妹「マニュアルで恋します!」(190)

兄「は?」

妹「だ・か・ら!」

妹「マニュアルで恋するんです!」

兄「はあ…そりゃ…頑張って?」

妹「ええ、兄さんも」

兄「は?」

妹「え?」

兄「なんで俺も?」

妹「私が恋するからですよ?」キョトン

兄「勝手に恋すればいいじゃないか」

妹「恋しますよ?マニュアルで」

兄「マニュアルが大事なのな…」

妹「ええ!これがマニュアルです!」テッテレー

兄「…必勝!乙女の恋心☆これを読めば一発解決!悩める乙女の恋愛マニュアル!」

兄「…なんで辞書みたいに分厚いの?」

妹「マニュアルだからです!」

兄「そうか、マニュアルだからか…」

兄「そろそろマニュアルという言葉がゲシュタルト崩壊しそうなんだが」

妹「ゲ…ゲシュ?兄さんは物知りですね!」

兄「ああ…まあ…はい」

妹「とにかく!マニュアルで恋するのでよろしくお願いします!」

兄「はい…」

…………
……


妹「それでは、まず一歩めです!」

妹「『恋の始まりとは』」

妹「『恋の始まりは人それぞれ、街中で出会ったり部活の先輩だったり…』」

兄「ちょっと待て」

妹「なんでしょう兄さん」

兄「なぜここで音読するんだ?」

妹「マニュアルで恋するからですよ?」

兄「お前がだろ?」

妹「兄さんもですよ?」

兄「えっ」

妹「えっ?」

兄「なにそれ怖い、いつの間に?」

妹「最初からですよ?」

兄「えっ」

妹「えっ?」

兄「okok、一旦整理しよう」

妹「急に海外ドラマ風ですね兄さん」

兄「とりあえずほっといてくれ」

兄「まず始めに、マニュアルで恋するのはお前だな?」

妹「はい」

兄「そうだよな?なんでそこに俺も入ってくるんだ?」

妹「?」キョトン

兄「あのな?可愛い顔してもわからないし、伝わらないぞ?」

妹「か、可愛いだなんて…」テレテレ

兄「話を聞けぇぇえええ!」ドンッ

妹「聞いてます」

兄「あ…はい」

兄「よし、それなら言い方を変えよう」

兄「どうして俺がお前の恋に関係あるのか教えてくれないか?」

妹「お相手だからですよ?」

兄「?」キョトン

妹「兄さん、兄さんがその顔しても鳩が豆食ってポーした顔にしか見えませんよ?」

兄「なんだ鳩が豆食ってポーって」

妹「いいまつがいです」

兄「タモリのあれ?」

妹「はい」

兄「ってそんな事はどうでもいいんだ」

兄「相手ってどういう意味だ?」

妹「そんな事も知らないんですか兄さん」

妹「いいですか?相手と言うのは、動詞「会う」の連用形「会い」に名詞の「手」が接続してできた語で協調的か敵対的かに関わらず同一の行為に参加している2組の集団の一方を表す。この時「相手にならない」や「相手にとって不足はない」などの様に敵対的な相手の場合はある人間と対抗するだけの実力を持つ人間すなわち同程度またはそれ以上の実力が備わった人間であることが前提となっている。なお前述の協調的か敵対的かに関わらずもう一方という意味を表す特色は中国語や英語にはなく日本特有のものとされる。また中世以前は相手と同等の意味の語として敵(かたき)という語が用いられていたが、あてられた漢字の「敵」やその熟語「仇敵」などの影響で敵対関係のみに用いられるようになった事から代わりとして生み出されたとされているんですよ」

