まゆ「…来ないで、下さい」 (43)

※モバマスSS

※キャラ崩壊多め

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モバP「まゆー」

まゆ「なんですかー?」

P「次の仕事の話なんだけど、企画書を確認してくれないか」

まゆ「いいですよぉ」

まゆ「これは…結婚式場のイメージガール、ですか?」

P「そうだ。前にアイドル雑誌の読者アンケートがあっただろ?」

まゆ「『お嫁さんにしたいアイドルランキング』ですよね。まゆは惜しくも3位でしたけれど…」

P「3位といっても、全アイドル中の3位だからな。光栄なことだぞ?」

まゆ「はい、多くのファンの皆さんに選んでいただいて嬉しいです」

P「まあ俺の中ではまゆが文句なしの1位だけどな!」

まゆ「Pさん…///」

P「そういう訳でだ。どうだ、やってみるか?」

まゆ「その…結婚式場ってことは、ウエディングドレスとか着るんですよね?」

P「ああ。嫌なら受けなくてもいいんだぞ?」

まゆ「いえ、そういう訳ではなくて、まゆなんかでいいのかなと…」

P「どういうことだ?」

まゆ「ほら、ウエディングドレスといえばもっと似合いそうな人がいるじゃないですか?美優さんとか留美さんとか…」

P「そんなに卑下しなくてもいいじゃないか」

P「もちろん美優さんや和久井さんにもそういった魅力はある。だがまゆにはまゆにしかない、違った方向の魅力があると思うんだ。まゆをずっと近くで見てきた俺が言うんだから間違いない」

まゆ「Pさんがそこまで言うなら、やってみます。上手く行くかどうかは分かりませんが…」

P「まゆなら大丈夫だよ。でも、本当に嫌なら言ってくれよ?」

まゆ「大丈夫ですよぉ、Pさんは心配性なんですから」

P「はは、そうかもな。」

まゆ「ところで、Pさんはその…結婚とかは考えないんですか?」

P「結婚?そうだなぁ…」

P「いずれはしたいと思うけど、今は仕事が忙しいし、プロデュースに幸せを感じてるから、あんまり考えてはいない」

まゆ「Pさんは仕事第一、ですもんね」

P「まあ耳が痛い話ではあるけどな…」

P「それにしても珍しいじゃないか、まゆからそんな話題を振るなんて」

まゆ「あっ…いえ、深い意味は無いんです。ただちょっと気になって…」

P「はは、そうか。」

まゆ「事務所には女の子がよりどりみどりですからねぇ…?」

P「うっ…ま、まあ、アイドルとプロデューサーの恋愛はご法度だからな。大丈夫だよ」

まゆ「んもう…」

まゆ(今はこれでいいんです)

まゆ(Pさんのアイドルとしてプロデュースしてもらって、まゆは今とても幸せですから)

まゆ(でも、まゆ以外の女の子と結婚したら、わかってますよね?…ね?)

【後日・結婚式場】

P「まゆ、いいかー?」

まゆ「大丈夫ですよぉ」

ガチャ

まゆ「どうですか?まゆのウエディングドレス姿」

P「おおう…」

まゆ「?」

P「いや、予想以上に来るものがあるなーと…」

P「なんだろう、娘を送り出す父親の気持ちっていうのかな?」

まゆ(父親、ですかぁ)

P「いやうん、似合ってるよ。綺麗だ」

まゆ「本当ですか?まゆ嬉しい…!」

P(父親じゃない、今すぐにでも俺の嫁に迎えたいくらいだ…)

P(献身的で、家事ができて、俺を慕ってくれる。最高の嫁じゃないか)

P(……おっと危ない、プロデューサーがアイドルに邪念を持ってはいけないな)

コンコン

「佐久間さーん、撮影準備できましたので移動お願いしまーす」

P「よしまゆ、行って来い。俺も見てるからな」

まゆ「はい、頑張ります!」

P(…)

P(アイドルとプロデューサー、か…)

---

パシャッパシャッ

カメラマン「いいよー、今度はあっちの方向いてみてー?」

まゆ「はーい」

パシャッパシャッ

演出「うーん、何か趣向を変えたショットが欲しいですねぇ。」

P「ふむ、具体的にはどういった?」

演出「やっぱり花嫁は相手がいてこそ映えると思いませんか?」

P「なるほどね。でも男性エキストラが必要になりますよ?」

演出「それはそうなんですが…そうだ、プロデューサーさんはどうですか?」

P「へ?俺がですか?」

演出「はい、衣装ならありますし、あなたなら佐久間さんの自然な表情をもっと引き出せると思うのですが」

P「いやでも、一応アイドルなんですからイメージというものがですね…」

演出「まあまあ、顔は写しませんから、ね?撮ってみるだけですよ、ちょっとだけね」

P「はぁ、そこまで言うなら」

まゆ(Pさん、どこに行くんでしょうか?)

---

P「まーゆっ」

まゆ「はーい?……!?」

P「どうだ?ちょっと柄に合わないかもしれないけど…」

まゆ「Pさん…素敵です!」

P「おお、そうか。そう言ってもらえると嬉しいな」

カメラマン「じゃあ撮りますよー」

パシャッパシャッ

まゆ「うふふっ」

P「いい笑顔だぞ、まゆ」

まゆ「Pさんも楽しそうですよぉ?」

P「当たり前だろ、花嫁姿のこんなかわいいアイドルと一緒に写真を撮れるなんて嬉しいに決まってるよ」

まゆ「そこはまゆと、じゃないんですか?」

P「はは、これは失礼」

パシャッパシャッ

まゆ(これがお仕事じゃなければ、どんなに幸せだったでしょう…)

まゆ(アイドルとプロデューサー、ですか…)

---

オツカレサマデシター

P「さてと、撮影お疲れ様。」

まゆ「お疲れ様でした。今日は直帰でいいんですよね?」

P「ああ。まゆ、この後予定あるか?」

まゆ「いえ、特にはありませんよ?」

P「そうか。良かったら飯でも食いに行かないか?撮影お疲れ様ってことで」

まゆ「本当ですかぁ?嬉しいです…!」

P「あんまり期待はしないでくれよ?」

まゆ「心配しないでください、まゆはPさんとならどこでも大丈夫ですから」

P「はは、助かるよ」

P「ところで、撮影はどうだった?」

まゆ「はい、まゆの新しい面を見つけられたみたいで嬉しかったです」

P「そうか。今後はそういう方向性も考えてもいいかもしれないな」

まゆ「ただ…結婚前にウエディングドレスを着ると婚期が遅れるって言うじゃないですか?」

P「…ほう?」

まゆ「なんですかぁ?」

P「そんな事気にしてたのか。まゆもやっぱり乙女なんだなぁ」

まゆ「…ちょっと失礼ですよぉ?」

P「はは、すまんすまん。でもまあその時は俺が貰ってやるから心配するな」

まゆ「!?…あの」

P「さ、早く乗れよ、置いていくぞ」

まゆ「Pさぁん!?」

【レストラン】

「いらっしゃいませ。」

P「予約してたPと言いますが」

「P様ですね、お待ちしておりました。こちらのお席へどうぞ。」

まゆ「予約なんて、いつの間に…」

P「さて、今日は奢りだから遠慮せずに食べてくれ」

まゆ「こんな高級そうなお店…いいんですか?」

P「人目につかないからいいかと思ってな。それにまゆが喜んでくれるなら安いものだよ。」

まゆ「ありがとうございます…!」

まゆ「でも、どうして急に?」

P「ん?あ、あぁ。たまにはこういうのも良いかと思ってな。」

まゆ「そうですかぁ…」

まゆ(Pさん、まゆの誕生日を忘れてしまったんでしょうか…)

P(心なしか寂しそうだな、まゆ)

P(でもまあ、今言っちゃうとサプライズにならないしな)

---

まゆ「ふぅ…」

P「どうだ?満足だったか?」

まゆ「はい、とても美味しかったです。Pさんとこんな素敵なお店でディナーなんて、まるで夢みたいです…!」

P「はは、また大げさな…喜んでくれたなら嬉しいよ。」

P「それと、まゆ」

まゆ「?」

P「誕生日おめでとう。俺からの誕生日プレゼントだ」スッ

まゆ「!…まゆの誕生日、覚えてくれてたんですね?」

P「当たり前だろ、担当アイドルの誕生日を忘れるプロデューサーがどこにいる」

まゆ「本当…嬉しいです…でも、いいんですか?」

P「うん、ほんの気持ちだ。開けてみてくれ。」

まゆ「わぁ…これは、ネックレス?」

P「赤いアクセントがまゆに似合うかと思ってな。気に入ったか?」

まゆ「はい、とても…。あの、今つけてみてもいいですか?」

P「ああ、いいぞ」

まゆ「…どうですかぁ?」

P「……うん、やっぱりとても似合ってる」

まゆ「そうですかぁ…ありがとうございます!…一生大事にしますね?」

P「是非そうしてくれ。」

---

P「さて、寮まで送っていくよ…と言いたいところだが、少し夜風に当たりたい気分だな」

まゆ「時間はまだ大丈夫ですから、一緒に歩きますか?」

P「そうだな、そうしよう。」

まゆ「それにしても、夜はだいぶ涼しくなりましたねぇ」

P「そうだなぁ、まだ昼は暑いけど、過ごしやすくなったよ。」

P「…まゆと出会ったのも、こんな涼しい日だったっけな」

まゆ「あれはまだ初夏でしたね…」

P「自分からスカウトされに来るアイドルなんて、後にも先にもまゆだけだよ」

まゆ「…もう、その話はいいじゃないですかぁ」

P「でも、あの時まゆをスカウトできたのは、本当に良かったと思ってる」

まゆ「まゆとPさんは、そういう運命だったんですよ…?」

P「はは、そうかもな」

まゆ「ここまで来れたのもPさんのお陰です」

P「それはまゆの実力だよ。俺はその手助けをしたに過ぎない」

まゆ「でもその手助けがなければ、今のまゆはありませんから」

P「…そう言ってもらえると嬉しいよ、プロデューサー冥利に尽きる」


まゆ「まゆは今、幸せなんです。Pさんに見つけてもらって、いろんな苦難を一緒に乗り越えて、Pさんのアイドルとして輝いている」

まゆ「そのことが、その一つ一つが、私にとってかけがえのないものなんです。」

まゆ(それだけ、でいいんです…まゆは…)ズキッ

P「…」

P「俺は幸せものだな。…いや、俺も、か。」

P「まゆと出会って、いろんな事があったよ」

P「レッスンばかりの日々もあったし、必死で売り込みもした。」

P「楽しいことばかりじゃなかったけど、それでも仕事やレッスンを真面目にこなしてくれるまゆを見て、俺ももっと頑張らなきゃなって思えた。」

P「地道な努力が実ってきて、だんだんと仕事がもらえるようになってきて、今やトップアイドルだ。」

P「その過程の一つ一つは、俺にとっても大切なものだ。」

P「まゆの成長を、誰よりも一番近くで見られることが、本当に幸せだ。」

P「本当に、佐久間まゆのプロデューサーで良かったと思ってる。」

まゆ「…」ズキッ

P「だから、まゆ」

まゆ「…」

P「これからも、よろしく頼むぞ。」スッ

まゆ「…」ズサッ


P「…まゆ?」



まゆ「…」



まゆ「…来ないで、下さい…」


P「…えっ…」


まゆ「まゆは…まゆは…」


まゆ「…これ以上Pさんに優しくされたら、我慢できない、です…」


P「…」

まゆ「まゆは今、幸せです…」

まゆ「アイドルとして、Pさんにプロデュースしてもらって。」

まゆ「でも本当は、もっとPさんの近くで生きていけたら」

まゆ「二人で寄り添って、いつまでも、いつまでも、一緒にいられたらって…そう思ってました」

まゆ「…分かってるんです。佐久間まゆはアイドルで、プロデューサーであるPさんとは一生結ばれないんだって…」

P「…まゆ」

まゆ「そうやって、言い聞かせてきました」


まゆ「でも…やっぱりPさんは大好きで、我慢できなくて…」

P「まゆ」


まゆ「こうやってPさんに迷惑ばっかり掛けて…!」

P「まゆ!」



まゆ「っ!…」

P「…」ギュッ

まゆ「……」

まゆ「…P、さん…」フルフル

P「…」

P「…やれやれ、プロデューサー失格だな。担当アイドルの悩みも気づけずにいたなんて」

まゆ「…」

P「…確かに、まゆはアイドルで、俺はプロデューサーだ。」

まゆ「…」

P「でも、だからどうした。その悩みが原因で仕事に影響が出るなら、それこそプロデューサーは失格だ」

まゆ「…っ」

P「…なーんて格好つけて言ってるけどな…俺も同じなんだよ。」

まゆ「…同じ…?」

P「まゆと一緒に歩いてきて、いろんな事があった日々の中で、知らないうちにこうなってたのかも知れないな」

P「…まゆのお陰で、その気持ちに確信が持てたよ。」

まゆ「えっ」

P「だからその…な?」


まゆ「…Pさん…」



P「好きだ、まゆ。」

P「アイドルとしてではなく、一人の女の子として、まゆが好きだ」


まゆ「…」

まゆ「うっ…グスッ…」

P「ど、どうした、痛かったか!?」

まゆ「Pさんは…卑怯です…グスッ」

まゆ「まゆは…とても、幸せです…」

まゆ「Pさんの、アイドルとしても…佐久間まゆという…女の子としても…ヒクッ」

まゆ「Pさんに…好きって…グスッ…ヒック…うぇぇ」

P「まゆ…」ナデナデ

---

P「落ち着いたか?」

まゆ「はい、取り乱してすみませんでした…」

P「…泣いてるまゆも可愛かったよ」

まゆ「っ…!もう、Pさんったら!///」


P「……ふっ」

まゆ「…うふふっ」

P「ははっ、ははは、あははははは」

まゆ「ふふふ、うふふふっ」

P「はははっ、はぁ…」



P「愛してるよ、まゆ」



まゆ「私もですよぉ、Pさん…」



            おわり

ありがとうございました。
なんとか誕生日中に投下できて良かったです。
個人的にはPさん好き好きなまゆよりちょっと控えめなまゆが好きだったりします。

ままゆ誕生日おめでとう!

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