男「父の奴隷コレクションを譲り受ける事になった」(27)

メイド「はい、旦那様から既に聞いております」

男「なんだ、そうだったのか」

メイド「どういう風の吹き回しかは存じませんけど」

男「父は、『自分はもう歳だから彼女達全員の面倒を見切れない』」

男「『これからはお前が彼女達を可愛がってあげなさい』とか言っていたよ」

メイド「坊ちゃまはどうされるおつもりで?」

男「坊ちゃまはやめてくれって言ってるだろ。成人してる身だぞ」

メイド「ふふふ、申し訳ありません」

男「……とりあえず、僕は了承しておいたよ」

メイド「あらあら。旦那様の遺伝子を継いでるだけありますね」

男「どういう意味だ、それは」

メイド「旦那様の奴隷コレクションを受け継いであんな事やこんな事を少女達に強いるのでしょう?」

男「お前クビな」

メイド「やだもう、冗談ですよー、お坊ちゃまー」

男「……なおさらクビにしたくなってくる」

男「別に僕は父が求めていたようないやらしい事をしたいわけじゃない」

メイド「美少女奴隷に対してイヤラシイ事以外に何かする事ってありましたっけ」

男「思考回路下衆すぎるだろ、お前」

メイド「旦那様のおかげですね」ニコッ

男「その皮肉も父の受け売りか」

メイド「んふふ、これは元からです」

男「まぁ、そんな事はどうでもいいよ」

男「話を元に戻すけど、僕は奴隷達を解放してあげたいと思っている」

メイド「あらあら、勿体無い……。旦那様があれだけの逸材を何年かけて集めたと思ってるんですか」

男「さぁ」

メイド「五十年ですよ」

男「……人生かけてるな」

男「まぁ、それを聞いたところで決意を変えるつもりはないよ」

メイド「失礼ですが……もう少しお考え直されてはいかがでしょう」

男「なんだ、さっきから。メイドは父の肩を持つのか」

メイド「いえ、わたしはお坊ちゃまの将来を思って意見したのです」

男「どういうことだ?」

メイド「あの、ご無礼を承知で申し上げますけども、お坊ちゃまは、ほら、童貞じゃないですか」

男「馬鹿にしてるのか、お前は。大体メイドも処女だろう?」

メイド「処女は価値があるから良いんです。ていうか、話を逸らさないでください」

メイド「お坊ちゃまはもういい年です。そろそろ結婚相手を決められる頃でしょう」

男「この間父も言っていたな。結婚相手を決めなくてはとかなんとか」

メイド「勿論相手は良い所のお嬢様でしょうね。二人は結婚し、そして迎える初夜」

男「飛躍したな」

メイド「しかし、お坊ちゃまは言わずと知れた童貞でございます」

男「なんで世間公認みたいになってんだ」

メイド「女性経験の少ないお坊ちゃまは大事な大事な初夜で恥をかくにきまっています」

メイド「手順を知らないから、リードできない。結果、女性を満足させる事ができない」

男「……処女が偉そうに」

男「大体、手順とかは前もって予習なりなんなりしておけば大恥をかくことはないだろ」

メイド「そう。それです。予習ですよ、お坊ちゃま」

男「は?」

メイド「奴隷達と予習すればいいのです!」

男「はぁ……?」

メイド「お坊ちゃまは童貞ですから分からないでしょうけど、夜の共同作業は経験がモノを言うんですよ」

メイド「お相手を満足させられるか否かも大いに関わってきます。お坊ちゃまだって結婚相手のお嬢様を満足させたいでしょう?」

男「まぁ……できれば……」

メイド「だったら、是非学ばれるべきです。練習台はたくさんあるのですから彼女達でテクニックを磨いて初夜に臨むべきだと思います」

男「メイドの言うことも一理あるけどな……」

メイド「その上、奴隷達は旦那様によって経験を積まされてるわけですから、きっと手取り足取り教えてくれますよ」

メイド「ね、お坊ちゃまにデメリットはないでしょう?」

男「いや、それはそうだが……。倫理的にどうなんだ……」

なんか放置気味になってごめんよ
言い訳になるから来れなかった理由は言わんが

