初SS投稿です。
誤字脱字等至らないところがあると思いますが、楽しんでいってください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413207496
~魔王城前~
戦士「やっとここまで来たな」
魔法使い「そうね。でもあんまり感傷に浸っている時間はないわ。ここは敵地のまっただ中なんだから」
勇者「………」
僧侶「勇者様、どうしました?」
勇者「…いや、戦士のように感傷的になっていただけだよ。さあ、いこう。魔王を倒せば世界が平和になる。」
戦士「おう!」
魔法使い「ええ。」
僧侶「はい。」
~魔王城内部~
戦士「魔王の城だって言うのに魔物がぜんぜん出てこないな。」
魔法使い「逆に余裕なのかもね。魔王を守る必要なんかない。それだけ魔王が強いって。」
僧侶「そ、それでも気を引き締めて…あ、あれ!」
???「ようこそいらっしゃいました。勇者御一行様。」
勇者「あなたは?」
???「私は魔王様の側近。名は…いえ、私の名前など気になさらないでください…」
戦士「俺たちが勇者の一行だとわかっているってことはあんたが相手をしてくれるのか、側近のねーさんよ?」
側近「いえ、私に戦う力などありません。私は魔王様の部屋へと案内するために来ました。どうぞ、こちらへ…」
勇者「そうか…」スッ
魔法使い「ちょ、ちょっと待って勇者。罠かもしれないじゃない。」オドロキ
僧侶「そ、そうですよ。魔王の側近の言うことなんて…」アセアセ
勇者「大丈夫さ…魔王の側近…だからな…」テクテク
戦士「ゆ、勇者の勘ってやつか。それなら信じられるな。」テクテク
~魔王の玉座室~
側近「魔王様、勇者御一行お連れしました。」
魔王「ああ、ご苦労…」
魔法使い「魔王ってもっと年取っているのかと思ってた。結構若いじゃん。勇者と変わらない?」ヒソヒソ
僧侶「見た目だけかもしれませんよ。魔力で若く見せているのかも。」ヒソヒソ
戦士「なんだ、魔力ってのはそんな風にも使えるのか?」ヒソヒソ
魔王「よく来たな。ここまで来ないようにありとあらゆる策を講じたというのに。」
勇者「どんな策を講じたって、勇者は魔王の元にやってくるってことさ。」
魔王「運命からは逃れられないということか。」
勇者「そういうことだ。まーちゃん。」
戦士「え?」
魔王「ゆうくん。」
魔法使い「は?」
勇者・魔王「ひさしぶり」
僧侶「えぇ~!?」
戦士「ど、どういう事だ勇者?」アセアセ
魔法使い「どうしてそんな親しそうなのよ?」アセアセ
勇者「僕と魔王が幼馴染だった、ただそれだけだよ。」アッサリ
僧侶「そ、それだけって…これ以上にない衝撃の事実なんですが…」アセアセ
魔王「さて、立ち話もなんだし始めようか。側近、下がっていてくれ。」
側近「はい。」スッ
勇者「相変わらずせっかちだな。みんな、悪いんだけど魔王とは僕一人でやらせてほしい。」
戦士「そ、それはかまわないが…」
魔法使い「え?…危なくなったら加勢するからね。」
僧侶「………」オロオロ
勇者「僧侶?」
僧侶「あ、あの…絶対に勝ってください。私は…私達は信じていますから!」
勇者「!…ああ、絶対に…」ニガワライ
本日はここまで
似たようなのだいぶ前に見たな、あれはすごい勢いで終わったけど
別に比較するわけじゃないからまあゆったりと期待
>>10
やっぱり似たようなのありましたか・・・
幼馴染ネタなんて結構ありますものね?かぶってもいいですよね?ね?
それとこのSSもすごい速さで終わる短編です。本日19時に投下します。
勇者「お待たせ。始めようか。」
魔王「もういいのかい。仲間にお別れを言う時間は時間を掛けないと。」
勇者「自分から始めようとか言っといて何言ってんだか。雷よ、走りて貫く槍となれ!雷光一線!」
魔王「闇よ、全てを飲み込む盾となれ!闇障壁!」
勇者「やっぱり闇魔法がお得意のようだな。炎よ、全てを焼き尽くせ!全焼!」
魔王「そんなことはなよ。魔王たるもの闇魔法だけじゃなく全ての魔法に精通していないといけないんだよ。水よ、集いて丸まり全てを飲み込め!水球回転!」
勇者「ち、炎を消され…お、おい!逃げろ!!」
戦士「な、水の球がこっちに向かってくるぞ!」
魔法使い「避けるのよ!」ダッ
僧侶「あわあわ」アセアセ,コケッ
勇者「僧侶!」ダッシュ
勇者「はーっ!」スラッシュ,パカ
魔王「魔法を剣で切り裂くなんてすごいね」パチパチパチパチ
勇者「ほめられても嬉しくないな。一対一でやってんだから周りに気を使えよ。」テクテク
魔王「別に一対一でやろうなんて言ってないよ。君が勝手に始めたことじゃないか。」アキレ
ガオ
勇者「それもそうだな。僕が気をつければいいのか。はっ!」スラッシュ
魔王「いい太刀筋だね。でも、それじゃあ僕は切れないよ。」ヒラリ
勇者「くっ!」スラッシュ
魔王「ねえ、ゆうくん。本気出してよ。」ヤレヤレ
勇者「な、何言っているんだ!僕は本気だ!」
魔王「本気じゃないよ。君は僕を斬るのに迷っている。しょうがない…」フッ
勇者「え、消え…」
魔王「君がいいかな。」フッ
僧侶「きゃっ!」オドロキ
勇者「やめろ!やめろ~!!」ダッシュ
魔王「仲間が殺されたくなかった本気で来なよ。」ボッ
僧侶「きゃっ!」ドンッ
戦士「僧侶!この野郎!」キリカカリ
魔王「君も同じ目にあいたい?」ボッ
戦士「うわっ!」ドドンッ
魔法使い「戦士!僧侶!ゆるさない!炎よ…」
魔王「おそい!」ボッ
魔法使い「きゃっ!!」ド~ン
魔王「あらあら、仲間がみんなやられちゃったね~。」
勇者「まお~!!」スラッシュ
魔王「…」ヒラリ
勇者「魔王、君は何のためにこんなことをする!何のために、誰かを傷つける!」スラッシュ×5
魔王「何でと聞かれても…僕が魔王だからとしか言えないよね。」ヒラリ×5
勇者「それでも!共存することができる!そうじゃないか!10年前のように!!」スラッシュ×10
魔王「何言ってるの。共存できなくなったんじゃない。10年前に…」ヒラリ×10
勇者「違う!あれは間違いだ!あの時の事を教訓にまた共に…」スラッシュ(チカラナク)
魔王「あ~あ。もういいや。」パシッ
魔王「ゆうくんとまた会えたのはうれしいけど、やっぱり僕は魔王で、君は勇者。相容れなかったってことだね。」ボッ
勇者「ぐはっ」ドンッ,ズルズル
魔王「君がやられればほかの人間も降伏するでしょう。せめてもの情けで僕の最大呪文であの世に送ってあげるよ。炎よ、水よ、風よ、雷よ、闇よ…」ブツブツ
勇者「や、やめろ…」ダッシュ
魔王「全てを消し去り無に返せ…」ブツブツ
勇者「やめろ~!!!」ダッシュ
魔王「(やっと…やっと本気で来たね、ゆうくん。これでいいんだ。いや、これがいいんだ…)」スッ
魔王「…」グハッ
勇者「(な、何だ・・・この手ごたえのなさ・・・なんでこんなにあっさり剣が刺さっているんだ?)」ハァハァハァハァ
魔王「魔法を放つ瞬間・・・もっとも無防備となる瞬間を狙って僕の胴体を貫くなんて・・・やっぱり・・・君は・・・勇者・・・なんだね・・・」ドクドク
勇者「まーちゃん・・・な、何で・・・何でこんな簡単に、何でこんな簡単に刺されているんだよ!何で魔王がこんなにあっさりやられるんだよ!?」ポロポロ(ナミダ)
魔王「何・・・言っているの・・・勝負というものは・・・本気でやりあえば簡単に決着がつく・・・そう教えてくれたのは・・・ゆうくん、君じゃないか・・・」ドクドク
勇者「違う!君は・・・僕が懐に入った瞬間、詠唱をやめて僕が刺しやすいように腕を広げた・・・」ポロポロ
魔王「そんなこと・・・していないよ・・・君が僕より強かった・・・ただそれだけさ・・・」ドクドク
勇者「まーちゃん・・・」ポロポロ
魔王「そんなかお・・・しちゃ・・・だめだよ・・・へいわをもたら・・・した・・・ゆうしゃ・・・なんだから・・・えがおで・・・いな・・・いと・・・」ドク
勇者「・・・」ポロポロ
魔王「そっき・・・んさん・・・もう・・・そんなに・・・じかんは・・・ないかもしれない・・・だけど・・・さいごの・・・やくめは・・・おねがい・・・します・・・」ドク
側近「・・・承りました。」スッ
魔王「ゆうくん・・・ぼくのいのちも・・・もうそんなにもたない・・・から・・・さいごに・・・ずっと・・・きみにいいた・・・かった・・・ことばを・・・いうね・・・」ドク
勇者「ちょ、ちょっと待て!遺言なんてそんな・・・」ポロポロ
魔王「ゆいごんなんて・・・そんな・・・もんじゃ・・・ないよ・・・ゆうくん・・・ぼくのともだちになってくれて・・・ずっとおぼえててくれて・・・ありが・・・と・・・・・・・・・」ドサ
勇者「ま、まーちゃん・・・ねえ、まーちゃん・・・なんで・・・なんで・・・」ポロポロ,プルプル
勇者「まーちゃーん!」ウァ‐ン
戦士「・・・いてて・・・これはいったいどういうことだ。魔王に吹き飛ばされて気を失ってたと思ったら勇者が魔王の前で泣いている。」ズキズキ
魔法使い「魔王が自ら望んで殺されたように見えたけど・・・」コンラン
僧侶「ゆ、勇者様・・・魔王の真意が何であれ、私達は・・・いえ、あなたは魔王に勝ちました・・・」つハンカチ
勇者「魔王は、まーちゃんは自ら死にに行った!何のために!なくす必要のない命を!自ら捨てに行った!!」ポロポロ
側近「魔王様は悩んでおられました。」
勇者・戦士・魔法使い・僧侶「!!」
側近「どのようにすれば世界が平和になるのか。魔王となったその日から・・・」
勇者「その答えが・・・これなのか・・・?」
側近「・・・」ウナズキ
勇者「意味がわからない・・・自分が死ぬことのどこが平和への道になるんだというんだ・・・人間の世界は平和になっても・・・魔物の世界は・・・」
側近「・・・もし、まだお時間がございましたら会って頂きたい方がおります。」
戦士「魔王以外で、会ってほしいやつだと?」
魔法使い「いったい誰なの?」
側近「その方にお会いすれば、勇者様はお分かりになるはずです。それにこれは・・・魔王様が私に申された二つある最後の役目のうちの一つです。」
僧侶「勇者様・・・どうしますか・・・?」
勇者「・・・会おう・・・それが、まーちゃんの望みなら・・・」
側近「では皆様、私の後についてきてください。」
本日はここまで
本日は20時に投下します。
~寝室~
側近「こちらです。失礼いたします。」ガチャ
戦士「いったい誰に会わせてくれるんだ?」
魔法使い「何であなたが聞いてるのよ?」
僧侶「あ、奥にいらっしゃる車椅子の方ですね?」
???「ゆ・・・勇者・・・くんか・・・」
勇者「ま、まさか・・・」
側近「魔王様のお父様、先代魔王様です。」
先代魔王「勇者くん・・・すまなかった・・・私は・・・気味につらい思いをさせてしまった・・・」ゲホゲホ
勇者「おじさん・・・僕は・・・」
先代魔王「全てわかっている・・・私が弱かったばっかりに」ゴホゴホ
側近「先代魔王様・・・」
先代魔王「大丈夫だ・・・それでも・・・時間はないか・・・」
戦士「時間がないって、あんたもう・・・」
先代魔王「なに、覚悟していたことさ。勇者くん。私は10年前、争いを抑えることができなかった。体が弱いばっかりに息子に尻拭いをさせてしまった。」
先代魔王「息子はどうすれば言いか悩んでいた。悩みぬいた末、自分が、魔王が滅びれば平和を築けると思ったのだろう。」
勇者「・・・」
先代魔王「おろか・・・私が言う資格はないが、おろかだ。和平の道を考えず、己の命で終わらそうなどというのはおろかだ・・・だが、それをできなかった私はもっとおろかだ・・・」
先代魔王「息子と、息子の親友を戦わせてしまうこととなったのだから・・・」
勇者「おじさん・・・」
先代魔王「君のしたことは間違ってはいない。息子も、それを望んでいた。君は勇者だ。世界の平和を守った。」ゲホゲホ
勇者「・・・」
先代魔王「さあ、帰りなさい。自分の帰るべき場所へ・・・」
側近「皆様、出口まで案内いたします。」トコトコ
戦士「勇者・・・」
魔法使い「勇者・・・」
僧侶「勇者様・・・」
勇者「・・・帰ろう。僕達は、やるべきことをやった。ただ、それだけさ・・・」テクテク
~魔王城前~
側近「では皆様お気をつけて。・・・あ、魔王城の周りでは移動魔法が使えません。果ての村まで行ってから使うようにしてください。」
戦士「げ、なんだよ。村まで歩くのか。」ゲンナリ
魔法使い「文句言わないの。日が暮れる前には着くわよ。」
僧侶「でも、魔物と出会ったら大変ですよ。勇者様は精神的にもお疲れですし、私達もまともに戦っていないとはいえボロボロです。」
側近「それは大丈夫だと思います。」
僧侶「え?」
側近「魔王様が倒された時点で世界中の魔物たちに伝令を走らせました。今は人間と争うのをやめ、この魔の地へと向かっているころだと思います。魔王様を倒した勇者一行とやり合おうとするのはいないと思います。」
側近「まあ、もとより魔王様の意思に反している輩はいましたので、全員がそうだという保障はできませんが。」
勇者「・・・側近さん。聴いてもいいかな?」
側近「私の答えられることでしたら。」
勇者「まーちゃんの言っていたあなたの最後の役目、もう一つは何なのですか?」
側近「・・・先代魔王様の命尽きるまで、先代魔王様に仕えることです。」
勇者「そう・・・」
側近「先代魔王様がお亡くなりになったあとは、私の自由にしていいとおっしゃっておりました。」
勇者「・・・そうなったら、なにをするんですか?」
側近「長話が過ぎてしまったようですね。それでは皆様、おきをつけて・・・」ギギィィィィィ
勇者「・・・」
~果ての村・旅の宿屋~
僧侶「勇者様・・・」ギィ
勇者「・・・」ボー(ソトヲミテイル)
僧侶「勇者様。」
勇者「・・・」ボー
僧侶「勇者様!」
勇者「はっ!なに?え?ごめん・・・聞いていなかった。」アセアセ
僧侶「いえ、勇者様のことが心配でしたので、それで・・・」
勇者「心配?別に僕はなんともないよ・・・」
僧侶「・・・勇者様、何を見ていらしたのですか?」
勇者「あれ・・・」
僧侶「あれ・・・魔王城・・・ですか?」
勇者「いや、魔王城の後ろの山脈・・・あの奥に僕の故郷があるんだ・・・」
僧侶「勇者様の・・・ふるさと・・・こんなに近くに・・・」
勇者「あの山は人間が登るのは不可能だからね・・・今ならともかく、旅を始めたばかりの僕達じゃあ遠回りしないといけなかったんだよ・・・」
僧侶「・・・本当に・・・幼馴染だったんですね・・・」
勇者「・・・うん・・・ねえ、僧侶・・・」
僧侶「はい。」
勇者「王様に報告が済んだらさ、僕は故郷に帰ろうと思う。そこならここまで来るのにそんな時間がかからないから・・・」
僧侶「・・・寂しくなります・・・」
勇者「もしさ、もしだよ・・・田舎暮らしが嫌じゃなかったら、一緒に行かない?」
