響「輝きの向こう側……か」 (11)

 我那覇響というアイドルの声を当てるようになって随分と長い時間がたった。

 実在する人の声を当てるということは、当時新人だった私にとってすごいプレッシャーだったけれど。

 いざ演じてみると、彼女のファンは私の声を好意的に受け入れてくれた。

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 「アリーナライブにお母さんを呼びたい?」

 ある日のこと。横浜アリーナでライブをやることになった私は、響にその報告をしていた。

 「うん……これを逃したら、もう二度と会えない気がして……でも本当のことをいうと迷ってる。怖いんだよね」

 今まで年に数回しか連絡を取らず、実際にあったことは一度もなかった母。そんな母に、晴れの舞台を見てもらいたい。

 横浜アリーナでライブをやると決まった時、私は自然にそう思うことができた。

 「……ねえねは、怖いの?」
 「うん、怖いよ」

 それでもやはり、どこかに抵抗があった。

 アリーナは限りなく広く、私の声なんて溶けて消えてしまいそうで。

 その姿を母に見てもらうことがどうしようもなく不安で。

 「あのさ。間違ったこと言っちゃうかもしれないんだけどね?
  ……ねえねが、どうしたいかだけでいいと思うよ?」 

 その言葉を聞いた時、私は十歳以上年が離れている響に抱きつき、その小さな腕の中で号泣した。

 「自分は、多分ねえねと出会わなかったら今の自分にはなってなかった。ううん、ねえねだけじゃないよ。
  貴音、美希、春香、千早、雪歩、真、やよい、伊織、あずささん、亜美、真美、律子、プロデューサー、ぴよ子、高木社長、黒井社長だってそう。ハム蔵やイヌ美やほかの家族たちも。
  みんながいたから、今の自分がいるんだと思う。
  だから自分は、いつだって全力だよ。今の自分を作ってくれたみんなの気持ちに応えるために。
  自分は自分、我那覇響だから!
  自分のやり方で、自分はこれからも自分の持ってる想いをみんなに届けたい、伝えたい! だから」

 「うんっ! うん……ありがと、響……じゃあさ、私も自分の気持ち、言うね」

 彼女の真っ直ぐな気持ちがあまりにも心地よかったから、 私もそれに応えるのは、きっと悪いことではないはずだ。

 「響に出会って、最初は怖かった。アイマスっていうずっと10人でやってきた作品の中に飛び込むのがすごく怖かったの。こんな私なんかでいいのかなって、響を演じるのはもっといい人がいるんじゃないかなって。
  けど、ファンのみんなも、先輩たちも。みんな優しかった。
  ファンレターでね。まるで響ちゃんがもう一人増えたみたいです! とか書いてくれる人もいてね。すごい嬉しかったの」

 私も顔を真っ赤にして。響は私以上に顔を真っ赤にして私の話を真剣に聞いてくれている。

 「響に……あなたに出会えて本当によかった。響が私をねえねって、お姉ちゃんって呼んでくれるの本当に嬉しいの。響は私の親友で、相棒で、もう一人の私で……響も私の家族だよ!
  ありがとね。今からお母さんに連絡してくるから!」

 一呼吸で言い切り慌てて荷物をまとめてその場を後にする。
 背中を押してくれてありがとう、響。
 あなたは私の誇りです。
 本当に、出会えてよかった。
 生まれてきてくれて、ありがとう。

 Fin.

響!ぬーぬー!かなさんどー!
誕生日おめでとう響!
響が実際にいたらこういうふうに説得するだろうなあと思いました
響!成長した響がかけて楽しかったぞ!
響がぬーと出会ってくれて本当によかった!

前にもぬーひびSSあったけどその人?

>>8
ぬーがたるき亭でバイトしてるやつならそう

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