男「君はここで何をしているんだい?」
少女「まちあわせ?」
男「うしろにいるのはご両親かな」
少女「ううん、おとなりさん」
男「僕がいうのはなんだけどここは危険だよ」
少女「でもいけにえをしないとかえれないの」
男「生け贄ねぇ、ただの人間を貰っても困るんだよなぁ」
少女「ダメなの?」
男「僕が欲しいのは変わり者だからね」
男「君はここで何をしているんだい?」 少女「まちあわせ?」 - SSまとめ速報
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のつづき
狼「なんじゃそれは」
少女「やくみ」
狼「薬味……あぁ、香草のことか」
少女「うん、たぶん?」
狼「しかしなぁ人の子、ネギと生姜はまだしも、人参やカブは薬効があまりないぞ」
少女「でもおかあさんは入れてた」
狼「ふむ。それにこういった物は予め粉にしたり砕いたり火を通したり干したりしておくものじゃ」
少女「そうなの?」
狼「うむ」
少女「……きってたかも」
狼「そうじゃろそうじゃろ」
狼「お主は我が怖くはないのか」
少女「うん」
狼「牙も爪もあるのじゃぞ」
少女「わたしもつめもははあるからいっしょだよ」
狼「そうではないんじゃがな」
少女「?」
少女「ねぇ」
狼「なんじゃ」
少女「おとこの子?おんなの子?」
狼「どちらでもない」
少女「りょうほう?」
狼「いいや、どちらにでもなれるだけじゃ」
少女「よくわからない」
狼「じゃろうな」
狼「ちなみにお主にはどっちに見える?」
少女「ん~、おとこのこ」
狼「ほう、珍しいの」
少女「?」
狼「人の子は我をかく際にはたいてい雄としてかくからの」
少女「かく」
狼「神話とか紙芝居じゃよ」
少女「だって、」
狼「ん?」
少女「ミルクでなそう」
狼「……小さいとか引き締まってるとは言われたこと散々言われてきたが、その理由はきついの」
少女「そうなの?」
狼「子を育てられぬのは野生種としての欠陥じゃからの」
少女「やわくない」
狼「我が鍛えてる証拠じゃな」
少女「やっぱりおとこのこ、でもついてない」
狼「急所は少ない方がよいんじゃよ」
少女「きゅうしょ?」
狼「もっとも、我は人にはまず負けんからの」
少女「つよいの?」
狼「世界を滅ぼすほどにはの」
少女「わかんない」
男「おつかれ、ずいぶんと長風呂だったみたいだね」
狼「正直、戦争でもないのに騒がしいのは好かん」
男「僕も同意かな」
狼「ならなぜ引き取った」
男「研究のためさ」
狼「研究、またそれか」
男「そうだよ。研究のための研究、それが僕の存在理由みたいなものだからね」
狼「前に進んでいるようには見えんが?」
少女「んにゃ」
男「君はどうだった?」
少女「……ねむい」
男「ずいぶんと長風呂だったみたいだね」
少女「うん、ねむい」
狼「我も寝る」
男「あぁお休み」
狼「えぇいひっつくな、暑苦しい」
男「なついてるなぁ」
朝
狼「それじゃぁ我は彼女のところに行ってくる」
男「律儀だねぇ」
狼「無自覚とはいえ迷惑をかけたのだ。それに今が争う時ではない以上、余計な誤解はとくべきじゃ」
男「じゃあさ、面倒だからあの子のことは黙っておいてくれないかい?」
狼「かまわんが、追求されれば隠し通せんぞ」
男「だよねー」
狼「それに事情が事情だ。きちんと言えば理解するだろうよ」
男「でもどう僕が何を言っても誤解するからなぁ」
狼「それはお主がむだに隠すからだ」
男「昔からいうだろう?嫌いな子にはイタズラをしたくなると」
狼「そうなのか?」
男「僕としてはさっさと死んで、研究材料になってくれると助かるけどね」
狼「しかし死なれると人間たちはさぞ混乱するであろう」
男「今と変わらないよ。ただ死ぬペースが早まるだけ」
狼「それを混乱するというのじゃよ」
男「別に人なんざ他次元にも山ほどいるのにここにしか被害をもたらさない僕はマシな部類だよ。ねぇ」
狼「我に聞かれても知らん」
男「だよね、おや、あの子が起きたようだね」
狼「では行ってくる」
少女「おはよ」
男「あぁおはよう、よく眠れたかい?」
少女「……マクラが柔らかかった。あれ、狼さんは?」
男「旅だったよ」
少女「もう会えない?」
男「そんなことはない。どうせすぐにであえるよ」
少女「良かった」
男「じゃあ今日の実験をしようか」
少女「何するの?」
男「まずは術後の経過確認だね」
男「そこそこ馴染んでるみたいだね」
少女「なにが?」
男「ひみつ」
少女「えー」
男「それよりお腹は空いてないかい?」
少女「すいてる、肉たべたい!」
少女「ほほろへ」
男「飲み込んでからはなそうか」
少女「……ん、ところであの狼さんはは狼なの?」
男「ん、んん、それは難しい質問かな」
少女「じゃあ猫?」
男「狼か猫かなら狼だが、しかし狼とは違う生き物……意外に説明が難しいな」
少女「じゃあ神さま?」
男「あぁ神ではない。砕いていうなら狼の王といったところかな?」
少女「王さま……王さまって肉をいっぱい食べれる?」
男「あれは限定的な菜食主義だから無理かな?」
少女「さいしょくすぎ?」
男「野菜しか食べない変態どものことさ」
少女「死んじゃう」
男「だから色々と理由をつけて食べるのさ。これは鳥だ、これは野菜だ、なんてね」
少女「じゃあ私はにくしょくしゅぎになりたい」
男「それは研究材料としては困るけど、まぁ食料による肉体的変化も研究になるか」
少女「いい?」
男「好きにしたまえ」
少女「やったー」
男「それで、今日の予定だけど」
少女「うん」
男「>>17だ」
筋トレ
男「しかしちょっと肉つきが悪いね」
少女「そうなの?でもあげないよ」
男「いらないよ」
少女「良かった」
男「身体を動かすのは好きかい?抵抗力とか考えると少し鍛えた方がいいかもね」
少女「動くのはまぁまぁ、でもつかれるのはきらい」
男「疲れると食事は美味しくなるよ」
少女「じゃあ鍛える!」
少女「ところで鍛えるってどうやって?森はあぶないんだよね」
男「ん~、塔の周りで遊べばいいかな」
少女「それだけ?遊ぶのが鍛えるなの?」
男「野遊びって意外に身体動かすからね」
少女「じゃあ行ってくる」
男「いってらっしゃい」
少女「わー」
少女「うわー」
少女「きゃー、あっ」
少女「ただいまー」
男「……それは?」
少女「にく!」
男「ネズミだね」
少女「なまにく!」
男「そのネズミは元気だったかい?」
少女「ううん、ゆっくりだった」
男「じゃあ捨ててくるんだ」
少女「食べものはそまつにしちゃダメって」
男「食べられないものは食べ物じゃない」
少女「うー」
男「まだ死なれちゃ困るからね」
少女「むぅ」
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