猫「どっかに密室殺人落ちてないかなー」 (39)




猫「もしくは大怪盗が時価数百億円の絵画とか宝石盗みにこないかなー」

猫「あるいは連続通り魔がこの町で跋扈しないかなー」

猫「そうじゃなきゃ見たて殺害勃発しないかなー」


助手「猫さん。なに物騒なことぼやいてるのかね」

助手「いくら暇だからってそういうこと言っちゃいけないよ。
   大体不謹慎でしょうが」

猫「あのバス、バスジャックされないかなー」

助手「きけよ」



チリンチリン


助手「あ、ほらお客様。びしっとしろ猫さん。そんなびろーんと伸びてないでハイ香箱座り!オーケイ」

猫「事件かな?事件かな?事件かな?」

助手「そわそわすんな。第一印象が大事ですからね、きりっとしていろ」





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主婦「あのうここって探偵事務所なんですよね?」

猫「そうやで。ゆっくりしてき」

助手「お茶どうぞ」

猫「で今日はどんな奇奇怪怪な殺人事件でいらっしゃったのですかな」

助手「だから殺人事件限定で話をすすめないの」

主婦「はい。今日は最近の夫の奇奇怪怪な行動について調査をお願いしたく……」

助手「ああ、浮気調査ですか?」

主婦「ええ。浮気調査です」

猫「はあ~~~?浮気?」

猫「ああ……浮気ね。あー旦那さん確実にコレ浮気してるぜコレ。100%の確率で浮気してますよコレ」

猫「会社の若い茶髪のOLと週3日の頻度でしっぽりいってんな~~コレ」

主婦「えっ!!まだ何も調べてないのに分かるんですか!?安楽椅子探偵的な推理力ですか!?」

猫「そう。または勘とも言う」

助手「あるいは適当とも言うだろうね」

猫「とっとと離婚届出せよ。ろくな男じゃねーよ。若い姉ちゃんとアンタじゃ確実に負け戦だよ」

猫「そうでなきゃ、浮気相手を密室で殺しちゃえよ」








助手「猫さん。あんたどんだけ密室殺人に執念があるのかね。いい加減にしろマジ」

助手「この主婦さんは本当に困ってるんだよ。ちゃんと話を聞きなされ」

猫「だってさ!僕はコナンとかホームズとかクリスティとかに憧れて探偵になったのにさ!」

助手「クリスティは作家だろ」

猫「来る日も来る日も浮気調査やら不倫調査やら、もう日本の結婚観念はどうなってるのかなーっ
  死が二人を別つときまで愛を誓ったんじゃねーのかよ!だったらもう結婚するなよ!」

