ジュラシック・アクアリウム(137)

教授「ようこそ、ジュラシック・アクアリウムへ!いやあ、君に来てもらってよかったよ」

教授「ここはジュラシック・パークのように、恐竜や古代生物を飼育しているのさ。まあ、ここは海や川の生物しかいないがね」

教授「さて、君に来てもらった理由はもう聞いていると思うが・・・。うむ、この水族館は来月オープンするワケだ・・・」

教授「その前にプロモーションビデオを撮ってもらいたい。ガラスの外側からの映像は撮ったが、水槽の中。すなわち、生物を直に撮影した映像はないのだ」

教授「え?何、我々で撮影しろだって?ハハ、しかしね、我々は政府に雇われていてね。そんなことでケガをするとよくない」

教授「それに、君は部外者だ。つまり経営者ではなく客。客側からの視点の方がいいとレスター・・・ああ、上司が言っているのでね」

教授「しかし、生物に慣れていない人間だけでいくと駄目だ。だから、ウチの助手に同行させる」

助手「どうも」

教授「助手のスティーブンだ。まあ名前は覚えなくてもいい。さ、行ってくれ」

カツカツカツカツカツカツカツカツ…

助手「なあアンタ、仕事は何をやってるんだ?軍人か?警官か?」

助手「・・・何!?サラリーマン!?え、サラリーマンって、警備会社の?」

助手「・・・違うのか!?おいおい、銃もろくに使えないのか!」

助手「え?サバゲーやってる?いやいや、実戦とサバゲーは違うぜ・・・」

助手「オレは本物の銃を持って生物達と闘ってきた。自分で言うのもなんだが、射撃にも格闘術にも長けている」

助手「せいぜい、足手まといにはならないでくれよ」

助手「・・・っと、着いたな」キキッ

助手「ここでウエットスーツに着替えてくれ。ボンベも忘れずに。あと・・・」ガサゴソ

助手「これこれ。対生物用の銃だ。射程は10mくらいだ。モササウルスでもしばらくは悶絶する威力だ」ガシャッ

10分後・・・ キュムッ

助手「なあアンタ。少しいいかい?」チィーッ

助手「ここの水槽は、複数の時代の生物が混合で生活している」

助手「で、一応淡水域の水槽と海水域の水槽が分かれてるんだが・・・どっちで行く?」

助手「え?違い?そうだな・・・」

助手「淡水域はワニが主流で、生物は少なめだな」

助手「海水域は・・・多種多様な生物がいて、種類も多い。海の方が危険だ」

助手「・・・で?どうする?どっちを先に行く?」

助手「お、川?そうか、川か・・・先に怖いモン見たほうがいい思うけどな」

助手「あ、ワニ好きなの?へぇ、なるほど」

助手「よっ」ググッ

ザバァァァアアアン

バッ スタッ

クイッ ドルルルルルルルルン

ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ

助手「・・・よし」ドッドッドッドッ

助手「このボートに乗って行く。あと特殊部隊員が何人か乗るが・・・いいな?」

隊員達「」ザッ

バッ

バババッ

助手「全員乗ったな?」

隊員1「ええ」

助手「よし、ボートで移動しながら生物を探すぞ。何か発見したら知らせてくれ」ジャキッ ガシャ

隊員達「・・・」シャキン ジャコッ

助手「・・・」カチャッ

スゥウーーーーーー…

助手「ん・・・お、おい、あそこ!あれ、生物だ!」

バッ

助手「さて・・・記念すべき1回目の生物は何かな?」チャキ…

???「」スウ…

時をかけるおっさんを思い出した

助手「あー・・・あれはオンコプリスティスだ」

オンコプリスティス「」バシャン

助手「オンコプリスティスはノコギリエイの仲間だ。全長は8mに及び、川で産卵するのさ」

助手「孵化した幼体にとっては川は安全地帯だ。だが・・・成体にとってはそうでもない」

助手「見ろ。そこ。数十m向こう」クイッ

スピノサウルス「KUAAAAAAAA・・・」

助手「スピノサウルスが狙ってる。スピノサウルスは最大の魚食恐竜だ。全長は17mで、オンコプリスティスも捕食対象だった」

助手「スピノサウルスの頭骨の先端には水圧を測るセンサーがある。これで水中の獲物を探知して、捕まえていたんだ」コト

スピノサウルス「GUAAAAAAAAA・・・」スゥゥウ…

助手「」ゴクッ

>>7
あれみたいにカメラが助手と同行してる設定です


スピノサウルス「」グオッ

バシャァァァアアアアアア

助手「おおッ!」ガタッ

オンコプリスティス「」バタバタバタバタ

スピノサウルス「GUAA!」ブンッ

ビダァアーーン

オンコプリスティス「」ゴト…

スピノサウルス「KUAAAAA・・・」

ガブッ ガツガツ ゴリムシャベギガツ

助手「おお・・・」カシャ カシャ カシャ

助手「いいね・・・こういう写真が今後もとれるといいな」カシャカシャ

助手「オンコプリスティスの牙がスピノサウルスの脚や口から発見されることもある。今のは偶然捕食されたわけじゃないさ」

助手「オンコプリスティスはもともと海の生物だからな・・・やっぱスケールが違うな」

隊員1「スティーブンさん、向こうでイクチオステガが・・・」

助手「何?」ガタッ

イクチオステガ1「GUE、GUEEE」

イクチオステガ2「GUEEEEE、GUE」

助手「おー・・・確かにイクチオステガだな。イクチオステガは史上最古の両生類と言われているヤツだ」

助手「まあ、イクチオステガの前に陸上に進出した両生類もいるっぽいんだけどな・・・」ホジホジ

助手「それにしても仲よさそうだな・・・リア充、いやリア獣か」

助手「・・・ん?」

???「」スゥ…

助手「ハッ」

???「」バァッ

ガブゥッ

イクチオステガ2「GYA、GYAAAA!?」ズルズル

ドボン

ガブガブ ベリベリィ ブシュウウウ

助手「・・・今、水中から襲い掛かったのはクセナカンサス・・・石炭紀からペルム紀に生息していたサメだ」

助手「見えたか?あの頭に生えた突起。あれと、二又に分かれた牙が特徴のサメなんだ」

助手「こーゆーのは自然の営みだ。仕方ないさ。じゃ、次に行こう」

隊員2「スティーブンさん、あれは?」

助手「ん・・・」

助手「ワニだな。しかも結構でかい」チャッ

助手「口の形からして・・・サルコスクスだ」

サルコスクス「GAAAAAAAAAAA!」バシャン

スコミムス「GUAAAAAAAAA!」ズン

助手「スコミムスと喧嘩してるな・・・魚食恐竜とワニは獲物が同じだから、張り合うことも多いのさ」

サルコスクス「KUAAAA!」ガッ

スコミムス「G・・・」ジリ…

スコミムス「GAA・・・」ズンッ ズンッ ズンッ ズンッ…

助手「・・・ワニと恐竜なら、姿勢が低くて攻撃の当てにくいワニに分があるかな」

海編にプレデターXは出ますか?

>>14
出す予定です


助手「んー・・・」チャッ

助手「あそこにいるワニ。ほらあれ。あれは多分エウテコドンだな。大体口の形状で分かる」

助手「あっちにいるのは・・・ルティオドンかな?ルティオドンはガビアルみたいだが、ガビアル科じゃなくてフィトサウルス科だ」

助手「ま、どっちも外見は大差ないけどな・・・ぶっちゃけ両方とも頂点捕食者だし・・・」

ドゴオッ

助手「!?」グラッ

隊員達「撃て!」ジャキジャキジャキッ

助手「いや、待て!」サッ

隊員達「・・・」

助手「・・・」

ブクブクブク ゴボゴボゴボ

助手「・・・」

スゥウ…

ストゥペンデミス「」プカァ

助手「カメ・・・ストゥペンデミスだ。淡水域に生息していた、首を横に曲げて甲羅に収納する曲頚類だ」

助手「曲頚類はすべて淡水に生きていたといわれているが・・・コイツは淡水のカメで最大だ」

助手「海ならアーケロンだが、川ならコイツだ。甲羅だけで2m40cmあるからな・・・」ポリポリ

助手「コイツに乗ってみたいとこだが、コイツには捕食者がいて・・・」

???「」スウ…

助手「!やばいぞ、ボートをカメから離せ!!」ガタッ

プルスサウルス「」グバアアアッ

助手「ッ!」

プルスサウルス「GUAA!」バギャアアッ

ドボォォォオオオオオ

バシャァァァアアアアア…

バギッ ボゴッ バグッ ガギン ボグ…

助手「・・・」カタ

助手「今のはプルスサウルス。ストゥペンデミスと同時期に、アマゾンに住んでいたワニだ。全長は最大で20mだそうだ」ドサ

助手「ワニは今いる生物で最も咬合力、アゴの力が強い生物だ。あの体格なら、ストゥペンデミスの甲羅なんか簡単に噛み砕けるだろうな」

助手「危なかったな・・・ボートが襲われてたかも知れなかったわけだ。あーあ、寿命が縮んだよ」

助手「さて・・・潜ってみるか。大丈夫、銃だってある」パンパン

助手「君たちはボートに乗って待機していてくれ」カタン

隊員達「はッ!」

ドボンッドボーン

ゴボゴボゴボゴボ…

コポコポッ コポポッ

シュコー… シュコー…

助手『よし、上からじゃ魚は判別しにくいからな。しっかり淡水魚も撮影していこう』ゴボゴボゴボ

メガピラニア『』スウッ

助手『おお、早速来た!!』ゴポポ

メガピラニア『』スィイ

助手『メガピラニアは1000万年前から800万年前に生息していたピラニアの祖先で、雑食だ。三角形の牙がジグザグに並んでいる』コポポ

助手『メガピラニアの祖先であるコロソマ・・・ああ、いたいた、あれだ。コロソマは植物食の魚類で、歯が2列で並んでいた。ピラニアは1列。これの中間がメガピラニアだ』コボコボ

助手『どうだ、多少似てるだろ?おっと、雑食とはいえ咬まれると危ないから気をつけろよ』コボボ

???『』スウウ…

助手『ん?影が・・・』コボ

助手『!?』

???『』スウ…

助手『デカい!こいつは・・・5mはあるかッ!』ゴボボボ

助手『ハイネリアだッ!』ドォーン

ハイネリア『』ヌウウ…

助手『ハイネリアは、全長5m、体重2トンに及ぶ巨大な魚だ・・・石炭紀の生態系の頂点に立っていた存在で、当時はこれを上回る淡水魚なんかいなかった』ゴボボゴボ

ハイネリア『』グンッ… グオッ

助手『ハイネリアが動き出した・・・前には・・・』

助手『アカントステガ!全長60cmの両生類だ、イクチオステガに似ているがそれほど脚は発達してないため、陸上には上がれない!』

ハイネリア『』グオッ

アカントステガ『!』

ギュンッ

アカントステガ『GYUE・・・』

バギャアッ!

ハイネリア『』ゴクン

助手『く・・・食ったか・・・』ゴポォ

助手『ん?』

???『』ヒュンッ

ガッ

ハイネリア『!?』ガッ グギュギュギュギュギュ…

助手『な・・・あれはデイノスクス!全長15m、白亜紀後期に生息していたワニだ!』ゴボォォ

デイノスクス『GGGGGGGG・・・』ググッ

ハイネリア『GYA』バギン

ガクッ…

助手『この水族館は時代はごちゃまぜにしてあるからな・・・如何にその時代で猛威を振るっていても、もっと強い奴が別の時代にいたら意味がない』ゴボォ

デイノスクス『』ガツガツガツ ブチィィイ

助手『・・・ワニはアゴの力も恐ろしいが、最も恐ろしいのはデスロールと呼ばれる捕食方法だ』

助手『獲物の部位に噛みついて回転を加えることで、獲物を食いちぎるのさ。食べやすくもなるし、獲物の体力も奪える』

デイノスクス『GUAAAAA・・・』ガツガツ ボキ

助手『ハイネリアの血を嗅いでメガピラニアも集まりだしたな・・・ここは危ない。離れよう』

助手『ボートにも伝える』カチャカチャ ピッピッ

助手『あー、聞こえるか?もう少し上流に移動してくれ』ピー ガー

隊員2「了解」ピッ

ブロロロロロロロ…

助手『・・・お、あれはユーステノプテロンだ』ゴボボ

ユーステノプテロン『』スウ…

助手『ユーステノプテロンはイクチオステガの祖先に繋がる魚だ。ヒレを足のように使うこともできたと考えられる』ゴポォ

助手『あっちにいるのはパンデリクチスだな。ユーステノプテロンより進化した魚で、より陸上生物に近くなっている』ゴボボ

パンデリクティス『』フヨフヨ

助手『ん・・・じゃあもしかすると』ゴボ

フュン

ボコボコボコ…

ザバアッ

助手「やっぱりな!やっぱりいやがった!」カポッ

助手「コイツはティタアリク!パンデリクチスよりもさらに進化した魚類で、イクチオステガに最も近い種族だ!」

ティタアリク「KUE、KUEEEE」

助手「ハハ・・・」バチャ

助手「全長は2.7m、パンデリクチスやユーステノプテロンよりも大きな魚類だ」

助手「ヒレはもう両生類の前脚と言ってもいいほど―」

バシャァァァアアアアアアン

助手「何だ!?」

ハイネリア「GUAAAAAAA!」ドンッ バグッ バグッ

ティタアリク「KUAAA!KUAA!」バタバタ

ハイネリア「GAAA!GUAAAAAAAA!!」バグッ バグッ

ハイネリア「GUUU・・・」ペト

助手「・・・!」ゴクリ

助手「見たか!?今の!」バシャバシャ

助手「・・・あー、オン。ハイネリアはこうして身を乗り出し、陸上の両生類を襲うこともあるんだが・・・凄いな」

助手「ただ、ティタアリクの方が先に気付いて陸に上がったけどな」

ハイネリア「GGGGGG・・・」ビトン

ティクタアリク「KUEEE、KUEE」プイ

助手「ハイネリアの狩りは失敗・・・いや」

ハイネリア「」ズズッ ズズズーーッ ズズッ

助手「ハイネリアはまだ諦めきれないみたいだな・・・」

ハイネリア「USYAAAAAAAAAAAA!!」グオッ

ティクタアリク「!?」

ガブッ

ハイネリア「」ブンッ

ドッボォォォオオーーーーーーン

ティクタアリク『GYU・・・』

ハイネリア『』バクッ ゴクン

スゥウーーーー…

助手「・・・おお~・・・」

助手「ハイネリアはシャチみたいなもんだな。シャチもああやって氷の上に乗ってアザラシなんかを仕留めることがある」

助手「やる生物は違えど、やる事はあまり変わってないってことだ」

助手「じゃあまた潜るぞ。別の魚とかも見ないとな」カポン

ドプン

ゴボゴボゴボ…

助手『!』

助手『このあたりは白亜紀の熱河生物群の生物が多いな・・・見ろ、ヒファロサウルスだ』ゴボボ

助手『ヒファロサウルスはコリストデラ類の爬虫類で、カメ類や主竜類(ワニなど)とは違うグループだ』ゴボゴボ

助手『こっちはマンチュロケリス。首を甲羅に引き込めるカメの中では原始的なヤツだ』ゴポ

助手『おっと』スイィイ

プロトプセフルス『』スゥーーー

助手『・・・今のは最古のヘラチョウザメ科、プロトプセフルスだな。中には1mを超える大物もいたんだ』

助手『ただ、歯はなかったからプランクトンを食べてたらしいけどな』ゴボボ

???『』ヌッ

助手『うお・・・これは・・・バルランカスクスか!全長5m、三畳紀のワニだ』ゴポポ

バルランカスクス『GUAAAA・・・』スィィイイ

助手『何を・・・あ、あれは!』ゴボ

プリオノスクス『KUAAAAAAA・・・』スウウ

助手『プリオノスクス!ペルム紀の両生類で、全長は9m!生物史上最大の両生類だ!』

助手『このまま闘えば、体の小さいバルランカスクスが不利か・・・?』

バルランカスクス『GAA!』ギュンッ

ガブッ

助手『おお!前脚に咬みついた!』ゴボボボォ

バルランカスクス『』ギュルルルンッ

ブチィィイイイイイイーーーーッ

プリオノスクス『GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』ドクドクドク

バルランカスクス『KUAAA!』ドグアッ

ガッ

助手『プリオノスクスの腹に!』

プリオノスクス『GYAAAAAAAAA!!』

ギロッ

助手『!』ゴボッ

プリオノスクス『USYAAAAAAA!!!』グアッ

ドグッ

バルランカスクス『!』ガポポ

プリオノスクス『GGGGG・・・!』ガリガリガリガリガリ

バルランカスクス『GYA・・・』

ブツンッ

バルランカスクス『』ガクッ…

助手『・・・!やはり、体格が勝る分プリオノスクスが強かったか・・・首を食いちぎったな』

助手『しかし、負けたとはいえバルランカスクスも強かったな。今の回転!あれがデスロールだ』

助手『うーん・・・あれだけの血を出していたら、プリオノスクスももう終わりだろうな・・・』

助手『え?失血死?いや、あの血を嗅ぎつけて別の捕食者も来るだろうし、捕食者から逃れられても雑菌が入って死ぬだろうからな』

プリオノスクス『』フラァ…

助手『これも仕方がないことだ。さあ、次へ・・・』ゴボボ

マチカネワニ『』スゥ

助手『今のは・・・マチカネワニか。日本の大阪で発見されたワニで、学名はトヨタマヒメイア・マチカネンシス・・・』ゴボゴボ

助手『全長7m、クロコダイルの新属新種だ。プリオノスクスを狙って・・・』ゴボッ

エオギリヌス『』ヌゥ

助手『・・・』

助手『今のはエオギリヌスといって、石炭紀の両生類だ。全長は4・5m』ゴポポポ

グギャアアアアアアア バキィ ガツガツ ベリベリ グチャグチャ バシャバシャ

助手『プリオノスクスを狙って生物が集まってきた!まずい、もっと上流へ逃げるぞ!』

ブロロロロロロロ…

バシャァアッ

ガシッ

助手「ああ、ありがとう」ギシュ ギシュ

隊員3「お疲れ様です」

助手「ああ。ホントだよ」ドサッ

助手「そこに腰かけるといい。フー・・・」

助手「さて・・・お、レピドテスだ」ガタッ

助手「釣って刺身にでもするか?腹減ってるだろ」チャキ

ダン ダン

ビシュン パシュン

プカァー…

助手「よっ・・・と」ガシ バチャ

助手「」グィ ザバァ

助手「どうだ」ビタン

助手「ん?なーに、食べていいって。確かに水族館だけど、自然のまま生きてるようなもんだから。ナイフある?」チャッ

助手「ん、ありがと」スパッ グチュァ

助手「え、醤油がない?ホント?」

ジュウウウウウウウウウウウウウウウウウ…

ワシャッ

助手「塩焼きにしてみたが・・・結構美味いな」ムシャムシャ

助手「君らも食べないか?」モグモグ

隊員2「そ、それでは・・・」

隊員3「いただきます」カチャ

モグモグ カチャカチャ ムシッ

助手「じゃあそろそろ場所を移ろう・・・次は湿地帯だ。結構歩くからな」モグモグ

隊員1「はい」

カチャカチャ ジュウウウ… ワイワイ

湿地エリア

バシャ バシャ ジャバッ

助手「そこ、気をつけろよ」ザブ

助手「湿地エリアは石炭紀の森をモデルに作られている。だから、そこらへんにある巨木も、実際は木じゃあない」

助手「この植物は、シダ植物のトクサ類やヒカゲノカズラ類だ。つまり、ばかでかいツクシさ」

助手「そこにあるのは高さ50mを超えるレピドデンドロン(鱗木)だ。あれはシギラリア(封印木)で、これはカラミテス(蘆木)さ」

助手「どいつもこいつも20mや30mを超えるバケモノだ。だが・・・」

助手「簡単に折れる。幹の中はスカスカだからな。せいぜい、気をつけておけ」ジャブ

隊員達「」ジャキジャキッ ジャカッ

ザッ ザッ ザッ ジャバジャバ

助手「おお・・・見ろよ、そこ!」ジャブ

メガネウラ「」ジジ…

助手「メガネウラが産卵しているぞ!あれは打水産卵という方法だ」

助手「産卵管を水につけ、卵を産むのさ」

メガネウラ「」ジジ… ググ…

ポッ… ポッ… ポ…

助手「産み始めたか・・・」ジャプ

???『』シュッ

助手「!」バシャ

ズバッ

助手「な・・・」ザバッ

ダラダラ

助手「・・・!」

隊員1「足を切りましたか・・・!?」

???『』サパン

助手「!」

隊員3「あそこだ、撃て!」

ジャキキキッ

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

ジャポ ジャポジャポポッ ジャポ

隊員1「外した!逃げられた!」ジャバ

助手「・・・!来る!」

???『』スラァァァアア

隊員2「」チャッ…

助手「待て!撃つな!」サッ

助手「撃つなよ・・・撃つんじゃあない・・・!」ジリ…

???『』シャッ

助手「来たッ!」ザバ

ガシィッ

ザバァァァァアアアアアア

助手「・・・なるほど、俺の足を咬んだのはコイツか!」

助手「クラッシギリヌス・スコティクス!スコットランドで発見された、最大2mの両生類だ!」ザバ

クラッシギリス「KUAAAAAAAAAAAAAA!!KUAAAAAAA!!!」バチャバチャ

助手「おーいおい、そんな暴れるなって」バシャシャ

助手「脚は完全に退化していて、陸上生活は不可能だ。沼の中に潜み、近づいた両生類や魚類を仕留めていたんだ」

助手「見ろよ、この小さい牙。これなら、人間の指くらいなら軽く食いちぎれる」ガシィ

クラッシギリヌス「KUAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」ビトンビトン

助手「はは、わかったわかった、返すぜ」

ポイッ ザバァァアアン

クラッシギリヌス『』コポポォ…

スゥウ

クラッシギリヌス『』スィィイイ…

マストドンサウルス『』ヌッ

クラッシギリヌス『!?』

バグッ

バギバギッ… メシィ…

ジワァアア…

助手「!?」

助手「沼の水が赤く・・・」

マストドンサウルス「UBASYAAAAAAAA!!」ザバァァァアアアアアア

助手「まずい!マストドンサウルス、三畳紀の両生類だ!全長は6m、まともにやりあって勝てる相手じゃあないッ!逃げろッ!」ザバッ

マストドンサウルス「KUAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」ドンドンッ ザバアア

助手「くッ」ザバザバ ジャキッ

助手「」ドン ドン ドン

マストドンサウルス「G・・・」ピシュッ バシュッ

マストドンサウルス「GUAッ!」ザバァ

助手「く・・・」

クーラスクス「GYABAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」ザバアア

助手「!?」

マストドンサウルス「!?」

ドッグァァァアアアアアッ!