メイド「全く……旦那様とは大違いですね。旦那様は性欲に忠実でおられるのに……」

男「なんで僕が非難されてる形になってるんだ。おかしいのはどう考えても父だろうに」

メイド「そう言ってヘタれていたらいつまでも童貞のままですよ」

男「余計なお世話だよ」

男「っていうか……なんでお前はそんなに奴隷をゴリ推ししてくるんだ?」

メイド「良い機会ですから利用されては如何と思っただけです」

男「……父から何か頼まれたな?」

メイド「はて? なんのことやら」

男「おおかた、僕に奴隷コレクションを引き継がせるための父の策略だろ」

メイド「ぎくっ」

男「一度奴隷達と遊ばせる事で、僕に快楽を教え、自発的に奴隷の収集に明け暮れさせる魂胆だな」

メイド「う、うえー……。察しが良すぎてつまらないんですが……」

男「やっぱりか。お生憎様。僕はその手には乗らない」

メイド「そう言わずに……。たまには1pではなく2pも良いと思います」

男「結構だ」

メイド「坊ちゃまが望めば、3pでも4pでも乱交パーティーだってできますよ」

男「結構だって言ってるだろ」

メイド「……こんなおいしい話に食いつかないとか、貴方それでも男ですか!!」

男「性奴隷にされた可哀相な女の子に手を出すとか、それはただの野獣だ」

メイド「さてはお坊ちゃま……」

男「なんだよ」

メイド「ホモなんですか?」

男「何故そうなる……」

メイド「美少女性奴隷とヤリまくれる権利を自ら放棄する男など、インポかホモか聖職者くらいのものでしょう」

男「決め付けんなよ。男が皆、父と同じような思考回路をしてると思ったら大間違いだぞ」

メイド「いいえ、男なんてみんな野獣ですよ! 誰しも一度は美少女ハーレムを形成して、好きな時に好きなだけどどすこできる夢を抱いたはずです」

男「それはあくまで夢だろ。野獣ってのはその夢を本当に実現させてしまう一部の馬鹿のことをいうんだ」

メイド「貴方はその一部の馬鹿の息子でしょうに!」

男「だから僕が責任とって奴隷達を解放しようとしてるんだろうが」

メイド「……そんな事したら、旦那様ぶちぎれますよ」

男「それを覚悟で言っている」

メイド「教育不行き届きで私までお仕置きされてしまいます」

男「お仕置きなんて今に始まったことじゃないだろ」

メイド「この件に関しては旦那様も通常のお仕置きでは済ましてくれないでしょう……」

メイド「場合によっては、奴隷達がいなくなった所為で、私が旦那様の余りある性欲の捌け口にされるやもしれません」

男「処女卒業、心からおめでとう」

メイド「いやですー! 初めてがあんな鬼畜エロじじいだなんて! それなら今ここでお坊ちゃまに刺し貫かれた方が遥かにマシです!」

男「もうどこからつっこめばいいのか分からん」

メイド「わたしに突っ込んでくだされば良いんです」

男「そっちの話はしてねーよ」

メイド「はぁ……お坊ちゃまと話し合いしても埒が開きませんね」

男「そう思うなら僕をたぶらかそうとするのはもう諦めたらどうだ」

メイド「そうもいきません。お坊ちゃまが奴隷を解放したらわたしはお仕置きを受け、もれなく処女喪失です」

メイド「私の初めてを捧げる誰かさんのためにも諦めるわけにはいかないんですよ」

男「そんなにお仕置きが嫌なら、辞表でも提出して他に行けばいいのに……」

メイド「旦那様の奴隷コレクションを知っている人間が此処を出て行けるわけがないでしょう……?」

男「マジか」

メイド「わたしはこの屋敷に縛られた身なんですよ。旦那様の秘密を知ってしまったばっかりに……」

男「奴隷制廃止運動が高まる今、自分にとって不利益な情報を持ってる人間を父が手放すわけないか」

男(そう考えると奴隷コレクションを僕に押し付けたのにもやはり何か裏が……?)

僕(まさか、僕に全責任を転嫁しようだなんて考えてないだろうな……)

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom