八幡「やはり雪ノ下雪乃のいない奉仕部はまちがっている」 (152)

静「青春とは嘘であり、悪である。(中略)リア充爆発しろ」

静「なぁ比企谷。私が授業で出した課題は何だったかな?」

八幡「…はぁ、『高校生活を振り返って』というテーマの作文でしたが」

静「そうだな。それでなぜ君は犯行声明を書き上げてるんだ?テロリストなのか?それともバカなのか?」

静「この舐めた作文はなんだ?一応言い訳くらいは聞いてやる」ギロリ

八幡「ひ、ひや、俺はちゃんと高校生活を振り返ってますよ?近頃の高校生はらいたいこんな感じじゃないでしゅか!だいたいあってますよ!」プルプル

静「普通こういうときは自分の生活を省みるものだろう」

八幡「だったらそう言ってください。これは出題ミスです」

静「小僧、屁理屈を言うな」

八幡「小僧って…確かに先生の年齢からしたら小僧ですけど」

静「」ブウォン

八幡「」ダラダラ

静「次はあてるぞ」

八幡「すいませんでした。書き直します」


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静「私はな、怒ってるわけじゃないんだ」

八幡「(それ絶対怒ってるパターンやん。でも本当に怒ってるわけじゃないようだ)」

静「君は部活をやって無かったよな?」

八幡「はい」

静「やはりな。そんな目の腐ってるような奴が部活に入るわけがなと思っていた」

八幡「(目で分かっちゃったのかよ)」

静「よし、そのレポートは書き直せ」

八幡「(ですよねー)」

静「だが、君の心無い一言で私の心は深く傷ついた。なので、君には奉仕活動を命じる」

八幡「えー…なにすりゃいいんですか」

静「付いてきたまえ」

静「着いたぞ」ガラリ

八幡「…なんすかこの教室。ただ椅子と机が放置されてるだけの教室みたいですけど」

静「君には奉仕部で部活動をしてもらう」

八幡「なんすか奉仕部って」

静「まぁ平たく言えば銀魂の万事屋みたいなことをする部活だ。昔ある生徒が立ち上げてな。

君がここで奉仕精神を養えば、ちょっとはその目もましになるだろう」

八幡「いや俺あんなにかっこよく問題を解決出来たりはしませんよ」

静「さっき平たく言えばといっただろう。この部でやることは君が問題を解決するのではなく、依頼者がその問題を解決できるように手助けするといったものだ」

八幡「概要は分かりましたが…」

静「依頼者は私が主に連れてくることになるだろう。そのほかにも君がここにちゃんと来ているか不定期でチェックしにくる。平日は毎日ここに来なければ、卒業はできないものと思え」

八幡「そんな横暴な…で、いつまでいればいいんですか?」

静「5時まででいい。まぁ自分の自由に使える教室が一つできたと思えばいい話だろう?

君は友達も彼女もいないようだし、一人で使えるスペースが増えるに越したことはないんじゃないか?」

八幡「何で友達以内の知ってるんですか…まぁ分かりましたよ。やるだけやってみます」

静「うむ、その意気だ。依頼を達成すればその度にラーメンを奢ってやる。

なにせ結婚資金として溜めている金がわんさかあるからな。それくらいは問題ない…結婚」ハァ

八幡「(うわぁ…)」

静「な、なんにしろ精を出して部活に励むように!帰っていいぞ」

八幡「では、失礼します」

八幡「(でもこれ単純に考えたら労働が増えたってことだよな…めんどくさ)」

今回はここまで

原作からの引用がすごく多いですが、所々端折ってるので、その部分は自己補完で

ゆきのんは普通にj組にはいます

静「比企谷、部活の時間だ」

八幡「(教室を出ると仁王立ちした平塚先生が待ち構えていた。看守かよ)」

静「行くぞ」ガシ

八幡「あのですね、生徒の自主性を重んじるなら強制されるのには異議を唱えたいんですが」ヒョイ

静「なら今から強制されることに慣れておきたまえ。社会に出れば君の意見など通らないからな」

八幡「強制されなくても行きますよ。卒業がかかってんですから。だからほっといてください」

静「そう寂しいことを言うな。私が一緒に行きたいのだよ」

八幡「」ドキッ

静「逃がして歯噛みするぐらいなら、連行した方がストレスが少ない」

八幡「理由が最低ですね!」

静「何を言う。これが美しい師弟愛というやつだ」

八幡「これが愛なら愛などいらないです」

静「君は全くひねくれてるなぁ…やはり君は『高2病』だ」

八幡「え?病気扱いってひどくないですか?」

静「いや、褒めているよ。君のような生徒は私は好きだ。近頃は考えることを放棄して

器用に生きている生徒が多いからな。君はそういうのとは違う」


八幡「(うぐっ。言われ慣れてない言葉を言われると返答に困るな…)」

静「だから君のような生徒を手元に置いておきたいだけかもしれんな」




八幡「(そんなこんなで部室において行かれた。まぁ本でも読みますか)」

八幡「(そして何もないまま部活は終わった。マジで大丈夫なのかこの部活)」


八幡「(そして翌日、また俺は部室で本をただ読んでいる。こうなんていうか不毛すぎる。

まぁ働きたくない俺からしたらこの不毛さは心地いいものだが)」

八幡「(平塚先生にも専業主夫志望ということを明かしたら、女子の手料理の一つでも食べれば考えも変わるだろうと一蹴されてしまった。全然分かって無いよあの人)」

コンコン

八幡「(ん?先生か?)」

結衣「し、失礼しまーす」キョロキョロ

結衣「ひ!何でヒッキーがここに居んのよ!?ていうかヒッキーだけ?」

八幡「…いや、俺はここの唯一の部員なんだが」

八幡「(ていうかヒッキーってなんだよ。いきなりあだ名とかリア充
やっぱ頭おかしい)」

八幡「まぁ座れよ」ガタ

結衣「あ、ありがと」

八幡「そ、それで…まずは名前を聞きたいんですが…」

結衣「え!?同じクラスだよ?名前覚えてないとか意味わかなんない!由比ヶ浜結衣だよ!」

八幡「い、いや知ってたぞ?ただ確認というか形式というか…」

結衣「…何で目逸らすのよ」ジトー

結衣「そんなんだからヒッキー、友達いないんじゃないの?キョドリ方、キモいし」

八幡「(そう言えばこいつトップカースト軍団の女じゃねぇか。なら俺の敵だ)」

八幡「…このビッチめ」

結衣「はぁ?ビッチって何よ!あたしはまだ処―――う、うわわ!な、なんでもない!」

八幡「(ちょっと爆弾発言しないでくれます?ほぼ初対面でその発言はどう処理していいか
分からんぞ)」

八幡「…」

結衣「…」

結衣「…な、何か言ってよ!じゃないと恥ずかしいじゃん!」

八幡「わ、悪い。ていうか俺にあんまコミュ力期待しないでくれ。

ついでに何も期待しないでくれ」


結衣「それじゃああたしここに来た意味無いじゃん!平塚先生がここに来れば生徒のお願い叶えてくれるっていうから来たのに」

八幡「いや、俺がどうにかするってことは基本的に無いぞ。お前がその願いを叶えるのを手助けするだけだ」

結衣「どう違うの?」

八幡「そうだな…俺がお前のゲームをクリアするんじゃなく、クリアの仕方を教えるって感じだ」

結衣「あーそういうこと!分かりやすい!」

八幡「まぁ現実の問題じゃあクリアの仕方なんて俺も分かんねえから、できる限りヒントだけでも与えられれば、って感じだ」

結衣「ほうほう…」

八幡「で、今回の依頼は何だ」

結衣「あ!あのね!く、クッキーを…」

八幡「クッキーがなんだ」

結衣「うーん…、まぁいいか。ちょっと感謝の気持ちを届けたい人が居て、その人にクッキーを作りたいなぁって」

八幡「作ればいいじゃねぇか」

結衣「そうなんだけどさ…なんか自信無くて」

八幡「それで手伝ってほしいと…そんなの友達に頼めよ。なんで俺がそんなことしなくちゃいかんのだ」




結衣「う…な、なんかそういうマジっぽい雰囲気、友達とは合わないし」

八幡「(出たよ、コイバナ。他人の恋時ほどどうでもいいものは無いよな)」

八幡「はっ」

結衣「あ、あう」ショボン

結衣「そうだよね…あたしみたいなのが手作りクッキーとか…似合わないよね」

結衣「ヒッキー、やっぱいいや。ごめんね」

八幡「俺は似合ってるとか似合ってないとかじゃなくて単純に興味がないだけだけどな」

結衣「もっとひどいよ!あー腹立ってきた!あたしだってやればできる子なんだからね!」

八幡「(…まぁ諦められちまうのも悲しいしな)」

八幡「分かった。カレ―位しか作れねーが手伝うよ」

結衣「え?あ、ありがと…」


八幡「(そして由比ヶ浜は材料を取り出すと、クッキーを作り始めた

あいつレシピ見ないでやってるけど大丈夫なのか?

それにしても制服エプロンは至高である)」

結衣「出来た!」

八幡「…これほんとにクッキーかよ。ジョイフル本田で売ってる木炭みたくなってんぞ」

結衣「なにが木炭だし!…でもそう思われてもこれは仕方ないかも…」

八幡「…まぁとにかく食ってみるか。食品だけ使ってるから食べられるはずだ」

結衣「そんな…無理しなくても…」

八幡「バカ言えお前も食うんだぞ。俺も半分は食うから」

結衣「う、うん…」

八幡「」ボリボリ

結衣「」ボリボリ

八幡「まずい。いままで食べた料理の中でダントツにまずい」

結衣「う~まずいよー」

八幡「さて、これをどう改善しようか…」

結衣「うーん…」

八幡「由比ヶ浜が二度と料理をしなければいいんじゃないか?」

結衣「全否定された!?」ショボン

結衣「でもそうだよね…やっぱりあたしこういうの向いてないんだよ。才能ってゆーの?そういうのないし…」

八幡「料理の才能って点では皆無だな」

結衣「そこハッキリ言っちゃうんだ!?」

八幡「まぁでも料理なんて努力次第でどうにかなりそうなもんだけどな。アフリカ人と100m走するわけじゃないんだし」

結衣「で、でもさ、最近みんなこういうのやってないって言うし…やっぱこういうの合ってないんだよ。きっと」エヘヘ

八幡「まぁそうだよな。俺も努力とか絶対したくないし」

結衣「うん。やっぱそうだよね…」

八幡「あぁ。お前の感謝の気持ちとか言うのがその程度ならいいんじゃね?

才能ないからって、みんなやってないからって消える程度の感謝なら、クッキー貰った方も迷惑だろ。

ここいらで諦めといた方が良いかもな」

八幡「(そういうと由比ヶ浜は俯きだした。ちょっと言い過ぎたか)」

結衣「い…」

八幡「い?」

結衣「いや!ぜったいそんなの!その人には感謝してもしきれないほどの恩を感じてるし…おいしいクッキーも食べてもらいたいもん!」

八幡「…そうか」

結衣「うん!だから頑張るよ!あたし!」

八幡「…それならもう一回作るぞ。今度はちゃんとレシピを見ながらだ。俺も手伝う」

結衣「うん!その…よろしくね、ヒッキー」




八幡「(そんなこんなでクッキー作りは再開した。

俺だってクッキーなんてほとんど作ったことないから、由比ヶ浜がレシピ通りにできなかったところは俺がレシピに従って手本を見せるという、探り探りでの料理だった。)」

八幡「(ほとんどレシピ通りに作れるようになるまで何回も作ることになった。

とっくに五時なんて回っていたが、そんなのは不思議と気にならなかった)」

八幡「(因みに作ってる途中でなんか新婚さんみたいだなと思ったことは、小町にも言わないで墓場まで持っていく所存だ)」

八幡「…よし、これでいいんじゃないか?」

結衣「うーん、お店で売ってるレベルのはどうしても作れないね…」

八幡「いや、お前はよく頑張った方だと思うぞ。それにこれくらいの味の方が男としては頑張った感が伝わってきてグッとくる。

それにお前は本当に頑張ってたからな。貰った方はさぞ嬉しかろう」

結衣「…ヒッキーもグッとくる?」

八幡「ああくるね。むしろ優しくされただけで惚れるレベル」

結衣「そっか、えへへ…あのさ、ヒッキー。ありがとね。最初にあたしに激をとばしてくれて、料理のときも正直あたしより頑張ってたし…」

八幡「…別に、最初のは思ったこと言っただけだし、料理に関してはさっさと終わらせたかっただけだ」

結衣「そっか…でもやっぱりヒッキーってあたしの思ってた通りの人だなって思ったよ」

八幡「は?なんだよそれ」

結衣「ううん、何でもない。じゃあねヒッキー。今日はほんとにありがとう!」ガラガラ

八幡「あ!おい!ったく…」

八幡「(はぁ疲れた…片づけ全部俺かよ…でも最後に見せてくれた感謝と笑顔は、労働の対価にしちゃちともらい過ぎかもな…)」




八幡「(翌日、また部室で黙々と読書をしていると、由比ヶ浜がやってきた)」

結衣「ヒッキー、昨日はありがとね…それで、これはそのお礼!あたしが一人で作ってみたんだけど…」

八幡「おれはただ部活動でやっただけなんだが…でも礼というのならもらっておく」

結衣「はい!ヒッキー!あとこれからあたしも部活手伝うから!これもお礼だし」

八幡「いや、そんな無理して来なくてもいいぞ。俺は一人が好きだし」

結衣「やーもうそんな遠慮しなくてもいいのにー。とにかく、明日からあたしも来るから!それじゃ!」バイバイ

八幡「お、おい!」



八幡「(はぁ、貰ったクッキーも少し黒ずんでるし…)」ボリボリ


八幡「まぁでも、昨日のよりはだいぶましになったかな…」ボソ

今回はこれで終わり。

それと過去作ですが、一応張っておきます(宣伝)

八幡「やはり俺の三学期はまちがっている」

八幡「やはり俺の三学期はまちがっている」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407042570/)

小町「雪乃さん!結衣さん!実はお兄ちゃんって抱き枕がないと寝れないんですよ!」

小町「雪乃さん!結衣さん!実はお兄ちゃんって抱き枕がないと寝れないんですよ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408584508/)

八幡「(翌日、部室に到着してからしばらくたつと、由比ヶ浜が来た)」

八幡「」ペラペラ

結衣「」ポチポチ

八幡「」ペラペラ

結衣「うーん」ノビー

八幡「」ペラ

結衣「暇!超ひま!ヒッキー!」

八幡「なんだようっせえな。依頼が無かったらこんなもんだぞこの部活」

結衣「えー。こんなの暇すぎるよー」

八幡「別に帰ったっていいんだぞ。無理に来いとは言ってない。お前なら友達たくさんいるだろ。そいつらと遊んで来いよ」

結衣「いや、ここにいるのが嫌っていう訳じゃなくて…むしろ嬉しいし…」

結衣「でも、もうちょっと時間を有意義に使いたいなーって」

八幡「なら自分でそういうこと探せよ。俺はこうやって本を読んでるから

それなりに有意義な時間は過ごしてるぞ」

結衣「うーん、あ!そうだ。依頼者がもっと増えるようにポスターでも作ろう!」

八幡「いや、これ以上仕事が増えるのは…」

結衣「『これ以上』ってそんな仕事してないじゃん!いーもん、あたし勝手に作るから」


八幡「まぁそれで静かになるんだったらいくらでもそうしててくれ」

結衣「ひど!ヒッキーもちょっとはお話とかしたいと思わないの?」

八幡「思わんな。会話とか無駄なエネルギー消費だ」

結衣「そんなんだからヒッキー友達出来ないんだよ」

八幡「うっ…ほっとけ、友達なんぞ俺には要らん」

結衣「ううん、ほっとけない。そういうとこ、あたしが何とかするから!

