小鳥「みきやよ…?」 (19)


小鳥「ぷぷぷプロデューサーさん!」

P「おや、どうしたんですか? 大慌てで」

小鳥「みきやよですよ! みきやよ!」

P「は?」

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小鳥「先日、そこのソファーで眠る美希ちゃんがいたのです」

P「急に語りだしたよこの人」

小鳥「そこに颯爽と現るは、我が事務所のエンジェル・高槻やよいちゃん14歳」

小鳥「エンジェルは事務所のお掃除中。いつもご苦労さまです!」

小鳥「お掃除しようとソファーに近づいたところ、なんとそこには目の前には怠惰を貪る美希ちゃんの姿が!」

小鳥「これではミッションを遂行しようにも適わない! エンジェルピンチ!」

小鳥「うろたえるやよいちゃん…ああその姿も正に可愛いの一言、可愛いという言葉の化身!」

小鳥「さぁどうする、どうする、どうしちゃうの! あぁっと! なにか思いついたようです」

小鳥「さぁ耳に顔を近づけて…こ、これはっ! 何か囁いています! 天使の囁きが今ここに!」

小鳥「その時音無小鳥に電流が走るっ……! キタキタキタキタァァァあああ!!」

小鳥「これですこれですよプロデューサーさん! 百合に聡明なプロデューサーさんならもうお分かりですよね!」


P「……は? あの、聞いてなかったのでもう一度言ってもらっていいですか?」

小鳥「なっ! 聞いていなかったんですか!? 侮辱してるんですかもう! 新しいジャスティスの誕生の瞬間だというのに!」

P「あーはいはい。お仕事しましょうねー」

小鳥「もっと真剣に聞いてくださいよ! 舐めてるんですか?」

P「その言葉そっくりそのままお返ししますよ。また律子にシバかれますよ」

小鳥「ぐぅぅ、どうしてこうも鈍感なのかしらこの人は…! 都合のいいように難聴発症するし」

P「バッチリ聞こえてますよ。誰が鈍感か」

小鳥「とにかく! 私は新しい可能性を感じたんです! だって可能性感じたんだそうだススメ!ですよ!」


P「はぁ…、いいですか小鳥さん」

小鳥「お、やっと聞いてくれる気になったんですね!」

P「違いますよ。確か…みきやよでしたっけ?」

小鳥「はい! みきやよは可能性の塊です!」

P「そうですか。まぁ妄想するのは自由ですけど、言わせてもらえば全然ダメですね」

小鳥「は……はぁぁぁああああ!? 何を言って」

P「いいですか、やよいは姉でありながら妹属性というギャップが魅力なんです」

小鳥「そんなこと誰でも知ってますよ。舐めてるんですか?」

P「舐めとらんわ。そのやよいとぐーだら美希を組み合わせたらどうなると思いますか」

P「やよいのストレスマッハですよ! やよいは甘えられる人を求めているんです。頼りになる人を求めているんです」

P「だから、はるやよが存在するわけですよ。優しいお姉さんキャラの春香と、妹になりたいやよい」

P「その二人は、まるでジグソーパズルのようにフィットするんですよ!」

小鳥「待ってください、それは」

P「ええい黙れ! まだまだ序の口よ! お次は千早だ!」


P「千早は弟大好きなお姉ちゃんなんですよ」

P「その背景は複雑すぎて、語るには涙は必須…」

P「だからここでは詳しい説明は省かせてもらうが、千早は小さい子に対してはデレデレなんですよ!」

P「そこでこの事務所のやよいだ! もうデレッデレやでほんま! いくらやよいが可愛いからってキャラ崩壊激しすぎるわ!」

P「高槻さん可愛いの千早と、可愛がられるやよい、もう語る必要はない!」

P「ぴったんこのカンカンだ! エデンはここにあったんだ!」

小鳥「ぷろでゅーs」

P「まだまだぁ! 3番手は響だ!」


P「響はやよいを動物のように猫かわいがりしている! 以上響パート終わり!」

小鳥「ちょ、それはいくらなんでも響ちゃんが」

P「次だ次! おおっともう最後になってしまった」

P「だがしかし最後だからと気を抜くんじゃない! ここは戦場だ、弱肉強食の世界だ! 弱い奴からいなくなれと思えひよっこ!」

P「ラストは最恐、やよいおりだ!」

P「どうだ! もう名前から強者の匂いがするだろう? ちびった?ちびっちゃった?」

P「伊織はまだまだ幼い部分が有りますが、同年代の子供よりかはいくらか知見がある」

P「なぜか? それは伊織の実家が大富豪だからだ。世間知らずとも受け取られる行動は、むしろ世間が知らないことを知っているからなんですよ!」

P「キーキー言ってるけど本来の伊織は、博識で聡明、そして努力家なんです!」

P「一方のやよいはどうだ? お世辞にも裕福とはいえない家庭状況、とても伊織と同等の知見があるとは思えない!」

P「これは吊り合わない、と思ったか? 否!」

P「この違いが最高の反応を起こすのですよ!」


P「伊織はやよいから、今まで触れたこともない知識や体験をするはずです」

P「何故そのようなことをするのか、理解出来ないこともあるでしょう」

P「しかしそれでも健気に生きるやよいに、伊織は感銘を受けるわけです!」

P「この子は自分にはない何かを持っている。今までなんの不足もなく暮らしてきたはずなのに、彼女は持っている!」

P「伊織としてはこれほど興味深いものはないでしょう! お金も土地もジャグジーもシャンデリアもペットもないこの少女が、私にはないものを持っているわけですからね!」

P「きっと二人の馴れ初めは、すんなり行くものではなかったでしょう」

P「しかし、それを乗り越えた先はもう一本道!」

P「もうお前ら結婚しろよ! いおりんやよいっちにデレすぎっしょ→!」

P「やよいも伊織に対しては、親友でありながら姉のような頼りがいを感じているでしょう」

P「この二人の関係、正にベストカップリング! やよいおりに死角なし!」


P「はぁ…はぁ…さぁどうですか? これだけの強力な敵がいながらまだ勝負を挑みますか?」

小鳥「…。」

P「ふっ…まぁせいぜい一日持ったらいいほうでしょう。あなたもすぐに此方側の人間になりますよ」

小鳥「…。」

P「さぁ、あなたも早くみきやよなどという考えは捨てて、楽になりなさい」

小鳥「……ください…」

P「ん? 今なんと」

小鳥「黙ってくださいっっ!!!」


小鳥「都合よく難聴発症してんじゃねーよ! おらおらおら!さっきから言いたい放題言いやがって!」

P「なっ貴様…! 何故…!?」

小鳥「お前の考え方には根本的な誤りがある! 特別に教えてやろう!」

P「あ、誤りだと…!?」

小鳥「そうだ! まず第一に、誰と仲良くするかはやよいちゃんが決めるべきことである!」

P「そんなこと知って……はっまさか!」

小鳥「やっと気がついたかボンクラめ! 第三者がこいつはこうであると決めつけるのは根本的に間違っているんだよ!」

P「ぐぅぅぅぅっっ!! 不覚…!」

小鳥「お主の『こうである』というカップリングを決めつけるその姿勢! 百合道の理念から著しく逸脱していると言わざるを得ない! 貴様は首だ! 荷物まとめて国へ帰れ!」

P「がぁぁっ! ち、違うんだ…! 俺はただ…!」

小鳥「ふんっ! プロデューサーさんも墜ちたものですね。以前はあれほど目を輝かせて百合を語っていたのに」

P「ぅぅぅ……違うんだ……俺はまだ…まだ…!」


小鳥「あの日々を忘れてしまったのですか?」

P「あの日々…?」

小鳥「ほら、二人で仕事サボって語らったじゃないですか…」

P「二人で…語らった…」


―――――――――――――
――――――――


P『やよまみ』

小鳥『あり』


―――――――――――――
――――――――


小鳥「思い出してくれましたか?」

P「はい…回想の中でも音無さんは仕事していませんでした…」

小鳥「ふふっ、余計なことを言うと口を縫い合わせますよ? さぁ、私のみきやよを聞いてくれますね」


美希「」ZZZ

やよい「うぅぅ、美希さんがどいてくれないとお掃除できない…」

やよい「中々起きてくれないし……そうだ!」

美希「」ZZZ

やよい「美希さーん、おきてくださいーい」

美希「」ZZZ

やよい「美希さーん、アレ、ありますよー」

美希「」ピクッ

やよい「はい、おにぎり」

美希「いただきますなのー!」ガバッ


やよい「ふふっ」

美希「あれっ、おにぎりは?」

やよい「美希さん、お掃除するからちょっとだけどいてください!」

美希「ああー! やよいが騙したの! これは許し難い大罪なの!」

やよい「だってこうしないと美希さん起きてくれないですし…」

美希「むぅー、許さないよ! お仕置きに抱き枕になるの!」ガバッ

やよい「ひゃあ!? み、美希さん!」

美希「んぅー…やよいは暖かくて快適なの…」スリスリ

やよい「うぅぅ…///」



小鳥「的な」

P「なるほど」


小鳥「美希ちゃんに翻弄されるやよいちゃんですね」

P「まぁストレートに考えたらこうなりますよね」

小鳥「そうですね。美希ちゃんの自由奔放さを活かしたショットと言えます」

P「とばっちりを受けたやよいが、戸惑いながらも満更でもない感じがいいですね」

小鳥「そうです! この満更でもないというのがポイントなんです!」

小鳥「美希ちゃんって、事務所の中じゃ割りと身長が高い分類じゃないですか」

P「はい」

小鳥「だから小柄なやよいちゃんからしたら抱擁力が高いと思うんですよ」

P「なるほど…」


小鳥「だがしかし、これだけでは如何せんパワーに欠けます」

P「確かにそうかもしれないですね。何か物足りない感じ」

小鳥「そこで私は考えました。どうしたら、この物足りなさを解決できるのかを」

P「うーむ、他のが印象強めですからね。どうしても先入観で制限が…」

小鳥「うふふ、私もそれは認めます。ですけれど、私は解決しちゃったんですよ」

P「えっ本当ですか?」

小鳥「はい。大事なのは先入観を捨てることです」

P「先入観…」


やよい「抱きまくらにされちゃった」

やよい「美希さんもう寝てるし、お掃除どうしよう…」

やよい「ふう…でも暖かいかも…」

やよい「美希さんって、む…胸も大きいし…」

やよい「ふぁぁ…なんだか私も眠くなって…」


  コツコツ…


美希「…! この音は!?」ガバッ

やよい「わっ、ど、どうしたんですか?」

美希「やよい、隠れるの!」ギュッ

やよい「ひゃっ! み、美希さん」


美希「ちょっと狭いけど我慢してね」

やよい「あのっ…美希さん…」

美希「しー、声出しちゃダメ。ソファーの影に隠れてやり過ごすの…」

やよい「うぅぅ…」

やよい(美希さんが近い…壁に手をついてるから動けないし…)カァァァ

やよい(こういうの、なんて言うか小鳥さんが言ってたかも)

やよい(確か、壁ドン…)



小鳥「こうです」

P「ふむふむ」


小鳥「美希ちゃんではなく、やよいちゃんに相手を意識してもらいます」

P「あのーまず一ついいですか」

小鳥「はいなんでしょう?」

P「やよいに変なこと教えないでください」

小鳥「おおおお教えてる訳ないじゃないですか! 例えばの話ですよ!例えば!」

P「ふーん…まぁいいですけど」

小鳥「ととととにかく解説させてもらいますよ!」

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