女「来年も再来年も、ずっと一緒にいようね」(10)

女「やーや、あけましておめでとう」

男「おめでとう」

女「お父さん達、来たばっかなのにもう飲んでる」

男「みんな酒好きだからな」

女「お酒ってどんな味するんだろ。飲んでみようかな」

男「や、やめろっ!」

女「? どうして?」

男「お前は忘れただろうが、去年の春に飲んで大変なことになったんだぞ」

女「へー、知らなかった」

男「やれやれだぜ」

女「何それ、ジョジョのまね?」

男「いや、別に」

女「そっか」

ガヤガヤ ワイワイ

女「あっちの方楽しそうだね」

男「傍から見てるとな。中はシラフじゃ無理だ」

女「シラフって何?」

男「酒飲んでない時……だったかな? 父さんがそんな感じで使ってたから使ってみた。詳しいことが知りたいなら後で調べてくれ」

女「ん」

男「調べる気がまったく感じられない返事だな」

女「あ、あそこ友と幼がイチャイチャしてる。爆発すればいい」

男「俺達も傍目で見るとイチャイチャしてるように……見えないだろうな」

女「見えないだろうね」

女「そういえば、お年玉いくらもらった?」

男「えーと、6万ぐらいかな」

女「いいなー、男は親戚がいっぱいいて。私は少ないから3万だよ」

男「その代わりしょっちゅう奢ってやってるだろ」

女「ん、そだったね。ありがと」

男「おう」

女「うわ、キスしてる」

男「うわマジだ。全員に見つかって全方位からからかわれればいいのに」

女「あ、おじさんに見つかった」

男「ざまあ」

女「ざまあ」

女「んー……」

男「どうした? 眠いのか?」

女「うん、初詣行くために早起きしたから……」

男「そうなのか。じゃあ、寝るか?」

女「寝たい……けど、男と二人きりでお話もしてたい」

男「おおふ、フェイントで嬉しいこと言ってくれたな」

女「ぴこーん」

男「名案でも思い付いたか?」

女「うん、まず男が膝枕します」

男「いきなりハードル高いな」

女「そうすれば男とお話しながら寝れる……しかもなでなで機能付き」

男「ハードルがベルリンの壁のようだ」

女「つべこべ言わない……はい、正座」

男「はいはい」

女「お邪魔しまーす」

男「邪魔だと思うなら止めろー」

女「無視。ふむ、中々いい加減じゃ」

男「頭を擦り付けるのは止めてください」

女「ん、どして?」

男「いや、あのー……」

女「うりうり、言いなさい」

男「やめっ、ちょっ、離れて」

女「なんだよー」

女「まだ?」

男「もうちょい」

女「もう、何なの? ……あ、分かっちゃった」

男「ニヤニヤすな」

女「そーかそーか、男も男の子なんだねえ」

男「当たり前だろ。俺が女だと思ってたのかよ」

女「いや、そういうわけじゃないけど」

男「?」

女「もう良いでしょ。ほらほらもっかい」

男「今度はすんなよ」

女「えー、どうしよっかな」

男「したら二度と膝枕しないからな」

女「やだなあ、するわけないよ」

女「んー、丁度いいね。まるで私の膝枕になるために生まれてきたみたい」

男「なんじゃそりゃ」

女「……でも、さっき騒いだから眠くなくなっちゃったなあ」

男「そうか、なら膝枕止めて話そう」

女「いや」

男「痛い痛い、爪を立てるな。分かったって、このまま話そう」

女「うん。あと撫でて」

男「え」

女「撫でて」

男「う……」

女「ふう、幸せ……」

男「そりゃ良かったね」

女「一日中このままでいい」

男「俺が無理だ」

女「そういえばさ、マヤの予言って外れたよね」

男「確かに、あれだけ騒いで地震の一つも無かったよな」

女「別にいいけどね。滅亡なんかしたら男といられなくなるし」

男「右ストレートだな」

女「?」

男「それはともかく、この状況を見られたら確実にからかわれるよな」

女「あー、そうだね……」

男「恥ずかしいから止めようぜ」

女「無理……また眠くなってきた」

男「えー」

女「男がなでなでなんかするから……」

男「理不尽な」

女「眠い……」

男「分かった、このまま寝ろ」

女「ぐぅ……」

男「もう寝てるよ」

ーーーーーー

女「ん……あれ、男?」

男「よう、起きたか」

女「もしかして、ずっと膝枕しててくれたの?」

男「ずっとってほど長くはないけどな。十分ぐらいだ」

女「あ、そうなんだ」

男「足はかなり痺れてるが」

女「ごめん……」

男「まあそのうち治るさ」

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