マストドンサウルス「G・・・」ググ バチャ

クーラスクス「GOAッ!」ギギギ バシャ

助手「今だ!クーラスクスがマストドンサウルスに食らいついている今なら!脱出できる!何があっても立ち止まるんじゃあないッ!」

隊員達「くッ」バシャシャシャシャ

マストドンサウルス「G・・・GRRRRRRRRRRAAAAAAAAAAAAAAAAAAA」ブンッ

クーラスクス「GAFッ」ドバァァァアアアアアン

マストドンサウルス「KISYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」グオオッ

クーラスクス「FOOOOOOOOOOOOOOOOOHHHHHHHHHHH!!!」グワァッ

ギャアアアアアアス ドガン バシャア ドボォオン ズバッ ブシュウ

助手「・・・くッ」ベグァッ ザバ ボス

ドガッ ズバッ ボシャァァアアアン

助手「・・・」ハァ ハァ

助手「もうここまでくればいいだろう・・・」ゼェ ハァ

助手「クーラスクスは・・・白亜紀の両生類だ。全長は5mで・・・マストドンサウルスの1億年くらい、あとの生物だ」

助手「クーラスクスの祖先は三畳紀の大型両生類で、連中はワニとの生存競争に敗北した。その結果、南極大陸に逃げ込んで繁栄したのが・・・」

助手「クーラスクスだ」ドン

助手「当時の南極は温暖で、変温動物でも活動することは可能だった。水辺に近寄った恐竜を捕食対象にしていたのさ」ハァ

助手「それにしても、激しい戦いだったな・・・おそらく、マストドンサウルスがクーラスクスの縄張りにいつの間にか侵入していたんだろう」カチャカチャ キュポ

助手「」ゴクゴクゴクゴクゴク

プハァ

助手「しばらくは休もう。水はそこらへんにあるしな・・・」

助手「さあ、そろそろ行こう」ガシャッ

助手「お」

グナタベロドン「」バシャァァ

グナタベロドン「」モシャモシャ

助手「あれは・・・グナタベロドンだ」

助手「第三紀の北米に生息していた、ゴンフォテリウム科のゾウだ。下アゴがヘラみたいになってるだろ?」

助手「あの下アゴをちりとり、鼻をほうきのように使って水草を食べていたのさ」

グナタベロドン「PAOOOOOOOOOOOOOOO・・・」

助手「ハハ・・・向こうで水中にいるのはウインタテリウム。サイに似ているが、全く関係のない恐角類というグループだ」

助手「サイは毛が固まって角になっているが、ウインタテリウムは骨が角になっているのさ」

ウインタテリウム『BUFA』ゴボ

助手「あそこにいるのはリノティタン。サイに似ているが、奇蹄目だ。ウマの仲間だな」

助手「アイツも水草を食料にしていたんだ」

リノティタン「PUHIIIIIIN」

プロトケラトプス「」バシャバシャバシャ

助手「お、プロトケラトプスが泳いでるぞ!」ズチャ

助手「プロトケラトプスはトリケラトプスをはじめとするケラトプス科の植物食恐竜だ。ヴェロキラプトルとの格闘化石が有名だな」

助手「プロトケラトプスの尾は平べったい。それは水生に適しているのさ」

プロトケラトプス「」バシャシャ

タラルルス「」ヌゥゥ

助手「こっちの池にはタラルルスがいるな。モンゴルにいたアンキロサウルス科だ」

助手「タラルルスなどの鎧竜は目の高さと鼻孔の高さが同じなのさ」

助手「あと、幅広い胴体、短い脚、放射状の短い指。これらが何を示すかわかるか?」

助手「これは哺乳類のカバや、爬虫類のカメやワニに見られる傾向だ。つまり、鎧竜は水生だった可能性がある」

アンキロサウルス「」チャプ…

サイカニア「」チャポ…

エウオプロケファルス「」スィィイイ…

ゴビサウルス「」ゴボボ

助手「うお・・・結構群れてるな」

助手「どいつもこいつもアンキロサウルス科だ。エウオプロケファルス以外、全部アジアのアンキロサウルス科だな・・・」

助手「エウオプロケファルスは北米の恐竜だ。白亜紀は北米とアジアはつながっていた。つまり、アンキロサウルス科は北半球の大陸で繁栄した恐竜というわけだ」

助手「ちなみに同じ鎧竜のポラカントゥス科はヨーロッパ限定、ノドサウルス科は全世界に生息していたんだ」

ガサガサ…

助手「っと、湿地エリアはもう終わりだ」ストッ

助手「後はバカンスだ。湖でも眺めてゆっくりしようや」

助手「・・・なんてうまくはいかない。カッター・・・ああ、教授にボートを持ってこさせてあるからな。また、川みたいに生物を見よう」カチャ

パラサウロロフス「PUOOOOOOOO・・・」

セントロサウルス「BAOOOOOOOO・・・」

助手「・・・このあたりはパークとアクアリウムが繋がっているからな・・・恐竜も多いんだ」

デイノスクス「FABOOOOO・・・」

助手「あっちじゃデイノスクスが日向ぼっこしてるな・・・イヌは暑いときに口を開くが、ワニは逆だ。口を温めるために開くんだ」

助手「ワニは冷血動物だからな・・・口内の毛細血管を温めているんだ。デイノスクスに限ったことじゃあない」

ドンッ ドンッ…

クイッ ブオンブオオン

ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…

助手「ん・・・」キュボオオオオオオ

助手「早速いたぞ!リゾドゥスと言って、ハイネリアよりももっと大きい魚だ!」チャッ

リゾドゥス『』ユラァア…

助手「ハイネリアの牙は8cm、リゾドゥスの牙は3倍近い22cmだ!ちなみに、ティラノサウルスは10cmだ」

助手「こいつにボートを転覆させられたら洒落にならない、ボートを離そう!」

隊員達「はいッ!」グィン

ドッ ドッ ドッ ドッ…

助手「ふう・・・よかった」ゴシ

助手「リゾドゥスの全長は7m、ハイネリアよりも2m大きい。同時期のより強力な捕食者だ」

助手「危なかったかもしれないな・・・」

ギラカンタス『』ヒュッ

助手「!」

助手「今のはギラカンタス!石炭紀の棘魚類だ!40cmもあるトゲが備わっていたヤツだ!」

助手「ああ・・・まずは棘魚類について解説する必要があるか」

助手「棘魚類というのは、リゾドゥスやハイネリアの1つ前の時代・・・シルル紀に誕生した魚類だ」

助手「まず、魚類には顎がなかった。これを無顎魚類という。海に行けばミロクンミンギアとかコノドントとか・・・結構いるな。今の世界ではいないが・・・」

助手「そして、アゴが発生する。アゴのルーツは今度解説するが・・・まあ、それで板皮魚類と棘魚類が誕生するわけだ」

助手「で、板皮魚類からは軟骨魚類が、棘魚類からは条鰭魚類が独立。さらに条鰭魚類から肉鰭類が独立するわけだ」

助手「つまり、マグロだのカツオだのシーラカンスだのの祖先はすべて棘魚類ってわけだ」

助手「で、棘魚類がどーゆー魚類かってーと・・・・」

助手「ちょうどいい、下見てみろよ」

パレクス『』スゥウ

イスクナカンサス『』スィイ

クリマティウス『』ヒュオッ

助手「わかったか?全部、体からトゲが生えている。正確に言えば、尾ビレを除くすべてのヒレからトゲが生えているんだ」

助手「硬質化し発達したトゲは、捕食を妨げる。大型魚に丸呑みにされることをトゲで防いだわけだ」

助手「クリマティウスはシルル紀、イスクナカンサスとパレクスはデボン紀、ギラカンタスは石炭紀の魚だ」

助手「しかし、古生代最後のペルム紀になると、そこのアカントデスみたいにトゲが減ってくる」

アカントデス『』ヒュル

助手「棘魚類は1億7000万年間という非常に長い時間を栄えたが、古生代とともに終わりを迎えたのさ・・・」

ギラカンタス『』スゥウ…

???『』キラッ…

ギラカンタス『!!』

???『』ギュアッ

バグッ

助手「!」

ジワァァア…

助手「血?」

???『』スウッ

助手「!」

???「」ザバアアッ!

助手「こ・・・こいつはッ!アファネランマ!」

アファネランマ「」ザパァァアアアン

助手「アファネランマは三畳紀に生息していたワニのような生物だが、実際は両生類だ」

助手「淡水域から汽水域にかけて生息し、世界中で繁栄していた種類だ。全長は2mに及ぶ」

助手「ガビアルのように吻部が細いのが特徴だな」

アファネランマ「」トプン

シィーン…

助手「あんな風に襲い掛かってくる奴がいるからな・・・気をつけよう」

ディプロカウルス「」サパァ

助手「お」

ディプロサウルス「GUEE、GUEEEE」

助手「おお・・・ディプロカウルス、ペルム紀の両生類だ。見てのとおり、ブーメランのような頭をしている」

助手「本来は小さい2つの骨が成長によって長くのび、ブーメランのような形状になったんだ」

ヒボドゥス「」ザバアッ

助手「!」

ドグァッ

ディプロカウルス「GYAAAAAAAAAAAAAAA!!!」バリィィイイ ブシュウウウウウウウ

ヒボドゥス「GUAAAAAAAAAAA!!」ギャルギャルギャル

ディプロサウルス「PIGYAAAAAAAAA!!PYAAAAAAA!!!」バシャバシャ ブシュォォォオオオ

助手「ジュラ紀のヒボドゥスだ!」

隊員3「どうして海のサメがこんなところに!」ジャキッ

助手「待て、撃つな!ヒボドゥスは、湖岸の湿地に生い茂る植物に卵嚢を植え付ける性質がある!」

助手「孵化した幼体は生い茂る植物で姿を隠すことができ、天敵から逃れられる!海のサメがいるのはそのためだ!!」

グギャアアアアア ブシュウウウウウウウウウウウウ ガツガツ バリィ ベキ

助手「・・・」

助手「血を嗅いで生物が寄ってくる、急いで離れろ!全速前進!!」ブロロロロン

メガロドンとアノマロカリスは登場しますかね

>>56
出します


ブロロロロロ…

助手「危なかったな・・・川でヒボドゥスに出くわしていたら死んでいただろうな」

助手「・・・ん」

プテラスピス『』スィイイ

助手「お、プテラスピスだ!」

助手「プテラスピスは世界最古の淡水魚だ。脊椎動物で初めて淡水に生息したのがコイツなんだ」

助手「海に生息する生物にとって、川や湖といった淡水は危険だ。浸透圧の問題があるからな」

助手「海水の塩分濃度は3.5%だ。体内の塩分濃度は0.6~0.9%。体内から水分が出ていき、脱水状態だ」

助手「しかし、淡水は0%。逆に水が体に侵入し、水膨れ状態になる。海の生物が川に行けば、体が破裂してハイ終わりってわけだ」

助手「だが、海にはオウムガイやウミサソリがいて危険だ。川に避難すれば安全になる・・・で、そこでどうしたと思う?」

助手「話は簡単だ。体内の塩分を捨てればいいんだからな」

助手「塩分・水分といった余分な物質を体の外に廃棄するのは腎臓だ。つまり、腎臓を発達させ、塩分濃度を低くしたのさ」

助手「あと、現在の淡水エイがやってるような、浸透圧調節を退化させ、水の出入りをシャットアウトする方法もあるな・・・」

助手「逆に、塩分濃度の高い場所で生活するためには、体内に高濃度の尿素を含ませることで対応するんだ。ヒボドゥスもそうやってるんだろう」

ボスリオレピス『』スォオ

助手「お」ガタ

助手「こいつはプテラスピスと同時期に進出した、ボスリオレピスという魚だ。ただ、プテラスピスとは違って板皮魚類だがな」

助手「ん・・・じゃあ板皮魚類について説明するか。本当は海で説明したかったんだがな」

助手「棘魚類と同時期に分裂して誕生したのが板皮魚類だ・・・そこまでは説明したな?」

助手「棘魚類はペルム紀まで生き延びたが、板皮魚類はデボン紀末に絶滅したな。微かに生き残った連中も石炭紀には完全に途絶えた」

助手「そして、板皮魚類の地位は軟骨魚類に継がれる形になるわけだ・・・」

助手「板皮魚類の大半は1mにも満たない連中だ。ボスリオレピスだって25~50cmくらいだしな」

助手「海底付近で暮らすのがほとんどだな。一部はコイツみたいに淡水域に生息する奴もいる」

助手「中には例外もいるんだが・・・ソイツには海で会えるから、ここでは話さないでおこう」

助手「板皮魚類の特徴は、何といっても装甲だ。棘魚類がトゲで身を守ったように、板皮魚類は鎧で身を守ったのさ」

助手「鎧を身に付けていることから甲冑魚ともよばれるが・・・1つ注意してほしいのが、甲冑魚と板皮魚類は違うということだ」

助手「たとえばさっきのプテラスピスだが、アイツも鎧があるから甲冑魚だ。しかし、分類は無顎魚類だ」

助手「甲冑魚は体に鎧がある魚類のことを指す。つまり、板皮魚類の全ての無顎魚類の一部のことだ」

助手「つまり、無顎魚類にも鎧はあるんだ。鎧は板皮魚類の専売特許ってわけじゃないからな」

助手「ん、見分け方?無顎魚類にはアゴがないから、それで見分けられるぞ」

助手「ボスリオレピスの特徴は、甲冑のほかは胸ビレだ」

助手「この胸ビレは、腹に体積物が詰まった場合、重くなって水底に沈むのを防ぐためにある」

助手「・・・ん、そうそう!その通り!コイツは水底に生息するタイプの板皮魚類だ」

助手「だから気になってんだ・・・何でこんな水面近くを泳いでるんだ?」

ゴボボボ… ゴボボッ

助手「ん?」

ボスリオレピス『』ヒュッ

???「」ザバァァァアアアアアッ

助手「!?」

助手「こいつは・・・ストマトスクスッ!」

ストマトスクス「FABOOOOOOOOOO・・・」サパァァァア

助手「なるほど・・・ストマトスクスが下にいたから、ボスリオレピスが水面近くにいたのか」

助手「ストマトスクスは、白亜紀中期のエジプトに生息していた濾過摂食で食料を得ていたワニだ」

助手「・・・ああ、濾過摂食というのは、プランクトンとかを水ごと飲み込む食べ方だ。現在ではヒゲクジラが行っているな」

助手「食性や習性がヒゲクジラに似ているから、収斂進化している。ホラ、頭部がヒゲクジラのそれに似ているだろ?」

ストマトスクス『』サプン

助手「ストマトスクスの標本は、第二次世界大戦中にドイツのミュンヘン博物館が爆撃を受けて破壊されたんだ・・・本当に残念だ」

助手「ちなみに、その爆撃を受けてスピノサウルスの骨格標本も破壊されたんだ。結構有名な話だ」

ストマトスクス『』ゴポポ

助手「・・・ん」

ケイロレピス『』スォオ

助手「ケイロレピスか・・・デボン紀の原始的な条鰭魚類だ」

助手「条鰭魚類というのは、現在の魚類の大半を占めるグループだ。棘魚類から進化し、タイ・サバ・サンマ・サケ・マグロ・カツオ・カジキとか。様々な種類がいる」

助手「ケイロレピスの特性は、口が大きく開くことだ。自分の体の2/3程の獲物さえ捕食対象としていたのさ」

助手「さて・・・そろそろ終わるとしよう。明日は海エリアに行くからな、今日よりキツいかも」ガタッ

パラサウロロフス「BAOOOOOOOOOOOOOO!!!」

助手「!?」

助手「あ・・・あれは!」

隊員2「パラサウロロフスが襲われている!」

パラサウロロフス「BAOOOOO、BAOOOOOOOOOOOO!!!」ズルッ ズズズッ

デイノスクス1「GURRRRRRR・・・」ズズッ ズルゥッ

ドボォーーーン

デイノスクス1「GAッ」バグッ

デイノスクス2「GOAAAAA・・・」ギュルッ

ザパァァアアン ドボン バシャァ

デイノスクス3「KUAAAAAA!!」バシャッ

助手「パラサウロロフスが、デイノスクスに引きずり込まれていく!」ザバン バシャアア ドボォン

助手「体がどんどん引きちぎられていく・・・」シャパァン ザボン ガッガッ バグイィ

ドボン ザバァ バシャン バシィイーン ザバァアーーン…

ガッ ガッ グボォォオ

助手「・・・パラサウロロフスの残骸を求めて、生物が集まってる。ヒボドゥス、ハイネリア、リゾドゥスに・・・危険だ、近づいたら沈められるぞ」

助手「こっちからまわろう。そうすれば大丈夫のはずだ」

隊員1「はい」ブロロロロロロン

ブロロロロロロロロロロロロロロロロ…

助手「ん・・・?」ブロロロロロ…

ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ

助手「・・・!デルタドロメウスだ!」

デルタドロメウス「」ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ ドッ

デルタドロメウス「GOAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」ドッ ドッ ドッ ドッ

助手「デルタドロメウスが湖岸を走っている!!」

助手「デルタドロメウスは、湿地に生息する肉食恐竜だ。証拠に、かつては川だった場所から化石が多く発見されている」

助手「全長は8.5mに及び、ティラノサウルス科のアルバートサウルスと同じくらいだ。結構な捕食者、結構ヤバい奴だ」

セントロサウルス「BAOOOOOOOOOOOO!」

助手「!」

ザパァァアアン ドボォォォオオン

助手「そうか、渡りだ!」ガタッ

助手「セントロサウルスは白鳥やツバメのように渡りをする恐竜だ!湖や川を越えて移動することがある!」

助手「湖や川には、ワニや肉食魚など強力な捕食者が獲物を待ち構えている!そこで恐竜は躊躇する!」

助手「そこを肉食動物が蹂躙すれば、恐竜の群れは大混乱に陥る!そうすれば、さらに食料が手に入る!」

デルタドロメウス2「GUAAAAAA!」バッ

デルタドロメウス3「KUAAAAAAAA!」グオッ

助手「!」

助手「林からさらにデルタドロメウスが・・・!合計で5体、いや、6体ッ!」

デルタドロメウス達「GOAAAAAAッ!!」ズンッ

セントロサウルス達「BAOOOOOOOO!BUOOOOOO!」ドンッ ゴアッ

バギッ ズガン キシャアアアアアアアア ドゴオッ バギィッ

デルタドロメウス「」ガブッ

セントロサウルス「」グラッ ドボォォーン

助手「・・・!」パシャパシャパシャ

ドガッ ベギャァァッ グシャ バギッ ブシュウウウウウ ドッボォォオオオン

ゴアアアッ アオオオオ グアアアアア…

助手「・・・」

助手「フーム・・・」

助手「何も、渡りをする恐竜はセントロサウルスだけじゃあない」カチャッ

助手「セントロサウルスは片道1600km、カマラサウルスも片道300kmに及ぶ渡りをしていたとみられているし・・・恐竜ではないが、三畳紀のリストロサウルスも渡りをしていた」

助手「理由は渡り鳥と同じだ。両極から赤道付近へ移動したり、その逆だってある。要は、自分にあう気候の地域へ移動するんだ」

助手「その途中で、肉食恐竜や水中の捕食動物に襲われ、命を落とす個体もいる。逆に言えば、渡りは捕食動物にとっては大イベントなわけだ」

カスマトサウルス「GUAAAッ!」ガブッ ブシュウウウウウウ

助手「・・・あれはカスマトサウルス。三畳紀の原始的なワニだな。アイツも生物の渡りを食料にしている」

助手「だが、捕食者に襲われて死ぬ個体は少ない。多いのは事故死する連中だ。多少食い殺されたって、絶滅はしないさ」チャッ

生物エリア外

チィーッ パサ

助手「フウ・・・おつかれ。今日はもう終わりだ」

教授「さて・・・どうだった?」

助手「お、カッター!それにコナーも」

助手2「スティーブンだけじゃ不安だし」

助手「何?」

助手2「ああ、いや・・・冗談だって」

教授「フ・・・レスターが呼んでる。早く来い」

助手「レスターが?」

教授「ああ。・・・あ、君も来てくれ。君にも話があるそうだ」

館長「・・・遅刻だ」

教授「ならクビにしろ」

館長「できたら既に何度もクビにしている・・・で、教授」

教授「何だ?」

館長「良いニュースと悪いニュースがある。良いニュースから話そう。明後日、新メンバーがここに入る」

館長「亡くなったライアン大尉の代わりだ。ベッカー大尉だ。詳しい話は今度する」

館長「で・・・悪いニュース。クリスティン・ジョンソン。私の同僚だ。ジャマイカ支部から帰ってきたそうだ・・・」

館長「彼女がオープン前日に来ることが決まった。まったく・・・大臣も彼女の感想をあてにするらしい。不備がないように心がけろ」

助手2「ハァ・・・あの女嫌いなんだよな」

館長「そして・・・君。ここの情報を知ったからには、私のセンターで働いてもらう可能性も高い。そうでなければ、クリスティンの部下だろう・・・覚えておいてくれ」クル

淡水編は以上で終わりです。
明日から海編が始まります。

翌日・・・

教授「やぁ。よく来たね」ガタ

教授「今回は私も同行しよう。なに、私も銃は使えるからね」

助手「今回は、大型船に乗って生物を見学する。それで・・・」

助手「ん」ピッ

助手「檻だ。水中から見る時はこの中に入って、生物を観察するんだ」

助手2「海の中の生物は危険だからねー。スティーブン、気をつけなよ」

助手3「アンタよりは大丈夫だっての」

助手2「・・・酷いよ」

教授「じゃあ、行こう」ザッ

ボォオーーーッ

助手3「カッター」ガタッ

教授「ああアビー」

助手3「これ、前に言ってたアリのレポートね」ス

教授「ああ、ありがとう」パシ

教授「・・・ん?」

助手3「・・・どうかした?」

教授「外を見てみろ」クイッ

サパァァン バシャァァアアン

教授「スクアロドンの群れだ。体型はイルカに似ているものの、牙は祖先のそれだ」

助手「カッター、スクアロドンだ」タタ

教授「ああ。見に行くか」

助手「ああ」バッ

ダダダダダ

助手「フゥ・・・」

ザパァアアン ドパァァアン

助手「スクアロドンは、第三紀の漸新世から中新世にかけ生息した、原始的な歯クジラだ」

助手「首は短く、現代のイルカに近い。ただし、牙は先祖と同じで、三角形だった」

教授「あー・・・スティーブン。それ、もう言った」

助手「え・・・ホント?」

教授「ん・・・」

ユーリノデルフィス「」サパァァ

教授「あっちはスクアロドンより少し小さい、ユーリノデルフィスだ。中新世のクジラだな。カジキのように上アゴが長く伸びている」

助手「用途は現代のカジキと同じで、天敵から身を守ったり、獲物を仕留めたりするために使っていたな。あと、今のイルカみたくエコーロケーションも使えた」

教授「それと・・・」キョロ キョロ

教授「いた!あれだ!」

ユーリノサウルス『』スゥウ…

教授「ユーリノサウルスだ。全長は8~10m、小中学校の教室からはみ出すくらいだな。見ればわかるとおり、ユーリノデルフィスと同じように上アゴが長い」

助手「ユーリノデルフィスやカジキは、このユーリノサウルスに収斂進化したわけさ。にしてもタイミングいいな」

教授「このあたりは生物が多いからな」

教授「このあたりはクジラや魚竜のたまり場だ。だから、大型の捕食者も近くにいる」

助手「クジラを狙ってメガロドンやリヴァイアサン、魚竜を狙ってモササウルス類やプリオサウルス類が来るからな・・・」

教授「この船は襲われないから安心だ。さて・・・」

教授「お・・・テムノドントサウルスだ」

テムノドントサウルス「KUEEEEE」バシャアッ

教授「全長は9mで結構大きい奴だが・・・実はもう1つ大きいところがある」

助手「眼球だな。直径26cm、ダイオウイカよりも大きい」

教授「そうだ。クジラ類は聴力で狩りをするが、魚竜は目。すなわち視力で狩りをしていた」

助手「あとは・・・そうそう、あれだ。あそこ」

助手「あのオフタルモサウルスは体の割合で言えば、最も大きい目をもつ魚竜だ。直径は・・・23cm。全長は4mだけだ」

教授「なぜ目が大きいかというと、強膜輪という骨が眼球の中にあるからだ」

教授「強膜輪は水圧で眼球が潰れるのを防ぐためにあったといわれる。そのまま目を大きくすれば潰れるからな」

教授「骨で目を保護したため、安心して大きくすることができたわけだ」

助手「オフタルモサウルスは水深600mまで潜ることができたんだ。水圧に耐えられないといけないわな」ガリ

教授「・・・で、話をテムノドントサウルスに戻そう」

教授「テムノドントサウルスの特徴は、巨大なアゴを持ち、鋸歯状になった大型肉食恐竜のような牙を持っていたことだ」

助手「9mという体格もあるし・・・シャチのような獰猛な捕食者だっていうのが通説だ」

スィイ…

ゴッ

2人「!?」

ウタツサウルス「K、KUEE・・・」ズルズル

教授「頭骨は短いものの、鼻面は細長い、そして口には鋭い牙・・・三畳紀のウタツサウルスか。ウタツサウルスがぶつかったんだ」

助手「ウタツサウルス・・・宮城県の歌津町(現・南三陸町)で発見された原始的な魚竜だ。体をくねらせて泳いでいたんだ」

助手「しかし・・・血を流してるな。何が・・・」

???『』ヌウウ…

助手「!」ガタ

教授「どうした?」

助手「何かがいる・・・全長は10mくらいと見た!魚竜だ」

助手「ウナギのような体・・・背ビレがなく、尾ビレも未発達・・・こいつは!!」

???「」グバアッ

助手「キンボスポンディルスだッ!」

ガブッ ブシュッ

ザバァァアアアアン

パラ… パラ

教授「・・・なるほど、ウタツサウルスが血を流していたのは、キンボスポンディルスに襲われていたからか・・・」ピチョン ピチョン

教授「キンボスポンディルスは2億2000万年前、つまり三畳紀の魚竜だ。ヒレはまだ発達していないが、大型魚竜だった」

教授「ウタツサウルス同様、体全体をくねらせて遊泳していたんだ。獲物の前ではわざとゆっくり泳ぎ、油断したところを一気に襲う戦法を使う」

助手「キンボスポンディルスはシャスタサウルス科に属する。シャスタサウルス科はデカブツ揃いの化け物集団だ。キンボスポンディルスも、デカい連中ってこった」

教授「ちなみに、テムノドントサウルスも巨体だが、あれはテムノドントサウルス科であってシャスタサウルス科じゃあない。気をつけよう」

助手「・・・ん」

スゥウ…

アンブロケタス「」プカァ

助手「お、アンブロケタスか。アシカやオットセイみたいだが、クジラの祖先だ」

助手「もともとはパキケタスというオオカミみたいな哺乳動物だったのが、水中生活に適応していって、こうなったんだ」

アンブロケタス「UUU・・・」チャプ

助手「アンブロケタスは全長3m、肉食動物だ。おそらく、ウタツサウルスの血を嗅ぎつけてやってきたんだろう」

助手「あと、パキケタス以外のクジラの祖先では、インドヒウスやクッチケタスなんてのもいたな・・・クッチケタスは吻部が異常に長い陸上生物だ」

助手「インドヒウスはシカみたいな感じだな。とりあえず、クジラは陸上生物から進化したってわけだ」

教授「ちなみに、なぜ陸上生物がクジラの祖先だと特定されたかというと・・・耳の器官が同じだったわけだな」

教授「分厚い耳骨で水中の振動をキャッチし、骨振動で音を聞き取っていたんだ。陸上で耳は悪くなるが、水中では抜群によくなるわけだ」

プロトケタス『』バシャ

ジョージアケタス『』ザパン

教授「あっちにいるのはジョージケタスとプロトケタスだな・・・近縁な生物だ」

教授「プロトケタスは現代のイルカにかなり近いが、ジョージアケタスはヒレではなく脚だ」

助手「ジョージアケタスの骨盤と背骨は繋がっていない。だからバタ足で進むようなことは不可能だ」

助手「体を上下にくねらせ、脚をフィンのように使っていたのさ」

教授「ジョージアケタスに尾ビレはない。脚でカバーしたんだろう」

助手「まあクジラといえばリヴァイア・・・」ドゴオオオッ

2人「!?」グッラァ

助手「おいおい、話をすればリヴァイアサンか!?」ドンッ ガッ

助手2「教授!」バァン ダダダ

教授「何だコナー!」

助手2「バシロサウルスです!クジラを呼び寄せるためのスピーカーが、オンになってました!」ドッグォ

教授「何だと!?」

助手2「バシロサウルスが、この船の真下にいます!船に攻撃しています!」ドガッ ザバッ

助手「バシロサウルスは、流線型をしたクジラだ。頭は悪いが、凶暴で、全長は25mに及ぶ!」ドバン

教授「まずいぞ、スピーカーを切れ!」

助手2「は、はい!」

バシロサウルス『UOOOOOOOOOONN』ヌオオオ

グアッ

ガコッ ブチイッ

ブンッ…

助手2「ああッ!スピーカーを盗られました!」カタカタ

教授「遠隔操作カメラにつなげ!」

助手2「今・・・」カタタ

ヴンッ

助手「・・・これは!」

教授「・・・スピーカーを咥えて、まるで玩具で遊ぶ犬のように振り回している・・・」

バシロサウルス『WOOOOOOOO・・・』グワン グワン

助手「・・・」

助手「バシロサウルスは、4000万年前のテチス海に生息していたクジラだ。全長は25m、ヘビのような姿をしていた」

助手「テチス海はペルム紀に発生した海で、それまで存在していた古テチス海が後のチベットによって分断されてできたんだ」

教授「それから2億年以上後の第三紀では、アジア大陸とインド亜大陸・アフリカ大陸の間に存在する海になっている」

教授「インドの接近によりテチス海は餌場の豊富な浅瀬になり、クジラ類が進出するのに丁度良い環境になったのさ」

助手「つまり、クジラ類はテチス海で生まれ育ったわけだな」

助手「バシロサウルスはクジラの進化ではまだ途中段階でだな・・・現代のクジラは頭頂部に鼻があるが、コイツは陸上生物と同じで前方にあるのさ」

助手「ちなみに、クジラなのに「サウルス」って名前なのは、かつてこの生物が恐竜だと考えられていたからだ。今は「ゼウグロドン」という新しい学名がつけられたが、前の名前で呼ばれることが多いな」


【図解】
テチス海が発生する過程と、バシロサウルスが生息していたころのテチス海

石炭紀:http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/w-sekitan.
ペルム紀:http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/w-perumu.html
第三紀:http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/w-dai3.html

シャッ バシュッ ジャバッ

教授「ん・・・?」

教授「イクチオサウルスか」チャッ

助手「へぇー・・・魚竜の中で1番ポピュラーな奴だな。姿はイルカに似ていて、全長は2m。これまで見た魚竜では1番小さいと思うぜ」

教授「イクチオサウルスは卵を腹の中で孵化させてから産み落とす、いわゆる卵胎生の生物だ。それを示唆する標本もある」

教授「これはイクチオサウルスに限らず、魚竜や首長竜すべてに当てはまるかもしれないな。特に魚竜は水中生活に適応しすぎていて、陸にはあがれないからな」

助手「首長竜も、陸に上がれば肉食恐竜に襲われる危険があるからな。体格もいいから動きにくいし、肉食恐竜にとっては都合のいい弁当ってわけだ」

助手「生態も外見もイルカにそっくりな生物だ。魚竜とイルカは収斂進化の代表選手だな」

???「」ヌボォ

助手「!」

イクチオサウルス『!?』

ショニサウルス「GUEE・・・」ザパ

イクチオサウルス『KYUEE!』シバッ シババッ

教授「イクチオサウルスが急にそれていったな・・・まぁ、あんなデカい奴はかわしようがないか」ポリポリ

教授「あれはショニサウルス。キンボスポンディルスと同じで、シャスタサウルス科の魚竜だ。全長は15mから21mという、異例の大きさだ」

教授「それに、形も異例だ。ふっくらした体型で、前後のヒレがほぼ同じながさ。魚竜としては珍しいんだ」※普通、前のヒレが長い

教授「さらに、この生物は幼体の頃は歯が生えているが、成体になると歯がなくなる。おそらく、ストマトスクスやヒゲクジラみたいにプランクトンを食べていたんじゃあないか」

助手「カッター!あっちにはシャスタサウルスの群れだ!」

教授「ほー・・・シャスタサウルスもショニサウルスと似た姿、大きさの魚竜だ。両方とも三畳紀の海に生息していた」

キンボスポンディルス『』スウ… …ヒュイ

助手「さすがのキンボスポンディルスも、シャスタサウルス相手には手も足も出ない、か」ハハ

>>85の図解の修正


【図解】
テチス海が発生する過程と、バシロサウルスが生息していたころのテチス海

石炭紀:http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/w-sekitan.html
ペルム紀:http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/w-perumu.html
第三紀:http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/w-dai3.html

教授「スティーブン、ステノプテリギウスだ」

助手「本当か?」ガタッ

ステノプテリギウス『』ヒュンッ…

助手「あー、本当だ」

助手「ステノプテリギウスは、後頭部が盛り上がり、腹ビレが異様に小さい魚竜だ」

助手「そういえば、妊娠化石が発見されたことでも有名だな」

教授「ああ。妊娠化石のある生物はほかにもいるから、ステノプテリギウスに限ったことじゃあないが」

教授「しかし、ステノプテリギウスの化石が発見されたおかげで魚竜が卵胎生であることが分かったんだ」

教授「もうこのあたりはいいだろう。もっと沖に移動しよう」

助手「ああ。・・・崖の上にパキケタスがいるな・・・まるで見送っているみたいだ」

パキケタス「UUU・・・」サッ サッ

ブォォオオオオオオオオオオ…

教授「ん?」

パシャァ

教授「スティーブン、双眼鏡を」

助手「ん」ス

パシ チャッ

教授「間違いない・・・ケイチョウサウルスだ」カチャ

教授「ケイチョウサウルスは中国の海に生息していた、鰭竜類だ。首の長いトカゲみたいなものか」

教授「この生物も妊娠化石が見つかっている。骨盤の関節は柔軟で大きく、成長した胎児を産めるようになっていた」

教授「ステノプテリギウスなどの魚竜やモササウルス類の次に胎生であることがわかったんだ」

バサァッ

教授「!」

???「」バサァッ

助手「あれは・・・アンハングエラか」

助手「アンハングエラ白亜紀前期の翼竜だ。翼開長は3~5m、魚類を食料にしていt」

ドバアッ!

2人「!?」

バグッ

アンハングエラ「GYA、GYAAA!?」バギ… ビギッ

ザパァアアアアン

…アア…ン

助手「・・・」

教授「フーム、あの首の長さは・・・エラスモサウルスとみて間違いはないだろう」

教授「全長は14m、首の長さは8m。つまり、体の半分以上が首というわけだ」

教授「現代のキリンも首が長いが、エラスモサウルスは仕組みが違う。キリンの椎骨はヒトと同じで7個しかないが・・・」

教授「エラスモサウルスはなんと79個!生物で最も椎骨が多く、柔軟に動いたさ。3回転半もできたらしい」

教授「これで、水中・海底、果てには空中の獲物にも襲い掛かることができたとされる」

教授「そうそう、エラスモサウルスは草食恐竜のように胃石を使っていたことが分かったんだ」

教授「これには、消化を助ける働きと、浮力調整の働きがあったんだ」

教授「コナー、遠隔操作カメラの映像を出してくれるか」

助手2「はい、教授」カタタタ ポン

ヴヴン

助手「へぇー・・・」

助手「食料になっているのはアンモナイトやベレムナイトだな。ベレムナイトは殻がある以外ほとんど現代のイカと同じで、特にコウイカに近縁だ」

助手「アンモナイトについて少し説明するか。アンモナイトはオウムガイみたいな生物だな」

助手「アンモナイトには殻があるが、成長すると殻が小さくなるので、新しく大きな殻を作ってそこに入る。前の殻は新しい殻に引っ付いている」

助手「この殻を気室というんだが・・・この気室には気体が詰まっていて、浮力を生んでいたんだ」

助手「ちなみに渦巻き型になっているのは、だんだんと気室が大きくなっていくからだ。この過程を繰り返すことによって螺旋状になるんだ」

助手「ん・・・お、異常巻きアンモナイトだ!」

助手「異常巻きアンモナイトというのは、環境に合わせて進化したアンモナイトだ」

助手「普通、アンモナイトと言われて思い浮かぶのは・・・今映っているジュラ紀後期のペリスフィンクテスとかだろう」

助手「ホラ・・・これ!ユーポストリコセラス、白亜紀の北海道に生息していた異常巻きアンモナイトだ。バネみたいだろう?」

助手「こっちは同じく白亜紀ロシアのアンキロセラス。フック状になっているし・・・こっちは白亜紀淡路島のディディモセラス。ドリルやとぐろを巻いた糞みたいな殻だ」

助手「これはボストリコケラス。ディディモセラスみたいな奴で・・・お!」

助手「近くにニッポニテスがいるな!ボストリコケラスはニッポニテスの祖先だ。見ろよ、小学生が針金をグシャグシャに曲げたみたいな姿だろ?」

助手「だが、これは不規則に曲がっているんじゃあない。U字形の殻が立体的に組み合わさって、規則的な巻き方をしているんだ」

助手「名前からして日本だけの生物のような気がするが、アメリカでも発見されている生物だ」

助手「うお・・・こりゃあなんとも気持ち悪いアンモナイトだな、確か・・・プラビトセラスか」

教授「途中で巻く方向を変えたような姿のアンモナイトだな。兵庫県で発見され、日本にしかいないアンモナイトだ」

教授「お」

メトリオリンクス『』バグゥ バリバリ

助手「ああ、ニッポニテスが・・・」

教授「メトリオリンクスか・・・ジュラ紀の海ワニだな。水中生活に適応するためワニ特有の鎧はなくなって、四肢はヒレになっている」

教授「あと、水中に適応するためにもう1つ進化している。頭骨だ。頭骨が軽量化されているのさ・・・当時は俊敏で、かなり強力な捕食動物だった」

ギロドゥス『GYA!』バキャッ

助手「今喰われたのはギロドゥス・・・横から見ればほぼ円形の魚類だ。全長は1.2m・・・現代にいたら釣りバカ日誌とかに出たかもな」

メトリオリンクス『』ガツガツ

???『』キラン

助手「!!」

???『』グワアッ

メトリオリンクス『!!!』

バグンッ

ゴボォ ゴボボォ グンッ グワッ ゴボ

助手「メ・・・メトリオリンクスが丸呑みに・・・!」

教授「おそらくシファクテヌスだな・・・白亜紀後期、ギロドゥスはジュラ紀中期から白亜紀後期にかけて生きていたから知っていた相手かもしれん」

教授「シファクテヌスは全長6mの、ブルドッグみたいな顔をした魚だ。小型のモササウルス類や4mの巨大魚さえ丸呑みにしていたんだ」

教授「ああ見えて実はニシンの仲間だ。流線形の体と幅広の尾の相乗効果で最高時速は60km、モササウルス類やサメに襲われても逃亡・反撃できたろう。水面から飛び跳ねることだって・・・」

