ありゃミスった

どっかの地下室

メガほむ「ハァ…ハァ…！」

そっくりほむら「ムー！ムー！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

メガほむ「私と同じ魔法少女で似た魔法を使って、私の顔にそっくりな人を見つけたから咄嗟に捕まえてしまった…」

メガほむ「どうしよう…」ｵﾛｵﾛ

そっくりほむら「ムー！ムー！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

メガほむ「そうだ！この人と協力して鹿目さんを助けよう！」

そっくりほむら「ムー！」

メガほむ「…簡単に協力してくれなさそうだなぁ」

そっくりほむら「ムー！」

メガほむ「と、とにかくガムテープを外して…」ﾋﾞﾘｯ

そっくりほむ「ぶはっ！こ、この――！」

メガほむ「ごめんなさい！」ﾋﾞﾀｧｯ!

そっくりほむ「むぐぅっ！？」

メガほむ「と、とにかく落ち着いて…落ち着いて聞いて下さい！」

そっくりほむ「ムー！ムゥー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

メガほむ「落ち着かないと言うなら、お父さんが趣味で買ったこの『洗脳本』で…！」

数分後

そっくりほむ「」

メガほむ「よし」

メガほむ「なんか適当に書いてある事をしたら黙った…大丈夫かな？」

メガほむ「大丈夫…という事にしておこう」

そっくりほむ「」

そっくりほむ「！」

メガほむ「あ、目が覚めた」

そっくりほむ「………」

メガほむ「やった！大人しくなった！これで――」ﾋﾟﾘﾘｯ

そっくりほむ「ミトルゥーチェ！ジャヴァンゴ！ジャヴァンゴ！」

メガほむ「！？」

そっくりほむ「ゲビーラ！アビバ！」

メガほむ「ど、どういう事なの…！？」

メガほむ「意味不明な言葉を叫んでる何言ってるのか分からない…も、もう一回！（本で）気絶させて…」

ゴスッ！

そっくりほむ「ヴェ！」

メガほむ「よし」

―――――――――――

そっくりほむ「！」

メガほむ「あ、目が覚めましたか？」

そっくりほむ「ここは…？」

メガほむ「あ、えっとここは…なんというか、パワースポット的な所で…」ﾜﾀﾜﾀ

そっくりほむ「そうか…それより、クリスティーヌはどこだ？」

メガほむ「……は？」

そっくりほむ「クリスティーヌだよ…知らない？以前、私の下で殺しの仕事で働いてて…」

そっくりほむ「君、うちの組織のメンバーじゃｒｙ」

ゴスッ！

そっくりほむ「ヴッ！」

メガほむ「………」

数分後

そっくりほむ「あらぁ！近所の佐藤さんじゃｒｙ」

ゴスッ！

さらに数分後

そっくりほむ「私は見たのです…神の姿をｒｙ」

ゴスッ！

そしてさらに数分後

そっくりほむ「アルミ缶の上にあるｒｙ」

ゴスッ！

そしてさらにさらに数分後


メガほむ「今度こそ！」

そっくりほむ「ハッ！？」

そっくりほむ「こ、ここは…！？」

メガほむ「ここは…えっと…」

そっくりほむ「確か私はワルプルギスの夜と戦っていたハズ……」

メガほむ「！」

そっくりほむ「それで…まどかを助けられなくて…」

メガほむ（やった！成功した、かな…？）

そっくりほむ「あなたは…？」

メガほむ「わ、私は暁美ほむらと言って…」

そっくりほむ「暁美ほむら…そう、奇遇ね…私も暁美ほむらって言うのよ」

メガほむ「」ﾋﾞｼｯ

そっくりほむ「……？どうしてガッツポーズ？」

メガほむ「い、いえ！何でも！」ｱﾀﾌﾀ

