コタツ娘「ご主人様を暖めるのが私の仕事ですから」(8)


ヒュゥゥゥゥ


男「うーさむさむ、今年も冬がやってきたな」

男「そろそろコタツ出すべきかな……」

男「あ、でもこの前親戚のおじさんに譲っちゃったんだっけか……」


男「しょうがない……近くの電気屋で新しいの買うか」



店員「いらっしゃいませー」

男「ふー、店の中は暖かくていいなー」

男「さて、どれにしよう……」


男「んー、どれもいまいちだな……」

男「やっぱ他のところ行くか……ん?」



コタツ娘「……」

男「なんだ?これもコタツか?」

男「どう見ても人間にしか見えないんだけど……ひょっとして迷子か?」


男「もしもーし、そこは商品置き場だから座っちゃダメですよー」

コタツ娘「?」

男「もしもし聞いてる?そこは商品置き場だから座っちゃダメだよー」

コタツ娘「??」

男「なんだこの子……どうしよう」


店員「どうかしましたか?」

男「あ、すいません大声出して」

店員「ああいや、別に問題ないですけど、どうかしましたか?」

男「この子迷子みたいで、聞いても答えてくれなくて」

店員「えっ?あぁー、そういうことですか」

男「?」


店員「実はこの子、人間に見えるけどコタツの代わりになってくれる不思議な生き物なんですよ」

男「はっ?」

店員「えーと、つまりですね?この子は商品なんですよ、だからここに居ても問題ないです」

男「えっ、えっと、えっ」

店員「コタツ娘ちゃん、聞こえるかい?」

コタツ娘「ん?」

男「しゃ、喋った!?」

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