ヘスペロルニス『』スゥウ…

助手「!ヘスペロルニス!」

助手「ヘスペロルニスは体長2m、魚を主食としていた凶暴な大型の鳥だ!だが、貪欲なシファクテヌス相手だとただの食料!」

教授「海のギャングという点において、獰猛なサメ類に並んだ唯一の硬骨魚類だ。勝ち目はない・・・」

???『』ヒュ…

2人「!!」

???『』グアッ

シファクテヌス『!?』ドガァッ!

助手「な・・・」

教授「クレトクシリナ!メトリオリンクスの血を嗅ぎつけて集団で襲ってきたか!!」

ドガッ バギッ グギャオオオオオ ズバッ ブシュ

バシャアン ドバン ボン

助手「クレトクシリナは全長6mに及ぶサメだ。単体ではシファクテヌスと大差ないが、集団になればサメほど怖いものは・・・」

教授「見ろ、クレトクシリナだけじゃあない。スクアリコラックス・・・全長5m、同時期のサメだ。いろいろサメが集まってきている」

助手「本当だな・・・あれはクラドセラケか。原始的なデボン紀のサメだ、当時はまだ生態系の頂点ではなかったが・・・」

教授「・・・ヒボドゥスまで来たな。コナー、カメラをもっと離せ」

助手2「は、はい」ウィイイ…

助手「!メガロドン!!」

教授「何!?」

メガロドン『』ヌゥゥウウウ…

クレトクシリナ『』ヒュッ

スクアリコラックス『』シャッ

教授「貫禄が違うな。獰猛なサメ達まで逃げ出すとは」

助手「メガロドン・・・正式名はカルカロクレス・メガロドンだ。かつてはホオジロザメと同属のカルカロドン・メガロドンとされていた」

助手「全長は13m、当時の生態系ではリヴァイアサンと共に頂点に君臨していた」

助手「日本の茨城県から発見された牙の化石は最大で11cm、ペルーのものは17cmあったという」

教授「当時(約1000万年前)はまだ小さかったクジラ類を襲っていたんだ」

教授「なぜそんな猛者が絶滅したかというと・・・理由は2つ。氷河期の始まりとシャチの出現だ」

教授「まず、氷河期から話を始めよう」

教授「メガロドンに近縁なホオジロザメは奇網システムという物を持つ。これは体温を高くするシステムだ」

教授「サメは軟骨魚類。当然呼吸はエラで行う。その時、冷えた海水によって動脈血は冷却されるわけだ」

教授「逆に、運動をすることによって静脈血の温度は上昇する。そして、この静脈と動脈を絡ませて熱交換を行うのが奇網システムだ」

助手「静脈の熱が動脈に移動し、動脈の温度も上がる。これで、体温を水温より5℃程度高い状態で維持できたわけさ」

助手「・・・そして、メガロドンにはその奇網がなかった。寒冷な海で生活することは不可能。氷河期によって海水温が下がったから、絶滅したんだ」

教授「それに、餌となるクジラ達も寒冷な海域に逃げ込んでいった。食料も失ったわけだ」

助手「追い打ちをかけたのはシャチだ。それまでシャチのように集団で狩りをするスピードタイプの肉食クジラは存在しなかった」

助手「シャチは哺乳類、温血動物だ。生存競争でメガロドンは不利になり、絶滅したってわけだ」

教授「しかし、この水族館にシャチはいない。メガロドンも一定の地位を保っていられるはずだ」

助手「ああ。現にキンボスポンディルスやバシロサウルスを除いて、シファクテヌスの死骸に近寄ってないからな」

助手「ただ、この水族館には―」

ザグウッ!

メガロドン『!?』ゴボォ

助手「な・・・!?」

ティロサウルス『KUAAAAAAAA・・・』ゴボゴボォ

メガロドン『VA・・・』

ティロサウルス『GUAAA!!』ドグァッ バギ グチャ ブシュウウウウウ

教授「な・・・!」

助手「この狩りの方法は・・・ティロサウルスか!」

助手「ティロサウルスは、モササウルス類の1種だ。全長はモササウルスと同程度だが、さらに獰猛な捕食者だ!」

助手「強力なアゴを持ち、ヘスペロルニス・大型魚類・カメ類・アンモナイト・首長竜のプレシオサウルス類などの化石が腹から発見された」

助手「さらには、シファクテヌスさえ集団で襲っていたクレクトシリナをも、捕食対象にしていたんだ」

ティロサウルス『GOAAAAAA!!』ベギャバキュッ ボギョ

教授「ティロサウルスの鼻は尖っていて硬く、とても頑丈だ。この鼻が損傷した化石も見つかっていることから、鼻先を獲物に突き刺して仕留めていたのではないかとされている」

教授「これを本当にしていたなら、当時の海で敵う生物はいなかっただろう。この水族館でも1番強い生物かも知れない・・・」

助手「・・・後ろにはモササウルスがいるな」

助手「モササウルスは全長16m、コモドオオトカゲに近縁だ。円錐形の牙をもち、大型の生物や硬い殻を持つ生物を捕食していたんだ」

教授「ティロサウルスとモササウルスの群れだな・・・周りの生物が逃げ始めた。モササウルス類相手には勝ち目はないからな・・・」

アーケロン『GYA・・・』バギバギ メキィ

助手「あれは全長4m甲長2.2m、ストゥペンデミスと同レベルの、アーケロンだ。あんなデカいカメも、モササウルスにはひとたまりもない」

助手「ちなみに、白亜紀後期の北米には内海があり、そこに生息していた。遠洋に進出はしなかったようだ」

助手「ストゥペンデミスもプルスサウルスに食われていたな・・・カメは食料になりやすいのかもな」

助手「このままだとしばらくモササウルス類しか見れないだろう・・・コナー、カメラをもう少し下げてくれ」

助手2「わかったよ、スティーブン」カタタタカタ

ウィイー…

助手「お・・・ギロドゥスだ」

ギロドゥス『』ガリガリ ジョリジョリ

助手「さっきメトリオリンクスに襲われていたギロドゥスだが、サンゴや貝など硬い物をかみ砕いて食べていたんだ。実際は凄い生物なんだ」

助手「そうそう、川で塩焼きにしたレピドテスも、口の中に釘の頭のような歯があって、硬い貝なんかを砕いていたんだ。両方とも硬い歯とデカい体を持っている」

助手「レピドテスは全長2mもあったし、エナメル質のウロコなんかもあったから、さばくのが大変だったな・・・そうそう、レピドテスは獲物を吸いこんで食べていたんだ。アゴを筒状に伸ばして、な」

教授「水族館の生物を勝手に食べたのか」

助手「・・・おっと、言っちゃった」

アノマロカリス『』スゥ

助手「!!」

教授「今のは・・・アノマロカリスか!」

教授「アノマロカリスは、カンブリア紀に生息していた異様な生物で・・・説明がしづらいな」

助手「ポケモンにアノプスってやつがいただろ?それを想像すればいい」

教授「かつては、前方の触手がエビ、口がクラゲと誤認されていたんだ。だから、『奇妙なエビ』と名付けられたんだ」

助手「当時のカンブリア紀には脊椎動物はほとんどいなかった。アノマロカリスは原始的な節足動物で、生態系の頂点に立っていたのさ」

助手「体格も当時の生物としてはズバ抜けている。強力な捕食者であったオパビニアやオットイアが10cm程度なのに対し、アノマロカリスは60cm。最大で1mにもなる!」

助手「しかも、繁栄の理由はもう1つある。アゴが二重構造になっていてだな・・・決してデブっているわけではない。で、二重構造になっているために、外側のアゴを開いても内側のアゴで咬んでいれば獲物に逃げられないわけだ」

助手「獲物を咥えなおす時にアゴを開かなくてはならない。そんな弱点を克服したのがこの二重構造のアゴだ!これでアノマロカリスは世界中で繁栄したのさッ!」

教授「最高にハイだな」

助手「あと、2本の触手でも獲物をホールドする。二重構造のアゴとダブル触手!これで獲物を完全に逃がさないッ!」グッ

教授「少し落ち着いたらどうだ」

助手「お・・・大分海底の方にカメラがついたな」

助手「ん?死体か?」

教授「あれは・・・体型や触手からしてラガーニアだな。アノマロカリスよりもずんぐりした体型で、触手の棘は櫛のようになっている」

教授「これはプランクトンをかき集めるのに都合がよい形だ。アノマロカリスより動きが遅いらしいし、プランクトンの群れのなかをゆっくり泳いで貪り食ってたんだろう」

助手「なぁカッター、ラガーニアの死骸に何かいないか?」

教授「ん・・・?あ、ハプロフレンティスやハルキゲニアがいるな」

教授「ハプロフレンティスは、貝に近いという説があるが、今のところ分類不能な生物だ。チョッカクガイのような殻にフタがあり、さらに触手が2本ある。泥の中の粒を餌にしていた」

教授「ハルキゲニアはイカのような軟体動物やミミズのような環形動物ではなく、カギムシと同じ有爪動物だ。死体を食べる生物で・・・今はラガーニアの死体に群がっているな」

助手「ハルキゲニアは復元図が上下逆だったってことで有名だな。背中の針が脚、腹の脚が獲物を獲る触手だと考えられていたんだ。実際、今でさえ前後がわかっていない生物だ。無理もない」

オパビニア1『』フワァ…

オパビニア2『』スゥ…

教授「・・・そのハルキゲニア達を狙って捕食者が来ているな」

教授「オパビニア・・・体長は7cm、頭には5つの目玉に、ゾウの鼻のようなチューブ状にのびた器官があった。古生物学会で発表された時は会場が笑いの渦に包まれたそうだ」

助手「あんたも笑いそうだな」

教授「今の現生動物には見られない特徴をもつからな・・・進化史上の試作品と考えられていたが。最近ではカギムシと関係があるんじゃあないかって言われているな」

オパビニア2『』ス… バグン

バクッ ボグ ガッ メシァ

モゾ モゾ

教授「・・・実を言うと、あのチューブ状の器官は口ではない。口はアノマロカリス同様体の下にあって、チューブ器官は人間の腕みたいなものだ。腕で食べ物をつかんで口に運ぶんだ」

助手「食料も多いから食べ放題だな・・・オパビニアにしちゃ天国、ハルキゲニアにしちゃ地獄だ。ま、それは・・・」

ボフッ

助手「オパビニアにとっても地獄かな?」

ヒュッ ドモン

ボンッ ボヨンッ ボム ボ…

シン…

オットイア『』ウネッ

助手「オットイア・・・10cmの捕食者だ。海底にU字形の穴を掘ってそこに潜み、獲物が近づいたら一気に飲み込んでいた」

助手「尻には8つフック状の突起があって、これを穴から出ないようにひっかけていたんだ」

教授「また、この生物は共食いをしていたとも言われている。それほどまでに凶暴で危険な生物だったんだ。カンブリア紀ではな」

助手「・・・ん、三葉虫が」

教授「ん?」

教授「あ、あれはオレノイデスじゃあないか。アイツはオットイアすら食べるぞ」

助手「えっ?」

助手「いやいや、そんなわけが・・・」

教授「見ろ」

オレイノデス『』グイッ ズルル バクバク

助手「」

教授「な?・・・もっとも、あのオットイアは小さい個体ではあるが」

ラガーニア『』ヌバァ

オレノイデス『』ビクッ

助手「・・・ん、いきなりでてきたラガーニアに驚いたようだな」

教授「アノマロカリスだと思ったんだろう。アノマロカリスなら三葉虫の鎧さえ簡単に噛み砕くからな・・・そして、落ちた破片はハプロフレンティスの食料になる」

ラガーニア『』スゥ…

ブワァ

助手「霞の中に・・・?ああ、プランクトンの群れか」

助手「さっきも言ったがラガーニアはプランクトンを食料とする。命拾いしたな、オレノイデスは」

教授「ん・・・ペロノプシスの幼体がいるぞ。ラガーニアから逃げてる」

助手「本当だな。ペロノプシスは確か三葉虫・・・うわッ!?」

教授「どうした・・・ッ!?」

教授「海底にペロノプシスの成体がうじゃうじゃと・・・!!密集してモゾモゾと動き回ると気色悪いな」

助手「そ、そういえばペロノプシスは構造が違うから三葉虫ではないとする説があったな・・・うえ、コナー、カメラ動かしてくれ」

助手「お、マルレラだな。カナダのバージェスで1番よく見つかる生物だ。三葉虫に似てなくもないが違う生物だ」

助手「頭からは1対の長いトゲが後方に突き出ている。そのトゲはCDの裏面のように周期的な微細な溝が確認されていてだな、見る角度によって色が異なる。つまり構造色だったといわれている」

教授「こっちも構造色を持った生物、ウィワクシアだ。ウロコムシに近縁で、どうやって移動したか、何を食べていたのかは不明だ。全身がウロコに覆われ、左右で対になった長い触手が上方に突き出ている」

オダライア『』スウ

教授「今のはオダライアだな。甲羅が体の2/3を防護していて、尾ビレは3つに分かれている。他の節足動物には見られない特徴だ」

ネクトカリス『』フワア

助手「コイツはネクトカリス、イカみたいな頭足類だ。元々はエビの頭と魚の胴体をもつ謎の生物とされていたが、復元図が大きく変わったんだ」

シドネユイア『』ユラァ

教授「お、シドネユイアだ!大きさは13cm、体内から小型三葉虫の化石が発見されていることから、結構な捕食者だと推測されている」

助手「・・・にしてもこの辺、カンブリア紀の生物が多いな」

助手「そうそう、なぜカンブリア紀にはこんな生物が多いか説明しよう」

助手「カンブリア紀は顕生代最初の時代だ。その1つ前は原生代最後の時代、エディアカラ紀になる」

助手「当時はベンド生物という、動物でも植物でもない生物が繁栄していた。臓器もなく、薄っぺらな形で、体は空洞で体液で満たされていた」

助手「泥中の有機物を食べてのほほんと生活していたんだ・・・しかし!」

助手「そこでカンブリア爆発が起こる!生物に眼ができたのが引き金となり、熾烈な生存競争が繰り広げられるようになった!」

助手「捕食者に発見されてもいいよう鎧やトゲが身に付き、それを攻略するよう捕食者は強力なアゴを・・・こんな風にな」

助手「そして、その究極がアノマロカリスになる・・・おっ」

フルディア『』スィイ

助手「全長40cm、アノマロカリス類だ。巨大な楯状の器官があるが、なんのためかは不明だ」

教授「発掘された化石からクラゲやナマコと思われていたが、1990年に保存状態のいい化石が発見され、真相がわかったんだ」

助手「・・・ん?」

助手「カッター、見ろよ、ミメアスターだ」

教授「へー・・・デボン紀に生息していた、マルレラの子孫だな。もしかすると、シンダーハンネスもいるかもな」

シンダーハンネス『』シャアッ

教授「・・・おいおい、噂をすればなんとやらか」

助手「シンダーハンネスはアノマロカリス類の子孫で、デボン紀に生息していた。全長10cmと小柄だが、捕食用の触手など、面影もある・・・コナー、シンダーハンネスを追跡しろ」

ウィィ…

ファコプス『・・・』

教授「おおっ、ファコプス!三葉虫だ!」

教授「こいつは体をダンゴムシのように丸めて外敵から身を守っていた三葉虫だ。いやぁ、シンダーハンネスを追いかけたら、同じデボン紀の生物がいたな」

助手「カッター、よく見ればここらは三葉虫のたまり場のよーだ」

助手「そうだ、三葉虫にはこんな話がある」

助手「ある三葉虫が食料の蠕虫を探すため体の半分を埋めて進んだ・・・そして、蠕虫を食べた三葉虫は休んだ」

助手「そこに海サソリが襲ってきて、三葉虫は急いで逃げた・・・ここまではいいな?」

助手「三葉虫が進むと海底に跡ができる。この跡に名前が付けられているのさ!」

助手「最初に蠕虫を探しつつ進んだときの跡はクルジアナ、休憩の跡はルソフィクス、逃げた跡はディプリクニテス・・・と名がついているんだ」

教授「恐竜で言えば、足跡化石にそれぞれ名前がついているようなものだな。人間なら靴の跡だ。面白いだろう」

助手「・・・ん。パラホマロノタスがいるな」

助手「三葉虫は縦方向に中葉と2つの側葉の3つの部分に分かれているが、コイツは分かれ目が見られないんだ」

教授「あそこのナラオイアという三葉虫は体が2つの部分にしか分かれていない、これも変わった三葉虫だ。眼がなかったそうだが・・・今はバージェソキータを食べているな」

教授「バージェソキータというのはカンブリア紀のムカデのような生物で、多毛類だ。24対の脚があり、しかもそれは剛毛で、その剛毛を使って巣穴を移動していたんだ」

助手「あれはアサフス。オルドビス紀の三葉虫で、目が長いのが特徴だ」

助手「目が少し出たアサフス・コトゥルコヴィ、もう少し伸びたアサフス・インターメディウス、そして1番長いアサフス・コワレウスキーがいたんだ」

助手「土の中に潜んで、目を潜水艦の望遠鏡みたいに・・・おおっ!ディクラヌルスだ!」

助手「ディクラヌルスはデボン紀の三葉虫だ。丸くなると、トゲが四方八方に出るようになっている」

助手「こんなに多種多様な三葉虫も、ペルム紀になると・・・」

???『』ゴボォォッ

助手「!?」

助手「今のは・・・!?」

教授「キンメロサウルスだ。プレシオサウルス類のキンメロサウルス。ジュラ紀の首長竜で、全長は8mほどだ」

教授「ああやって頭を海底にあて、海底に潜む獲物を探していたんだ」

教授「そうだ、首長竜について解説しようか」

教授「首長竜は、前に見たエラスモサウルスが属するプレシオサウルス類というのが有名だ」

教授「そして、プレシオサウルス類はエラスモサウルス科とプレシオサウルス科に分岐する。もちろん、プレシオサウルスはプレシオサウルス科だ」

教授「あっちにいるのはムラエノサウルスだな・・・首の骨は44個。エラスモサウルス程じゃあないが、多いな。で・・・」

教授「今映った!これだ。これがノトサウルスと言って、三畳紀に生息していた首長竜の祖先だ。ワニみたいだろう」

教授「こっちの首がもう少し長い奴。これはピストサウルスと言って、最も原始的な魚竜だ。ノトサウルスと違って手はヒレになっている」

助手「で、プレシオサウルス類とは違う首長竜もいるんだが・・・」

助手「それは後で話そう。とにかく、首長竜は首の長さを活かして狩りをしていたんだ」

教授「ベレムナイトやアンモナイト、魚、翼竜・・・この水族館では時代はごちゃまぜになっているから、三葉虫も食料だ」

助手「ジュラ紀にはキンメロサウルスが結構な捕食者だったわけだが・・・まぁ頂点捕食者ではなかったな」

助手「うん・・・このカメラがいるのは沖。そして、ジュラ紀の頂点捕食者がいるのも沖だ。キンメロサウルスは沖で狩りをし、沖で狩られていたんだ」

教授「中には、頭骨と背骨の一部しか発見されていないキンメロサウルスもいた。捕食者に襲われて死んだんだ」

教授「全長8mのキンメロサウルスをそんな無残な姿にできる生物は・・・限られている」

助手「そろそろ来てもいい頃だが・・・」

???『』ズオッ…

助手「!」

教授「来たッ!プレデターX!プリオサウルス科で最も大きい種類だ!」

プレデターX『』グンッ

キンメロサウルス『!!!』

グアッ

ボグン

ズアッ

ザバァァァアアアアアアアアア

助手「カッターッ!あそこだ!!」サパァアア

プレデターX「GUAAAA・・・」ドボァァアアアアアン

サァァアアア…

助手「・・・」

教授「プレデターXは、まだ正式な名前が決定していない・・・だから、プレデターXと呼ばれている」

教授「頭骨はティラノサウルスの2倍の3mあり、咬合力はなんと15トン!ティラノサウルスの4倍!全長15m、体重45トンの怪物だ」

教授「そして、意外に思うかもしれないがね。あれはなんと首長竜だ」

教授「プレシオサウルス類とは違う首長竜・・・プリオサウルス類。凶暴な生物が揃う危険なグループだ」

教授「首は短く進化し、頭骨が異様に大きくなった。肉食恐竜を寄せ付けない頭部だ。ティロサウルスと同レベルにはヤバい奴だった」

助手「あそこにはクロノサウルス・・・白亜紀のプリオサウルス類がいるな。あれを見ればわかるが、プリオサウルス類の目はティラノサウルスやライオンのように、正面についている。肉食動物にはよくあることだ」

助手「クロノサウルスは全長9m、プレデターXよりは小さいが、それでも生態系のトップだったさ。まあ、プレデターXはタケノコレベルの牙がズラリと並ぶチートだったがな」

教授「あとはリオプレウロドンなんてのもいるな。夜行性で、昼は姿を見せないと思うが・・・」

クリプトクリドゥス『』シャアッ

プレデターX『』グオッ

助手「あれは・・・クリプトクリドゥスか。牙が100本以上ある全長8mの首長竜で、クリプトクリドゥス科だ。首は長いタイプだが・・・」

教授「プレデターXに追われているんだ。プレデターXは秒速5mで泳ぐ。これはキンメロサウルスより少し速い速度だ。おそらくあのクリプトクリドゥスに未来はないだろう」

プレデターX『』グパァ

プレデターX『』ゴポォ ギュン

ガブッ

ブヂッ

ドクドク

クリプトクリドゥス『・・・!!』

プレデターX『GOAッ!』ギュンッ…

クレトクシリナ『』シャアッ

プレデターX『!?』

ドグァアッ

ヒュン ヒュン ドグァッ バグゥッ

助手「な・・・」

教授「どうしたスティーブン」

助手「プレデターXがクレトクシリナに襲われているぞッ!」

教授「何?」

教授「・・・おそらく、クリプトクリドゥスの血の臭いを嗅ぎつけてサメがやってきたんだろう・・・」

教授「1体1ならクレトクシリナなんかに負けはしない・・・だが、集団で襲われたりしたら、話は別だ」

???『』ヌゥ…

教授「!」ガタッ

教授「あれは・・・!!」

助手「まさか・・・リヴァイアサンか!?」

リヴァイアサン『』グバァアアッ

教授「・・・!」コク

リヴァイアサン『』ドグァアアアアッ!