僧侶「え・・・それって・・・」
勇者「いや、いいんだ。いきなり無理だよな、田舎暮らしなんて。僧侶は街育ちだし・・・」
僧侶「うれしいです・・・私、どこまでも勇者様についていきます。」
勇者「僧侶・・・ありがとう・・・」
~果ての村・旅の宿屋・部屋の前~
魔法使い「ほほぉ~。勇者もやっと告白したわね~。」ピトー(トビラニハリツイテイル)
戦士「相思相愛だって言うのに二人とも奥手だからな~。見ている分には面白かったが。」ピトー
魔法使い「それにしても、勇者もこんなときによく告白する気になったわね。」
戦士「こんな時だから、別のことをしたいんだろうよ。幼馴染を自分の手で葬ったんだ。まともに会話できるだけ、まだいいほうだろう。」
魔法使い「僧侶なら、勇者の支えになってあげられるよね。」
戦士「そうだな。さ、いつまでも盗み聞きしててもしょうがない。明日は王様に報告に行くんだ。早く寝ようぜ。」
魔法使い「・・・もしかして、今夜はあなたと一緒の部屋で寝るの?」
戦士「・・・2部屋しか取ってないからそうなるな。」
魔法使い「何であたしはこんな筋肉馬鹿と一緒にいなきゃなんないのよ・・・」ガックシ
戦士「それはこっちのセリフだ。なんで貧乳女と一緒にいなきゃいけないんだ。」
魔法使い「誰が貧乳よ!?セクハラよセクハラ!」プンスカ
戦士「お前以外に誰がいるんだ!それにそっちだって侮辱罪だろうが!!」イライラ
勇者「何を言い争ってんだあの2人は」ヒョコ,ヒソヒソ
僧侶「さぁ~?でも喧嘩するほど仲がいいと申しますので。」ヒョコ,ヒソヒソ
勇者「それより2人であっちの部屋に入って言ったぞ。」ヒソヒソ
僧侶「そうゆうご関係だったのですね。ずっと一緒にいたのに気がつきませんでした。」ハンセイ
勇者「・・・ちょっとまて、あの二人があっちの部屋にいったって事は・・・」
僧侶「・・・そ、そうゆうことですね///」
今日はここまで。
明日で終わります。
本日は20時に投稿します。
~人間王城・謁見の間~
人間王「よくぞ魔王を倒し、世界に平和をもたらせた。皆を代表して礼を述べよう。」
勇者「・・・いえ、当然のことをしたまでです。」
人間王「いやいや謙遜するな。10年前、不慮の事故で人間と魔物の子が死んでしまった。そのときの罪の擦り付け合いがきっかけで平和協定が破棄され、われら人間は魔物に弄ばれる日々が続いた。」
人間王「そんな暗い時代を終わらせてくれたのだ。いくら礼を言っても言い足りない。」
人間王「今日は宴だ!人間界にもたらされた平和を祝ってお祝いをしようではないか!」
大臣「では勇者ご一行様、大広間に準備を整えてあります。」
兵士「私がご案内します。」テクテク
戦士「ほほ~。どんなご馳走があるのかな~。」ワクワク
魔法使い「食い意地ばっかり張って恥ずかしくないの?」アキレ
僧侶「勇者様どうしました?早くしないと戦士様が全て食べてしまいますよ。」クスクス
戦士「おいおい僧侶ちゃん、俺がいくら食い意地張ってるからって・・・」
勇者「ちょっと王様ともう一度話しをしてくる。」(トビラニヲスコシアケル)
大臣「しかし王様、時間はかかりましたが計画はうまくいきましたな。」
人間王「ああ、これでやっと10年前に罪もない子供を殺した罪に悩まされることもなくな。」
大臣「おやおや、罪の意識などあったのですか?」
人間王「いや、ないな」アッハッハッハッハ
大臣「王様の魔物嫌いもこうなってしまえばあってよかったと思えますよ。」
人間王「まったく、平和協定だかなんだか知らないが、あんな野蛮な生物とわれら崇高な人間を一緒にしないでほしいものだ。」
人間王「子供を殺し、難癖をつけて平和協定を破棄。魔王討伐という流れの予定だったが、誤算なのは魔物の子供も殺してしまったことと、新しい魔王が強すぎたということか。」
大臣「先代魔王でしたら楽でしたのに。仕方なく古代の様式にのっとり勇者を選定して討伐に行かせましたが、選定までに時間がかかり10年もたってしまいました。」
人間王「なに、これからの平和のことを考えれば、少ないほうさ。後は残りの魔物の殲滅か。それも勇者に行かせるか?いや、魔物に怨みのあるものを募って復讐ツアーでもしに行くか。」
大臣「それはいい考えですね。魔物は魔王がいなければ何もできない、いわば虎の威を借る狐です。大人数で行けば一般人でも討伐は難しくないでしょう。」
人間王「ははははははははは」
勇者「くっ!」チャキ
戦士「待て、勇者!」ガシッ
勇者「離してくれ戦士!人間王は!人間王こそ討伐すべき魔王だ!」プルプル
戦士「言いたいことはわかる。しかしこのことは聴かなかったことにするんだ。」
勇者「なぜ?みんなも今の聞いただろう!?」
魔法使い「たしかに、耳を疑うような内容ね。でも、人間王を殺してしまっては誰が今の話を証明するの?」
僧侶「そ、それにもしこのことが魔物側に伝わったら、人間は絶滅させられてしまいます。いくら数が減ったとはいえ、残った魔物全てで攻められてしまえば私達でも太刀打ちできません。」オロオロ
勇者「ちくしょう・・・なんで・・・なんで僕は何もできないんだ・・・何が勇者だよ・・・」ポロポロ
戦士「今は無理でも・・・いつか、いつかもう一度魔物たちと和解できる日が来る・・・その日が来るようにするのが勇者、お前のできることなんじゃないか?」ポンポン
魔法使い「そうね。今の話を聞くと魔物を殲滅させようとしているからそれをさせないように働きかけたり・・・骨が折れるでしょうけどやる価値はあると思うわ。」
僧侶「それに私達も協力します。」つハンカチ
勇者「みんな・・・」
戦士「そうと決まったら居間は宴だ宴。無理して笑え!あの王様に悟られないようにな!」
魔法使い「そうね、今はあの王様の手のひらで踊って上げようじゃない。」
僧侶「さ、勇者様。行きましょう」
勇者「うん・・・いこう。」テクテクテクテク
それから僕達は人間王の行動を監視するため城下町で暮らすようになった。
戦士は近衛隊に入隊し人間王の行動を逐一報告してくれる。
魔法使いは魔法薬店を営み繁盛している。勇者一行のメンバーだったとして実力は折り紙つきということか。
僕は・・・まあ、僧侶と一緒に酒場の経営を始めた。
色々と情報を仕入れるのにうってつけかなと思って始めたんだけど、思っていた以上に大変だった。
それでも何とかやっていけてるのは僧侶の言うところの神の思し召しという事かな。
しかし、僕達の計画は思いもよらない理由で頓挫することになった。
人間王をはじめ10年前平和協定破棄にかかわったと思われる役人が全員自殺もしくは事故で命を落とした。
そのせいで人間界はパニックとなったけど、僕らが事態の鎮静を図り、今は新たな人間王の元、平和に暮らしている。
・・・同時期に自殺や事故が、それも10年前にの事にかかわった人間に襲い掛かるものなのかな・・・それはまさに、神のみぞ知る・・・といったところかな。
まーちゃん・・・本当の平和はまだ訪れないかもしれない・・・だけど君が目指した平和は僕が作ってみせるよ・・・
~魔王城・墓地~
側近「魔王様、先代魔王様、これで私も御二方の元に・・・」バタッ
END・・・
これで『勇者「まーちゃん」魔王「ゆうくん」勇者・魔王「ひさしぶり」』は終わりです。
読んでくださった方ありがとうございます。
お手数でなければ、改善点等ありましたらアドバイスをお願いします。
それではまた、次回のSSで。
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