阿笠邸
コナン「ということなんだ博士」

阿笠「なるほどのぉ、あの光彦君を」

コナン「何とかなりそうか？」

阿笠「まぁ、やってみるから２週間ほど待っとってくれ」

ー２週間後ー
博士「すまん新一！」

コナン「珍しいな、実験中に爆発なんて」

博士「少しばかり居眠りをしてしまってのぉ…」

コナン「体の方は大丈夫なのか？」

博士「おぉ、それなら見ての通り大丈夫じゃ！」

コナン「完成までどのくらいかかりそうなんだ？」

博士「もう２週間ってとこじゃな」

コナン「わかった、じゃ、よろしく頼むぜ！」

～現在～
コナン「じゃあ博士、明日早速光彦を連れてくるから計画通りによろしくな！」

ー翌日ー
光彦「コナン君、なんですか用事って？」

コナン「あぁ、ちょっとな、博士の実験を手伝ってほしいんだ」

コナン「博士ー！来たぞー！」

博士「おぉ、待っておったぞ！早速こっちに」

光彦「あれ？灰原さんはいないんですか？」

コナン「あぁ、灰原は用事があるみてーなんだ」

博士「ほら、これじゃよ」

博士「わしの自信作！その名も【仮想空間体感装置】じゃ！」

光彦「わあー！博士！なんですかこれ？」

博士「説明しよう！これは脳に特殊な電磁波を送り込むことによって仮想空間の世界を体感できる装置なんじゃ！」

光彦「仮想空間を体感！すごいですね！」

光彦「ところでコナン君、何でこの実験は僕だけなんですか？歩美ちゃんや源太くんも喜ぶと思いますけど…」

コナン「あ、あぁ、それはだな…」

博士「実はな光彦君、この装置は人を選ぶんじゃよ」

コナン(ナイスフォローだぜ博士)

光彦「人を、ですか？」

博士「そうじゃ、この装置は選ばれた人間が使わないと元の世界に戻ってこれなくなるんじゃよ」

光彦「何で僕が選ばれたんですか？」

博士「そ、それは…機械の発する電磁波が君を選んだからじゃ！」

コナン「ま、まぁ、光彦、とにかくやってみようぜ！」

コナン「博士、これって確か仮面ヤイバーの世界も体感出来るんだよな？」

光彦「えっ！仮面ヤイバーの世界にも行けるんですか！」

博士「もちろんじゃよ！」(ナイスフォローじゃ新一)

博士「じゃあ早速実験開始といこうかのぉ！光彦君はこの椅子に座ってこの装置を頭に付けて目を閉じるんじゃ！」

光彦「わかりました！こうですね！」

博士「いくぞ、スイッチオンじゃ！」

ー５分後ー
コナン「そろそろか？博士」

博士「そうじゃの、そろそろ目を覚ます頃合い…」

ピピッピピッ

博士「よし、成功じゃ！これで光彦君を洗脳できたぞ！」

コナン「光彦、おい光彦、聞こえるか？」

光彦「…コナン君…はい…聞こえてますよ」

コナン「博士、もう質問しても大丈夫か？」

博士「大丈夫じゃ、これで光彦君が嘘をつくことはないからの」

コナン「光彦、単刀直入に聞くぞ」

コナン「お前は黒の組織のメンバーか？」

光彦「…はい」

コナン「お前は自ら薬を飲んで体を縮め、俺に近づいたのか？」

光彦「……はい」

コナン「くっ…」

コナン「…お前らの目的は何だ！体を元に戻す薬はあるのか！！お前らのアジトはどこにあるんだ！！」

コナン「言えっ！！！」

光彦「………くっくっくっくっくっ」

コナン「！？」

光彦「あーっはっはっはっはっはっ」

光彦「こんな装置が僕に通用すると思ってたんですかぁ？工藤新一君？」

コナン「なに！？博士どうなってる！？」

博士「わ、わからん！し、しかし装置に固定されてるから喋ることは出来ても動けんはずじゃ！」

光彦「…確かに動けませんねぇ」

コナン「だったらさっきの質問に答えてもらおうか」

コナン「お前にもう逃げ道はない！諦めて話せ！」

光彦「逃げ道ならありますよ、僕が何の用意もしないでノコノコやって来たと思うんですか？」

コナン(なに！？奴は何をするつもりだ！？)

光彦「でもせっかくですからいいことを教えてあげますよ」

光彦「あの方についての情報をね」

コナン「お前たちのボスか！？」

光彦「えぇ、そうですよ」

光彦「あの方は大変な物好きでしてね」

光彦「僕と一緒に同じ薬を飲んだんですよ」

コナン「なに！？じゃあ奴も！？」

光彦「そうですよ、いつもあなたの側にいますよ、わざわざありもしない昔話まで作り上げてね」

コナン「ありもしない…昔話……まさかっ！」

光彦「そう、彼女ですよ、いつもあなたの動向を見張っていたんですよ！灰原哀と名を変えてね！！」

博士「なん…じゃと…哀君が…」

コナン「嘘だろ…灰原が…」

光彦「そういえば、さっき言ってた逃げ道の話ですが実は…」

光彦「僕の体内には爆弾が入ってるんですよ、それも時限式のね」

光彦「そのタイマーがあと１０秒ほどで０になります」

コナン「なっ…！？まずい！博士！窓から外に脱出しろーーー！！」

ドガーーーン

コナン「っ痛てぇー…」

コナン「博士！おい博士無事か！？」

博士「あイタタタ…」

博士「何とか無事じゃよ」

コナン「クソッ、なんてこった！」

博士「新一、とにかくここを片付けながら哀君の帰りを待つんじゃ」

博士「こうなった以上、哀君から話を聞くしかあるまい」

コナン「あぁ、そうだな」

ー数時間後ー
灰原「ただいま…ってまた随分派手にやらかしたみたいね」

灰原「で、どうだったの？円谷君は」

コナン「…全部吐いて自爆したよ」

灰原「えっ？」

コナン「お前が黒幕だってこともな！」

灰原「え、ちょ、何バカなこと言って…」

パシュッ

灰原「あっ…」

コナン「もう逃がさねぇぞ、全部吐くまで尋問してやる」

コナン「博士、運ぶの手伝って…」

パシュッ

コナン「えっ…な…にを…」

ー数時間後ー
コナン(うっ…ここは？)

灰原「ようやく目を覚ましたのね」

コナン「一体どうなってやがる！？どうして！？」

灰原「この状況を見てわからない？」

灰原「拘束されてるのよ私達」

コナン「どういうことだ…」

コナン(なっ…まさか！？)

コナン「灰原、まさか…」

灰原「えぇ、そうよ、あなたが思い描く最悪のシナリオよ」

博士「目が覚めたようじゃな、工藤新一君、宮野志保君」

コナン「クソッ、やはりか、もっと早くに気付くべきだった」

博士「まずは工藤君、君の推理を聞かせてもらおうか」

コナン「俺が光彦を怪しんでいることを知ったお前は組織に捜査が及ばぬように光彦に濡れ衣を着せたんだ」

コナン「お前を信用しきっていた俺を利用して、あたかも自ら尋問して真実を暴いたように見せた」

コナン「しかしそれは全てお前が仕組んだもの、あの光彦洗脳装置を使ってな」

コナン「あの時もっと違和感を感じるべきだった」

コナン「確かに洗脳装置ならば嘘を吐かせないことも可能だが、同時に嘘を吐かせることも可能ってわけか」

コナン「そしてあの爆発…」

コナン「あれも装置の機能だったんだろう？作成期間中の爆発はそういうことだったんだな」

コナン「そしてお前は光彦を消すと同時に俺の目を灰原に向けさせた」

コナン「俺はまんまとお前の思惑通りに動いたってわけか」

コナン「クソッ！てめぇの目的はなんだ！」

博士「さすがじゃな、目を覚まして周りを見渡しただけで全て理解してしまうとは」

博士「わし目的はな、君たちを消すことじゃよ」

博士「君たちの存在は組織にとって邪魔なんじゃよ」

博士「だからここで全てを清算するんじゃ」

博士「ここに爆弾を仕掛けた」

博士「君たちは阿笠博士と事故死したことになるんじゃ」

博士「今まで楽しかったのぉ」

博士「お別れじゃ工藤新一君」

ガチャ

パタン

コナン「灰原…どうする？」

灰原「これだけきっちり拘束されたらどうしようもないわね」

灰原「どっかの誰かさんのせいで思いもよらない最期を迎えそうだわ」

コナン「…悪かった」

コナン「でも諦めるわけにはいかねぇんだ」

灰原「そうね、私だって諦めたくはないわ」

灰原「でも、もう遅いわよ」

灰原「カウントダウンは残り１０分しかないわ」

コナン「クソッ！外れろぉぉぉぉぉ！」

ー９分後ー
ピッピッピッピッピッ

コナン「ハァハァハァハァハァ…」

コナン「灰原…本当に悪かった」

灰原「…いいわ別に」

灰原「あなたと一緒に死ねるなら本望よ」

灰原「今まで楽しかったわ、ありがとう工藤くん」

コナン「灰原…」

ピッピッピッピッピッ

ピッピッピッピッピピッピピッ

ピピピピピピピピピピピピピピ

ヴォッガァァァァァァァァン！！！

ーーーーーーーーーーーーーーーー