猫「とにかくクソつまんない仕事ばっかりでもう僕うんざり!寝ていい!?」

主婦「ひい、浮気調査をお願いした張本人が目の前にいるのに暴言吐きまくるとは、この猫さんやりおる」

助手「もー!猫さんソファで爪バリバリしないでほしいね!ちゃんと座って!」

猫「うるせい爪バリバリしたくもなるわい!もうやだー!殺人事件ほしいよ~~!」

助手「だからそんな物騒なお願いをするな!」

助手「すみませんね主婦さん。ちゃんと依頼は受けるのでお話聴かせてくださいな」

主婦「もうこっちの助手さんの方が探偵なんじゃないかって思えてきた……」

主婦「はい。実は最近夫の様子がおっかしくって」







助手「ははあ、以前まで全然携帯電話いじったりしてなかったのに
   最近やたら携帯を見てはニヤニヤしていると」

主婦「そうなんです。暗証番号までかけはじめて、絶対何か隠してます」

猫「すぴすぴ」

助手「寝るな。 で、出費も激しいんですね」

主婦「これまで趣味なんて釣りくらいしかなかったのに、最近すごいお金使ってるみたいなんです」

主婦「そして……極めつけは夫の書斎です。
   自分が出かけるときは鍵をかけて行くんですよ」

主婦「私には絶対に入らないようにきつく言ってくるんです。おかしいですよね?」

助手「うーん怪しいな」

主婦「Shit!許せません。20年連れ添った末に浮気だなんて、
   夫をアイアンメイデンに入れるまで私の気はおさまりませんよ」

猫「むむ……書斎に鍵をかけていく……だって?」

助手「やや猫さん、何かピンときましたかね」

猫「これは殺人事件の匂いが香ってきたね?」

助手「気のせいレベルの微香だね」

猫「いいや間違いないよ。そのハゲは書斎にバラバラ死体を隠してるよ」

猫「よし、その依頼受けました!必ずや僕がそのトリックを暴いてみせますよ主婦さん!ご安心くだされ!」

主婦「夫はハゲてません」








* * *



猫「へえここが旦那の務めてる証券会社? でかいのね」

助手「高層ビルだね。バベルの塔だね」

猫「今日は旦那が家に帰るまでねっとりべっちょり尾行してやるつもりだぜ」

助手「知ってます。というか私が猫さんにそれを提案したのさ。一体だれに話しているの」

猫「君は優秀な助手だな!そこに気がつくとはね!」

猫「いいかい探偵とは常に頭の中をクリアにしていなくてはいかん。
  こう最優先事項を常に口に出して確認することが大事なんだ」

助手「なるほろ。猫さん流れ石だぜ」

猫「そうだろうそうだろう。あ!奴さんが会社の出口から出てきたぞ!」

猫「今日は残業なしか!よかったなお疲れ様旦那!今日こそ引導を渡してやる覚悟しろ!」









助手「なんだか急いでるね旦那さん。この後用事でもあるのかね。
   もし浮気相手と会うんだったら写真撮って証拠とっとかないとね」

助手「あれ?横にいた猫さんに話しかけていたつもりなのに途中から独り言になっていた」

助手「つまり猫さんがいない。どこに行ったのかな」



猫「旦那ぁ。お前の悪事はもうお見通しですぜグフフ。
  書斎に何を隠してるのか僕は全知なんですよグフフ」

旦那「な、なんだね君は突然いきなり、青天の霹靂のごとく現れよってからに!?」

旦那「わわわわわわわしは書斎に何も隠してないし!なに言ってるんだかさっぱり!」

猫「言い逃れしようったってそうはいかねえな。痴情のもつれでやっちまったのか?」








助手「猫さんや。君は『尾行』という単語を辞書でひいてみようか」

助手「なんのためにこの空に下2時間もあそこで待機してたと思ってるのかな」

助手「その2時間で私は夕飯の買い出しに出かけることも、部屋の掃除もできたんだけどな」

猫「そういえば腹が減ったな。今日の夕飯は何だ?助手」

助手「話を全く聞いちゃいねーな、このキャット」

旦那「うわあ増えた。この隙に退散だ!ヘイタクシー!」

タクシー「おう、乗りな。追われてんのかい?」


助手「ああ、逃げられた」

猫「まずいぞ。顔を覚えられた、今日を逃したら明日以降 奴は警戒して我々の前に姿を現さないかもしれねえ」

助手「顔を覚えさせたの間違いじゃないかな!」

猫「助手、追うぞ! ヘイ助手!」

助手「私はタクシーじゃねーよ。ですが合点! ヘイチャリ!」

チャリ「おう、たまたまここにあった放置自転車の俺だ。乗りな。あいつを追ってんのかい?」

助手「その通りさ。猫さんは前かごに乗るのだ。私が漕ぐ」

猫「よしきた!」

助手「いくぜ。競輪をテレビで視聴して鍛えたこの脚力を見せつけるときがきたようだ」








猫「オエーーーーーーーーー酔うーーーーーーーーーーー」

助手「ごめんな猫さん」

猫「ごめんと言いつつハンドル操作に一切の躊躇を見せない、そんな君が好きだよ僕はオエーーーー」

助手「タクシーが歓楽街に入ったよ!」

猫「会議室でなくラブホテルの一室で事件は起こったのだろうか?こりゃあR-18指定の閲覧禁止もやむをえまーい!」

助手「猫さん!私は18歳以下なんだけどどうすればいいのかな?」

猫「しまったな。僕も18年は生きてない。どうしよう」

助手「でも猫の年齢を人に換算した場合……って、その心配はいらなかったみたいだね」

助手「歓楽街を通過してタクシーは走っていく。ほかに行き先があるみたいだ」

猫「ははあなるほど!これから山奥に死体を隠しにいくんだな。野郎っ!小癪な!」

助手「死体なんて持ってた?」

猫「馬鹿だな助手は!死体なんて持って会社に行ってたら 奈良の大仏より目立つだろーが!」

猫「死体を切り刻んでミキサーにかけ、液体状にした上でペットボトルにいれて持ち歩いているに決まってる。
  それならトマトジュースに見せかけることもできるからね!」

助手「一瞬でそんなグロイこと思いつくあんたが怖いよ。
   いっそ猫さんが犯罪予備軍なのではと疑ってしまうよ」








助手「あ。タクシーが止まったよ」

チャリ「おやあの野郎、死体をあんなところに捨てるつもりなのかい」

チャリ「あそこはアニメイトだぜ」

猫「アニメイトだと……?会社帰りの40代のいい年したハゲジジイが寄るところじゃあねーな」

助手「旦那さんハゲてないよ」

助手「ははあ、でも私分かった。旦那さんの様子がおかしかったのって」

猫「ああ、僕も分かった。被害者はここのアニメイトのスタッフなんだろうな」

チャリ「全く物騒な世の中でごわすなあ」

助手「だからどんだけ殺人事件にしたいんです?違うよ、旦那さんは……」

猫「いくぞ助手!これが最後の対決だ!気を緩めずにいけよ」

猫「さあ僕を優しく抱っこして進むのだ。今自分で歩くとゲロ吐き散らかしそう」

助手「抱っこしたくなくなるようなこと付け加えるなよ」









旦那「やった、ほむほむの限定ふぃぎあを無事手にすることができた」

旦那「今日は変な連中に会ってどうなることかと思ったが、もう終わりよければすべてよし」


猫「ウワ。まじかオッサン」

助手「でも趣味は人それぞれだから、別にいいと思うけど」

旦那「うわっいる!!こいつら神出鬼没!!」

猫「なーんだ。書斎に隠してるのはオタクグッズか。最近金使いが荒いのもこういうの買ってたわけね」

助手「携帯電話を開きながら笑っていたのも、そこに保存したほむほむの画像を見ていたんじゃないのかね」

猫「Home Home? ホームズの親戚か何ぞか」

助手「浮気じゃなかったんですね。これで安心して主婦さんに報告できる。じゃあ帰ろう」

旦那「ま……待ちなさい!人を勝手に付け回して、必死に隠していた秘密を暴露するなんざ、許されぬ所業だぞ君たち!」

旦那「妻には言うな!自分でもいい年こいてほんと何やってんだと悲しくなるんだぞ。
   旦那がそんな有様の彼女の気持ちも考えろ!!」

助手「勇気を出して打ち明けてみましょうよ旦那さん。あなたその妻に浮気を疑われてますよ。
   浮気よりほむほむの方がまだいいと思いますがね」

旦那「そ……そうだろうか?」

猫「いやーー気持ち悪さで言ったら余裕でHome Homeふぃぎあの方が勝つよね」

旦那「わあああああああああ」

助手「あんた私のフォロー台無しにしてくれやがったな」








旦那「頼むう、妻には言わんでくれえ!!」

猫「アホか。こちとら仕事じゃ。労働量に見合った報酬をもらわにゃ食ってけんわ」

助手「シビアすぎるよ。鬼か」

旦那「なんでもするう」

猫「じゃあちっと密室殺人起こしてこいや」

助手「もー!そういうのはだめ!倫理に反するのでそういうキャラ捨てて頼む」



主婦「あ、あなた……!何故猫さん相手に土下座をしているの」

主婦「やはり浮気をしていたの。浮気を認めた場面なのこれは。
   分かったわ、今すぐネットで鉄の処女を購入して参る故ここにてしばし待たれよ」

助手「ちがいます主婦さん。アニメイトを血みどろ惨劇にするのは早計です」

旦那「わしの妻!何故ここに……!?」

チャリ「俺が気ぃきかせてひとっ走り行ってきたってわけよ。よう、放置自転車の俺だぜ」

アニメイト店員「お客様、店内で自転車はちょっと……」

チャリ「おう失礼失礼」

主婦「いまはスマホでどこでもネット接続できるから楽ね。ええとアマゾンアマゾン」

助手「やめてください主婦さん。ていうかアマゾンでアイアンメイデン売ってるんですか」


猫「実は以下略」

主婦「Oh. Home Home……夫が魔法少女ものにはまっていたとは」

旦那「わああああああああああ」








猫「まあ相手が三次元じゃなく二次元だと考えれば、これも浮気に入るやもしれんな」

猫「しかもそのHomeHomeとやら噂によれば中学生じゃないか。性犯罪者だな」

