咲「えっ?部長が高レートのフリー雀荘に入り浸ってる?」 (78)

まこ「高レート言うてもリャンピンじゃがの」

和「リャンピンと言うと・・・」

咲「1000点で200円。普通に営業してるお店では一番高い方じゃないかな」

優希「うえー!そんな額で賭けて、役満なんて食らったら・・・えっと、いくらになるんだじぇ?」

まこ「32000直撃で6千4百円。日雇いのバイト丸一日分くらい持ってかれるの。こんなのを一日中やっとるらしいんじゃ」

和「こ、高校生がやる金額じゃありませんよっ!」

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まこ「まったくじゃ。高校生でこんな額で打つのはアイツか麻雀漫画の登場人物くらいじゃの。
そもそも年齢偽ってやっとるらしいわ」

優希「部長は生き様がハード過ぎだじぇ!」

咲「賭け麻雀かぁ・・・」はぁ

和「止めた方が良いんじゃないですか?と言うか、止めるべきです!」

まこ「止めて聞くんなら止めるんじゃがのー。久のやつ、どうやら雀荘だけではなくて他にも賭け事やっとるらしくてのう」

和「雀荘以外にもですか!?」

まこ「雀荘で会った連中に声かけとるらしいんじゃ。『個人的に会ってもっと高い額の麻雀を打ちたい』とか言うてな」

咲「あ、それって・・・」

優希「確実に口説き目的で雀荘通ってるじぇ!!」

まこ「女口説くだけなら今さらなんじゃが、そこに賭け事まで加わるとのう。止めてやりたいが、止まらんじゃろな」

和「もったくもう。今に逮捕されちゃいますよ部長・・・」

まこ「ははっ、その前に刺されるかものう?」

和「笑い事じゃありませんよっ!」

まこ「笑うしかないわ。あんな馬鹿は。わしはもう知らん。好きにしたらええんじゃ」ぷいっ

咲「染谷先輩・・・」

優希「・・・よしっ!それならばっ!こんな時こそ私の出番だじぇ!!」

和「ん?」

優希「部長が言っても聞かないと言うのならばっ!!それはもう実力行使しかないじぇーー!!」

和「えっ?」
咲「えっ?」

優希「私がそのフリー雀荘とやらに乗り込んで、部長を連れ帰ってくるじぇ!!」

咲「・・・えっ?」
和「・・・えっ?」
まこ「・・・えっ?」

咲「えっと、その、優希ちゃん?」

優希「なんだじぇ?」

咲「優希ちゃんにはその、部長の説得とかは
和「ゆーきに部長の説得は無理です!丸め込まれるに決まっています!」

優希「むむっ!そんな事ないじぇ!それに、説得じゃなくて実力行使だじぇ!!」

まこ「何をする気じゃ、何を」

優希「ズバリ!賭け麻雀には賭け麻雀だじぇ!」

咲「??」

優希「私が部長に東風戦10番勝負を仕掛けて部長をスカンピンにすれば、部長はもう賭け麻雀するお金も無くなるはずだじぇ!」

和「そんなに上手くいくわけ・・・

優希「そうと決まれば善は急げだじぇ!行ってくるから期待して待ってるんだじぇ~っ!!」ダッ

和「あっ、ゆーき!部長がどこにいるか知ってるんですか!?」

優希「大丈夫!!部長にメールして聞くじぇ!それではさらばだじぇ!!」ダダダダッ

和「って、その段階で教えてくれるわけっ

咲「・・・行っちゃった」

和「ああもう、あの子は・・・」がくっ

和「仮にゆーきの方が部長よりも東風戦が強いとしても、部長が勝負を受けてくれなければ意味がないのに」

まこ「その交渉をする段階で丸め込まれるじゃろな」

和「それに、勝負してくれたとしても部長は賭け麻雀に慣れています。まず勝てないと思いますが」

まこ「泣いて帰って来なければ良いがの・・・」

和「それ以前に、あの子お金持ってるんでしょうか?」

まこ「本当にそれ以前の問題じゃの」

咲「そこよりも前に優希ちゃん迷子になってなければいいけど」

和「ああ、その可能性大です・・・」がくっ

【1週間後】

咲「えっ?優希ちゃんが高レートのフリー雀荘に入り浸ってる?」

まこ「正確にはどこかのフリー雀荘にフラリと現れては東風戦一勝負だけをしていくタコス娘がいるらしい、って噂じゃ」

咲「それって・・・」

まこ「しかも、その東風戦を終えて帰る時にこう言い放つそうじゃ」


謎のタコス娘『この中で・・・デカピンで打てるヤツはいるかだじぇ?』

客『デカピン!?デカピンって言うと・・・!!』
客『1000点千円、すなわち点数と同じ額だけ賭ける麻雀だ!!』
客『普通の店の10倍じゃねーか!!』

謎のタコス娘『フッ、知っているか?デカピンというのは・・・』

客『なっ、何だ・・・!?』


謎のタコス娘『デカピンは、計算がすごく楽なんだじぇ!!』ニッ


和「それは間違いなくゆーきですね」

まこ「案の定ミイラ取りがミイラじゃの」

咲「まさか賭け麻雀を憶えて帰ってくるなんて」

謎のタコス娘『チラシを置いて行くじぇ。
昼は大抵このメヒコ料理屋でタコス食べてるから、もしデカピンで打ちたければ電話してくれだじぇ』

謎のタコス娘『それじゃあ、アディオス!』バサッ


まこ「みたいな感じにマントをひるがえしながら、このメキシコ料理店のチラシを置いて去って行くらしいの」

和「若干キャラに腹たちますね」

咲「キャラはともかく、賭け麻雀は確実に部長の仕込みだよね?」

和「まったくあの子は・・・どうして部長の賭け麻雀を止めに行ってもっと高額の賭け麻雀にハマるんですかっ!」

中断

和「はぁ、仕方ありません。そのメキシコ料理屋さんとやらに行って私がゆーきを説得して来ます。
可能であれば部長も説得してみます」

まこ「頼んだぞ和。久はともかく優希は痛い目あう前に引っ張ってきんしゃい」

咲(部長はともかくなんだ・・・)

和「何か仕出かす前に連れ帰らないと。とりあえずはそのメキシコ料理屋に行ってみます」

咲「えっ、直接行くの?」

和「本人がそこに居ると言っているようなので、現場を押さえる事にします!」フンスッ

【タコス屋】

優希「親父っ!タコスおかわりだじぇ!」ギシッ

タコス屋「ハイハイ、ユーキサン、イマツクルヨ」

優希「この店のタコスは最高だじぇ~」もぐもぐ

タコス屋「ユーキサン、イッパイタベテクレルカラ、オミセタスカルヨ!」

優希「持ちつ持たれつだじぇアミーゴ!その代わり、私に挑戦の電話が来たらヨロシクだじぇ!」

タコス屋「モチロンヨー!」

ガラッ

和「何が持ちつ持たれつですかっ!」

優希「の、のどちゃんっ!?」ガタッ

和「まったくもう、何をやっているんですかこんな場所で賭け麻雀だなんて!」

優希「こ、このメヒコ料理屋は関係ないじぇ!ただの私の連絡先と言うだけで・・・」

和「そもそもその連絡先にお店を使うのが何気取りですか。テーブルの上に脚を乗せて組んでポーズなんか取って!」

優希「こっ、これは裏のプロ雀士らしいかっこいいポーズを・・・」ギシッ

和「降ろしなさいっ」

優希「は、はいだじぇ・・・」しゅん

和「やれやれ、それで部長はどうしたんですか?ゆーきに妙な事を教えこまないで欲しいものですね」

優希「部長は悪くないじぇ!繁華街で道に迷い、泣いていた私を見付けて賭け麻雀のいろはを教えてくれた恩人なんだじぇ!!」

和「やっぱり道に迷ったんですね・・・。しかも部長を探しに行ったのに部長に見付けてもらって・・・」はぁ

優希「いくら尋問されても部長の事は売れないじぇ!」

和「尋問なんてするわけないでしょう。ほら、帰りますよ?」

優希「ん・・・そうもいかないじぇ」

和「はい?」

優希「今夜、一勝負挑まれているんだじぇ!逃げる訳にはいかないじぇー!!」

和「勝負って、まさかデカピンの勝負ですか!?」

優希「いや、デカピンでは受けて貰えなかったじぇ」

和「えっ?」

優希「私がいくらデカピン勝負をふれまわっても、誰も私に挑戦してくれないんだじぇ」

和「えっと、では、あなたは今日までどこで賭け麻雀を?」

優希「点3の雀荘だじぇ!」

和(1000点30円・・・!)がくっ

優希「その雀荘で勝ちまくってこの店のタコス代を稼いでいたじぇ!」

和「逆にスゴイですね・・・そのレートで食費稼げるなんて」

優希「そんなわけで、私は今夜も勝負に行かねばならないじぇ!止めてくれるなのどちゃん!!」

和「はぁ・・・わかりました。
私もいっしょに行きますから、勝負が終わったら帰りますよ?」

優希「むぅ、わかったじぇ」

和「もう今日限りでデカピンの勝負なんて受けようとしないでくださいよ?」

優希「了解だじぇ!私の雀士としての放浪生活も今日限りだじぇ!!」

タコス屋「ユーキサン、カタギにモドルノカイー?」

優希「世話になったじぇ親父!また元気に営業を続けてくれだじぇアミーゴ!」

タコス屋「オー、サミシクナルヨー」

優希「親父がホントはブラジル人だと知った時には驚いたけど、ここのタコスは最高だったじぇ!」

タコス屋「オーウ!ソレハ、フタリダケノ、ナイショヨー!」

和(ゆーきが謎の人間関係を築いています・・・)

【1週間後】

咲「えっ?和ちゃんがノーレートの雀荘で働きはじめた?」

優希「そうなんだじぇ・・・」

まこ「どうしてまたそんな事になっとるんじゃ?」

優希「この前のどちゃんが私を迎えに来てくれた時に、いっしょに雀荘に行ったんだじぇ」

咲「うん、それは聞いた。優希ちゃんが勝負を受けたっていうやつでしょ?」

優希「そうだじぇ。その時にのどちゃん、暇だからって手の空いてるメンバーさんとノーレートで打ってたんだじぇ」

まこ「ほう?」

優希「そしたらのどちゃん、そこの店長さんにスゴイ気に入られちゃったみたいで、
系列の店でメンバーにならないか、って感じに話が進んで・・・」

咲「でも、和ちゃんならそういうの断りそうなものだけど」

優希「それが、その雀荘の系列ってのが高額レートからノーレートまでいっぱいあるらしくて」

まこ「あっ、まさか・・・」

優希「部長の目撃情報を教えてもらう代わりに、しばらくメンバーで働いてみるそうなんだじぇ」

まこ「和のやつ、気にせんでええっちゅうのに・・・」はぁ

咲「あはは。でも、和ちゃんのことだから、ホントはお店の制服が可愛かったからとかかもしれませんよ?」

まこ「嫌々働いているわけじゃないとええんじゃがのう」

咲「それなら、私が放課後に様子を見に行ってみますよ」

まこ「そうか?じゃあ頼んだぞ咲」

咲「はい、たぶん心配ないとは思いますけど」

中断

【雀荘】

ガチャ

咲「・・・こ、こんにちは~」オロオロ

和「咲さん!」ぱぁぁ

咲「あ、和ちゃんいた」

和「来てくれたんですね咲さん!」にこっ

咲「うん。ちょっと様子を見にね」

和「よく場所がわかりましたね」

咲「うん。お店の地図見て、京ちゃんが連れて来てくれたよ」

和「そうだったんですか」

※京太郎もそばに居ますが画面には映りません。ご了承ください。

咲「えへへ。それにしても和ちゃん。かわいい制服だねっ」

和「はいっ!私一目で気に入っちゃって!」ヒラヒラ

咲「よく似合ってるよ」にこっ

和「わかってくれますか?咲さんに褒めてもらえると、私すごく嬉しいですっ!」にこにこ

咲「染谷先輩が心配してたんだよ。もしかしたら和ちゃんがいやいや働いてるんじゃないかって」

和「ノリノリでしたね」

咲「お店のホームページに載ってた店員さんの写真を見て、
ああ和ちゃんきっと制服が気に入ったんだろうなぁって思ってたから、大丈夫だと思いますって言っておいたよ」

和「はいっ!楽しく麻雀していました」

咲「ふふっ。本当にそんな感じだね」

※京太郎も一言二言和の制服姿を褒めていますが画面には映りません。仕様です。

咲「お店も結構賑わってるんだね」キョロキョロ

和「ええ。でも、半分ネットカフェのような雀荘なので、私が担当するお客さん達はそれ程多くは無いんですよ」

咲「そうなんだ・・・あ、ごめんね引き留めて。私、適当に眺めてるから」

和「え?打っていかないんですか?」

咲「うーん。私雀荘って染谷先輩のお店除いたら行ったことないし。ちょっと見学してるよ」

和「そうですか・・・」

和(と言うか、咲さんは人見知りなので知らない人と打つのは難しいですよね)
咲(と言うか、私は人見知りだから知らない人と打つのは難しいよぉ)