プレデターX『・・・ッ!!』ゴボォ

ザボン ザバァァアアア

ドボォオオオオオン

助手「・・・」カシャ カシャ

助手「リヴァイアサンはクジラだ。全長14m、マッコウクジラだ。ただし、マッコウクジラは下アゴにしか牙がないが、コイツは上下両方のアゴにある」

助手「牙のサイズは36cm、頭骨は3m。プレデターXにならぶ海の捕食動物だ。咬合力もケタ外れだったと言われている」

リヴァイアサン『GOAAA・・・』ガボガボ バギャ

教授「先にも言ったが、リヴァイアサンはメガロドンと同じ獲物を狙っていた。ライバル関係にあったかもしれないな」

助手「フウ・・・凄い物を見たな」コト

教授「スティーブン、そろそろ入るか」

助手「ん、ああ。そうするか」

助手「コナー、檻の用意は・・・」

助手2「もう出来てるよ」

教授「でかした」ジャカッ

助手「よっ」ザバァアアン

助手「」カチャカチャ ガチャァ

キィ

教授「よし、入ろう」クイッ

ザポォォオオオン

ギィ

ガシャン

助手『フー・・・』ゴポポ

教授『潜るのは久しぶりだ』ゴボォ

ジゴリーザ『』スゥ

助手『!』ゴポ

教授『ほう・・・間近で見るとかなり大きいな。全長6m、バシロサウルス科のジゴリーザだ』ゴボボボボ

教授『バシロサウルスは体に対して頭が小さいが、こいつは頭と胴体の比率が1:6だ。これは現代のクジラと同じ比率だな』ゴボゴボボ ピポパ

教授『コナー、もう少し檻を下げてくれるか』ピーガー ゴポポォ

助手2「了解」ガガー

ジゴリーザ『KUAAA!!』ゴボ

エオティケタス『GOA!』グバァ

教授『あれはエオティケタス・・・ジゴリーザとは違って流線型はしていない。2500万年前の、最古のヒゲクジラだ』ゴポポポ

教授『ただし、ヒゲクジラとはいえ、牙も残っている。進化の途中段階というわけだ』ゴボ

教授『また、古代のクジラの特徴を持つが、一方で現在のクジラ同様平らのアゴも持っていた。いろんな意味でハイブリッドだ』ゴボボボ

ダコサウルス『』ユラァア…

助手『!』ゴボ

助手『あれは・・・海ワニのダコサウルスか!』ゴボン

助手『ダコサウルスは、メトリオリンクスなどの海ワニとは全く違う。肉食恐竜のような厚い頭骨を持っていて、ステーキナイフのような鋸歯状の牙があった』

助手『学名は猛烈に引き裂く爬虫類という意味だ・・・その通りかもな』ゴボボ

>>124のエオティケタスはエオティオケタスの誤りでした。

助手『しかし、檻に居れば襲っては来ない。ここだけは安全圏だ。・・・しかし、遥かに巨大なエオティオケタスさえ退けるとは』ゴボ

教授『白亜紀の生物にはヤバいのが多い。プリオサウルス類のクロノサウルス、モササウルス類のティロサウルス、貪欲なシファクテヌス・・・おそらく、生物史上最も危険な海だ』ボボ

ギロドゥス『』スウ…

助手『ん・・・ギロドゥスか』

???『』ヒュッ

ギロドゥス『!!!』バギァアッ!

助手『な・・・』ゴボッ

教授『こいつは・・・!プテリゴトゥス!!』ドォーン

プテリゴトゥス『』ドォーン

教授『プテリゴトゥスは全長3mに及ぶ巨大な海サソリだ。シルル紀の頂点捕食者で、他の海サソリを寄せ付けないサイズだった』ゴポ

教授『まぁ一方で・・・鋏のパワーは5Nしかなかったという研究結果もあるが・・・シルル紀で最大の捕食動物だったということには変わりない』ゴボボ

教授『1対の大きな目と小さな目、合計4つの目を持っていたんだ。好物は三葉虫だったようだが・・・今はギロドゥスを襲ったな』ゴポポポ

助手『カッター、どうやら海サソリが群れを成しているようだ・・・ブラキオプテルスが入ってきた』ゴボボ

ブラキオプテルス1『』スィイ

ブラキオプテルス2『』フワァ

教授『本当か・・・ブラキオプテルスは世界最古の海サソリだな。オルドビス紀のイギリスウェールズ地方に生息していて、全長はたったの5cm。手乗りサイズだ』ゴボボボ

教授『入り江付近の浅瀬に生息し、最前部にある捕獲脚で小さな三葉虫や甲殻類、ゴカイ類などを捕らえて食べていたそうだ。なぜこんな沖にいるのかは分からんが・・・』ゴボボ

助手『沖はヘスペロルニスの大群がいたからな。逃げてきたんじゃあないか?』ゴボボ

教授『なるほど』ゴポ

助手『・・・ん?』ゴポ

助手『へぇ、オピペウターが紛れ込んだのか』ゴボボ

オピペウター『』カシャカシャカシャ

助手『オピペウターはオルドビス紀の三葉虫で、全長4cm。異様に大きい目を持ち、全方向を見ながら遊泳していたんだ』ゴボボボボ

助手『さて、帰してやろう』パ

助手『おいおい、レモプレウリデスまで・・・こいつも目が異様に大きい三葉虫だな。全長6cm、丁度オリンピックを開催しているロシアの三葉虫だ』ゴボボ

教授『スティーブン、メガログラプトゥスだ』ゴボ

助手『へぇ?メガログラプトゥスっていやぁ確か・・・』ゴッボボオ

教授『ああ。オルドビス紀の結構な捕食者だ。全長1m。この種類に限ったことじゃあないが、満月の夜に海岸に集合して産卵していた』

教授『月の引力で満潮が起こるからだな。・・・この海サソリはアノマロカリスみたいに、化石から別の生物(筆石)と考えられ、そのまま学名がつけられた生物だ』

教授『学名も巨大な筆石という意味だしな・・・』ゴボ

ユーリプテルス『』スォオ

教授『あれはシルル紀のユーリプテルスか。海サソリで最も長持ちした属だ。オスとメスで頭部の構造が違っていたとされる』ゴボボ

助手『体の構造から、仰向けに泳いでいたとも考えられている』ゴボ

ドリコフォヌス『』ヒュン

助手『!!』

助手『おい、見たか!?今の!』ゴボボ

助手『ドリコフォヌスは海サソリではなく、普通のサソリだ!世界最古のサソリで、海の中で生活していたんだぜ!』ゴボボボボ

教授『スティーブン、まずは海サソリとサソリの違いについて説明しないと』ゴボポ

助手『あ、ああ、そうか・・・』ゴポ

助手『オルドビス紀に発生した海サソリは、サソリとは別のグループだ。系統的地位についてはまだはっきりしていないが・・・』

助手『節足動物がまず2つに分岐し、一方がサソリやクモのグループ、もう一方がさらにカブトガニと海サソリに分岐したとする説がある』

助手『また、節足動物がウミサソリとカブトガニの2つに分岐し、ウミサソリからサソリ・クモが誕生したとする説もある』

助手『いずれにしても、海サソリとカブトガニは近縁だった。見ろ、今捕獲した生物で、パレオメルスというんだ』

パレオメルス『』フアッ

助手『海サソリとカブトガニの共通祖先。姿はカブトガニが多数の関節に分かれた感じだな』

助手『ここからブラキオプテルスやユーリプテルスに進化し、脚もヒレになっていく。そして、プテリゴトゥスにもなると尾が水平板になり、さらに遊泳能力がUPしたんだ』

助手『あと、プテリゴトゥスには鋏があったが、海サソリの鋏はカニとは違って可動部は下だ。これでカニよりも大きく鋏を開けたとされる』

教授『それに、海サソリにはクモが持つ呼吸器官である書肺を持っていた。これで陸上に進出した海サソリもいたんだ』

助手『だが、アゴを持った魚類の出現で、だんだんと追いやられていったってわけさ』

教授『まああ、海サソリが猛威を振るっていたのはシルル紀からだ。オルドビス紀にはもっと強い捕食者がいて・・・』

助手『おい!カッター!!後ろ!』ゴボォ

教授『え?』クル

カメロケラス『』ドォーン

教授『うおッ・・・』

教授『これは・・・カメロケラスだ!オルドビス紀に生息していたチョッカクガイ!オウムガイの仲間だ』

教授『その中でもコイツは最大・・・殻の長さは10m!当時最強の生物だ』

エンドセラス『』バギィ バリバリ グシャ

教授『向こうは5mのエンドセラスだな・・・メガログラプトゥスを喰ってる!硬い甲羅をクチバシで噛み砕く音だ!』

助手『カンブリア紀はアノマロカリス、オルドビス紀はチョッカクガイ、シルル紀は海サソリが頂点捕食者だったんだ』

ジャモイティウス『JYU・・・』グチ…

助手『・・・?』

助手『エンドセラスにジャモイティウスがくっついているな・・・。ジャモイティウスはシルル紀のヤツメウナギに近い無顎魚類だ。別の生物に咬みついて血を吸っていたんだ』

助手『うう・・・俺、こういう魚は好きじゃないんだよな・・・』

教授『私もだ』

???『』ズォオオオ…

教授『?』

???『』グワァアア…

教授『!!!』

教授『まずいぞスティーブン!下から襲ってくるッ!!』ゴボボボォォッ

???『』グバアアッ

エンドセラス『!?』

ドバギァァァアアアアアアッ!!

グシャッ

バギバギ バリバリ ボグ

教授『ダンクルオステウスだ・・・!咬合力は5300kg、イリエワニの4倍近く!ライオンの13倍!全長10mのデボン紀の板皮魚類だッ!』

ダンクルオステウス『』バグア

教授『鎧の厚さはなんと10cm!当時のサメさえ獲物にしていて、口の開閉速度は1/50秒!0.02秒で開閉し、獲物を水もろとも吸い込んでいた!』

ダンクルオステウス『』ギロ…

助手『はッ』

助手『まずい・・・こっちに!』

ダンクルオステウス『』グアッ

ドッグァァアアン

教授『お、檻に体当たりを!』

ダンクルオステウス『』ギュンッ

助手『こ、今度はスピードが増してる!まずい!!』グアッ

ガッグォオオオオオオンンン

教授『う・・・!!』グワラン グワラン

ダンクルオステウス『』スゥ…

ダンクルオステウス『』グオン… グオン… グォン…

助手『・・・行ったか』ハァ

教授『檻が・・・曲がる・・・とは・・・』

助手『ダンクルオステウスはデボン紀最強の魚類だ。下手をすれば史上最強かもしれない』

助手『クラドセラケも同時期のサメだが、ダンクルオステウスに立ち向かうことはできない。強すぎるんだ』

ダンクルオステウス『GOPU・・・』

ダンクルオステウス『』ゲロォォオオオ

教授『・・・ダンクルオステウスは何でも噛み砕いて食べるからな。消化出来ない物まで胃に入れる。だからああやって吐き出しているんだ』

助手『ダンクルオステウスの獲物は甲冑魚が大半、時には共食いすらする。鎧を消化することはできないからな』

ティタニクティス『』ヌウウ…

教授『あそこにいる板皮魚類はティタニクティスだな。全長は6mと巨大だったが、ダンクルオステウスみたいな凶暴な捕食者ではなかった』

教授『海底を下アゴですくって、小さな節足動物やプランクトンを濾しとって食べるおとなしい存在だったといわれている。人間でもそうだが、見た目で判断するのはよくないんだ』

数時間後・・・

キシャァァアアアア ザパァァアン バシャアァアアン

助手「フー・・・やっと船に上がれたな・・・。あれはプテラノドンだな。魚を獲って食べてる」

助手「よく映画とかでは人間を襲ってるが、クチバシの形状から人間みたいな大型の獲物は襲えない。トカゲや魚を餌にしていたんだ」

助手「さて・・・そろそろ終わるか。いっぱい大物は見れたしな」

教授「そうか。じゃあレスターにも報告しないとな」ピポパ

助手「さて・・・どうだった?面白かったか?」レスター,イマカラソッチニ…

助手「過去には数多くの生物がいたんだ。今回紹介しなかった生物もこの水族館にはいる。だが、この水族館にいない生物の方が多い」

助手「現在の生物も、過去の生物も似たようなものだ。そして未来の生物も同じだ。過去を知ることは、生物や人間のルーツや将来を知ることでもある」

助手「まぁ結局、そんなことを言っても結局は自分が好きなだけだがな」

過去の地球には面白いものがある

その中でも

生物を産んだ海

凌空への玄関口である川

これらにはさらに変わった生物がいた

そして、これからの地球でも、それは同じだろう


このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom