P「響とサボ太」 (17)
P「立派に育てよー」ジャワー
響「ん?ねぇプロデューサー、それってなに?」
P「観賞用のサボテンだよ、名前はサボ太と言うんだ」
響「ふーん、サボ太か・・・いい名前だね!」
P「そうだろう?」
響「ちょっと見せてもらってもいい?」
P「ああ、どうぞ」
響「じゃあ・・・」スッ
P「響は観賞植物は好きなのか?」
響「うーん、考えたことないからわからないけど・・・けどこのサボ太は可愛いと思うぞ」
P「ふふふ、流石にお目が高い」
響「うん、こういうのだったら自分も少し欲しいかも」
P「そうか?・・・よし、だったらそのうち増やしてみるつもりだから、それが上手くいったら響にも分けてあげようか?」
響「え、ホント?いいの?」
P「ああ、構わないよ」
響「じゃあお願いしてもいい?」
P「わかった、それじゃあもしも増やすことができたら持ってくるよ」
響「うん、楽しみにしてるね!ありがと、プロデューサー!」
P「どういたしまして」
しかし不幸なことにサボ太はそのしばらく後に亜美と真美の喧嘩に巻き込まれてポキっとなってしまい、そしてゴミ箱に埋められてしまったのでした(双海姉妹ランクEコミュ・チャンス1参照)
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双海姉妹が帰った後
P「・・・はぁ」
響「ただいまー!」ガチャ
P「ん?・・・ああ響か、おかえり」
響「うん、ただいまプロデューサー!」
P「今日の仕事はどうだった?」
響「もちろん完璧さー!」
P「そうか、流石は響だな」
響「えへへ、まぁね!」
P「響は今日はこれであがりだったっけ?」
響「うん」
P「よし、それじゃあ気をつけて帰るんだぞ」
響「了解さー!ええと、荷物は・・・」ゴソゴソ
P「」ハァ
響「?」
P「・・・ああそうだ響、帰る前に少しいいか?そういえば響に言っておかないといけないことがあるんだった」
響「ん?なに?」
P「そのな、サボ太のことなんだけど・・・実はさっき鉢が床に落ちてしまって、それで折れてしまったんだ」
響「え?そ、そうなの?」
P「ああ、少し不幸な事故があって」
響「そ、そうなんだ・・・サボ太が」
P「・・・だからこの前は増やせたらあげると言ったけど、ごめん、それは無理になってしまった」
響「・・・そっか」
P「すまないな響、約束してたのにこんな事になってしまって」
響「ううん、それはいいんだけど・・・」
P「そうか、そういってくれると助かるよ」
響「・・・」ジー
P「・・・ん?どうした、響?なんだ、俺の顔に何かついてるか?」
響「ねぇ、プロデューサー」
P「?」
響「・・・サボ太にお墓作ってあげようよ」
響「・・・これでよし」
P「お疲れ様、響」
響「うん、プロデューサーもお疲れ様」
P「しかしサボテンにお墓か・・・賛成しておいてなんだけど、やっぱり少し不思議な感じだな」
響「そうだね、自分もちょっと変な感じだ」
P「・・・なぁ響、聞いていいか?どうして突然お墓を作ろうなんてことを言い出したんだ?」
響「別に深い意味はないぞ?自分もサボ太のこと可愛いって思ってたからね、だから弔ってあげたいって思ったんだ」
P「・・・」
響「自分、弔うっていうのはその相手が大切だったこと、時々でいいから思い出してあげることだと思うんだ。だから、こうやってお墓を作ってあげればここに思い出しに来れるでしょ?プロデューサーがサボ太っていうサボテンを育ててたんだ、って」
P「なるほどな、そういうことか」
響「うん」
P「・・・思い出してあげる、か」スッ
P「なぁ響、少し聞いてくれるか?」
響「ん、なに?」
P「今回のサボ太の事なんだけどさ、なんというか善意が裏目に出てしまった結果起きた事でな・・・それで俺はサボ太のために怒ってあげること、できなかったんだ」
響「うん」
P「だからこうやってサボ太のためにお墓を作ってあげることができて・・・良かった、って今思ってる」
響「・・・そっか」
P「ありがとう響、なんというか・・・救われたよ、こうやってサボ太のためになることができて。響がこうやって提案してくれなかったら、きっと俺はサボ太に何もしてあげることができなかったと思うからさ」
響「・・・ううん、そんなことはないよ」
P「?」
響「もし自分が何も言わなくても、プロデューサーは絶対にサボ太のために何かしてあげてたと思う。自分、知ってるから。プロデューサーがサボ太を大切にしてたこと」
P「・・・」
響「サボ太だってそう思ってると思うぞ?プロデューサーが大事に思ってたこと、きっと伝わってたって思うから。だからね?こんな事になっちゃったけど・・・これまでのこと、サボ太はプロデューサーに感謝してるよ。今まで大切にしてくれてありがとう、って。自分、植物の言ってることはわからないけど・・・でも、このことはわかる気がするんだ」
P「・・・そうか」
響「うん」
P「・・・」パン
P「サボ太・・・これまでありがとう、安らかに眠ってくれ」
響「・・・」
P「」スッ
P「・・・響」
響「ん?」
P「・・・今日は、本当にありがとう」
終わり
以下おまけ
お墓作り
P「・・・しかし、お墓を作ると言っても墓標はどうしようか?何も用意していないけど」
響「うーん・・・だったら折れちゃったサボ太をそのまま墓標にしちゃえばいいんじゃないか?そうすればわかりやすいしね」
P「ああ、なるほど!よし、それじゃあそれでいこう」
お墓をつくってからしばらくしたある日のサボ太のお墓の前
響「・・・」パン
響(サボ太が折れちゃってからしばらく経ったけど・・・プロデューサーは元気で頑張ってるよ。・・・もちろん、自分もね!だから、安心して見守ってて)
響「」スッ
響「・・・よし、それじゃあ今日も一日頑張るさー!」
響「」ジー
響(・・・けど、まだサボ太は緑色なんだね?サボテンって枯れても色が変わらないのかな?)
響「どうなんだ、サボ太ー?」ツンツン
響「・・・ん?」
バァーン!
響「プ、プロデューサー!大変だ!」
P「おわっ!?な、なんだ、響か・・・どうしたんだ、そんなに慌てて?」
響「た、大変なんだ、事件なんだよ!サ、サボ太が!」
P「?」
響「サボ太が、生きてる!」
P「な、なんだって!?」
P「えーと・・・」ジー
響「ど、どう?プロデューサー?」
P「・・・本当だ、確かに新しく根っこが生えてきてる。ははっ、生きてる・・・生きてるよ、響!」
響「ホ、ホント?」
P「ああ、本当だよ」
響「そ、そっか・・・よかったぁ」
P「ああ、本当によかった・・・それにしてもよく気づいてくれたなぁ、ありがとう、響!助かったよ、もしも響が気づいてくれなかったら危うくサボ太を見捨ててしまうところだった」
響「えへへ、どういたしまして!」
P「しかしサボテンって強いんだな・・・こんな風に折れてしまっても生きているなんて」ヒョイ
P「・・・って、あれ?」
響「ん?どうしたんだ?」
P「・・・こっちにも根っこ生えてる」
響「え?」
P「ほら、見てくれ」
響「・・・あ、ホントだ。確かに根っこ生えてきてるぞ・・・」
P「へぇ・・・こんなこともあるんだなぁ」
響「うん、なんだかラッキーだね!」
P「ああ、そうだな」
P「とにかく生きてるってわかったんだ、まずはサボ太を鉢に移してやらないと」
響「そうだね!」
P「しかしこっちの方はどうしようかな、流石に机の上に二つ置くのはスペースが・・・ああ、そうだ!」
響「?」
P「響、もし良かったらだけど・・・こっちの方、響にわけてあげようか?」
響「え、ホントに?いいのか?」
P「もちろん!元もと増やせたらあげる、って約束していたし・・・それに今回のことは全部響のおかげだからな」
響「うわぁ、ありがと、プロデューサー!それじゃあ大事にするね!」
P「ああ、どういたしまして!・・・こっちこそ本当にありがとう、響!」
ワーワー
伊織「・・・」ジー
伊織「アイツらは事務所の前で一体なにをあんなに騒いでるのかしら・・・?」
終わり
これで終わりです
読んでくださった方、本当にありがとうございました
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