和「わかりました。そっちの席はネットカフェ席なので、そこにどうぞ。
飲み物はセルフですけど、最初の一杯は私がお持ちしますね」

咲「うん。お仕事がんばってね!」

和「はいっ!」

和「♪~」(咲さんが来てくれたっ♪)にこにこ

咲(和ちゃん楽しそうだなぁ)

咲(麻雀が打てて、かわいい制服が着られるなら和ちゃんには最高のバイトなのかも)

続きはまた

和「はい咲さん!紅茶ですよ」

咲「ありがと和ちゃん」

咲「ふーっふーっ」ズズッ

和「咲さんが来てくれて、私すごく嬉しいんですよ?」

咲「あはは、なんだか照れちゃうな」

和「お店の人もお客さんも皆さんいい人たちですけど、やっぱり知らない人ばかりだと不安です」

咲「和ちゃん一人でアルバイトなんてすごいなぁって思ってたんだよ」

和「全然すごくなんかないですよ。毎日なれない事ばかりで」

咲「私なら絶対無理だなぁ・・・」

咲(やっぱり和ちゃんはすごいなー。知らない場所で一人でバイトなんか私にはできないや)

和(うーん。咲さんもいっしょに、と誘おうと思いましたが難しそうですね)

咲「あっ、ごめんね和ちゃん。引き止めちゃって。お仕事忙しいのに」

和「えっ、いえ、私はお客さんに呼ばれない限りは暇ですので・・・」


カランカラーン

咲「お客さんだね」

和「そうですね。それでは咲さん、打ちたくなったらいつでも声をかけてくださいね」

咲「うんっ。がんばってね和ちゃん」

和「はい・・・いらっしゃいませっ!」

咲(和ちゃんがんばってるなー)ズズッ


和「いらっしゃいませ」

客「わー、和ちゃんいたっ♪」
客「今日もかわいいね~」
客「ねぇいっしょに打とうよー」


咲「・・・・・・。」

和「かしこまりました。フリーで3名様ですね?」

客「うんっ」
客「和ちゃんと打ちたいから3人で来ちゃったよ~」
客「今日もよろしくねー和ちゃん」

和「はい。それではお相手させていただきますね」

客「やったっ」
客「和ちゃん強いからな~」
客「今日こそは勝つよー!」


咲「・・・・・・。」

和「流局ですね。聴牌です」

客「うっわ、完全に和ちゃんに当たり牌握り潰されてたわ」
客「て言うか和ちゃん結構良い手なのにベタオリだよね~。どこで降りる判断したの?」
客「三元牌鳴くタイミングもあったし、ここでリーチかけてれば高めも狙えたのにー」

和「これはですね。対面の泣きが危ないと思ったので・・・」

客「うっわ、そこで!?」
客「ねぇねぇ和ちゃん私の手牌も見てよ~。どうすれば良かったかな?」

和「これは・・・私ならこっちを先に切りましたね」

客「そうなんだ~」
客「つーか和ちゃん髪の毛さらさらだよねー」

咲「・・・・・・。」


和「えっ?」

客「わかるわ。どうやって手入れしてるの?」
客「て言うかね、さっき手牌見てもらった時近くに和ちゃん来たらめっちゃ良い匂いした♪」

和「あ、あはは・・・///」

客「和ちゃんホントかわいいよねー」
客「最近私たち和ちゃん目当てで通っちゃってるからね」
客「ホントだよ~」

和「えっと、なんと言いますか・・・///」かぁぁ



咲「・・・・・・。」ガタッ

つづきはまた

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