兄「懇切丁寧にありがとうございます、でも、俺が聞きたいのはそこじゃないんです妹さん」

兄「…まさかと思うが俺が恋の相手って事か?」

妹「それ以外に何があるんですか」

兄「ですよねー」ハハハハハ

妹「んもう!兄さんたらっ」アハハハ

兄「良かった良かった、これで安心…」

兄「な訳ねぇだろ!大問題だよ!」

妹「おお、乗りツッコミとは高等技術ですね兄さん」

兄「素だよ!素で流されそうになっただけだよ!」

妹「素質あるんじゃないですか?」

兄「褒めてくれるのは嬉しい、だが問題はそれ以上に大きいんだ」

妹「大きいだなんて…私bですよ?」

兄「胸じゃねぇよ!おっぱいじゃないんだよ妹!」

妹「たとえ私が身内だとしても、仮にも女性の前でおっぱいと言うのはどうかと思いますよ兄さん」

兄「あ…はい」

兄「…で、なぜ俺を選んだの?」

妹「なぜ…とは?」

兄「恋の相手にさ」

妹「それは好きだからですよ?」

兄「…」

妹「兄さんの事が好きで好きでたまらなくなって、パンツ盗んだりこっそりベットでクンカクンカしたり、お風呂にカメラ仕掛けたr」

兄「もういいよ!やめてよ!俺の妹がこんなだったなんて!」

妹「いやん、褒めても何も出ませんよぅ」テレテレ

兄「褒めてねぇぇぇぇぇよ!」

妹「で、まあそんな兄さんを落とすためにマニュアルを買った訳ですよ」

兄「…幾らだったの?」

妹「20日30日で5%引きできっかり10000円です」

兄「高い!」

妹「10000円を無駄にしない為にも!兄さんを落として見せたいと思います!」

兄「もう…好きにしてください…」

妹「え、良いんですか?」ハァハァ

兄「そういう好きにじゃねぇよ!ヨダレ拭け!寄るな!」

妹「…」チッ

兄「舌打ちしたよね?今したよね?」

妹「まあ…そのうち好きにさせて貰いますけどね…」ボソッ

兄「妹が怖い!怖いよ助けて!あのあざとい妹を返して!」

とりあえず休憩

見てくださってありがとうございます
気分次第でまた夜始めますね

~数時間後~

兄「ふぅ…」

兄「今日は怒涛の一日だったな」

兄「…にしても妹のやつ本気なんだろうか」

兄「あいつにかぎって俺をからかうような事はしないと思うが…」

兄「…」

兄「まあ、それでも可愛い妹な訳でして」

兄「…」

兄「…!そうだ風呂にでもはいろうk」

妹「是非一緒に!」

兄「うおおお!?」ビックゥゥ

妹「是非!」

兄「お前いつから居たんだよ!」

妹「えーと…居たのは風呂にでも~の下りからで、聞いてたのは初めからです」

兄「そうか…」

兄「ん?」

兄「聞いてたのって?」

妹「こちらのマイクで」テッテレー

兄「ほほほほ本体は!本体はどこへ隠したぁぁぁっ!」

妹「いやですわ兄さん、教えるとでも?」

兄「どこだ!どこだっ!」ガサガサ

妹「あっ…!そこは…だめぇっ!」

兄「ここか!?ここなのか!?」

妹「いやっ…兄さんっ!そこだけはぁっ!」

兄「…部屋漁ってるだけなんですけど」

妹「知ってますが」

兄「あ、はい…」

兄「…」

妹「…」

盗聴器「見ちゃイヤン」

兄「…聞きたい事が3つある」

妹「はい」

兄「まず、これはいつから仕掛けてあった?」

妹「えーと、一昨年の…」

兄「長っ!?」

妹「あ!そうそう、一昨年の冬です冬!」キラキラ

兄「…もういい」

兄「次に、なぜあの場所に隠したのか」

妹「…もったから」

兄「え?」

妹「兄さんの喘ぎ声が聴けると思ったから…」

兄「」

妹「だからっ…エロ本の表紙とかpcの集音マイクのところとかケータイとかに…」

兄「まて、俺はエロ本のやつしか知らんぞ」

妹「あっ」

…………
……


盗聴器「イヤン」

盗聴器b「アハン」

盗聴器c「ウフン」

妹「兄さんに叩かれました…」グスン

兄「で、ラストの質問だけど」

兄「そ、その…えっと…」

妹「兄さん、男の恥じらいは気持ち悪いだけです」シラー

兄「…」

兄「…先月」

兄「先月の始めに何かすごい事聴かなかったか?」

妹「凄い事?」

兄「あ、知らないなら良い何でもないから…」

妹「あ、ちょっと待っててください録音したの聞いてきます」

兄「おーう…」

兄「…」

兄「ってまてえええええぇぇえあああああっ!」バタバタバタ

妹「一度ならず二度までも…」ヒリヒリ

兄「ったく…」

妹「でもめげません!」シャキーン

兄「はいはい…」

妹「という訳で一緒にお風呂を…」

兄「入りません」

妹「そうですか…」

妹「じゃあ勝手にお邪魔するんで先入っといて下さい」

兄「おう、いってくる」

妹「はいはーい」


ガチャ

パタン

妹「…」

兄「ってまてええええ!」バァン

妹「ななななななんですかにににに兄さん」

妹「わたたたたしは別に何もしてませんよよよよよ」

兄「動揺し過ぎだ、何してた」

妹「ちょっとパンツ被ろうとしてただけです」

兄「よし、パンツ没収」

妹「兄さんが脱げと言うのなら…」スルスル

兄「俺のだよ!」

妹「…」チッ

兄「また舌打ちしたな!?」

妹「…で、何のようですか?」ムスー

兄「なんで怒ってんだよ」

兄「…あ、そうそう」

兄「ちょっとお前縛りに来た」

妹「えっ」

兄「手頃な紐もあったし」

妹(赤い…ロープ…)

兄「動くなよ?」

妹(ああ、これから亀甲な感じに縛られてしまうのね…ああ、初めては優しくして欲しかったけど、アブノーマルでも文句は言いません…だって相手が兄さんだから…)

ギュッ

兄「うし」

妹「ああ、兄さん、どうか優しく扱って下さいまし…」

兄「何言ってんのか知らないけど、ベットに括り付けただけだかんね?」

妹「ですから…優しく…」

兄「じゃ、風呂行ってくるわ」

妹「えっ」

兄「えっ?」

妹「放置プレイですか?」

兄「えっ?」

妹「えっ」

兄「…風呂に来られたら困るから縛っただけ」

妹「なんと!」

妹「貴様!私から裸の兄を奪う気か!何という外道!」ジタバタ

兄「貴様って言われたの初めてだ」

妹「兄さんじゃありません!ロープに言ったんです!」

兄「…」

ガチャ

パタン

妹「ちょ、兄さーぁぁぁぁあん!」

………


兄「…」

兄「風呂から上がったら引きちぎられたロープもろとも妹が消えていた」

兄「なにを言ってるかわからねーと(ry」

妹「兄さん」

兄「うわあああああ!でたあああああ!」ビクッ

妹「なんですか人を妖怪みたいに」

兄「だ、だってお前ロープ引きちぎって…」

妹「ふふん、縛られたときの脱出方法も載ってるのがこのマニュアルの凄さです」ドヤァ

兄「それもうサバイバル本じゃないの?」

妹「というわけでですね」

兄「どういうわけだ」

妹「私はマニュアルから外れた行動を起こした&起こしていたところ、このような事態に陥ったと推測しています」

兄「…」

妹「なので!明日からは完ぺきなマニュアル恋愛を始めたいとおもいます!」ドドン

兄「…」ハァ

妹「では早速、【必勝!乙女の恋心☆これを読めば一発解決!悩める乙女の恋愛マニュアル!】第2章(p235~)第一項目『スーパーナチュラルデートお誘い術☆』より、兄さんを明日のデートに誘いたいと思います」

兄「…え?」

妹「ですから」

妹「【必勝!乙女の恋心☆これを読めば一発解決!悩める乙女の恋愛マニュアル!】第2章(p235~)第一項目『スーパーナチュラルデートお誘い術☆』より、兄さんを明日のデートに誘いたいと…」

兄「それは言う決まりなの?なんなの?」

妹「理屈っぽい兄さんは嫌いじゃないです」

兄「そ、そりゃどうも…」

妹「ただ、他の女の人にはモテないと思います」

兄「…」ウルウル

妹「えーと…マニュアルによれば…」フムフム

妹「よしっ」パタンッ

妹「兄さん!『明日一緒に買い物でも行きませんか?』」

妹「『もし…お暇なら…ですけど』」チラッ

兄「…ああ、俺は暇だし行こうか」

妹「本当ですか!?やったやった!兄さんとデートです!」ピョンピョン

兄「そ、そんな喜ぶかなぁ…」

妹「やりましたよクマ吉!兄さんとデートです!」

クマ吉「やったね妹ちゃん!家族が(ry」

兄「やめんか」

妹「やっぱりマニュアルは凄いです!」

兄「…ああ」ポリポリ

妹「じゃあ!明日楽しみにしてますね!」

兄「ああ、俺も」

妹「うふふ!兄さん!おやすみなさい!」パタン…タッタッタッ

兄「…ああ、おやすみ」

……………
……

そして俺もおやすみ
また昼頃に

なんと…
"凄く自然な、デートお誘い術"という意味で書きました
その辺はスイーツ()本だから…という感じでオナシャス

お昼と言ったのに来れずに申し訳ない
今から始めますね

妹「兄さん!朝です朝です!デートです!」ユサユサユサユサユサユサユサユサ

兄「んが!?ああ!?」

妹「朝です!」

兄「…何時?」

妹「丁度さっき4時を回りました」

兄「夜中だよ!1時に寝たばっかだよ!」

妹「朝ですよ?」

兄「朝だけど!朝だけども!」

妹「?」キョトン

兄「ま、またその顔か…」ドキッ

兄「とにかく…行動は7~8時に起こそうよ、な?」

妹「…はい」シュン

兄「…」

妹「それでは…また…後で」トボトボ

兄「…」

兄「…妹」

妹「はい…」

兄「…一緒に寝るか?」

妹「…!!」ハァハァ

兄「多分お前の想像してる"寝る"じゃない」

兄「一緒の布団で横になろうかって話」

妹「い、いいんですか?」

兄「ああ、おいで」

妹「兄さぁぁぁあん!」ピョーン

兄「ちょ、ルパンダイb…」ゴスッ

妹「兄さん兄さん兄さん兄さん!」

兄「う…ぐ…」ジタバタ

妹「兄さん!誰にやられたんですか!どこの組のモンですか!」

兄「お前だよっ…」ペシッ

妹「あう」

兄「まあいい、とりあえず寝ろ」ポフッ

妹「…」クンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカクンカ

兄「…あの、静かにしていただけませんか」

妹「静かにしてるじゃないですか」

兄「うるさいんだよ!主に鼻息が!」

妹「えへへー、兄さんの匂いです…」スゥーハァー

兄「年頃の兄さんにとっては少し恥ずかしいんですよ」

妹「いい匂いです」

兄「…ありがと」

兄「じゃ…おやすみ」

妹「おやすみなさい…」ニヤッ

兄「待てその不敵な笑みはなんだ」

………


兄「…」

妹「7時ですね兄さん」

兄「お前のせいで結局1睡もできなかった」

妹「あ…ご、ごめんなさい」ショボン

兄「あ、え、別に怒ってる訳じゃ…」ワタワタ

妹「…」

兄「…妹?」

妹「『…』」ギュッ

兄「ど、どうした?」ドキドキ

妹「『…なんとなくです』」

兄「…それもマニュアルか?」

妹「なぜわかったんです!?」

兄「…」

妹「ドキドキしました?」

兄「…ん、まあ」

妹「さ、流石マニュアルです…」

兄「…そろそろ起きるか?」

妹「良いんですか?」

兄「目も冴えちまったし」

妹「そ、それじゃあ…」

兄「ああ、デートだな」

妹「…っ!」カァァァッ

兄「ふふっ、着替えようぜ」

妹「はいっ!」シュルシュル

兄「ここで脱ぐな愚か者!」

妹「みられたいんです!兄さんにみられたいんですっ!」ヌギヌギ

兄「その痴女癖をどうにかしろ!」

妹「下半身だけ!下半身だけでいいですから!」

兄「先っぽだけみたいな言い方をやめろ!しかもなんで下半身なんだ!普通逆だろ!」

妹「如何に私が兄さんを思っているかを湿りで確認してもらいt」

兄「やーーめーーろーー!それ以上言うな!ディープな話をするな!」

妹「嗚々、兄さん…」ハァハァ

兄「早く出て行け!」

妹「兄さん…」ハァハァ

兄「ぎゃーっ」

…………


妹「着替えました!」

兄「今何時だと思う?」

妹「…9時です」

兄「たかだか着替えるだけてどれだけ手間取ってんた俺達は…」

妹「兄さんがいやらしい目で見るから…」

兄「見てねーよ!寧ろ見ないようにしてたんだよ!」

妹「見て欲しかったです」

兄「うるせぇ!」

妹「まあ、何はともあれ着替え終わりましたし、出かけましょう?」

兄「ああ…」

兄「そう言えば買い物って何買いたいんだ?」

妹「えーと、ロープ、手錠、ロウソク、鞭…」

兄「…」

妹「あ、あとライターもですね」

兄「ok、却下だ」

妹「兄さん最近海外ドラマにハマってるんですね」

兄「…まあな」

妹「~元スパイの逆襲~ですよね」

兄「…ああ」

妹「…『俺の名はマイケル』」

兄「それ以上言わなくていいから!マイナーな作品だからきっと誰も知らないから!」

妹「私も好きですよ?」

兄「たまに一緒に見るもんな」

妹「ドラマの濡れシーンで私も濡r」

兄「あーあーあー!なにー!?きこえない!きこえなぁぁぁい!」

妹「ふざけてないで早く行きましょう」

兄「え、あ、はい…」

妹「とりあえず…」

兄「まあ、行くなら…田舎の味方イオンモールだな」

妹「ジャスコ馬鹿にしたらダメですよね」

兄「同感だ」

妹「じゃあ、ジャスコで」

兄「徒歩?自転車?」

妹「…」

妹(徒歩の場合…手をつなぎながら目的地に向かうメリットと同時に帰りは疲れたからとおんぶしてもらうメリットも…)

妹(しかしながら、自転車の場合2人乗りすれば兄さんにずっと抱きついていられる…)

妹(これはっ…どちらを取るべき…っ!?)

兄「…おーい」

妹(待てよ、抱きつくのは家でもさりげなく可能だが、手をつなぐのは中々ハイレベルな気がする)

妹(それに、徒歩の方が長い間楽しめる…)

兄「妹?どうするんだ?」

妹「徒歩で」キリッ

兄「そ、そうか」

兄(…計算し尽くされた何かを感じる)

妹「さ、兄さん」

兄「あ、ああ、行こうか」

妹「このチャンス…逃さんっ…」ニヤッ

兄「口に出てますけど!?」

…………
……


兄「バーンノーティスかっこいいよね!声優も好き!」

妹「突然なにいってるんですか?」トコトコ

兄「いや、ちょっと天の声に答えただけ」スタスタ

妹「兄さん怖いです…」

兄「正直、俺はお前が怖いけどね」

妹「…」

兄「…」

妹「…!」キュピーン

妹(この無言…好機っ!)

妹「に、兄さん!」

兄「んあ?」

妹「『あの…えっと…良かったら…手を握ってもいいです…か?』」チラッ

兄「え、お、おう…」ドキッ

妹「『えへへ…嬉しいですっ』」ギュッ

兄「…!」キュピーン

兄「この感じ…マニュアルかっ」

妹「何故バレた!」

兄「なんつーか…」

兄「わかるんだよなぁ」

妹「…演技下手ですか?」

兄「いや、上手いと思う」

兄「だけどなんかなぁ…」

妹「…」

兄「ま、長いこと一緒に暮らしてるからかもな」

兄「とにかく俺には分かる」

妹「…」ムムム

妹「あ、で!手は繋いでくれるんですよね!」

兄「あ、おう…」スッ

妹「いただきます」アーン

兄「なぜ食おうとした!」ヒョイッ

妹「はっ…つい…」

兄「ったく…ほい」スッ

妹「いただきます」ガブッ

兄「なぜ噛んだ!なぜ噛んだっ!!!」

妹「はっ…ひはっは、ふい…」アグアグ

兄「口から離せぇ!」ブンブン

兄「…」スタスタ

妹「…ご、ごめんなさい」トコトコ

兄「別に…」

妹「…」

妹(…それでも手をつないでくれる兄さんが好きです)ギュッ

兄「…」ギュッ

妹「!!」

兄「…」フイッ

妹「えへへ…」ニコニコ

兄「…ふふっ」


スタスタ
トコトコ


………


分かりづらいかもしれないですが、上のギュッは手を握った音ですはい
いきなりハグした訳ではござりませぬ

おやすみなさい

妹「つきましたね!」

兄「ああ、まずどこに行きたい?」

妹「えっと…」

妹「あ、ご飯食べたいです」

兄「ああ!そう言えば朝飯忘れてたな」

兄「じゃあ、フードコートだな」

妹「はいっ」

兄「あ、でも個店っていう手も…」

妹「いえ、私はフードコートでいいですよ」

兄「そうか…」

兄「何か食いたい物でもあんの?」

妹「はい、ちょっと…」

兄「へー、珍しいな」

妹「珍しい?」

兄「ああ、お前が何か欲しがるというか欲求するなんて」

妹「いつも兄さんの愛を欲求していますが」

兄「はいはい」

妹「…なんか流された感が凄いです」

兄「さ、ついたぞ~」

妹「ちょっと兄さん聞いてます!?」

兄「何食うんだ?」

妹「まったく…兄さんたら…」

兄「妹?」

妹「ふんっ」

兄「怒るなよ…」

妹「…」

妹「『じゃあ、パフェ奢ってくれたら許します』」

兄「…」

妹「…」

兄「お前甘いものダメだよな?」

妹「ぎくっ」

兄「口で言うなよ」

妹「軽い失態です…」

兄「まあ、何か奢ってやるよ」

妹「いいんですか?」

兄「可愛い妹の為だからな」

妹「可愛い…」

兄「あっ、その可愛いってのは…」

妹「もうっ!兄さん、2人めなんて気が早いですよぅ!」

兄「お前の頭はどこまで飛躍してんだ!?」

妹「はっ…」

妹「あ、あれ?私の幸せな家庭は…?」

兄「重症だ」

妹「…じょ、冗談です」

兄「目が笑ってなかった」

妹「…」

妹「…あ、た!たこ焼き食べたいですたこ焼き!」

兄「たこ焼きか」

妹「か、買ってきますので席とっておいて下さい!」

兄「おう」

………


兄「ふーむ」

兄「カウンターしか空いてないな」

兄「ふーむ…」

妹「兄さん!」タタタ

兄「おう」

妹「席ありました?」

兄「カウンターしかないな」

妹「…」

妹(例の本によれば…)

『好きな人とデートに出かける事ができたら大チャンス!そのままお持ち帰りしちゃえ☆』
『でも、そこまでイクには手順が必要だよね』
『なので、この項目ではデートで役立つ小技を紹介していくよ☆』
(中略)
『テクニック138番:食事する際や、椅子に座るような機会があったら、迷わず隣に並ぶ事。特に、相手の左側に座ると効果テキメン!詳しい理由は…』

妹「相手の左側…」ブツブツ

兄「妹?カウンターでいいか?」

妹「寧ろ好都合っ!」

兄「!!?」ビクッ

兄「こ、好都合?」

妹「はい!好きな人と席に座るような時は、隣に並ぶといいらしいです!」

妹「さらに相手の左側だと尚良いらしいです!」

兄「へぇ…」

妹「…」ドヤッ

兄「それ、俺に言っても良いのか?」

妹「…!!」

兄「…」

兄「それなら、俺が左側な」

妹「そんなぁ…」シュン

兄「…」

妹「…」

兄「お前は頭良いのか悪いのか分からんよ…」

妹「どういう意味です?」

兄「…そのうちわか…るのかな?」

妹「???」

兄「ほれ、たこ焼き冷めるぞ?」

妹「あっ!…」

妹「いただきます!」パクッ

兄「あ、でもまだ中は…」

妹「ーっ!ーっ!!」ウッウッ

兄「あ!おい!出すn」

妹「けぱっ」ボトッ

妹「あっつぅぅぅぅぅういですぅぅう!」ジタバタ

兄「…キタナイ」

妹「口が…口が…」

妹「に、兄さんお水を…」

兄「ああ、ほれ…」

妹「お水を口に含んで私の口に注入して下さい!簡潔に言うと口移しd」

兄「ここに置くぞ」

妹「兄さんが冷たいです」

兄「ほっとけ…」ゲンナリ

妹「…たこ焼きはこんなに熱いというのに」

兄「やかましいわ」

兄&妹「どうも、ありやしっしたー」ペコ

兄「ってなにさせんだ」

妹「兄さんがやったんじゃないですか…」

兄「そうだっけ」

妹「とぼける兄さん可愛いです」

兄「はいはい、お前も可愛いよ(棒)」

妹「やだっ…可愛いだなんて…」

兄「まてまてまて(棒)の意味を汲み取れよ、おい!」

妹「うふふふふふふふ」

兄「おい!」

妹「可愛いは可愛いです…そして可愛いは正義ですぅ…ふふふふふふふ」

兄「兄さんはお前時々何を言ってるかわからないよ」

妹「正義…」

兄「…不吉な予感」

妹「正義ならなにしても許されますね」

兄「それは違うt」

妹「兄さん!朗報です!私たち結婚できますよ!!?」

兄「声がでけぇよ!」


ヒソヒソヒソ
ヒソヒソヒソヒソヒソヒソ


兄「きゃーっ、周りの目が痛い…」

妹「〆ますか?」

兄「お前をな」

妹「いやっ…初めては優しく…」

兄「…ヤダもう帰りたい」シクシク

…………


妹「なんやかんやで満腹です」

兄「おめでとうって言われた…お店の人に…サービス貰った…」ブツブツ

妹「…」

兄「…」

妹「あ、兄さん、手を握っても…」

ギュッ

妹「ひゃっ…!」

兄「…握って欲しいんじゃないのか?」

妹「え、あ…は、はい!」ギュッ

兄「…ふふっ」ニッ

妹「えへへ…」ニコニコ

妹「兄さん兄さん」

兄「ん?」

妹「機から見たら私たち、すごくいいアベックですよね」

兄「アベック…!?」

………


妹「兄さん兄さん」

兄「ん?」

妹「メガネ売ってますよ」

兄「メガネか…」

妹「ちょっと着けてみません?」

兄「構わんよ」

妹「じゃあ、兄さんは私に似合いそうなの選んできて下さい」

兄「なるほど、それでお前が…」

妹「兄さんに似合いそうなの選んできます」

兄「いいね、探してくるわ」

妹「ふふっ」ニコッ

………


兄(…妹に合いそうなメガネか)

兄(うーん…王道は赤縁メガネだが…)

兄(うーん…)

店員「お客様?なにかお探しでしょうか?」

兄「え、ああ、ちょっと女の子に似合いそうなのを」

店員「プレゼント用ですか?」

兄「んー?まあ、そんなとこかな」

店員「でしたら、こちらのコーナーがよろしいかと」

兄「おお、可愛いのがいっぱいありますね」

店員「ええ、お客様がご覧になられていた所…老眼鏡コーナーですから」

兄「…」

店員「…右の方から最新モデルとなっておりますので、ごゆっくり」

兄「ありがとうございました」

兄(これとか似合いそうだな…)

兄(あえてのブルーとか…いや、緑も…)

兄(黒縁も合いそうだなぁ…)

兄(ぐぬぬぬぬぬ)プシューッ

兄(はっ…縁なしもあるのか!)

兄「まて、それは認めん」

店員「!?」ビクッ

兄「あ…すいません」

店員「あ、はい…」

兄(…)

兄(…あっ…これ)

兄(…ふふふ、凄く妹っぽいな)

兄(これと…とびきり変なの探して持ってこ)

兄(あ、老眼鏡コーナーにいいのあるじゃん)

兄(…これは楽しみだ)クックックッ

……………
……

妹(兄さんに似合いそうなメガネ…)

妹(兄さん細身だからシルバーが合いそう)

妹(でもなぁ…)

妹(装飾入ったのはどうだろう)

妹(うーん…なんかシンプルさに欠けるなぁ)

妹(…フルフレームだと兄さんにはちょっとくどい気がする)

妹(あ、上縁かっこいい…)

妹(レンズも細めで切れ長だし…)

妹(これをかけて…読書してる兄さん…)

妹「ふふ…ふへへへへ…」ジュルリ

妹(あ、いかんいかん)

妹(よし、これにしようっ)

……………
……

兄「お、タイミングいいな」

妹「私と兄さんですから、相性抜群ですよ」

兄「はいはい」

妹「兄さんの先に見せて貰ってイイですか?」

兄「わかった」

兄「かけてやるから目瞑ってくれ」

妹「は…はい」

妹(兄さんの手が!手が!)

妹(目を瞑っててもわかる!兄さん近い!兄さん近い!ああっ!)

妹(このまま抱きついてハスハスしてペロペロしてウニウニしたい!していいよね?ね?ね!ああああああっ!)

兄「かけたぞ」

妹「はっ…」ゼェゼェ

兄「なんで息きれてんだ」

妹「理性と…欲望が戦ってました…」

兄「そうか…」ププッ

妹「?」

兄「ほれ…鏡」プククッ

妹「なんで笑って…」

妹(ま、円縁メガネえええぇぇ!)

妹「兄さんっ!」

兄「あはははは!なんかこう!昭和だな!」

妹「真面目にやってくださいよ!」

兄「冗談冗談…っ」プフフフフフフ

妹「にーさんっ!」

兄「愛嬌が増すなそれ…ふふふっ」

妹「…」プスーッ

兄「ごめんごめん」

兄「はい、これ本命」

妹「…かけてくれなきゃヤです」

兄「…はいはい、ってこっち向いてくれよ」

妹「…ん」クルッ

兄「…」スッ

妹「…」プルプル

兄「?」

妹「…」プルプルプルプル

兄「危機感知」サッ

妹「兄さぁぁんっ!」ガバッ

兄「残存だ」

妹「!!?」スカッ

妹「なんと…」

伸びててびっくりしました

ご指摘の通り"残像"です…
iphoneからなので、予測変換の打ち間違いでした
申し訳ございません

兄「ごめんごめん」

兄「はい、これ本命」

妹「…かけてくれなきゃヤです」

兄「…はいはい、ってこっち向いてくれよ」

妹「…ん」クルッ

兄「…」スッ

妹「…」プルプル

兄「?」

妹「…」プルプルプルプル

兄「危機感知」サッ

妹「兄さぁぁんっ!」ガバッ

兄「残像だ」

妹「!!?」スカッ

妹「なんと…」

兄「ほら、鏡」

妹「ぐぬぬ…」

妹「あ…」

兄「うん、良く似合ってる」

妹「え、えへへ」テレテレ

妹「なかなか良い趣味ですね」

兄「えらく上から目線だな」

妹「ふふん、次は私が兄さんにかけてあげます」フンス

兄「ああ、頼むよ」

妹「…」

兄「…」

兄「どうした」

妹「目を閉じて下さい」

兄「…邪念を感じる」

妹「ぐぬぬ…」

妹「この際仕方ないです」

兄「うむ」

スッ

兄「おお、中々…」

妹「に、兄さん…」ハァハァ

兄「止めろ、寄るな、メガネかけただけだろう」ジリジリ

妹「インテリ兄さん…窓辺で読書…」ジリジリ

兄「これは取った方が得策だな…」スッ

妹「兄さん…」ハァハァ

兄「デフォルトだったかっ…!」


………


妹「~♪」

兄「…」

妹「兄さん兄さん」

兄「なんだい妹」

妹「メガネありがとうございました」

兄「ああ、気にするな」

妹「私似合ってますか?」

兄「凄く」

妹「えへへ…」テレテレ

兄「…でも」

妹「?」

兄「俺はそのままの顔の方が好きかな」

妹「え…あ…それって…」カアアァァアッ

兄「…」ニヤッ

妹「…」

兄「…」

妹「に、兄さん…」

兄「なんだ?」

妹「えっと…」

妹「あの…」

兄「?」

妹「『私…兄さんの事が…』」

兄「止めろ」

妹「え…」

兄「そういう事は気軽に言わない方がいい」

妹「そんな…わ、私は…っ」ワタワタ

兄「…気は済んだか?」

妹「それは…どういう…」

兄「恋人ごっこだよ」

妹「恋人…ごっこ…」

兄「楽しかったか?」

兄「お前は感情に踊らされてるだけだ」

兄「良く考えろ、俺たちは兄弟だぞ?」

妹「…」

兄「マニュアルだかなんだか知らんが、一線を越えない方が良い」

妹「…兄さんは」

妹「兄さんは…そう思っていたんですね…」

兄「…ああ」

妹「…」

妹「す、すいませんでした」

妹「全然に兄さんの気持ちに気づけなくて…」ニコッ

妹「こ、これからは…あまり…ベタベタしないようにしますので…」

妹「き、嫌いにだけは…ならないで下さい…」ウルウル

妹「…」グスッ

兄「…」

妹「…さ、先に帰ります!」

妹「ごめんなさい…」タタタッ

兄「…」

兄「謝るのは俺の方だ…」

兄「…ごめんな」ボソッ


………


妹「…っ」グスグス

妹(私は馬鹿だ…)

妹(兄さんの言うとおり…おかしな事なんだ)

妹(それなのに…兄さんが付き合ってくれるからって調子に乗って…)

妹「…」

妹(それでも…私は兄さんが…)

妹(兄さんの事が…)


………


兄(…)

兄(泣かせてしまった)

兄(いつ以来だろうか…)

兄(…俺は最低だ)

兄(それに…無力だ)

兄(…どうすればいい?)

兄(俺は…どうすれば…)

兄(俺は…どうしたいんだ…?)

兄(俺は…)

―――――力が欲しいか?

>>107
そういう話もいつか書きたいwww

ガチャ

兄「…ただいま」

妹「あ、えと…おかえりなさい…」

兄「おう」

妹「…」

兄「…」

妹「あ、あの!ご飯できてますので…」

兄「…いつも悪いな」

妹「いえ!大好きな兄さんの…」

妹「あっ…」

兄「…」

妹「ごめんなさい…」

兄「…気にするな」

兄「ご飯もらうよ」

妹「はい、今温めますね」

………


妹「はい、どうぞ」

兄「いただきます」

妹「…」

兄「…」パクパク

妹「…部屋に…いますので」スタスタ

兄「…ああ」

妹「…」スタスタ

兄「…」モグモグ

兄(美味い…)

モグモグ

パクパク

モグモグ

……


兄「…」ペラペラ

兄「…」

兄(漫画も頭に入ってこない…)

兄「…」

兄(あいつなにしてんるだろう…)

………


妹「…」

妹「…兄さん」

妹(兄さんは…私をどう思うのですか?)

妹(家族…?ただそれだけなのでしょうか…)

妹(兄さん…)

妹「…」グスッ

妹(泣いちゃ…いけないのに…)グスグス

妹「…っ」グスン

……………
………


チュンチュン


兄(朝…か)

兄(今日は休みか…)

兄(…)

兄(いつもなら、起こしにくるんだけどな)

兄(…)

兄「起きるか…」

妹「…」トントングツグツ

兄「…おはよう」

妹「お、おはようございます!」オドオド

兄「いい匂いだな」クンクン

妹「あ、ありがとうございます!もうすぐできますので…」

妹「…」トンットンットンッ

兄「…」

妹「…」

兄「…」

…………


妹「ど、どうぞ…」コトッ

兄「ありがと」

兄「…」

妹「…」

兄「お前は食わないのか?」

妹「あ、えっと…その…」

妹「えっと…部屋で…食べます」

兄「なんでだ?」

妹「い、一緒に居ると…その…」

兄「…」

妹「ご、ごめんなさい!」タタタッ

兄「あ…おい!」

兄「…っ」ギリッ

…………


妹(辛い…)

妹(話すのが…辛い)

妹(顔を見るのが…辛い)

妹(兄さんの存在が…辛い…)

妹(嫌いになった訳じゃない…)

妹(好きだからこそ…だからこそ…辛い…)

妹「…」グスッ

………


兄「…」

兄「…ごちそうさま」カチャカチャ

兄(どうすればいい)

兄(妹に本気の告白をされた時はどうすればいい?)

兄(…)

兄「マニュアルがあれば…」

兄「…マニュアル!」

コンコン

「は、はい!」

兄「入って大丈夫か?」

「あ…えと…」

兄「嫌ならいい」

「いえ!だ、大丈夫…です」

兄「じゃ、入るぞ」

ガチャ

妹「よ、ようこそ…」

兄「それはおかしい」

妹「すみません…」

兄「…」

妹「…え、えっと」

兄「ああ、実はマニュアルを借りに来たんだ」

妹「マニュアル…?」

兄「ほら、恋愛マニュアルだよ」

妹「あ…」

兄「借りていいか?」

妹「大丈夫です」

妹「えっと…このへんに…」ゴソゴソ

妹「ありました」スッ

兄「ありがとう」

兄「…明後日には返せると思うから」

妹「好きなだけ持っていて下さい」

妹「私には…もう必要ありませんから…」

兄「…」

妹「あ、ご、ごめんなさい!」

兄「大丈夫…きっと解決してみせる」ボソ

妹「え…?」

兄「じゃ、借りてくな」

パタン

妹「兄さん…?」

…………


兄「…兄妹間の恋…」ペラペラ

兄「…あった」ピタッ


『禁じられた恋…それはとても儚く切ないものです』
『ですが、求め合う2人を止めることなど誰にも出来ません』
『お互いが欲望に忠実になれば、血縁なの関係ないのです』

兄(欲望に忠実…)

兄(俺は妹が…好きなのか?異性として…女として…)

兄(…わからない)

兄(もっと為になりそうな項は無いのか…?)

『兄妹間の恋:番外』

『この項では、兄に告白されたor妹に告白された』
『そういう方々へのアドバイスを綴ってゆきます』

『まず始めに相手を好きかどうか、それが重要です』
『好きでなければ、断ればいいだけなのですから』

『しかし、「好きかどうかわからない」』
『そういう方が大半だと思います』
『そんな時は、胸に手を当て、想像して下さい』
『あなたの隣で笑う相手を』
『あなたに向けて微笑む相手を』
『あなたを求める相手の姿を』

兄「…」

「兄さん!猫ちゃんですよ!可愛いですね!」ニパー

兄「…」ウルッ

「にーいさん♪…呼んだだけですよ」ニコニコ

兄「…」ウルウル

「私…兄さんの事が…」

兄「…」ポロポロ

兄「妹…ごめんな…ごめんなぁ…っ」ポロポロ

兄(俺は…自分ばっかりで…なんで素直になれなかった…っ)

兄(俺だって…俺だってずっと妹が…)

兄「妹…っ」ダダッ


バタン




『その姿を想像すれば分かるはずです』

『本当の気持ちはどうなのか』

『貴方が相手をどう思っているのか』

『もし、本当の気持ちに気づけたのなら』

『あとは素直になるだけです』

『さあ、今すぐ待っている相手の元へ行ってあげて下さい』

『相手は、あなた以上に悩み、苦しみ、そして勇気を出して告白したのですから』

ガチャッ

兄「妹!」

妹「ひゃあああ!?」ビクッ

妹「どどどどうしたんですか兄さん!」ワタワタ

兄「…なんでそんなに慌ててる?」

妹「え、えーと」

兄「後ろに何隠した?」

妹「え?ええ?べ、別になにも…」

兄「…」ヒョイ

妹「あっ…」

兄「手紙…?」

妹「…っ」




『兄さんへ、私はダメな妹です』
『実の兄の事が好きになってしまいました、気持ち悪いですよね』
『ダメって分かっているのに、それでも好きなんです』
『兄さんには、こんなダメな妹は相応しくありません』
『なので…お別れをしようと思います』
『どこか遠くの違う街で、私は生きてゆきます』
『どうか、心配しないで、探さないで下さい』




