少女「花見で一杯、5文です」
男「チッ、しけた上がりだこと」
男「今何月だっけ?」
少女「4月が終わったところです」
男「得点は?」
少女「9ー6で私が勝ってます」
男「3点差か……」
少女「じゃあ、5月を始めますね」
男「お前って、せっかち過ぎね?」
少女「そんなこと無いです」シャッシャッ
男「カットしながら言われても説得力無いっつうの」
少女「じゃあ、始めますね」
男「はいはい」
少女「………」
少女（やはり、勝っているのだから早く上がれるタネかタンを狙って、早く流すのがセオリーですね）
少女「」ビシッ
男（やっぱり、タネかタンを狙ってるな）
男「なあ、花札って楽しいだろ」
少女「ぜんぜん楽しくなんて無いです」ピラッ
少女「相手が狙ってる物を防げば勝ち…… なんてつまらないゲームなんでしょう」
男「……へー、じゃあ俺に勝てると」
少女「はい」
男「言ってくれるね」
少女「事実ですから」
ーーー
ーー
少女「タネ、1文です」
男「相変わらずしけた上がりだこと」
少女「これで10ー6です」
男「なあ、さっき言ってた『防げば勝ち』ってどういうことだ?」
少女「そのまんまの意味です。 相手が、青短を狙ってるなら青短を切る」
少女「赤短なら赤短を、猪鹿蝶なら猪鹿蝶を切るだけ、そう言う事です」
男「そう言うことなら、違うと言えるな」
少女「何が違うんですか?」シャッシャッ
男「この花札には、相手に防がれずに得点を得ることができる役があるんだよ」
少女「それくらい知ってます」ピッピッ
男「知ってるなら話が早い」
少女「さっきから、私をバカにしてるんですか?」
男「いんや、バカにしてないし、これからもしよとも思わない」
少女「御託を並べてる暇があったら、とっとと手札を見てください」
男「ああ、悪い悪い」
少女（今回もタネかタンを狙う…… いや、今回の手なら花見か月見が狙える……）
少女（……?）
少女「何手札を表に返してるんですか。 やる気あるんですか?」
男「無い訳無いだろ」
少女「ならちゃんとやってください」
男「ちゃんとやってるが?」
少女「あなたは、私をどれだけバカにすればーー」
男「手四、6文だ」
少女「……え?」
男「10ー12で俺の勝ち」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません