神谷奈緒「神衣紅血!」 (107)

奈緒が出ない記念。

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事務所


モバP「困った…」

加蓮「こればっかりはねぇ…」

凛「どうしたの?」

加蓮「奈緒の次の衣装がきまったんだけどさあ…」

凛「この前打ち合わせしてたやつ?」

P「ああ…」

凛「それがどうかしたの?」

加蓮「あの衣装ってかなりフリフリっていうか、メチャクチャ可愛い感じの奴だったでしょ?」

凛「あー、確かにフリフリだったね。それがどうかしたの?」

加蓮「奈緒がさあ…」

――――――――――――――――――――


奈緒「流石にこれは恥ずかしいって!」

P「でも絶対奈緒に似合うって!!」

奈緒「似合っても恥ずかしもんは恥ずかしいんだよ!!!」

加蓮「プロデューサーが、奈緒のために、とってきてくれたお仕事だよー?」

奈緒「うー…それでも恥ずかしいし、そんなの着て人前何て立てねえよ!!」

P「だ、駄目か?」

奈緒「…ちょっと、考えさせて」

P「分かった…」


――――――――――――――――――――

加蓮「というやり取りがあったのよ」

凛「ふーん。でも奈緒の事だから、恥ずかしながら着てくれるんじゃないの?
っていうか恥ずかしがってる奈緒って可愛いから、それで正解なんじゃないの?」

P「それがどうにもいつもと違う嫌がり方なんだよ…」

加蓮「いつもはちょっと嬉しいけど恥ずかしいって気持ちが強いからツンってしちゃうんだろうけど、
今回のはただひたすらに恥ずかしくて逃げ出したいって感じ」

凛「あの衣装着てる奈緒、見たかったんだけどな」

P「な!絶対似合うと思うんだ!!似合うと思うから、ちょっとでも前向きに着てくれたらなと…どうしたもんかなぁ」



比奈「話は聞かせてもらったっス!!」バーン!!



P「人類滅亡されても困るが、何か解決策でもあるのか?」

比奈「ふっふっふ。実はでスね…」

後日 事務所


奈緒「…うーす、って誰もいない。はぁ、衣装、どうしよう…」

…てくれ

奈緒「?」

…着てくれ

奈緒「な、何!?誰かいんのか!?」

…私を着てくれ!

奈緒「はぁ!?どっ、どこから聞こえてくんだよ!!」

…ここだ、私はここにいる!

奈緒「ってこれ、今度の衣装じゃん…ってかなんで机の上に放置されてんだよ…」

…奈緒、私を着てくれ!!

奈緒「ひぇっ!?」

別室


P「…なあ比奈」

比奈「なんスか?」

P「ほんとにこんなので上手くいくのか?」

比奈「いやー、今奈緒ちゃんのはまってるアニメの設定が、服が意志を持ってしゃべるんスよ。それで考えてみたっス!」

P「いや、その設定はいいんだが、それで奈緒が衣装を着てくれるのか?」

比奈「それはプロデューサー次第っスね。プロデューサーが上手く奈緒ちゃんを乗せられるかがこの作戦の鍵っス!」

P「はあ…しかし晶葉は凄いな。この声が伝わるシステムはどうなってるんだ」

比奈「詳しくは分かんないんスけど、骨伝導スピーカーと小型マイクを超絶魔改造して
奈緒ちゃんの頭のどっかに張ったらしいっスよ」

P「晶葉スゲー。ってかそれって危なくないの?」

比奈「さあ?でも衣装を着たらなるべく早く頭に張ってある奴は剥がしたいらしいっス」

P「…危ないのか」

比奈「いや、ばれないようにするためらしいっス。
あとは衣装を着れば、衣装のスピーカーとマイクで会話が可能になるっス」

P「でも衣装脱いだら会話出来ないんじゃね?ってか骨伝導って服着ただけで聞こえるのか?」

比奈「骨伝導に関しては全く分からないんでなんともっス。まあ衣装脱がれたら仕方がないっス。
でも、服と会話したいが為に衣装を着てくれるかもしれないっスよ?」

P「そんな上手くいくか?」

比奈「奈緒ちゃんの妄想力ならそれぐらい余裕っス。
もちろん凛ちゃん、加蓮ちゃんや他の人の協力は必要になるとは思いまスけど」

P「徹夜で見たそのアニメの服のように頑張って話してみるか…」

比奈「ちなみにこのマイクはボイスチェンジャー搭載で、
奈緒ちゃんには関○彦さんボイスで伝わるようになっているっス!」

P「これも晶葉が?」

比奈「モチっス!」

P「晶葉ってホントスゲーな。あとで何かお礼しなきゃ」

比奈「さて、そろそろ仕掛け人の二人を事務所に投入っス!」

P「比奈、お前ノリノリだな」

比奈「こんな面白いことなかなかないっス♪
こうして隠しカメラで奈緒ちゃんのアワアワしてる姿見るのも楽しいっス!」

P「よーし、凛、加蓮、よろしく頼んだ」

凛・加蓮「はーい」

事務所

バタン

凛「お疲れ、って奈緒だけ?」

奈緒「う、うん」

加蓮「どうしたの?顔色悪いよ?」

奈緒「いや、それがさ…」

…早く私を着てくれ!

奈緒「ほら!!」

凛「?」

加蓮「ほら?」

奈緒「へ?」

凛「どうしたの、お腹痛いの?」

奈緒「違う違う!今声聞こえなかったか!?」

凛・加蓮「声?」

別室


P(…あいつら演技上手いな)

比奈(多分あの二人かなり楽しんでまスね)

P(ドラマのオーディションでも受けさせるか…)

比奈(良案っス)

事務所


…お前にしか私の声は聞こえないのだ。早く私を着てくれ!!

