ちひろ「どうしたんですか独り言なんて言って」
P「いや、未成年がアイドルになるには親御さんの許可が必要じゃないですか」
ちひろ「まあそうですね」
P「現にスカウトした中には本人はアイドルをやりたい!と思ってたんですけど、俺の力及ばず親御さんに許可されずアイドルになれなかった子も居るんです」
P「そういうのでアイドルになれないのがとても惜しいなって思いまして」
ちひろ「それで今事務所に居る子達はどうやって説得したんだろうと考えたわけですか」
P「そうです。俺の手を借りず、割と自分で説得してくる子が多いんですよね」
ちひろ「私も時々プロデューサーさんの代わりに親御さんと顔合わせに行きますけど確かにすでに説得終わってるケース多いですね」
卯月「頑張りました!」
P「あ、卯月おかえり」
ちひろ「せっかくだからどんな風に説得したか聞いてみましょうよ」
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卯月「アイドルになるのを許可されるまでですか?」
P「どんなやり取りをしたか教えてほしいんだ」
卯月「ううん……そうですね……」
――――――――――――――――――――――――
卯月「お母さん、私アイドルになりたい!」
卯月母「卯月がアイドル?自分の部屋も片づけられないのほどズボラなのに?」
卯月「うっ……そ、掃除は頑張るから……」
卯月母「あんたそれ言って出来た試しないわよね」
卯月「ぅぅ……」
卯月父「学生やりながらアイドルはキツいんじゃないか?点数落とさない?」
卯月「そ、それは頑張るから大丈夫……多分」
卯月母「なら大丈夫ね。学生としてやることをやるなら私達に言うことはない」
卯月父「そうだな、卯月は掃除以外で頑張るって言った時は本気で頑張るからな」
卯月「え……?いいの?」
卯月母「馬鹿ね、さっきのはからかってただけ。最初から送り出すつもりだったのよ」
卯月父「芸能界でも頑張れよ」
卯月「う、うんっ!卯月、頑張ります!」
――――――――――――――――――――――――
卯月「大体こんな感じだったかな……」
P(普通にいい親御さんだった)
ちひろ(普通にいい親御さんでしたね)
P「いい話をありがとう。時間取らせてすまなかった。後は自由にしてていいぞ」
卯月「よくわからないけどお役に立てたのなら光栄です!」
ちひろ「いい話は聞かせてもらえましたけど実際参考にはなりませんでしたね」
P「まあまだ一人目ですからね」
雫「ただいま戻りましたー」
ちひろ「次が来ましたね」
雫「アイドルを許可される際に両親とどんなやり取りをしたかですかー」
P「うん」
――――――――――――――――――――――――
雫「東京のアイドル事務所にスカウトされましたー」
雫父「東京でアイドルだと!父さん許さんぞ許さんぞ!」
雫母「いい話じゃない。雫が乗り気なら上京して及川農場の名前を全国に広めて来なさい」
雫「なるほどー、私が活動することによって地元も有名になりますね」
雫母「そうよ、地元みんなの貢献になるのよ。ついでに跡継ぎも探して来てもいいのよ」
雫「跡継ぎですかー、そういう出会いがあったら嬉しいですー」
雫父「と、東京のけしからん男と付き合うだと!許さん!父さんは絶対に許さないぞ!」
雫母「とは言ってもここらへんには雫に会うなり胸を凝視するだけの性欲にまみれたのしかいないのよ」
雫母「娘の体目的の輩に任せるよりはマシでしょ」
雫父「ぐっ、確かにマシかもしれない……だがとんでもない奴を連れてきたら許さんからな!」
雫「はいー、かっこいい男の人連れてきますー」
雫父「せめて、せめて埼玉出身とか群馬出身にするんだぞー!」
雫「?」
――――――――――――――――――――――――
P「ああ、お父さん東京の若い男の人が全員茶髪で耳にピアス付けてガムくちゃくちゃしてるって勘違いしてたんだったな」
雫「東京出身と明かしてたPさんと会った時のお父さんのうろたえっぷりはすごかったですー」
ちひろ(それにしても……)
雫「?」ボイーン
ちひろ(女性から見てもこれは凝視してしまっても不可抗力な気がするんですけど)
P(正直俺も両親の前で一度も見ないように頑張ったら「君になら雫を任せられる」とか言われて焦りました。見ないだけでいいとかハードル高いような低いような)
雫(ちゃんと他の部分も見てましたよー)
P「!? 聞いてたのか……」
ちひろ「二人目も参考になりませんでしたね」
P「そうですね……」
光「はーじまりはいつも突然♪」
P「あ、光だ。光の両親にはアイドルになるのは容認出来ないって呼びだされたな……多分参考にはならないけど」
ちひろ「その話聞いてみたいです」
――――――――――――――――――――――――
P(ここが南条光の家……)
P(ここでの俺の振る舞いが光をアイドルに出来るかがかかってる)
P(気を引き締めて行かなくては……)
ピンポーン
ガチャ
光「あ、P」
P「あれ?ご両親は?」
光「まあまあ上がって」
P(リビングまで来たけどお見えにならない……もしかして不在か?ちゃんと指定された日時に来たんだがな)
P(光はなんだか俺の膝の上に座ってるし……一体何事だろう)
光母「キャーーーーーーーーーー!」
P「!?」
P(俺に指さして悲鳴を上げた!?)
光母「うちの、うちの光ちゃんをどうするつもり!」
P「え!?」
P(光を膝に乗せてることか!?まさか不審者だと思われてる!?)
P「いや、違うんです!」
光「くっ、アタシまで改造人間にする気か!?」
P「は?」
光母「うう……ショッキャーめ!うちの光ちゃんまでその毒牙に……!」
P「あ、うん……ははは!令嬢は頂いていく!返してほしかったらCGプロまで一人でやってくるんだな!」
光「罠だー!来ちゃダメだー!」
P(何この茶番劇)
P(このまま光抱えたまま外まで出ちゃっていいのかな)
光父「……君がプロデューサー君か」
P「うわ、お父さん倒れてるじゃないですか!大丈夫ですか!」
光「父さん、まさかヒカルーゾンゲルン怪人に襲われて……」
P「……なんだって?」
光「父さんはヒカルーゾンゲルン怪人に」
P「あ、はいもう説明はいいです」
P「お父さん大丈夫ですか!傷は浅い、救急車を!」
光父「もう間に合わないよ、プロデューサー君。君に光を任せたい……」
光「駄目だ、父さん死んじゃ駄目だ!まだ父さんには教えてもらってないことがたくさん!」
光父「無理なんだ……プロデューサー君に教えて貰いなさい……」
P「くそっ……光のお父さん……あなたの犠牲は忘れない」
P(俺はショッキャーの怪人なのか、正義の味方なのかせめて設定ぐらい統一しろよ……)
――――――――――――――――――――――――
P「ね、何の参考にもならなかったでしょう?」
ちひろ「そもそも何だったんですかこれ」
P「この後、このノリについて来れる人がプロデューサーをやってるんだからきっと光も楽しいアイドル活動を送れるだろうと少年みたいな眼差しで語ってくれました」
ちひろ「ああ、一応テストだったんですね。確かにいい経験にはなったけど光ちゃんの両親限定の説得法だから意味ない感じですね……」
卯月「プロデューサーさん!」
P「どうした卯月」
卯月「確か、アイドルになる際に両親を説得したことのある人を探してるんでしたよね!それっぽい子見つけました!」
P「本当か!」
卯月「ナナちゃんです!」ババーン
菜々「あの、ナナはなんでここに連れて来られたんでしょうか……?」
P(これ以上いけない)
卯月「ウサミン星から地球に来る際にはきっと両親の猛反発があったに違いません!」
菜々「え、アイドルになる際に両親から反発されたこと!?」
菜々「ナ、ナナはどちらかと言うとアイドルになることを許可する前よりも後に反発というか苦言が……」
菜々(こんなの話したら実年齢がバレちゃうじゃないですか!)
卯月「あれ?そうなの?でもその時の話も聞かせてほしいな。きっとプロデューサーさんの参考になると思うんだ」
菜々(ううっ、キラキラした眼差しが痛い……どうにか誤魔化さないと)
菜々(はっ、そういえばこの前出演したバラエティーで、嘘をつく際に現実に嘘を混ぜた形にするとバレにくいってやってました)
菜々(司会の方がどこまで真実なんだろーなとナナを凝視してた気がしますが)
菜々(とにかくそれで……それで何とか凌ぎましょう!)
