神谷奈緒「ある日のアタシ」(69)


奈緒、誕生日おめでとう!

神谷奈緒の誕生日を祝うSSです。

このSSを、奈緒とすべての奈緒Pにささげます。

うっすら地の文が入ることあり。

あと、曜日にはつっこまないよーに!


―――9月16日 深夜零時 神谷宅 奈緒の部屋

奈緒「…あ」

日付が変わった瞬間。

アタシのケータイが震えだした。

ランプはメールの受信を知らせているのに、まるで電話の着信のように長い。

奈緒「えっと…」

少し待ってから開くと、友達からのメールが何通も送られてきている。

学校の友人【なおちゃん!誕生日オメデト♪】

中学の同級生【久しぶりー。CD聞いてるよー。あ、誕生日おめでとー】

奈緒「へへっ…」

一通一通読んでいく間に、メールにもLINEにも新しいメッセージが追加されていく。

そう、今日はアタシの誕生日。

べ、別に零時になった瞬間お祝いしてくれる友達がいないか期待して起きてたとかじゃないからな!いつも日付が変わるころに寝てるだけだから!

…まぁ、ちょっとは期待もしてたけど。


朋【誕生日おめでとー!今日のおとめ座の運勢はまぁまぁだけど、恋愛運はかなりいいから、ちょっと冒険しちゃう(*^。^*)?】

紗枝【お誕生日、おめでとう。今後ともよしなに(*^^)v】

裕子【さいきっく誕生祝い!オーストラリアからお祝いですよ!どうです、0時ピッタリだったでしょう!】

奈緒「あはは、【ありがとう!でも、微妙にずれてるぞ】…っと」

ユッコなんか、海外ロケで自分のケータイが使えないからわざわざユッコPさんに協力してもらったみたいだ。

…ありがたいな。

奈緒「これで全部返したかな…おっと」

全部に返信が終わったアタシがケータイを置こうとしたとき、再びバイブレーションが着信を知らせた。

奈緒「これは…LINEか…未央だ」

地元が近いのもあって一番仲のいい未央。

だけど、その未央からのメッセージはアタシが想像していたのとはちょっと違っていた。


未央【おめでとかみやん!さっそくだけど、明日は空けといてくれてるよね?10時に事務所だから遅れないよーにっ!】

奈緒「どういうことだ?【ありがと。りょーかい。でも、なんかやんのか?】っと…」

未央からの返事はすぐだった。

未央【サプライズに決まってるじゃんかみやん!首を洗って待っていたまえ!】

奈緒「サプライズするぞ、って本人に言っていいもんなのか…?まぁいいや【そっか、楽しみにしてるぜ。おやすみー】っと」

どうやらこの辺りでお祝いメールも打ち切りみたいだ。

アタシはケータイを充電器につないで枕元に放ると、ベッドにもぐって眠りについた。

…あ、そういえば凛と加蓮からはこなかったな…あと…プロデューサーも…。


くー。


―――朝10時、CGプロ事務所

奈緒「おはようございまー…す?」

少し警戒しながら、けどなるべく勢いよく事務所に入ったアタシは、肩透かしを食らった。

いや、サプライズって言ってたし、クラッカーとか突然なったら驚くからさ。

だけど、事務所には誰もいなかった。

奈緒「あれ…なんだ、遅刻するななんて言って未央もいないじゃんか」

てか、鍵もかけないで事務所をもぬけの空にするのって危ないんじゃないのか?

それにちひろさんがいないのも珍しいな…。

奈緒「あれ?」

とりあえず事務所のくつろぎスペースに足を運んだアタシは、そこに置かれた一通の手紙に気付いた。

奈緒「『神谷奈緒様へ』って何だコレ」

アタシ宛てなら、あけてもいいよな?

プロデューサーさんの机からはさみを借りたアタシは、何も書かれていない怪しい封筒を開いてみた。

奈緒「なになに…」


『拝啓 神谷奈緒様』


『突然ですが、あなたの大切なものを預からせていただきました。』

『取り戻したければ、こちらの用意した試練に挑戦し、乗り越えて下さい。』

『なお、あなたが試練に失敗した場合もしくは本日午後七時までに最後の試練をクリアできなかった場合は』

『あなたの大切なものは戻らないことを、申し添えておきます。』

『では、健闘を祈ります。』


『怪盗ヨリフル』


奈緒「…何だコレ」

アタシのリアクションは、この手紙を見つけた時と同じだった。

そりゃそーだろ、なんなんだコレ。

アタシの大切なものって…いや、あの高い金出して買ったDVDボックスも、お仕事でご一緒した声優さんのサイン色紙も普通に部屋に置いてあったと思うんだけど…。

一応親にその辺の物が部屋からなくなってないかメールをして、アタシはもう一度手紙を眺めた。

奈緒「怪盗ヨリフルって誰だ…ってかアレか、もしかして頼子か?古澤頼子でヨリフルか?」

頼子はアタシと同い年で、この事務所に所属するアイドルだ。

確かに前のイベントで来てた怪盗コスはすげー様になってたけど。

奈緒「あとこの字、どっかで見覚えがあるんだよなぁ…」

手紙は綺麗な毛筆で書かれていた。

あやめか千鶴かなぁ…。


奈緒「未央が言ってたサプライズってこれか…手の込んだことするじゃねーか」

アタシの顔には自然と笑みが漏れていた。

そりゃ、自分の誕生日にこんな凝った演出してもらってうれしくないわけないだろ?

奈緒「どういう経緯でこうなったか知らねーけど…こうなったらとことん乗ってやるぜ!」

アタシは手紙を握りしめ、事務所を飛び出した。


よし、導入部。

実は殆ど書きあがってるんですが野暮用で続きはまたあとで。

とりあえず誕生日に立てておきたかったんです。

遅くても明日には一気に投稿しちゃうんでご容赦を。

では。


どういうことだよ…立て込みすぎワロタ…。

遅れてゴメン奈緒!完結させるで!


―――都内某所、CGプロレッスンスタジオ

ベテトレ「お、来たな奈緒くん」

奈緒「おはようございます、ベテトレさん」

ベテトレ「おはよう。それと、誕生日おめでとう」

奈緒「ありがとうございます!」

ベテトレ「10時半か…事務所で手紙を見つけてから、わりとすぐこっちに来たんだね?」

奈緒「はい、挑戦状と一緒にここの場所が書かれた地図も入ってたんで」

奈緒「ん?ってことは、ベテトレさんも何か知ってるんですか?」

ベテトレ「まぁな、未央くんが…おっと、余計なことを話している場合じゃない。さっそく最初の試練といこう」

奈緒「やっぱり未央か」

ベテトレ「コホン…はーっはっはっはっは!よくぞ来たな神谷奈緒!まずは怪盗ヨリフル第一のしもべ、このベテラントレーナーの繰り出す試練を、見事乗り越えて見せよ!」バッサァ

奈緒「なんか急に始まった!?」

奈緒「てかどこから出したんですかその赤いマント」


ベテトレ「出でよ!ダンサー怪人たちよ!」

ヘレン「ッヘーイッ!」

真奈美「失礼」

伊吹「イェーイ、おはー!」

千佳「ラブリーチカ登場!今日はあくやくだよー!」

悠貴「よろしくおねがいしますっ」

奈緒「(あれ、なんか最初からクライマックスじゃね?)」

ベテトレ「今から君にはこの五人とダンスバトルを行ってもらう」

ベテトレ「負ければ当然試練は失敗、勝てば次のステージへの道が開かれる」

ベテトレ「覚悟はいいかな?」

奈緒「いやいやいやいやちょっと待ってって!」

奈緒「急すぎて状況が飲みこめない上に相手がこの人たちって無理があるでしょ!」

奈緒「大体、5対1って!千佳ちゃんが悪役とか言ったけど完全にアタシが悪役ポジションじゃんかぁ!」


真奈美「口を挟んで悪いが、私はボーカルの方が得意だぞ?」

奈緒「全部の領域でトップの水準を維持しててその中でもボーカルが飛びぬけてるだけだろ木場さんは!」

伊吹「奈緒ちゃん落ち着きなって!」

奈緒「伊吹さんはそもそもストリートダンスめっちゃ得意だしさ!」

悠貴「奈緒さんっ、私もまだまだですからっ」

奈緒「悠貴ちゃん足が速くてめっちゃ体力あるの、アタシ知ってんだからな!」

ヘレン「ふっ…大きな壁を前にして狼狽えてしまうのもわかるわ。でも、それを乗り越えてこそのアイドルよ、奈緒」

奈緒「アンタがアタシを一番たじろがせてるんだよ!なんだよ世界レベルって!」

ベテトレ「そ、そろそろツッコミはいいかな?」

奈緒「足りないよ!てかベテトレさんもなんだよそのカッコ!普段のレッスン着に赤マントって凝るのか凝らないのかはっきりしろよぉ!」

ベテトレ「そ、そういうな、私だって結構恥ずかしくてな…」

奈緒「さっきはノリノリだったくせに…」

ベテトレ「オッホン!…まぁ、奈緒くんの主張も良くわかる。なにも一人で彼女たちと戦えとは言わないさ」


奈緒「へ?」

???「「「「そ、そう!私たちがいるから!」」」」ザッ

奈緒「お前らは…!」

千鶴裕美美玲巴「「「「私たち、恥じらい娘!!!!」」」」ヤケクソ

奈緒「フリフリの衣裳に身を包んだ四人が恥ずかしそうにこちらを見ている」

裕美「奈緒さん!私たちが協力するから!」ヤケクソ

美玲「そうだぞッ!あきらめちゃダメだッ!」ヤケクソ

千鶴「一人では無理でも、五人の力を合わせれば!」ヤケクソ

巴「ほれ、奈緒もとっとと着替えてこんか」トオイメ

奈緒「いやいやさっきよりカオスだろなんだこれてか何してんだお前ら」

ベテトレ「君はもともとソロよりもユニット向きのアイドルだからな、助っ人というわけだ」

奈緒「いや、でも、これ…えぇぇ」

千鶴「なに?なにかおっしゃりたいことでもあるんですか奈緒さん?」ギロリ

裕美「ど、どうせ、似合わないとか思ってるんでしょ…」ジロリ


美玲「ウー、なんでウチがこんな…」ギロッ

巴「おう、ウダウダ言うとらんとはようしいや」ギラリ

奈緒「わ、わかったから睨むなって!」タタッ


~着替えてきました~


奈緒「お、おいコレ…やっぱり着替えなくてもよくないか!?」コソコソ

伊吹「なーにしてんの!可愛いからはやく出てきなって!」グイッ

奈緒「ちょっと、伊吹さんひっぱらないであぁっ!」

奈緒「…これは…似合わないだろ…///」プリプリプリンセス

悠貴「奈緒さん、可愛いですっ!」

千佳「あー!あっちの衣裳いいなー!あたしもあっちが着たいかも」

真奈美「今日の主賓は彼女だからね、我慢したまえ」

美玲「なんだよ奈緒のヤツ、ヤダヤダ言う割に似合ってるじゃないかッ!」

裕美「私もあんな風に…でも…」


千鶴「うーん、やっぱり奈緒さんは自分に自信を持つべきじゃ…」

巴「それはお前にも言えることだと思うんじゃがな、千鶴」

千鶴「わ、私はそんな可愛いと思われたいだなんて!すこしくらい…て、ハッ!」

奈緒「なんだよ!なんなんだよ!いいよそんな褒めなくて!!」

ヘレン「奈緒」

奈緒「なんだよっ!」

ヘレン「ナイス世界レベル」ドヤ

奈緒「なんなんだよぉ!」

ベテトレ「さて、準備が整ったようなのでさっそく始めていこう」

奈緒「涼しい顔で進行するなぁ!こっちはまだ心の準備が…」

ベテトレ「対決はダンスバトル!お互いの魅力を存分にぶつけ合い、アイドルとしての魅力とかそんななんやかんやで相手をねじ伏せた方の勝ちだ!」

奈緒「ねじ伏せるって、アイドルには似つかわしくない物騒な単語だな!あとなんやかんやって何だよ!」


ヘレン「なんやかんやは」

真奈美「なんやかんやだよ」

奈緒「その二人が乗るんだ!?」

ベテトレ「始めるぞー。曲はコレだ」

~フレッフレッガンバレッサッイコーォ!フレッフレッガンバレッサイッコォ!

