ナッパ「地獄やべぇ」 (60)
まったり進行
各キャラファンはご容赦
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ー地獄ー
荒れた大地と薄暗い空。
その片隅で無が何かを形造る。
そこにあるのは怒りの塊。
徐々にそれは人の姿へ。
髪はない。スカウターもない。
そこにあるのは怒りの塊。
意識と肉体を取り戻す。
形成されたばかりの拳を強く握り、
沸き上がる憤怒を、声に乗せる。
ナッパ「ちっっくしょう!ベジータめ!
仲間をなんだと思ってやがる!!」
ラディッツ「むむ...! その声は...ナッパか!」
ラディッツは知った顔目掛け て飛び馳せる。
声のする方に目を向けるナッパ。
収まらぬ怒りをそのままに、
声を荒げてそいつの名を呼ぶ。
ナッパ「あん?
弱虫ラディッツじゃねえか!
くたばる早さだけは一流だなお前は!」
ラディッツ「静かにしろ!」
...顔面蒼白のラディッツ。
ナッパの近くに降り立つと、
真っ青な顔をして訴えかける。
ラディッツ「ここは地獄だ...
ヤバい奴等がうろついてる...
奴等に気付かれちまうぞ!」
その言葉にナッパの怒りは薄れた。
動揺によるものではない。
目の前の小動物に可笑しさが込み上げてきたからだ。
ナッパ「ハーッハッハッハ!
流石は弱虫ラディッツだ!
現世でも地獄でも落ちこぼれなのか!」
ラディッツ「チィ...!
忠告を無視しやがって...!
お前もいずれ分かるさ!
好きにしやがれ!」
ラディッツは侮蔑の目を向けるナッパを横目に、
来た道を引き返し飛んでいく...
ナッパ「地獄がなんだってんだ!
そのヤバい奴等とやらでウサ晴らしでもしてやろうか!」
小さくなってゆくラディッツの背に向けて、
声を張り上げるナッパ。
その後ろ姿に向かって3つの足音が近付く。
佐渡島方治「こちらから下品な笑い声がしましたが...
む、何奴だ!」
ナッパ「なんだお前達は?」
亀頭に似た髪型をした紳士を先頭に、
着物のはだけた女と全身に包帯を巻いた男が姿を現した。
はだけた女が包帯男に囁く。
駒形由美「志士雄様、あちらの方ともお戦いになるの?」
志士雄真実「斬ったことない顔だな...
やるか...」
ナッパ「俺とやろうってのか包帯野郎 め!
病人は大人しく寝ときやがれ!」
包帯男は腰に下げた刀に手を添えて、
ズズイと前に歩み出た。
志士雄「この灼熱と化した血肉...
現世じゃ悩ませれたがな
地獄じゃ暴れて死んでも再生する
時間を気にせず楽しめるのだ...
燃え尽きるまで、付き合って貰おう か!」
死んでも再生する?
相対する者の言葉にナッパは疑問を抱いたが、
相手が戦闘体制に入った途端に疑問を忘れた。
それは戦闘民族の血、故にか。
頭が空っぽの方なのか。
ナッパ「フンッ!後悔するなよ!
はあああああああ...!」
ナッパの気が迸る。
辺りの空気が重く張り詰めた。
志士雄「...ほう、心地いい剣気だ...」
方治「剣気...?剣ありませんよ」
由美「シッ」
ナッパ「挨拶がわりだ!」クンッ
ーーズアオオオオオ
ナッパは指をチョイと上げる。
志士雄達は巻き上がる粉塵を視認した直後、
重い空気の圧に殴り付けられる。
志士雄「クッ...!」
由美、方治「し、志士雄様ァ!」
愛刀、無限刃を納めた鞘を支えに志士雄は耐える。
由美と方治の体は高く舞い上がると、
荒れた大地に激しく叩きつけられた。
由美、方治「グハッ...」
ナッパ「おやおや、
お仲間はもうおねんねかい?
話にならんな!」
志士雄「やはりな...
地獄に来るやつは猛者ばかりだ」
包帯の隙間から見える煤けた唇がニタァと笑う。
志士雄「所詮、地獄は優勝劣敗!
強ければ勝ち弱ければ負けて生き返る!」
志士雄は声高らかに吠える。叫ぶ。
志士雄「不朽不滅の四肢を以て、
一心不乱に戦いに興じれば、
他も己も百戦錬磨!
血沸き肉踊るこの地獄こそ奔放自在の極楽浄土!
閻魔の首はまだいらねェ!」
志士雄は無限刃を抜刀すると、
ナッパに斬りかかった。
方治「志士雄様、四字熟語好きですね」 由美「シッ」
ーーー刀?何てことはねぇ。
あんな細い腕で斬りつけられようが、
かすり傷にもならねぇぜ。
それに何よりな...
ナッパ「武器に頼るやつは弱い証拠だ!
そんなもんぶち壊したらあ!
んなっ!アチい!」
ナッパの受け止めた無限刃は、
打ち立ての鉄のように赤く、
高熱を帯びていた。
依頼出しとけよ
ーーーー
後方の岩影、
傷付きながらも戦いを見守る二人。
方治と由美は静かに戦況を眺める。
由美「あの刀を見ると焔霊を思い出すわね」
方治「無限刃にこびりついた人の脂を、
抜刀の鞘走りで着火する【焔霊】ですか」
由美「ええ...もはやそんな小手先は用済み
戦闘態勢に入れば嫌でも刀は熱くなる...
志士雄様の発熱で」
方治「そうです...
もはや志士雄様は炎の化身...
地獄ならば『死んでもいい』と分かると
生き返るのをいいことに
自分も相手も焼き殺すようになりました」
由美「一度興奮したら最期...
燃えては燃やし
燃やしは燃えてを繰返し
地獄を巡って幾十年...
ついた異名は『道連れの志士雄』...」
>>10気付いてなかたサンクス
『道連れの志士雄』
その異名を聞くと方治は、 憂いを混じらせた溜め息をつく。
方治「由美よ...
志士雄様は時に私や由美をも道連れにするな」
由美「ええ、興奮した志士雄様と
燃えるように契りを交わす際ね
勿論文字通りお互い燃えるのだけれど」
方治「合意の上ならいいんだが...
私は暇潰しと称して燃やされる
よもや志士雄様は
長い地獄の生活で畜生になりつつある」
由美「方治...最近変よ?
生前の志士雄様への
頑なな忠誠心はどこに行ったの?」
方治「人は変わる...志士雄様も私もな
志士雄様は自身を焼く最高潮の時
性的絶頂を感じるようになったようでな...
猛る炎の中で股関を膨らましてるのだ
正直狂っている...」
尊敬と羨望の対象であった主に燃やされ、
方治の純情なまでの感情は空回りしていた。
由美「まぁ...素敵じゃない...!」
方治「...本当に...狂っているな...」
その言葉は感嘆を漏らす由美へか。
志士雄の性癖へか。
自身の失った忠義へか。
はたまた、長く見た地獄への評価か。
ナッパは志士雄の間合いの外から、
エネルギー弾を連射する。
志士雄はそれを紙一重でかわしていく。
背後の地面が爆ぜる、爆ぜる、爆ぜる。
志士雄「殺傷力のある奇怪な光線...
ドドンパと叫ぶあの者と似た輩か...」
ナッパ「何をごちゃごちゃ言ってやが る!
消え去れえ!」
一際大きく速いエネルギー弾を放つ。
地を転がり真横へ回避しそのまま背を屈める。
背後からの大きな爆発に堪えると、
無限刃を鞘に添えた。
志士雄「多くの猛者と戦った...
貴様のように遠方からチマチマ攻撃する
腑抜けた野郎ともな!」
ナッパ「熱い棒切れを構えたところで
そんな遠くから何が出来る!」
志士雄「即戦即決...
出し惜しみはなしよ」
無限刃を鞘に滑らせて、
鍔元から切っ先に至る全発火能力を解放させる。
業火の渦の発する無限刃を振りかざす と、
ナッパの目掛けて宙に振るう。
志士雄「終の秘技...飛翔火産霊神!」
業火が螺旋を描き翔んでゆく。
大口を開けた大蛇の様なそれは、
ナッパを呑み込まんとする。
ナッパ「ふっ!曲芸か?
くだらん技だ!」
気合いでかき消そうと炎に手をかざすナッパ。
ーーーナッパよけろーーっ!
炎の大蛇が顔の横をすり抜ける。
咄嗟にかわした。
否、かわしてしまった。
技の見極めがどうのこうのと言ってい た、
憎き仲間の言葉を思い出して。
ーージュッ...
しかし、その判断は幸いした。
炎の先端に触れたナッパの耳は焼け焦げていた。
ナッパ「ぬっ...!耳がっ...!」
志士雄「この剣を振った後ろには
炭しか残らん...覚悟しな」
ゆらりゆらりと、
志士雄はナッパに近付く。
志士雄「多くの猛者と戦った...
お前のように遠距離攻撃を得意とするやつともな
なんてことはない...
致命傷は避けて貴様に抱きつけば仕上げだ...」
志士雄の身体が突如湯立つ。
赤みを帯びた蒸気が上がる。
ーこれは本当にただの人間か?
志士雄の狂気を浴びる。
ナッパの頬に汗が伝う。
志士雄から放たれる熱気によるものか、
それとも...
ナッパ「チィ...!」ダッ
ナッパは後方に跳び距離を取ると、
カパッと大口を開ける。
そして腹の底からエネルギーを勢いよく吐き出した。
ナッパ「ガアアアッ!」ズボッ
志士雄「また奇っ怪な光線か芸のない..」
しかしその弾道は低い。
志士雄の手前で地面に着弾すると、
大きな爆発が巻き起こる。
衝撃、爆炎、爆風、石礫。
その諸々が志士雄を襲う。
志士雄「ヌウッ...!」
ナッパ「おれは遠距離が得意だっ て?」
志士雄の背後からナッパの声。
爆発を囮にナッパは回り込んでいた。
ズンッーーメリメリメリッー
志士雄の脇腹に突き刺さるナッパの拳。
ナッパ「おれはバリバリの武闘派だ!」 志士雄「ガフッ!」
志士雄は吐血を撒き散らしながら、 荒々しく地を滑ってゆく...
方治「まあ、あの筋肉質な体ならそうでしょう」
由美「少々黙りなさい」
志士雄「」
ナッパ「くたばったか...
一発当てれば終いとはな
虫けら相手に手こずっちまったぜ」
由美「志士雄様...」
ナッパ「おう、エロい姉ちゃん
あんたも闘うってのか?」
ガシッ
横たえる志士雄に目を離したナッパ。
その肩を熱い何かが鷲掴むと、
背中に重みと熱がのしかかる。
志士雄「甘えよ...
闘いはまだ続いてるんだぜ?」
まるで赤子の様に、
ナッパの背に抱き付く志士雄。
ナッパは困惑していた。
男に抱きつかれたからではない。
母性に目覚めた訳でもない。
人の体温とかけ離れた高熱の体にだ。
ナッパ(だから病人は寝とけと...)
志士雄「そろそろ逝こうぜ
紅蓮肉体(グレンシシラム)!」ボォン
突如、両者を爆発が包む。
たちまち爆炎が立ち昇り、
光ない地獄を紅く染め上げた。
炎はしばらく踊ると、
砂煙と硝煙を残して消えた。
ナッパ「...火薬...か?
くだらねぇことしやがって!
自爆は流行ってんのか!?」
以前も似た攻撃を受けた事を思い出す。 その時と同様ナッパは健在である。
今もなお無様に背に引っ付く男は、
自己犠牲の技でも自分の命に届かない。
ナッパは勝利を確信する。
ナッパ「お前...
まだオレの恐ろしさが分かっt」
志士雄「フフフ...ハハハ」
ナッパ(おかしい!
こいつの体さらに熱くなってやがる!)
志士雄「ハハハッ!
ハァーーッハッハッハッ!」
歓喜を含む咆哮に呼応する様に、
志士雄の全身は勢いよく炎を発した。
なんてことはない。
先ほどの爆発は言わば着火材。
体温調整の効かない体を、
一気に限界まで引き上げるための布石。
ナッパ「ぬぐわあああっ!」
自らの命と引き換えに得た熱量。
それを一身に浴びるナッパ。
なおも燃え盛り火力は増すばかり。
志士雄の身を糧にして。
志士雄「ハァーーッハッハッハ!」
ナッパ「...狂って...やが...る」
もはやナッパは熱を感じない。
意識が細くなるナッパの背で、
志士雄は高らかに笑い続ける。
体を炭に変えながら。
ナッパの意識も思考も徐々に消える。
志士雄の股関に膨らみを感じながら。
由美「終わったようね」
方治「なに、
二刻もすれば再生するさ
あの可笑しな僧もな」
一部始終を見ていた二人。
主の失うのも慣れた様子である。
方治「なあ、由美よ
2人っきりだな...」
由美「あんたも懲りないね
また志士雄様に燃やして貰うわよ」
方治「いい加減、いいであろう!
その豊満な乳房を私にも揉ませたまえ!」
由美「全く...
志士雄様が居ない時に口説く貴方に
私が抱かれたくなると思って?
筆下ろしなら他を当たりな!
坊や相手に脱gyakgわdmj!!」
突然、由美の顔が消えた。
一瞬にして首から上が消えた。
否、削ぎ落とされた。
鬼鮫「中年の痴話喧嘩ですか
他所でやって下さい見苦しいですよ」
方治「鬼鮫...また貴方か!
志士雄様とは相性がいいからと、
つけ狙うのは卑怯千万!
いい加減にしたまえ!」
鬼鮫「先程の火柱...
志士雄さんはもう逝ったのでしょう?
誰との闘いか観戦しに来たのですが...
遅かったようですね」
方治「地獄に落ちたての新参者だ
なかなか手強い相手だった...」
鬼鮫「私も闘いたいですねぇ...」
大刀鮫肌を担ぎ上げ、
ペロリと舌で唇を舐める。
鬼鮫のエラが無意識にピクつく。
まだ見ぬ獲物を待ちきれぬかのように。
方治「話はそれだけか?
ならば何処かへ行くといい!
由美との大事な一時を邪魔しおって!
嗚呼、由美よ...」
鬼鮫「方治さん...
既にあしらわれてたじゃないですか...
一人で淋しくないですか?
御二人が再生するまで暇でしょう?」
シュッ
大刀鮫肌を軽く振るい、
方治を撫でるように削ぎ落とす。
方治「き、さめっ...!
ち、ちぶっ、ち、ちぶさッ...!
ガフッ!」
方治「」
ズシャア
方治の体が地に伏せる。
鬼鮫は踵を返す。
焼死体と首なし死体を背に歩き出す。
鬼鮫「さて、そろそろ...
あまり闘ってくれない戸愚呂さんに
喧嘩を売ってたウヴォーギンさんは
どうなったんですかね...
観に行きましょうか」
陽気な足音が遠く小さくなってゆく。
荒れた大地の一角は、
再び静寂を取り戻した。
気が付けばナッパは立ち尽くしていた。
ナッパ(おれは先ほど焼死したはず...
だが何故か五体満足で生き返ってる
...地獄とは一体なんなんだ)
辺りを見回すナッパ。
相も変わらず薄暗い空と、
荒れた大地が広がっている。
すると、すぐ隣の空間が歪む。
空間は歪み、捻れ、絡まり、
徐々にその歪みに境界が浮かぶ。
その境界は人の姿を型どり、
その型を埋める様に、
先ほど自身を焼いた男が現れた。
ナッパ「おまっ...ガハァ!」
志士雄は姿を現すや否や、
ナッパの心臓に無限刃を突き刺した。
志士雄「なかなか楽しめたぜ!
気が向いたらまた遊ぼうじゃねェか! ハーーッハッハッハッハ!!」
ナッパ「...ち...くしょう...」
頭に再度響くこの男の高笑い。
先程焼き殺された記憶と重なる。
もはや体を動かせず苛立ちが募る。
出来ることは憎悪に満ちた目を、
志士雄に向け続けることだけ。
自身の荒い呼吸と、
志士雄の笑い声を聴きながら、
ナッパは再び息を引き取った。
コメントあざます。
地獄での年期による人間離れと、
多少の補正はあります。
地文多いわ、見辛いわで、
続けるか迷いましたがもうちょい頑張ります。
一時間程経って再びナッパは現れた。
とは言っても再生中の時間感覚はない。
故にナッパは地獄に落ちてから、
瞬く間に二度殺された面持ちである。
警戒からナッパは咄嗟に辺りを伺う。
視界に誰も映らないことに安堵する。
ナッパ「くそぅ!あいつめ!
次に会ったら問答無用でぶん殴る!
いや、抱き付かれたら面倒だな
空からエネルギー弾連発してやらあ!」
ナッパ(そうか...空か...)
舞空術を用いて空を昇る。
ナッパ(まずは状況把握だ
上から眺めりゃ色々分かるだろ
そういやぁラディッツの野郎...
どこ行ったんだ?)
周囲を一望出来る高さを求めて、
ナッパは上へ上へと体を押し上げる...
ナッパ「!!!!」
殺気。下からの殺気。
既に命を摘み取られたような、
剥き出しの殺気が駆け昇ってくる。
咄嗟にナッパは真横へ飛び退いた。
直ぐ様後ろを振り向くナッパ。
先程まで進んでた道程を追うように、
猫?が通り過ぎた。
ネフェルピトー「ンナー、惜しい...
空飛ぶのずるいなー」
ピトーはナッパを追い越すと、
早くも餌を諦めて臨戦体勢を解く。
先程までの重苦しい殺気。
それを放っていた者とは思えない。
ピトー「君とも闘いたいなー
下で待ってるよー」
自然にまかせて放物線を描く。
物欲しそうな顔をナッパに向け、
そのまま地に向け落ちるピトー。
その姿は小さくなってゆく...
ナッパ「なんだあいつは...
空を飛べない癖に
こんな上空まで跳んで来ただと...」
周りが一望出来る空というのは、
周りからも見付かり易い。
当然である。
それに気付いたナッパは、
さらに上空へ突き進む。
地上の何かから逃げるように。
ナッパ(ここまで来れば大丈夫だろ...)
荒い呼吸をしながら大地を眺める。
繊細な気のコントロールを必要とする舞空術。
それを酸素の薄まった遥か上空まで用いて、
既に意識が飛ぶ寸前である。
地上を見渡せば人を視認出来ない程の高さ。
当初の目的である状況把握を忘れ、
束の間の休息を味わっていた。
故に、ナッパは気付かない。
すぐ背後の空間が歪んでいることに。
...ガチャ
ナッパ「...!!!」
ーーー毎日、同じ事の繰り返し...
つまらねー
リューク「そろそろ行くか」
死神A「ん?
また人間界に行く気かリューク
おい、そっちは封鎖された天上界だぞ」
死神B 「死んだ人間は俺らの管轄外だぜ
死神で天上界の鍵持ってんのは確か...
瀞霊廷のエリート位だな」
死神C「あの働き者の死神共か...
何ガンバッちゃってるのwあいつ達」
死神A「暇なのには飽きたが
あんな忙しいとこ行きたくねえなw」
死神C「つっても俺らみたいな怠け者
あそこじゃ使い物にならねえよwww」
死神B「ハハッ!違えねえ!」
死神界の住人達はいつもと変わらず、
暇をもて余してドクロを転がしていた。
リューク「地獄行きの鍵ならあるぞ」
妙に長い指にぶら下がる、
奇妙な装飾が施された鍵をちらつかせた。
死神A 「おいおい! 死神大王の次は閻魔大王を騙くらかし たのかよw」
死神B「お前その内消されるぞw」
リューク「なに...
ちょっと散歩するだけだ」
死神C「俺はごめんだぜ!
リュークに関わると録なことねえww」
リューク「じゃ、行ってくるわ」
リュークは人間界に繋がる大穴の奥の 奥。
天上界の印が施された祠に歩み寄る。
ーーウゾゾゾゾッ
真っ黒い物体が逃げるように飛散する。
人間界への大穴も、天上界への祠も、
死神界には点々と存在する。
ここの祠は何百年も使われてないのか、
漆黒黒助が巣食っていたようだ。
リュークは祠の前面に並ぶ3つの鍵穴を見る。
上から[天国] [天上界本堂] [地獄]と書かれている。
リュークは地獄の鍵穴に鍵を差し込みながら、
天上界本堂での出来事を思い出してい た。
リューク「夜神月はやっぱ地獄行きだったな
閻魔を見たアイツの顔...おもしろっ!
本堂に忍び込んだ甲斐があったぜ
思わぬ掘り出し物も手に入ったしな」
手にした鍵を見つめ手首を捻る。
祠の裏の空間が歪むと、
鍵と似た装飾の施された扉が現れる。
リューク「これが地獄への入り口か...
流石に地獄の住人に干渉しなけりゃあ、
閻魔からも怒られないだろ」
扉の前に立ち、ドアノブを捻る。
リューク「そういやあ、この扉
地獄のどこに出るんだ?」
...ガチャ
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