助手「事件の依頼ですよ」 博士「え、ウチ探偵事務所じゃないんだけど」 (8)

助手「あ、お帰りなさい博士」

博士「ただいま。外は暑かったよ。助手、お茶でも入れてくれるかい」

助手「自分で入れてください」

博士「え。君助手だよね」

助手「助手ですね」

博士「……それ言ってまだ動かないの?」

助手「何がです?」

博士「いや、君助手なんだよね。助手なら博士であるわしのお茶くらい言われなくても持ってくるもんなんだけど」

助手「確かに助手ですよ。助手ですけど私は博士の家政婦じゃありませんので」


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博士「ああ、そう。分かった。それなら納得したよ。自分でお茶くらい入れるべきだったね」

助手「博士の物分かりの良さには感服します」

博士「そんなことで褒められても嬉しくないよ。で、ついでだから聞くけど君、お茶いる?」

助手「いります」

博士「あ、いるんだ」

助手「ええ。ついでなんで私のもお願いします」

博士「君そうゆう図太いところがあるよね」

助手「ありがとうございます」

博士「褒めてはいないんだよ。まあいいさ。ついでだし。で、君は何で1人で焼き肉してるの?」

助手「何でって言われましても私しか居なかったからですけど」

博士「いや、そうじゃなくて何でわしの家に勝ってに入ってるのかっていう遠回しの言い方だったんだけど」

助手「分かりにくいですね」

博士「分かりにくかったね」

助手「博士の物分かりの良さには感服します」

博士「君それ言えばわしが機嫌良くなるとでも思ってるの?」

助手「細かいことは気にしないでください。そんなことより今日は博士に依頼の手紙ですよ」

博士「ほう。読んでみてくれ」

助手「自分で読んでください」

博士「どれどれ。 『事件です。力を貸してください』 え、これだけ?」

助手「それだけです」

博士「君これじゃまったく分からないよ」

助手「私に文句言わないでください。でもどうやら殺人事件らしいですよ」

博士「ええ~なんで分かるの殺人って。それなら尚更わし博士だよ?」

助手「でも博士は博士であり迷探偵でもあるじゃないですか」

博士「今君、迷って言った? 名じゃなくて迷って言ったの?」

助手「どっちでもいいじゃないですか。それより博士現場に行ってみましょう」

博士「ではそうしよう」

助手「ここが現場か。状況を教えてくれるかい?」

博士「はい。害者の死亡推定時刻は昨日の午後2時から11時。目撃情報によると害者は」

助手「ちょと、ちょっと待って。え? 死亡推定時刻の幅広すぎない?」

助手「広いですね」

博士「広いよね? それ参考になるの? あと君の害者害者って言うのもちょいちょい気になるし」

助手「鑑定医の仕事なので自分に言われても困りますね。続けます。目撃情報によると害者は昨日の午後3時家に居たみたいです」

博士「それから?」

助手「以上です」

博士「冗談だよね」

助手「すみません。ポケットにまだありました。読みますね。午後3時害者の家に行くと鍵が掛かっていたそうです。呼び鈴を押したら開けてくれたみたいですね。目撃者が言うにはそこから11時まで一緒にテレビを見ていたそうです」

博士「……帰ろうか」

助手「帰りましょう。あ、それからホシが言うには」

博士「ああ、ホシって言っちゃったよ!」

助手「うっかりしました」

博士「まあいんだけど。これで終わり?」

助手「終わったみたいですね。博士お疲れ様でした」

続く

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