王立勇者育成学校の用務員 (13)
ここは魔翌力で作られたバーチャル空間。
森、荒野、砂漠、平原、海、城下町といった様々なステージがあり、色々な状況を想定した戦闘訓練が行える。
今日も女子生徒二人がが模擬戦闘をおこなっていた。
ステージは平原だ、小細工なしの一対一戦いを望んだからだ。
後輩「先輩!覚悟!」
女「くぅ!は、早い!」
後輩は風の魔法を得意としていて、手と足に小さなトルネードを発生させスピードと攻撃翌力を上げる魔法が得意だった。
女「でも!未来予知で!!!」
女は五大系統ではない、特殊魔法が使える。
この特殊魔法と言うのはどんなに修行しても開花することはない特別な才能なのだ。
後輩「あ!避けた!全然当たんない!」
拳をめちゃくちゃに振り回すが未来を読んだ女には拳を掠ることさえできなかった。
女(早いわ!さすが中等部の天才ね…未来を読んでいても避けるのがギリギリのスピードだわ)
後輩「先輩すごく強くなりましたね!わたし嬉しいです!特訓の成果が出てますね!」
女「ありがとうね!後輩ちゃん!」
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後輩「でも!やっぱり!私は弱い先輩の方が可愛くて好きです!先輩を虐めるのが私好きですから!」
女「な…!この学校の強い人達、人格が破綻してるよ」
後輩「普通ですよ!それに先輩が強くなっちゃったら一緒に特訓する機会がなくなりますから!」
後輩「だから!少しだけ…本気出しますね!」シュン
後輩「はぁ!」ドゴォ!
女「え!グェ!」
女は後輩の拳に吹き飛ばされた
後輩「……」シュウウウ!
五十メートルほど先に女は殴り飛ばされた。
女「がっ!ハアハア!」
女「ハアハア!嘘!予知で予測してたのに避けられないなんて、信じられないスピードだわ…」
女は吹き飛ばされ地面で蹲っていた。
女「そ、それに一撃の威力が高い…立てないわ」
ここはバーチャル空間で攻撃翌力を受けても本体に影響はないが、生身と同じように走れば息切れを起こすし攻撃を受ければ痛みを感じる。
後輩「へへん!先輩!参ったか!」ザッ!
女「うう…降参するわ」
後輩「またかっちゃいましたね!勝ったので約束忘れないでくださいね!今日は駅前で待ってますから!」
女「…わかってるわよ」
勝敗が決まり、バーチャル空間が解ける。
電話ボックスと同じくらいの広さの個室の椅子に座っていた女は電極がいっぱい刺さったヘルメットを脱いだ。
女「また、負けちゃったな~後輩ちゃんにケーキを奢るのは別に良いけど…やっぱり負けるの悔しいな」
女「はぁ…」
教師「溜め息…ついてる場合じゃないですよ…女さん」
女「わぁ!ビックリしたあんたいつからここにいるのよ!」
教師「はぁ…また模擬戦闘で負けたんですね~女さん」
女「うぅ…煩いわよ…凹んでるんだからそっとしてよ!ここ狭いしそれにあんた顔が近いのよ!」
教師「せっかく…火、水、岩、雷、風の五つの属性ではなく目覚めることが稀な特殊魔法を持っているのにこのザマですものね」
女「質問に答えなさいよ!なんなのよ!貶しに来たの!」
教師「いいえ…補修を受けさせるために来ました…質問に対しては女さんの思念がバーチャル空間に入った時から…ここに居ます…体と顔だけはわたしの好みなので色々と弄ってました」
女「へ、変態!それに補修!?そんな、私…座学は優秀なはずよ!」
教師「残念……あなた模擬戦闘で負けすぎなんですよ、だから戦闘訓練の補修です」
女「うぅ」
教師「まあ一応ここは…魔王が復活した時の為に戦う勇者を育てる教育機関ですから、いくら座学が良くても戦闘力が低ければ意味ないのですよ」
教師「それにしても…本当に模擬戦闘訓練の成績が悪いですね、こんな成績は不良です、不良と同じですよ」
教師「と言うわけで…女さん補修に行きましょうか」
女「ハイハイ、わかりましたよ……でもそんなに言わなくても良いじゃないですか…私のライフポイントがゼロになっちゃいます」ナミダメ
教師「泣き顔も…わたしの好みですけど…泣いてもダメです」
教師「世の中には…褒めて伸びるタイプと叱られて伸びるどちらか一方がいるんですよ」
教師「女さんは…どちらの方法を取っても伸びないので褒められるようなところを探すより、悪い所を見つけて叱る方が楽なんですよ」
女「あんた…やっぱり最低ね」
教師「どうも…よく言われます…でも私は強いので関係ないです」
女「ここに学校の強い人達はみんな性格が破綻してるわ」
今日はここまでにします
女「それで補修は何時に終わるのよ!後輩ちゃんと約束あるから長くはできないわよ」
教師「そう…ですか」
教師「……」
教師「……え?」アゼン
女「何よ!こいつ頭大丈夫か?て言う顔しないでよ!」
教師「え!…だって!女さんに遊ぶ時間があると思ってるんですか?」
女「どう言うことよ!」
教師「さっきも言ったとうりですが…女さんあなた本当に成績が悪いんです!目を覆いたくなるほどに!」
教師「1日一回の…補習じゃ…次の成績を出すまでには間に合わないんです…なのでこれからは終点まで帰れないと思ってください」
女「う、うそ!そんなの法律違反じゃないPTAに訴えるわよ!」
教師「はぁ…めんどくさい…PTAの会長である…あなたのお母様には許可は取ってあります」
女「うぐぐ!」
女「そうだ!私には後輩ちゃんがいた!」
女「ふふん!先生良いのかな?後輩ちゃんを怒らせて!あの子、変に古風なとこあるから携帯なんて持ってないのよ!私が行かない限りずっと駅で待ってるわ!」ドヤガオ
教師「それが…何か?」クビカシゲ
女「まだわかってないようね!あの子は王族よ!」ドヤガオ
教師「ええ…知ってますが…」ウザイナ
女「嫉妬深い子で、根に持つ子だから私…以外に友達いないのよ…だから約束を守らなかったら」
女「怒って王族の力であんたも私もこの学校にいられなくなるかも知れないわよ」
教師「ああ…なるほど」
教師「それは…困りましたね、わかりました補習は日に二時間程度にしますか…いざとなれば成績なんてチョチョイのチョイで修正すれば良いですから」
女「やった…」ガッツポ-ズ!
教師「それにしても…残念な子ですね…後輩さんは」
女「何よ?」
教師「だって…女さんが友達なんですよね?顔と身体しか褒めるところがない女さんの友達をよく続けてるなと思いました」
女「あんた…っ!本当に人を煽るのが好きね」
教師「はい…貴方を煽るのが好きなだけです」
教師「まあでも…そらそろ無駄話はやめて模擬戦の補習をしましょうか」
女「そうね!ここまでの恨みも込めて一矢報いてやるわ!」
二人は頭にヘルメットを被りバーチャル空間に思念体を飛ばした。
ありがとうございます
sageですね参考になります
今日はここまでにします
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