男「と、ネットだったら笑えるんだけどなあ」カタカタ
男「俺もぼっちwwwナカーマwwwだって、実際会えたらいいんだけど……最近物騒だったりするしな……」
男「寂しいなあ」
コンビニ{アリガトウゴザイマース
男「ぼっちこじらせた結果が何って『彼女欲しい』から『もう男でもいい』になってしまったことなんだよな、おかしいな」
男「残念ながら俺ってブサメンなんだよな……」もぐもぐ
男「ブサメンは恋人作っちゃいかんのだ、ネットの向こうのナカーマに申し訳ないし……」
男「アイスは……ハズレか」
男「いっそ死のうかと思ったけど、親が悲しむし、迷惑がかかる」
男「クズだけど、そこまで落ちてないし、落ちちゃいけない」
男「でも、ぼっちなんだよな…嗚呼、寂しい」
男「神社…うちの近所の神社……なんだけど、いつ来ても誰もいない」
男「試しに一日中いてみたけどものの見事に誰も来なかった……」
男「暇な時はここでぼんやりとする」
男「ブサのぼっちにだってささやかな癒やしがあってもいいと思う……」
男「神社だし、お賽銭は入れるし掃除もする、ぼんやりとさせてもらってるし、お礼のつもりで」
男「もうこんな時間か……バイトに行って、それからうちに帰ろう……」
男が帰ったその後、誰もいないはずの境内に響く声。
『男は帰ったか?』
『帰りましたね』
『帰宅……』
『なれば、姿を表そう』
邪神「かつて世界を滅ぼそうと考え他の神々により力を奪われこの地に封印され、朽ちることを待つのみだった俺を信仰した奴が男だ」
狛犬・阿「故に我らは男に加護を与えるのです」
狛犬・吽「是……」
邪神「男は……孤独を嘆いていたな……」
邪神「俺にはそれが我が身が朽ちることよりも辛い」ギリッ
狛犬・吽「主……」
邪神「解っている、俺は人間に姿を見せる訳にはいかんのだから」
邪神「せめて男が此処にいる間は男の心に安らぎを」
狛犬・阿「主、男が戻って来ます」
邪神「ああ……また、姿を隠すか……愛しい男、俺がお前と同じ人間であったなら……」
男「財布を忘れた……ん?」
男「誰か……いたような……?」
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