奈緒「ほら!!今結構デカい声で話しかけてきたじゃん!!」

凛「奈緒、どうしたの?悩み過ぎて幻聴聞こえるようになっちゃったの?」

加蓮「奈緒、無理は体に毒だよ。ゆっくり休みなよ」

奈緒「そ、そんなんじゃないんだって!ほら今も!!」

…奈緒、そんなに私が嫌か?

奈緒「もう、ほんとなんなんだよ!!ってかどこから聞こえてくるんだよ!!」

…お前の目の前にいるじゃないか。私はここだ!!

奈緒「…はあ?!」

凛「衣装がどうかしたの?」

加蓮「それこの前プロデューサーが奈緒にって言ってた衣装だよね?可愛いじゃん」

奈緒「か、可愛すぎるよ…」

凛「ラブリーだね。でも衣装睨み付けてどうしたの?」

奈緒「…声がよぉ、この衣装から聞こえるみいたいなんだよ」

加蓮「何それ?!怖いんだけど…」

凛「いくら衣装が嫌だからって、そんな妄想するぐらい嫌なの?」

奈緒「だから違うんだって!!ほんとに声が聞こえるんだよ!!」

凛「じゃあちょっとスマホの録音回して確認してみようか?」

奈緒「頼む!!」

加蓮「面白そーだからアタシも録音しよー」

…私の名前は神衣紅血。お前の目の前にある、その衣装が私だ!!

奈緒「ほら!今しゃべった!!もっとしゃべってみりょよ!!

凛・加蓮「…」

別室


P(…噛んだな)

比奈(可愛いっスね)

P(…ああ、最高だ!)

事務所


…何故私を拒む?私はお前に着られるためにここにいるのに、着られなければ私の意味がなくなってしまう!

奈緒「ほら今も!!どうだ!?ちゃんと録音できてるか!?」

凛「うーん、私のには奈緒の声しか録音されてないよ?」

加蓮「アタシのも奈緒の叫び声しか録音されてないや」

奈緒「ウ、ウソダドンドコドーン!!」



別室


P(ほんと面白い反応するな。さて、俺も事務所に行くわ)

比奈(その間の会話はお任せッス!イヤモニはつけといてくださいっス。
何か言ってほしいことがあればメールでお願いしまス)

P(了解。よろしく頼んだ)

比奈(がってんっス!)

事務所

ガチャ

P「おーっす、お疲れ」

奈緒「プ、プロデューサー!!これどういうことだよ!?」

P「どうかしたのか?」

凛「奈緒がこの衣装がしゃべりだしたとか言い出すんだ」

加蓮「私たちには聞こえないし、スマホで録音してたんだけど何にも聞こえないんだよ?」

P「そうか…幻聴が聞こえるぐらい奈緒は今回の衣装が嫌だったのか…」

奈緒「ち、違うんだって!!ほんとに聞こえるんだって!!」

P「…その衣装はなんて言ってるんだ?」

奈緒「何って…」

…一度でいい。私を着てくれ。私を着たらきっと私の事が好きになるはずだ。

奈緒「…一回でいいから着てくれって」

P「…一回ぐらい着てやったらどうだ?奈緒が本当に嫌だったら今回の衣装は破棄するから…」

…破棄!?そんな、私は…私は…。

凛「そうだね、可愛いけど、奈緒がいやいや着るんだったら衣装も可哀想だし」

加蓮「最初で最後の一回ってことで来てみちゃいなよ♪」

奈緒「で、でも…」

…一度でいいんだ。私を着てくれ、奈緒!!

奈緒「い、一回だけだからな!!」

…奈緒!!

凛「手伝ってあげるよ」

加蓮「さ、更衣室にれっつごー♪」

奈緒「ちょ、ちょっと押すなよ!!」

P(凛、加蓮、頭のスピーカーの回収よろしく!)

凛(`・ω・´)ゝ

加蓮(`・ω・´)ゝ



比奈(いい感じっス!あとは衣装の方の音量設定をすこーし上げてっと)

ガチャ


P「おお!!やっぱり凄く似合ってるぞ!!」

奈緒「は…恥ずかしい」

凛「顔真っ赤」

加蓮「可愛いわぁ」

…奈緒、奈緒!!

奈緒「ふわぁ!?」

P「どうした!?」

奈緒「こ、声が、声が全身を駆け抜けた!!」

凛・加蓮「?」

P「さっき言ってた声か?」

奈緒「そう!聞こえなかったのか?」

P「聞こえるも何も、さっきから全く俺には聞こえなかったからなあ」

凛・加蓮「私たちもー」

…どうだ奈緒、私の着心地は。ああ、今私は奈緒に着られているんだな。

奈緒「ちょ、気持ち悪いって!」

P「どうした!?」

奈緒「いや、さっきの声が気持ち悪いこと言ってきたから…」

P「すまん、俺にはやっぱりその声は聞こえない。どうだ着心地は」

奈緒「着心地は、ふ、普通かな。ただ、さっきの声が近くなった感じがしてなんか変な感じ」

…私も変な感じだ。しかし、叫び続けたせいで力を使ってしまったようだ。
私はお前に着られた時だけしか、お前と会話出来ないかもしれない。私と話したいときは私に袖を通してくれ。

奈緒「…」

凛「やっぱり具合悪いの?」

加蓮「今日は早く帰る?」

奈緒「…そうさせてもらう」

P「了解。今日はトレーニングだけだしな。衣装はどうする?持って帰って色々考えるか?」

奈緒「…」

…私の声が聞こえるのは奈緒、お前だけだ。この事務所に一人残るのは寂しいぞ!!