菜々「わ、わかりました。お話しましょう」
――――――――――――――――――――――――
ジリリリリリリリリ
菜々「はい、安部です」
菜々母『はいこちらも安部です』
菜々「げっ、お母さん!」
菜々母『あなたがアイドルになると出て行ってから早8年……いい加減戻って来なさい』
菜々「も、もうちょっと待って……」
菜々母「そんなこと言って何年目よ……お見合いセッティングしちゃったからね。写真が落花生と一緒にそっちに届くよ」
菜々「いいもん!ウサミン星人として接すれば絶対に引いちゃって破談になるもん!それと落花生送って来なくていいから!」
菜々母「やめなさい!それと落花生は絶対に送り続けますからね!ビタミンEがどうのこうので美容にいいんだから!」
――――――――――――――――――――――――
菜々(実際話ながら嘘つこうとしても割と難しいです)ブワッ
菜々「と……というわけなんです!」
卯月「そうなんだ!でも8年って菜々ちゃんって17歳なんじゃ?」
菜々「ウ、ウサミン星では9歳で短大卒業なんです……!それから家出しました……!」
卯月「え、じゃあ高校卒業したの11年も前なの!?え、でもJKって女子高生の略……」
菜々「ウ、ウサミン星の短大は卒業したけど地球では17歳は女子高生ですからね!?郷に入れば郷に従えとも言うじゃないですか!」
卯月「はっ、つまり二度目の高校生活だよね……ナナちゃん宿題教えて……どうしてもわからないのがあるの……」
菜々「あ、あわわわわ……」
P「さすがにどうやってフォローしていいのかわからんから放置しようそうせざるを得ない」
周子「Pさん小腹すいたーん、何かないー?」
P「そこに茶菓子ならあるぞ。食べながらでいいからこの前のこと話してくれよ」
ちひろ「この前のこと?」
P「ほら、親に呼ばれて実家に帰ったじゃないですか。俺は用事があって遅れて行ったけど」
周子「ああー、ロリシューコ見せた時のね」
P「手紙には親御さんにアイドル稼業認められてないと書いてあったけど俺が行った時には既に認められてたからな。どういう説得をしたんだ?」
周子「うーん、あれは説得って言っていいのかな」
誤字
× P「手紙には親御さんにアイドル稼業認められてないと書いてあったけど俺が行った時には既に認められてたからな。どういう説得をしたんだ?」
○ P「親御さんから送られてきた手紙にはアイドル稼業を認められないと書いてあったけど俺が行った時には既に認められてたからな。どういう説得をしたんだ?」
――――――――――――――――――――――――
周子「ただいまー」
周子母「おかえりなさい。お母さん驚いちゃったわ、知らない間にアイドルになっちゃって」
周子父「正直、追い出した時は心を入れ替えてすぐに戻ってくると思ってたよ」
周子「拾われちゃったからねー、人生どうなるかわかんないね」
周子母「ですが私達はまだアイドルになることを認めたわけではありません」
周子父「アイドルになるからには私達ぐらい軽く萌えさせる勢いでないと……」
周子母「お父さん、萌えさせるとはなんですか。もっと言葉を選んでください」
周子父「別に言葉が思い浮かばなかった」
周子「萌えさせるって……一応かっこいい志向のクールアイドルって区分なんだけどまあいいか」
周子「にゃーん♪あれ、シューコのキャラ的にはこんこーんのがいいのかな?こんこーん♪」
周子母「」
周子父「」
周子「あれ?どったの?……うわ、抱き着いてこないでよ」
周子母「周子はいつになっても可愛いなあ!」
周子父「遠くに行ってしまった感があったけどいつもの周子で安心したよ!」
周子「もしかして抱き着くためだけにやらせた?」
周子父「予想以上に可愛かったから一瞬固まってしまったよ!ああもうたじろぐ姿も可愛いなあ」
周子「もー……」
――――――――――――――――――――――――
ちひろ「なんというかよくこんな親馬鹿で周子ちゃんを家から追い出せましたね」
周子「うちの両親はマジメだからねー、教育上必要だと思ったら容赦なくやるから」
P「親を説得させるのには可愛い可愛い光線出させるのも手か……?」
周子「うちは実質賛成してたけど反対してるなら余程の親馬鹿じゃないと通じないと思うよ」
ヘレン「そんなことはないわ」
P「いつの間に」
ヘレン「私の親は親馬鹿じゃないけど可愛さでなんとかしたわ」
ちひろ「えっ、ヘレンさんが可愛さで……?」
――――――――――――――――――――――――
ヘレン「アイドルになるわ」
ヘレン母「突然ね、許可しないわ。あなたには実家を継いで貰わないと」
ヘレン「フン、私はこんな所に収まっているような器じゃにゃいの」
ヘレン母(噛んだ)
ヘレン「///」
ヘレン母(照れてる。娘ってのはいくつになっても可愛いものね)
ヘレン「ヘーイ!」
ヘレン母(大声出して誤魔化した)
ヘレン「ふふ……発声が駄目でもダンスには自信があるの、見てなさい」
キュッ、キュッ
ヘレン母(あらすごい動き、今までたくさんのダンスを見てきたけど、キレがいいわ。ダンサンブルね)
ヘレン「ふふ、どうかしら認める気に……」
ステーン
ヘレン母(あっ、私が散らかしっぱなしだったチラシで転んだ)
ヘレン「………………///」
ヘレン「/// ど、どう?認める気になったかしら……!」
ヘレン母(必死で誤魔化しちゃって可愛い)
ヘレン母(ダンスは普通にテレビで見るそこらのアイドルよりも上だし)
ヘレン母(このギャップから生じる可愛さは全世界に発信すべきね)
ヘレン母「許可します☆」
ヘレン「え……あ、やーりぃ!……じゃない。当然の結果ね」
ヘレン母(可愛い)
――――――――――――――――――――――――
ヘレン「私にかかればざっとこんなもんよ」
ちひろ(これはこれで親馬鹿な気がするのは間違いじゃないだろう)
P(やたらと入社直後ボーカルレッスンを所望すると思ったらこういう背後があったのか)
P(……それにしてもこんなに無防備なヘレンさん見たことないなあ。やっぱり親は違うのか)
周子「なるほど、アイドルに必要で得意なことをアピールすればいいってことだね」
ヘレン「そういうこと。大概は私の赤裸々エピソードに気を取られてしまうけど、周子の伝えたいことを見抜く力は中々のようね」
ヘレン「最も私はうまくいかなかったことが逆にデビューに繋がったわけだけどね。私はレッスンがあるからそろそろ行くわ」
周子「じゃーねー」
ちひろ「何だかんだここまでで一番ヘレンさんがいい意見を残していくとは……」
P「ここいらで今まで集めたケースを整理しますか」
ちひろ「見直したら実は使える案ってのもあるかもしれませんからね」
卯月・雫・周子:親が元々認めていた
光:プロデューサーが親子総出ののヒーローごっこに付き合った結果認められた
ヘレン:自分の得意なことをアピール
菜々:アイドルの道が絶たれるお見合いをウサミン星人になって回避する
ちひろ「うーん……やっぱりヘレンさん以外参考になりませんね……」
ピロロロロロロ
P「母さんから電話?ちょっと失礼します」
P「ちょっと今仕事中なんだけど」
P母『あんたいつまで独り身でいるつもりなの?』
P「は?」
P母『二週間後お見合い組んでおいたから。忘れないうちにそれを伝えたかっただけ』
P「大きなお世話だって!俺まだ二十台前半じゃん!あー、切りやがった……絶対断るお見合いをわざわざ組むなんて相手に失礼すぎるって……」
P「相手に好意なんて持たれたら断るのにも良心が痛むわ……自分偽って素っ気なくするのだってやりづらいし……ん?」
菜々:お見合いをウサミン星人になって回避する
P「これだ!」
二週間後
P「ああ、函館の食べ歩きですか。実は僕も一回やったことがあります」
お見合い相手「本当ですか!?」
P母「あらあら、こんなに意気投合しちゃって……」
お見合い相手母「私たちはお邪魔ですね。奥の部屋に居るからね」
P「……邪魔者はいなくなりましたね」
お見合い相手「え?」
P「ありのままの私をお見せしましょう」
お見合い相手「え、まさかそんな……こんなところで……早すぎます……!」
P「では……」
(*゚∀゚)o彡゚「ミミミン!ミミミン!ウーサミン!!」 (*゚∀゚)o彡゚「ミミミン!ミミミン!ウーサミン!!
お見合い相手「」
お見合い相手「」
特にオチが思いつかないから強引に終わり
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