奈緒「急に!?てかなんで曲が始まった途端悪役組は真顔で踊りだすんだよ怖いよ!」

奈緒「それに千鶴たちはなんかヤケクソの笑顔満面だしあぁぁぁぁもう!」

奈緒「やるよ!やればいいんだろ!どっんっなっ種っもっ♪」







ダンサー怪人たち「「「「「キラメキラリーいちどりせっとー」」」」」

恥じらい娘「「「「「そしたらーわたしのターンっ☆」」」」」/////






~踊り終わって~

奈緒「はぁ…はぁ…それで、判定は…」

真奈美「ぐわあああああ!!」ガクン

奈緒「へ?」

ヘレン「ふっ…この、世界レベルの私たちが負けるとは…」

伊吹「見事な…アイドル力だったよ…」

奈緒「えっ、えっ」

悠貴「でもっ…油断は禁物です…っ!私たちを倒しても…っ」

千佳「第二、第三のしかくが、なおちゃんを待ってるんだから!」

奈緒「えっと…いや」

千鶴「たとえあなた達より手ごわい相手だろうと!」

奈緒「!?」ビクッ

裕美「私たちは、一歩も引かないから!」

美玲「何度だって、やっつけてやるッ!」

巴「そういうことじゃ。のう、奈緒?」


奈緒「あ、あぁ、そうだな」

ダンサー怪人たち「「「「「ナイス…世界レベル…」」」」」パタン

奈緒「どうなってんだコレ」

ベテトレ「くっ、我がダンサー怪人を退けるとはなかなかやりおる…」

奈緒「ベテトレさんも役者だなぁ」

ベテトレ「この場は引き下がろう…だが、次はこうはいかぬぞ!」

奈緒「アイドルになっちゃえば?」

ベテトレ「私はトレーナーの方が性に合っている。さ、これが次の目的地だ」

奈緒「き、急に素に戻られると驚くな…」

ベテトレ「みんな、なかなかいい出来だったぞ」

真奈美「こういう役回りは初めてだったが、存外に楽しめるな」ムクリ

ヘレン「やられ役も様になるなんて、流石は私ね」

伊吹「おつかれおつかれ!あ、奈緒ちゃん誕生日おめでとう!」

千佳「おめでとう!今度のマジカルメイドの映画いっしょに行こうね!」

悠貴「おめでとうございますっ!いいなぁ、奈緒さんも大人に一歩近づくんですねっ」


奈緒「あ、ありがとう」

千鶴「おめでとうございます。奈緒さんのこと、先輩として尊敬してますから…って私何を真面目な!」

裕美「えっと、私、奈緒さんに憧れてるんだ。勝手に親近感とか感じちゃって…それでもステージで輝く奈緒さんは素敵で…ってこんなこと言われても困るよね」

奈緒「そんなことないさ!嬉しいよ、ありがとう裕美」

美玲「フン、ウチは頼まれたから仕方なくやってやったんだからなッ!感謝しろよッ」

奈緒「あぁ、ゴメンな美玲。アタシも良くわかってないけど、未央の仕込みに巻き込まれたんだろ?」

美玲「あ…いや、本気で迷惑だったわけじゃ…その、か、可愛い服も着れたし…ウー!と、とにかく祝ってやるから喜べッ!」

奈緒「へへ…ありがと」

巴「まぁなんじゃ、たまにはこういうのも悪くないと思ったわ。たまには、な。おめでとう、奈緒」

奈緒「巴も、ありがとう」

ベテトレ「ほらほら、そのくらいにしないと時間に間に合わないぞ?」

奈緒「あれ、もうすぐ昼か…あと一体いくつ試練があるんだ?」

ベテトレ「それは今後のお楽しみだ」


奈緒「そっか…なんか怒涛の勢いで戸惑ったけど、みんなアタシの誕生日の為にやってくれたんだろ?嬉しかったよ、ありがとう!」

真奈美「ふふ、礼ならこの事件の黒幕に言うんだね。さぁ、行くと良い」

奈緒「うん!みんな、また!」タタタッバタン

伊吹「やっぱ奈緒ちゃんて可愛いよね」

裕美「うん。でも、なにか忘れてるような…」

バッターンダダダダダダダ

奈緒「着替えんのわすれてたあああああああああああ!!」バタバタバタバタ

千鶴「奈緒さん…」

巴「ご愁傷様、じゃな」


―――都内某所、キッチンスタジオ

奈緒「はぁ…なんかめっちゃ疲れた…絶対ダンスのせいだけじゃないよな…」

トレーナー「奈緒」

奈緒「あ、トレ姉さん」

トレーナー「よく来たわね、ここが次のあなたのバトルフィールドよ」

奈緒「お、おう、もう始まってるんだな」

トレーナー「少しベテ姉さんのところで押したみたいね、早速行くわよ…いでよ!お料理魔人たち!」

拓海「ったくよォ…なんでアタシが…」

時子「良いから役に徹しなさい、それでもあなたはプロなの?」

拓海「ぐっ…テメェ…自分がいつものキャラでいいからって」

時子「ハッ!負け犬の遠吠えはみっともないわね、同じ鳴くなら私の下でブタになりなさい」

拓海「ヤロォ…覚えてろよ…はぁ」スゥゥ

拓海「はーい!たくみんせんせーだよッ!」

時子「ごきげんよう、眉豚。私のことを知らないとは言わせないわよ」


奈緒「ま、眉豚って…時子さんいつもアタシのこと奈緒って呼ぶじゃん…イタッ」ピシィッ

時子「時子『さま』よ、口のきき方に気を付けなさい。私はお料理魔人の時子さま、これから貴女はどうなってしまうのか…覚悟しておくことね!アーッハッハッハ」

拓海「テメェのキャラだってどうかしてるだろーが」ボソッ

時子「なぁにか言ったかしらぁ、たくみんせんせ?」

拓海「上等だテメェ表でろ!」

奈緒「わぁぁちょっと落ち着いてくれよふたりとも!」

拓海「わ、わりぃ」

トレーナー「お前達、敵に宥められてどうするのだ!」

時子「申し訳ございませんトレーナー様」ギリッ

奈緒「あ、演技でも他人に跪くのは嫌なんだ」

トレーナー「あれ?そういえばもう一人は?」

みちる「遅れてすいません!」ダダダ

奈緒「あ、みちる」

みちる「ふぅ…ちょっとパンを選んでたら遅くなってしまいました!フゴフゴ」


時子「それはこの後使うパンでしょう?さっそく食べてるんじゃないわよ」ピシッ

みちる「あ、えへへ」

奈緒「なにが始まるんです?」

トレーナー「だいさんじ…コホン、奈緒、あなたの身柄は我々が拘束したわ。ここから出る方法はただ一つ、我々の用意した料理をすべて食べきること!」

時子「この私の手料理が食べられること…光栄に思いなさい!」

拓海「お残しはゆるしまへんでぇ!…やっぱこれアタシのキャラじゃねーよな…」

みちる「覚悟はいいですか!奈緒さん!」

奈緒「な、なんだかわかんねーけど、お祝いに手料理をふるまってくれるってことでいいんだよな?望むところだ!」

トレーナー「よし、でははじめぇ!」


~時子さまの華麗なる調理~

時子「ふふん、まさかこんなところで私の腕を振るうことになるとはね」トントン

くるみ「時子しゃん、小麦粉とパン粉の用意できましたぁ」

時子「上出来よ。あら?炊飯器のスイッチが押されていないようだけど?」

くるみ「ふぇぇ、忘れてましたぁ…」

時子「このバカっ!すぐに早炊きしなさい!」

くるみ「はぁい…」ドタドタ

時子「まったく…次は味噌だれね」

時子さまは味噌カツを作るようです。


~みちるちゃんのパン道~

みちる「ふんふーん♪かる~くつまめるサンドイッチ~♪」

みちる「あー!いい感じにできた!ちょっと味見します!」パクッ

みちる「おいしいっ!…もう一個だけ…」パクッ

みちる「二つ食べてもやっぱり美味しい!」ヒョイパクヒョイパク

みちる「フゴフゴ」

時子「様子見に来たら案の定じゃないの!」ピシィッ

みちるちゃんはサンドイッチを作るみたいです。


~たくみんせんせーのお料理教室~

拓海「今日はー、チョコレートケーキをつくりまーす!」

拓海「材料はぁ、お砂糖、スパイス、素敵なものいーっぱい!」

拓海「って…やってられっかぁ!」

拓海「大体魔人設定なんだろ?じゃあ多少荒っぽくてもいいじゃねーかよ!」

拓海「ってことで材料は下に出てんだろ、つーかテレビ番組でもねぇからそもそもこのくだりいらねーだろ」

拓海「アタシにお菓子作りなんて似合わねーんだよな、だいたい…」

ブツクサいいながら、たくみんせんせーは手際よくチョコレートケーキを仕上げました。


トレーナー「さぁ、料理ができたぞ!見事完食してみせよ!」

奈緒「言われなくても、こっちは昼時過ぎて腹ペコなんだ!いただきまーす」

奈緒「コレは…とんかつか。なんかソースが見たことないけど…あむっ」

奈緒「あ、味噌だ。味噌カツってやつか」

時子「その通りよ、よく気づいたわね眉豚」

奈緒「時子さま、その呼び方やめない?」

時子「味噌カツは私の出身名古屋の味よ」

時子「この辺のソースかつとはまた違って、まろやかで良い物でしょう?」

奈緒「うん。このカツもよく揚がってるし、ご飯が進む」

みちる「おぉっとそっちばかり食べちゃうと!こっちが入らなくなっちゃいますよ!」ドドーン

奈緒「おっと、こっちは…サンドイッチ?」

みちる「はい!王道のたまごサンドとツナサンドです!今回はデザートがあるのでフルーツサンドはやめておきました」

奈緒「じゃ、こっちも失礼して…あむ」

奈緒「ん、美味しい!」


奈緒「サンドイッチって、簡単そうで結構手間かかるんだよなー」

奈緒「でも、下ごしらえちゃんとしてるし、なによりパン自体がうまい!」モグモグ

みちる「大原ベーカリーのパンは世界一ですから!」ドヤッ

奈緒「美味しい美味しい」モグモグモグモグ

時子「ふふん、これだけ美味しそうに食べて貰えれば、作った側としても本望ね」

みちる「はい!」

拓海「おいおい良いのか?アタシら一応悪役なんだろ?」

時子「そんな設定、あってないようなものよ」

拓海「じゃあアタシのたくみんせんせーも…」

時子「キャラぐらい貫けなくてこの先どうやって芸能界わたっていくつもりかしら?」

拓海「ぐっ、テメェこの!」

みちる「あっ!拓海さんそろそろ出番ですよ!」

拓海「んあ!?くっそ時子テメェ覚えてろよ…」

拓海「…き、今日はぁ!チョコレートケーキを作ってみました!」ヤケクソ


奈緒「た、拓海さん、気持ちは嬉しいけど無理しなくていいんだぜ?」

拓海「あぁ!?無理なんかしてねーでごぜーますよ!いいからテメーは黙ってもてなされてろ!」

奈緒「あ、はい」

拓海「こちらのチョコレートケーキは甘さ控えめ、誕生日で一歩大人に近付いた奈緒ちゃんにピッタリなビター風味ですっ!」ヤッケクソ

拓海「どーぞめしあがれッ!」

奈緒「い、いただきます…あむ」

奈緒「お」

拓海「お?」

奈緒「美味しい!」

奈緒「そっか、拓海さんてホントにお菓子作りうまいんだな!」

奈緒「食べたことなかったから知らなかったよ」

拓海「…つ、作って持ってくとか、ガラじゃねーからな」

奈緒「えー、もったいないと思うけどな。拓海さんの意外な一面て感じで」

拓海「べ、別にいいよそういうの、演出したいわけじゃねーし」


トレーナー「なんだか、この二人って似てますよね、時子さん」

時子「自分をさらけ出すこともできない臆病者というところがね」

みちる「なんで恥ずかしいんですかね?ふたりとも可愛いのに」

時子「自分が魅力たっぷりだと信じて疑わないその辺のバカ女よりはましだと思うけどね。ま、イライラするときはあるわ」ニヤリ

トレーナー「それではそろそろケーキも食べ終わるようなので、二人にしめてもらいましょう!」

拓海「は?」

奈緒「てかトレ姉さんキャラぶれてないか?」

トレーナー「お、オホン!まったく役立たずな魔人どもだ!見ろ!この小娘は見事に平らげてしまったぞ!」

時子「申し訳ありません」ギリッ

みちる「ありませーん!」

トレーナー「ええいもういい!ここは突破してもまだ先がある!」

トレーナー「向井拓海、神谷奈緒よ!とりあえずここは『ばっちぐー☆』で締めるのだ」

奈緒拓海「「はぁ!?」」


トレーナー「やれ!」

時子「やりなさい」ピシィ

みちる「お願いします!」

くるみ「ふぇぇ、くるみもみたいでしゅ…」

奈緒「いやいやいやおかしいだろ!拓海さんはまだしもアタシは!」

拓海「あ、テメこの奈緒!一人だけ助かろうってのか!?」

奈緒「だってあれは拓海さんの決め台詞だろ!?」

時子「ごちゃごちゃうるさいのよ、さっさと締めなさいこの豚ども!!」ピッシィィィ!!

奈緒「ひゃいっ!た、拓海さん!」

拓海「わぁったよ!せーの…」

奈緒拓海「「ば…ばっちぐー☆」」パシャ

奈緒拓海「「…は?」」


時子「ちゃんと撮ったわね?」

トレーナー「そりゃもうばっちり」

拓海「オイ、時子テメェ今のはなんだ?」

時子「アーッハッハッハ!隙を見せた愚か者が悪いのよ」

拓海「もう勘弁ならねぇ…オラァ!表でやがれぇ!」

時子「上等よ受けて立つわ」カツッカツッカツ

トレーナー「あぁ!二人とも!とめないと…あ、奈緒、これ次の試練の場所だから。悪いんだけど急いでくれる?少し押してるのよ」

奈緒「え?あぁ、わかった」

みちる「では、残りの試練も頑張ってくださいね!お誕生日おめでとうございます!」

くるみ「ふぇぇ、おめでとう奈緒しゃん…」

奈緒「みちるもくるみもありがとうな、あの二人にもよろしく言っといてくれ!」タタッ


―――都内某所、市民公園、特設ステージ裏

ルキトレ「あ、いたいた奈緒ちゃーん!」

奈緒「あ、ルキトレさん」

ルキトレ「よかった、間に合わないかと思いました!」

奈緒「トレ姉さんもそんなこと言ってたけど、どういうことなんだ?」

ルキトレ「ゆっくり説明してる時間がないんです、着替えながらで良いですか?」

奈緒「あぁ…って、また着替え!?」ヌガセラレッ

ルキトレ「はい!奈緒ちゃんにはこれからステージに上がってもらいますっ!」テキパキ

奈緒「え、えぇ!?なんの心構えもできてないけど…」スッスッ

ルキトレ「大丈夫!ホストの人がすごく慣れてるから、任せて平気!奈緒ちゃんは歌とダンスに集中してくださいねっ!」チーッ

奈緒「き、曲目は…」ギュッギュ

ルキトレ「奈緒ちゃんがきちんとレッスンであつかったことのあるモノしかやらないから大丈夫!ほら!」キュッスッ

奈緒「なんかあっという間に着替えさせられちゃったよ」

ルキトレ「はい、マイク!良いですね?」


奈緒「な、なんだかわかんないけど、ここまで来たらやってやるさ!」

ルキトレ「奈緒ちゃん、出ます!」

PA「あい、いつでもオッケーだよー」

???「お?ゲストの準備が整ったみたいだな!じゃあみんな、紹介するぞ!出ておいでー!」

奈緒「行ってきます!」


―――特設ステージ

奈緒「こんにちはー!」

響「本日のスペシャルゲストは、シンデレラガールズプロダクションから来た神谷奈緒だー!」

\ウオオオオ!!ナオチーン!!/

奈緒「え、あ、響!?」


※この世界線の奈緒と響は仲良しです。以前書いたSSの設定を継いでいます。


響「はいさい、奈緒!元気してたかー?」

奈緒「あ、あぁ、元気だけど…なんで765の響が仕切ってるステージにアタシが!?」

響「ふっふーん、細かいことは言いっこなしさー!」

響「みんなー!実はこのサプライズゲスト、みんなだけじゃなくゲストの奈緒自身にも内緒だったんだー!」

\マジデー!?/

奈緒「あ、あぁ、アタシもさっきここに呼ばれて何が何やらわからないまんまステージに上がってるんだ」

響「これぞ究極のサプライズだぞ!それでみんな!みんなはもちろん今日がなんの日か知ってるよなー?」

\モチローン!!/

響「うんうん!今日はこの奈緒の誕生日!今からここで、神谷奈緒誕生日記念ライブをやっちゃうぞー!」

\ウオオオオオオオオ!!ナオチーンヒビキーン!!/

奈緒「う、うわー、なんかすげーことに…」


響「どーだ奈緒!驚いたかー?」

奈緒「驚いたなんてモンじゃないよ響」

響「そうだろそうだろー。奈緒は良い友達をもって幸せだな!」

奈緒「あれ、ってことはやっぱり誰かが…」

響「お、おぉっと危ない!…余計なこというとこだったぞ」

奈緒「だいぶバレバレだけどな…」

響「せっかくアイドル二人が揃ってるのに、こうやってぺちゃくちゃ喋ってるのももったいないぞ!」

響「歌って踊らないと!」

奈緒「…それもそっか。で、何を歌うんだ?」

響「今日は奈緒の誕生日!ってことはもちろん一曲目はこれだぞ!」