旦那「ち、ちがう!そういう目で見ていたわけじゃなくて!」

猫「性犯罪を未然に防いでやったぜ。全く嫌な世の中だー」

旦那「やめてくれー!わしをどんどん窮地に追い込むのはやめてくれー!」

猫「そろそろ眠い帰りたい」

旦那「この黒猫やりたい放題だなオイ!」

主婦「そういうことだったのね。もう、隠しごと下手なんだからあなたってば」

旦那「はぐう、断罪の時来たり」

主婦「最初から隠さないで言ってくれればよかったのに、浮気かと思っちゃったわ」

主婦「許さないわ」

旦那「ひぎい離婚だけは離婚だけは~」

主婦「……家に帰って、そのまどマギとやらを私にも見せてくれなきゃ」

旦那「!!」

主婦「どうせブルーレイDVDボックスも買ってあるんでしょ?」

旦那「初回限定版がある……!」






助手「なんだかんだ丸く収まってよかったね」

アニメイト店員「店内が真っ赤に染まらなくてよかったです」

猫「せやな。それはそれでおもしろいけどな」



主婦「ありがとう猫さん。えっと報酬はかつお節とまたたび、どっちがいいかしら?」

猫「いや普通に現金でたのむ」

主婦「はい……」



猫「よし助手。飯食いに行こう。スシローに行こう。炙りチーズサーモンが僕は今無性に食べたい」

助手「今日は外食?いいね。私もイカオクラ食べたい」

猫「相変わらずチャチなもん好きだな。炙りサーモンこそ至高だと言うに」

助手「猫さんそう言ってサーモンとガリしか食べないよね。
   サーモンメニューローテーションして10皿くらい永遠生鮭ばっかり食べるよね」

猫「そんなに褒めるなよ。君は本当に僕のことが好きだな、照れる!」

助手「どこらへんに褒め言葉を見出したのやら」






* * *




猫「僕はいま通りすがりに事件に巻き込まれるのを期待して、街を散歩中だが
  全くこの辺は今日も平和真っ盛りだなあ!実につまらん」

猫「はあーないない。どこにもない」

三毛猫「やあ探偵事務所の猫さん。何がないんだ?落し物?」

猫「どっかに殺人事件落ちてないかなーって」

三毛猫「相変わらずだな猫さん!たぶんそういうの地面に落ちてるもんじゃねーと思う!」

猫「はあーつまらんつまらん。どこぞにオリエント急行ばりの事件ないかな」

猫「そして誰もいなくなっちゃうような事件ないかなー」

猫「森博嗣的な手間ヒマかかりすぎる密室殺人ないかなー」

三毛猫「ないものねだりもここまで来ると感嘆ものだぜ!」

猫「そういえば君のところのマッドな博士は最近どう?」

三毛猫「ああ あいつ?今日もトチ狂ってる」

三毛猫「この間俺を箱の中に入れようとしてさ。なんか実験だか何だかで。
    ムカついたから博士を箱に入れてやったわ」

猫「まじかー。もしどっちか死亡してたら僕の出番だったのになあ」

三毛猫「残念そうにすんなよ!目が本気でこええよ」

猫「じゃあシュレーディンガー博士によろしく。さらば」

三毛猫「そっちも助手さんによろしくー」








猫「たらいもー」

助手「おかえり。ちゃんと玄関マットで足ふいてね」

猫「今日も事件に巻き込まれなかった。おかしいな。
  どっかの江戸川なにがしくんは、行くところ行くところ殺人事件ばかりなのにおかしいな」

助手「なにがしくんもきっと苦労してるのさ。隣の芝は青く見えるというものだね」

助手「平和が一番だよ。ラブアンドピース。素敵だね」

猫「平和なんぞくそったれじゃ!こちとら商売あがったりですわい!」

助手「商魂たくましいね猫さんよ」

猫「ああっなんか耳がかゆいなあ!耳掃除をしてくれまいか助手!」

助手「えー。いま雑誌読んでてだりいです。自分でやって」

猫「君、助手をなんたるか分かってない!主の手助けをするのが助手だろ!」

助手「チッ……わかったよ面倒だなあもう」

猫「舌打ちしたー今ー」

助手「してませんー」

猫「したー絶対したー傷ついたー」

助手「してないもんねー」







猫「はふん……テクニシャンヌ……」

助手「変な声出さないでくれい」

猫「じゅる」

助手「ぎゃー買ったばかりのスカートによだれが。おい、いい加減にしろ猫さん」

猫「毛玉吐かれたと思えば安いものさ」

助手「よだれも毛玉もどっちも安くねーよ。誤魔化し方下手すぎだよ」

助手「だから褒めてないよ。ドヤ顔するところじゃねーよ今」


チリンチリン


魚屋「大変だよ猫さん~~ヘルプミ~~!」

猫「至高の耳かきタイムを邪魔するとは、それ相応の手土産がないと僕は怒り狂うぞ」

魚屋「殺人事件だよ!猫さんの出番だよ!」

猫「まじで!?」








猫「ようやく努力が実ったな、長い道のりだった」

助手「どんな努力だよ」

猫「さあ話せ魚屋。商店街でなかなかいい鮭を売っている魚屋!」

猫「事件はどこで起きた?いつごろ?第一発見者は?被害者は?」

助手「食いつき半端ないな。いつもそれくらいの情熱を持って仕事をしてほしいものだ」

魚屋「事件は商店街、俺の家だ。昨日の夜。第一発見者は俺の息子」

魚屋「猫さんが狂おしいほど好きだと自称する、密室殺人だ!」

猫「まじかよやべーよ。興奮する」

魚屋「そして被害者は俺だ!」

猫「ん?」

助手「え?」

魚屋「俺が密室で殺されたんだ。犯人を探してくれ猫さん!頼むよ!」









猫「……。ああ、確かによく見れば身体が透けてるぜ魚屋」

助手「どうりで……なんか今日は透明感あるなって思ってた」

猫「うるおい過多だなーって」

助手「幽霊だったんですか、魚屋さん。ご愁傷様です」

魚屋(幽霊)「そうなんだ、今の俺は霊体なんだ、全くとんだことになっちまったぜ」

助手「死人に口あり障子にメアリー」

猫「でも被害者が君ってこたあ、犯人なんて僕が探さなくても自分で分かってんだろ?」

魚屋「いや、背後からぶん殴られたんだ!犯人の姿は見ていない!」

猫「なるほど!分かったよ魚屋」

魚屋「ええっ今の聞いただけで犯人が分かったのか!?すごいぞ猫さん!」

猫「いや違う!君の依頼を受けるのを承知したという意味さ!」

猫「さっそく現場検証に行こうかね!奴は必ず現場に証拠を残しているはずだ!」








* * *



助手「あわわ、警察がいる。でもそんなにおおごとにはなってないね」

猫「奴らはことの深刻さを分かっちゃいない。役立たずのスコットランドヤードじゃー!」

助手「ここ日本だけど」

警察「ちょっと君たちなんだね。いま色々事情を聴いてるから部外者は入ってこないでくれたまえ」

猫「なにを馬鹿なことを言ってやがる!僕は探偵だぞ。ここの魚屋の男に依頼を受けたのさ」

警察「ちょっと言ってる意味が分からないですね」



助手「猫さんも太刀打ちできないレベルの冷静さだったね。
   こっちのペースに全く引き摺られないとは相当の手だれ」

猫「くそったれ国家権力め。国家の犬め!だがそんなんで諦める僕だと思ってんのか?おお?」

猫「僕の勘だと風呂場の窓の鍵が開いてそうな気がするぜ。裏に回ってそこから侵入しよう」

助手「さすが猫さん、モラルの欠如半端なし」








猫「ひょいっとな」

猫「へっへーちょろいもんよ。どうした助手?入ってこねーのか」

助手「私は無理だよ。ほら防犯用の柵があって、猫さんはすり抜けることができても」

助手「そして私がいくら細いボディだとしても、物理的に無理さ」

猫「別に特別細いボディでもないと思うが」

助手「今何か?」

猫「いやなんでも。とにかく来い!ホームズだってワトソンと一緒に行動したんだからな。
  助手のいない探偵なんてただの猫だよ全く」

猫「物理的に無理なら魔法でなんとかしろー。西に住んでる魔王に弟子入りしてこいや」

助手「無茶言わんでくれい。ああもう分かりました!」

助手「物理的に無理なところだけど、レベルを上げて物理で殴ってなんとかするよ。
   猫さん、ちょっと向こうに行ってて」

猫「あいよ」



バキャッ!!



助手「やあおまたせ」

猫「器物破損に住居不法侵入か……モラルもへったくれもねえな君」

助手「あのね、猫さんにだけは言われたくないよ!!」








猫「ははん、容疑者は全部で3人……この家で魚屋といっしょに住んでた3人だ!」

助手「まず一人目、第一発見者でもある息子」

猫「貴様だあ」

息子「ひい、藪から棒すぎる。ていうか何ですかあんたら」

猫「探偵だ。君は魚屋がまだ生きてた昨日の夜に、彼と喧嘩したらしいな。
  なんでもテレビのチャンネル争いが原因で?」

猫「その喧嘩でカッとなって、魚屋が自分の部屋戻って一人きりのところを狙って
  背後からガツーンとやっちまったんかい?」

助手「チャンネル争いでそんなことまで発展するかな」

息子「言いがかりも甚だしいよ。確かにチャンネル戦争は父と繰り広げたけれど、
   そんなことはしていない!」

猫「じゃあ何故そんな喧嘩をした後に、父の部屋を訪れたんだあ
  そこで父が死亡しているのを発見したらしいがあ」

息子「父は高血圧だったから、喧嘩で頭に血が上ったんじゃないかって心配になったんだよ」

息子「それに……そのちょっと前に地震があったじゃないか。それも大丈夫かなって」

助手「わあ、疑うのも空しくなってくるほどいい息子ですね あなた」

猫「騙されるな助手! 演技かもしれねーぜオイ」

息子「なにこの猫こわい」

息子「大体、警察の人が調査して、父は事故死だと言われましたが」

猫「いいや。密室殺人だ」






猫「ここが魚屋が死んだ部屋。君がここに来たとき、ドアの鍵は閉まっていた。そうだね?」

息子「まあ、はい」

息子「ドアの外から声をかけても返事がなかったので、こりゃおかしいなと思って」

息子「ドアを蹴破りました」

助手「見かけによらず過激ですな」

息子「蹴破ったといえば……さっき風呂場を見に行ったら、防犯用の柵が根こそぎなくなってたんですが」

助手「それも息子さんが寝てる間に無意識に蹴破っちゃったんじゃないでしょうか?
   それしか考えられませんよ」

息子「ま、まじで!?そんなことしちゃってたのか俺……」



猫「でドアをぶち破ったら魚屋がうつぶせに倒れて死んでいたと。
  ふーむ。やはりお前が今ダントツで怪しいな」

助手「第一発見者を疑うのは常套だね」

猫「君が犯人だとしたら、密室に見せかけて父を殴り殺すこともできるってわけさ。
  蹴破ったというドアも、鍵を壊す真似だけしとけば警察の目も欺ける」

猫「だが僕のキャッツアイはごまかせぬと言うわけだ!!」

助手「決め台詞でましたね」

息子「だから勝手に決め付けないでくださいよ!俺は何もやってません!プンスコ」

息子「ですから事故死だって!こっちも葬儀の準備とかで忙しいんですから!んもー」







助手「事故死とするとおかしいじゃないですか」

助手「魚屋さんの死因は後頭部に強い衝撃を受けたことです」

息子「それの何がおかしいんです?たぶん地震があったときに、足がふらついて倒れて……
   打ちどころが悪くて、俺の父は……うう」

助手「それなら仰向けに倒れてないと変ですよ。後頭部打ったなら」

猫「だが死体は仰向けで発見された……ううむおかしいぞ!未曽有の事態だ!」



助手「猫さん。二人目の容疑者に話を聞く前に、現場検証を先にしようよ」

猫「いい考えだ。今日もナイフのように鋭いインスピレーションだな助手よ」

助手「いえ、けっこう普通のアイディアです」

猫「ややっこれは……!?」

助手「なに?」

猫「ペロッ……これは、青酸カリだ」

猫「ぺろぺろ……甘い。うまいな……ぺろぺろ……」

助手「死ぬぞ」








助手「某コナン君の漫画によると、青酸カリはアーモンド臭がしたりしなかったりするんじゃ?」

息子「そんな曖昧な匂いなんですかね青酸カリって」

猫「確かに……
  そうすると、江戸川なにがし君の知識が間違っているか、僕が間違っているのか……」

猫「甲乙つけがたし!フィフティフィフティだな」

助手「100:0で猫さんの有責だと思うんだけどどうだろう」

助手「この黒い液体は一体?息子さん」

息子「これは父が生前、魚より大好物だったおしるこです。
   魚屋を開くか、おしるこ屋を開くか相当迷ったそうですね」

助手「魚より好きだったならおしるこ屋開けよ」

息子「1年前のおしるこ大食い選手権でも優勝して、純金製のトロフィーもらってましたよ。
   確かここに……あれ?ないなあ。どこ行ったんだろう」








猫「二人目の容疑者!魚屋の奥さん、あんただ」

奥さん「わ、わわわわ、わわわたたししはななな何もややややってないわ!!」

助手「見るからに怪しいぞ!推理イージーモードだね」

奥さん「うっ……うっ……ごめんなさい……」

猫「僕のキャッツアイはどんな悪事も見逃さねーぜ」

助手「ええっほんとに奥さんが犯人!?」

奥さん「ある意味でそうかもしれない……
    警察の人は事故だって言ってるけど、私はあの人が自殺したんじゃないかって」

猫「なるほど。それなら密室殺人も納得がいくぞ」

奥さん「まさかあんなことになるなんて、私……うう」

奥さん「あのトロフィーはわざとじゃなかったのよ!うわーん」

助手「トロフィー?おしるこ大食い選手権の?」

奥さん「ええ、1か月前に誤って壊しちゃったの。あの人が命より大事にしているあのトロフィー」