奈緒「なんかこいつが寂しいっていうから持って帰るわ」

P「お前の衣装だから着るのは好きにしていいが、汚さないように気を付けてくれよ」

奈緒「うん、それじゃあ準備して帰るわ。お疲れ」

凛「お疲れ。ゆっくり休んでね」

加蓮「ご飯しっかり食べて、いっぱい寝るんだよ」

奈緒「ありがと。それじゃあまた明日」




バタン

凛「…ふーっ」

加蓮「結構演技ってしんどいもんだねー」

P「なかなかいい芝居だったぞ」

比奈「お疲れ様っス。いやー、意外と奈緒ちゃん騙されるもんでスね」

P「あそこまで素直だとちょっと心配にはなるな」

凛「でも私たちも聞こえないし、録音しても聞こえないんだったら、それは流石に信じるんじゃない?」

加蓮「私は笑っちゃうと思うけどなぁ」

P「ま、でも衣装も着てくれたし、持ち帰って考えてくれるみたいだから、まずは良しとしよう。
これから俺があの衣装、いや、神衣紅血になって、奈緒に着てもらえるように説得しなければ!」

比奈「それじゃあこのボイスチェンジャーマイクとイヤホンを。忙しい時は代わりまスんで」

P「ああ。でもなるべく俺がやりたいんだ。あいつに前向きに衣装を着てもらうために!」

凛「赤面してる奈緒もいいけど、喜んで衣装着てる奈緒もいいよね」

加蓮「イジリがいもあるしね♪」

P「よーし、今日から頑張るぞー!!」

凛・加蓮・比奈「おー!」

とりあえずここまでで。
まったり書いてこうと思います。
おやすみなさい。

奈緒自宅

ガチャ

奈緒「ただいまー」

奈緒母「お帰りー。今日は早かったわね」

奈緒「ちょっと体調悪くて」

奈緒母「何か食べる?」

奈緒「んー、いらない。ゆっくり休むよ」

奈緒母「ここの所忙しかったもんね。ゆっくりお休み」

奈緒「うん」

奈緒の部屋


奈緒(…ってか服がしゃべるってなんだよ!ありえないだろ!!)

奈緒(凛にも加蓮にも聞こえなかったし、
プロデューサーのいたずらかと思ったらプロデューサーのいる前でもしゃべりだすし…)



奈緒「…お前、本当にしゃべるのか?」

事務所


P「俺、ちょっと奈緒が心配になってきた」

凛「私も」

加蓮「ちょーっと仕掛けが大掛かり過ぎたんじゃない?」

比奈「アタシもあんな状況になったら信じるかもしれないっス」

凛「でもあんまりプライベートの音声を聞くのはよくないよ、プロデューサー」

晶葉「その辺りは私特製集音マイクの本領発揮だ。衣装に向けられた言葉しか拾わないようになっている」

P「おー、晶葉。色々ありがとうな」

晶葉「なに、いい暇つぶしになった。アニメを見てもう少し改造したくなったがな」

比奈「もしかして!」

晶葉「そう!」

P「出来るのか!?」

凛「私たちアニメ見てないから知らないんだけど」

加蓮「なんか面白い機能があるの?」



P・比奈・晶葉「人衣一体!!」



加蓮「あー、なんか楽しそう!」

凛「…え?」

比奈「じゃあ今日はうちで上映会といきまスか!」

加蓮「賛成♪凛ももちろん参加ね」

凛「え、私はいいよ…」

加蓮「えー、だってこのままじゃ話についていけないよ?
それにほら、ちょっとは知識があった方がいいかもしれないじゃん♪」

比奈「そうと決まれば早速準備してくるっス!今日の夜ご飯はお鍋で!」

加蓮「じゃああとで凛と買い出し行ってくるね」

凛「え、ちょ、ちょっと!」

晶葉「ふむ、ではどういう衣装の変化がいいのか話し合おうじゃないか」

P「いいなぁ…俺残業だし、奈緒が話しかけてきた時、対応しなきゃいけないからパスだ…」

晶葉「そうだ、助手にこれを渡しておこう」

P「何これ?」

晶葉「脈拍メーターだ。衣装を着て脈拍を確認すると振動するようになっている。
これで見えていなくても彼女が衣装を着たがどうか確認することが出来る」

P「ほんと、用意周到だな。頭が下がるよ」

晶葉「なに、いつも助手には世話になってるからな。
ただ、出来れば衣装はもう少し改造したいから、回収できるようであれば頼む」

P「了解。さーて、仕事に戻るわ。お前らもレッスン終わってから遊ぶように」

凛・加蓮・比奈・晶葉「はーい(っス)」

奈緒の部屋


奈緒(…って話しかけても、着なきゃ声は聞こえないんだよな)

奈緒(でもほんとどうしよう…断ったらこの可愛い衣装破棄されるみたいだし…
で、でも恥ずかしいもんは恥ずかしいんだよ!)ゴロゴロ

奈緒(うー…、なんでプロデューサーこんな仕事取ってくるんだよ!
凛とか加蓮とかの方が絶対よく似合うし、あたしなんかよりよっぽど可愛いじゃん…)


奈緒「なあ、ほんとどうしたらいいんだよ…」


奈緒(…この仕事を受けるかどうかは別として、このしゃべる衣装がどんな仕組みなのか確かめてみるか。
きっと着てるなんて誰にもわかんないだろうし…)



スッ



…奈緒!私を着る気になったか!!

奈緒「ひゃう!?」ゴツン!

奈緒母「大丈夫!?」

奈緒「だ、大丈夫!!」

奈緒母「何かあったらいいなさいよー」

奈緒「あ、ありがとう!」

…どうした、そんなに私が話すのがおかしかったか?事務所でも散々話したじゃないか。

奈緒「いやいやいや、ありえないって!」

…何がありえないんだ?」

奈緒「だってここあたしの部屋だぜ?誰も見てないのにどうやって!?」

…お前が何を言っているのかは分からないが、とにかく私を着てくれるということでいいんだな?

奈緒「…いや、それが」

…奈緒は私の事が嫌いか?

奈緒「いや、嫌いとかそういう問題じゃなくて、服が話すってことがまずありえないだろ!?」

…そう言われても、私は現にこうしてお前と話しているわけだし、ありえないと言われても困るぞ。

奈緒「もう何が何だかさっぱりだよ…」

…私にもさっぱりだ。奈緒に着てほしいという意志だけを持ってそこに存在していたんだからな。

奈緒「もうほんと何なんだよ!

…奈緒は何が嫌で私を着たくないんだ?

奈緒「…」

…私はお前に着られるために存在している。その存在意義を全うして私は私の役目を終えることが出来ると思うのだ。

奈緒「でもよぉ…」

…なんだ?

奈緒「…やっぱり恥ずかしいよ」

…そうか?露出も少ないし、フリフリしていて可愛いじゃないか。

奈緒「…あたしが可愛くないんだよ。可愛くないあたしが着たら、衣装も台無しだよ。

…そんなことない!奈緒は可愛い!!

奈緒「服に言われてもなぁ…」

…では誰に言われればいいんだ?

奈緒「え…い、いあy、べ、べべべ別に、だっだだ誰かにいえくわあえれたいとtかだじゃがなくて!!」

…落ち着け奈緒!脈が早くなりすぎている!!

奈緒「」ふー、ふー、ふー

…そうだ、だいぶ落ち着いてきているぞ。

奈緒「…ってかそんなことまで分かるのか」

…それはそうだ。お前に着られているんだからな。

奈緒「…似合わない服着て頑張る女ってみっともなくないか?」

…それは誰の言葉だ?

奈緒「…アニメ」

…アニメ。私は目が無いからアニメを見ても分からないんだが、
もしお前がそのアニメを気に入っているのなら一緒に見ようじゃないか!
いや、私の場合は聞こうじゃないか!だが。

奈緒「え?」

…何か私も奈緒にアドバイスが出来るかもしれないからな。
それに私の存在意義はお前に着られることだからな。着られる為には少しでも努力するさ。

奈緒「…分かった。じゃあ一話から見ようか」

…ああ!






上映中…





奈緒「いやー、やっぱり何度見ても面白いな!」

…奈緒はこういう熱血系が好きなのか?

奈緒「うーん、まあ色々アニメは見るけど、何となくグッとくるものがあってさ」

…そうか。しかしあれだな。

奈緒「何?」

…私はあの鮮血という服と結構似ているな。
動けないし、見ることは出来ないが話すことは出来る。奈緒限定ではあるが。

奈緒「え、そういう設定なんじゃないの?」

…設定?何のことだ?

奈緒「だ、だってお前神衣紅血って名乗ったじゃん!」

…私が覚えていたのは神衣紅血という名前と神谷奈緒に着られたいという思いだけだ。それ以外は何も分からない。

奈緒「ますます訳わかんねえよ…」

…私も分からない。

奈緒「なあ…」

…どうした?

奈緒「…あたしたち、もしかして人衣一体とか出来たりするのかな?」

…それは分からない。もしかしたらあるいは。

奈緒「流子と鮮血は人衣一体だし、皐月様と純潔は人衣圧倒だけどさあ、あたしたちはどんな言葉になるんだろうな」

…それは奈緒が私をどう思って着るかによって変わるんじゃないか?どういう思いで私を着るのか、着たいのか。

奈緒「…そっか」

…と言うか奈緒!私を着るのに乗り気になってきたな!!

奈緒「ち、違う!!た、たださあ、もしあたしたちも人衣一体出来たらどんな言葉になるんだろうなってだけだから!!」

…奈緒はアイドルだ。そして私はお前を輝かせるための衣装だ。人衣…共に輝く…煌めく。

奈緒「人衣共煌(きょうこう)とか?」

…うむ、それがいい、そうしよう!!よし、そうと決まれば人衣共煌だ!!

奈緒「や、やらないってば!!」

…もしかしたら出来るかもしれないぞ!!ほら、早くするんだ!!!

奈緒「大きい声出すなよ!凄く体中に響くんだよ!!」

…さあ!!

奈緒「わ、分かったよ…。じ、人衣共煌、神衣紅血!!


奈緒「…」



奈緒「…」



奈緒「…」

…何も、起こらないな。

奈緒「うすうす気づいてたよ!!!なんか起こるわけねえだろ!!!!」

…しかし、お前が私を着たいと思うなら、もしかしたら可能になるかもしれないぞ?」

奈緒「いやいやいや、無理無理無理。着たいと思えないし、現実的に考えて衣装が変形するわけないじゃん」

…やはり私を着たくはないか。

奈緒「だってさ、やっぱり見苦しいよ。こんな可愛い衣装、あたしには似合わないし、着られるお前にも悪いよ…」

…奈緒…。

奈緒「だってそうだろ?凛や加蓮はすっごく可愛くてさ。
あたしはいつもプロデューサーに迷惑かけて、素直に笑顔も出来ないし、
文句ばっかり言って困らせて、今回もこうやって駄々こねて、プロデューサーも凛や加蓮にも迷惑かけてさ…」

…そんなことないさ。

奈緒「紅血、お前に何が分かるんだよ…」

…私には分かる。お前のプロデューサーは私によく話しかけてくれていたみたいだ。奈緒の話をたくさんしてくれていたよ。その記憶ははっきりとはしてないが、私にはその言葉を紡ぐことが出来る。
いつも凛や加蓮の相談相手になってくれて、難しい仕事も一生懸命に努力して、
いつも二人を励ましてくれていたと彼は言っていた。

奈緒「ちょっ!?」

…無茶なことも、しょうがないなっていって引き受けてくれて、
文句も言うけど、それでも心から仕事に臨んでくれて、いつも感謝してる。
奈緒にはもっと可愛い衣装を着せて、ファンのみんなにもっと可愛い奈緒を広めたいって、そう思ってる。