響「ミュージックスタート!」

~「2nd SIDE」


奈緒「あ、これアタシの…」

響「良い歌だよなー、自分すっごく気に入ってるんだ!」

奈緒「ありがとう」

響「へへへっ…それじゃあ我那覇響と神谷奈緒で」

奈緒「『2nd SIDE』!」

奈緒響「「あめのおとーにーかーくしたー♪」」


~2nd SIDE~

奈緒響「「聞いて♪」」

奈緒「ここだけの話 そうよ 夢のような気持ちを♪」

奈緒「あなたは知らない 本当のアタシ 見せるから♪」

響「おんなのココロだもの♪」

奈緒響「「このまま抱きしめて♪」」

響「口にはしないけど♪」

奈緒「先に気付いて♪」

奈緒響「「ほっしっいっのっ♪」」

\ウオオオオオオオオ!!/


~Rebellion~

響「涙の傷跡を 振りほどいて♪」

響「必死に紡いだ物語 自分が熾してきた炎♪」

奈緒「『此処にいた』と 忘れさせない証♪」

奈緒「この歌声が響くとき 輝きは永遠に♪」

奈緒「ずっとずっと♪」

響「I just spit fire♪」

奈緒響「「眠らせない♪」」


~エトセトラエトセトラ







響「楽しい時間はあっという間だな!みんなどうだったー!?」

\サイコオオオオオオオオオオオ!!/

奈緒「ありがとう!!みんな、大好きだー!」

\ウオオオオオオオオオオナオチンデレタアアアア!!/

奈緒「だ、誰だ今デレたとか言ったの!そんなんじゃないぞ!!」

響「あはは、奈緒はカンペキさー!」

奈緒「響、今日はありがとう!すっごく楽しかったぜ!」

響「そう言ってもらえたらうれしいさー!みんなもそうだよねー!」

\ウオオオオオオオオ/

響「でも、残念ながら奈緒はこのあと大変な試練に挑戦しなきゃいけないんだ!だからここでお別れ」

\エェェェェ!!!/

響「こらこら、奈緒は大事な試練があるって言ったでしょ!みんな応援しなきゃダメだぞ!」

\ウオオオオナオチンガンバー!!!/


奈緒「あはは、ありがとー!」

響「そんなわけで、ゲストの神谷奈緒でしたー!最後にもう一度、誕生日おめでとー!」

奈緒「ありがとう!またなー!」


―――ステージ裏

ルキトレ「お疲れ様でした!」

奈緒「楽しかったー!」

ルキトレ「すっごく良かったですよ!」

ルキトレ「で、疲れてるところ申し訳ないんですけど、次の試練です!」

奈緒「あ、あぁ、そうだったな」

ルキトレ「ふふ、次が最後ですから、頑張ってくださいねっ!」

奈緒「トレーナー姉妹が待ち構えてるんだからそういうことだとは思ってたけど、いよいよ終わりか…」

ルキトレ「最後の試練の場所は、事務所です。始まりにして終着点…なんかかっこいいですよね!」

奈緒「カッコいいかどうかは別として、綺麗に終わる感じだな」

ルキトレ「もうひと頑張りですから、ファイトですよ!」

奈緒「あぁ、ルキトレさんもありがとう!」タタッ


―――CGプロ事務所

奈緒「よし、これで終わりだ…」ガチャ

パァン!パァン!パァン!

みちる「パァン!?」

奈緒「うわぁっ!?」

未央「あははは!かみやん驚きすぎでしょ!」

奈緒「いや、今のはどちらかというとみちるに驚かされたような…くっそー、朝は気を付けてたのに悔しいな」

未央「ふっふー、今日は一日どうだったかな?楽しんでくれたかな?」

奈緒「あ?あぁ…いろんなとこに走り回らされて、突然いろんなことやらされて大変だったけど…」

奈緒「どれもすごい楽しかった…お前が計画してくれたんだろ?未央」

未央「へへっ、まーねー!一回こういう大掛かりなサプライズをやって見たくてさ!奈緒Pさんに相談してたんだなーこれが!」

奈緒「まったく、手が込みすぎだっての」

未央「最高の褒め言葉だね!」


未央「でもかみやん!まだ最後の試練が残ってることをお忘れじゃありませんか?」

奈緒「あぁ、それな…何をやらせる気なんだ?」

未央「これを見ろっ!」バーン!

凛「たすけてーなおー」

加蓮「つかまっちゃったー」

奈緒P「く、くそっ、放せ、はなせぇっ!」バタバタ

奈緒「…なんだアレ」

未央「あれ?かみやんの大切なものを怪盗ヨリフルが盗んでいったって書いてあったでしょ?」

奈緒「え、あ、え!?大切なものってこの三人!?」

未央「そーだよ!自分のユニットメンバーとプロデューサー、これ以上大切なものがあるかね?」

未央「かみやん気付かなかったの?」

奈緒「いや、普通わかんねーだろ!『もの』って書いてあったし、そもそも常に連絡取り合ってるわけじゃないから今日一日くらい連絡がなくたって気付かねーって!」

未央「えー、かみやんの誕生日なんだよ?今日。この三人全員からなんの連絡もなかったら普通おかしいと思うでしょー。お祝いのメールすら待ってもらったんだよ?」


奈緒「あぁ、それで…いや、でもアタシの誕生日くらい度忘れとか、忙しかったりとかさ…」

未央「はぁ、かみやんが変なとこで自信の無い子だってのをこのちゃんみおすっかり忘れておりましたよ」ヤレヤレ

奈緒「あ、呆れた顔すんなよな!」

未央「まぁいいや、とにかく!最後の試練を乗り越えられなかった場合には、この三人の身の安全は保障しないので覚悟するように!」

凛「きゃー」

加蓮「こわーい」

奈緒P「く、くそっどうにかならないのかっ」バタバタ

奈緒「凛と加蓮はやるならもっと人質らしくしてくれよ…あとなんなんだプロデューサーさんの迫真っぷりは」

未央「奈緒Pさんはこのドッキリの為にいろんなアイドルのスケジュールを思うままに調整してたから、上手くいかなかったらちひろさんにお仕置きされちゃうんだって」

奈緒P「お、お慈悲を!!!」

ちひろ「奈緒ちゃん、私は失敗しても一向にかまいませんよ?」ニッコリ

奈緒P「なおおおお!!お願い!助けて!!」


奈緒「…なさけなくないかプロデューサー…」

未央「ふっふっふっふ…これが最後の試練だ!出でよ怪盗ヨリフル!」

頼子「ふふ、よく来たわね、神谷奈緒」ファサ

奈緒「お、おぉ、頼子じゃんか、衣裳までバッチリ」

頼子「頼子?誰かしらそれは。私は怪盗ヨリフル。見ての通り、あなたの大切な人を預からせてもらってるわ」

奈緒「一応聞くけど、どうやってこの三人をさらったんだ?」

頼子「簡単な事よ、三人が事務所に来るなり我が忠実なしもべたちが縛り上げてくれたわ」

まゆ「奈緒ちゃん、お誕生日おめでとうございます」

早苗「おめでとー!まだお誕生日がうれしい年なんて、お姉さん羨ましいわー」

奈緒「な、なるほどな…」


凛「ねぇ、まゆ、ごめんちょっと喉渇いちゃった」

まゆ「あ、はぁい、ウーロン茶でいいですかぁ?」

凛「ありがと」チュー

加蓮「ごめん、早苗さん、ちょっと二の腕に食い込んでて痛いな」

早苗「あ、マジで?ごめんごめん、本式に縛りすぎたかな」ユルメッ

奈緒「意外に快適だな!?」

奈緒P「く、くそっ!ちひろさぁん!俺も縄が食い込んでいたいなぁ!」

ちひろ「え?じゃあもっとくいこませないと」ギリギリギリギリ

奈緒「そうでもないか…」

頼子「さぁ、時間もないわ。最後の試練はこれよ」ピラッ

奈緒「えっと…なんだこの紙…」

奈緒「…『最終試練…みんなの前で大事な人へ感謝と親愛の気持ちを述べよ。』…!?」


奈緒「はぁ!?」

頼子「書いてある通りよ。さぁ、挑むの?挑まないの?」

奈緒「い、いやいや試練てもっとなんかこう…さぁ!」

奈緒「…い、今までの試練も試練ぽくなかったっちゃなかったけど」ボソッ

奈緒「でもこう最後くらいなんか対決っていうか…!」

マストレ「はは、何を言う神谷、こんなにアイドルらしい挑戦もないだろう」

奈緒「マストレさん!?どっから出てきた!?」

マストレ「アイドル活動は独りではできない。たくさんの人の支えがあって初めて成立することだ」

マストレ「まして君はユニットで真価を発揮するタイプのアイドル」

マストレ「君にとって一番距離が近いこの三人に、君自身の誕生日という記念すべき日に」

マストレ「心からの感謝を伝えるというのは、いやはや、流石我が主ヨリフルさま、敬服いたします」

奈緒「あ、その設定はまだ残ってるのな」

頼子「さぁ神谷奈緒、どうするのかな?時間はあまりない、負けを認めて彼女たちを諦めるか」


奈緒「え、時間て…うえぇ!?もうあと十五分で七時じゃん!」

奈緒「ち、ちなみに聞くけど…これ失敗するとどうなるんだ?」

奏「凛は私たち」

泉「蒼き乙女の集いが」

頼子「もらっていくわ、ユニットメンバーとして」

雪菜「加蓮ちゃんは私たち」

美沙希「メイクアップガールズが」

彩華「もらっちゃうよん、もちユニットとしてぇ!」

未央「トラプリ解散かな?」

奈緒「地味に嫌だなオイ!」

ちひろ「ちなみのちなみに」

千奈美「呼んだ?」ヒョコ

ちひろ「呼んでません。千奈美さんはまだそっちで」

ちひろ「ちなみに、奈緒Pさんは私と時子さんの奴隷になることが決まってるので」

時子「豚が増えるのは良い事だわ」ピシィ


奈緒P「」

奈緒「お、おう…」

頼子「ふふ、すべては、あなたが三人に日頃の感謝を“素直に”述べればいいだけの事」

奈緒「う…(それがアタシには一番難しいことだって知ってるくせに…!)」

頼子「さぁ、どうぞ?」ニッコリ

奈緒「う、あ…あぁ…」モジモジ

凛「ほら、奈緒、はやくはやく」

加蓮「時間無いよ、あと五分」

奈緒P「ほら、奈緒、やれ、奈緒」ガシャガシャ

奈緒「わ、わわ、わかってるよ!せかすなって!!」モジモジモジ


奈緒「り、凛は…」

凛「聴かせて?」

奈緒「(いつもしっかりしてるし誰よりも頑張ってるし、なにより年下だけど業界での経験は一番だから頼りになる。そんな所に感謝してる。美人だし…って言えばいんだろ!?)…や、やっぱり加蓮から!」

加蓮「え?私?いいよ、奈緒がどんな風に思ってるのか聴いたげる。ふふっ」

奈緒「(加蓮は出会った頃からずいぶん成長して、今ではお化粧とかで教えてもらうことも多い。アタシを年上扱いしないけど、逆にその遠慮のなさのおかげで一人だけ年上って状況も気にせずにいられて何よりそこを感謝してる。やっぱり美人だし…って言えば終わりなんだよな!?)…あ、あぁぁぁえっとプロデューサーが先の方が良いかな!?」

奈緒P「おう、いつでも来い、俺の可愛い担当アイドル!」

奈緒「かかか可愛いとかバカじゃねぇの!?(これだよいつもそうだこの人は。だけど不思議と嫌な気はしないっつーかむしろうれしいっつーかなに考えてんだアタシ!?でもいつもアタシの為にいろいろ考えて頑張ってくれてるおかげで今のアタシがあるわけでそういうとこはめちゃめちゃ感謝してる…って言えばいいんだ頑張れアタシ!!)…やっぱり凛!」


凛「奈緒」

奈緒「加蓮!!」

加蓮「なおー」

奈緒「プロデューサー!!!」

奈緒P「奈緒ぉ!!」

\リン!!/\ナオ/\カレン!!/\ナオー/\プロデューサー!!!/\ナオォ!!!/\ヤッパリリン!!/…

ありす「何をしてるんでしょうか」

未央「かみやんらしいねぇ」ヤレヤレ

きらり「奈緒ちゃん顔真っ赤でかーわいいにぃ☆」

杏「隣の部屋まで騒ぎが聞こえるよ…パーティ始まるまでに終わるの、コレ」

頼子「そのための時間制限だから…ですよね、未央ちゃん」

未央「うん!でも、そろそろ誰かが背中蹴っ飛ばさないとダメかな?」

卯月「未央ちゃん!そこはせめて押してあげましょう!」

智絵里「奈緒ちゃん頑張って…!」

智香「応援しますかっ!?」


未央「いやいや、私が言っといてなんだけど、なんだかんだかみやんはやる子だから!」

奈緒「はぁ…はぁ…やばい…ドキドキする…」チラッ

奈緒「うえぇぇぇ!?あと一分じゃん!?!?」

凛「奈緒、早くっ!」

加蓮「私たち攫われちゃうよ!」

奈緒P「助けてくれ奈緒!」

奈緒「ああああああああああああああ!!!もう!!!!」プッツーン


奈緒「凛!!このしっかり者!!年下のくせにステージの上でのカッコよさはなんなんだよ!!」

奈緒「めちゃくちゃ頼りにしてるから!いつも引っ張ってくれてありがとうな!!大好きだ!!」

奈緒「加蓮!!お前は手先が器用で羨ましいよ!!アタシのメイクが変な時は直してくれるし!!」

奈緒「おまけに気さくで美人ときた!!あぁあぁ仲良くしてくれてありがとう!!大好きだ!!」

奈緒「プロデューサー!!このヘンタイ!!」

奈緒P「ありがとうございます!!!」

奈緒「いつもいつも可愛らしい衣裳持ってきやがって!!アタシが興味あるけど自分からは着られないラインを見極めてんだろ!!おかげで楽しいよバカァ!!」

奈緒「ライブで指示飛ばしてるとことか企画考えてるとことかかっこいいし!!なによりもアンタのおかげでアイドルやれてる!ありがとう!!大好きだ!!」

奈緒「つまり!!お前ら三人ともみーんなまとめて大好きだあああああああああああああ!!!」


頼子「…ジャスト七時。試練は成功ね。おめでとう」

奈緒「…………」

未央「えっとー…かみやん?」

奈緒「…」プシュー

凛「オーバーヒートしてるね」

加蓮「なんか…嬉しかったけどこっちも恥ずかしかったかも」///

奈緒P「そうかぁ…そんな風になぁ…俺はうれしいぞ奈緒ぉ」グスン

ちひろ「良い年した大人が泣かないでくださいよ…はい、スタドリ。これ飲んで落ち着いてください」

奈緒P「すいません…」キュポッゴクゴク

奈緒P「あ、はい100MC」

ちひろ「まいどありー」チャリーン

葵「あ、終わった?そんじゃパーティーにするっちゃ!腕によりをかけたから、美味しいに違いないよー!」ガチャ

かな子「ほらほら、みんなー、ケーキもありますよ!」


未央「オッケー!あ、かみやん起こさなきゃ。かみやんかみやん!」ユサユサ

奈緒「…はっ!ここは誰?アタシはどこ?」

未央「べたなボケしてないで、ほらほらパーティーしよ?かみやんの為にみんなで集まったんだから!」

奈緒「えっと…今日一日イベント盛りだくさんだったけど、まだアタシの為に何かしてくれんのか?」

未央「あったりまえじゃん!今までのは前座、やっぱり誕生日はパーティーで締めないとね!はーいこっちこっちー」

奈緒「わ、わわっ、押すなって…」


―――CGプロ事務所、多目的スペース

\パァン!/\パァン!/\パァン!/

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「奈緒ちゃんお誕生日おめでとー!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

奈緒「み、みんな…」

周子「あ、やっと主役が来たねー。もー待ちくたびれておなかすいたーん♪」ヒョイ

菜々「あぁっ!ちょっと周子ちゃん!いけませんよつまみ食いはっ!」

フレデリカ「あはは、シューコちゃん怒られたー☆」ヒョイ

千夏「あなたもよ」ペシッ

李衣菜「奈緒ちゃん!お誕生日おめでとー!…あ、はっぴぃばぁすでぃ、だぜ!」

夏樹「英語で言やロックになるとか勘違いしてないか?よ、はぴば」

瞳子「誕生日おめでとう。あなたを見てるとなんだか妹みたいで感慨深いわ」

光「奈緒さん!誕生日おめでとう!!また一歩カッコいい大人に近付いたんだな!」

あい「ほらほらみんな、お祝いしたい気持ちはわかるが、少し落ち着きたまえ。奈緒くんを通してあげよう」


奈緒「あ、あいさんありがとう…」

あい「ふふ、礼なら今日一日のアレコレを企画した未央くんに言うんだね。我々はスケジュールが空いていたから参加できたに過ぎない」

奈緒「やっぱり未央が…」

あい「まったく、君は良い友達を持ったな」

奈緒「はい…!」

未央「はいはーい!みんなちゅうもーく!」

未央「それではー!本日の主役神谷奈緒さまよりお言葉を頂戴し、パーティーを始めたいと思いまーす!」

\イイゾーチャンミオー!/

未央「はい、かみやん!景気よくいっちゃってよ!」

奈緒「あ、あぁ…えっと…」





―――その夜、神谷宅、奈緒の部屋

そんなこんなで、パーティーが終わってアタシは家に帰ってきた。

あの後はもうドンチャン騒ぎだった。

レナサンのカードマジックに始まり、大人組のみなさんはかくし芸を披露し始めるし、そこかしこで誰かしらが歌って踊ってた。

飛鳥と蘭子は二人で選んだっていうかっこいいブレスレットをくれたし、まゆと加蓮は髪留めをプレゼントしてくれた。
あいさんのネクタイと瞳子さんのハンカチは大人になったみたいで嬉しかったな。

こんなにお祝いしてもらえた誕生日は生まれて初めてだ。
アタシ一人の誕生日の為にあんなにしてくれて良かったのかな。

そう、すべてを計画したヤツに、アタシはまだちゃんとお礼を言えてない。

さっきからメール作成の画面で色々書いては消し書いては消しでいっこうに進んでないんだけど…。

大体!あの最後の試練みたいに誰かに素直な気持ちを伝えるとか慣れてねーから!!

そりゃああの三人には感謝してるし、それを伝える機会をくれたこと自体はうれしいけど…。

こうやってあのテンションから抜け出して改めて冷静になってみると恥ずかしくて仕方ない。

うーん…どうやってつたえたもんかなぁ…。


結局、アタシのメールはすごくシンプルなものになった。


【to:本田未央】
【subject:今日のこと】

【色々計画してくれてありがとう。ドタバタしてて伝えられなかったけど、本当にうれしかった。











未央の事も大好きだからな!】


恥ずかしさが襲ってくる前に送信ボタンを押す。

大親友、本田未央。

それに、凛、加蓮、プロデューサー、事務所の皆、響。

大好きだ。

素敵な誕生日をありがとう。

明日からも頑張らねーとな!


以上です。

くっそ誕生日当日に立ててこんなに間が空くなんて担当P一生の不覚…。

でも奈緒おめでとう、君は最高だ。

あ、途中に出てきた響と奈緒が仲良いって話かいたSSは

神谷奈緒「「似た者同士??」」我那覇響
神谷奈緒「「似た者同士??」」我那覇響 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/internet/14562/storage/1407125799.html)

ってやつです。二人が仲良いって設定だけ飲みこんでいていただければ別に読まなくても平気です。

もっと色んなアイドル出したかったけどこの辺で。

ではー。

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