猫「どんだけおしるこ好きなの?」

奥さん「ばれないように隠しておいたのだけど、きっと昨日発見しちゃったんだわ」



猫「でも魚屋の幽霊は自殺だなんて言ってなかったしな」

助手「でも重要な手掛かりが手に入ったよ。トロフィーが壊されていたということ」

猫「おしるこ食べたくなってきたな。今日の夕飯はおしるこにするか」

助手「猫さんや。集中力がきれかかってきてるぜ」






助手「三人目の容疑者は、今日店に出される予定だったマグロ」

猫「貴様だあ」

マグロ「やってないヨー」

猫「いいや、貴様は容疑者の中で最も魚屋殺害に至る動機を持ち合わせている!」

猫「魚屋を殺してしまえば、店で売られることもなく君は自由の身だ」

猫「だから……やってしまったのか?吐け魚オイ」

マグロ「恫喝だヨー」

マグロ「マグロ歩けないヨ」

猫「一理ある」

助手「あるね」

猫「君は容疑者から外そう」

猫「君には犯行が無理だな!」

マグロ「無理だヨー」








猫「容疑者は二人か。やっぱ息子が一番怪しいな」

助手「いえ、変ですよ」

猫「ん?」

助手「息子さんが犯人だとしたら、何故わざわざ現場を密室にしたのかよくわかんない」

助手「魚屋さんを殺したいなら、密室なんかにしないで、むしろ窓とかバーンと開けて、
   強盗とか変質者のせいにしちゃえばいいのさ」

助手「密室なんて自分に疑いがかかるようなことわざわざしないで」

猫「そこに気づくとは助手、君も天才か?」

助手「はい。私が天才であると気づくなんて、猫さんも100年に一度の天才かな?」

猫「そうだ」


助手「現場を密室にするメリットと言えば、被害者を自殺に見せかけられるということがあるね」

猫「じゃあ奥さんが容疑者の中で最も怪しくなってくるな」

猫「我々に魚屋は自殺かもしれないということも吹きこんできたしな!」

猫「腹減ってきたな」

助手「でもそうだとすると、現場をもっと自殺らしく演出してないのが不自然だよ。
   遺書とかつくったりなんだりしてもいいはず……」

助手「ていうか後頭部打って自殺って、どんな自殺方法だよって感じだしね。やり辛すぎんだろ」

猫「もう一回現場に戻ろうじゃないか」






猫「僕の勘によると、やはりこのおしるこがキーだと思うんだぜい」

猫「ぺろぺろ……むむ!これは……」

猫「全ての謎が解けたぞ助手!」

助手「じゃあ夕飯の買い物しにスーパー寄ってから帰ろうか」

猫「おう」






* * *



猫「たらいもー」

助手「たろいもー」

魚屋「猫さん、助手さん。どうでした!?犯人見つかりました?」

猫「まあ待て 焦るでなーい!これから僕のどっちの推理ショーがはじまるんだ」

助手「わーぱちぱち」

魚屋「いえーいぱちぱち」

猫「魚屋は昨日の夜、息子とテレビのチャンネル争いをした後、怒って自分の部屋に引っ込んだ」

魚屋「そうだ!あのときの俺はかなり怒髪天きてたぜ」

助手「おとなげねえ」

猫「そのとき、かなりドスドスと足音をたてて2階に上がったんじゃないか?」

魚屋「ううむ、たぶんそうだったかもしれない。あんまり覚えてないが」

猫「それで、自分の部屋に入って鍵を閉めた」

魚屋「ああ。息子が入ってこないようにな!
   全く俺はまどマギが見たかったのに、あいつときたらニュースが見たいと言うものだから」







猫「それで自分の部屋で大好物のおしるこをどんぶりで食ってたんだろ。気を静めるために」

猫「高血圧だけじゃなく糖尿病も併発すんぞ、魚屋」

魚屋「もう死んでるから問題ない」

猫「一理ある。 で、そのおしるこヘブン状態も地震によって邪魔されてしまったわけだ」

魚屋「あのクソアースクエイクめ!その罪深さとてもじゃないが測り知れねえ!」

猫「ところで君は部屋の棚に背を向けて座っていたんじゃないか?」

魚屋「うん?そうだが」

猫「やっぱりね。それから君は突然の地震に驚いて立ち上がった」

猫「そして、そのとき後頭部に衝撃をうけて即死してしまったというわけだ!」


猫「その犯人とは、コレさ」

魚屋「こ、これは!」

魚屋「おしるこ選手権のトロフィー……の一部!」

魚屋「正確に言うと、おしるこの餅をかたどった握りこぶし大の純金製の物体!」

助手「トロフィーどんだけでかかったんだよ」






猫「そうさ。トロフィーは元々、一見小学校の運動会とかでよくある、
  ゴブレットみたいな形だっただろうね」

魚屋「そう、その器におしるこがたっぷり入ってるようなトロフィーだった」

助手「奇抜だ」

猫「しかし話は一か月前に遡るが、君の奥さんがそのトロフィーを間違って壊してしまったのさ」

猫「餅の部分と器の部分がそれで分断されてしまった。慌てた奥さんは壊れたトロフィーをある場所に隠した」

猫「そうさ……君の背後にあった棚の上にね!」

助手「わーお」

猫「魚屋は2階にあがるときかなり荒っぽく階段をのぼったんだろ?
  その振動でトロフィーはちょっとずつ前方へ動いていたんだ」

助手「純金製のこんなでかいものを動かすとか、家半壊しそうな勢いで階段のぼってたんだね」

猫「まあそれだけならこんなことにならなかったろうさ。
  でも運が悪かったね……昨日その後大きな地震があったものだから」

猫「危うい位置にあったこの餅が、立ちあがった魚屋の後頭部にヒットしちまったんですわい」

魚屋「ひゃーお!なんちゅーこっちゃ!おしるこに殺されるなんて!」









魚屋「しかし待ってくれ猫さんよ。俺が幽霊として目覚めたとき、
   この餅トロフィー、略して餅トロは俺の周りになかったぞ」

魚屋「君は一体どこでこれを発見したんだ!」

猫「それはね魚屋、君が生前食っていたおしるこのどんぶりの中さ」

魚屋「なんだってー!」

助手「無駄に技巧こった餅トロだからね、見た目は色も形も質感も餅そのもの」

助手「魚屋さんが気づかなかったのも致し方なしというものです」

魚屋「そうだったのか……」


魚屋「ありがとう猫さん。助手さん。でも家族が犯人じゃなくてよかったよ」

猫「密室殺人ではなかったが、なかなかだったぜ」

猫「僕の灰色の脳細胞もたまに使ってやらないと腐っちまうからね!」

魚屋「報酬はうちのサーモンでいいかい」

猫「いいよ。今度もらいに行く」

魚屋「待ってるよ」


助手「死んでしまったわけですけど、あまり気を落とさないでくだされ魚屋さん」

助手「幽霊になって人生は終わったけど、霊生これからじゃないですか」

助手「今からおしるこつくるんで食べていってくださいな」

魚屋「嬉しいな。ありがたや」

魚屋「落ち込まずにこれからも頑張るよ」








* * *


猫「おっぱい」

助手「猫さんよ。目覚めの一言がそれか?セクハラかテメー」

猫「間違えた。おはようって言ったつもりだったんだが」

助手「許す」

猫「おはよう」



猫「非常食もおはよう」

マグロ「おはヨー」

助手「水槽奮発しちゃったね。でもこれアクアリウムっていうの?なんかいいね」

猫「アクアリウム兼 非常食保管庫だな」

助手「マグロって泳いでないと死んじゃうって聞いたけど、大丈夫なの?」

マグロ「切り身だから平気ヨー」

助手「なるほろ。便利だ」



猫「じゃあ僕は今日も事件を探しに町を探索に行ってくんぜ」

助手「行ってらっしゃい」







商店街


魚屋「よう猫さん。今日も事件探してんのか?」

猫「でもなかなかないねー。商店街にもしかして売ってたりする?」

魚屋「まだ入荷されてないな。ごめんよ」

猫「君は幽霊になってもここで働くのかい」

魚屋「まだ息子は学生だしな、とりあえず卒業するまで」

猫「そっか。また殺人事件の被害者になったらうちの事務所までよろしく。じゃあね」

魚屋「滅茶苦茶縁起の悪い別れのあいさつされた!参っちまうね!」



猫「事件ないかなーないかなー」

猫「私、気になります!って黒髪の女の子が言うような事件ないかなー」


音大生「あー!猫さーん!猫さん散歩中?こんにちはー!」

医大生「やあ猫さん。今日も事件を探してるの?活動的だね」

猫「おう少年少女。その通りドラマティックかつ刺激的な事件を探しているのさ。心当たりある?」

音大生「そんなほいほい事件があったらたまんないよ。今日も町は平和だよ!」

猫「嵐の前の静けさか……」

医大生「変なフラグたてるのはやめてくれよ……なんもないって」






猫「さよならドビュッシー的な事件、音大で今ブームになってねーの?」

音大生「事件はブームになるものじゃないよ!ちょっと猫さんの常識おかしいよ」

猫「おやすみラフマニノフ的な、超高いヴァイオリンが盗ませたりする事件は?」

音大生「いやだからないよ!今日の猫さんは随分食い下がってくるなあ!」

猫「じゃあ、医大の方でチームバチスタ的な、アレやこれやの謎の連続医療ミスとかは?」

医大生「チームバチスタ的なチームもいないし、医療ミスもないよ」

猫「カ~~ッ おめーら何のために大学いってるわけ?正気を疑っちまうなあ」

医大生「ひどい言われよう」

猫「まったくつまらんなあ」

音大生「ごめんね」

猫「謝るくらいならあごの下をなでてくれ」








猫「ん~~……ここちよい!許す!」

医大生「ところで猫さん。最近あそこの美術館で起こったこと知ってる?」

医大生「もしかしたら猫さん好みかもしれないよ」

猫「なに?知らんがな。教えろー」

医大生「いま外国からすごい有名な絵画があそこに来てて、近々展覧会が開かれるそうなんだけど、
    怪盗からの予告状がこの間届いたそうなんだ」

猫「えーーー!?なにそれ!それを早う言わんかい!!テンションあがってきた」






音大生「それ私も知ってる。その絵画を絶対盗んでやりますよーって書いてあったやつでしょ?」

医大生「そうそう。でもいつ盗むかとは書いてなかったから、
    警察も警備をどうするか迷ってるみたいだ」

医大生「大多数の人は悪戯なんじゃないかって思ってるらしいけどね」

猫「悪戯なわけあっかよ!」

猫「絶対そいつ、江戸川なにがし君のライバルの怪盗キッドだわ」

音大生「その可能性は限りなく低いと思うよ」

猫「いや、僕の勘がそう告げている!そうじゃなきゃルパン三世だ!」

猫「こうしちゃいられねー、僕は探偵事務所に戻らねば!」

猫「さらば学生ども、しっかり勉学に励めよ!」

医大生「猫さんも頑張って」

音大生「ばいばーい」




短いから次で終わります
今日はとりあえずここで終わり

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