兄「…」

妹「…」

兄「こんなもの残されて…」

兄「俺が普通に生きていけると思ったのか?」

妹「…っ」

兄「俺は…俺はなぁ…」ウルウル

妹「…ごめんなさい」

兄「…」

兄「…俺は…気持ち悪いだなんて思わない」

兄「ましてや嫌ったりもしない」

兄「だって…だって俺は…」

兄「俺は…」

妹「兄さん…?」

兄「俺は…お前が…お前の事が好きだから!」

兄「家族としてじゃなく、1人の異性として…お前が好きだ」

妹「に…い…さん?」ウルウル

兄「お前に告白されそうになった時、俺は怖かった」

兄「もし、受け入れてしまえば…どうなるか分からなくて…怖くて…」

兄「だから…お前を傷つけて…」ポロポロ

兄「本当にすまなかった…!」ポロポロ

妹「兄さん…」ウルウル

兄「俺は…お前の思うほど強い人間じゃない…度胸は無いし、かっこよくも無い…」

兄「それでも…それでも俺が好きと言ってくれるなら…」

兄「俺は…っ」ポロポロ

妹「…兄さん」

兄「…」ウッウッ

妹「兄さんのそんな所も…私は好きなんです」

妹「今の兄さんが、自分を臆病で弱いと思っている兄さんが」

妹「そのままの兄さんが大好きなんです」

妹「だから…そんなに泣かないで下さい…」ポロ

妹「私…凄く嬉しいです…」ポロポロ

妹「兄さんに嫌われてなくて…むしろ、好きだと言ってくれて…」ポロポロポロポロ

妹「本当によかったって…私はここに居ていいんだって…」ポロポロ

妹「ありがとうございます…兄さん」ニコッ

兄「妹っ…!」ギュゥゥウ

妹「え、あ…」

兄「二度と離さない…ずっと…」ギュウウウゥ

妹「…私もです」ギュウウウゥ

兄「…」ギュゥゥ

妹「…」ギュッ

…………
……



妹「…兄さん」

兄「ん?」

妹「…」

兄「なんだよ」

妹「あの時、キスする場面だったんじゃないですか?」

兄「え?」

妹「お互い抱き合って、密着して…」

妹「そのあとする事なんてキスしかないですよね?」

兄「映画とかはな」

妹「でも兄さんそのまま寝ましたよね」

兄「…」

妹「泣きつかれるっていうのはわかります」

妹「でもあのまま寝るなんて…」

妹「一瞬押し倒されたと思ってドキドキしたんですから」

兄「申し訳ない…」

妹「なので、仕切り直しをして…」

兄「ヤダ」

妹「何故です!」

妹「私たちは相思相愛!どこにキスしようが自由な筈です!」

兄「口以外にどこにキスするんだよ…」

妹「下のお口です!」

兄「言い切るなよ!首筋とか色々あんだろうが!」

妹「あ…兄さんはそういうのがお好みですか?」

兄「違うよ!例えだろうが!」

妹「さあ、兄さん…私のこの首筋に…」ハァハァ

兄「違うってんだろ!」

妹「…」チッ

兄「久々に来ました舌打ち!仲直りしたらこれだよ!」

妹「冗談はさておき」コホン

妹「なんで嫌なんです?」

兄「えっと…」

妹「?」

兄「その…初めては大事にしたいっていうか…」

兄「ちゃんとしたいというか…」

妹「兄さん、煮え切らない男は嫌われますよ」

兄「俺は…お前に嫌われなきゃそれでいいよ」

妹「っ!?」カァァァ

兄「ふふっ」ニヤッ

妹「に、兄さんはいつもズルいです!」ポカスカ

兄「『ごめんごめん、可愛いからついからかいたくなるんだ』」

妹「…!」キュピーン

妹「この感じ…マニュアルっ!」

兄「ばれたか」

妹「兄さんの言ってた、なんとなく分かるっていうのがやっと理解できました」

兄「やっぱそういうもんなのかね」

妹「…!」

兄「どうした?」

妹「兄さん…」

妹「兄さんは、ひょっとしてあの時…」

妹「私の告白を止めた時…あれがマニュアルだと分かったから止めたんですか?」

兄「…」

妹「だから…よく考えろなんて…」

兄「…まあ、そうだな」

兄「もし…本気で、自分の言葉で告白してくれたら…」

兄「俺は多分、断る事が出来なかったと思う」

妹「兄さん…」

兄「ごめんな、傷つけて」

妹「兄さん…」ハァハァ

兄「どこに興奮する要素が!?」

妹「兄さんは…私を思って言ってくれたんですね…」ハァハァ

妹「私の…為に…」

妹「私だけの…」ハァハァハァハァ

兄「やめろ、変な方向へ持っていくな」

妹「に…」

兄「…危機感知」サッ

妹「兄さぁぁぁぁぁあん!」ガシッ

兄「先読み…だと…!」

妹「兄さん!ちゅーしましょう!是非!今すぐ!」

兄「話を蒸し返すな!さっき断っただろう!」

妹「兄さんの気持ちなんざ知ったこっちゃないです!ちゅーするんです!」ググググ

兄「お前っ…どこにこんな力がっ…」グギギ

妹「んーっ!」チュゥゥゥウ

兄「うおおおおっ」サッ

妹「んーっんーっ!」チュッチュッ

兄「あたらんっ!」サッサッ

妹「ぐぬぬ…」」スッ

兄「やっと諦めたか…」ハァ…

妹「隙ありっ」チュッ

兄「んぐっ!?」

妹「ん♪」チュー

兄「ん…ぐ…」

妹「ぷはっ」

兄「…」ハァッ…ハアッ

兄「油断した…」

妹「私の勝ちですね♪」ルンルン

兄「くそ…」

妹「…そんなに嫌でしたか?」

兄「嫌じゃないが…」

妹「じゃ!もう一回しましょう!次はディープな方を!」ジリジリ

兄「やめろ!戦闘体制に入るな!」

妹「兄さんっ!」ガバッ

兄「っ!」ガシッ

妹「えっ」

兄「そおおおおいっ!」ブン

妹「きゃああ!?」ドサ

兄「ベッドなら怪我しないだろ…」

妹「ベッドに押し倒すだなんて…」

兄「押し倒してない、捌いて投げただけだ」

妹「乱暴なんですから…でも、私は構いません…」

兄「妹?おい、聞いてるか?」

妹「例え物のように扱われようとも私の愛は…」ブツブツ

兄「妹ー?」

妹「そう…それはまるで海のように広く…深い愛…アガペー…」ブツブツブツブツ

兄「…」

妹「エロスとの両立は…2人なら…」ブツブツブツブツブツブツブツブツ

兄「だめだこりゃ」ハァ…

妹「兄さんっ!」

兄「うおお!?」ビクッ

妹「兄さん!」

兄「な、なんだ急に…」

妹「私は!」

妹「私は兄さんが大好きです!」

妹「世界で1番!大好きで、愛してます!」

兄「…」

兄「俺も、世界で1番…いや、宇宙で1番お前を愛してる」

妹「あ、兄さんずるいです!」

妹「私はそれの10倍兄さんを愛してます!」

兄「じゃあ俺100倍」

妹「1000倍です!」

兄「じゃあ俺は無量大数倍で」

妹「知ってますか兄さん?無量大数より上の数は存在します…」

妹「私は不可説不可説転倍愛してます!」ドヤッ

兄「何をっ!」

妹「なんですかっ!」

兄&妹「うぬぬぬぬぬっ!」


ギャーギャー

ワーワーー…




~end~

以上、本編終了です
ありがとうございました


以降、本編内の説明しきれなかった箇所を番外として解説して行きたいと思います
技量が及ばず申し訳ありません。
もう暫くだけ、お付き合い下さい

妹「兄さん兄さん」

兄「ん?」

妹「この間の話なんですけど」

兄「どの話だ?」

妹「えーと、盗聴器の下りで…」

妹「"先月の始めに凄いこと"って兄さん言ってたじゃないですか」

兄「げっ…」

妹「それでですね、気になるので録音してあったのを再生しようかと」

兄「!!?あの時俺が消したんじゃ…」

妹「バックアップとるくらい普通ですよ?」

兄「お前ええええええ!」

妹「というわけで…」

妹「はいっ」カチッ

ザーー…



ハァハァ…

ハァハァ…


妹「兄さんの…自慰…」ハァハァ

兄「やめて!自分のなんて聞きたくない!」

ハァハァ…

…ト

イ…ト

妹「ん?小さくて聞こえませんね…」

妹「ボリュームを…」カチカチッ

兄「やめろやめろやめろ!」

イモウト…

イモウトッ…ハァハァ…

フゥ…

妹「えっ…」

兄「…」チーン

妹「に、兄さん?これって…」

兄「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時、照見五蘊皆空、度一切苦厄。舎利子。色不異空、空不異色、色即是空、空即是色。受・想・行・識亦復如是。舎利子。是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減。是故空中、無色、無受・想・行・識、無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法。無眼界、乃至、無意識界。無無明、亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽。無苦・集・滅・道。無智亦無得。以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故、心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖、遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃。三世諸仏、依般若波羅蜜多故、得阿耨多羅三藐三菩提。故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪、能除一切苦、真実不虚。故説、般若波羅蜜多呪。即説呪曰、羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶。般若心経」

妹「兄さん?兄さん??」アセアセ

兄「ああ、神よ私をお救い下さい…」ナムナム

妹「あれって…私をオカズに…」

兄「観自在菩薩行深般若波羅蜜多(ry」

妹「兄さんっ!」

妹「兄さん兄さん」

兄「んあ?」

妹「デート行った日の事なんですけど」

兄「おお、最近あのメガネかけてるんだな」

妹「ええ、兄さんからのプレゼントですので…」

兄「度は?」

妹「あ、少しだけ入れました」

兄「伊達はよくないらしいからな」

妹「って、そこじゃなくて」

妹「一緒にご飯たべましたよね」

兄「ああ」

妹「その時カウンターに座りましたよね」

兄「そうだな」

妹「私が、マニュアル見て左側に座りたいって言ったとき…」

妹「兄さんは"じゃあ俺が左な"って言いましたよね?」

兄「…」

妹「あの状況で左に座るって事は…好きな人の隣に座るってことですよね」

兄「…」ポリポリ

妹「あの時のそのうちわかるっていうのは…」

兄「ご明察、そういう事だよ」

妹「…兄さんはいつも回りくどいです」

兄「…申し訳ない」

妹「そして、あの時奢ってくれるって言ったのに実際私がお金出しました」

兄「細かい!」

妹「800円でした」

兄「はいはい…」チャリチャリ

兄「ほい、800円」

妹「ありが…って全部10円じゃないですか!」ズシッ

兄「ふはははははは!」

妹「兄さんっ!!」

これにて番外も終了とします

大変長い間お付き合い下さいありがとうございました


相談なのですが、>>107からの流れで続きを書いてもいいでしょうか?