ヒッキーだって普通にしゃべってれば面白いのに…もったいないよ」

八幡「由比ヶ浜…お前良い奴だな。俺の話が面白いとか一度も言われたことなかったぞ

そういう感覚を持ってるってことはお前相当ずれてるんだな」

結衣「なんか馬鹿にされた!?せっかく褒めたのに!」

八幡「じゃあこれからは俺の話を面白いと思えるお前にしか話さないことで万事解決だな。

だからもう静かにしてろ」

結衣「え?あたしだけ?…えへへ…ってそうじゃなくて!とにかく、明日の昼休み

一緒にご飯食べよ?それでヒッキーもほかの人と話すのに慣れるようになるよ!」

八幡「嫌だね。だいたお前もクラスのやつとかに俺と一緒に飯食べるとこ見られたら

いろいろあれだろ」

結衣「そんなこと気にしなくてもいいのに…じゃあここで食べよう!ここなら誰にも見られないよ!」

八幡「待て、そもそも俺のコミュ力鍛える必要なんかないから。一緒に飯食う必要すらないんだ」

結衣「えー。明日、明日一日だけでもいいから、ね?」

八幡「…分かった、明日だけだぞ」

結衣「やたっ!じゃあ明日の昼休みにここ集合ね!」

八幡「はいはい分かったからもうそろそろ鎮まれ」



キンコンカンコン

八幡「(さて、問題の昼休みだが、俺はあいつの行った後に行くことにする。

俺だけ先に行って誰も来ませんでしたとかいうことはもう体験したくない

由比ヶ浜とはある程度顔見知りになったが、まだ無条件で信じられるほど俺は人間できてねえ)」

葉山「いやー、今日は無理だわ。部活あるし」

優美子「別に一日ぐらいよくない?今日ね、あーしチョコとショコラのダブル食べたい」

葉山「それどっちもチョコじゃん(笑)」

優美子「えぇー。全然違うっしょ。てか超お腹減ったし」

ザワザワ

八幡「(おうおう、トップカーストによる漫才(笑)が始まったぞ。あの予定調和みたいな周りの笑い声とか気持ち悪すぎてぞくっとする)」

ザワザワ

結衣「でも優美子、ちょースタイル良いよねー。で、ちょっと今日あたし用事あるから…」

八幡「(由比ヶ浜が侍女に見えてきた。あんなことしてまで友達とか欲しくねーわ)」

結衣「それでさ、あたし、お昼にちょっと行くとこあるから…」

優美子「そうなん?じゃさ、帰りにあれ買ってきてよ。レモンティー」

結衣「え、け、けどほらあたし戻ってくるの五限になるっていうか、お昼丸々いないからそれはちょっとどうだろうなーって…」

優美子「はぁ?ていうかあんたちょっと付き合い悪くない?こないだも放課後そんなこと言ってばっくれたじゃん」

結衣「いや、それは何と言いますかやむにやまれぬ事情があるといいますか…」

優美子「もっとはっきり言いなよ。あーしら友達じゃん?隠し事するの?」

八幡「(それが出来なかったら友達じゃないって言いたいんだな。そんなのただの踏み絵だろ)」

結衣「ごめん…」

優美子「だーかーらーそんなんじゃわかんないっての。もっと言いたいことあんでしょ?」

八幡「(ふん、いい気味だ。せいぜい身内でつぶし合えリア充ども…でも、何かがのど元にわだかまる…)」

八幡「(なんつーの?もっと食事ってのは楽しくあるべきだろう。

別に助けてやるなんて気はないが、知ってる女の子が目の前で泣きそうになってると飯がまずい)」

八幡「(それに、そうやって攻撃されるポジションは俺のもんだ、やすやすと誰かに渡してやるわけにもいかん)」

八幡「(あー…あとあれだ――――――気に入らねえんだよこの野郎)」

八幡「おい、その辺で―――」

優美子「るっさい」ギロ

八幡「…その辺で飲み物でも買ってこようかなぁ。で、でも、やめておこうかなぁ」

八幡「(怖っ!何コンダだよ!思わず謝りかけたわ)」

優美子「あんさー結衣、そういうはっきりしない態度マジでちょっとイラッとくんだよね」

結衣「ごめん…」

優美子「またそれ?」

八幡「(もうやめろって、めんどくせぇ。まぁでもこれ以上嫌われようがないんだ。リスク0で勝負できるならそう悪い話じゃないか)」ガタ

結衣「(ヒッキー…)」チラ

優美子「結衣、どこ見てんの?あんたさっきからあやまってばっかだけ」

八幡「いい加減にしとけよこの金髪縦ロールビッチ」

優美子「…あんた今なんつった?」

八幡「ビッチっつったんだよ」

優美子「あんたあーしによくそんな口聞けるね。さっきはビビってたくせに。笑える」

八幡「笑えるのはお前たちの友達ごっこだろ。見てて寒気がしたぞ。もう春真っ盛りだって言うのに」

優美子「なに言っちゃってくれてんの?友達ごっことか友達いなさそうなあんたに言われたくないんだけど」

八幡「その友達いない俺でも今のやり取りでお前らが友達じゃないのが分かったわ。

さっきのだってお前由比ヶ浜のためにとかいう雰囲気出してるけど結局はお前がストレス発散したいだけだろ」

優美子「あんたぁ…」

八幡「お前の青春群青劇に俺を巻き込むな。傍から見てるだけでもめんどくせぇんだよ」

戸部「あ、あれー?も、もしかしてヒキタニ君、だっけ?結衣の事好きだからこんなに怒ってんのー?」

八幡「(こいつ、俺の事を茶化して丸く収めようとしてるな。良い判断だ。だが…)」

八幡「はっ、そんなことありえねーよ。だれがこんなビッチくさい奴を好きになるか

大体由比ヶ浜も本当に友達なら普段の不満とかぶちまけちまったらいいじゃねぇか

ホントウノトモダチならそれも受け止めてくれんだろ」

八幡「(ここで由比ヶ浜と俺は敵であることを皆に示す。

恐らく今回の事で少なくともトップカーストからは目の敵にされるだろう。

そんな俺にこいつまで付き合わせるわけにはいかない

ついでに由比ヶ浜が俺の事を嫌ってくれたら完璧なんだが、あっこまでのことを言ったからには大丈夫だろう)」

優美子「…あーしはともかく結衣まで悪く言うのはマジで許さないから」

八幡「(…なんだ。いい友達持ってんじゃん。この言葉には本音しか含まれていないのは俺でも分かった)」

八幡「はっ、今更友情ごっこされてもしらけるだけだわ。なんかお前ら見てると吐き気してきたから俺はここから出る。じゃあな」ガラ

優美子「…なにあいつ、超むかつくんだけど」

大岡「きっと逃げたんだな。ヘタレめ」

大和「最初から逃げるぐらいならでっしゃばんなよ。きもいやつ」

ナンカアアノヒトカンジワルイネー
テイウカダレアレ? シラナイヒトダッタ

結衣「(ヒッキー…)」

八幡「(それから放課後まではクラス中俺の悪口で持ち切りだった。

授業中ぐらい勉強しろよお前ら…数学の時間寝てる俺が言えることではないが)」

八幡「(さて、また今日も部活しますか。今日からあいつは来ないだろうが、

別に悲しいとかそんなことは無い。ただぼっちがぼっちに戻っただけだ、なんてことはない…本当だからね?)」

ザワザワ

結衣「(昼休みはヒッキーに助けてもらったけど…もうこれ以上ヒッキーに甘えっぱなしじゃいけない!あたしから動かないと)」

結衣「ゆ、優美子!」

優美子「…なに?」

結衣「昼休みの事なんだけど…ごめんね。あたしさ、人に合わせないと不安ってゆーか…団地育ちのせいかもしんないけど…それでイライラさせちゃうこと、あった、かも」

優美子「何言いたいかよく分かんないんだけど」

結衣「だ、だよねー。で、でもさ、さっきのヒッキーとか、言うことはひどかったけどさ、

なんか本音でしゃべってるなーって。周りに誰が居ようと関係ないって…いうか…」グス

結衣「それ見てたら、なんか人の機嫌をうかがってばかりの自分がバカみたいで…

ヒッキーとか休み時間ずっと本読んでてマジキモいけどさ…楽しそうで…」グスン

結衣「だからあたしも無理しないでもっと適当に生きてみようかなーって」

結衣「でも、優美子のこと嫌いになったわけじゃないから…。だから、これからも、仲良く、できる、かな」ヒグッ

優美子「…いいんじゃない、それで」

結衣「…うん、ありがと」

八幡「(なんだ、ちゃんと言えるんじゃねぇか。ていうかもしかしたらあいつこの流れだと部室に来るかもしれねぇな。先行っとかないと)」テクテク





結衣「やっはろー!」ガラガラ

八幡「おう、よく来たな。もう来ないかと思ってたわ。あんなこと言われて来るとかメンタルやべぇなお前」

結衣「そのことなんだけど…ヒッキー、ありがとね。あとお昼一緒に食べられなくてごめん…」

八幡「それは仕方ないだろ。ああいう状況だったんだから。それよりなに?お前罵倒されて喜ぶとかマゾなの?」

結衣「違うし!その…ヒッキーは、またあたしを助けてくれたでしょ?立ってくれた時、すごくうれしかった」

八幡「(また…?)なぜお前はそういう解釈をするんだよ。俺は本音を言ったまでだ」

結衣「確かに本音っぽかったけど、それを言うか言わないかは別問題だよ。

ヒッキーはあそこで本音を言うことで、あたしを助けてくれた」

八幡「そんな都合のいい…」

結衣「そうだよ、あたしはヒッキーのことに関わることなら全部都合よくなるんだから」

八幡「はぁ…じゃあどうしても都合よく解釈できないことを言ってやる。」

結衣「なに?」

八幡「部長命令として言い渡す。お前を首にする。この部屋の出入りも禁止だ」

結衣「え?ヒッキー部長だったの!?」

八幡「当たり前だ。俺しか最初は部員いなかったんだから」

結衣「ふーん。でもあたしやめないよ。他の人の事なら気にしなくていいから。

ヒッキーもあたしが優美子に言ったこと知ってるでしょ?」

八幡「な、なぜ知っている」

結衣「話が終わった後に教室から遠ざかっていく足音がしたからバレバレだし!」

八幡「…それでもだ。そもそもお前みたいなビッチと一緒に居たくないんだよ。俺が」

結衣「ふーんだ、嘘つきヒッキーの言うことなんか信じてあげない。

ていうかあたしにひどいこと言った責任は取ってもらうまでここにいるからね?ヒッキー」

八幡「…もう勝手にしろ。どうなっても俺は知らんからな」

結衣「うん!ほんとにありがとね!ヒッキー。えへへ…」ニコニコ

八幡「はぁ…」

八幡「(そのとき、つまり由比ヶ浜が部に残ることが確定したとき、何故か心が軽くなったような感覚がした

だがなぜそうなったかは今考えるべきでないことのような気がした)」

今回はここまで。

下書きを写す時、ちょっとヒッキーのガードが緩い気がしましたがまぁいいやということで

八幡「(俺が部室に向かっていると、由比ヶ浜が部室の中を見てなにかそわそわしているのが見えた。

ていうか俺の前に部室にくるとかやる気ありすぎでしょ)」

八幡「何してんの?」

結衣「ひゃう!」ビク

八幡「そんなに驚くなよ。逆にこっちが驚いたわ」

結衣「なんだ、ヒッキーか…ちょっとね、部室に不審人物がいて…」

八幡「不審人物ってお前のことだろ」

結衣「今はそういうのいいからさ、様子見てきてよ」

八幡「はぁ…」

八幡「」ソー

義輝「クククッ、まさかこんなところで出会うとは、待ちわびたぞ!八幡」

――――――――――――――――――――――――――――――――――中略―――――――――――――――――――――――――――――――――

義輝「また、読んでくれるか?」

八幡「お前…」

結衣「ドМなの?」

義輝「確かに酷評されたときは死にたくなったが…感想を言ってもらえるというのはいいものだな。読んでもらえるとやっぱりうれしいよ」ニコ

八幡「(こりゃもう立派な作家病だな)」

八幡「ああ、読むよ」

義輝「また新作が書けたら持ってくる」


八幡「(それ以降、あいつと組む体育は嫌な時間ではなくなった。まぁそれだけだ)」

出掛ける前にちょっとだけ。

いくら考えてもあの話に雪ノ下が居ないからって変化が起きるとは思えないのでこうなってしまいました。

でも、材木座は好きなキャラなので後でばっちり活躍してもらうつもりです

小町「レッツゴー!」

八幡「(朝、俺は妹の小町を学校まで送ることが日課となっている)」

小町「今度は事故ったりしないでね。今日は小町が乗ってるんだから」

八幡「俺が一人の時は事故ってもいいのかよ…」

小町「いやいや、お兄ちゃんっていつもぼーっとしてるから、心配してるんだよ。これも妹の愛だよ?」

八幡「…ああ、気を付けるよ」

八幡「(そう、俺は高校入学初日、交通事故に遭っている。新生活にワクワクしてつい一時間も早く家を出たのだが、その時にリムジンに轢かれそうになった犬を見て、気づいたら全力で駆け出してしまっていた。その結果自転車は大破。左足は亀裂骨折した)」

小町「でもあの怪我、早く治ってよかったよねー。そう言えばあの事故のあと、あのワンちゃんの飼い主さん、うちにお礼に来たよ」

八幡「そうなのか」

小町「そう、そんときお菓子貰っちゃった。おいしかったなー」

八幡「なんでそれをお前だけが食ってるんだよ」

小町「てへ☆、でもさ、同じ学校だから会ってたんじゃないの?学校でお礼言うって言ってたよ?」

八幡「…なんでもっとそれを早く教えないんだよ。名前は?」

小町「あー忘れちゃった!――ってもう学校じゃん!小町行くね」

八幡「あ!…あの餓鬼…」

厚木「うし、二人一組になって打ち合え」

八幡「(月終わりになると体育の種目が変わる。俺はテニスをするのだが、その結果材木座とは組めなくなってしまった。よって組める相手もいないので先生に秘策を使う)」

八幡「あの、俺あんまり体調良くないんで壁打ちしときますね。迷惑かけると思うんで」

八幡「(そう言って返事も聞かずに壁打ちを始める。ふっ、完璧すぎる)」

パコーン

戸部「やっべー、今の隼人くん曲がったくね?マジやべー」

隼人「いや、たまたまスライスしただけだ。悪い、ミスった」

戸部「マジで?スライスとか『魔球』じゃん。よし、俺もスラーイス!」ポーン

コロコロ

八幡「(金髪の五月蠅いやつが打った球は俺のところに飛んできた)」

戸部「あ、ごっめーんマジ勘弁。えっと…あ、あれヒキタニくんじゃん…隼人くーん、あっこにあるボール使おうぜ」

隼人「おい、クラスメイトにその態度は無いだろう。ごめん、ヒキタニ君、そのボール取ってもらえるかな」

八幡「」ポイ

隼人「ありがとう、ヒキタニ君」

八幡「」ペコリ




戸部「やべーわーまじやべーわー。ヒキタニ君にまで優しくできるとか、隼人くんの優しさもう天井突き抜けてね?」

葉山「いや、俺は当然の事をしているだけだよ」

戸部「もうそういうこと言っちゃうあたりがやべーわー」

八幡「(なんか普通に会釈しちまったな。本能的に相手の事を上だと判断してしまったのか)」

八幡「(だが金髪の言うこともあながち大げさでもない。今の俺にあんなに普通に接してくるとかもうよほどの馬鹿か超いいやつしかありえない)」

八幡「(だがその理論で行くと由比ヶ浜のいい奴度がパないことになってしまう。いや、よほどの馬鹿か?

でも実際あいつもあほだけどいい奴ではあることは間違いないので、やっぱりあいつのいい奴度はパないことになる)」

八幡「(そう、あいつが俺に接してくるのは優しいからなのだ。好意があるとかそんな風に勘違いしてはならない。)」

八幡「(ふ、この結論はあそこでラケットを振っている葉山にはたどり着けないだろう。

今日のところは引き分けにしといてやろう、そうしよう)


八幡「(ふぅ。やっぱりここで食う飯は旨いな)」モグモグ

結衣「あ、いたいた!ヒッキーーー!」

結衣「もう、探したんだからね!こんなとこにいるなんて…」

八幡「普段はここで飯食ってんだよ。てかなんか用か?」

結衣「いやー、あの時一緒に食べられなかったじゃん、お昼ご飯。だから、その埋め合わせをね…」

八幡「…そういうことなら勝手にしろ」

結衣「ほんと!?じゃ、お隣失礼します…」

八幡「(ここにはほとんど人は来ない、だから俺との間に変な噂を立てられることも無いだろう)」

結衣「ねえ…ヒッキーってさ、入学式の日の事って覚えてる?」

八幡「なんだよ急に。まぁあの日は俺交通事故に遭ってるからなー」

結衣「事故…」

八幡「あぁ。俺が自転車こいでたらワンちゃんが車に轢かれそうになってな、それを俺がヒーローのように颯爽と助けたってわけだ」

結衣「ヒッキーはさ、その飼い主の女の子のこと憶えてない?」

八幡「痛くてそれどころじゃなかったな。まぁ覚えてないってことは地味な子だったんだろ。

ていうか俺女の子って言ったか?」

結衣「へ!?超言ってたよ!むしろ女の子としか言ってなかった!」

八幡「どんだけ気持ち悪い奴だよ俺は」

結衣「たはは…あ!おーい、さいちゃーん!よっす!練習?」

彩加「うん!うちの部、弱いからお昼も練習しないと…」

結衣「さいちゃん、授業でもテニスしてるのに昼練もしてるんだ。大変だねー」

彩加「ううん、好きでやってることだから。あ、そういえば比企谷くん、テニス上手いよね」

八幡「(え、なにその初耳情報、ていうかこの女子、なんで俺の名前知ってんの)」

結衣「そーなん?」

彩加「うん、フォームがとってもきれいなんだよ」

八幡「いやーはっは、照れるなー」

八幡「で、誰?」コソコソ

結衣「はぁあ!?同じクラスだし、たしか体育も一緒じゃん!なんで名前覚えてないの?信じらんない!」

八幡「ばっかお前覚えてるよ!ただ今はど忘れしてるだけで…ていうか女子とは体育違えだろ!」

彩加「あはは、やっぱり名前覚えてないよね、ぼく影薄いから。同じクラスの戸塚彩加です…それと、ぼく、男なんだけどなぁ。そんなに弱そうに見えるかな?」

八幡「え」

八幡「〈マジで?〉」ジー

結衣「〈うんうん!〉」///

彩加「…証拠、見せてもいいよ?」

八幡「(やば、なんだこれ、超見たい。でもこういうのは性別不明だからこそ輝くのだ、ここで早まってはいけない)」

八幡「いや、悪かったな。嫌な思いさせて」

彩加「ううん、別に良いよ」

八幡「つーかよく覚えてたな、俺の名前なんて」

彩加「うん、だって比企谷くん目立つもん。1年生のころから知ってたよ」

結衣「どこが―!?よっぽどのことがないと知らないでしょ、ヒッキーの事なんて」

彩加「そうかな?この前だって三浦さんに立ち向かっていったし…すごくかっこよかったよ?」

八幡「お、おう」///

結衣「もーなにデレデレしてんのヒッキー!」

八幡「ば、ばっか、そんな顔してねーよ」

キーンコーンカーンコーン

結衣「あ!昼休み終わっちゃった!またヒッキーとお昼食べられなかったよー」

彩加「…もしかしてぼく、おじゃまだった?」

結衣「ううん、全然そんなことないから!こんなところで食べてるヒッキーが全部悪い!」

八幡「なんでそうなんだよ…」

彩加「あはは、仲良いんだね…ちょっとうらやましいかも」ボソ

八幡「そうか、じゃあ由比ヶ浜、明日は戸塚と食えよ」

結衣「え!?」

戸塚「あ、違う違う、そういう意味じゃなくって…まぁいいや、じゃあ、戻ろっか」

今回はここまで

短いですが区切りが良いのでこんなもんです

戸塚の八幡に対する印象が原作よりよさげなのは一応自分なりの理由はあります

ていうか今気づいたけど最後の戸塚→彩加にしといてください

自分はいつも戸塚って呼んでるのですが、主要キャラは下の名前ということにしてるんで…。

あと、タイトルについて考えてくれてるひとがいますが、ぶっちゃけ適当につけました

八幡「(数日後の体育の時間、一人で壁打ちをしていると、戸塚がペアにならないかと誘ってきた。どうやらいつも組んでいる相手が休みらしい)」

彩加「ヤッパリ比企谷くん、テニス上手だねー」

八幡「超壁打ってたからなー。テニスは極めたー」

彩加「それはスカッシュだよー。テニスじゃないよー」

八幡「(俺と戸塚のラリーは長く続き、ほかの連中が打ちミスを繰り返す中、俺たちだけが続けられていた)」

八幡「(しかし、終わりというものはいつか来るもので、そのラリーも例外ではなかった)」

彩加「あ、…ちょっと休憩しよっか」

八幡「おう」

八幡「(俺が座ると、戸塚も隣に座ってくる。なんでそんなに近いんだ。ドキドキするだろうが)」

彩加「あのね、比企谷くんにちょっと相談があるんだけど…」

八幡「相談、ねぇ」

彩加「うん、うちのテニス部の事なんだけど、すっごく弱くてさ、1年生は初心者ばっかりだし、3年生が抜けたらもっと弱くなると思う。人数が少ないし、僕らが弱いのもあって皆モチベーチョンが上がらないみたいなんだ」

八幡「なるほど」

彩加「それで…比企谷くんさえよければ、テニス部に入って欲しいなぁって…」

八幡「は?」

彩加「比企谷くん、テニス上手だし、入ってくれたらみんなの刺激になると思うし…それに、比企谷くんと一緒ならぼくもテニス頑張れると思うし。あ、あの、変な意味じゃなくて!ぼ、ぼくもテニス、強くなりたい、から」

八幡「お前は強くならなくていいよ。俺が、護るから」

彩加「ふぇ!?」

八幡「あー悪い、間違えた」

八幡「(可愛い、可愛すぎる。なんで男なんだよこいつ。あ、でも女だったら告白してふられるとこだった。危ない危ない。戸塚が男で良かった)」

八幡「…悪い、それはちょっと無理だ」

彩加「そっかぁ…」

八幡「まぁ、なんだ、もしよかったら部活休みの日にでも特別棟にある奉仕部っていう部の部室に来てくれ。場所はあとで教える」

彩加「奉仕部?」

八幡「まぁ端的に言えば生徒のお悩み解決部みたいなとこだ。その部の部長なんだよ、俺」

彩加「へぇ…部長ってことは、ぼくとお揃いだね!」

八幡「まぁな。てかお前も部長なのか」

彩加「うん!今日ちょうど部活休みだし、そこまで比企谷くんと一緒に行くよ」

八幡「そうだな、そうするか」


彩加「あと、テニス部とは関係ないことなんだけど…」

八幡「なんだ」

彩加「あの…その…し、下の名前で呼んでいい?」

八幡「…お、おう、いいぞ」

彩加「は、八幡!…えへへ」

八幡「」ズキューン

彩加「八幡?」

八幡「もう1回呼んでくれ」

彩加「八幡!」

八幡「もう一回!」

彩加「はちまーん」

八幡「…もう俺は死んでもいいかもしれない」

彩加「ええ?今八幡に死なれたらぼく困っちゃうよ!それに…すごく悲しいし」

八幡「冗談だ。俺が戸塚を悲しませるようなことはしない」

彩加「八幡…すごくうれしいよ」///

八幡「戸塚…」





姫菜「キマシタワー!」ブハァ

隼人「(姫菜はあんなとこで何してるんだ?)」

結衣「ヒッキーやっはろー…ってなんでさいちゃんここにいるの!?」

彩加「ちょっと相談事があってね…由比ヶ浜さんもここの部員だったんだね」

結衣「そうだよー。ヒッキー一人じゃ頼りないから、あたしが手伝ってるの」

八幡「おい、俺のどこが頼りないってんだ。むしろ頼れる相手が居ないから、自分だけで今までの事全部やってきたんだぞ」

彩加「あ、あはは…でも、八幡が頼りになるっていうのは、本当の気がするな」

八幡「あぁ、彩加は俺だけ頼ってればいいんだからな」

彩加「い、いきなり下の名前で呼ぶなんて卑怯だよ…八幡」

八幡「わ、悪い。冗談だ、戸塚」

彩加「別に嫌ってわけじゃないよ…ただちょっとびっくりしただけで…」///

八幡「そ、そうか」///

結衣「む~、なによ、そんなにデレデレしちゃってさー」プクー

八幡「なんでお前が怒ってるんだよ…」

結衣「ふん!で、さいちゃんの相談事って?」

彩加「そ、それはかくかくしかじかで…」

結衣「ふ~ん、じゃあヒッキーが入ってあげればいいじゃん」

八幡「はぁ?おまえそうなったらこの部活はどうなんだよ。俺の卒業がかかってるんだぞ」

結衣「そんなの部活動の一括だって言えば平塚先生も納得してくれるって!…それに、ヒッキーがテニスで頑張ってるとこ、あたしも見たいし」ボソボソ

八幡「部活動の一括ってなんだよ、一環だろ。平塚先生が納得したとしてもだ、テニスになんの情熱も持ってない俺が入ったところで焼け石に水だろ。せいぜい俺を排除しようと部員たちが団結するぐらいだしそれによってテニスが上手くなるわけじゃない」

結衣「そっかー。じゃあどうするの?」

八幡「それを今から考えるのが俺たちの仕事だろうが。お前が人任せになってどうすんだよ」

結衣「あ!そうだった。依頼なんてあたし初めて受けたから忘れちゃってたよ」

八幡「流石は鳥頭だな」

結衣「鳥頭は言い過ぎだし!あたしだって1週間ぐらいは記憶持つよ!」

八幡「1週間だけとかお前藤宮さんかよ…」

戸塚「あはは…やっぱり二人とも仲良いね」

八幡「どこがだよ」
結衣「そう見える?」///

八幡「え?」

結衣「えー、もうあたし達って結構仲良くなったと思うんだけど…」

八幡「(えーなにその反応、この前までそんなこと言われたら必死になって否定しそうな感じだったじゃん)」

八幡「…まぁお前がそう思うってんならそうなんじゃないか?生憎俺は誰かと仲良くなったことがないからよく分からん」

結衣「ヒッキー…えへへ」

彩加「八幡…」

八幡「あ、と、戸塚は別だぞ?戸塚と俺とかもう超仲良し」

彩加「八幡!」

結衣「むぅ~~~ってこんなことしてる場合じゃなかった!さいちゃんのこと考えなきゃ!」

八幡「っつってもなぁ…やっぱり部員のやる気を上げるのが一番効率的だと思うが」

彩加「うん…ぼくが強くなれば、みんなもやる気を出してくれると思うんだけど…」

八幡「…そうだな、その路線で行こう。戸塚はいつも一人で昼練してるんだよな?」

彩加「うん、そうだよ」

八幡「じゃあ俺たちはその補佐をするよ。俺たちはテニス素人だが、一人でやるよりはいい練習ができるはずだ。それに部外者を連れてきてまで昼練にうちこむお前の姿を見れば、気が変わるやつが出てくるかもしれん」

彩加「え?そこまでしてくれるの?てっきりここでアドバイスみたいなことを言われるだけだと思ってたのに…ほんとにありがとね、八幡」

八幡「なに、気にすんなよ。これくらいしないと平塚先生の拳がとんでくるからな。それを回避するためだ」

結衣「ヒッキー、お礼くらい素直に受け取ればいいのに…」

八幡「うっせ、これが俺なんだよ。という訳で俺たちも明日から昼練に付き合うが、それでいいか?」

彩加「うん!もちろんだよ!今日はほんとにありがとね!じゃあね、八幡、由比ヶ浜さん」

結衣「ばいばい!さいちゃん」

八幡「おう…ふぅ、という訳で今日はもう帰るぞ、明日のために準備するものを買わなくちゃいけない」

結衣「…なんかヒッキー、妙にやる気だね。もしかしてさいちゃんの頼み事だから?」ジー

八幡「そ、そんなことは無いぞ」

結衣「ふーん…まぁ一生懸命なヒッキーを見るの、好きだからいいけどね」

八幡「」ドキッ

結衣「あたしもいろいろ考えてくるよ。じゃあねヒッキー、また明日!」

八幡「(ふぅ、あいつ、ああいうことをたまに言ってくるから油断ならん。

とりあえず、テニスのコーチング本でも買って帰るか)」

今回はここまで。次回でテニス編は終わり。

ゆきのんが居ない八幡がどうやって葉山達を食い止めるかがポイントになります

八幡「(翌日の昼休み、俺、由比ヶ浜、戸塚、そして何故かついてきた材木座の四人が、テニスコートに集合。弁当は時間がもったいないので早弁で済ませて、着替えが終わったらすぐに練習を始められる体制になっていた)」

八幡「そんじゃ、まずはジョギングからやってくれ」

彩加「うん、分かった」

結衣「はーい」

輝義「承知!」

八幡「(俺はテニスの知識がほとんどないので、コーチング本に載っているフィットネス系統の練習を主にやることを説明したところ、この二人も参加したいということで、戸塚に付き合うことになった。恐らく体重を気にしての事だろうが、由比ヶ浜は必要ないと思うんだがなぁ)」




八幡「(それからしばらく、筋トレやランニング、最後に壁打ちをして、昼練は終了となった。まぁ戸塚以外の二人は筋トレですぐにギブアップしていたが、戸塚は流石に主将ということもあって、きつめのトレーニングもなんとかこなしていた。)」