奈緒「あ、あばっびあぁあ…」

…だから今回の衣装は特別気持ちを籠めて作ったんだ…っと、もうそれは怨念のように私に語りかけていたよ。

奈緒「…」

…それでも、やはり最後に判断するのは他の誰でもないお前自身だ。ゆっくり考えてくれ。
その末に私を着ないという選択肢をするならそれはそれでいい。ちょっと悲しいがな。

奈緒「…もうちょっと考えさせてくれ」

…ああ。さて、そろそろ夜も遅くなってきた。食事をしっかりとって、温かくして寝るんだ。
私も少し眠くなってきたから、また今度着てくれた時に話そうじゃないか。

奈緒「…うん。お休み、紅血」

…ああ、お休み奈緒。

事務所


P「ふぅ」

ちひろ「お疲れ様です。大変そうですね」

P「そうでもありませんよ。アイドルの為なら本望です」

ちひろ「プロデューサーの鏡ですね。でも途中から本音駄々漏れでしたね♪」

P「上手く言いくるめたと思ったんですけど、駄目でしたかね」

ちひろ「どうでしょうね。でも奈緒ちゃんもだいぶテンパってたみたいですし、大丈夫なんじゃないですかね」

P「そう願うばかりです。さーて、仕事片付けますかな」

ちひろ「お手伝いします♪」

P「お願いします」

比奈宅


比奈「こう、衣装の一部がパージするのはどうっスか?お腹の部分とか!」

晶葉「確かにそれはいかにもという感じがしていいかもしれないが、あの衣装にはそぐわないだろう」

凛「確かにちょっと清楚な感じもあるからね」

比奈「駄目っスか…」

加蓮「目的は奈緒の為の衣装なんだから、奈緒の為になる変形がいいんじゃない?」

晶葉「例えば?」

加蓮「例えば…」

凛「例えばあの衣装じゃちょっと踊り辛そうだから、衣装がキュッとなるとかは?」

加蓮・比奈・晶葉「それだ!!」

凛「声おっきいよ」

比奈「見た目に変化は無くても、内側の衣装がキュッとなったら、着てる側としたら、これは!!っと思いまス!!」

晶葉「衣装が締まることによって骨伝導の感度がよくなる。
そうするとさらにあの声が体中を巡って、いかにも服と一体化したような感覚になるかもしれないな!!」

加蓮「それで運動能力が上がったら凄いよね!」

凛「加蓮が更にノリノリになってる…」

晶葉「それも検討してみよう。よし、そうと決まれば早速試作機を作ってくる!今日はありがとう!!」


バタン

比奈「早いっスねー。でもこれで更に面白くなりそうっス!」

凛「まあ、奈緒が乗り気になればそれでいっか」

加蓮「比奈さん、アニメの続き見ましょー」

比奈「了解っス!!」

凛(今日はお泊り確定かぁ…)メルメル

後日 事務所


奈緒「…おはよーございます」

P「おう、おはよう。調子はどうだ?」

奈緒「うん、それなりには…」

P「それでどうだ、衣装からはまだ声は聞こえるか?」

奈緒「持って帰ったその日は着てみて、話したけど、そのあとは着てない…」

P「一回は着たんだな!?」

奈緒「…うん」

P「奈緒はその衣装、そんなに嫌か?」

奈緒「…衣装は、そりゃ可愛いし、嫌いじゃないよ」

P「なら!!」

奈緒「でも…着る側がそれに見合ってなきゃ、やっぱり衣装に悪いよ。
だからさ、今日はこの衣装返しに来た。衣装、このバックの中だから」

P「やっぱり、嫌か…」

奈緒「…」

P「俺はその衣装が奈緒に似合うと思ってデザイナーさんと一緒に考えて作ったんだ。
恥ずかしがり屋な可愛い奈緒に似合うようにって思いを込めてさ」

奈緒「か、可愛くなんてないから!!」

P「そうか?奈緒は可愛いぞ?凛も加蓮も可愛いって言ってるじゃないか」

奈緒「それは…社交辞令みたいなもんだろ?」

P「じゃあ俺の眼を見てみろ。嘘ついてるように見えるか?」

じーっ

奈緒「…」

P「…」

じーっ

奈緒「…」

P「…」

じーっ

奈緒「…」

P「…可愛いぞ」

奈緒「にゃ、にゃにゅいってんだやお!!」

P「嘘ついてるように見えたか?」

奈緒「それは…見えなかったけど…」

P「な?それに凛も加蓮も嘘なんかつかないよ。本当に奈緒が可愛いと思ってそう言ってるんだよ」

奈緒「うーーーー!!」ギュッ

…奈緒!私をそんなに抱きしめるな!!私は衣装だ!!抱き枕じゃない!!!

奈緒「うひゃい!!?」

P「どうした!?」

奈緒「ま、またしゃべった!!ってか、お前、私が着てる時じゃないとしゃべれないんじゃないのかよ!!」

…お前が強く抱きしめるから反応してしまった。
これぐらい抱きしめられているなら会話も可能なようだ。というかどうした奈緒!脈が速くなりすぎてるぞ!!

奈緒「こ、これは…」

P「どうした奈緒?顔が真っ赤だぞ!?熱でもあるのか?」ズイッ

奈緒「ち、近いって!!」

ピトッ

P「少し熱いな。仮眠室で寝るか?」

奈緒「だ、だhぎおjkんkだjかあ!!」

…落ち着け奈緒!!何を言っているか全くわからないぞ!!

奈緒「」ふー、ふー、ふー。

P「お、落ち着いたか?」

奈緒「な、何とか…。ってか急に話しかけてくるな!」

P「す、すまん…」

奈緒「プロデューサーじゃなくてこっち!この衣装だよ!!もう…」

…すまない。久しぶりに奈緒と話せると思って興奮してしまった…。

P「俺には聞こえないだが、やっぱりその衣装から声がするのか?」

奈緒「どうもそうみたい。もう何が何だか」

…奈緒。やはり私を着ない選択をするのか?」

奈緒「…」

P「奈緒」

奈緒「…何だよ」

P「奈緒はやっぱり可愛いな」

奈緒「なっ!?」

P「奈緒はやっぱり可愛いよ。自分が自分を可愛いと思えなくて、自信が無いんだったら、
周りの信じてる人たちの言葉を信じてみたらどうだ?
凛も加蓮もその衣装、必ず奈緒に似合うって、可愛いって言ってくれる。
その言葉を信じてこの衣装を着てみてはくれないか?」

奈緒「…」

…奈緒。

奈緒「…もう少し、もう少し考えさせて」

P「分かった。ゆっくり考えてくれ」

奈緒「それじゃあレッスン行ってくる。でも衣装はプロデューサーが持ってて」

P「了解。ちょっと晶葉に検査してもらって、本当にこの衣装から声が出てるのかどうか調べてもらう」

奈緒「分かった。じゃ、行ってきます」

P「ああ」

バタン

ちひろ「いやー、騙してる相手に信じろなんて、プロデューサーさんは悪人ですね♪」

P「…言わないでください。でもあの衣装は本当に奈緒を輝かせてくれると信じてるんです。
それに、奈緒にはもっと自信を持ってほしいんです。どんな衣装だって似合うんだって。可愛いんだって!!」

ちひろ「熱いですねー。でも奈緒ちゃんももっと自信を持って進むステージにいるってことですね」

P「そういうことです。これからもっと厳しい世界で戦わなきゃいけないんです。
そのためには、やっぱり自信を持つということは大切なんです」

ちひろ「そういうことにしておきます♪」

P「何ですかその含みのある言い方は」

ちひろ「いえー、ただプロデューサーさんが奈緒ちゃんのあの衣装姿を見たいだけなんじゃないかなーと思いましてー」

P「否定しません」

ちひろ「おい」

後日 事務所


晶葉「遂に完成したぞ!人衣共煌システム採用の神衣紅血だ!」

P「ほんと晶葉、お前凄いわ。そのうち生命繊維作りそうだな」

晶葉「流石にそこまでは出来ないと思うが、いい暇つぶしになったよ。
それで、このスイッチをオンにすると人衣共煌状態になる。オフで解除だ。
長時間、人衣共煌状態にしていると自然に解除されるようになっている」

P「体に負担がかかるのか?」

晶葉「多少は。ただ人体に影響を及ぼすには、何百時間以上使用した場合だ。
それと、これは件の生命繊維ではない。ただの布だ。衣装の耐久力が持たなくなってしまうことが考えられる。
人衣共煌は多分5~6回の使用が限界だろう」

P「そんな凄いのか」

晶葉「一応身体能力が向上されるように魔改造した。
これで人衣共煌が特殊な状態であるということが彼女にも伝わるだろう」

P「了解。あとは奈緒がこの衣装を着て仕事をしてくれるかどうかだ」

晶葉「そこからは助手の分野だ。頑張りたまえ」

P「頑張るよ。晶葉、ありがとうな」

晶葉「ふふ、ではいつかお礼を頂くとしよう。ではまた」

P「ああ、お疲れ」

バタン


奈緒「お疲れ様。衣装どうだった?」

P「お疲れ。さっき晶葉と話してたんだが、スキャンしても何も映らないただの衣装だってさ」

奈緒「マジカヨ…」

P「で、どうする?この衣装持ち帰るか?」

奈緒「…ちょっと聞いてみる」ギュッ

…奈緒。流石に検査の連続は疲れた。今日はゆっくり奈緒の腕の中で休まさせてほしい。

奈緒「私の腕の中で休ませてほしいって。持って帰るわ」

P「分かった。出来れば明日までには結論を出してほしいと思っている。いいか?」

奈緒「…分かった。じゃあ明日…」

明日のメイドガチャ終了までに書き上げる!予定。
おやすみなさい。

奈緒の部屋


奈緒(…)

スッ

…今日は偉く素直に着てくれるな。

奈緒「…あたし、可愛いかな?」

…奈緒は可愛いさ。胸を張っていい。

奈緒「…」

…どうした?

奈緒「…んー、別に。あたしは可愛いか」

…ああ。

奈緒「きっとさ、プロデューサーは色々考えてあたしに自信をつけさせようとしてるんだなって思うんだ」

…そうなのか?

奈緒「…。でもさ、やっぱりあたしは可愛い!なんて胸張って言えないよ」

…自分で自分を可愛いと言える人間なんてそういないんじゃないか?

奈緒「うちの事務所にいるよ。自称だけどさ」

…なかなか自分で自分を可愛いといえる人間は少ないさ。

奈緒「それでもプロデューサーはあたしに可愛いって言ってくれる。
でもさあ…恥ずかしいじゃん。しかもこんな可愛い衣装だぜ?」

…私はお前のためにある。お前が嫌がるなら、その時は仕方ない。
奈緒が着たいと思うその時まで眠るとするよ。まあ、破棄されてしまうかもしれないがな。

奈緒「…あたし、自分は信じれないけどさ、周りの言葉は信じてみようと思うんだ」

…じゃあ!!

奈緒「でも勇気が足りない…。あたしはお前を、紅血を着ていいのかな…」

…いいに決まっている!私はお前に着られたい、そしてお前は私を着たい。その気持ちが一緒ならどこまでもいけるさ!!

奈緒「…お前の声が聞こえるのは運命なのかな?」

…私の言葉は奈緒にしか伝わらない。もしかしたら運命かもしれないな。服と人の、歴史的出来事だ。

奈緒「そっか。じゃあ昨日出来なかった人衣共煌も、あたしとお前の気持ちが一致した今なら出来るかな」

…きっと出来るさ!!