そっくりほむ「それで…まどかを助けられなくて…」

メガほむ（やった！成功した、かな…？）

そっくりほむ「あなたは…？」

メガほむ「わ、私は暁美ほむらと言って…」

そっくりほむ「暁美ほむら…そう、奇遇ね…私も暁美ほむらって言うのよ」

メガほむ「」ﾋﾞｼｯ

そっくりほむ「……？どうしてガッツポーズ？」

メガほむ「い、いえ！何でも！」ｱﾀﾌﾀ

そっくりほむ「それにしても私はどうしてこんな所で椅子に縛り付けられてるのかしら…？」

メガほむ「え、えっと…あ！キュゥべえ！キュゥべえがあなたを捕まえたんです！」

そっくりほむ「キュゥべえが！？」

メガほむ「そう！キュゥべえがあなたを睡眠薬で眠らせて拉致監禁して……！」

そっくりほむ「インキュベーター…！卑劣な事を…！」

メガほむ（よし！）

そっくりほむ「ところであなたは？」

メガほむ「へ？」

そっくりほむ「あなた…今までの時間軸で見なかった娘ね…しかも格好も顔も声も私そっくりで…」

メガほむ「た、ただの通りすがりの魔法少女ですよ……」

そっくりほむ「……」ｼﾞｰ…

メガほむ（うっ…疑われている…！）

メガほむ（こうなったら、もう一回本で殴ってリセットして……）

そっくりほむ「……そうだ」

メガほむ「え？」

そっくりほむ「ねぇ、あなた…協力して欲しい事があるの」

翌日　　　学校



早乙女「って事で、今日は転校生が来ています」

早乙女「入って来てらっしゃい」

ガララッ！

メガほむ「……」ｽﾀｽﾀｽﾀ

早乙女「それじゃあ自己紹介を――」

メガほむ「」ﾀﾞｯ!

早乙女「？」

まどか「え？」

メガほむ「鹿目さん！私も魔法少女になったよ！」ｶﾞｼｨ

まどか「」

さやか「」

仁美「」

早乙女「」

シィ――――――――――――――――――ン・・・

カチッ！

メガほむ「ハッ！？」

早乙女「それじゃあ自己紹介を…あぇ！？」

そっくりほむ「……あなた、何を考えてるの？」

メガほむ「あ、あれ？あれれ？」

そっくりほむ「第一印象がそんなんじゃ変な娘と思われるじゃない」

「何だあれ？」

「コスプレ？」

さやか「うわぁ…」

まどか「」

仁美「」


ざわざわざわ・・・


メガほむ「ど、どうして？あれ？あれれ？え？時間停止魔法じゃ…」ｵﾛｵﾛ

そっくりほむ「『次は』ちゃんとするのよ」

カチッ！

早乙女「それじゃあ自己紹介いってみよー！」

メガほむ「……！？」

早乙女「……？どうかしたのかな？」

メガほむ「あ、い、いえ…あ、暁美ほむらです…よろしくお願いします」


パチパチパチ・・・

早乙女「暁美さんは心臓の病で病院に入院していて―――」

メガほむ「あ」

早乙女「それで…ん？」


そっくりほむ「ジー…」

メガほむ「♪（やりました！ちゃんと自己紹介出来ましたよ！）」ﾌﾘﾌﾘ

そっくりほむ「」

早乙女「どうしたの？どこに手を振って…あら？廊下に暁美さんが…もう一人？」


カチッ！


早乙女「――って事で、皆さん仲良くしてあげてね！」

「「「はーい！」」」

メガほむ（あ、居なくなってる……）

女子生徒Ａ「ねー、暁美さんって前はどこの学校だったの？」

女子生徒Ｂ「部活とかやってたの？」

メガほむ「……」ｵﾛｵﾛ

カチッ

先生「えー、それでここはこう解いて……」

メガほむ「！？」

メガほむ（今度は時間が『進んだ』！？い、いや…それよりも…！）

メガほむ「私と鹿目さんが親しくなるキッカケとなった場面まで飛んでますけど！？」ｶﾞﾀｯ!

先生「！？」

まどか「」

そっくりほむ「あら、そうだったの？ごめんなさいね」ｶﾞﾗﾗｯ

さやか「うわぁあああ！？転校生が二人！？」

仁美「こ、これは…大統領の攻撃ですわ…！」ﾜﾅﾜﾅ…

メガほむ（洗脳…というか記憶の改竄がイマイチ甘かったかも…）

そっくり「それじゃあ『戻す』わ」

カチッ！

女子生徒Ａ「ねー、暁美さんって前はどこの学校だったの？」

女子生徒Ｂ「部活とかやってたのー？」

女子生徒Ｃ「ていうかどんな学校だったのー？」

ワラワラワラ・・・

メガほむ（こ、ここに戻るのかぁ…でもこれで鹿目さんが私に話しかけて来るハズ）

まどか「暁美さん、保健室行かなきゃいけないんでしょ？場所分かる？」

メガほむ（来た！）

メガほむ「分からないです…」

まどか「じゃあ案内してあげるね！私、保健係なんだ。みんなごめんね？暁美さんって休み時間には
保健室でお薬飲まないとけないの」

女子生徒Ａ「あぁ、そうだったの？ごめんね、引き止めちゃって」

女子生徒Ｂ「暁美さん、また後でね」

メガほむ「……」ﾎｯ

廊下


まどか「ごめんね、みんな悪気はないんだけど…転校生なんて珍しいからはしゃいじゃって」

メガほむ（……あ）

そっくりほむ「」ｺｲｺｲ

メガほむ「ちょっ、ちょっとごめんなさい、トイレ…行っていいですか？」

まどか「うん」


バタンッ


まどか「♪」


キィィィ・・・


まどか「えっ！？」

メガほむ？「……」ﾊﾞﾀﾝ

まどか「え、えっと…随分早かったね？」

メガほむ？「そう…？ボーッとしてたんじゃないの？」

まどか「あれ…？雰囲気変わった？」

メガほむ？「気のせいよ」

まどか「口調も…」

メガほむ？「気のせいよ」

―――――――

メガほむ？「……」ｽﾞｶｽﾞｶｽﾞｶ

まどか（あ、歩くの早いし、こっち保健室じゃないし……）

メガほむ？「……鹿目まどか」

まどか「え？ど、どうして名前を……」

メガほむ？「自分で名前を言ってたわ」

まどか「え？そうだっけ？」

メガほむ？「言ってたわ」

まどか「うーん…言ってた気が…」

メガほむ？「…あなたの人生は尊いと思う？家族や友達を大切にしてる？」

まどか「え、えっと…私は…大切だよ？友達も家族もみんなも…とても大好きで大切だよ？」

メガほむ？「本当に…？」

まどか「本当だよ…？嘘なんかつく訳ないじゃん…」

メガほむ？「そう、もしそれが本当なら―――あ、チッ」

まどか「え？」

メガほむ？「……」ﾊﾟｧｱｱ…

まどか「ま、魔法少女――！？」

カチッ！

女子トイレ

メガほむ「あ、あれ？」

そっくりほむ「しまった…あのセリフは魔法少女になっていない前提のセリフだった」

そっくりほむ「私が魔法少女に変身したら、まどかは反応したから…契約済みね」

メガほむ「え？魔法少女になってたら駄目なんですか…？」

そっくりほむ「駄目に決まってるじゃない、まどかは契約させてはいけない…契約した後じゃ無意味よ」

そっくりほむ「まぁいいわ、二重人格キャラで行こうと思ったけど結構無理があったし……かなり戻るわよ」

カチッ

夜　　まどかの家前


そっくりほむ「ここね？まどかの家は」

メガほむ「そうです」

そっくりほむ「……しかし何かしら？この記憶の断片が抜け落ちたような感覚は…まどかと会った時、何故か初対面みたいな感じがして…」

そっくりほむ「まどかの家も初めて見るし――」

メガほむ「ここで何かをするんじゃなかったんですか！？偽ほむさん！」

偽ほむ「偽……でも不思議と嫌じゃない…私は本物の暁美ほむらなのにどうして―――」

メガほむ「あ！キュゥべえが来ましたよ！？」

偽ほむ「！」

キュゥべえ「」ﾃｸﾃｸ

メガほむ「どうするんですか！？このままじゃ家に入ってしまいますよ！？暁美ほむら、アダ名は偽ほむさん！」ﾋｿﾋｿ

偽ほむ「アダ名が偽ほむって…まるであなたが本物みたいな―――」

ゴスッ！

メガほむ「私が『基本』です！私が『本物』です！あなたは私の影…あなたは偽者だけど暁美ほむら、アダ名は偽ほむ…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ…

偽ほむ「は！？」

メガほむ「それで、どうするんですか？」

偽ほむ「え？えぇ…何かしら…？何か頭痛が……まるで分厚い本で殴られたような痛み…」

メガほむ（ふぅ……）

――――――――――――

キュゥべえ「ぎゅぷい！」

偽ほむ「よし、捕まえたわ」

メガほむ「やりましたね！」

偽ほむ「私はコイツを始末するから、あなたは上がって窓からまどかに警告してきて」

偽ほむ「……窓からまどかに…」

偽ほむ「………」ﾆﾍﾗｯ

メガほむ「む、無理ですよ！」

偽ほむ「馬鹿、声が大きいわよ。早く、コイツは私に任せて」

メガほむ「は、はいぃ…！」

まどかの部屋

まどか「何か騒がしいなぁ…」

メガほむ「あ、あのぉ…」ﾋｮｺ

まどか「」

メガほむ「あ、あの！私、全然怪しい者じゃないんです！」

まどか「」

メガほむ「鹿目さんと同じ中学生で…あ、そうだ！明日鹿目さんの中学校に転校するんです！」

メガほむ「今度こそ鹿目さんを守ってみせますから安心してください！」ｶﾞｼｯ!

まどか「」


偽ほむ「……」

キュゥべえ「誰だい？君達は？」

明日　学校


早乙女「それじゃあ自己紹介行っちゃってー！」

メガほむ「暁美ほむらです！よろしくお願いします！」

まどか（昨日の夜に会った…！？どうして私がこの教室に居るって分かったの…！？）

メガほむ「」ﾆｺｯ

まどか「」ｿﾞｸｯ!





偽ほむ「もう後はあの娘に任せましょう…魔力もそろそろ危ないし…」

休み時間

メガほむ「ねぇ鹿目さん！」

まどか「え？な、何…？」

メガほむ「ちょっと気分が悪いから保健室に案内してくれる！？」

まどか「え、あ、いや…ど、どうして私が保健係って…」

さやか「行ってあげなよまどか」

まどか「い、一緒に行かない？さやかちゃん？」

さやか「どうして？」

まどか「どうしてって…」

メガほむ「アァァア～～～！胸がァァ～～ッ！心臓がァァ～～ッ！」

さやか「ほら、苦しんでるじゃないか」

まどか「う、うん…わ、分かったよ…」

メガほむ「♪」

廊下

メガほむ（フフッ、やり直しが利くから積極的に話せる！もう、何も恐くない！）

まどか「……」ﾋﾞｸﾋﾞｸ…

メガほむ（でも…ちょっと流石に積極的過ぎて怯えさせたかな…？何故か案内する鹿目さんが私の後ろに付いて来てるし…）

メガほむ（まぁ、偽ほむさんが時間を巻き戻してくれるから大丈夫だよね！）

メガほむ（なら、もっと積極的に攻めれる！）

メガほむ「鹿目さん！」

まどか「な、何！？」ﾋﾞｸｯ!

メガほむ「魔法少女になっちゃ駄目だよ！？魔法少女になるとあなたは……」

まどか「ま、魔法少女…！？」

メガほむ「……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ…

まどか「ど、どうしたの…？何で泣いてるの…？」

メガほむ「ううん…ちょっと思い出しただけ…鹿目さんがワルプルギスの夜に立ち向かって行ったあの日の事を…」

まどか「えぇぇ……」

メガほむ「あの時の鹿目さん…本当に格好良くて…！」

まどか「う、うん！分かったから！一回落ち着こう？ね？」

まどか（誰か助けて！）