安価で奴隷を買う(109)

商人「へいいらっしゃい」

男「ここで奴隷を買えるのか?」

商人「お、旦那、奴隷は始めてで?」

男「そうだ。すまないが勝手が分からないから教えてくれないか?」

商人「へい。旦那はどんな奴隷が必要なんで?」

男「必要………そうだな。今はどんな奴隷がいるんだ?」

商人「今いるのはリザードマン、エルフ、ドワーフ、狼のライカンスロープでさ」

男(ふむ、そうか………)

男「では>>3を貰おうか」

商人「へい、毎度あり!」

商人「といっても奴隷は高いですぜ?」

男「構わん。金ならある」ドサッ

商人「へへっ。これはこれは」

男「足りるか?」

商人「足りるどころか釣りがでますぜ」

男「いらん。また利用するだろうからな」

商人「旦那は奴隷を集めて何をするんで?」

男「言う必要はないな」

商人「こ、これは出すぎたまねを。それでは。つれてくるからお待ちくだせぇ」

リザード「………」ムスッ

エルフ「ひぅっ」

ドワーフ「………ふぇえ」

狼娘「ガルルルッ!」

商人「力を封じる首輪をしておりますが気をつけてくだせぇ。こいつらは亜人。何があるかわかりませんからね」

男「これが首輪か」

狼娘「ガルッ!」

男「いらんな」パキンッ

商人「旦那!?」

狼娘「ばかめっ!」ガルッ

男「元気な奴だな」ヒョイッ

狼娘「ガルウッ!? 離せー! 離せー!!」

男「俺は力で屈服させる。首輪なんて不必要だ。おい、お前達ついて来い」

商人「へ、へぇ。今後ともごひいきに」

狼娘「はーなーせー!!」

男「今から馬車で俺の家に………いや」ジロジロ

リザード「………」ギロッ

エルフ「な、なんでしょうか」

ドワーフ「ふぇえ………怖いよう」

狼娘「グルルル」

男(ぼろ布一枚。服を買うか。後他にも色々必要なものがありそうだ)

男「服、どれを買えばいいか分からんな。適当に選ばせるか」

エルフ「え、ふ、服を買っていただけるのですか?」

男「必要なものだからな」

エルフ「あ、ありがとうございます」

男(ちょうど近くに大きい商店があったな。あそこで買うか)

男「おい、いくぞ」

エルフ「は、はい!」

男「ここだ」

エルフ「ここ、ですか?」

男「何かおかしいか?」

エルフ「ここって普通のお店です、よね」

男「服屋に普通じゃない店があるのか?」

エルフ「てっきりエッチな服を着せられてその、エッチなことされるのかと」

男「しない」

エルフ「しないんですか!?」

男「奴隷は家事をさせるものだろう」

エルフ「そうなんですか!?」

男「違うのか!?」

男「奴隷とは良く分からないものだな。研鑽が足りなかったか」

男「まぁいい。適当に服を買って来い」チャリンッ

エルフ「え、自分で選ぶのですか!?」

男「俺に女の服は分からん」

ドワーフ「おじさん、服変だよぅ」

男「何!?」

エルフ「そ、そんなことないです! 動きやすそうな服装で素敵です!!」

男「だ、大丈夫だ。気にしてない」

狼娘「………」ソーッ

男「逃げるな」ガシッ

狼娘「キャインッ」

エルフ「選んできました!」ワンピース

ドワーフ「選んだよー」セーラーフク

リザード「………」カワノヨロイ

狼娘「グルルッ」ハンソデスパッツ

男「リザードマンはそれでいいのか?」

リザード「………戦う」

男「なるほど、奴隷は戦うのか」

エルフ「え!?」

男(食料もある、日用品もある。あとは何かいるのだろうか)

エルフ「ど、どうかしましたか」

男「何かほしいものはあるか?」

狼娘「肉!」

エルフ(あ、狼娘ちゃん、逃げるのやめたのかな)

リザード「………武器」

男「そうか奴隷は戦うのだったな。剣か? 弓か?」

リザード「………剣」

男「そうか剣か。たしかここら辺に良い武器屋があったはずだ」

エルフ「良いんですか!?」

男「何か問題があるのか?」

エルフ「リザードマンちゃんが剣を持って襲い掛かってきますよ!?」

リザード「………!」

男「奴隷は戦いの練習相手になるのか」

エルフ「脳筋なんですか!?」

狼娘「もぐもぐがつがつ」

リザード「………良い」キランッ

ドワーフ「わぁい。お菓子だー」

エルフ「な、なんというかもう。ありがとうございます」

男「エルフは本で良かったのか?」

エルフ「は、はい」

男「本を読めるとは。エルフとは凄いのだな」

エルフ「し、失礼ですがご主人様は本は」

男「読まん。読む暇があるなら筋トレだ」

エルフ(脳筋だ)

男「さて、帰るぞ」ひょいっ

狼娘「はーなーせー!!」

男「ここだ」

エルフ「大きい!!」

ドワーフ「わー」

リザード「………斬りたい」キラッ

狼娘「がつがつもぐもぐ」

男「さて家事をしてもらうのだが」

男「料理、掃除、買出し、警備といったところか」

エルフ「!? エッチなのはないんですか!?」

男「ない」

男「そうだなエルフは>>13 ドワーフは>>14 リザードマンは>>15 狼娘は>>16をしてもらおう」

買出し

掃除

警備

料理

エルフ「今日のお料理の材料を市場に買いに来ました!!」

エルフ「首輪をはずしてもらいましたがテレポートで逃げようとした瞬間に両肩を抑えられたので冷や汗が止まりません!」

エルフ「でもいつか逃げて見せます! きっと!!」

ナニアノヒト ヘンナエルフ ドコノドレイガニゲタンダ?

エルフ「なんか聞こえますけど私は気にしません! エルフ強い子!」グッ

エルフ「ということでお買い物のメモは」

『牛乳 黒パン 米 ジャガイモ 人参 玉ねぎ 牛肉 ニク』

エルフ「最後のは狼娘ちゃんでしょうか。まぁ全部市場で買えるものですね」

エルフ「たのもー! ここが市場ですね!!」

エルフ「私にかかれば買出しぐらいすぐに終わらせてみせるんですからね」フフンッ

>>14

成功?

失敗?

>>19でした

成功

エルフ「全部集まりました! 重いです!!」ズシッ

エルフ「せめて大八車とかあれば」

エルフ「………ないですよねー」

エルフ「帰ろう」

エルフの筋力が1上がった

ドワーフ「お掃除するよー」

ドワーフ「まずは雑巾がけからだー」

ドワーフ「おいしょ、おししょ」タッタッタ

パリンッ

ドワーフ「ふぇえ………」

リザード「………」ブンブン

男「ずいぶん気に入ったんだな」

リザード「………」コクリ

男「首輪を外したのだが、お前は逃げないのか?」

リザード「………リザードマンは、傭兵の部族」

リザード「………奴隷でないと、宣言してくれるなら、逃げない」

男「なるほど、ではこうしよう」

男「俺に勝ったら今日からお前は傭兵だ」

リザード「………了解!」

カキンカキンカキンッ

リザード「………!」

男「良い太刀筋だ、どこで習った」

リザード「………とと様から」シュッ

男「さぞツワモノだったのだろうな」ガキン

リザード「………一番の戦士」ギギギ

男「そうか、納得、だなっ!」ゲシッ

リザード「カハッ」

男「勝負ありっ―――!」

ボウッ!

男「炎も吐けるのか!」

リザード「………リザードマンは、色々な武器がある」

男「生粋の戦闘民族といったところか」

リザード「その、通り!!」シュッ

男「なるほど」

リザード「!」

男「だが魔法の耐性はないだろう? 『氷結』」

パキンッ

リザード「………ぐっ」

ボウッ!!

男「氷を炎で溶かすか」

男「なら『鎌鼬』『水刃』『炎雷』」

リザード「!!」

どんっ!

リザード「………降参」シュン

男「まぁ、これから魔法についての対処も教えてもらうんだな。エルフが得意そうだ」

リザード「………今度は、負けない」

男「俺も負ける気はない。小娘にやられては上級万翼長の名が泣くからな」

リザード「………?」

男「まぁ、階級だ階級」

リザード「………手加減、したのか?」

男「割とな。手合わせで100%も出せるか」

リザード「………辱められた」シュン

男「しかし本気を出すわけにもいかないしな」

リザード「………いつか、勝つ」

男「おう。俺がおじいちゃんになる前にしてくれよ」

リザード「………あとちょっとしかない」

男「ぐっ。まだ30代なんだが」

リザード「人間の、年齢は、分からない」

男「………そんなに俺は老けてるのかねぇ」

リザードマンの筋力が2上がった

リザードマンの技が2あがった

エルフ「狼娘さーん。買ってきましたよー」

狼娘「りょうり、か」

エルフ「そうですね、夕飯を作れと言われてましたし」

狼娘「あいつをぬしとみとめてない! めいれいなんてきくもんか!!」

エルフ「あの、多分命令は守ったほうがいいかと。身の安全的に」

狼娘「がるる! あたしはまけない!」

男「そうか」ガシッ

狼娘「!」

男「犬の躾は確かこうだったな」グググッ

狼娘「キャインキャインッ!!」

エルフ「いけない! それ以上は割れます!」

男「ちゃんと仕事をしてくれればいつか開放してやるから」

エルフ「え、一生じゃないんですか?」

男「お前は俺に数百年も生きろと?」

狼娘「あたしは したがわな いたたたたた」

男「俺も暴力は不本意なんだがな」ゴリュッ

狼娘「キャインッ!」

エルフ「あの」

男「なんだ?」

エルフ「性奴隷にして精神崩壊したらそこらへんに放り出すとかは」

男「お前は何を言ってるんだ」

エルフ「え、SMプレイですか!?」

男「ないが」

エルフ「ないんですか」

男「とにかく晩飯、楽しみにしてるぞ」

狼娘「がるる………」

エルフ「材料はここに置いてますからね」

狼娘「にく!」

男「料理、作れよ」

狼娘「!」

>>32

成功?

失敗?

2

狼娘「できた!!」

狼娘「これならあのおとこもいちころだな」



男「………さて、みんなそろって晩御飯と行きたいところだったがこれはなんだ」

狼娘「りょうり!」

エルフ「これは、その」

リザード「………」シャーッ

ドワーフ「原始的ー」

男「焼いた、だけだな」

狼娘「ニク! やく! うまい!」ガルル

男「………焦げてるな」

狼娘「でもうまい!」

男「俺の皿にこれでもかと盛られた玉ねぎの丸焼きやるよ」ぐいっ

狼娘「やーめーろー」ググッ

男「味付けもなしか。腹は膨らんだが、心は貧しくなったな」

狼娘「もんくいうな!」

男「文句がある奴」

リザード「………ある」

狼娘「な、なんだ」ビクビク

リザード「………これは、料理じゃない」

リザード「………味付けない。栄養も偏ってる、美味しくない」

リザード「………餌以下」

狼娘「!」

狼娘「じゃ、じゃあリザードマンはりょうりはできるのか!」

リザード「………当たり前」

狼娘「うぐっ もういい!」ダダダッ

エルフ「あ、狼娘さん!」

男「別に良い。すぐ帰ってくるさ」

狼娘のストレスが2溜まった

男「………」

エルフ「ご主人様、お風呂の準備が出来ましたが」

男「悪い。先に入っててくれ」

エルフ「はい?」

男「ちょっと出かけてくる」

エルフ「ふぇ!? 先にお風呂入れませんよ!?」

男「入ってなかったらお仕置きするぞ」

エルフ「入ってきます」

男「さて」

男(国の外には出れないだろうし、いるなら)

男「裏の森か」

男「さてと、探すか」



男「小動物の屍骸………狼娘か。血の跡を探せばいいか」

狼娘「………」ガサゴソ

男「おい、狼娘」

狼娘「!」ガブッ

男「いてっ」ガキンッ

狼娘「ぐるる、なにしにきた!」

男「奴隷が逃げたから捕まえに来た」

狼娘「あたしは どれいじゃない!!」

男「しらん。とにかく帰るぞ」

狼娘「ことわる!」

男「………躾、ねぇ」

狼娘「いまは よる! そしてまんげつ! なら」

狼娘「私の方が強い」

男「ライカンスロープ。満月は獣の血の方が強くなるんだったな」

狼娘「お前を殺して逃げさせてもらう」

男「そうかい。でも死なないし、逃がさない。とにかくかかって来い。犬っころ」

狼娘「減らず口を!」

ガキンッ

男「お、おぉ」

狼娘「どうした、私の牙が喉笛を噛み千切りそうだぞ!」

男「このバカ力が!!」ゲシッ

狼娘「うぐっ」

男「『爆炎』『爆炎』『爆炎』『爆炎』『爆炎』ッ!!」

ドガンッ!

狼娘「けほっ けほっ」

男「くそっ、よけたか」

狼娘「変な術を使って!!」

男「すまんな魔法剣士で!」

狼娘「だけどそんなもんは当たらないぞ!」

男「そうか。じゃあこれだな『眠りの歌』」~♪

狼娘「う、なんだこの歌。ねむ、い」

狼娘「すぴー すぴー」

男「この手の奴が魔法耐性なくて助かるな」

男「よいしょっと」

男「あー疲れた疲れた」ガチャ

エルフ「あ、おかえりなさ、何事ですか!?」

男「狼娘を捕まえてきた」

エルフ「なんか狼娘ちゃんが少しもふっとしてますが」

男「今日は満月に近いからな」

エルフ「あの、その、えっと。大丈夫、ですか?」

男「大丈夫だ。俺も、狼娘も。なんだ俺がくたばってなくて残念だったのか?」

エルフ「は………違いますよ」

男「別に嘘はつかなくていい。風呂入ってくる。泥で俺もこいつも汚れてるからな。後は逃げる以外好きにしていい」

エルフ「わかりました、ありがとうございます」ペコッ

男「湯加減は、良い感じだな」

男「ほら起きろ」

狼娘「ぐーすかぴー」

男「………」ぽいっ

バシャーンッ

狼娘「あつぅえヴぁいぃ!!」

男「さて、俺も入るか」

狼娘「な、なんだこれ!! あつい! あついぞ!!」バシャバシャ

男「落ち着け、お湯がかかる」

狼娘「あ! お前、よくはさっきも!!」

男「だから落ち着けって」

狼娘「がるるるる」

男「はい、肩まで浸かれ、いーち、にー」

狼娘「あたしは水でいいのに」

男「それは俺が許さん。いくらライカンスロープだといっても風邪ひかれちゃこまる」

狼娘「………お前は」

男「なんだ」

狼娘「いったいなんなんだ」

男「ただのしがない魔法剣士だ」

狼娘「………人間は、人間はもっと醜い。奴隷をもっと乱暴に扱う」

男「なんだら乱暴に扱ってほしいのか?」

狼娘「違う。なんでお前はこうも人間らしくない。なぜ暴力を振るわない、なぜ性欲をぶつけない、なぜ理不尽ではない」

男「………買ったものは大切にする主義でね」

狼娘「違う違う!!、人間は醜い! 人間はもっと醜い!!」

男「………」

男「お前はこの体を見て、俺が醜くない人間だというのか」

狼娘「………っ」

男「刀傷、矢傷、弾傷、火傷、凍傷、酸。他にも色々」

男「俺は軍人だ。もしかしたらお前の親を殺したのかもしれない」

男「他人を殺して命を永らえて、骸を重ね、名誉を得た」

男「そんな俺が醜くないわけないだろ」

狼娘「………戦いは戦いだ、それは、うぐっ」

男「とっても不条理なことだ。その不条理なことの結果お前達は不条理な目にあっているんだ、誰がどれだけ言葉を重ね理由をつくろうともそれはしてはいけないことなんだ」ググッ

狼娘「い、いたいっ」

男「なあ、もっとよく見ろ。俺はこの傷を与えてきた奴らをすべて殺してきた。殺さなければ殺されるという理由の元にな。しかたなかったとは説明できるが、善であるとは証明できない。でもな、殺せば殺すほどに俺は戦士と呼ばれ英雄と呼ばれた。俺は他人から善であるといわれたんだ」

男「俺は! 醜いんだ!!」

狼娘「や、やめて、ころさ、ないで」

男「! すまない」

狼娘「っ」ビクッ

男「………病気でな。時々こうなるんだ」

狼娘「………」

男「さっきなぜ、なぜと俺に聞いたな」

男「風呂から上がったらその理由を教えてやる」

男「早すぎる気がしないでもないがな」

狼娘「………」

男「とにかく今は温まれ。風呂が嫌いでもいつか慣れる」

狼娘「………」コクッ

狼娘「………」ブルブル

男「痒いところないか?」ゴシゴシ

狼娘「み、水浴びで十分」

男「俺の家を獣臭くしたくないからな」ゴシゴシ

狼娘「う、うぐぅ」

男「流すぞ」バシャッ

狼娘「!!」ピンッ

男(尻尾が立った。どんだけ嫌いなんだお湯が)

狼娘「こ、これで終わりか?」

男「次は体だ」

狼娘「や、やっぱり性欲を」

男「誰がお前に欲情するか。出るとこ出てからにしろ」

狼娘「ぶ、侮辱だぞ!!」

男「ほら、背中洗うぞ」ゴシゴシ

狼娘「キャインッ」

エルフ「あの、いったいなんでしょうか。そしてどうして狼娘ちゃんが大人しくなってるのでしょうか」

リザード「………」

ドワーフ「………ふわぁー」

男「お前達四人に話すことがあってな」

エルフ「もしかして、夜のおしg」

男「なぜお前達を買ったのかについてだ」

エルフ「にくどr」

男「エルフ」

エルフ「なんでしょう!」

男「少し黙れ」

エルフ「はい………」

男「話の続きをするが、別にお前達を買ったのはやましいことをするわけじゃないといっておこう」

エルフ「!」

男「簡単に話すと俺の生きる意味だ」

ドワーフ「意味不明なのー」

男「だろうな、まぁこの話をすると長くなるが、大人しく聞け」

男「先の大戦、というと分かるよな」

エルフ「亜人対人間の戦争ですよね。結果は私達を見ればお察し」

男「そう、人間の勝利に終わった」

エルフ「それがどうしたんですか?」

男「その大戦に参加し、数多くの戦果………亜人を殺してきた」

エルフ「っ」

ドワーフ「……!」

男「俺の階級は上級万翼長。前線での最高地位だ」

エルフ「ということは、いっぱい」ジッ

ドワーフ「殺したんだねー」ジー

男「その通りだ。俺はエルフも殺したし、ドワーフも殺したし、リザードマンも殺したし、ライカンスロープも殺した」

男「もしかするとお前等の親族の誰かや親しい奴も殺してるかもしれない」

エルフ「………罪滅ぼしとかですか?」

男「違う、罪滅ぼしじゃない」

男「罪滅ぼしなんかじゃない」

エルフ「じゃあなんですか? 哀れみですか?」

男「………あの日俺は戦場で戦っていた。場所は深い森、仲間とはぐれ一人さまよっていた」






男「くっそ、霧が濃くて前がみえねぇ」

男「………残り魔力も少ない。こりゃあ絶対絶命かもしれねぇな。年貢の納め時って奴かよ」

男「ちくしょう、部隊はどこだ」

ガサッ

男「!」スチャ

男(敵、か? 野生動物か? 熊だったりすると厄介だな)

ザザッ

「見つけたぞ人間!!」

男「畜生敵か!!」

男(今戦うのは危険だ。とにかく逃げなければ」ダダッ

「待て! 大人しく戦え!!」

男(殺されてたまるかよ!!)

「戦士じゃないのかー!」

男「かっこ悪くても生き残れればそれでいいんだよ!!」

「くそーっ! 下種ー! でべそー! 性欲魔人ー!!」

男「挑発が下手か!! というか性欲魔人じゃねぇよっ!!」

男(くそっ、大声で叫んだら息が。まさかあいつそれが目的か!?)

「ぜはーっ ぜはーっ ちょっと、休憩、しませんか!?」

男(なんだただのバカか。これなら逃げられるな)ダダッ

「あっ、スピード上げたっ! まてーっ!!」

男「ちくしょう、しつけぇぞ!!」

「たたかえー! たたかえー! 目が合ったらバトルですよー!!」

「たたかえー! たたかうのですー!」

男(くそっ、このバカ体力だけは一人前だな。追いつかれそうだ)

「あっ 止まって!」

男「誰が止まるか!!」

「止まるのです!!」

ガラッ

男「―――は?」

男(空中、遠い地面、崖からおち)

ドッ!

パチパチ

男(木がはじける音………なんで俺は寝て)

男(そうか崖から落ちたのか。俺、死んだのか?)

男(いや、死んでない。体中が痛い。死んでないけど無事じゃないみたいだ)

パチッ

男「くそ、このまま野垂れ死に………火?」

「あ、起きたんですねー!」

男「! お前は、あぐっ!」

「駄目ですよ大人しくしてなきゃ、死んじゃいますよー。本当なんですからねっ!」

男「な、なんでお前は」

「お前じゃないです! 私にはドラゴニュートっていう立派な名前があるんですからね! えへん!」

ドラコ「あ、気軽ドラ娘ちゃんって呼んでくれてもかまいませんよ?」

男(こいつ………バカなのか? 敵を助けて………包帯まで巻いてるし。巻き方間違ってるけど)

ドラコ「よーし、出来ましたよ、ご飯が!」

男「………お粥?」

ドラコ「薬草粥です。怪我に効くっておばあちゃんが言っていました」

ドラコ「はい、あーん」

男「………」ふい

ドラコ「がーんっ! なんで首をそむけるんですか!?」

男「敵から、食い物なんてもらえるか」

ドラコ「あっ。毒って思ってるんですね! 違いますよほら、ぱくっ! あーおいsにがぁっ!!」ブフッ

男「!?」

ドラコ「けほっけほっ。ほら毒なんて入ってませんよ。おいしくはないですけど」

男「………あーん」

ドラコ「! はい、どーぞ」

男「………」もぐもぐ

男(にげぇ)

ドラコ「よしっ。全部食べましたね。いい子です」ナデナデ

男「なんで、助けた」

ドラコ「? 怪我人を助けるのは」

男「敵だぞ。しかもさっきまで追いかけてたのお前だろ」

ドラコ「でも怪我人ですよ?」

男「でも敵だ」

ドラコ「怪我人ですもん」

男「でも敵………もういい」

ドラコ「いいんですか?」

男「お前と話してると疲れる」

ドラコ「がーんっ! ドラコちゃんと話してると気持ちよく眠れるよって評判なんですよ!?」

男「それバカにされてんだよ」

ドラコ「ダブルでがーんっ!」

男「それで、何が聞きたい。本隊の場所か?」

ドラコ「え? なんの話ですか?」

男「とぼけるな。情報が欲しいから俺を治療したんだろ」

ドラコ「? 怪我人だから治したんですよ?」

男「いい加減演技はやめろ」

ドラコ「うぇ!? ドラコ演技なんてしてませんよ!」

男「敵をなんの裏もなく治療するバカなんていない!」

ドラコ「がーんっ! ドラコバカだったんですか!?」

男「………………」

男(本当に、ガチでこいつはただのバカなのか?)

男(なら、利用できるか。体が動くようになったらすぐおさらばだ)

ドラコ「うぅー、ドラコは! ドラコは!!」

男「………」

ドラコ「あ、寝るんですか?」

男「あぁ、早く体治したい」

ドラコ「お休みなさいませー! 見張りはドラコに任せるのです!」

男「あぁ、そうか」

男(………こいつが、こいつがバカじゃなかったら俺は死ぬ)

男(死んでしまう)

チュンチュン

男(鳥の、声。もう朝―――)

男「!」ガバッ

男「ぐぅっ!」

ドラコ「あー。起きたんですねぇ、ふわぁ」

男「………お前、今まで起きてたのか?」

ドラコ「ドラコは見張りですからー」

男「………お人よしだな」

ドラコ「はい、ドラコはいい子ですー」

ドラコ「でもドラコはもう限界なので、見張りの交代をお願いしますー」

ドラコ「すぴー」ムニャムニャ

男(体は………まだ動かないか)

ドラコ「なんとー 帽子のなかにかれーぱんがー」

男「こいつ寝言うるさいな」

男「………もうすぐ昼か」

ドラコ「ふわぁー。いい夢みましたー」

男「起きたか」

ドラコ「あ、人間さんどこにも行かずにいい子にしてましたね」ナデナデ

男「動けないんだよ」

ドラコ「えへへ、もし人間さんが悪い人でドラコの寝込みを襲ったら困ってましたよ」

男「………俺もお前に寝込みを襲われたら困ってたよ」

ドラコ「ドラコはそんなに性欲魔人じゃありません!!」

男「寝込みを襲うってそっちかよ!!」

ドラコ「ふぇ? ほかにあるんですか?」

男「………寝てるときに切り殺すとか」

ドラコ「あわわ、悪い人間さんはそんなことするのですか!?」

男「お前等だってするだろ」

ドラコ「ドラコはそんな悪い子じゃありません! ドラコちゃんは優等生だねって笑顔で同級生に言われてました!」

男「バカにされてるんだよ、それは」

男「普通兵士は相手を殺すもんだ。隙あれば殺す。分かるな?」

ドラコ「そんな酷い!」

男「お前だって昨日俺を殺そうとしてただろ」

ドラコ「ドラコはそんなことしてません!」

男「嘘つけ、戦え戦えってうるさかっただろうが」

ドラコ「戦うだけです! 殺しません!」

男「は?」

ドラコ「ドラコは悪い人間さんを全員やっつけて戦争を終わらせるのです!」

男「殺さないと終わらないだろ」

ドラコ「そんなことありません。戦場にドラコがでてきたら ど、ドラコだぁ~ってみんな逃げるようになれば終わります!」

男「なんで敵からも愛称で呼ばれてるんだよ」

ドラコ「ドラコが有名人だからです! えっへん」

男「いいか。戦争はそんな甘いもんじゃない。殺して殺されるもんだ」

男「俺もお前等を殺すが、お前らだって俺たちを殺す」

男「それでみんないなくなって終わりだ。後は負けたほうが酷い目にあう」

男「戦場で死んだほうがマシだって思う目にな」

ドラコ「し、死ぬより酷いことがあるんですか!?」

男「負けたほうは動物以下の扱いを受ける。奴隷だよ」

ドラコ「奴隷?」

男「奴隷も知らないのか。奴隷は売り物だ。命を買われて命令を受けて、したくないことまでされて自分を完全に無視される。暴力も性暴力もうける」

ドラコ「!」

男「戦争なんてそんなもんだ」

ドラコ「ど、ドラコががんばります!」

男「は?」

ドラコ「ドラコが悪い人間も悪い亜人もみんな退治しちゃいます!」

ドラコ「そしたら世界は平和ですよね!」

男「………そんなバカな話があるか」

ドラコ「とにかくドラコは皆平和がいいんです! 戦争とか暴力とか、そんなことが起きない世界がいいんです!」

男「無理だ」

ドラコ「無理じゃないです!」

男「無理だって」

ドラコ「無理じゃないですよっ!」

男「………じゃあ俺が今お前に斬りかかったらどうする」

ドラコ「ふぇっ!?」

男「俺は人間の兵士だ。亜人を殺す立場だ。俺がお前に斬りかかったらどうするんだ。俺を殺すだろう?」

ドラコ「殺すんですか!?」

男「あぁ」

ドラコ「あわわわわ」

男「………悪いな」

ドラコ「ど、ドラコは!」

男「?」

ドラコ「ドラコは負けません!」グイッ

男「!?」

ドラコ「ドラコベアハッグです」ベキバキッ

男「ぐげほっ」

ドラコ「降参ですかー!? 降参するんですかー!? 降参してくださいー!?」

男「こ、こうさ、ん」

ドラコ「こうします! ドラコ、プロレス技得意です!」

男「………やっぱりお前には無理だよ」

ドラコ「えぇ!?」

ドラコ「やっぱり、無理ですか?」ウルウル

男「魔法相手にプロレス技なんかできるか」

ドラコ「がーんっ!」

ドラコ「な、なら」

男「どうした」

ドラコ「もし、もし亜人が負けたなら」

男「………どうした」

ドラコ「人間さんが私に代わって亜人を助けてください。亜人が勝ったら私が人間さんたちを助けます」

男「あきらめたのか?」

ドラコ「あきらめてません! もしものときのB案は作っておくものです」

男「そんな約束するわけないだろ」

ドラコ「う、うぅー。命令です!」

男「は?」

ドラコ「ドラコは人間さんの命の恩人です! だから命令します! 今だけドラコは悪い子になります!」

ドラコ「人間さんも皆を助けなさい!」

男「ってな事があったから俺は奴隷を助けようとしてる」

エルフ「でもご主人様ならそんな約束しらないぜ、ってしそうですけど」

男「………遺言なんだよ」

狼娘「ゆい、ごん?」

男「その後ドラコは俺を探しに来た部隊に殺された」

リザードマン「………!」

男「俺は生きてるのにあいつは死んだ。だから俺は助けてもらった命、あいつの夢に使う」

男「俺の命はもう俺の命じゃねぇ」

男「あいつの命なんだ」

エルフ「ご主人様の事情は分かりました。だけどならなぜすぐに私達を解放してくれないんですか?」

男「今開放したところでお前達じゃ王国から出られない」

男「それに俺だけじゃすべての奴隷を買うための金もない」

男「だからお前等には自分の金額と同じ金を稼いでもらう。外に出るための金もだ」

男「厳しくするが、理解してくれ」

リザード「………分かった」

エルフ「でもお金稼ぎってどうするんですか?」

男「外に出稼ぎにいってもらう。俺の名前を出せば下手な事はされないはずだ。差別はされるだろうが」

エルフ「………分かりました」

男「助かる」

男「この話をしてしまったならばお前達を奴隷として扱う必要もないな」

男「俺のことは好きに呼べ。働く以外極力命令は出さないつもりだ」

エルフ「分かりましたご主人様」

男「だから」

エルフ「壁に盗聴魔法あり、扉に監視魔法ありです。だからご主人様って呼ばせていただきます。ね、ご主人様」

ドワーフ「ご主人様ー」

リザード「………主」

狼娘「ご主人様///」

男「………すまんな」

エルフ「大丈夫です。平気です」

リザード「………」

男「リザードマン。お前は俺の傭兵でよかったんだっけな」

リザード「っ!」コクリ

男「それで狼娘はペットと」

狼娘「違う!」グルル

男「冗談だ。とりあえず奴隷と呼ぶのも気が引ける。メイドと呼ばしてもらう」

エルフ「私は奴隷でもかまいませんよ」

男「俺がかまうんだよ」

男「さて、今日はもう寝ろ。明日から働いてもらう」

エルフ「しょ、娼館で」

男「違う」

エルフ「違うんですか」

男「危ない仕事はさせない極力させないつもりだ」

リザード「っ!?」

男「あー、違法な仕事ってことだ」

リザード「………」ホッ

男「ということで今日はもう寝ろ」

エルフ「分かりました。お先に失礼しますね。ご主人様」

ドワーフ「おやすみー」

リザード「………おやすみ」ボソッ

狼娘「おやすみっ」

~次の日~

男「今日はいい天気だ」

男(何の仕事があったっけな)

男「司書、ウェイトレス、会場警備、引越し業者か」

男「誰か一人には家事をしてもらわないといけないが」

エルフ>>78

ドワーフ>>79

リザードマン>>80

ライカンスロープ>>81

引越し業者

非力なエルフに引っ越しさせるとかぐぅ畜

ウェイトレス

司書

会場警備、って家事担当がいなくなるから家事しか無理かな?

ということは余った狼娘はメイドですね

エルフ「ご主人様は鬼です」

男「筋肉つけろ」

エルフ「はっ。ご主人様は筋肉フェ「飯抜くぞ」いってきまーす」



エルフ「今日から一週間働くことになたエルフです!」

引越し「………男さんから言われたけど本当に亜人とはなぁ」じろじろ

エルフ「え、エッチなのは駄目ですよ!?」

引越し「あー、俺ロリコンじゃないから」

エルフ「ロリじゃないです!」

引越し「ほら始めるぞ」

エルフ「分かりました!」ビシッ

引越し「元気がいいのは良いことなんだが、その細腕で大丈夫かねぇ」

エルフ「魔法使ってがんばります」

引越し「街中で魔法なんか使うと自警団来て、連れてかれるぞ」

エルフ「………この町はエルフに厳しいですね!」

引越し「人間に優しいんだよ。というかエルフにも騎士はいるだろう」

エルフ「見ての通りか弱いエルフです」

引越し「だろうな」

エルフ「………」グッタリ

引越し「おい、大丈夫か?」

エルフ「わ、わたし………もう、うごけな」

引越し「はぁ………男さんのうちまで連れてってやるよ」

エルフ「と、いいつつ、自分の、いえで」

引越し「元気があるみたいだからやめとくか」

エルフ「冗談です!冗談です! 死にそうです!!」

引越し「死にそうな奴には見えないけどな」

エルフの筋力が5あがった

お金を6200G手に入れた

ドワーフ「ウェイトレスー」

マスター「仕事は覚えたかい?」

ドワーフ「ばっちりー」

マスター「亜人と聞いて不安だったけれどこの調子なら大丈夫みたいだね」

ドワーフ「ますたーますたー」

マスター「なんだい?」

ドワーフ「バカにしてくるやつー ぶっとばしていいー?」

マスター「………穏便にね」

ドワーフ「ふわぁ がんばるー」

魅力が4上がった
力が2上がった
社交性が2あがった
お金を4200G手に入れた

リザード「………字が」

司書「リザードマンちゃんは本は嫌い?」

リザード「………」コクリ

司書「それは残念ねぇ。面白い本だってあるんだけれど」

リザード「………兵法書は」

司書「あるわよ。お勧めなのがね」

リザード「!」パァッ

司書「うふふ。でもお仕事が終わってからね」

リザード「………感謝する」

客「この本借りたいんですけどー」

リザード「………こちらへ」

客「へ、この図書館亜人使ってンの? きたねぇなぁ」

リザード「………貸し出し期間が2週間になります」

客「奴隷使うとかまじねぇわ。本汚れてねぇ? きたねー」

リザード「っ! 叩き切る」スチャッ

司書「リザードちゃん!? 落ち着いて落ち着いて!」

客「はっ!? おい奴隷に危ないもの持たせてんじゃねぇよ!」

リザード「奴隷じゃ、ないっ」

司書「リザードちゃん落ち着いて。申し訳ありません、お客様」

客「当たり前だろ、奴隷の躾ぐらい」

司書「お詫びにその空っぽの頭に知識を詰め込むための辞書をプレゼントですわっ!」ブンッ

客「ぐぇっ」

司書「リザードちゃん、それ外に放り出しておいて」

リザード「………いいのか?」

司書「図書館ではお静かに、騒ぎを起こす奴は客じゃありませんわ」

司書「ついでに登録カードを破っておきましょう」ビリッ

リザード「………感謝する」

司書「またお仕事頼むわよ」

リザードマンは知識が3あがった
忍耐力が2上がった
お金を3000G手に入れた

狼娘「いえがひろいからそうじがめんどうだな」

男「ならこれを使え」

狼娘「! いたのか」

男「俺の家だからな。そりゃいるだろう」

狼娘「しごとはないのか」

男「今のところはな。軍人が仕事がないってことは世の中が平和なことだ」

狼娘「へいわ、か」

男「人間にとってはな」

狼娘「ところでこれは」

男「掃除機だ。掃除を楽にする素敵アイテムだ」

狼娘「おぉ!」

狼娘「さて、これをつかえばそうじがらくになるのか」

狼娘「えっと、これか?」ポチッ

ブォォォオンッ

狼娘「!?」ビクッ



男「ん? 使わなかったのか?」

狼娘「そうじはほうきでするものだ!」

男「そうかやる気があるようで関心関心」

男「それで、これが今日の昼ごはんか」

狼娘「そうだ」フンス

男「やっぱり、焼くか生しか料理方がないのな」

狼娘「うまい!」

男「肉に岩塩しか使ってないんだからまずいわけがないけどな」

狼娘「サラダもあるぞ!」

男「ちぎったレタスと丸ごとトマトか」

狼娘「どうだ!」ムフー

男「やっぱり料理は教えないといけないみたいだな」

狼娘「なぜだ!」

男「ということでお呼びしたコック長だ」

コック長「よろしく」

男「コック長は元軍人で、俺と同期だ。凄く強いぞ」

コック長「そんなたいしたことない。俺はただのコックさ」

狼娘「………」ガクガクブルブル

コック長「それで料理を教えてもらいたいのはこのお嬢さんかな?」

狼娘「は、はい!」

コック長「良い返事だ」

男(コック長、見た目いかついからなぁ。びびるよなぁ)

コック長「俺が教えてやることを理解すればいろんな料理が作れるようになる。ついでにキッチンでの戦闘力もあがる」

男「そっちはいい」

コック長「それは残念だ」

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