奈緒「よーし、じゃあ人衣共煌出来たら勇気を出して明日プロデューサーにこの仕事受けるって言う!!」

…出来なかったら?

奈緒「景気づけに言っただけだよ。出来なくて当たり前なんだから、ちょっとの期待を込めてってだけ」

…分かった。では人衣共煌しようではないか!!

奈緒「よーし!!」




人衣共煌!!神衣紅血!!!

ギュッ!!!





奈緒「ひょああらおぐえ¥れが?!!」

…どうした奈緒!!

奈緒「どどどどどどうしたって!!!?」

…ふむ、どうやら人衣共煌出来たようだな。奈緒の鼓動をもっと近くで感じる。

奈緒「いやいやいやいやいや!!ありえないだろ!!?」

…何故だ?私と奈緒は今深く結びついているんだ。人衣共煌出来るに決まっているさ。

奈緒「」チーン

…な、奈緒!?どうした?!奈緒ぉぉぉぉーーーーーー!!!






奈緒「…気失ってた」

…驚いたぞ。

奈緒「驚いたのはこっちだよ!!」

…しかしこの人衣共煌は負担が大きい。あと4~5回が限度だろう。

奈緒「分かった。ってかこれ凄いな。紅血の声が更にあたしに響くようになったよ」

…どんな気分だ?

奈緒「声に包まれてる感じ?」

…ふむ。それは心地いいのか?

奈緒「なんか変な感じかな」

奈緒(もしこの声がプロデューサーの声だったら…)

奈緒「う、うわぁぁぁぁっ!!!」ジタバタ

…きゅ、急にどうした!!?

奈緒「な、なんでみょにゃひ…」

…そ、そうか。それと人衣共煌は奈緒の体に負担をかける。早く解除するんだ。

奈緒「…解除ったって、どうすんだよ」

…心を落ち着かせて、呼吸を整えて。

奈緒「」ふー、ふー、ふー。

…よし。解除しよう。

奈緒「か、解除…」


プシューッ


奈緒「あ、締め付けが無くなった」

…さて、じゃあ明日あの男に私を着ることを告げる為に今はゆっくり休め。

奈緒「そうするよ。なんか色々あって疲れたよ…」

…ああ。お休み、奈緒。

奈緒「お休み。…。」

事務所


P「よし!!」

ちひろ「説得お疲れ様です♪」

P「奈緒が自分で決めただけです。俺は何もしてませんよ」

ちひろ「またまたー」

P「さて、明日驚く演技でも練習するかな」

ちひろ「大切ですけど、なんだかなあ…」

翌日 事務所


奈緒「…おはよーございます」

P「おはよう。それでどうだ?衣装は?」

奈緒「…」

P「ん?」

奈緒「…着るよ」

P「ほんとか!!よかったー」

加蓮「折角の奈緒の為だけの衣装だしね」

凛「ラブリーな奈緒が見れるね」

奈緒「からかうなよ…」

凛・加蓮「可愛い」

奈緒「もう!!」

P「よし、それじゃあ打ち合わせやら衣装着ての動きのチェックに取り掛かろう!」

奈緒「はーい」


…よし、行くぞ奈緒!!


奈緒「!?」

P「ん?」

奈緒「な、何でもない!」

スタジオ


P「ちょっと動きが悪いな。動きづらいか?」

奈緒「ちょっとふわっとするかな」

P「少し衣装絞ってもらうか…」

奈緒「ちょ、ちょっとまって」

奈緒(紅血!人衣共煌いけるか?)

…いつでもいいぞ!ただ使用回数に気を付けてくれ。本番もあるんだからな!

奈緒(了解。じゃあ行くぞ!人衣共煌、神衣紅血!)


ギュッ!!


奈緒「プロデューサー、たぶん大丈夫。もう一回やってみるよ」

P「だ、大丈夫か?」

奈緒「見とけって」




P「よーし、あとは本番に向けて動作の確認をトレーナーさんとゆっくりチェックしていこう」

奈緒「了解」

P「じゃあ俺は打ち合わせ言ってくるから、また後でな」

奈緒「気を付けて」

…どうだ調子は?

奈緒「お前のおかげで順調だよ。ありがと」

…礼には及ばん。お前の為に私はあるんだからな。

奈緒「なあ、お前事務所出る時話しかけたか?」

…ん?

奈緒「いや、「奈緒ー!ちょっとこっち来てくれー」

奈緒「はーい。まあいいや、また後でな」

…うむ。

事務所


比奈「しっかし、結構うまくいったっスね」

P「比奈のおかげと言っても過言ではないな。俺が奈緒と話してる時の紅血の会話は比奈にまかせっきりだったしな」

比奈「いやー、なかなか楽しかったっスよ。今度はみんなで鍋でもつつきながらアニメ上映会としゃれこむっスね」

P「それはいいや」


バタン


奈緒「アニメ上映会かー。いいな、あたしも参加で」

P「な!?奈緒、いつからそこに!?」

奈緒「へ?鍋つつきながらアニメ上映会するってところぐらいからだけど?」

P「そ、そうか、ならいいんだ」

奈緒「なんだー?二人でなんか隠しごとかー?」

P「な、なんでもないよー」

比奈「そ、そうっスー」

奈緒「いや、二人とも、あからさまに怪しすぎだって」

P「隠し事が出来ない素直な人間だからな!」

比奈「っス!!」

奈緒「まあいいや。それじゃあ明日の本番よろしくな」

P「ああ。気を付けて帰れよ」

奈緒「あーい。お疲れ様」

比奈「お疲れ様っス」


バタン


P「だ、大丈夫かな!?」

比奈「だ、大丈夫と信じるだけっス!!」

奈緒の部屋


奈緒「いよいよ明日かー。やっぱりカメラの前は緊張するよ。恥ずかしいし」

…そうか?堂々としていて様になっていたぞ?

奈緒「…」

…ん?

奈緒「いや、なんでもない。明日言うよ」

…そうか。それにしても、あと人衣共煌は2回ぐらいしか使えないというのは分かっているな?

奈緒「もちろん。明日の為に残しておいたんだから。でも人衣共煌しすぎるとどうなるんだ?」

…私の私としての機能が失われる。

奈緒「…話せなくなるのか?」

…まあ大まかに言えばそういうことだ。

奈緒「そっか。せっかく信頼できる関係になったのになんか残念だな」

…なに、私と話せなくたって奈緒は大丈夫だ。

奈緒「何を根拠に言ってるんだかわかんないけど、その言葉は信じといてやるよ」

…ああ。それじゃあ明日の為に今日はもう寝るんだ。

奈緒「うん。ありがと。お休み」

…お休み、奈緒。

本番当日


「それじゃあ本番行きます!!!」

P「奈緒、行けるか?」

奈緒「大丈夫だよ。恥ずかしいのを除けば」

P「なら大丈夫だな」

奈緒「うー…」

P「何だよ」

奈緒「あのさ、色々ありがとね」

P「な、何のことだ?」

奈緒「励ましてくれたり、紅血の事とかさ」

P「励ますのはプロデューサーだから当たり前だ。その衣装はお前が着るって決めただけだしな」

奈緒「そうじゃないよ。いっぱいあたしに話しかけてくれてさ」

P「!?「神谷さんお願いしまーす!!!」

奈緒「紅血ってさ、目が見えないのにあたしが可愛いってなんで分かったんだろうな?
それにどうして練習の時に堂々としてたなんて、着られてた紅血がわかるんだろうな」

P「!?」

奈緒「比奈さんとの会話も聞いちゃったけど、その反応で確信に変わったよ。
でも、あたしの為にいっぱい時間使ってくれてありがと。精一杯やって…可愛い神谷奈緒を見せてあげるよ」

P「あ、ああ!」

奈緒「じゃ、行ってくる」

P「ああ、行ってこい!!」




奈緒(よーし、プロデューサー…じゃなかった、紅血、人衣共煌だ!!)

…奈緒…。よし、行くぞ!!






奈緒(人衣共煌!!神衣紅血!!!)


…人衣共煌!!神衣紅血!!!




本番終了


P「お疲れ」

奈緒「やっぱり滅茶苦茶恥ずかしかったよ。共演者の人にめっちゃ写真撮られたし、可愛い可愛い言われるし…」

P「ならこの仕事は大成功だな」

奈緒「そうなのかな?でも、衣装着るって、なんか面白いなって思ったよ。
衣装着て、一緒になって煌めくって、素敵なんだなって」

P「そう感じられたなら、紅血も幸せだろう。
声や存在は本物じゃないにしても、この衣装は奈緒の為に作られた、奈緒だけの衣装だからな」

奈緒「そうだね。でもこれからこういうのは無しな」

P「善処するよ」

奈緒「さてと、そろそろ恥ずかしいから着替えてくるよ。みんな好奇の目であたしの事見てるしさ」

P「それだけ似合ってるってことさ。な、紅血」






…ああ!





P・奈緒「!!??」

奈緒「ぷ、ぷろでゅーさー、こここ、紅血のマイクってプロデューサーが持ってるのだけ?」

P「あ、ああ。ひひひひ一つしか作ってないと晶葉には言われてるからなななな」

奈緒「ってか、プロデューサー、き、聞こえた?」

P「き、聞こえた」

…二人とも、私は私の存在意義を果たすことが出来た。もう悔いはない。とても楽しい時間だったよ。
私にかかわってくれた事務所の子たちにも感謝を伝えてくれ。
きっと冗談だと思われるかもしれないが、私はとても感謝しているんだ。
こうしてプロデューサー、そして奈緒、お前に出会えたことに、私は本当に感謝している。ありがとう。
またいつか、会える時を信じて、私は眠りにつく。
お前たちと過ごした日々は、なかなかに充実した時だったよ。ではさらばだ!!


奈緒「こ、紅血!!」

P「ま、まじかよ!!!」

事務所


奈緒「」キュー

P「ってことがあったんだよ!!」

比奈「いやー」

凛「流石に…」

加蓮「お仕事のし過ぎかな?」

ちひろ「有休使いますか?」

P「だから!!」

晶葉「うーん、しかし私の作った仕掛けが全て駄目になっているのは納得いかないな」

P「きっと紅血が壊していったんだって!!」

凛「はぁ…」

加蓮「プロデューサー、お仕事のし過ぎだよ。ゆっくり休もうね」

P「だからあ!!」

比奈「ま、そういうことにしておくっスよ。
さーて、じゃあ今日は奈緒ちゃんのお仕事無事終了を祝して、鍋パーティーといくっスよ!」

凛・加蓮・晶葉・ちひろ「はーい♪」

P「うぅ…信じてよぉ…」




奈緒(あの声、ほんとに紅血だったんだよな。
…あたし、もう少し自信持ってやってみるよ。
でも、またあたしが駄目になりそうになった時は、
その時はまた一緒に人衣共煌しような。
それまでお休み、神衣紅血。それから、ありがとう)



おわり

奈緒が出ない記念!

ラスト3K回してくる!!!

奈緒じゃなくて紗枝はーーーーーーん!!!!

もうしばらく課金は控えます。
ツアーお疲れ様でした。。。

北条加蓮(16)
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渋谷凛(15)
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神谷奈緒(17)
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http://i.imgur.com/w1v3pW1.jpg

荒木比奈(20)
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池袋晶葉(14)
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