八幡「(戸塚にきついトレーニングを指示するのは心苦しいが、ここで手を抜いたら戸塚のためにはならない)」

八幡「よし、今日はこんなもんでいいだろ。終了だ」

戸塚「はぁ、はぁ、そうだね、なんだかいつもよりいい練習が出来た気がするよ。ありがと」

八幡「礼には及ばねえよ。俺はただ突っ立って指示出してただけだからな」

彩加「でも、八幡が見てくれてたから頑張れたというか…ってぼく何言ってるんだろね、あはは」

八幡「(え、何その言葉、もう勘違いするしかないの?いやいや男相手に勘違いとかシャレになんねーよ)」

八幡「そんなことよりこれやるよ。疲れただろ」スッ

彩加「え、スポルトップ?いいの?」

八幡「ああ、MAXコーヒー渡すわけにもいかんしな。」

彩加「あはは…ほんとにありがとね、八幡!」

義輝「ぐぬぬ…おぬし、いつの間に戸塚殿とそんなに仲を深めたのだ!」

彩加「え?そんなに仲良さそうに見えるかな…そうだったらちょっと、うれしい、かも…」

義輝「なぁ八幡、なんでこの人こんなにかわいいの?俺今心臓バックバクなんだけど」

八幡「素で俺に聞くなよ。気持ちは痛いほどわかるが」

結衣「むー、さいちゃんにばっかデレデレしちゃってー…ヒッキーってもしかして…」

八幡「違うからな?俺はれっきとしたノーマルだぞ。大体俺が常時デレデレしてたら気持ち悪いだろ」

結衣「そうだけどさー、さいちゃんだけにってのは…なんかむかつく」

八幡「それに戸塚だけじゃないぞ。妹に対してもデレは全開だ」

結衣「うわ、シスコン?キモッ…まぁでも小町ちゃんすごくかわいいもんね」

八幡「ああ、小町マジ天使…ってお前小町のこと知ってるのか?」

結衣「え?あ、ううん、べ、べつに知らないよ?ただヒッキーが前に妹の名前言ってたし可愛いのかなって」

八幡「うーん、そんなこと言ったっけなぁ」

結衣「と、とにかく知らないの!じゃ、じゃああたし戻ってるからね!」

八幡「なんであいつあんなにあせってんだ?…まぁいい、俺たちも戻ろう、戸塚」

彩加「うん!そうだね」

義輝「はちまーん!ねぇ我は?我は?」

八幡「(そんなこんなで日々が過ぎてゆき、練習も実践的なものが多くなってきた。

材木座と由比ヶ浜はとっくの昔に戸塚の練習から脱落している。二人とも最初は頑張るが、中盤になるとぐったり倒れてしまう)」


八幡「(今は戸塚がフィットネスのトレーニングをしている間に練習したサーブを打って、それを戸塚が打ち返すという練習をしている。戸塚曰く、俺はサーブだけならテニス部員レベルらしい。

と言ってもここのテニス部員なんてたかが知れているが、少々アウトになっても打ち返すというようにしているため、結構な練習にはなってると思う)」

優美子「あ!テニスしてんじゃん!お、結衣もいるし」

八幡「(なんだ?葉山に三浦、その他大勢もいるな)」

優美子「ねー戸塚、あーしらもここで遊んでいい?」

戸塚「いや、僕たちは遊んでるわけじゃなくて…」

優美子「でも部外者とか混じってんじゃん、男テニだけでコート使ってないならあーしらも使っていいよね?」

戸塚「…だけど」ウルウル

八幡「悪いけど、今俺たちは戸塚の頼みで練習に付き合ってるんだ。遊びでやってるわけじゃない」

優美子「はぁ?何その態度、ちょーむかつくんですけど」

隼人「まぁそんなに喧嘩腰になるなよ。みんなでやるのはどうだ?その方が楽しいだろうし」

八幡「皆って誰だよ。俺友達いたことないから分かんねぇよ…」

隼人「…なんかごめんな?そういうつもりで言ったわけじゃないんだ。悩みがあるんあだったら俺が相談に乗るぞ?」

八幡「葉山、お前の優しさは嬉しいがそんな友達もいない俺からテニスコートまで奪うとか人として恥ずかしくないのか?」

隼人「うっ、んー、そうかぁ」

優美子「ねー隼人―。いつまでダラダラやってんの?あーし早くしたいんだけど」

八幡「(なんでこいつはいつも人の話聞かねぇんだよ)」

隼人「じゃあこうしよう。部外者同士で戦って勝った方がテニスコートで戸塚に付き合うってことで。戸塚も上手い奴とやった方が上手くなるだろう?」

優美子「勝負?なにそれ超楽しそう」

八幡「(えー、なんでそうなんの?でも反論できる要素がねぇ…)」

ワイワイガヤガヤ

八幡「(ということでテニス勝負をすることになった。審判は戸塚。

プレイヤーは葉山、三浦ペアと俺、由比ヶ浜ペア。材木座はそもそも動けそうになかったのでパートナーから外した)」

「「「「「H・A・Y・A・T・O!!」」」」」

八幡「(そして葉山目当てに集まったギャラリー200人余り。どんだけ人気あるんだよ)」

八幡「(因みに由比ヶ浜はやらなくていいといったんだが、自分も頑張ると言ってきかなかった。俺なんかとペアなんかくんじゃったらなんかいろいろヤバいぞといったんだがな…)」

八幡「(そのあともテニスウェアに着替えてきた由比ヶ浜といろいろやり取りがあったのだが、今はそんなことどうでもいいので割愛)」

八幡「(そしてとうとう、テニス勝負という名の地獄が始まった)」

八幡「(葉山の運動神経と三浦のショットはすさまじく、最初の方こそ戸塚との練習や壁打ちで鍛えたプレーで五分五分の勝負をしていたが、やはり地力の差か、徐々に点差が開いていった)」