応援ありがとうございます

とりあえず時は遡り、兄が葛藤している所から始まります…


兄(…俺は最低だ)

兄(それに…無力だ)

兄(…どうすればいい?)

兄(俺は…どうすれば…)

兄(俺は…どうしたいんだ…?)

兄(俺は…)

―――――力が欲しいか?

兄(!?)


力が欲しいのか?


兄(誰…だ?)


そんな事はどうでもいい


力を求めるか…求めないか


それだけを答えろ


兄(俺は…)

兄(俺は…力が欲しい…)

兄(妹をどうにもしてやれない…こんな無力な俺じゃ…)


クハハ…ならば叫ぶが良い


ただ"力が欲しい"と…


兄「…」

兄「俺は…」

兄「俺は…力が欲しい!!!」ゴォッ

ーーーーー承った

ガチャ

兄「…」

妹「あ、お、おかえりなさい!」オドオド

兄「ああ、ただいま」

妹「ご飯出来てますので…」

兄「いつもありがとう」ニコッ

妹「え…?」

兄「戴くよ」

妹「あ、はい!」カチャカチャ

………


妹「はい、どうぞ」

兄「うん、美味しそうだ」

妹「あ、ありがとうございます…」

兄「いただきます」

妹「はい…」

兄「…」パクパク

妹「あ…わ、私…部屋に居ますので…」スタスタ

兄「…待て」

妹「!?」ビクッ

兄「一緒に食べないのか?」モグモグ

妹「え…で、でも私は…」オドオド

兄「構わない、一緒にたべよう」

妹「…に、兄さんがそう言うのなら」

兄「うん、俺が用意しよう」

妹「あ、ありがとうございます…?」

……


兄「ごちそうさまでした」

妹「ごちそうさまでした…」

兄「どうした、浮かない顔して」

妹「だ、だって…」

兄「…先刻の件か」

妹「え?あ…はい」

兄「あれは…俺が悪かった」

妹「え…ええ?」

兄「勇気を出して愛を伝えてくれたと言うのに…それを踏みにじるようにしてしまい、申し訳なかった」

妹「ええ…はぁ…?」

兄「そして…考えたんだ」

妹「…」

兄「お前が如何に悩み、苦しみ、そして、想いを伝えてくれたのか…と」

兄「それを考えるだけで…俺の心はまるで森の木々のようにザワザワと音を立てるんだ」

妹「…」

兄「…」

兄「…一つの結論に辿り着いた」

兄「俺達は…相思相愛だと」

妹「はあ…?」

兄「俺は自分の気持ちに嘘をついてきた」

兄「家族だから…親族だから我慢しなければと」

兄「でもそんな事はなかったんだ」

兄「お前の想いが…俺を動かしたんだ」

兄「長くなってしまったな…」

兄「改めて、俺から言わせて欲しい」

兄「俺は…お前の事が好k」

妹「お断りします」ビシッ

兄「…なんだその奇怪なポーズは」

妹「…」

妹「…あなたは兄さんじゃない」

兄「なにを言っている?」

妹「兄さんの格好をしてるだけ」

妹「兄さんは…そんなふうじゃない」

妹「兄さんはそんな臭いこと言えない」

妹「そしてなにより、さっきの私のポーズに突っ込みを入れるはず」

兄「…」

妹「あなたは誰?兄さんはどこへ行ったの?」

兄「俺はお前の兄だ」

妹「嘘、少なくとも中身は違う」

兄「嘘ではない」

妹「兄さんを返して」

兄「我が兄だ」

妹「兄さんは我なんて言わない」

兄「…」

妹「いい加減白状して」

兄「…」

妹「…」

兄「ククククク…」

妹「…」

「クハハハハ!見事よ人間!よくぞ正体を見破った!」

妹「あなたは誰?」

「我輩か?我輩は…世間一般で言う魔王」

魔王「こことは違う次元より参上した」

妹「魔王…」

魔王「貴様の兄は今頃先ほどの施設で彷徨っている事だろう」

妹「なんのためにこんな事を?」

魔王「なに、来れたついでに少々愉しもうかと思うてな」

妹「愉しむ?」

魔王「いかにも、我輩と姿形がそっくりな男を見つけたのであとをつけて見たら…なにやら愉快な事になっておったのでな」

妹「…つまり、その姿は変身とかしていないと?」

魔王「うむ」

魔王「我輩、一度転生した際に人の姿になってしまったのだ」

魔王「そしてその姿が貴様の兄にそっくりだったと」

妹「…」

魔王「…先ほど」

魔王「先ほど我輩が述べた言葉だが、あの男の真相心理を読み取った言葉だ」

魔王「口調がおかしかったかも知れないが、あくまで奴の本心だ」

妹「兄さんが…あんな事を?」

魔王「貴様に対する愛が溢れておった」

妹「…///」

魔王「クハハ!そろそろ奴にかけた呪いも解ける頃…帰ってくるはずだ」

妹「兄さん…」

魔王「我輩の居た次元でも、兄弟間の恋と言うのは禁断とされておる」

魔王「だが、人の想いとはそんな物に縛られるほど軽くはない」

魔王「好きに生きれば良い」

魔王「気持ちを抑え苦しむよりも、世間に後ろ指さされながら好きに生きれば幸せであろう」

妹「…ありがとう」

魔王「なに、礼には及ばん」

魔王「…さて、奴もそろそろ来る…」

魔王「帰るか」

妹「あなたには好きな人が居るの?」

魔王「…明確にはわからん」

魔王「しかし、共に過ごすと安心出来る者はおる」

魔王「勇者…戦士…魔法使い…僧侶」

魔王「それに、魔族達」

魔王「それらと過ごせるだけで、我輩は幸せだ」

妹「…答えになってないよ」

魔王「クハハ!好きにも種類があるという話よ」

妹「ふふっ」

魔王「貴様もいい笑顔で笑う」

魔王「兄を愛する気持ち、その笑顔!忘れるでないぞ」

シュウウウウウウッ!
ポンッ

妹「…夢?」

ガチャ

兄「ただいま!」

妹「あ、おかえりなさい!」

兄「妹!実はお前に話があr…」

妹「…」シーッ

兄「…?」


チュッ


兄「!!?」

妹「全部知ってます」

兄「…お前も…魔王に?」

妹「ええ、さっきまでここに居ました」

兄「俺は…奴に教えてもらったんだ」

兄「他人の目じゃなく、自分の気持ちが大事なんだって」

兄「改めて言わせて欲しい」

兄「妹、お前が好きだ」

兄「何よりも、誰よりも好きだ」

妹「兄さん…」

兄「傷つけてごめんな…」ギュッ

妹「…謝らないで下さい」ギュッ

妹「大好きですよ、兄さん」

兄「俺も…大好きさ」ギュウウ

妹「えへへ…」

妹(魔王さんも…ありがとう)

魔王「クハハ、礼には及ばん」

妹&兄「帰れよ!!」


fin

以上終了
お疲れ様でした

実はこの魔王、以前書いた別作品からのゲストです
ピンとくる作品があったら多分それです

本当に長い間ありがとうございました

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