上伸びてるって聞いたよ?」

優希「はい、のどちゃんは?」

和「その6……セクハラ禁止」

久「ちょっと、なんでこっち睨むのよ! そこはあっちでしょ!?」

京太郎「いやいやいや! 俺なにもしてないじゃないですか!?」


まこ「ふふ……ほれ、いつまでもアホなことやっとらんで」

和「そうですね……竹井先輩、どうぞこちらへ」

久「はいはーい」

優希「ろーそく立てるじぇ?」

京太郎「咲、そっちの椅子持ってきてくれ」

咲「りょーかい」

和「あ、火は……」

まこ「マッチ持ってきたと思うんじゃが……」

優希「昨日引き出しにしまったじぇ!」

京太郎「ああ、これか? ほれ」

久「……私もなにか」

まこ「いいから、 主役は座っときんさい」

咲「そうですよ。 すぐに準備しますから」

優希「よっ、と……うーん、昼間だとあまり風情がないじぇ」

和「カーテン閉めたら多少はそれっぽくなるでしょうか?」

京太郎「あ、俺がやるよ……染谷先輩、電気お願いしていいっすか?」

まこ「はいよ」


須賀くんがカーテンを閉め、まこが電気を消すとなんとなくそれっぽい雰囲気になる

京太郎「……やっぱり外明るいし微妙ですかね?」

まこ「生徒議会室で暗幕とか借りておけばよかったかのう……」

久「ふふっ……これで充分よ? ありがと!」

そう、これで充分……別にちょっと明るいくらい何てことない……

大切な仲間たちが、こうして私のためにパーティーの準備をしてくれたんだもの

優希「それじゃあ、のどちゃんの誕生歌独唱で……」

和「なんで独唱なんですか!?」

優希「輪唱するか? はい、咲ちゃん!」

咲「うぇ!? は、Happy birthday「Happy birthday t「普通に歌えばいいじゃないですか!!」

優希「一工夫はいらなかったじょ?」

京太郎「一工夫どころか奇をてらいすぎだろ……」

まこ「隙あらば脱線するのう……ほら、せーのっ」


部室にみんなの手拍子と歌声が響く

……こんなにうれしい誕生日って、いつぶりかしらね?

『――Happy birthday to you』

『Happy birthday dear 久部長井先輩――』



久「…………」

まこ「……こういうときは名前でええんじゃないのか?」

京太郎「いや、呼び捨てはさすがに……」

和「今の部長は染谷先輩ですってば」

咲「ご、ごめんつい……」

優希「うーん……さすがに今のは……」

久「あっはは! もう、今のはひどいでしょ!? 揃えてよ!」

まこ「すまんのう……いっそ、やりなおすか?」

久「いいわよ! そんな、もう……ふふ、ほんっと、もう!」

思いっきり息を吸い込んで、ろうそくの火を吹き消す

まこ「……改めて、おめでとうな」

優希「誕生日おめでとーう!」

京太郎「おめでとうございます!」

咲「竹井先輩、おめでとうございます」

和「おめでとうございます! ケーキ、切り分けますね」

久「チョコのプレート、ちょうだいね? ふふっ……やだ、もう……ほんっと、おかしいんだから……」


まこ「……ったく、今度はなに泣いとるんじゃ?」

久「え? あれ? ……まあ、いいでしょ?うれし涙だし!」

京太郎「先輩、意外と涙もろかったんですね」

咲「インハイの時だってこんなことなかったのに……」

久「そりゃ、インハイの時は裏でひっそりとうれし泣きしてたもの」

和「そういうの、隠さなくてもいいんですよ?」

優希「ん? つまり、今回のパーティーはインハイレベルでうれしかったってことですか?」

久「もち! ……同じくらいダメージ受けたけど……」

まこ「そりゃまあ、すまんかったな……もうやらんって、部訓にもあるしの」

京太郎「ははっ、そうですね……お前も廊下は走るなよ?」

優希「私から元気属性を取りあげるつもりか!?」

和「元気なのはいいですけど、少し落ち着きを持ってもいいんじゃないですか?」

咲「っていうか、京ちゃんも麻雀の教本とかちゃんと本棚に戻してよ? いっつも私が本棚片付けてるんだから……」

優希「それに京太郎は目隠しして打たなきゃな……視線がセクハラだし」

京太郎「無茶言うなよ!? つーかそんなに見てねぇし!」

和「……やっぱり少しは見てるんですね」

京太郎「あ、いや、ちがっ! こ、これは! 言葉のあやというか……!」

咲「すけべー」

優希「けだものー」

京太郎「だからちがうって!」


まこ「これからは食堂でタコス買ったらうちの店で部活するかのう?」

久「ふふっ、それはさすがにダメでしょ」

まこ「やっぱりか? 校外活動になってまうしなぁ……」

……やっぱり、いいわね

1年生のみんながじゃれあって、それをまこと二人で見守って、時には一緒になって騒いで……

久「……卒業したら、こんな光景も遠くなっちゃうのよね」

まこ「なぁに、まだ時間はあるじゃろ? これからも一緒に過ごして思い出もたくさん作ればええ……それに」

久「それに?」

まこ「卒業したって、また顔出しに来るんじゃろ? わしらはいつでも大歓迎じゃから……遠慮せずに遊びに来んさい」

久「まこ……」

……今日はちょっと、涙腺がゆるくなっちゃってるわね

やれやれ、といった表情でまこが差し出したハンカチを受け取って涙を拭く

せっかくみんながお祝いしてくれてるのに、ずっと泣いてるんじゃ悪いものね


久「……ね、みんな」

まこ「なんじゃ?」

咲「はい!」

和「どうかされましたか?」

優希「じょ?」

京太郎「先輩?」


久「んー……えいっ!」

大きく手を広げて、大事な仲間たちに向かって飛び込む


全員まとめて抱きしめるにはちょっと腕の長さが足りないけれど、そうしたかったのだから仕方がない


……清澄麻雀部訓その1、パーティーをするときは日時と場所をみんなに伝えること!つまり、大切なことはみんなに伝えること……私が決めたんだからちゃんと守らなきゃ、ね?





久「ありがとう! みんな大好きよ!」



カン!



11/13は竹井久さんの誕生日!ひさたんイェイ~

最近清澄少なくて寂しいよー



清澄の供給ないだけで需要あるみたいで安心しました
なんでも書くのでみなさんもどうぞ清澄ネタ書いてください!
ありがとうございました。またよろしくお願いします

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