優美子「ふん!」ブン

結衣「ひぃ」

八幡「(それに加えて、由比ヶ浜への集中攻撃が始まり、テニス経験ほとんどゼロの由比ヶ浜はボールを捌けず、点差は圧倒的なものになりつつあった)」

八幡「(てかこいつ、経験なしでよくこんなところに立てるな…恥晒すの分かってただろうに、戸塚のために…いい奴過ぎる)」

八幡「無事か?」

結衣「怖かった…けど、大丈夫」

隼人「優美子、マジ性格悪いのな」

優美子「違うし!勝つためだし!あーしもそこまで性格悪くないし!」

隼人「ああ、ただドSなだけか」

ドワッハッハッハー

結衣「…ヒッキー、絶対勝とうね」

結衣「っていったぁぁぁ!」

八幡「おい、大丈夫かよ」

結衣「ちょっと筋やっちゃったかも…でも、これくらいだいじょう、あたっ」

八幡「ばっか、こんなことで無理すんな。」

結衣「でも、このままじゃさいちゃんが…」

八幡「…はぁ、お前はコートの隅に立ってろ。あとは俺がどうにかする」

結衣「…できるの?」

八幡「テニスには昔から、『ラケットがロケットになっちゃった!』って言う裏ワザがあんだよ」

結衣「それただのラフプレーだ!?」

八幡「…まぁ最悪本気だす。俺が本気だしたら土下座も靴舐めも余裕だ」

結衣「あさっての方向に本気すぎる…」

結衣「…ヒッキー、性格も悪くて、頭も悪くて、そのうえ諦めまで悪いんだね。あの時も全然諦めてなかったし…あたし、覚えてるから」

八幡「いやお前なにいって」

結衣「だから、あたしも頑張るよ。無理はできるだけしないけど」

八幡「…はぁ、じゃあお前、コートの右側に立ってろ。立つだけで良い。今お前が怪我したことは会場全体に伝わっているはずだ。こんなに長いこと座ってるんだからな。

なら、相手もそこを狙っては打ってこれない。コートの左側にボールが集まるからそこを俺が何とかする。立つのが厳しかったら座ってても良い。その方が同情も誘える」

結衣「相変わらずゲスイ…でも、やってみるよ。あたしにできること、それくらいだろうし」

八幡「あぁ、頼む」

八幡「(そう言った由比ヶ浜はコートの右側に立つ。ここで座らないのは、あいつなりの意思表示だろう。しかし傍から見てても足が痛そうなのが見て取れる)」

八幡「(さて、うまいこといってくれるといいが…)」


優美子「ふん」パコーン

結衣「ひっ」

優美子「あーし、対戦相手に同情とか逆に失礼だと思ってんから。結衣がやるっていうんなら遠慮なく狙わせてもらうし」

八幡「(やっぱりな…そううまくはいかねーか。仕方ない、本気だすか)」

八幡「(媚びるときは徹底的に媚びる。それが俺のプライド。見せてやる、俺の土下座)」

八幡「三浦、葉山、ちょっと話を聞いてくれ」

優美子「なにー?もしかしてギブ?」

結衣「まさか…」

ザザッ


八幡「…頼む、テニスコートだけは、見逃してくれ。頼む」

ザワザワザワ・・・・・・・・・・

モブ男「おいなんだあいつ、急に土下座してきたぞ」

モブ樹「俺、土下座なんて初めて見たぜ…」

モブ美「つーかなにあれ?マジで受けるんですけどー!」ケラケラ

結衣「ヒッキー!」

彩加「八幡!」


八幡「(由比ヶ浜が足を引きずりながら、戸塚がすごい勢いで審判台から降りてきて、俺のもとに駆け寄ってくる)」

戸塚「八幡、もういいよ!だから顔上げてよ!僕のためにこんな…」

結衣「そうだよ!何もほんとに土下座することないじゃん!」

八幡「(ああ、ほんとにお前らはいい奴だ。こんなに良い奴らと知り合えたなんて、嬉しくて涙が出そうだ。だがこの頭だけは地面から離すわけにはいかない。あいつらからの許しを得るまでは)」

材木座「…ふん」

材木座「俺からも頼む。見逃してやってくれ」ザザッ

戸塚「そんな材木座君まで!やめてよ!こんなこと…」

モブ太「なんだ、隣のデブまで土下座してきたぞ!こりゃ傑作だ!」

モブ理「ていうかあの目が腐ったやつ、前に三浦さんにケンカ売ってたやつじゃね?

あんだけ啖呵きっといてその相手に土下座とか…よくやるわ」

モブ絵「あんたらの頭に何の価値があるんですかー!?答えてくださいよー!」

結衣「ヒッキー…もう…」ウルウル

優美子「…分かったし。でも2つだけ言うこと聞け」

モブ沙「え?」

ザワザザワ

八幡「…ありがとう。俺にできることなら何でもする」

優美子「まず、この勝負の負けを認めろし」

八幡「それはもちろんそのつもりだ。俺の惨敗だ」

優美子「じゃああと一つ…さっさと顔上げろ。あんたの土下座なんてこれ以上見ても不快なだけだし」

八幡「…ほんとにそれだけでいいのか?」

優美子「あーしの言うことは聞くんでしょ?じゃあさっさとする!」

八幡「(そう言われたので顔を上げると、三浦はコート外に歩いて行った)」



大和「おい、あれだけでいいのか?この前の事を仕返しできるいいチャンスだったのに」

真理「そこは優美子の優しさっしょー。でも見事な土下座っぷりだったねー。あの姿を皆に見せた時点であの男にとっちゃ十分恥だよ。マジ受けたわー。あはははは」

ゲラゲラゲラゲラ

八幡「(三浦の傍に寄ってきた女が発した声によって、俺たちと葉山以外がドッと沸き立つ)」

八幡「(しかしこの直後、三浦の一言が周囲を凍り付かせた)」

優美子「ふーん。まぁ確かに面白かったけど、もし誰かのために土下座する覚悟も持ってない奴がヒキオのこと笑ってんなら、あーしマジで軽蔑するわ」

真理「え…」

シーン

八幡「(まさか、三浦の口から俺をフォローするようなセリフが出るとは夢にも思わなかった。あんたそういうキャラだったの?)」

結衣「優美子…」

戸塚「八幡!」ガバッ

八幡「(戸塚は顔を上げた俺に泣きながら抱き付いてきた。普段ならうろたえたりするところだが、そういう場面でもないので普通に受け止める)」

戸部「だ、だよなー。ていうかむしろ漢の土下座を見せてくれたヒキタニくんマジパネェっていうか?笑うとこじゃないでしょーって感じだよなー」

大岡「そ、そうだな。あんだけのすごい土下座は漢なら一度はしてみたいぜ」

八幡「(冷たくなった空気を変えるため、取り巻きが場を盛り上げようとする。

葉山もその状況にほっとしたようだ。笑いながら集団の中心に戻っていく)」

八幡「(由比ヶ浜、戸塚、材木座、俺の四人を残して、ギャラリーたちも去って行った)」







彩加「八幡、ほんとにごめんね…僕のせいでこんなことに…」

八幡「構わねぇよ。結果コートが守れたからよかったじゃねえか。それに女王様の気まぐれで命拾いもしたしな。つーか謝罪なら材木座にしてやってくれ。あいつこそただの部外者なのにあんなことさせてしまったんだ」

義輝「いや、その必要はなーい!我は戸塚殿のためではなく、いつも我のしょーもない原稿を読んでくれてる八幡に恩を返したまでよ!」

彩加「そっか…でも、結局は僕のために顔を下げてくれたよね。ありがとう!」

義輝「おっふ…」

八幡「(戸塚のやつ、着々と材木座も攻略してるな…天然で)」

結衣「…ヒッキー、今日の部活で、話があるから」

八幡「お、おう。なんだよ急に」

結衣「いいから。絶対来てね」

八幡「もともとそのつもりだ」

結衣「うん」

すいません、久しぶりの更新で悪いんですがこれだけです。

まぁ見てわかると思いますがこれから戸塚は原作以上に八幡になついていきます。

なんか文字数が思ってた1/3ぐらいだったので、自分でも驚いています。正直このシーンを一番書きたかったのに…

あと、更新が遅れたのは全部スマブラのせいです。俺は悪くないです。スマブラが悪いんです。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月08日 (月) 12:19:59   ID: 3o6qUmkG

ふむ

2 :  SS好きの774さん   2014年09月14日 (日) 13:24:40   ID: Hfb3qM8d

yukinositaはでるの?

3 :  SS好きの774さん   2014年09月25日 (木) 15:15:23   ID: 3q6u_b_m

続きが早くみたい♪

4 :  SS好きの774さん   2014年09月26日 (金) 14:44:00   ID: NUdVm1Jm

材木座めっちゃいいやつ(笑)

5 :  SS好きの774さん   2014年10月11日 (土) 02:35:45   ID: TJnb7slT

スマブラなら仕方がない
さあ、早く続きを書くんだ

6 :  SS好きの774さん   2014年11月04日 (火) 17:48:47   ID: 0JMAdRPH

チョイ待ち、マジで続きが読みたい

7 :  SS好きの774さん   2015年02月09日 (月) 22:02:57   ID: 9rZ5oO9H

はよ、続き

8 :  SS好きの774さん   2015年02月15日 (日) 23:40:03   ID: k89cq1gl

続きはよ

9 :  SS好きの774さん   2015年08月04日 (火) 03:10:33   ID: qLNlzeoE

なんかこっちの方が青春っぽいな…

ああ、そういえば原作の青春は間違ってたわ

10 :  SS好きの774さん   2016年08月22日 (月) 02:15:55   ID: JEG85jT6

これでよく分かったな。
ガハマが勘違いビッチであること
ガハマが「ヒッキー,ヒッキー」とウザいこと
やっぱりメインヒロインは雪ノ下の方が
青春ラブコメが映えること

11 :  SS好きの774さん   2017年07月21日 (金) 19:13:46   ID: QwuwHcEJ

原作より青春してる気がするわ
雪ノ下が出てくると間違った青春ラブコメになっちゃうのかね

12 :  SS好きの774さん   2017年11月04日 (土) 02:22:05   ID: HVzmZhLC

お前の人生と同じで中途半端だな
生まれてきた事を親に土下座してこいよ

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